JP5077716B2 - トナーカートリッジ - Google Patents
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本発明は、感光ドラムの回転数が所定量以上になった時またはトナーが所定量以下になった時、内部のドラムやロール等の状態を変化させてトナー像の画質を劣化させることにより、トナーを補充しただけでは再利用することができないトナーカートリッジを提供する。
コピー機,ファクシミリ、プリンタ,コピーFAX複合機等の画像形成装置には、トナーを収容したトナーカートリッジが着脱可能に設けられ、このトナーカートリッジの内部には、トナー以外に感光ドラムや各種ロールも収容されている。そして、トナーカートリッジが寿命を迎えた場合、すなわち感光ドラムの回転数が所定量以上になった場合またはトナーが所定量以下になった場合、画像形成装置の装置本体からトナーカートリッジを取り外して新品と交換するようになっている。ところで、このトナーカートリッジは、トナー切れ状態になっても、その内部にトナーを補充しさえすれば、そのまま再利用することができる構造であった。
しかし、トナーカートリッジが寿命を迎えた時、実際にはトナーカートリッジに収容されたドラムや各種ロール等の部品も寿命に達した状態、すなわち調整や交換が必要な状態またはそれに近い状態になっていることが多い。従って、トナーを補充しただけの再生トナーカートリッジは、使用開始直後にまたは使用開始後短時間で内部の部品が寿命に達し、紙詰まりや印刷異常といったトラブルが発生するという問題があった。また、トナーカートリッジの内部の部品が寿命に達すると、トナーカートリッジ自体にトラブルが発生するだけでなく、トナーカートリッジを収容する画像形成装置の装置本体にトラブルが発生するという問題もある。例えば、トナーカートリッジ内部の駆動トルクが増大すると、装置本体側の駆動ギアやモータに負荷が掛かり、これらの部品にトラブルが発生する。
そこで、このような問題に対処したトナーカートリッジが従来提唱されている(特許文献1参照)。このトナーカートリッジでは、その回転数の累積値がカートリッジメモリに書き込まれる。そして、プリンタは、この累積値が所定値以上に達すると、トナーカートリッジに収容されたトナーの残量が所定量以下になったと判断し、トナーカートリッジを作動不能な状態とする。これにより、トナーカートリッジはその再利用が禁止される。
しかし、従来のトナーカートリッジは、カートリッジメモリに電気的に書き込んだ累積値に基づいて作動不能な状態とされるので、カートリッジメモリを交換することにより、或いは累積値の再書き込みを行うことにより、トナーカートリッジを作動可能な状態に容易に戻すことができる。従って、従来のトナーカートリッジでは、作動可能な状態に戻しさえすれば、寿命に達した部品の調整や交換を行うことなく、トナーを補充するだけで再利用できるという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、感光ドラムの回転数が所定量以上になってまたはトナーが所定量以下になって寿命に達すると、内部の部品の調整作業や交換作業を行わない限り、トナーを補充しただけでは再利用することができないトナーカートリッジを提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るトナーカートリッジは、トナーを格納し画像形成装置の装置本体に着脱可能なケーシングと、該ケーシングに収容された感光ドラムと、前記ケーシングに収容されて前記感光ドラムの表面にトナー像を形成するプロセスユニットと、前記感光ドラムの回転数が所定量以上となった時に入力される信号に基づいて、またはトナーの残量が所定量以下となった時に入力される信号に基づいて、前記感光ドラムまたは前記プロセスユニットのいずれかに作用し、作用前と比較して前記トナー像の画質を劣化させる像画質劣化手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るトナーカートリッジによれば、感光ドラムの回転数が所定量以上となるとまたはトナーの残量が所定量以下になると、像画質劣化手段が感光ドラムまたはプロセスユニットのいずれかに作用することにより、感光ドラムの表面に形成されるトナー像の画質が劣化する。これにより、像画質劣化手段が作用したプロセスユニットを修復または交換しない限り劣化した画質を良好な状態へと戻せないため、トナーを補充しただけのトナーカートリッジを再利用することができない。従って、再利用トナーカートリッジで内部の部品にトラブルが発生する問題を未然に防止することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図1は、第1実施形態のトナーカートリッジ10の内部構造を示す模式図である。トナーカートリッジ10は、表面に感光層が形成されてその一部をケーシング11の外部に突出させるように設けられた感光ドラム12と、この感光ドラム12の表面にトナー像を形成するためのプロセスユニット13と、感光ドラム12の表面に傷を付けるための像画質劣化ユニット(像画質劣化手段)14と、印刷枚数や印刷ドットカウントや感光ドラム12の回転数(ドラムカウント)等を集計し記憶するメモリ15と、を備えるものである。尚、感光ドラム12の回転数だけでなく、プロセスユニット13を構成する各種ロールの回転数も合わせた総回転数をメモリに記憶してもよい。
前記プロセスユニット13は、図1に示すように、感光ドラム12の表面を帯電させるための帯電ロール131と、感光ドラム12に接触して設けられた現像ロール132と、トナーTを格納してトナー補給口133aから現像ロール132に対してトナーTを供給するトナー保管部133と、を有している。尚、プロセスユニット13の構成は、本実施形態に限定されず、例えば現像ロール132の表面を徐電する部材や、現像ロール132の表面から残留トナーを回収する部材を設けてもよい。
このように構成されるプロセスユニット13によれば、ユーザから印刷開始の命令が発せられると、まず帯電ロール131に電圧が印加され、この帯電ロール131によって感光ドラム12の表面全体が一定電位に帯電される。次に、この感光ドラム12に、印刷情報に応じたレーザー光が照射されてその表面が部分的に徐電されることにより、不可視の静電潜像が形成される。一方、これと同期して現像ロール132にも電圧が印加され、トナー保管部133から供給されたトナーTが現像ロール132の表面に一様に付着する。そして、この現像ロール132のトナーTが付着することによって静電潜像が可視像化され、現像ロール132の表面にトナー像が形成される。その後、このトナー像が記録紙に転写されるものとなっている。
ここで、図2は、図1におけるA−A断面を示す概略横断面図である。前記像画質劣化ユニット14は、図2に示すように、ケーシング11に固定されたスパイラルモータ141と、このスパイラルモータ141の駆動軸に固定された駆動ギア142と、表面に雄ネジが切られて回転可能に支持されたスパイラルロール143と、このスパイラルロール143の一端に固定されて駆動ギア142に噛み合う従動ギア144と、内周面に雌ネジが切られてスパイラルロール143に螺合するスパイラルギア145と、スパイラルロール143の両端部にそれぞれ設置された往路センサ146及び復路センサ147と、を有している。
また、図3は、スパイラルギア145の周辺を拡大した部分拡大図である。スパイラルギア145には、先端が先鋭な形状の引っ掻き部145aが感光ドラム12の側に突出して設けられる一方、感光ドラム12と逆側に向かってフィラー部145bが突出して設けられている。また、スパイラルギア145には、その上部と下部に支持シャフト148がそれぞれ挿通されている。この支持シャフト148は、図2に示すように、スパイラルロール143に平行して延びるようにそれぞれ設けられ、スパイラルギア145を支持するとともにその移動を案内するものとなっている。尚、このスパイラルギア145は、初期状態すなわちトナーカートリッジ10が寿命に達していない状態では、その引っ掻き部145aが感光ドラム12に干渉しない初期位置で停止している。ここで、本実施形態では、この初期位置を図2に向かって感光ドラム12より左側の位置としているが、これに限られず感光ドラム12より右側の位置としてもよい。また、支持シャフト148は本発明に必須の構成ではなく、その本数や設置位置等は適宜設計変更が可能である。また、引っ掻き部145aの形状,位置,個数等は、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能であって、例えば鍵状に形成することも可能である。
一方、往路センサ146及び復路センサ147は、いわゆる透過型の光学センサであって、図3に示すように、所定幅の隙間149を挟んで向かいあう発光部146a,147aと受光部146b,147bとを備えるものである。この往路センサ146及び復路センサ147によれば、発光部146a,147aと受光部146b,147bの間に物体が存在しない時は、発光部146a,147aからの光が受光部146b,147bで検知されるが、発光部146a,147aと受光部146b,147bの間に物体が存在する時は、発光部146a,147aからの光は物体に遮られて受光部146b,147bでは検知されない。これにより、発光部146a,147aと受光部146b,147bの間における物体の通過が検出される。尚、本実施形態では往路センサ146及び復路センサ147として光学センサを用いたが、スパイラルギア145の位置を検出可能であれば、他の方式のセンサ例えば物理接触式のタッチセンサを用いてもよい。
このように構成される像画質劣化ユニット14によれば、スパイラルモータ141が駆動されると、その回転が駆動ギア142及び従動ギア144を介してスパイラルロール143に伝達される。そして、スパイラルロール143の回転に伴い、これに螺合したスパイラルギア145が、支持シャフト148に案内されながらスパイラルロール143に沿って移動する。そうすると、スパイラルギア145の引っ掻き部145aが感光ドラム12に接触してその表面を引っ掻くことにより、感光ドラム12の表面には軸方向に沿って直線状の傷が付けられる。また、スパイラルギア145は、そのフィラー部145bが往路センサ146または復路センサ147によって検知されることにより、その移動範囲が制御される。
次に、画像形成装置の動作制御について説明する。ここで、図4は、画像形成装置における処理の流れを示すフローチャートである。また、図5は、画像形成装置の装置本体16の機能構成を示すブロック図である。トナーカートリッジ10に設けられた制御手段(不図示)は、印刷命令が発せられると印刷動作を実行し(S1)、図1に示すメモリ15に記憶した印刷ドットカウンタ値及びドラムカウンタ値を、印刷動作の完了ごとに加算する(S2)。そして、制御手段は、印刷ドットカウンタ値が所定の閾値(ドット)を超過したか否か、或いはドラムカウンタ値が所定の閾値(ドラム)を超過したか否かを判定する(S3)。その結果、印刷ドットカウンタ値が閾値(ドット)を超過しておらず、且つドラムカウンタ値も閾値(ドラム)を超過していないと判断した場合(S3:No)、制御手段は、トナーカートリッジ10は未だ寿命に達していないすなわちトナー保管部133には十分な量のトナーが残っていると判断し、S1へ戻って待機し印刷動作を繰り返す。一方、印刷ドットカウンタ値が閾値(ドット)を超過した、或いはドラムカウンタ値が閾値(ドラム)を超過したと判断した場合(S3:Yes)、制御手段は、トナーカートリッジ10が寿命に達したすなわちトナー保管部133のトナーをほぼ使い果たしたと判断し、その旨を画像形成装置の装置本体16に通知する(S4)。
尚、本実施形態ではトナーカートリッジ10が寿命に達したか否かの判断を印刷ドットカウンタ値またはドラムカウンタ値に基づいて行ったが、これはユーザの使用態様によっては、トナーが使い果たされる前に感光ドラム12が予定した回転数を超えて寿命に達することもあるからである。また、印刷ドットカウンタ値やドラムカウンタ値に代えて、メモリ15に記憶したその他の値、例えば印刷枚数に基づいて行ってもよい。また、本実施形態では、印刷ドットカウンタ値及びドラムカウンタ値のチェックをトナーカートリッジ10の制御手段が行ったが、これに代えて図5に示すコントローラ制御部17やエンジン制御部18がこのチェックを行ってもよい。
図5に示す装置本体16のエンジン制御部18は、トナーカートリッジ10が寿命に達したとの通知を確認すると(S5)、図2に示すスパイラルモータ141を回転させる(S6)。これにより、スパイラルロール143が回転し、このスパイラルロール143に沿ってスパイラルギア145が図2に向かって右方向へ移動する。この時、スパイラルギア145の引っ掻き部145aによって感光ドラム12の表面に傷が付けられる。尚、本実施形態では、スパイラルギア145の駆動時に感光ドラム12の回転を停止させているため、感光ドラム12の表面には直線状の傷が付いたが、スパイラルギア145の駆動時に感光ドラム12も同時に回転させれば、感光ドラム12の表面に螺旋状の傷を付けることも可能である。このようにすれば、記録紙に転写されるトナー像の画質が一層ひどく劣化するので、劣化したトナー像の画質を良好な状態に戻すような作業がより確実に必要となる。
その後、図2に示す往路センサ146がスパイラルギア145のフィラー部145bの通過を検知すると(S7)、エンジン制御部18はスパイラルモータ141を停止させた後、逆回転させる(S8)。これにより、スパイラルロール143も逆回転し、このスパイラルロール143に沿ってスパイラルギア145が図2に向かって左方向へ移動する。この時、スパイラルギア145の引っ掻き部145aによって感光ドラム12の表面に再度傷が付けられる。そして、復路センサ147がスパイラルギア145のフィラー部145bの通過を検知すると(S7)、エンジン制御部18はスパイラルモータ141を停止させる(S8)。尚、スパイラルギア145を往復動させる回数は本実施形態に限られず任意の回数とすることができる。また、スパイラルギア145を往復動させることなく、往路センサ146によって検知された位置で停止させてもよい。
一方、エンジン制御部18は、コントローラ制御部17を介してディスプレイ19に警告を表示することにより、トナーカートリッジ10が寿命に達したことをユーザに報知する(S9)。この場合、この警告を無視して印刷動作を継続しても、記録紙に転写される画像には感光ドラム12に付けられた傷によって筋状の模様等が入り、トナー像の画質が劣化する。従って、ユーザは、印字画質を良好な状態に戻すような何らかの作業を行う。具体的な作業としては、トナーカートリッジ10を分解して感光ドラム12の傷を修復する、感光ドラム12を新品に交換する、トナーカートリッジ10自体を新品に交換する等が挙げられる。
このように、トナーカートリッジ10がトナー切れ状態になって寿命に達したことを検知すると、その内部に設けられた感光ドラム12の表面に傷を付けることでトナー像の画質を劣化させる。これにより、この感光ドラム12を修復または交換しない限り、トナーを補充するだけではトナーカートリッジ10を再利用することができない。従って、トナーを補充しただけの再利用トナーカートリッジで内部の部品にトラブルが生じる問題を未然に防止することができる。
尚、本実施形態では、傷を付ける対象物を感光ドラム12とした場合を例に説明したが、トナー像の画質の劣化につながる部材であれば、傷を付ける対象物は帯電ロール131や現像ロール132としてもよい。もちろん、トナーカートリッジ10の構成によっては、その他の構成部材を選択することも可能である。また、本実施形態では、トナー像の画質を劣化させるべく対象物に傷を付けたが、これに代えて対象物を破壊してもよい。
また、本実施形態では、スパイラルギア145を回転させるタイミングを、トナーカートリッジ10が寿命に達するタイミングと一致させたが、この2つのタイミングをずらすことも可能である。ここで、図6は、画像形成装置における処理の流れの変形例を示すフローチャートである。この変形例では、スパイラルギア145を回転させるタイミングを、トナーカートリッジ10が寿命に達するタイミングより所定時間だけ遅らせている。
具体的には、トナーカートリッジ10の制御手段は、印刷命令が発せられると印刷動作を実行し(S10)、図1に示すメモリ15に記憶した印刷ドットカウンタ値を、印刷動作の完了ごとに加算する(S11)。そして、制御部は、印刷ドットカウンタ値が所定の第1閾値を超過したか否かを判定する(S12)。その結果、印刷ドットカウンタ値が第1閾値を超過していないと判断した場合(S12:No)、制御手段は、トナーカートリッジ10は未だ寿命に達していないすなわちトナー保管部133には十分な量のトナーが残っていると判断し、S10へ戻って待機し印刷動作を繰り返す。一方、印刷ドットカウンタ値が第1閾値を超過したと判断した場合(S12:Yes)、制御手段は、トナーカートリッジ10が寿命に達したすなわちトナー保管部133のトナーをほぼ使い果たしたと判断し、その旨を画像形成装置の装置本体16に通知する(S13)。図5に示す装置本体16のエンジン制御部18は、この通知を受けてコントローラ制御部17を介してディスプレイ19に警告を表示するが(S14)、この段階ではスパイラルモータ141を回転させない。
その後、制御手段は、印刷処理を継続し(S15)、印刷処理の完了ごとに印刷ドットカウンタ値を加算する(S16)。そして、制御手段は、印刷ドットカウンタ値が所定の第2閾値を超過したか否かを判定する(S17)。その結果、印刷ドットカウンタ値が第2閾値を超過していないと判断した場合(S17:No)、制御手段は、S15へ戻って待機し印刷動作を繰り返す。一方、印刷ドットカウンタ値が第2閾値を超過したと判断した場合(S17:Yes)、制御手段は、トナーカートリッジ10が寿命に達してから既定時間が経過したと判断し、その旨を装置本体16のエンジン制御部18に通知する(S18)。エンジン制御部18は、この通知を確認すると(S19)、スパイラルモータ141を回転させる(S20)。これにより、前述と同様にして感光ドラム12の表面に傷が付けられ、往路センサ146がスパイラルギア145の通過を検知することにより、スパイラルモータ141を逆回転され、復路センサ147がスパイラルギア145の通過を検知することにより、スパイラルモータ141が停止される(S21)。
このような制御によれば、トナーカートリッジ10が寿命に達したことを警告表示してから、ユーザがこれに対処する時間的な余裕を確保することにより、ユーザへの影響を配慮した設計となっている。
次に、本発明の第2実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジ20は、第1実施形態と比較すると、像画質劣化ユニット21の構成のみが異なっている。ここで、図7は、第2実施形態の像画質劣化ユニット21に関し、第1実施形態の像画質劣化ユニット14との違いを説明するための説明図である。本実施形態の像画質劣化ユニット21は、第1実施形態のスパイラルギア145に代えて、パッド211がスパイラルロール143に螺合して設けられている。このパッド211は、その先端部211aが多孔質部材からなり、その先端部211aには性質変化物質が含浸されている。この性質変化物質は、感光ドラム12の表面を変質させることによって、トナー像の画質を劣化させ得る物質である。性質変化物質としては、例えば接着剤やグリスや導電性グリスを使用することができる。接着剤やグリスを使用した場合、感光ドラム12の表面には、その表面電位によってトナーが付着するのではなく、接着剤やグリスの粘着力によってトナーが付着する。これにより、感光ドラム12の表面には、形成した静電潜像と異なるトナー像が形成されるため、印字画質が劣化する。一方、導電性グリスを使用した場合、感光ドラム12の表面電位が導電性グリスによって乱されるため、前述と同様に印字画質が劣化する。
このような構成によれば、図2に示すスパイラルモータ141が駆動され、その回転が伝達されてスパイラルロール143が回転すると、パッド211がスパイラルロール143に沿って移動する。そうすると、パッド211の先端部211aが感光ドラム12に接触してその表面に性質変化物質を塗布することにより、感光ドラム12の表面が変質し、その結果トナー像の画質が劣化する。これにより、この感光ドラム12の表面を清掃して性質変化物質を除去し、または感光ドラムの表面に他の物質を更に塗布して性質変化物質の特性を打ち消し、または感光ドラムを新品に交換しない限り、トナーを補充するだけではトナーカートリッジ20を再利用することができない。従って、トナーを補充しただけの再利用トナーカートリッジ20で内部の部品にトラブルが生じる問題を未然に防止することができる。
尚、本実施形態でも、性質変化物質を塗布する対象物を感光ドラム12とした場合を例に説明したが、トナー像の画質の劣化につながる部材であれば、性質変化物質を塗布する対象物は帯電ロール131や現像ロール132としてもよい。もちろん、トナーカートリッジ20の構成によっては、その他の構成部材を選択することも可能である。
10…トナーカートリッジ
11…ケーシング
12…感光ドラム
13…プロセスユニット
16…装置本体
21…像画質劣化ユニット(像画質劣化手段)
T…トナー
11…ケーシング
12…感光ドラム
13…プロセスユニット
16…装置本体
21…像画質劣化ユニット(像画質劣化手段)
T…トナー
Claims (3)
- トナーを格納し画像形成装置の装置本体に着脱可能なケーシングと、
該ケーシングに収容された感光ドラムと、
前記ケーシングに収容されて前記感光ドラムの表面にトナー像を形成するプロセスユニットと、
前記感光ドラムの回転数が所定量以上となった時に入力される信号に基づいて、またはトナーの残量が所定量以下となった時に入力される信号に基づいて、前記感光ドラムまたは前記プロセスユニットのいずれかに作用し、作用前と比較して前記トナー像の画質を劣化させる像画質劣化手段と、
を備えることを特徴とするトナーカートリッジ。 - 前記像画質劣化手段が、前記プロセスユニットに接触してその表面に傷を付けることを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記像画質劣化手段が、前記プロセスユニットに対してその表面の性質を変化させる物質を塗布することを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
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