JP5077554B2 - 光通信装置 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、光通信に使用される分散補償器及びそれを備えた光通信装置に関し、特に、電気信号に対して分散補償処理を施す分散補償器及びそれを備えた光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいては、光ファイバを使用して相互に離隔した地点間で光信号の伝送を行っている。しかし、光信号が光ファイバ中を伝播すると、波長成分によって伝播速度が異なるため、光信号の波形が劣化する。この現象を分散という。近時、幹線系の光通信ケーブルのみならず、WAN(Wide Area Network)及びMAN(Metropolitan Area Network)等の技術分野においても、光ファイバによる信号伝送時に、種々の分散の影響による信号劣化が問題となっている。このため、光信号の受信側において、受信した光信号に対して分散補償を行うことが必須となってきている。
【0003】
従来は、分散補償方法として、DCF(Dispersion Compensation Fiber)又はDSF(Dispersion Shift Fiber)等の光ファイバを、光信号の伝送路中に挿入する方法が用いられてきた。また、最近では、光信号を電気信号に変換した後に、電子回路により分散補償を行うEDC(Electrical Dispersion Compensation)が行われている。
【0004】
しかし、光ファイバを用いる方法は伝送コストの増大を招く。また、EDCの場合は、FPGA(Field Programmable Gate Array:プログラミング型LSI)化等により動的分散補償が実現する可能性はあるが、消費電力の増大が避けられないという問題がある。
【0005】
そこで、電気伝送線路を用いた分散補償器として、伝送線路をジグザクに配線したミアンダ伝送線路が知られている(例えば、特許文献1:特開平5−226901号公報、特許文献2:特開平5−226902号公報)。
【0006】
図1Aは、特許文献1に記載された従来の分散補償器を示す平面図であり、図1Bは図1Aに示すB−B’線による断面図である。図1A及び図1Bに示すように、従来の分散補償器101は、誘電体基板102を有する。誘電体基板102の上面上には1本の伝送線路103が設けられている。誘電体基板102の表面に垂直な方向から見て(以下、平面視で、という)、伝送線路103はミアンダ状に、即ちジグザグに形成されている。誘電体基板102の下面上の全面には、導体層104が設けられている。導体層104には接地電位が印加され、グランド層となっている。図示していないが、伝送線路103の一端側(図1Aの左側)には光信号−電気信号変換器が接続され、他端側(図1Aの右側)には電気信号−光信号変換器が接続される。
【0007】
受信した光信号は光信号−電気信号変換器で電気信号111に変換され、この電気信号111は伝送線路103に入力される。伝送線路103により、電気信号111に周波数に依存する遅延が付加され、光信号が光ファイバ中を伝播したことによる分散が補償される。
【0008】
しかしながら、上述の従来技術には、以下に示すような問題点がある。即ち、図1A及び図1Bに示す従来の分散補償器は、補償効率が低い。例えば、分散値が0.12(p秒/GHz/km)である通常のシングルモード光ファイバにより、伝送速度が10Gbpsの光信号を伝送するものとする。この場合、伝送による分散を補償しようとすると、256kmの長さの光ファイバを補償するためには、図1Aに示す伝送線路103の長さを21cmとする必要がある。この長さの伝送線路を通常の光モジュール内又は光モジュールが実装されている基板上に配置することは極めて困難である。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、補償効率が高い分散補償器及びこの分散補償器を備えた光通信装置を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明による分散補償器は、絶縁性の基板と、この基板上に形成され分散特性が相互に等しく電気信号が流れたときにそれぞれの少なくとも一部が相互に電磁気的に結合する一対の伝送線路とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明による分散補償器は、一対の伝送線路が相互に電磁気的に結合するため、これらの伝送線路を流れる電気信号を効果的に遅延させることができる。特に、一対の伝送線路に差動信号を流したときに、この効果が大きい。
【0011】
本発明による分散補償器においては、一対の伝送線路のそれぞれの少なくとも一部がミアンダ状に形成されていることが好ましい。これにより、分散補償器の小型化及び低損失化を実現することができる。
【0012】
本発明による分散補償器においては、基板が樹脂により形成されていることが好ましい。これにより、分散補償器にフレキシブル性を付与することができ、配設の自由度が増大する。
【0013】
本発明による光通信装置は、前述の分散補償器を有することを特徴とする。また、本発明による光通信装置は、入力された光信号を電気信号に変換して分散補償器に対して出力する光モジュールと、分散補償器から出力された電気信号に対して信号処理を施す集積回路とを有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】従来の分散補償器の一例を示す平面図である。
【図1B】図1Aに示すB−B’線による断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態による分散補償器を、一対の伝送線路について示す斜視図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態による分散補償器の断面図である。
【図3】第1の実施形態による分散補償器と従来の分散補償器との特性の違いを示すグラフ図である。
【図4A】本発明の第2の実施形態による分散補償器を示す平面図である。
【図4B】図4Aに示すA−A’線による断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による分散補償器を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による光通信装置を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図2Aは第1の実施形態による分散補償器を示す斜視図であり、図2Bは図2Aに示す分散補償器の断面図である。図2Aにおいては、図を簡単にするために伝送線路のみを示しており、他の構成要素を省略している。
【0016】
図2A及び図2Bに示すように、第1の実施形態による分散補償器1は、例えば樹脂からなる基板2を有する。基板2の上面上の全面には導電材料からなる導体層3aが設けられている。導体層3a上の全面には、例えば樹脂からなる誘電体層4aが設けられている。誘電体層4a上には配線層5aが設けられている。配線層5aは、導電材料からなる1本の伝送線路6aと、伝送線路6aの周囲を埋め込む絶縁材料部7aとから構成されている。更に、配線層5a上の全面には、例えば樹脂からなる誘電体層4bが設けられている。誘電体層4b上の全面には配線層5bが設けられている。配線層5bは、導電材料からなる1本の伝送線路6bと、伝送線路6bの周囲を埋め込む絶縁材料部7bとから構成されている。絶縁材料部7a、7bは例えば樹脂である。配線層5b上の全面には、例えば樹脂からなる誘電体層4cが設けられている。誘電体層4c上の全面には導体層3bが設けられている。導体層3a、誘電体層4a、配線層5a、誘電体層4b、配線層5b、誘電体層4c及び導体層3bにより、多層配線層が形成されている。
【0017】
配線層5aを構成する伝送線路6aと、配線層5bを構成する伝送線路6bとは、基板2の上面に垂直な方向から見て、即ち、平面視で、相互に重なるように配置されている。また、伝送線路6a及び6bは、それらの全体がミアンダ状に形成されている。即ち、伝送線路6a及び6bは、それぞれ、第1の方向11に延びる部分、第1の方向に直交する第2の方向12に延びる部分、第1の方向11に延びる部分、第2の方向12の反対方向である第3の方向13に延びる部分が、この順に繰り返し配列されて、ジグザグに形成されている。
【0018】
伝送線路6a及び6bは、それらの形状が相互に等しく、それらの分散特性が相互に等しくされている。また、配線層5a及び5bの厚さは相互に等しく、絶縁材料部7bは絶縁材料部7aと同じ材料により形成されている。更に、誘電体層4a及び4cはその厚さ及び材料が相互に等しく、誘電率が相互に等しい。更にまた、導体層3a及び3bはその厚さ及び材料が相互に等しい。このようにして、分散補償器1には、マイクロストリップ差動ミアンダ結合伝送線路が設けられている。
【0019】
次に、上述の如く構成された第1の実施形態による分散補償器1の動作について説明する。先ず、導体層3a及び3bに接地電位(基準電位)を印加する。これにより、導体層3a及び3bがグランド層となる。この状態で、伝送線路6a及び6bに差動信号、即ち、極性が相互に逆となる電気信号14及び15を入力する。そうすると、伝送線路6aは導体層3aに電磁気的に結合し、伝送線路6bは導体層3bに電磁気的に結合する。また、伝送線路6aと伝送線路6bとは、それらの全長が相互に電磁気的に結合する。このとき、伝送線路6a及び6bには差動信号が流れているため、伝送線路6aに流れる電流に起因する電磁場と伝送線路6bに流れる電流に起因する電磁場とが相互に強め合い、伝送線路6a及び6bに流れる電気信号を遅延させるように作用する。この結果、伝送線路6a及び6bに流れる電気信号を大きく遅延させることができる。これにより、大きな分散補償特性を得ることができる。伝送線路6a及び6bはそれらの全長にわたって電磁界的に結合関係にあり、伝送線路6a及び6bのインピーダンスは特定の周波数範囲において100Ωに保たれている。このように、分散補償器1は、差動伝送線路としてのインピーダンス整合を行いながら、分散補償器としても動作する。
【0020】
次に、第1の実施形態による分散補償器1の効果について説明する。2つの伝送線路の結合係数を、それぞれγ及びγ’とする。また、伝送線路の共振周波数、即ち、伝送線路の蛇行長さLが1/4波長となる周波数をf0とする。更に、伝送線路における折り返し1回当たりの位相のシフト量、即ち、長さが(2L+2G)であるミアンダ型配線の基本単位当たりの位相シフト量をθとする。この場合、図1A及び図1Bに示す従来の分散補償器101の位相シフト量θは下記数式(1)により与えられる。なお、数式(1)におけるα及びβは、それぞれ下記数式(2)及び(3)により与えられる。また、結合係数γ及びγ’は、伝送線路の形状、即ち、図1A及び図1Bに示す線路幅W、線路厚さt、線路間ギャップG、蛇行長さLによって決定される係数である。
【0021】
【0022】
群遅延特性τ(=dθ/dω)は、数式(1)を角速度ωで微分して、下記数式(4)のように求められる。
【0023】
【0024】
これに対して、図2A及び図2Bに示す第1の実施形態による分散補償器1の群遅延特性τは、伝送線路6aと伝送線路6bとの間の結合係数が各伝送線路における折り返し部分での結合係数と同じである場合、下記数式(5)のように求められる。
【0025】
【0026】
上記数式(4)及び数式(5)からわかるように、ミアンダ型の分散補償器においては、線路幅W、線路厚さt、線路間ギャップG、蛇行長さLを調整することにより、任意の群遅延周波数特性を得ることができる。
【0027】
図3は、図2A及び図2Bに示す第1の実施形態による分散補償器1と、図1A及び図1Bに示す従来の分散補償器との特性の違いを示すグラフ図である。図3において、横軸は伝送線路に流れる電気信号の周波数であり、縦軸はその周波数における遅延量である。図3から理解できるように、第1の実施形態による差動型の分散補償器1は、従来の単線型の分散補償器と比較して、最大で約2倍の遅延量を得ることができる。即ち、第1の実施形態による分散補償器1は、従来の分散補償器と比較して、伝送線路の長さを等しくした場合には最大で約2倍の分散補償量を得ることができ、同じ分散補償量を得る場合には伝送線路の長さを約半分にすることができる。
【0028】
また、第1の実施形態による分散補償器1は、従来の単線型のミアンダ伝送線路型分散補償器と比較して、補償範囲を拡大することができる。更に、第1の実施形態による分散補償器1においては、伝送線路6a及び6bがミアンダ状に形成されているため、小型化及び低損失化を図ることができる。更にまた、基板2、誘電体層4a乃至4c並びに絶縁材料部7a及び7bが樹脂により形成されているため、分散補償器1にフレキシブル性を付与することができる。このため、例えば分散補償器1を湾曲させて狭いスペースに配設することができ、配設の自由度が高い。
【0029】
第1の実施形態によれば、高価なDCFやDSFを設けることなく、また、消費電力が大きいEDCを適用することなく、簡易で低コストな構成で効果的な分散補償器を実現することができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4Aは第2の実施形態による分散補償器を示す平面図であり、図4Bは図4Aに示すA−A’線による断面図である。図4A及び図4Bに示すように、第2の実施形態による分散補償器21は、例えば樹脂からなる基板2を有する。基板2の上面上には2本の伝送線路26a及び26bが設けられている。伝送線路26a及び26bは、基板2上に設けられた1層の配線層を構成している。基板2の下面上の全面には、導体層23が設けられている。
【0031】
伝送線路26a及び26bの形状は相互に同一であり、それらの全体がミアンダ状に形成されている。伝送線路26a及び26bは、基板2の上面に垂直な仮想平面24に関して面対称となる位置に配置されており、それらの分散特性が相互に等しくなっている。これにより、伝送線路26aと伝送線路26bには、これらが最も接近しあう近接部分27が存在することとなる。伝送線路26aと導体層23との間の距離は、伝送線路26bと導体層23との間の距離と等しくなっている。
【0032】
次に、上述の如く構成された第2の実施形態による分散補償器21の動作について説明する。先ず、導体層23に接地電位(基準電位)を印加する。これにより、導体層23がグランド層となる。この状態で、伝送線路26a及び26bにそれぞれ差動信号14及び15を入力する。そうすると、伝送線路26a及び26bがそれぞれ導体層23と電磁気的に結合すると共に、伝送線路26aと伝送線路26bとが、近接部分27において電磁気的に相互に結合する。このとき、伝送線路26a及び26bには差動信号が流れているため、伝送線路26aに流れる電流に起因する電磁場と伝送線路26bに流れる電流に起因する電磁場とが近接部分27において相互に強め合い、伝送線路26a及び26bに流れる電気信号を遅延させるように作用する。この結果、伝送線路26a及び26bに流れる電気信号を大きく遅延させることができる。なお、伝送線路26a及び26bは近接部分27において電磁界的に結合関係にあるため、伝送線路26a及び26bの特定の周波数範囲におけるインピーダンスは、電磁界的に結合している近接部分27では例えば約100Ωに保たれており、結合していない部分、即ち、近接部分27以外の部分では単線で例えば約50Ωに保たれている。このように、第2の実施形態による分散補償器21は、差動伝送線路としてのインピーダンス整合を行いながら、分散補償器としても動作する。
【0033】
第2の実施形態による分散補償器21は、第1の実施形態による分散補償器1と比較して、伝送線路26aと伝送線路26bとの間の距離を調整することにより、任意の分散補償特性を得ることができる。また、伝送線路26a及び26bを同一面上に形成しているため、分散補償器の厚さを薄くすることができる。更に、伝送線路26a及び26bを同時に形成することができるため、製造工程を簡略化することができる。第2の実施形態における上記以外の効果は、第1の実施形態による効果と同様である。
【0034】
次に、本発明の第3の実施形態による分散補償器について説明する。図5は第3の実施形態による分散補償器を示す断面図である。図5に示す分散補償器31の平面図は、図4Aと同じ図になる。図5に示すように、第3の実施形態による分散補償器31は、例えば樹脂からなる基板2を有する。基板2の上面上の全面には導電材料からなる導体層3aが設けられている。導体層3a上の全面には、例えば樹脂からなる誘電体層4aが設けられている。誘電体層4a上には配線層35が設けられている。配線層35は、導電材料からなる2本の伝送線路26a及び26bと、これらの伝送線路26a及び26bの周囲を埋め込む絶縁材料部37とから構成されている。絶縁材料部37は例えば樹脂である。更に、配線層35上の全面には、例えば樹脂からなる誘電体層4cが設けられている。誘電体層4c上の全面には導体層3bが設けられている。導体層3a、誘電体層4a、配線層35、誘電体層4c及び導体層3bにより、多層配線層が形成されている。
【0035】
伝送線路26a及び26bは、第2の実施形態における伝送線路26a及び26bと同じものである。また、誘電体層4a及び4cはその厚さ及び材料が相互に等しく、誘電率が相互に等しい。更にまた、導体層3a及び3bはその厚さ及び材料が相互に等しい。
【0036】
次に、上述の如く構成された第3の実施形態による分散補償器31の動作について説明する。先ず、導体層3a及び3bに接地電位(基準電位)を印加する。これにより、導体層3a及び3bがグランド層となる。この状態で、伝送線路26a及び26bにそれぞれ差動信号を入力する。そうすると、伝送線路26aが導体層3a及び3bと電磁気的に結合し、伝送線路26bが導体層3a及び3bと電磁気的に結合すると共に、伝送線路26aと伝送線路26bとが、その近接部分27(図4A参照)において相互に電磁気的に結合する。第3の実施形態における上記以外の動作及び効果は、第2の実施形態の動作及び効果と同様である。
【0037】
なお、上述の第1乃至第3の実施形態においては、伝送線路の全体をミアンダ状に形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、伝送線路の一部をミアンダ状に形成してもよい。
【0038】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態によれば光通信装置が提供される。図6は、第4の実施形態による光通信装置を示す側面図である。図6に示す光通信装置51は、光ファイバを使用した光通信システムにおける受信器である。光通信装置51は配線基板52を有する。配線基板52の端子パッド(図示せず)上には、半田バンプ53a及び53bが設けられている。これらの半田バンプ53a及び53bを介して、分散補償器1が配線基板52に実装されている。分散補償器1は、前述の第1の実施形態による分散補償器である。分散補償器1は湾曲されており、配線基板52上にコンパクトに配設されている。
【0039】
分散補償器1上には、半田バンプ54a及び54bを介して、光モジュール55が搭載されている。光モジュール55には光ファイバ56が結合されている。また、光モジュール55内には、受信アンプ用のLSI(Large Scale Integrated circuit)(図示せず)が設けられている。光モジュール55は、光ファイバ56から入力された光信号を電気信号に変換し増幅して、分散補償器1に対して出力する。
【0040】
更に、配線基板52の端子パッド(図示せず)上には、半田バンプ53c乃至53fが設けられており、この半田バンプ53c、53d、53e、53fを介して、LSI57が配線基板52に実装されている。また、半田バンプ53bは、配線基板52内の配線(図示せず)を介して、半田バンプ53c乃至53fの少なくとも一部に接続されている。LSI57は、分散補償器1から出力され、半田バンプ53b及び配線基板52を介して入力された電気信号に対して、信号処理を施す。分散補償器1は、光モジュール55とLSI57との間で、インピーダンスマッチングが行われている。
【0041】
次に、上述の如く構成された第4の実施形態による光通信装置の動作について説明する。光信号が、光ファイバ56を伝播して光モジュール55に入力される。このとき、光信号の波形は、光ファイバ56に起因する分散により劣化している。光モジュール55は、入力された光信号を電気信号に変換し増幅して、分散補償器1に対して出力する。分散補償器1は、前述の第1の実施形態において説明した動作により、入力された電気信号に対して分散補償を行い、補償された電気信号をLSI57に対して出力する。LSI57はこの電気信号を信号処理する。
【0042】
第4の実施形態においては、分散補償器1が小型化されており、更に湾曲させることができるため、光モジュール55が搭載される配線基板52上に、分散補償器1も搭載することができる。第4の実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0043】
なお、第4の実施形態においては、分散補償器として前述の第1の実施形態による分散補償器1を使用する例を示したが、本発明はこれに限定されず、前述の第2の実施形態による分散補償器21又は第3の実施形態による分散補償器31を使用してもよい。
【0044】
また、要求される分散補償量が小さい場合には、本発明の分散補償器をLSIの内部に設けることも可能である。例えば、前述の第4の実施形態においては、光モジュール55の受信アンプ用LSIの内部又はLSI57の内部に分散補償器を設けることもできる。この場合、分散補償器の基板としてLSIの層間絶縁膜を使用し、伝送線路としてLSIの配線を使用することもできる。更に、本発明の分散補償器は、通常の回路基板又はフレキシブルな樹脂基板上にも容易に形成可能である。
【0045】
本発明による分散補償器は、分散特性が相互に等しく電気信号が流れたときに相互に電磁気的に結合する一対の伝送線路を備えることにより、電気信号を効果的に遅延させることができ、高い補償効率を実現することができる。
【0046】
本発明は、光ファイバを使用した光通信システムの受信側の光通信装置及びその分散補償器に好適に利用することができる。
Claims (6)
- 絶縁性の基板と、この基板上に形成され分散特性が相互に等しく電気信号が流れたときにそれぞれの少なくとも一部が相互に電磁気的に結合する一対の伝送線路と、前記基板上に設けられた多層配線層とを有し、前記一対の伝送線路は、前記多層配線層における相互に異なる配線層を構成しており、前記一対の伝送線路は、前記基板の表面に垂直な方向に関して相互に重なるように配置されている分散補償器と、
入力された光信号を電気信号に変換して前記分散補償器に対して出力する光モジュールと、
前記分散補償器から出力された電気信号に対して信号処理を施す集積回路と、
配線基板とを備え、
前記分散補償器はフレキシブル性を有し、前記分散補償器は湾曲されて前記配線基板に実装されていることを特徴とする光通信装置。 - 前記一対の伝送線路は、それぞれ少なくとも一部がミアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
- 前記一対の伝送線路の形状が相互に等しいことを特徴とする請求項2に記載の光通信装置。
- 前記一対の伝送線路は、差動信号が流れるものであることを特徴とする請求項3に記載の光通信装置。
- 前記多層配線層は、誘電体層を介して前記一対の伝送線路を挟むように形成された一対の導体層を有することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
- 前記一対の導体層には基準電位が印加されることを特徴とする請求項5に記載の光通信装置。
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