JP5076512B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェットプリンタなどの液滴吐出装置に関するものである。
従来、液滴吐出装置の1つの形態であるインクジェットプリンタにおいて、複数枚のシートを積層し複数列に配置した複数の圧力室が設けられるキャビティユニットに、前記各圧力室に対応する活性部(エネルギー発生手段)を有する圧電アクチュエータが接合されてなるインクジェットヘッドを用いたものがある。そして、そのような圧電アクチュエータとして、表面に個別電極のパターンを形成した圧電シートと、表面にコモン電極のパターンを形成した圧電シートとを交互に積層した部分と、その部分の上側に配置され個別電極用の表面電極とコモン電極用の表面電極とが表面に形成されたトップ圧電シートとを備え、焼成されて一体化されてなるもので、前記コモン電極用の表面電極が前記トップ圧電シート上にその表面に沿う方向に長く形成されているものが知られている(例えば特許文献1参照)。
そのようなものにおいて、ノズル、圧力室の数を増やしかつ高密度に配置して解像度を高めたいという要求がある。
また、そのようなインクジェットヘッドの駆動方式として、圧電層を下に凸に変形させ圧力室の容積を減少させてインクを吐出させる、いわゆる押し打ち方式と、圧電層を上に凸に変形させてインクを吐出させる、いわゆる引き打ち方式(具体的には、先ず圧力室の容積を大きくして、その後圧力室内の圧力が負から正になるタイミングで圧力室の容積を元に戻す方式)とが知られている。そして、引き打ち方式の場合には、駆動周波数が高く、駆動電圧が低くなるという利点があることから、引き打ち方式を採用したいという要求があるものの、引き打ち方式の場合には、印字をしない状態で圧電層に電圧を印加しておかなければならないという欠点がある。
そこで、発明者は、特許文献1の圧電アクチュエータは、各圧力室の1つの面に平行に位置する二種類の電極の対向方向の圧電活性部の変位を圧力室に及ぼす、いわゆる圧電縦効果を利用した構成とされているが、各圧力室の1つの面に対し直交して位置する二種類の電極の対向方向と直交する圧電活性部の変位を圧力室に及ぼす、いわゆる圧電横効果を利用した構成とすれば、電圧を印加した際に圧力室の容積を大きくして引き打ちをすることができることに着想し、本発明をなすに至ったものである。
ところで、引き打ち方式を簡単に実現できるインクジェット式印字ヘッドとして、複数の圧電シートを電極をはさんでノズルの列方向に直交する方向に積層して複数個分の大きさの圧電アクチュエータを製作し、それを各ノズルに連通する圧力室の1つの面ごとに分割加工した圧電アクチュエータを備えるものは知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2006−15539号公報(図4) 特開平5−193129号公報(図4〜8)
前記特許文献2に記載のものでは、圧電シートと電極とを積層した積層体を、ノズルの列方向に沿って配置し、1つのノズル毎に1つの圧電アクチュエータが対向するように、切断加工して分割しているので、1列のノズルに1つの積層体を配置する必要がある。このため、ノズルが複数列ある場合には、その列数だけ積層体を用意し、それぞれの積層体を基台上に固定する必要があり、構成が複雑になるとともに、多数のノズル、圧力室を高密度に配置することができない。
本発明は、簡単な構成で、多数のノズル、圧力室を高密度に配置することができ、また、電圧の印加により圧力室の容積を大きくして引き打ちを可能にするとともにその変位量を大きくすることができる液滴吐出装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、液滴を吐出する複数のノズルの列に対応する圧力室の複数の列を有するキャビティユニットと、二種類の電極を有し前記二種類の電極のうち一方の電極は前記各圧力室の1つの面に対向し、他方の電極は前記の列方向両側に沿って前記圧力室の列方向に対をなすようにそれぞれ配置され、前記二種類の電極間に挟んだ圧電活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータは、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを前記圧力室の列方向に交互に積層して、前記圧力室の複数の列にわたって延在するように一体化した構造であって、前記二種類の電極のそれぞれを、前記複数の圧電シート間で前記圧力室の面と直交する方向に配向し、前記圧電活性部を、前記二種類の電極の対向方向でかつ前記圧力室の面と平行な方向に分極してなり、前記二種類の電極間に電圧を印加することによる、前記分極方向と直交する方向の前記圧電活性部の変位により、前記圧力室内のインクに吐出圧力を与えることを特徴とする。
このようにすれば、圧電アクチュエータを、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを前記圧力室の列方向に交互に積層して、前記圧力室の複数の列にわたって延在するように一体化した構造とし、前記二種類の電極のそれぞれを、前記複数の圧電シート間で前記圧力室の面と直交する方向に配向し、前記圧電活性部を、前記二種類の電極の対向方向でかつ前記圧力室の面と平行な方向に分極してなり、前記二種類の電極間に電圧を印加することによる、前記分極方向と直交する方向の前記圧電活性部の変位により、前記圧力室内の液体に吐出圧力を与えるようにしているので、圧電活性部の変位を大きくでき、吐出の際に電圧を印加して引き打ちをすることが可能になる。前記圧力室内の液体に吐出圧力を与える際に、前記二種類の電極間に電圧を印加すればよく、常時電圧を印加して吐出時に電圧の印加を遮断する方法に比べて電源系のコストを低減できる。また、複数の圧電シートを圧力室の複数の列にわたって延在させかつその複数の圧電シートを圧力室の列方向に積層しているので、多数の圧電活性部を、圧力室の複数の列がなす平面に沿って高密度に配置でき、その結果、多数のノズル、圧力室を高密度に配置することができる。また、前記圧電アクチュエータは、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを、前記列方向に交互に積層して一体化した構造であるので、簡単に製造することができる。
請求項2に記載のように、請求項1の液滴吐出装置において、前記キャビティユニットは、前記複数の圧力室間に隔壁を有し、前記圧電アクチュエータは、前記圧電シートの積層方向とそれと直交する方向とに前記圧電活性部と変位しない不活性部とを交互に形成して前記複数の圧電シートを積層してなり、前記不活性部を前記隔壁に対向させて前記圧電アクチュエータと前記キャビティユニットとを接合した構成とすることができる。
このようにすれば、圧電アクチュエータとキャビティユニットとが、変位しない不活性部と隔壁とで接合されて、圧電活性部が圧力室に対応して配置されることになり、圧電活性部の変位により、効率よく液体が吐出される。
請求項3に記載のように、請求項2の液滴吐出装置において、前記キャビティユニットは、隣接する列の前記圧力室どうしが千鳥配列をなしており、前記圧電アクチュエータは、1つの列における前記圧電活性部とそれに隣接する列の前記不活性部とを前記列方向と直交する方向に並べて有する構成とすることができる。
このようにすれば、圧電アクチュエータの、1つの列における前記圧電活性部とそれに隣接する列の前記不活性部とを前記列方向と直交する方向に並べて有する構成とすることで、隣接する列の前記圧力室どうしを千鳥配列とし、多数のノズル、圧力室をより高密度に配置することができる。
請求項に記載のように、請求項1〜3のいずれかの液滴吐出装置において、前記一方の電極は、前記各圧力室に対応して位置し、前記他方の電極は、前記隣する列の両圧力室に対応する位置に跨って延在している構成とすることができる。
このようにすれば、前記他方の電極は、前記隣する列の両圧力室に対応する位置に跨って延在しているので、前記隣する列の両圧力室について共有し、圧電活性部を高密度に配置することができる。
請求項に記載のように、請求項1〜のいずれかの液滴吐出装置において、前記二種類の電極のうち一方の電極は、前記各圧力室毎に独立し、その一端が前記圧電アクチュエータの前記キャビティユニットとは反対側の面に露出している構成とすることもできる。
このようにすれば、一方の電極は、前記各圧力室毎に独立し、その一端が前記圧電アクチュエータの前記キャビティユニットとは反対側の面に露出しているので、前記一方の電極とフレキシブル配線基板の接続端子部などとの接続を容易に行うことができる。
請求項に記載のように、請求項の液滴吐出装置において、前記二種類の電極のうち他方の電極は、前記圧力室の複数の列にわたって延在している構成とすることができる。
このようにすれば、他方の電極は、前記圧力室の複数の列にわたって延在しているので、前記圧力室の複数の列について共有し、圧電活性部を高密度に配置することができる。
請求項に記載のように、請求項またはの液滴吐出装置において、前記キャビティユニットと前記圧電アクチュエータとの間に、可撓性を有する導電性の板が設けられ、この導電性の板に前記二種類の電極のうち他方の電極が接続されている構成とすることができる。
このようにすれば、圧電アクチュエータの変形機能を損なうことなく、他方の電極の電気的接続を導電性の板を通じて簡単に実現することができる。
請求項に記載のように、請求項1〜のいずれかの液滴吐出装置において、前記キャビティユニットと前記圧電アクチュエータとの間に、可撓性を有し、前記圧力室内の液体が不透過性の板が設けられている構成とすることができる。
このようにすれば、圧力室内の液体が圧電アクチュエータにしみ込み、二種類の電極間を導通させてしまうことを防止することができる。
請求項に記載のように、請求項1〜のいずれかの液滴吐出装置において、前記圧電シートはチタン酸ジルコン酸鉛からなり、前記二種類の電極は、銀−パラジュウム系の導電性ペーストがスクリーン印刷されたものである構成とすることができる。
このようにすれば、前記圧電シートの材料であるチタン酸ジルコン酸鉛と、前記二種類の電極の材料である銀−パラジュウム系の導電性ペーストとは熱収縮率の差が大きいが、前記電極を設けた部分を中心として湾曲変形が生ずるのが抑制される。
本発明は、圧電アクチュエータを、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを前記圧力室の列方向に交互に積層して、前記圧力室の複数の列にわたって延在するように一体化してなる構造とし、前記二種類の電極のそれぞれを、複数の圧電シート間で前記圧力室の面と直交する方向に配向し、圧電活性部を、前記二種類の電極の対向方向でかつ前記圧力室の面と平行な方向に分極してなり、前記二種類の電極間に電圧を印加することによる、前記分極方向と直交する方向の前記圧電活性部の変位により、前記圧力室内の液体に吐出圧力を与えるようにしているので、圧電活性部の変位を大きくでき、吐出の際に電圧を印加して引き打ちをすることができる。また、圧力室内の液体に吐出圧力を与える際に、前記二種類の電極間に電圧を印加すればよく、常時電圧を印加して噴射時に電圧を遮断する方法に比べて電源系のコストを低減できる。また、複数の圧電シートを圧力室の複数の列にわたって延在させかつその複数の圧電シートを圧力室の列方向に積層しているので、多数の圧電活性部を、圧力室の複数の列がなす平面に沿って高密度に配置でき、その結果、多数のノズル、圧力室を高密度に配置することができる。さらに、前記圧電アクチュエータは、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを、前記列方向に交互に積層して一体化した構造であるので、簡単に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、この実施の形態は、液滴吐出装置の一例であるインクジェットヘッドについて説明する。
図1は本発明に係る液体吐出装置の一例であるインクジェットヘッドの概略構成を示す断面図、図2は図1のII-II線における断面図である。
図1及び図2に示すように、インクジェットヘッド1は、インク(液滴)を吐出する複数のノズル2の列に対応する圧力室3の複数の列を有するキャビティユニット4と、各圧力室3の1つの面に対向して位置しかつ一対の電極5,6間に挟んだ圧電活性部S1を有する圧電アクチュエータ7とを備える。この一対の電極5,6には、駆動信号を入力する配線(信号線)が設けられた配線基板8の接続端子部8aが接続されている。
キャビティユニット4は、複数枚のプレート(プレート材)を積層して形成される積層体11を含み、その積層体11の上側には、振動板12が設けられる。そして、振動板12の上側に、圧電アクチュエータ7が設けられている。つまり、振動板12は、キャビティユニット4と圧電アクチュエータ7との間に設けられている。この振動板12は、圧力室3内のインクが圧電アクチュエータ7にしみ込まないように液体不透過性のものであってかつ可撓性を有している。
この積層体11は、上側から順にキャビティプレート21、ベースプレート22、アパチャープレート23A,23B、2枚のマニホールドプレート24A,24B、ダンパープレート25、スペーサプレート14、およびノズルプレート13がそれぞれ重ねられ、接着剤または金属拡散接合により一体化したものである。ノズルプレート13を除くプレート14,21〜25は矩形の金属プレートで、これらプレートに貫通形成された貫通穴部の組み合わせによってインク流路が形成されている。
ノズルプレート13は、後述のキャビティプレート21の1つの圧力室3について1つのノズル2がそれぞれ設けられた高分子合成樹脂プレート(例えばポリイミド)である。ノズル2は、高分子合成樹脂プレートにエキシマレーザー加工を施すことにより形成される。ノズル2は、図1の紙面に直交する方向(図2の紙面に沿う方向:矢印L方向)に、複数個が列をなして配置され、その列が、図1の紙面に沿う方向(矢印N方向)に、複数列配置されている。
キャビティプレート21には、圧力室3となる複数の貫通穴部が、前記ノズル2に対応して複数列の配列状態で形成されている。複数の圧力室3(キャビティ)を塞ぐ状態でキャビティプレート21の上面に振動板12が積層されている。キャビティプレート21において、複数の圧力室3間に隔壁3aを有する(図2参照)。
マニホールドプレート24A,24Bには、マニホールド24Aa,24Baとなる貫通穴部が形成されている。マニホールド24Aa,24Baは、圧力室3の列毎に各列に沿って(つまり図1の紙面と直交する方向Lに)長く延びている。ベースプレート22、アパチャープレート23A,23Bには、各圧力室3の長手方向一端とマニホールド24Aa,24Baとを連通する連通路となる連通穴部22a、細長い連通穴部23Aaおよび連通穴部23Baが形成されている。なお、各マニホールド24Aa,24Baは、その端部において、インク供給源(図示しない)接続されされ、インク供給源から供給されたインクを、連通穴部23Ba、23Aa、22aを介して各列の複数の圧力室3に分配供給する。
ダンパープレート25には、マニホールド24a,24bと対応する位置に薄肉のダンパ壁を残して下面に凹部として形成されるダンパー室25aが設けられる。
各圧力室3の長手方向他端と各ノズル2とは、ベースプレート22、アパチャープレート23A,23B、マニホールドプレート24A,24Bおよびダンパープレート25に形成された連通穴部22b,23Ab,23Bb,24Ab,24Bb,25bを介して連通されている。各圧力室3内のインクは、圧電アクチュエータから受けた吐出圧力によって、対応するノズル2から外部へ吐出される。
圧電アクチュエータ7は、複数の圧電シート7A,7Bのそれぞれを圧力室3の複数の列にわたって延在させかつその複数の圧電シート7A,7Bを圧力室3の列方向に積層して一体化した構造である。つまり、各圧電シート7A,7Bは、複数の圧力室3がなす平面に対して直交する方向に偏平形状で、その偏平方向の広い面(図1の紙面と平行な面)を互いに対向させて、圧力室3の列方向(L方向)に複数枚積層されている。そして、一対の電極5,6のそれぞれを、複数の圧電シート7A,7B間で圧力室3の面と直交する方向に配向し、その一対の電極5,6を圧電シート7A,7B間にその積層方向(L方向)に交互に配置している。
一対の電極5,6のうち一方の電極(以下個別電極という)5は、図4に示すように、各圧力室3に個別に対応して位置し、圧力室3の長さ方向(N方向)に圧力室3とほぼ同じ長さを有する。圧力室3は、平面視で、隣接する列の圧力室3間の隔壁3aの延長線上に位置する、つまり隣接する列の圧力室3どうしが千鳥配列をなしている。このため、個別電極5も、それに対応した千鳥配列をなしている。他方の電極(以下コモン電極という)6は、隣する列の各圧力室3に対応する位置にわたって延在している。さらに詳細には、圧電アクチュエータ7を後述の焼結後における各圧電シート7A,7Bの2枚分の厚さが、ほぼ圧力室3および隔壁3aのそれぞれの列方向Lの幅となっているため、個別電極5が圧力室3の中央に位置し、コモン電極6が圧力室3の幅方向両側に沿って位置することになる。なお、図3のように圧力室3の幅は、圧電シート7A,7Bの2枚分の厚さよりもやや大きく形成されている。
一対の電極5,6間に挟まれる圧電シート7A,7Bの領域は、公知の分極処理により両電極の対向方向(図3の矢印D方向)に分極され、該領域を圧電活性部S1としている。この分極方向は、圧力室3の上面と平行な方向でもある。隔壁3aの上方に対応する圧電シート7A,7Bの領域、つまりコモン電極6のみに挟まれる領域は、分極されない不活性部S2となっている。したがって、圧電アクチュエータ7は、圧電シート7A,7Bの積層方向(L方向)とそれと直交する方向(N方向)とに圧電活性部S1と不活性部S2とを交互に備える。
そして、この圧電アクチュエータ7の圧電活性部S1を圧力室3に、不活性部S2を隔壁3aにそれぞれ対向させて、圧電アクチュエータ7とキャビティユニット4とを振動板12および接着剤を介して接合している。つまり、不活性部S2が隔壁3aに固定されている。
各個別電極5は、圧電アクチュエータ7の上面(圧力室3とは反対側の面)にそれぞれ上端を露出し、その露出端を、圧電アクチュエータ7の上面に配置されたフレキシブルな配線基板8の各接続端子部8aと電気的に接続している。配線基板8は、駆動信号源(図示しない)からの駆動信号を入力する配線(信号線)を有し、各個別電極5に選択的に駆動信号を供給する。各コモン電極6は、圧電アクチュエータ7の下面(圧力室3側の面)にそれぞれ下端を露出し、その露出端を振動板12と電気的に接続している。振動板12は、導電性を有するもので製作され、好ましくは、配線基板8の1つの配線に接続される。振動板12は、キャビティユニット4をグランド接続する配線に接続してもよい。また、コモン電極6を振動板12に接続することなく、圧電アクチュエータ7の上面に露出して配線基板8の1つの配線に接続することもできる。この場合、振動板12は、電気絶縁性の板で形成することができる。
配線基板8を介して個別電極5に駆動信号の正電圧を印加し、コモン電極6をグランド電位に接続する、つまり個別電極5とコモン電極6との間に電圧を印加すると、圧電活性部S1に分極方向Dと同方向に電界が生じ、圧電横効果により図3に鎖線で示すように、分極方向Dと直交する方向に圧電活性部S1が収縮変位する。それに接着されている振動板12も一体に変位して圧力室3を拡大し、圧力室3内のインクに圧力変動を生じさせる。その圧力変動が負から正に変わっているタイミングで、個別電極5への電圧供給を停止し、収縮していた圧電活性部S1が復帰して圧力室3内のインクに正圧を加える。その加えられた圧力と、正に転じている圧力変動とが重畳されて、圧力室内のインクは、強い圧力でノズル2から吐出される。
このとき、圧電活性部両側の不活性部S2には、電界が発生せず、不活性部S2は変位せず、隔壁3a上に固定されたままである。
圧電アクチュエータ7は、図5に示すように、1つのインクジェットヘッドに組み付けられる圧電アクチュエータ7よりも大きく形成した圧電シート7A、7Bを積層して一体化し、焼成した後、1個分の圧電アクチュエータ7の大きさに切断することで、製造される。
つまり、圧電シート7Aにおいてはシート表面に、2個分の高さの矩形状の個別電極5(シートの端縁に沿う位置のみ1個分の電極5)がN方向の間隔でもって列状に配列され、その列が、列と直交する方向に複数列構成されている。さらに、上記の個別電極に対して平面視千鳥配列の関係になる個別電極5を備えたもう1つの圧電シート7Aが用意される。一方、圧電シート7Bにおいてはシート表面に、2個分の高さの帯状のコモン電極6が前記列方向に直交する方向に平行に複数個配列されている。そして、個別電極5,5の間のラインX1がコモン電極6の中心線Y1とほぼ一致するとともに、コモン電極6,6の間のラインX2が個別電極5の中心線Y2とほぼ一致する位置関係で両圧電シート7A,7Bが積層される。この場合、複数の圧電シート7Bの間に、2種類の圧電シート7Aを交互に挟んで、圧電アクチュエータ7のL方向の長さに対応する枚数の圧電シートが積層される。
そして、一体化して焼結された後、ラインX1−Y1、X2−Y2に沿って切断することで、1個分の圧電アクチュエータ7の高さHが形成され、また、個別電極の列方向において1個分の圧電アクチュエータ7のN方向の長さごとに切断することで、複数個の圧電アクチュエータが形成される。これにより、一方の切断面に電極5が、他方の切断面に電極6が露出する。図5においては、露出する電極が上下方向において交互に逆になるが、電極5が露出した面を上にして使用する。
ここで、圧電シート7A,7Bはチタン酸ジルコン酸鉛からなり、一対の電極は、銀−パラジュウム系の導電性ペーストがスクリーン印刷されたものである。
実施の形態では、圧力室3が複数列あるものにおいて、その複数列にわたる長さを有する圧電シート7A,7Bを、列方向に積層することで圧電アクチュエータ7を構成しているので、電極5,6間に挟まれた圧電活性部S1を高密度に配置することができる。その結果、圧力室3およびノズル2を高密度に配置することができる。しかも、圧力室3は、列方向Lの幅が、それと直交する方向Nの長さよりも短いから、その長さ方向に長い圧電シート7A,7Bを圧力室3の幅方向に積層していることで、電極5,6を圧力室3の長さ方向に配置して、圧力室3に対応する圧電活性部を少ない枚数の圧電シート7A,7Bで構成することができる。また、これにより、一層高密度に圧力室3およびノズル2を配置することができる。
そして、各圧電シートにおいて、電極5,6が対向する方向の厚さよりもそれと直交する電極の対向長さ方向の長さを十分に大きくとれるため、厚さ方向の圧電縦効果の変位よりも長さ(図1において高さH)方向の変位を大きくすることができる。さらにその変位は、電圧印加によって圧力室の容積を拡大し、電圧の印加停止によって容積を縮小する、いわゆる引き打ちを実現することができる。
また、電極が多数で高密度になっても、圧電アクチュエータ7の上面にその端部を露出させることで、駆動信号源との接続を容易に行うことができる。さらに、図5のように、圧電アクチュエータの複数個分の積層体を一体に製作しておいて、切断することで圧電アクチュエータを容易に得ることができる。
なお、前記実施の形態においては、前記キャビティユニットと前記圧電アクチュエータとの間に、振動板12を設けているが、圧力室3で使用する液体の種類によっては、そのような板を省略することもできる。さらに、前記実施の形態においては、圧力室の幅を、ほぼ圧電シート2枚分の大きさとしているが、より多くの枚数に対応するようにしたり、圧力室の幅内に個別電極5とコモン電極6との組をより多く配置するように構成することもできる。
また、前記実施の形態は、液滴吐出装置がインクジェットプリンタである場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、着色液を微小液滴として塗布、あるいは導電液を吐出して配線パターンを形成するなどする他の液滴吐出装置などにも適用することができる。
本発明に係る液体吐出装置の一例であるインクジェットヘッドの概略構成を示す断面図である。 図1のII-II線における断面図である。 インク吐出の説明図である。 フレキシブルフラットケーブルを取り除いた状態を示す平面図である。 前記インクジェットヘッドの製造方法の説明図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 ノズル
3 圧力室
3a 隔壁
4 キャビティユニット
5 一方の電極
6 他方の電極
7 圧電アクチュエータ
7A,7B 圧電シート
S1 圧電活性部
S2 不活性部

Claims (9)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルの列に対応する圧力室の複数の列を有するキャビティユニットと、
    二種類の電極を有し前記二種類の電極のうち一方の電極は前記各圧力室の1つの面に対向し、他方の電極は前記各圧力室の列方向両側に沿って前記圧力室の列方向に対をなすようにそれぞれ配置され、前記二種類の電極間に挟んだ圧電活性部を有する圧電アクチュエータと
    を備え、
    前記圧電アクチュエータは、表面に前記二種類の電極のうち一方の電極を形成した圧電シートと、表面に前記二種類の電極のうち他方の電極を形成した圧電シートとを前記圧力室の列方向に交互に積層して、前記圧力室の複数の列にわたって延在するように一体化した構造であって、前記二種類の電極のそれぞれを、前記複数の圧電シート間で前記圧力室の面と直交する方向に配向し、前記圧電活性部を、前記二種類の電極の対向方向でかつ前記圧力室の面と平行な方向に分極してなり、
    前記二種類の電極間に電圧を印加することによる、前記分極方向と直交する方向の前記圧電活性部の変位により、前記圧力室内のインクに吐出圧力を与えることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記キャビティユニットは、前記複数の圧力室間に隔壁を有し、
    前記圧電アクチュエータは、前記圧電シートの積層方向とそれと直交する方向とに前記圧電活性部と変位しない不活性部とを交互に形成して前記複数の圧電シートを積層してなり、
    前記不活性部を前記隔壁に対向させて前記圧電アクチュエータと前記キャビティユニットとを接合したことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記キャビティユニットは、隣接する列の前記圧力室どうしが千鳥配列をなしており、
    前記圧電アクチュエータは、1つの列における前記圧電活性部とそれに隣接する列の前記不活性部とを前記列方向と直交する方向に並べて有することを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記一方の電極は、前記各圧力室に対応して位置し、前記他方の電極は、前記隣接する列の両圧力室に対応する位置に跨って延在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記二種類の電極のうち一方の電極は、前記各圧力室毎に独立し、その一端が前記圧電アクチュエータの前記キャビティユニットとは反対側の面に露出していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記二種類の電極のうち他方の電極は、前記圧力室の複数の列にわたって延在していることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記キャビティユニットと前記圧電アクチュエータとの間に、可撓性を有する導電性の板が設けられ、この導電性の板に前記二種類の電極のうち他方の電極が接続されていることを特徴とする請求項またはに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記キャビティユニットと前記圧電アクチュエータとの間に、可撓性を有し、前記圧力室内の液体が不透過性の板が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記圧電シートはチタン酸ジルコン酸鉛からなり、
    前記二種類の電極は、銀−パラジュウム系の導電性ペーストがスクリーン印刷されたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液滴吐出装置。
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