JP5077778B2 - 定容積形電磁ポンプ - Google Patents

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Description

この発明は、インライン型の電磁ポンプ、特に定容量を安定して供給することができる電磁ポンプに関する。
電磁ポンプは、電磁コイルに供給されるパルス電流により、断続する磁気力を発生させ、非励磁時に電磁プランジャは戻しスプリングに戻され、このような作用の連続により往復動され、この往復動が電磁プランジャと連結のピストンを従動せしめ、ポンプ室に容積変化を与え、もって一対の逆止弁(吸入弁と吐出弁)が協動することでポンプ作用が行われている。
定容積電磁ポンプは、例えば燃料電池システムの改質水ポンプ、内燃機関のNOx低減装置(SCR)の尿素水ポンプ、ディーゼルエンジンのDPF用ポンプ等に採用されており、これらのポンプに求められている要件は、吐出し側の背圧又は吐出し圧力の変動に対して吐出し量の変化が軽微であること。即ち、P−Q特性(吐出し背圧−吐出し量特性)がフラットであることの他に、流体温度及び周囲温度の変動に対しても吐出し量の変化が軽微であること、即ち、T−Q特性(温度−吐出し量特性)がフラットであること。
更に、吐出し量の連続的安定性と、ポンプの運転・停止の繰返し時ならびに長時間に亘る停止後の始動時の吐出し量の変化、電源電圧の変動(多くの場合、±10%)に伴う吐出し量の変化等が軽微であることである。これらに加えて、長期間に亘る耐久性と運転時の消費電力が少ないことが要求される。例えば、燃料電池システムの改質水ポンプにあっては、前記の各要件はそれぞれ±3%以内である。
従来の技術として、特許文献1(特公平5−67793号公報)が開示されている。この従来例は、吸込弁14と可動するピストン5に設けられた吐出し作用のオアーバフロー弁20とを持ち、ピストン7が電磁石ユニット5により変動され、励磁時に流体を加圧し、出口4から流体を吐出し、消磁時にもどしバネ8にて入口3より流体を吸引する。それから、停止時にはピストン7が第1図の基本位置を取り、その弾性ストッパ9が出口側端部12aに当接することよって出口4は閉じられ、流体の流出が阻止されている。
また、従来の技術として、特許文献2(特開平11−218076号公報)が開示されている。この従来例は、可動する吐出プランジャ11に設けられている吸入弁本体18と、固定側に設けられている吐出弁体20を持ち、電磁プランジャ10の定往復動により従動する吐出プランジャ11によって、ポンプ作用が行われ、吸入孔23より流体を吸入し、吐出オリフィス37より吐出している。ポンプの静止時には、閉止弁体31が閉止弁座30に着座し、通路を閉じている。
さらに、従来の技術として、特許文献3(特開2007−278148号公開)が開示されている。この従来例は、吸入弁20が固定側に設けられ、可動するピストン27に吐出弁29を持ち、電磁プランジャ41の往復動により従動するピストン27によって、ポンプ作用が行われ、吸入通路13から流体を吸入し、吐出通路49より吐出している。前記電磁プランジャ41の反ピストン側端に(吐出弁29より下流側)に閉止弁44を持ち、弁座46とで開閉動作を繰り返し、その下流の吐出通路49に逆流防止弁51を有している。
特公平5−67793号公報 特開平11−218076号公報 特開2007−278148号公報
しかしながら、前述した段落(0003)に用いられるポンプは、その吐出し側にノズル等の負荷が装備される圧力形電磁ポンプとは異なり、ポンプの非加圧工程中に常に負荷背圧が静圧となって加わっていると共に、その背圧が頻繁に変動する。
次に、先行特許文献ごとに問題点を説明すると、特許文献1において、ピストン7のスリーブ部35内にオーバフロー弁20があって吐出し弁の作用をなしているが、その下流側にはピストン7の出口端12aと弾性ストッパ9で構成される閉止弁が存在するが、その下流側にチェック弁(逆止弁)はない。
このような状態のポンプは、PFMで駆動されるが、コイル電流の過渡特性、消費電力、各チェック弁の作動時間等からパルス電圧の周期に対するパルス幅、即ちパルスデユティは10%〜20%が適している。中でも影響が大きいのは、チェック弁の作動時間で、着座時のチャタリングを含めると、流体の粘度やチェック弁の設計にもよるが、完全に閉止状態に落ちつくまで数msがかかっている。この形態のポンプでは、オーバフロー弁14の挙動が該当し、この欠点を解決しないと、前記の要件を満足せしめることは困難である。特にP−Q特性への影響が大きい。
更に、この形態のポンプは、運転停止時に吸込み弁14とピストン7の出口端12aと弾性ストッパ9とで構成される空間が密閉状態になる。このような状態で周囲温度が上昇した場合、内部の流体の熱膨張によってポンプ内部が高圧となり、作動不良や場合によって液漏れが発生する。流体が水のときは凍結によって同様な問題が生じることがあり、燃料電池システムでは0〜60℃、ディーゼルエンジンのDPFでは−30〜90℃が使用温度範囲とされるために使用に耐えない。
特許文献2において、負荷背圧を吐出弁座49に受けるため、吐出弁体20の閉弁速度が早く、特に良好なT−Q特性が得られやすい。しかし、吐出弁本体20の閉弁遅れが完全になくなるはずはなく、T−Q特性以外のP−Q特性を満足するには未だ不充分である。
特許文献3において、逆流防止弁51が設けられ背圧に対向する作用が開示されている。このポンプにあって、プランジャ41の上流端にストッパを兼ねる閉止弁44が装備され、コイル3に印加される駆動パルス幅は、同周期の10〜20%であるので、プランジャ41が上死点に滞在する時間が長く、その間は閉止弁44は閉止状態にある。したがって、ピストンの呼込み工程の始動時点で逆流防止弁は安定した閉弁状態にあり、逆流防止弁の閉弁時間は問題にならないが、吐出弁(29)の下流部に移送する容積効率の重要性に変わるところはなく、吐出弁29と逆流防止弁51のシール性は大切である。
吐出弁29はピストン27内にあり、スペース等の制約から、前記の要件を満たしきれない。代替手段として逆流防止弁の弁座46をゴム等のエラストマを用いて小形リップを形成せしめて弁体との当接時の面圧を高くしている。前記の如くこの形態では負荷背圧で弁座46が変形し、P−Q特性に支障を生じる。硬質の弁座46と弁体にすると、呼込み工程のシール性が不充分となりT−Q特性に支障が生じる。
このため、この発明は、吐出し背圧の変化や、流体温度の変化があっても、吐出し量の変化が少ない定容積形電磁ポンプを提供することを目的とする。
この発明にかかる定容量形電磁ポンプは、吸入継手に設けられた吸入通路と吐出継手に設けられた吐出通路との間に設けられたシリンダと、このシリンダ内を往復動するピストンと、このピストンに設けられた吸入弁と、この吸入弁に対し下流側にあって前記吐出継手に設けられた吐出弁と、前記ピストンの一端に固着の電磁プランジャと、この電磁プランジャを往復動させるコイルとを備え、前記吸入弁と前記吐出弁と前記シリンダと前記ピストンとで構成されるポンプ室を容積変化させてポンプ作用を行う電磁ポンプにおいて、前記吐出継手内の吐出通路に、前記吐出弁よりも下流に背圧弁を設けると共に、前記吐出弁にあって、その弁体をプラスチック又はセラミックにより、その弁座をゴム等の弾性体により作り、前記背圧弁にあって、その弁体をプラスチック又はセラミックにより、その弁座を金属等の硬質材料により作ることを特徴とする(請求項1)。
これにより、負荷背圧の変動に対する吐出し量の変化の特性、即ちP−Q特性の改善と、流体温度ならびに周囲温度の変化に対する吐出し量の変化の特性、即ちT−Q特性の改善が図られる。定容積形電磁ポンプの吸入弁や吐出弁の各逆止弁の挙動は、P−Q特性と、T−Q特性に対して極めて影響が大きく、ピストンの往復動と同期して作動することは勿論、その作動速度の高速化が要求される。
ピストンのストローク量を如何に正確にしようとも逆止弁の作動速度、特に閉弁速度が遅いと、吐出し量の変化特性が大きく、目的を満足せしめることが出来ない。
ピストンのストロークは、上方では弾性体ストッパに、下方では閉止弁により規制を受け、一定であり、ピストンの受圧面積にストローク量を乗じた吐出し量が得られるはずであるが、ピストンとシリンダの間のクリアランスからの漏れと、各逆止弁の開弁から閉弁に至るに要する時間中の漏れである逆流量があり、これは負荷背圧の値に依存することが、ピストンが定ストロークで稼動しても、P−Q特性がフラットにならない要因である。
逆止弁の閉弁速度の影響が最も大きく、この逆止弁の閉弁速度は、流体の粘性による粘性ダンパの要因を除くと、ばね・質量系の挙動で表され、弁体の質量と、弁ばねのばね定数のパラメータである。弁体をプラスチック材等で軽量化すると共に、弁ばねのばね定数を増すことが閉弁速度の高速化に有効である。
このため、吐出弁にあって、弁体を軽い材質で作り、弁座からの漏れを防止するために、ゴム等の弾性体により作り、接触面圧を高めると共に、閉弁速度の高速化を図り、漏れを防いで、逆流をなくすと共に、背圧弁により背圧を一時的に受け止め、弁体を軽い材質で作り、弁座を金属などの硬質材料により作り、背圧を背圧弁で受けて、吐出弁の背圧の負担を減少させ、もって、前述のごとく閉弁速度の高速化を可能とし、吐出し背圧の変化や、流体温度の変化があっても、吐出し量の変化の少ない定容積形電磁ポンプを提供できる。
前記吐出弁をポペット弁とし、前記背圧弁をボール弁とすることが好ましく(請求項2)、また前記吐出弁の弁座には、リップ部を設けることが好ましい(請求項3)。これにより接触面圧を高められる。
前記ピストンの上死点位置を定めるための、弾性体で構成されるストッパに、前記電磁プランジャが当接することで生じる閉鎖空間を排除する逃し通路を設けるようにすることが好ましい(請求項4)。これにより、電磁プランジャが弾性体で構成されるストッパに当接することで生じる閉鎖空間内の圧力変動を逃し通路で電磁プランジャ作動空間内に逃し、安定したピストンストロークを与えられる。
前記シリンダ内を摺動する前記ピストンの所定の外径の外径部を持つが、径方向の貫通孔が形成される部位の前後を小径部に形成し、その小径部と前記所定の外径部とを鈍角にて連接したことが好ましい(請求項5)。これにより、径方向の部位の小径部と所定の外径部とは鈍角にて連接したことから、シリンダのカジリを防いでいる。
前記吸入継手の吸入通路に、フィルタとその下流に逆止弁を配することが好ましい(請求項6)。これにより、吸入工程時における主に電磁プランジャ可動質で構成されるポンプ室内の流体が吸入通路から流出するのを防止される。
以上のように、請求項1記載の発明によれば、吐出弁の下流側の背圧弁を持つことから、負荷背圧を背圧弁と吐出弁にて分けて負担し、背圧弁の弁体を軽く、そして弁座を硬質材料により作ることで、スプリングのバネ定数を吐出弁のスプリングよりも大きくし、前記吐出弁の弁体を軽く、そして弁座をゴムなどの弾性体により構成し、軽い弁体から、閉弁速度を高め、且つ弾性体の弁座から接触面圧を高め、閉弁時の逆流を防ぐことができる。
本発明の実施例にかかる縦断面図である。 同上の中心部付近の断面図である。 本発明のP−Q特線線図である。 本発明のT−Q特線線図である。
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1、図2において、定容積電磁ポンプ1が示され、鉄などの磁性材で製造されたケース内にパルス電流が印加されるコイル3を備え、このコイル3は樹脂製のボビン4に電線が巻装されて構成され、ボビン4の中心を貫通して形成された貫通孔には、非磁性材の金属より成るガイドパイプ6が挿入され、それに連なる鉄などの磁性材より成るステータアッパ8とステータロア9とも、それぞれ上方及び下方から嵌挿されている。10はオーリングで、ガイドパイプ6とステータアッパ8とステータロア9との気密を図っている。11はオーリングで、取付板12との気密を図っている。
前記ステータロア9は、その中心軸方向に孔13が形成され、軸方向の中程に螺子部14を持っている。このステータロア9の孔13には、吸入継手17が挿入され、螺子部18が前記螺子部14に螺合して取付られ、オーリング19で気密が図られている。20は吸入継手17を固定するためのロックナットである。
吸入継手17は、その軸方向に吸入通路16が形成され、この吸入通路16の上流側にストレーナ21、その下流に逆止弁22が設けられている。この逆止弁弁22は弁体23と弁座24とスプリング25とより成り、下記する閉止弁座27となる筒体内に収納されている。
閉止弁座27は、前記吸入継手17の吸入通路16に圧入されて取付られており、中心に孔28を有し、下記する閉止弁48が着座するもので、着座されると孔28は閉じられる。この閉止弁座27は前記吸入継手17のステータロア9の螺合位置を変化させることで、その位置を(図では上下方向)を変えることができる。
シリンダ30は、円筒形の部材で、イオンの溶出が少ないポリエーテルケトン(PEEK)等より製造され、前記磁性材よりなるステータアッパ8の孔31内に嵌挿されている。シリンダ30とステータアアッパ8はオーリング33、33にて気密とピストンがシリンダ30に挿入時のひずみを与えずに挿入固定することができる。
ピストン35は、非磁性材の金属、例えばステンレス鋼で製造され、中心軸方向に貫通孔36を持つ円筒体で、前記シリンダ30に摺動自在に挿入され、その上流側端に固着の下記する電磁プランジャ43の往復動に従動される。このピストン35の下流側端に下記する吸入弁37が固設されている。
またピストン35の中ほどで、前記貫通孔36と交わる径方向の径方向孔36aが穿設され、その径方向孔36aの周囲に他の部位の所定の外径部より小径の小径部42が形成され、その小径部42と前記所定の外径部とを鈍角(160度から165度)にて連接している。これにより、ステンレス鋼によりシリンダのカジリを改善するのに良好となる。
今までは、流体の通路を構成する貫通孔36と連通の径方向孔36aが形成されると、加工による膨らみが生じることから、その部位よりも小径とすることが行われ、小径部と通常の径の部位との間に段差が生じている。このようなピストンに硬質めっきを施し、その後にセンタレス研磨すると、めっき時の段差へのめっき電流の集中によるノジュールの生成や、センタレス研磨による返りに段差が生じて、そのままの状態で使用すると、シリンダを損傷して吐出し量が低下することがあった。この返りは油砥石等を用いて除去していたが、作業が面倒な上に除去が不十分で耐久性に支障をきたしていた。これを解決するため、前述したように、小径部42と他の所定の部位との間を160〜165度の鈍角で連接するようにしている。
吸入弁37は、円錐弁で、弁体38と弁座39とより成り、弁体38は、その底面38aがポンプ室側に面し、頂部にロッド38bが設けられ、このロッド38bにスプリング受38cが取付られている。この弁体38は、前記スプリング受38cと前記弁座39との間に介在のスプリング40により、弁座39に着座されている。
弁座39は、中心に弁孔41を持ち、前記ピストン35の下流側端に固設され、ポンプ室側が広く、反ポンプ室側が狭くなるような円錐面(弁孔41)となっている。この弁座39に前記弁体38が着座すると、その底面38aが前記弁座39のポンプ室側が面一となる。なお、この弁座39が圧入のため、前ピストン35の端部は膨らむが、予め他の部位よりも小径となっていて、膨らみを吸収し、往復動時にシリンダ30のカジリを防いでいる。
電磁プランジャ43は、鉄などの磁性材により作られ、上端に開口の嵌合孔46に前記ピストン35の下端が嵌挿され、前記ピストン35と一体化されている。そして、この電磁プランジャ43は前記ステータアッパ8と前記ステータロア9との間でガイドパイプ6で囲まれた電磁プランジャの駆動空間44内で往復動されるもので、その移動範囲(移動ストローク)は、上端では下記する弾性体ストッパ50、下端では前記閉止弁座27とでストローク量の規制を受けている。
この電磁プランジャ43は、その上端と前記シリンダ30の下端との間に戻しスプリング45が弾装され、この戻しスプリング45により、反シリンダ側へ押圧され、無通電時に該電磁プランジャ43の下端に設けられた閉止弁48が、前記閉止弁座27に着座し、弁孔28を閉じている。
弾性体ストッパ50は、ゴムなどの弾性材料から作られ、前記戻しスプリング45のリテーナ49を介在して前記ステータアッパ8及びシリンダ30の下端に取付られている。この弾性体ストッパ50には、前記電磁プランジャ43の上端が当接するが、この当接により、電磁プランジャ43から前記吸入弁37までの間の通路が閉塞空間となることから、ピストン35のストロークに影響を与えるために、電磁プランジャ43の上端の径方向に逃し通路52を形成している。
ポンプ室53は、前記前記ステータアッパ8と、シリンダ30と、吸入弁37の弁体38、弁座39と、ピストン35と、下記する吐出弁57の弁体59と弁座60とより成り、このポンプ室35の容積変化により吸入弁37と吐出弁57とでポンプ作用が行われる。
吐出継手55は、筒状体で、前記ステータアッパ8の上端にオーリング56を介在してカシメ止めされて取付られている。そして、その軸方向に吐出し通路54が形成されて、その吐出し通路54の上流側から吐出弁57と背圧弁58とが直列に設けられている。
吐出弁57は、弁体59と、弁座60と、スプリング61とで構成され、下記する背圧弁座66内に設けられている、弁体59はポペット形で、プラスチック又はセラミックにより軽く作られ、その弁座60は中心に孔62を有しゴム等の弾性体で製造されていて、リップ63を持ち、接触面圧を高めている。
背圧弁58は、弁体65と、弁座66と、スプリング67とで構成され、前述したように、吐出通路54に設けられている。弁体65は、球形で、プラスチック又はセラミックにより軽く作られ、その弁座66は金属等の硬質材料により作られていて、負荷背圧がかかっても変形しない対策がほどこされている。68はオーリングである。
前述のように、背圧弁58は吐出弁57と直列に接続されていて、負荷背圧で流体がポンプの内部に逆流して、吐出し量が低下することを防止する。実験手法を用いて検証した結果、背圧弁を装備しないで吐出弁のみで、その機能を兼ねた場合、負荷背圧0〜40kPaぐらいまでは、何とか5%ぐらいのP−Q特性を得ることができる。
しかし、それ以上の背圧域では、吐出し量が大きく低下してしまい、場合によっては、作動不安定や作動停止に至ることもあった。この現象は、ピストンの吸込み工程の始動時点で吐出弁が未だ閉弁に至っていないため、流体が瞬時に吸入弁の下流部(ポンプ室)に逆流して、吸入弁の上流側と下流側の流体の圧力が等しくなるため、弁のスプリングの力により吸入弁が閉止してしまうことになる。
この改良前特性が図3のP−Q特性線図(吐出し背圧−吐出し量特性)に点線で示されている。
このことから、解るように、当該定容積形電磁ポンプでは、背圧弁58は必要不可欠で、その閉弁速さは、可能な限り速くなくてはならない。また、背圧弁58は高圧の負荷背圧を受けるため、弁体65ならびに弁座66は負荷背圧による変形等が生じることのないように金属などの硬質材を使用すると共に、強固に製作することも必要である。これに対し、吐出弁57は、その弁座60が弾性体で作られ、接触面圧を高めているため、閉弁工程の逆流を少なく抑えられている。この改良後特性が図3のP−T特性線図に実線で示されている。
また、流体の温度、周囲の温度からも、温度が高くなることで、弁座の粘性の低下から吐出し量が低下するか、吐出弁の弁座を弾性体で作り、接触面圧を高めることや、背圧弁を設けたことから、逆流を防いで図4にて示すようにT−Q特性線図(温度−吐出し量特性)の改善が図られる。
上述の構成において、電磁コイル3に例えば5Hzのパルス電流を流すと、オン時にコイル3が励磁され、ステータアッパ8、ステータロア9、電磁プランジャ43が磁化され、電磁プランジャ43が戻しスプリング45に対して上方へ動き、クッション50に当接し、上方動が止められる。この電磁プランジャ43の動きは、ピストン35に伝えられ、該ピストン35は上方へ従動し、ポンプ室53は、図1の状態からデットスペースが無きまで縮小される。これにより、ポンプ室35内圧が上昇し、圧力差から、吐出弁57を開いて流体が吐出通路54内に流出し、外部へ吐出しされる。
パルス電流がオフ時に、コイル3消励され、ステータアッパ8、ステータロア9、電磁プランジャ43が消磁され、電磁プランジャ43は、戻しスプリング45により下方へ動き、閉止弁48が弁座27に当接して停止される。その際に、ポンプ室53内の容積が拡大する。これにより、ポンプ室53内の圧力が低下し、圧力差から吸入弁37を開いて流体がプランジャ駆動空間44から吸入される。当然ながらプランジャ駆動空間44内の圧力も低下するため吸入通路16を介して外部から流体を吸入する。
そして、パルス電流が再びオンとなると、電磁プランジャ43及びピストン35が上方へ動き、加圧作用が開始される。このような作用が繰り返され、ポンプ作用が行われ、所定のストロークを持って上下動されるため、定容量が吐出しされる。したがって例えば5Hzですと、ポンプ室53の底面積にストローク寸法と5回を乗じた毎分の吐出量が排出される。そして、コイル3へのパルス電流の周波数を変えることで、吐出量を直線的に変化させることができる。
1 電磁ポンプ
2 コイル
8 ステータアッパ
9 ステータロア
16 吸入通路
17 吸入継手
21 ストレーナ
22 逆止弁
27 閉止弁座
30 シリンダ
37 吸入弁
43 電磁プランジャ
44 電磁プランジャの駆動空間
45 戻しスプリング
48 閉止弁
50 弾性体ストッパ
52 逃し通路
53 ポンプ室
54 吐出通路
55 吐出継手
57 吐出弁
58 背圧弁

Claims (6)

  1. 吸入継手に設けられた吸入通路と吐出継手に設けられた吐出通路との間に設けられたシリンダと、このシリンダ内を往復動するピストンと、このピストンに設けられた吸入弁と、この吸入弁に対し下流側にあって前記吐出継手に設けられた吐出弁と、前記ピストンの一端に固着の電磁プランジャと、この電磁プランジャを往復動させるコイルとを備え、前記吸入弁と前記吐出弁と前記シリンダと前記ピストンとで構成されるポンプ室を容積変化させてポンプ作用を行う電磁ポンプにおいて、前記吐出継手内の吐出通路に、前記吐出弁よりも下流に背圧弁を設けると共に、前記吐出弁にあって、その弁体をプラスチック又はセラミックにより、その弁座をゴム等の弾性体により作り、前記背圧弁にあって、その弁体をプラスチック又はセラミックにより、その弁座を金属等の硬質材料により作ることを特徴とする定容積形電磁ポンプ。
  2. 前記吐出弁をポペット弁とし、前記背圧弁をボール弁とすることを特徴とする請求項1記載の定容積形電磁ポンプ。
  3. 前記吐出弁の弁座には、リップ部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の定容積形電磁ポンプ。
  4. 前記ピストンの上死点位置を定めるための、弾性体で構成されるストッパに、前記電磁プランジャが当接することで生じる閉鎖空間を排除する逃し通路を電磁プランジャに形成したことを特徴とする請求項1記載の定容積形電磁ポンプ。
  5. 前記シリンダ内を摺動する前記ピストンは所定の外径の外径部を持つが、径方向に径方向孔が形成される部位の軸方向前後を小径部に形成し、その小径部と前記所定の外径部とを鈍角にて連接したことを特徴とする請求項1記載の定容積形電磁ポンプ。
  6. 前記吸入継手の吸入通路に、フィルタとその下流に逆止弁を配したことを特徴とする定容積形電磁ポンプ。

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