JP5076793B2 - セラミック多孔体の製造方法とそれを用いて作製したセラミック多孔体および構造体 - Google Patents

セラミック多孔体の製造方法とそれを用いて作製したセラミック多孔体および構造体 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック多孔体からなるセラミック成形体に関するものである。
近年、セラミック多孔体は機能性材料として、高耐熱・軽量であることに加え、高透過率、大表面積、吸音、断熱性等のような特性を有しており、これらを利用した、フィルター、センサー、触媒、建材等に応用され、製品の種類や形状によって使い分けられている。
これらのセラミック多孔体の製法の一つとして考えられたゲルキャスティング法は、スラリー中に溶解させたモノマーの重合反応によって成形する方法で、分散媒にセラミックス粉体、有機モノマーを含むスラリーを調製し、 開始剤および触媒を混ぜた後、不透水型に流し込む。
そして、型内でモノマーがラジカル重合することにより分散媒中にポリマーのネットワークが形成され、ゲル湿潤成形体が得られる。
この方法では、スラリーの流動過程と固化過程が完全に分離し、粒子がその場で固定されるため、成形体中の不均一や欠陥が発生しにくいという利点がある。
その他にも、スラリー調製が現在一般的に使用されている鋳込み成形やテープ成形と同様であり、高濃度スラリーが調製できれば適用可能であることや、複雑形状の型を用いたニアネットシェーピングが可能といった利点もある。
また、ゲルキャスティング法では、重合前のスラリーに気泡を導入し重合を開始することにより、多孔質な成形体を得ることが可能である。多孔化する場合のゲルキャスティングの手順は、基本的には、緻密体を成形するのと同じ手順であるが、導入した気泡をスラリーが固化するまで維持するために、スラリーに界面活性剤を加える。
気泡の導入は機械的な撹拌によって行われる。ゲルキャスティングを用いた多孔体成形は他の多孔体セラミック成形法に比べて非常に高い気孔率が得られ、80%以上の気孔率も可能である。
さらに、ゲルキャスティング法を用いた多孔体製造における気孔制御は、基本的にはスラリー中に導入した気泡の状態変化を利用する。界面活性剤種類、ゲル化剤添加量やスラリー温度変化による固化時間、スラリー濃度等を変化させることにより気孔径や気孔率を制御可能である。
界面活性剤の種類を変化させた場合、気泡の状態が変化し気孔径や気孔率が変化する。ゲル化剤添加量やスラリー温度変化ではゲル化時間が変化し、気泡の合体、膨張、収縮の結果、気孔径が変化する。
したがって、界面活性剤の種類やゲル化時間を適切に変化させることにより、気孔径、気孔率が制御可能である(例えば、非特許文献1参照)。
「セラミックス基盤工学研究センター年報(2005)Vol.5」P33−40、竹上弘彰、藤井正督、高橋実著「ゲルキャスティングによる多孔体セラミックス成形とその応用」
しかしながら、前記の従来のセラミック多孔体の製作過程に置いて、様々な課題が発生し、特に、1つの気泡導入容器で作成した気泡含有スラリーを複数の成形型に鋳込む場合、順に入れていくと、時間経過による気泡の膨張、合体による気孔径の増加やゲル化による粘度変化等の気泡含有スラリーの状態が変わってしまうため、どうしても、成形型に始めに鋳込んだものと、後で鋳込んだものに、固まり方が変化してしまい、密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらついてしまう心配があった。
特に、セラミック多孔体の気孔率が高く、その気孔径が小さい気泡が合体しやすい場合にその影響が大きく、セラミック多孔体の密度が性能に影響するようなセンサーなどに用いる場合に影響を生じる心配があった。
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、1つの気泡導入容器で作成した気泡含有スラリーを複数の成形型に鋳込むときに、同時に同じ条件で鋳込むようにし、均質なセラミック多孔体を同時に複数製作できるようにして、密度や気孔径の安定した高品位のセラミック多孔体を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため本発明のセラミック多孔体の製造方法はセラミック粉体と有機モノマーを含むスラリーを調製し、前記スラリーに界面活性剤を添加するとともに、モノマー重合の開始剤と触媒を添加し機械的な撹拌をしてつくられた気泡含有スラリーを成形型に流し込み作製した成型品を乾燥・焼成して行うゲルキャスティング法を用いたセラミック多孔体の製造方法において、成形型は、中央に、気泡導入容器からの気泡含有スラリーを受ける円筒状の成形型容器と、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するように成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートと、ゲートから排出された気泡含有スラリーを受ける複数のロートと、複数のロートの下部先端を同時に開閉するシャッターと、ロート上部にたまった気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に流し込む複数の略円筒状の成形筒とからなり、気泡含有スラリーを略同一条件で複数の成形筒へ流し込むようにしたものである。
上記した方法により、円筒状の成形型容器で気泡導入容器からの気泡含有スラリーを一旦受けるので、気泡含有スラリーに不均一な部分があっても、成形型容器内で混ざり合い均一性が増す。
さらに、この均一性がました状態の気泡含有スラリーを成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートで成形型容器から放射状に同時に排出して、ロートに受け、この受けたロートから複数の略円筒状の成形筒にシャッターを開いて同時に流し込むようにしてあるので、複数の成形筒には、気泡含有スラリーを略同一条件で流し込むことができ、気泡含有スラリーの状態がほぼ均一で複数の成形筒に鋳込むことができるようになる。
従って、成形型に始めに鋳込んだものと、後で鋳込んだものとういうものがないため、固まり方が一定となり、密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、同時に複数製作できるようになる。
本発明によれば、複数の成形筒に気泡含有スラリーを略同一条件で流し込むことができるようになり、密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、
同時に複数製作でき、高品位のセラミック多孔体を同時に複数得ることができる。
第1の発明によるセラミック多孔体の製造方法は、セラミック粉体と有機モノマーを含むスラリーを調製し、前記スラリーに界面活性剤を添加するとともに、モノマー重合の開始剤と触媒を添加し機械的な撹拌をしてつくられた気泡含有スラリーを成形型に流し込み作製した成型品を乾燥・焼成して行うゲルキャスティング法を用いたセラミック多孔体の製造方法において、成形型は、中央に、気泡導入容器からの気泡含有スラリーを受ける円筒状の成形型容器と、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するように成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートと、ゲートから排出された気泡含有スラリーを受ける複数のロートと、複数のロートの下部先端を同時に開閉するシャッターと、ロート上部にたまった気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に流し込む複数の略円筒状の成形筒とからなり、気泡含有スラリーを略同一条件で複数の成形筒へ流し込むようにしてある。
そして、円筒状の成形型容器で気泡導入容器からの気泡含有スラリーを一旦受けるので、気泡含有スラリーに不均一な部分があっても、成形型容器内で混ざり合い均一性が増す。
さらに、この均一性がました状態の気泡含有スラリーを成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートで成形型容器から放射状に同時に排出して、ロートに受け、この受けたロートから複数の略円筒状の成形筒にシャッターを開いて同時に流し込むようにしてあるので、複数の成形筒には、気泡含有スラリーを略同一条件で流し込むことができ、気泡含有スラリーの状態がほぼ均一で複数の成形筒に鋳込むことができるようになる。
従って、成形型に始めに鋳込んだものと、後で鋳込んだものとういうものがないため、固まり方が一定となり、密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、同時に複数製作できる、高品位のセラミック多孔体を同時に複数得ることができるようになる。
第2の発明によるセラミック多孔体の製造方法は、特に、第1の発明の気泡導入容器からの気泡含有スラリーを成形型容器へ移した後、所定時間経過してから、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するように成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートを同時に開放して、ロート上部へ気泡含有スラリーをためるようにしてある。
そして、気泡導入容器からの気泡含有スラリーを成形型容器へ移した後、所定時間経過してから、成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートを同時に開放して、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するようにしてあるので、移すことによって生じる成形型容器内にためられた気泡含有スラリーの動きが安定してから、ロート上部へ気泡含有スラリーをためることができ、複数のロートに、略同一条件で、同量貯められるようになり、よりいっそう略同一条件で複数の成形筒へ流し込むことができるようになる。
第3の発明によるセラミック多孔体の製造方法は、特に、第1または2の発明の前記複数のロートは、円筒状の成形型容器中心から円周状に略同一距離に配置し、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート上部にたまるようにするとともに、前記成形型容器から気泡含有スラリーをロート上部へためた後、所定時間経過してから、ロート上部の気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に複数の略円筒状の成形筒に流入させるようにしてある。
そして、複数のロートは、円筒状の成形型容器中心から円周状に略同一距離に配置してあるので、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート上部にたまるようにすることができ、ロート上部にたまる気泡含有スラリーの量や気孔形成状態をほぼ同一とすることができる。
また、成形型容器から気泡含有スラリーをロート上部へためた後、所定時間経過してから、ロート上部の気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に複数の略円筒状の成形筒に流入させるようにしてあるので、ロート上部へためられた気泡含有スラリーの動きが安定してから、複数の成形筒へ気泡含有スラリーを鋳込むことができ、安定した状態で鋳込めるので、より密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、同時に複数製作できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図6において、本発明のセラミック成形体1の製造方法は、気泡含有スラリーを調製する気泡含有スラリー調製工程と、気泡含有スラリーを成形型内に注入して成形したのち成形物を脱型して成形物を取り出す成形工程と、成形物を乾燥させるための乾燥工程と、成形物を酸化焼成するための焼成工程とを行うものである。
まず、気泡含有スラリー調整工程について説明する。
気泡含有スラリー調整工程は、無機粉末と、水もしくは有機溶媒あるいはその両方と、ゲル化剤を用いてスラリーを調整するスラリー調整工程と、スラリーに起泡剤を添加するとともに気泡を導入する気泡導入工程とを行うものである。
上記のスラリー調整工程は、炭化ケイ素粉末、酸化物系セラミック材料、水、ゲル化剤を混合することにより行われる。
この混合は、ポットミル、ボールミル等により炭化ケイ素粉末等を粉砕しながら、炭化ケイ素の平均粒径が、1〜20μm程度になるまで行われる。また、無機粉末に対して炭化ケイ素は、65重量%〜85重量%混合されている。
次に、酸化物形成材料として、アルミナ及び木節粘土の混合物を使用し、アルミナは、5重量%〜20重量%混合し、粘土鉱物は、5重量%〜20重量%混合する。
なお、酸化物系セラミック材料としては、これらに限定されるものではなく、酸化焼成下、収縮挙動を伴いながら相互に焼き付く性質のあるものであればいかなるものであってもよい。
次に、炭化ケイ素粉末、酸化物系セラミック材料粉末を混濁する媒体としては、水もしくは有機溶媒あるいはその両方が使用され、環境的には好ましくは水であるが、有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類等を使用する。また、セラミックスラリー中には、セラミック粉末を均一に含有させるため、分散剤を加えてもよい。
水もしくは有機溶媒あるいはその両方は、炭化ケイ素粉末及び酸化物系セラミック材料粉末100重量部に対して、25〜40重量部、特に、30〜35重量部加えられる。
ゲル化剤としては、合成樹脂もしくは天然高分子等を用いることができ、合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれかを使用することができ、特に、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂がよく、メタクリルアミド(有機モノマー)とメチレンビスアクリルアミド(架橋剤)を使用することが好ましい。
このゲル化剤としては、炭化ケイ素粉末、酸化物系セラミック材料の粉末を分散してゲル化可能であるとともに、焼成工程において分解され気化するものであればいかなるものであってもよい。
そして、ゲル化剤は、炭化ケイ素粉末及び酸化物系セラミック材料粉末100重量部に対して、5〜20重量部、特に、10〜15重量部加える。
また、スラリーには、公知の潤滑剤及び増粘剤を添加してもよい。そしてまた、スラリー調整後もしくはスラリー調整工程中において減圧脱気することが好ましい。
次に、スラリーに起泡剤を添加するとともに気泡を導入する気泡導入工程について説明する。
気泡導入工程は、スラリーに界面活性剤、タンパク質系起泡剤等の起泡剤を添加して攪拌することにより行われる。上記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸等の陰イオン界面活性剤や、高級アルキルアミノ酸等の陽イオン界面活性剤等を使用する。
そして、界面活性剤を添加して激しく攪拌することによりスラリー中には気泡が形成されるが、この攪拌は、窒素雰囲気化にて行うことが好ましい。
具体的に、スラリーをビーカーに入れ、開始剤、触媒、界面活性剤を所定量添加し、窒素雰囲気中で、ダブルロールミキサーにより、最終的な気泡導入量が20〜70%となるように数分間攪拌調整する。
気泡導入工程によりスラリー中に導入された気泡は、成形工程、乾燥工程、焼成工程後に、図2に示すように複数の気孔4となる。
また、気泡導入工程では、ゲル化促進剤が添加される。また、有機モノマー等の重合に開始剤が必要な場合は、開始剤が添加される。
ゲル化促進剤としては、テトラメチルエチルジアミン、過酸化水素化合物、アゾあるいはジアゾ化合物等、特に、テトラメチルエチルジアミンを使用でき、開始剤としては、過硫酸ソーダ、過硫酸アンモニウム等、特に、過硫酸アンモニウムを使用できる。ゲル化剤にもよるが、ゲル化促進剤及び開始剤は、界面活性剤を添加する際にスラリーに添加する。
なお、気泡導入工程は、スラリーに界面活性剤を添加して攪拌することにより行うことに限定されるものではない。例えば、スラリー中に窒素ガス等の不活性ガスを送り込みスラリー中に気泡を導入してもよい。
ここで、気泡導入工程においてスラリー中に形成される気泡5の導入量や気泡5の径は、界面活性剤の添加量、スラリーの粘度、攪拌の強度等で調整することができる。
次に、気泡含有スラリー7を成形型内に注入して成形するゲルキャスティング法により行われる成形工程について説明する。
まず、気泡導入工程で準備した気泡含有スラリー7を成形型内に流し込み、一定時間が経過してスラリー7がゲル化(固化)した後、ゲル化したセラミック多孔体1となる成形物を成形型9から取り出す。
このようにして、スラリー7が固化すると、気泡含有スラリー7中に存在していた気泡も、ゲル状体中に保存される。
この結果、固化体が多孔質となり、ゲル状多孔質成形体が得られる。これを脱型して、次の乾燥、脱脂、焼成する。
上記成形型9は、中央に気泡導入容器8からの気泡含有スラリー7を受ける円筒状の成形型容器10と、この成形型容器10の気泡含有スラリー7を放射状に同時に排出するように成形型容器10外周下部に設けた第1シャッター12で開閉可能な複数のゲート11と、ゲート11から排出された気泡含有スラリー7を受ける複数のロート13と、複数のロート13の下部先端を同時に開閉する第2シャッター14と、ロート13上部にたまった気泡含有スラリー7を第2シャッター14を開いて同時に流し込む複数の略円筒状の成形筒15からなり、気泡含有スラリー7を略同一条件で複数の成形筒15へ流し込むようにしてある。
また、複数のロート13は、円筒状の成形型容器10中心から円周状に略同一距離に配置し、成形型容器10の気泡含有スラリー7を放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート13上部にたまるようにしてある。
さらに、成形型9について詳述すると、まず、図3に示すように、気泡導入工程で作製された気泡含有スラリー7を気泡導入容器8から成形型容器10に移した後、所定時間経過してから、図5に示すように、成形型容器10の気泡含有スラリー7を放射状に同時に排出するように成形型容器10外周下部に設けた開閉可能な複数のゲート11を第1シャッター12を上げて開き同時に開放して、ロート13上部へ気泡含有スラリー7をためるようにしてある。
また、図4に示すように複数のロート13は、円筒状の成形型容器10中心から円周状に略同一距離に配置し、成形型容器10の気泡含有スラリー7を放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート13上部にたまるようになっている。
次に、成形型容器10から気泡含有スラリー7をロート13上部へためた後、所定時間経過してから、図6に示すように、ロート13上部の気泡含有スラリー7をシャッター14を開いて同時に複数の略円筒状の成形筒15に流入させるようにしてある。
このようにして、複数の成形筒15に鋳込まれた気泡含有スラリー7は、略同一条件で複数の成形筒15へ鋳込むようにしてある。
ここで、円筒状の成形型容器10で気泡導入容器からの気泡含有スラリー7を一旦受けるので、気泡含有スラリー7に不均一な部分があっても、成形型容器10内で混ざり合い均一性が増す。
さらに、この均一性がました状態の気泡含有スラリー7を成形型容器10外周下部に設けた開閉可能な複数のゲート11から成形型容器10から放射状に同時に排出して、ロート13に受け、この受けたロート13から複数の略円筒状の成形筒15に第2シャッター14を開いて同時に流し込むようにしてあるので、複数の成形筒15には、気泡含有スラリー7を略同一条件で流し込むことができ、気泡含有スラリー7の状態がほぼ均一で複数の成形筒15に鋳込むことができるようになる。
従って、成形型に始めに鋳込んだものと、後で鋳込んだものとういうものがないため、固まり方が一定となり、密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、同時に複数製作できる、高品位のセラミック多孔体を同時に複数得ることができるようになる。
また、気泡導入容器からの含気泡導入セラミックスラリー7を成形型容器10へ移した後、所定時間経過してから、成形型容器10外周下部に設けた開閉可能な複数のゲート11を第1シャッター12を上げて開き同時に開放して、成形型容器10の含気泡導入セラミックスラリー7を放射状に同時に排出するようにしてあるので、移すことによって生じる成形型容器10内にためられた含気泡導入セラミックスラリー7の動きが安定してから、ロート13上部へ含気泡導入セラミックスラリー7をためることができ、複数のロート13に、略同一条件で、同量貯められるようになり、よりいっそう略同一条件で複数の成形筒15へ流し込むことができるようになる。
さらに、複数のロート13は、円筒状の成形型容器10中心から円周状に略同一距離に配置してあるので、成形型容器10の含気泡導入セラミックスラリー7を放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート13上部にたまるようにすることができ、ロート13上部にたまる含気泡導入セラミックスラリー7の量や気孔形成状態をほぼ同一とすることができる。
また、成形型容器10から含気泡導入セラミックスラリー7をロート13上部へためた後、所定時間経過してから、ロート13上部の含気泡導入セラミックスラリー7を第2シャッター14を開いて同時に複数の略円筒状の成形筒15に流入させるようにしてあるので、ロート13上部へためられた含気泡導入セラミックスラリー7の動きが安定してから、複数の成形筒15へ含気泡導入セラミックスラリー7を鋳込むことができ、安定した状態で鋳込めるので、より密度のばらつきや気孔径、気孔分布がばらつきのないほぼ均一なものが、同時に複数製作できるようになる。
次に、セラミック多孔体1となる成形物を乾燥させるための乾燥工程を行う。乾燥工程においてセラミック多孔体1となる成形物の寸法は、乾燥前セラミック多孔体1となる成形物の寸法(成形型7の寸法)より収縮する。成形型7から取り出されたセラミック多孔体1となる成形物は、湿度調整しながら40〜100hr間乾燥する。
乾燥温度としては、15〜50℃、特に、25〜40℃であることが好ましく、乾燥工程の湿度としては、特に、40〜95%であることが好ましい。
次に、乾燥させたセラミック多孔体1となる成形物を酸化焼成する焼成工程について説明する。
焼成温度は、炭化ケイ素、酸化物系セラミック材料の融点より低い温度で行われる。具体的に、焼成温度は、1000℃〜1600℃、特に、1200℃〜1400℃で行うことが好ましい。焼成時間は、1.5〜2.5hrであることが好ましい。
焼成することにより、上述したゲル化剤、ゲル化促進剤、触媒、水は分解もしくは気化し、図1に示すセラミック成形体1が作製される。
このセラミック成形体1は、セラミックマトリックスを形成するセラミック粒子間により形成された微細気孔5を有している。また、セラミックマトリックスは、図2に示すように、気孔4同士が隣接する部位に形成された中気孔6を有している。
上記微細気孔5は、表面が酸化されて酸化ケイ素の膜で覆われた炭化ケイ素2、酸化物系セラミック材料粒子3の粒子間に形成された空孔である。
微細気孔5は、気孔4もしくは外部と連通する平均孔径0.1〜5μmの開気孔あるいは孤立した閉気孔として形成されている。
そして、セラミックマトリックス中には、表面が酸化されて酸化ケイ素の膜で覆われた炭化ケイ素粒子3が主に充填されており、その周囲にアルミナ粒子及び粘土粒子からなる酸化物系セラミック材料粒子3が分散していて、粒子間に微細気孔(空隙)6が存在する。
また気孔4は、セラミックマトリックス内に形成されていて、セラミックマトリックス内に形成された外部と連通しない閉気孔、もしくは外部と連通する開気孔として形成されている。気孔4の形状としては、気泡から形状を形成するため、略球形、略楕円球形状等となっている。
さらに中気孔6は、図2に示すように、気孔4を構成するマトリックス内壁において開口しており、隣接する気孔同士を連通するチャンネルとして形成されていて、中気孔6が形成されていることにより、気孔4は複数連通するものとなっている。
ここで、前記セラミック成形体1の強度は、セラミックマトリックスを形成する構造ができるだけ均一であることが望ましく、気泡導入時に気泡を均一に細かく導入することで、セラミックマトリックスにより形成された複数の気孔4が小気孔径でかつ気孔径分布を狭くすることができ、高い曲げ強度を有するように構成できるようになる。
したがって、前記セラミック成形体1は、高気孔率を維持しつつ小気孔径かつ気孔径分布が狭くすることで、高い曲げ強度を有するように構成できる。
このようにして、作製されたセラミック成形体1は、高気孔率を維持しつつ高い曲げ強度を有するため、外径を加工した後、スライスして円盤状にすることが可能で、高気孔率の必要なセンサーやフィルター等の構造体の一部に用いられるようになる。
尚、本発明の成型物は円筒状としたがこれは筒状であればよく、また、複数の成形筒はそれぞれ異なる形状としてもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。
以上のように、本発明にかかるセラミック多孔体の製造方法とそれを用いて作製したセ
ラミック多孔体は、高気孔率を維持しつつ高い強度を有し、スライスして円盤状にすることなどの加工ができるので、センサーやフィルター等の構造体の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1におけるセラミック成形体の構造図 本発明の実施の形態1における同セラミック成形体の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における気泡含有スラリーを成形型へ移すときの状態図 本発明の実施の形態1における成形型の上面図 本発明の実施の形態1における気泡含有スラリーを成形型のロート上部にためるときの状態図 本発明の実施の形態1における気泡含有スラリーを成形型の成形筒に流し込むときの状態図
符号の説明
1 セラミック成形体
7 スラリー
8 気泡導入容器
9 成形型
10 成形型容器
11 ゲート
13 ロート
14 第2シャッター
15 成形筒

Claims (3)

  1. セラミック粉体と有機モノマーを含むスラリーを調製し、前記スラリーに界面活性剤を添加するとともに、モノマー重合の開始剤と触媒を添加して機械的な撹拌をしてつくられた気泡含有スラリーを成形型に流し込み作製した成型品を乾燥・焼成して行うゲルキャスティング法を用いたセラミック多孔体の製造方法において、成形型は、中央に、気泡導入容器からの気泡含有スラリーを受ける円筒状の成形型容器と、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するように成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートと、ゲートから排出された気泡含有スラリーを受ける複数のロートと、複数のロートの下部先端を同時に開閉するシャッターと、ロート上部にたまった気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に流し込む複数の略円筒状の成形筒とからなり、気泡含有スラリーを略同一条件で複数の成形筒へ流し込むようにしたセラミック多孔体の製造方法。
  2. 前記気泡導入容器からの気泡含有スラリーを成形型容器へ移した後、所定時間経過してから、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出するように成形型容器外周下部に設けた開閉可能な複数のゲートを同時に開放して、ロート上部へ気泡含有スラリーをためるようにした請求項1に記載のセラミック多孔体の製造方法。
  3. 前記複数のロートは、円筒状の成形型容器中心から円周状に略同一距離に配置し、成形型容器の気泡含有スラリーを放射状に同時に排出したときに、略同一条件で、ロート上部にたまるようにするとともに、前記成形型容器から気泡含有スラリーをロート上部へためた後、所定時間経過してから、ロート上部の気泡含有スラリーをシャッターを開いて同時に複数の略円筒状の成形筒に流入させる請求項1または2に記載のセラミック多孔体の製造方法。
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