JP5074875B2 - 押出成形型 - Google Patents

押出成形型 Download PDF

Info

Publication number
JP5074875B2
JP5074875B2 JP2007255394A JP2007255394A JP5074875B2 JP 5074875 B2 JP5074875 B2 JP 5074875B2 JP 2007255394 A JP2007255394 A JP 2007255394A JP 2007255394 A JP2007255394 A JP 2007255394A JP 5074875 B2 JP5074875 B2 JP 5074875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding material
flow
flow direction
hole
support portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007255394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009083258A (ja
Inventor
徳夫 佐伯
浩之 城本
和孝 室園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KMEW Co Ltd
Original Assignee
Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
KMEW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd, KMEW Co Ltd filed Critical Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
Priority to JP2007255394A priority Critical patent/JP5074875B2/ja
Publication of JP2009083258A publication Critical patent/JP2009083258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5074875B2 publication Critical patent/JP5074875B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、セメント系成形材料等の成形材料を押出成形して中空孔を有する成形体を成形するための押出成形型に関する。
セメント系成形材料等の成形材料を押出成形して形成される、複数の中空孔23を有する成形体B(図10参照)は、建築物の外壁等として使用されている。
このような成形体Bは、例えば図11(a)に示すような押出成形型を用いて製造されていた。図示の押出成形型は、本体型31の成形材料が流通する流路33の押出口36付近に、中空孔23を形成するための中子型32が設けられている。中子型32は、図面の紙面と直交する方向に長い複数の各支持部34に対して、複数の突部35が一列に並んで設けられており、このような中子型32が、成形体Bに設けられる中空孔23の数に応じて複数設けられている。
このような押出成形型では、図中に符号イで示す支持部34の端部において成形材料が上下に完全に分岐して各支持部34の間を流通し、更に複数列の突部35の各列の間に導入される。その後、成形材料は突部35の列の間を流通しながら、本体型31の押出口36から成形材料が押し出されるまでの間に、上下に流動して各列内の突部35間に充填される。流路33は支持部34を紙面の上下に間隔を開けて設けるために支持部34の配置位置では流路33が広くなっており、押出口36にいくに従って徐々に狭くなるように形成されている。
しかし、このような中子型32を用いる場合には、一旦上下に分岐した成形材料を更に上下に流動させて列内の突部35間で合流させなければならず、突部35間に成形材料を充分に充填するために過大な押出圧力が必要となるという問題があり、また流路33は上記のように押出口36にいくほど狭くなるため図中のロで示される押出口36付近では非常に大きな圧縮力がかかってしまうという問題がある。また、このように大きな押出圧力をかけると、特に成形材料として油性物質と各種界面活性剤とを含有する逆エマルションタイプのセメント系成形材料を用いる場合には、成形材料中の逆エマルション構造が破壊され、その後の養生硬化に支障をきたすという問題もある。また、このように一旦上下に完全に分岐した成形材料をさらに上下に流動させて突部35間の図中のロで示される押出口36付近で一体化させると、成形材料の合流位置では成形材料同士のなじみが悪くなり、成形体Bの強度低下等の問題が生じるおそれもある。
また、図11(b)に示すような中子型32も提案されている(特許文献1,2参照)。この中子型32は、先端側に複数のスリット37が形成されてこのスリット37間で中空孔23を形成するための複数の突部35が形成され、また後端側には前記各スリット37の交差位置に連通する複数の導入孔38が設けられている。そして、成形材料は各導入孔38に導入された後、スリット37の交差部分からスリット37内に供給されるようになっている。このため、成形材料は各突部35の周囲の複数箇所から突部35間に供給されて、この突部35の周囲に均一に充填されるようになっている。
しかし、図11(b)に示すものでも、導入孔38とスリット37との連通位置では成形材料の流路が非常に狭くなって、成形材料が通過するためにはやはり大きな押出圧力が必要とされ、また各導入孔38から供給される成形材料がスリット37内に充填されるためにも大きな押出圧力が必要とされる。また、中子型32の後端面における導入孔38の開口間には鋭利な角が形成されてしまい、この角部分に成形材料中の繊維等の充填材が引っ掛かると材料詰まりの原因になるおそれがあり、またこのような事態が生じた場合の中子型32の清掃には煩雑な手間がかかる。
特開2005−254345号公報 特開2006−51682号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、セメント系成形材料等の成形材料を押出成形して中空孔を有する成形体を成形するにあたり、過大な圧力をかけることなく成形することができると共に中空孔の間に成形材料が充分に充填され、且つ得られる成形体の強度低下等の発生を防止して安定した生産を行うことができる押出成形型を提供することを目的とする。
本発明は、成形材料を押出成形することにより複数の中空孔23を有する成形体Bを成形するための押出成形型Aであって、前記成形材料の流路をその流通方向の順方向側と逆方向側とに仕切る支持部1と、この支持部1から前記流通方向の順方向側に向けて突出する複数の突部2とを具備し、前記支持部1に、この支持部1を前記流通方向に貫通する複数の流通孔3が、前記各突部2の周囲を囲む位置に均等に配置されるように設けられ、前記流通孔3には、前記流通方向とは逆方向側の端部の内周面に、この逆方向側に向かって内径が増大する流入側テーパ部5が設けられ、前記支持部1には、前記流通方向とは逆方向側の表面に、隣り合う前記流入側テーパ部5同士を仕切ると共に前記流通方向の順方向側に凹入する形状の稜線を有する尾根部6が形成され、且つ複数の前記尾根部6が交わる位置に前記流通方向の逆方向側へ突出し且つ先端が尖形状となった頂部7が形成され、前記突部2が平面六方格子状に配置されるように設けられていることを特徴とする。
また、前記流通孔3には、前記流通方向の順方向側の端部の内周面に、この順方向側に向かって内径が増大する流出側テーパ部4が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、成形材料を押出成形して成形体Bを得るにあたり、支持部1及び突部2を通過することによって、成形体Bに中空孔23が形成される。成形材料が支持部1及び突部2を通過する際には、成形材料はまず支持部1の各流通孔3に流入して分岐され、この流通孔3を通過した後、複数の突部2間を通過し、隣り合う突部2の間において各突部2の周囲を成形材料が突部2の突出方向に沿って並列に流れることとなる。このため、成形材料を高い押出圧力をかけることなく突部2の周りに充分に充填することができ、且つ突部2の周囲を流れる成形材料を容易に馴染ませて一体化させて成形体Bの強度等の性能向上を図ることができるものである。また特に成形材料として油性物質と各種界面活性剤とを含有する逆エマルションタイプのセメント系成形材料を用いる場合でも、過大な押圧力がかかることにより成形材料中の逆エマルション構造が破壊されてその後の養生硬化に支障をきたすようなことを防止することができ、且つ一定の保形性を有する逆エマルションタイプのセメント系成形材料を成形することにより中空孔23を有する成形体Bの形状を維持することができるものである。
また、上記複数の突部2を平面六方格子状に配列して形成すると、この押出成形型Aで成形される成形体Bの内部に中空孔23を密に形成することができる。
また、流通孔3に流入側テーパ部5を設けることで、成形材料が流通孔3に流入する際に成形材料が流通孔3内に容易に導かれることとなると共に、このために成形材料の堆積が抑制され、成形材料が流通孔3を通過するために必要とされる押出圧力を低減して、成形材料にかかる圧力を更に抑制することができるものである。
また、支持部1の背面に尾根部6と頂部7とを形成することで、成形材料が流通孔3に流入する際に成形材料を前記尾根部6及び頂部7で分岐することで成形材料が流通孔3に更に容易に導かれるようになると共にこの支持部1の背面における成形材料の堆積を更に抑制することができ、成形材料が流通孔3を通過するために必要とされる押出圧力を更に低減して、成形材料にかかる圧力を更に抑制することができるものである。
また、流通孔3に流出側テーパ部4を設けることで、成形材料が流通孔3から流出する際の流動性が向上することにより成形材料の堆積が抑制され、また、この成形材料が横方向に広がりながら流出することとなり、この成形材料が突部2間を通過する際の突部2の周りでの充填性が更に向上すると共に、突部2の周囲での成形材料間の馴染み性を更に向上することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜9を示して説明する。
図示の押出成形型Aは、図3〜7に示すように、口金部8、ベース部9、支持部1及び突部2(中空ピン)にて構成されている。
口金部8は両面が開口する筒状に形成されており、先端側(成形材料の流通方向の順方向側。以下、順方向側という。)の開口から押出成形後の成形体Bが外部に押し出されるようになっている。また、口金部8の基端側(成形材料の流通方向の逆方向側。以下、逆方向側という)の端部の外周からは、外周方向に向けて鍔部10が延出されている。この口金部8の内部の中空部11は成形材料の流路を構成し、この中空部11内において成形材料が口金部8の逆方向側から順方向側に流通するようになっている。図示の例では、板状の成形体Bを成形するために、前記中空部11の断面形状は一対の対向する辺が、他の一対の対向する辺よりも長い断面矩形状に形成されている。
ベース部9は一面側が順方向側、他面側が逆方向側に配置される板状体にて形成されている。このベース部9には、上記口金部8の中空部11と合致する位置に、逆方向側から順方向側に貫通する中空部12が設けられている。この中空部12も成形材料の流路を構成し、この中空部12内において成形材料がベース部9の逆方向側から順方向側へ流通するようになっている。
支持部1は上記口金部8の鍔部10とベース部9との間に介在するように設けられており、前記口金部8の中空部11とベース部9の中空部12とで構成される成形材料の流路をその流通方向の順方向側と逆方向側とに仕切るように設けられている。この支持部1は板状体にて形成されており、その順方向側の面が鍔部10の逆方向側の面と重なると共に逆方向側の面がベース部9の順方向側の面と重なるようになっている。この支持部1の順方向側の面には、複数の突部2が成形材料の流通方向に沿って突設されている。この突部2は口金部8の中空部11内に、支持部1から成形材料の流通方向の順方向側に向けて突出する状態で収容されている。また、支持部1にはこの支持部1を成形材料の流通方向に貫通する複数の流通孔3が設けられており、ベース部9の中空部12と口金部8の中空部11との間ではこの流通孔3を成形材料が流通するようになっている。
また、これらの口金部8の鍔部10、支持部1、並びにベース部9には、互いに合致する位置に複数の連通孔13が穿設されており、この連通孔13を、口金部8、支持部1及びベース部9を重ねて押出成形型Aを構成する際の位置合わせの基準としたり、この連通孔13にボルト等の適宜の固着具を挿通して押出成形機に取着するために利用したりすることができる。
本実施形態における支持部1及び突部2の構成について、更に詳細に説明する。
突部2は並行並列に複数本突設されている。図示の突部2は円柱状であるが、この突部2は成形体Bに形成される中空孔23の形状に応じて六角柱状等の他の適宜の形状に形成される。複数の突部2は互いに間隔をあけて設けられ、且つ平面六方格子状に配列するように設けられている。すなわち、図1等に示すように、隣り合う突部2間の間隔は一定となるように形成され、一つの突部2の周囲を六個の突部2が正六角形状に囲むと共に中心の突部2と周囲の各突部2との間の間隔、並びに周囲の各突部2間の間隔が全て等しくなるように形成されている。尚、図1では一部の突部2を破線で示している。各突部2は円柱状に形成されており、その順方向側の端部には直径が基部側よりも大きくなった大径部14が形成され、また図5,6,8等に示すように各突部2の逆方向側の部分と大径部14との間には、直径が徐々に大きくなる拡径部15が形成されている。また、全ての突部2の端面は面一に形成されている。また、突部2の逆方向側の基端部にはこの基端部よりも順方向側と比べて直径がより小さくなった接続部16が形成されている(図7参照)。また、この突部2には図5〜7等に示すように、その内部を逆方向側から順方向側に成形材料の流通方向に沿って貫通する通気孔17が設けられている。
ここで、隣り合う突部2間の間隔(大径部14間の間隔)は適宜設定され、この間隔を小さくすれば成形体Bに形成される中空孔23の間隔が小さくなって軽量化に寄与することができるが、成形体Bに充分な強度を付与できる程度の間隔をあけることが好ましく、例えば成形材料としてセメント系成形材料を用いる場合には、この間隔を1.5mm以上とすることが好ましい。また、通気孔17の内径は1mm以上であることが好ましい。
一方、支持部1は、その一面側が順方向側、他面側が逆方向側に配置される板状体にて形成されている。この支持部1は、その順方向側に配置される板状の前部体1a(図8,9参照)と、逆方向側に配置される板状の後部体1bとを重ね合わせて構成されている。
前部体1aには、突部2の突設位置と合致する位置に、順方向側の面と逆方向側の面とを貫通する複数の接続孔18が設けられている。すなわち、複数の接続孔18の開口は、前部体1aの両面でそれぞれ平面六方格子状に配列し、且つ突部2の配置と合致する矩形状の領域の内側に設けられる。接続孔18の内径は突部2の接続部16の内径と合致し、この、突部2の接続部16を前記接続孔18に嵌合することにより突部2が支持部1に突設されている(図7等参照)。ここで、接続部16の長さ寸法は接続孔18の長さ寸法よりも小さくなるように形成されており、このため接続孔18の逆方向側の部分は逆方向側の面に開口する中空な接続空間19として形成される。
また、支持部1には、気流の流路となる通気路20,21として、主通気路20と分枝通気路21とが設けられている。
主通気路20は、前部体1aの逆方向側の面における、上記接続孔18の開口が設けられている矩形状の領域(突部2が突設されている領域)の外側に、逆方向側の面に開口するように溝状に凹設されている。この主通気路20は前記矩形状の領域の対向する二つの長辺の外側にそれぞれ前記長辺に沿って設けられている。
また、分枝通気路21は、上記二つの主通気路20の間に、両端で各主通気路20に連通すると共に逆方向側の面に開口するように、並行並列に複数凹設されている。この分枝通気路21は接続孔18の開口が設けられている矩形状の領域の内側に形成され、且つ各分枝通気路21は前記領域内の複数の接続孔18の接続空間19を順次横切るように設けられている。これにより、全ての接続孔18の接続空間19がいずれかの分枝通気路21に連通するようになっている。
上記主通気路20、分枝通気路21及び接続空間19の逆方向側の開口は後部体1bによって閉塞されており、このため主通気路20、分枝通気路21及び接続空間19は支持部1の内部に設けられる。このように支持部1を前部体1aと後部体1bとで形成すると共に主通気路20及び分枝通気路21や接続空間19を前部体1aと後部体1bとに挟まれた空間に形成することで、支持部1の内部に複雑な形態を有する主通気路20、分枝通気路21及び接続空間19を容易に形成することが可能となる。ここで、図示の形態では前部体1aを凹設して主通気路20、分枝通気路21、接続空間19を逆方向側の面に開口するように形成すると共にこの主通気路20、分枝通気路21及び接続空間19の開口を後部体1bで閉塞するようにしているが、このような形態に限られず、例えば後部体1bに主通気路20、分枝通気路21、接続空間19の少なくともいずれかを凹設して前部体1aで閉塞しても良い。
また、主通気路20の形成位置は上記接続孔18(接続空間19)の開口が設けられている領域(突部2が突設されている領域)の外側であればよく、分枝通気路21の形成位置は前記領域の内側で全ての接続空間19を横切る位置であればよいが、上記のように主通気路20を前記領域の長手方向に沿った両側の外縁の外側にそれぞれ前記長手方向に沿って設けると共に、この主通気路20を結ぶように前記領域の内側に複数の分枝通気路21を、前記領域の短手方向に沿って並行並列に複数個形成すれば、分枝通気路21の経路長を可能な限り短く形成することができる。
また、前部体1aの内部には、主通気路20に連通すると共に前部体1aの外周面で開口して支持部1の外部に連通する給気路22が設けられている。この給気路22は各主通気路20ごとに二つずつ設けられており、合計四個の給気路22が設けられている。
また、この支持部1に設けられる複数の流通孔3は、その逆方向側の端部が支持部1の逆方向側の面で開口して上記ベース部9の中空部12と連通し、順方向側の端部が支持部1の順方向側の面で開口して上記口金部8の中空部11と連通し、支持部1を成形材料の流通方向に貫通するように形成されている。
この複数の流通孔3は、支持部1から突設されている複数の各突部2の周囲を囲む位置に設けられ、且つこの突部2の周囲を均等に囲むように設けられる。すなわち、各突部2の周囲に設けられた複数の流通孔3は、前記突部2と各流通孔3との間隔がすべて等しくなると共に、流通孔3同士の間隔がすべて等しくなるように形成される。図示の例では各流通孔3は三個の突部2に囲まれた中心位置に形成されると共に、各突部2は正六角形状に配置された六個の流通孔3に囲まれた中心位置に形成され、これにより各突部2とその周囲の各流通孔3との間の間隔が一定であると共に、この周囲の各流通孔3同士の間隔が一定になるように形成されている。
この複数の各流通孔3には、順方向側の端部の内周面に、この順方向側に向かって内径が増大する流出側テーパ部4が設けられている。この流出側テーパ部4は支持部1の前部体1aに設けられている。また、この各流通孔3の逆方向側の端部の内周面には、この逆方向側に向かって内径が増大する流入側テーパ部5が設けられている。この流入側テーパ部5は支持部1の後部体1bに設けられている。
このとき、支持部1の順方向側の面では隣り合う流通孔3同士の流出側テーパ部4同士が隣接するように形成されており、複数個(図示では六個)の流出側テーパ部4にて囲まれた位置に、接続孔18が形成される平坦な領域24が確保されている(図1参照)。
また、図2,4,6に示すように、支持部1の逆方向側の面では隣り合う流通孔3の流入側テーパ部5同士が隣接するように形成されており、これにより隣り合う流出側テーパ部4同士の境界に尾根部6が形成される。この尾根部6の両側は流出側テーパ部4が形成されていることからそれぞれ順方向側に向けて下り傾斜するようになっている。またこの尾根部6は逆方向側からみて直線状に形成され、且つこの尾根部6の稜線が順方向側に向けて凹入するように形成される。このとき、流通孔3は複数個(図示では三個)の尾根部6に囲まれた位置に形成されている。また、複数個(図示では六個)の尾根部6の端部同士が交わる位置(接続孔18の形成位置と合致する位置)では、逆方向側へ向けて突出する頂部7が形成されている。図示の例では頂部7の先端には小面積の平坦な領域が形成されているが、更に好ましくはこの頂部7の先端を尖形状に形成する。
次に、このように形成される押出成形型Aを用いた成形体Bの成形について説明する。
上記のような押出成形型Aを適宜の押出成形装置に取り付けて、成形材料に押出圧力をかけてベース部9側から押出成形型A内の成形材料の流路へ供給し、口金部8の順方向側開口から押し出して成形体Bを成形する。
成形材料としては、押出成形に用いられる材料であれば特に制限されないが、特にセメント系成形材料を用いることができる。セメント系成形材料としては適宜の組成のものを用いることができるが、例えばセメントに必要に応じて骨材、繊維、着色剤等を配合して水と混練することによって調製されるものであり、セメントとしては普通ポルトランドセメント、スラグセメント、アルミナセメント、早強セメントなど任意のものを用いることができる。また骨材としては、シリカ、珪石粉、珪砂、フライアッシュ、スラグ、砕石等を用いることができる。繊維としてはポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、パルプ、カーボン繊維、綿、麻、金属繊維等を用いることができる。さらに着色剤としては鉄黒、カーボンブラック、酸化クロム等を用いることができる。
また、特にセメント系成形材料として、油性物質を含有すると共に更に必要に応じて非イオン性界面活性剤、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の乳化剤(逆乳化剤)を含有させた逆エマルション(W/Oエマルション)を形成するものを用いることも好ましい。このような逆エマルションタイプのセメント系成形材料は一定の保形性を有するため中空孔23を有する成形体Bを成形した場合にその形状を維持することができ、またこの押出成形型Aによれば後述するように過大な押圧力がかかることなく押出成形を行うことができて、成形時の逆エマルション構造の破壊が抑制され、その後の養生硬化に支障をきたすようなことを防止することができる。
上記油性物質としては、水と逆エマルションを形成しうるものであれば、特に制限はなく、通常疎水性の液状物質が利用され、例えば、トルエン、キシレン、灯油、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。このうち、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性二重結合を有するもの(ビニル単量体)を使用する場合は、基材の硬化成形の際に油性物質の重合を促進するために、有機過酸化物や過硫酸塩等の重合開始剤や、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤を併用することもできる。
この押出成形において、成形材料が支持部1及び突部2を通過する際には、成形材料はまず支持部1の各流通孔3に流入して分岐され、この流通孔3を通過した後、複数の突部2間を通過し、隣り合う突部2の間において各突部2の周囲を成形材料が突部2の突出方向に沿って並列に流動する。このとき、突部2の周囲を囲む位置に均等に配置されるように形成された流通孔3から成形材料が流出することで、突部2の周囲には成形材料の均等な流動が生じる。このため、成形材料を高い押出圧力をかけることなく突部2の周りに充分に充填することができる。また、このように成形材料が突部2間を流動する間、突部2の周囲を流れる成形材料が馴染んで一体化する。
このような成形材料の流動の過程においては、成形材料がベース部9の中空部12から流通孔3に流入する際には、支持部1の逆方向側の面に形成された尾根部6と頂部7とによって成形材料が容易に分岐して流通孔3に導かれやすくなっている。特に頂部7の先端が尖形状に形成されていると、この頂部7における成形材料の堆積が抑制され、成形材料の流通孔3への流入が更に促進される。更に、流通孔3の逆方向側端部に流入側テーパ部5が設けられていることによっても、成形材料の流通孔3への流入が促進される。
このため、成形材料が流通孔3を通過するために必要とされる押出圧力を低減することができ、成形材料に加わる圧力を抑制することが可能となる。
また、成形材料が各流通孔3から口金部8の中空部11側に流出する際には、流通孔3に流出側テーパ部4が設けられていることで、成形材料が横方向に広がりながら流出することとなる。このため、成形材料が流通孔3から流出する際の流動性が向上して成形材料の堆積を抑制することができる。また、成形材料が突部2間を通過する際での突部2の周りでの充填性が更に向上すると共に、突部2の周囲での成形材料間の馴染み性を更に向上することができる。
そして、この成形材料が口金部8の順方向側の開口から押し出されることにより、図10に示すような中空孔23を有する成形体Bが形成される。図10(a)は本実施形態のように円柱状の突部2を適用する場合に得られる成形体Bを示し、断面円形状の中空孔23を有する。また、突部2として六角柱状のものを適用する場合には、図10(b)に示すような、断面六角形状の中空孔23を有する成形体Bを得ることができ、その他適宜の形状の突部2を採用することで、所望の形状の中空孔23を有する成形体Bを得ることができる。
得られた成形体Bは、必要に応じて所望の寸法となるように切断し、また特にセメント系成形材料にて形成する場合には、必要に応じて養生硬化させる。
また、上記のような押出成形過程においては、各給気路22の支持部の外部の開口からそれぞれエアー等の気流を供給することが好ましい。この場合、供給された気流は各給気路22から各主通気路20に流入し、更に複数の各分枝通気路21に分岐して流入する。このとき複数の各分枝通気路21にはその両側の端部からそれぞれ気流が流入する。そしてこの気流は各分枝通気路21から接続空間19を介して各突部2内の通気孔17に流入し、この各突部2の順方向側端面の開口から流出する。このため、成形体Bに形成される中空孔23には、エア等の気流が供給されることとなる。
このように成形体Bの中空孔23に気流を供給すると、中空孔23内の圧力が低下することを防止し、この中空孔23が埋まってしまわないようにすることができる。
また、成形材料の押出成形過程において中空孔23の一部が何らかの不具合により埋まってしまった場合には、それ以後に形成される中空孔23の内部には空気が供給されずその内部の圧力が非常に低くなってしまうことがある。このような場合、形成された成形体Bは中空部内と外部との圧力差により破損が生じやすい状態となってしまう。このため、成形中に中空孔23が順次潰れていって中空孔23が形成されなくなるおそれがあり、また中空孔23が形成されたとしても成形体Bを切断するために荷重をかけた場合などに成形体Bが破損してしまうおそれがある。しかしながら、上記のように成形体Bの中空孔23に気流を供給すると、たとえ中空孔23の一部が埋まってしまったとしても中空孔23の内部の圧力が低下することを防止することができ、前記のような成形体Bの破損を防止することができる。
ここで、中空孔23内に供給される気流の圧力が高すぎると中空孔23の内部の圧力と成形体Bの外部の圧力との差によって逆に成形体Bが破損するおそれがあるため、この気流の圧力は大気圧近傍の圧力であることが好ましい。このとき給気路22から、主通気路20、分枝通気路21、接続空間19及び通気孔17を介して流出する気流の流路抵抗が大きい場合には、大気圧に近い低圧で気流を供給することが困難となる。
しかしながら、本実施形態では既述の通り分枝通気路21の経路長をできるだけ短くなるように形成しており、また気流は分枝通気路21の両端からそれぞれ供給されるため、分枝通気路21における気流の経路長は最大でも分枝通気路21の長さの1/2に留まることとなる。このため気流の全体の経路長が短くなり、流路抵抗が低減される。また、各分枝通気路21に接続されている突部2の通気孔17の個数を低減することができることで、流路抵抗が更に低減される。また、このように分枝通気路21の両側から気流を供給するため、たとえ分枝通気路21の途中で詰まりが生じたとしても気流を各通気孔17に安定して供給することができる。
また、各突部2の中空孔23から流出する気流同士の間で、中空孔23から流出するまでの流路抵抗の差が大きくなると、各気流間で圧力の差が大きくなり、成形体Bに形成される各中空孔23内の圧力差が大きくなって、成形体Bの破損の原因となるおそれがある。
しかしながら、上記流路抵抗の差は、主として気流が分枝通気路21に流入してから各突部2の通気孔17に流入するまでの間の経路長の差によって生じるが、上記のように分枝通気路21における気流の経路長が短くなるようにすることで、気流の経路長の差が小さくなるようにすることができ、これにより各突部2の中空孔23から流出する気流間の圧力差を低減することができる。
また、分枝通気路21の断面積をできるだけ大きくすることにより分枝通気路21における流路抵抗を低減すれば、全体の流路抵抗の低減に寄与することができ、気流を更に低圧で供給することができるようになる。また、分枝通気路21における経路長の相違による流路抵抗の差を小さくすることができるため、各突部2の中空孔23から流出する気流間での流路抵抗の差も小さくなり、この気流間の圧力差を更に低減することができる。この場合の分枝通気路21の断面積は適宜設定することができるが、好ましくは各分枝通気路21につき、この分枝通気路21の断面積をS、この分枝通気路21における気流の流入位置の個数をn、この分枝通気路21に接続されている全ての突部2の通気孔17の断面積の合計をsとすると、S≧s/nの関係を有するものであることが好ましい。ここで、本実施形態では分枝通気路21の両端からそれぞれ気流が流入するため、n=2となり、S≧s/2の関係を有することが好ましい。ここで、成形体Bに中空部23を密に形成するために突部2を密に形成する場合には、通気孔17も密に形成されることとなり、分枝通気路21は前記通気孔17の間を縫って形成する必要があるため、分枝通気路21の幅を充分に大きく形成することは困難になる。このため、分枝通気路21の断面積を充分に大きくなるように形成するためにはこの分枝通気路21の深さを充分な大きさに確保する必要がある。そのためには前部体1aの厚みを充分に厚くなるように形成することが好ましい。
本発明の実施の形態の一例を示す一部の正面図である。 同上の一部の背面図である。 同上の斜視図である。 同上の他の斜視図である。 同上の一部破断した斜視図である。 同上の一部破断した他の斜視図である。 同上の一部の断面図である。 同上の実施の形態における前部体及び突部の構成を示す斜視図である。 図8の一部拡大図である。 (a)及び(b)は成形体の例を示す一部破断した斜視図である。 (a)は従来技術の一例を示す断面図、(b)は従来技術の他例を示す一部破断した斜視図である。
符号の説明
A 押出成形型
B 成形体
1 支持部
2 突部
3 流通孔
4 流出側テーパ部
5 流入側テーパ部
6 尾根部
7 頂部
23 中空孔

Claims (2)

  1. 成形材料を押出成形することにより複数の中空孔を有する成形体を成形するための押出成形型であって、前記成形材料の流路をその流通方向の順方向側と逆方向側とに仕切る支持部と、この支持部から前記流通方向の順方向側に向けて突出する複数の突部とを具備し、前記支持部に、この支持部を前記流通方向に貫通する複数の流通孔が、前記各突部の周囲を囲む位置に均等に配置されるように設けられ、前記流通孔には、前記流通方向とは逆方向側の端部の内周面に、この逆方向側に向かって内径が増大する流入側テーパ部が設けられ、前記支持部には、前記流通方向とは逆方向側の表面に、隣り合う前記流入側テーパ部同士を仕切ると共に前記流通方向の順方向側に凹入する形状の稜線を有する尾根部が形成され、且つ複数の前記尾根部が交わる位置に前記流通方向の逆方向側へ突出し且つ先端が尖形状となった頂部が形成され、前記突部が平面六方格子状に配置されるように設けられていることを特徴とする押出成形型。
  2. 前記流通孔には、前記流通方向の順方向側の端部の内周面に、この順方向側に向かって内径が増大する流出側テーパ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の押出成形型。
JP2007255394A 2007-09-28 2007-09-28 押出成形型 Expired - Fee Related JP5074875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255394A JP5074875B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 押出成形型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255394A JP5074875B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 押出成形型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009083258A JP2009083258A (ja) 2009-04-23
JP5074875B2 true JP5074875B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=40657355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007255394A Expired - Fee Related JP5074875B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 押出成形型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5074875B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101384969B1 (ko) * 2013-10-23 2014-04-15 이보영 에너지차단과 완충기능을 가진 패널 제작용 압출다이스

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5920971Y2 (ja) * 1980-05-23 1984-06-19 株式会社 石川時鉄工所 押出成形機の口型
JPS57188507U (ja) * 1981-05-28 1982-11-30
JP3121409B2 (ja) * 1991-11-14 2000-12-25 イビデン株式会社 ハニカム構造体の押出成形用ダイス
JP2921627B2 (ja) * 1993-07-13 1999-07-19 株式会社デンソー ハニカム構造体の押出成形装置
JPH08238432A (ja) * 1995-03-02 1996-09-17 Babcock Hitachi Kk ハニカム構造体の成形方法およびハニカム構造成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009083258A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60021520T2 (de) Vorgefertigte Betonplatte zum Herstellen von Decken in Zivil- oder Industriebau
KR101005676B1 (ko) 수동형 미세혼합기
KR101779959B1 (ko) 형고를 유지하면서 단면강성이 향상된 강상자형 거더 및 이의 제작방법
JP5074875B2 (ja) 押出成形型
JP4909228B2 (ja) 押出成形型
JP4909227B2 (ja) 押出成形型
JP5431219B2 (ja) グラウト注入方法、接合構造、及び建物
JP4956045B2 (ja) 押出成形金型
EP2729251B1 (de) Mikrofluidische struktur mit vertiefungen
CN100427833C (zh) 连接元件通过树脂固定的板形加热板
CN206625542U (zh) 混凝土浇筑用拼装模板
JP6512433B2 (ja) PCa部材の接合方法
JP2015150747A (ja) 押出成形型、窯業系建材及び窯業系建材の製造方法
CN103643633A (zh) 一种带肋frp构件的制作方法
EP1911899A2 (de) Bausystem
KR20190080461A (ko) 콘크리트 슬래브 및 콘크리트 슬래브 제조방법
KR101606479B1 (ko) 슬라브 전단 보강용 강판
CN211080998U (zh) 一种建筑工程用铝合金模板
JP2022080026A (ja) マイクロ流路における分注装置およびマイクロ流路デバイス
DE202009013660U1 (de) Wärmespeicherelement
JP2010030168A (ja) 押出成形金型
CN205766787U (zh) 空间分割模板
CN207077584U (zh) 十字型多孔混凝土桩用模板
JPS60222203A (ja) 押出成形ノズル
JP2005067146A (ja) セグメント製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5074875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees