JP5073956B2 - 生分解性フィルムまたはシート - Google Patents

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本発明は、各種のステッカー等に使用することができる生分解性フィルムまたはシートに関する。
近年の限られた地球資源である石油の枯渇問題からバイオマス利用への関心が高まり、100%石油原料から製造されていた従来のプラスチック製品についても、植物由来の原料を使用した製品へと変換する検討が進められている。
また、環境問題への配慮から、使用後に土中に埋め立てられても自然に分解し、水と炭酸ガスに分解する生分解性樹脂への関心も高まりつつある。特に使用期間が短い宣伝用垂れ幕や横断幕、バナー、ステッカー、マーキング等のメディア用途に使用するフィルムまたはシート、或いはコンクリート養生や土壌改質、浚渫などの土木建築用に使用するフィルムまたはシートにおいては、植物由来の樹脂を使用し、なおかつ生分解性であることが求められている。
そのような植物由来の生分解性樹脂のひとつとして、変性デンプンを使用したものが提案されている(特許文献1〜4など)。しかしながら変性デンプン単体ではフィルム状に加工することが困難なため、他の生分解性樹脂と組み合わせた樹脂成分を用いてフィルム或いはシート状に加工したものが提案されている(特許文献5)。
しかしながら、この樹脂をTダイ押出機や、インフレーション成形機でフィルム状或いはシート状に加工・成形した場合には、フィルムの流れ方向へのスジ状のダイスラインが発生し、フィルムの厚みのムラが生じ、このダイスラインは、一般のオレフィン系樹脂に比較して多く発生し、均一の厚みを有し、安定した形状のフィルムまたはシートを成形することができないものであった。
また一方、変性デンプンと一緒に使用する生分解性樹脂のなかでも、ポリ乳酸系の生分解性樹脂にあっては、耐衝撃性が悪く、脆いものであり、フィルム等の柔軟性が要求される用途には適切なものとは言い難い。したがって、一般に樹脂を軟化する手段として可塑剤の添加、あるいは軟質なポリマーのブレンド等が行われている(特許文献6)。しかしながら、このようにして柔軟性をもたせた生分解性樹脂にあっては、添加した可塑剤等のブリードアウトが認められ、フィルムへの印刷や溶着などの二次加工性が損なわれる問題点があった。
特許第2939586号公報 特許第3055001号公報 特許第3008071号公報 特許第2742892号公報 特開2001−353829号公報 特開2004−237625号公報
したがって本発明は、上記現状に鑑み、植物由来の樹脂成分を増加させ、それと生分解性樹脂を組み合わせた樹脂成分からなるフィルムまたはシートにおいて、ダイスラインの発生を解消させ、フィルム成形性が良好であり、さらにブリードアウトによる印刷特性や溶着性等の二次加工性を損なわない、生分解性フィルムまたはシートを提供することを課題とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は鋭意検討した結果、変性デンプン及び生分解性樹脂からなる樹脂成分に配合する滑剤として、アクリル系高分子滑剤を配合させることにより、ダイスラインの発生を軽減することができ、フィルム成形性が良好で、印刷特性に優れた生分解性のフィルムまたはシートが得られることを新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって本発明は、その基本的態様として、変性デンプン及び生分解性樹脂からなる樹脂成分100重量部に対して、アクリル系高分子滑剤を0.1〜5.0重量部含有させたことを特徴とする生分解性フィルムまたはシートである。
詳細には、樹脂成分として変性デンプンが10〜80重量部及び生分解性樹脂が90〜20重量部である上記した生分解性フィルムまたはシートである。
さらに具体的には、本発明は、変性デンプンが、デンプンを加熱処理したもの、またはエステル化、エーテル化、グラフト重合化等の化学処理したものである上記の生分解性フィルムまたはシートであり、また、生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピオラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートバリレート、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体から選択される脂肪族ポリエステル;ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレートから選択される芳香族脂肪族ポリエステルである上記の生分解性フィルムまたはシートである。
また詳細には、本発明は、アクリル系高分子滑剤が、アルキル基の炭素数が1〜18であるメタアクリル酸アルキルと、アルキル基の炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルと、これらの(メタ)アクリル酸の少なくともいずれかと共重合可能なビニル系単量体とを含む単量体混合物を乳化重合することにより得られるものである生分解性フィルムまたはシートである。
より具体的には、本発明は、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルおよび(メタ)アクリル酸フェニルから選択されるものである生分解性フィルムまたはシートである。
また本発明は、アクリル系高分子滑剤における共重合可能なビニル系単量体が、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、ビニルメタクリル酸、アクリルメタクリル酸またはシアヌル酸トリアリルから選択されるものである生分解性フィルムまたはシートであり、添加成分として、更に光安定剤または/および紫外線吸収剤を配合してなる生分解性フィルムまたはシートでもある。
本発明が提供する生分解性フィルムまたはシートは、植物由来の樹脂成分として変性デンプンを使用し、これと従来からの生分解性樹脂を組み合わせた樹脂成分からなるフィルムまたはシートである。
したがって、石油資源の枯渇に対応できる、バイオマスを使用した地球に優しい生分解性のフィルムまたはシートであり、その上、不要となった場合の廃棄処分が容易にでき得るものであり、また、アクリル系高分子滑剤を配合することにより、ダイスラインの発生が少ない、均一なフィルムまたはシートに成形できるものであり、極めて良好な成形性/加工特性を有する。また得られたフィルム上への印刷適性も良好なものであり、溶着などの二次加工性に優れたフィルムまたはシートが提供される。
本発明が提供する生分解性フィルムまたはシート(以下、まとめてフィルムと称す)に使用する樹脂成分としては、植物由来の変性デンプン及び生分解性樹脂である。
本発明で使用する変性デンプンとしては、デンプンを高い温度の熱処理によりデンプン成分が吸熱転移をうけてデンプン顆粒の分子に乱れが起こった変性デンプン、或いはデンプンにエステル化、エーテル化、グラフト重合化等の化学反応を施したものが挙げられ、なかでも特に脂肪酸エステル変性したものが好適に使用される。
このような変性デンプンとしては、例えば、特開平8−301994号公報、特開平8−239402号公報、特開平9−31308号公報、或いは特開2000−159801号公報に記載される変性デンプン等を挙げることができる。
一方、上記した変性デンプンと組み合わせて使用される生分解性樹脂としては、各種の生分解性樹脂を挙げることができる。しかしながら本発明においては、生分解性樹脂のなかでもポリ乳酸系の生分解性樹脂は、変性デンプンと一緒に使用した場合であっても耐衝撃性が悪く、脆いものであることから、本発明においてはこのポリ乳酸系の生分解性樹脂は使用することは好ましくない。
したがって本発明における生分解性樹脂としては、ポリ乳酸を構造単位とするポリ乳酸系の生分解性樹脂を除く生分解性樹脂であればどのようなものであってもよい。
具体的には、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピオラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートバリレート、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体から選択される脂肪族ポリエステル;ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレートから選択される芳香族脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
そのなかでも、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレート及びポリカプロラクトンが好ましく使用される。
本発明にあっては、これらの変性デンプン及び生分解性樹脂は、フィルムの使用用途に応じて各種の変性デンプン/生分解性樹脂を適宜選択し、使用することができ、また2種以上の変性デンプン/生分解性樹脂を配合して使用することもできる。
本発明にあっては、この変性デンプンと生分解性樹脂の組み合わせにおける配合比率は一概に限定することができないが、変性デンプンを10〜80重量部、それに対応して生分解性樹脂を90〜20重量部組み合わせ配合するのがよい。
変性デンプンの量が多いとフィルム状に成形することができず、逆に生分解性樹脂の量が多いと、本発明の目的である植物成分由来の「地球に優しい」というコンセプトを放棄してしまうこととなり、好ましいものではない。
本発明にあっては、これらの変性デンプンと生分解性樹脂からなる組み合わせ樹脂成分に、滑剤としてアクリル系高分子滑剤を配合することにより、ダイスラインの発生が抑えられ、均一な厚みを有するフィルムへの成形性が良好なものであり、そのうえブリードアウトのない印刷特性が確保されたフィルムへの成形が可能となった点に特徴を有する。
そのようなアクリル系高分子滑剤としては、アルキル基の炭素数が1〜18であるメタクリル酸アルキルと、アルキル基の炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルと、これらの(メタ)アクリル酸アルキルの少なくともいずれかと共重合可能なビニル系単量体とを含む単量体混合物を乳化重合することにより得られるものである。
アルキル基の炭素数が1〜18であるメタクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等を挙げることができる。
また、アルキル基の炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等を挙げることができる。
この場合において、共重合可能なビニル系単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、ビニルメタクリル酸、アクリルメタクリル酸またはシアヌル酸トリアリルから選択されるものを挙げることができる。
樹脂成分に配合するアクリル系高分子滑剤の量は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜5.0重量部の範囲内で添加することができ、特に好ましくは0.2〜1.0重量部の範囲内である。0.1重量部未満であると滑剤としての効果がなく、また5.0重量部を超えて添加すると印刷適性に支障をきたす。
本発明が提供する生分解性フィルムは、単層構造であっても、また複数の樹脂からなる積層構造であってもよい。積層構造をとる場合には、加工性に問題のない範囲でその層厚比を選択することができ、例えば、2種3層、2種2層等の積層構造をとることが可能である。積層構造をとる場合において、使用する樹脂は、上記の変性デンプン及び生分解性樹脂の1種または2種以上を適宜混合したものであってもよい。本発明のフィルムの厚みとしては、通常使用される厚みであり、必要に応じて適宜選定されるが、例えば0.01〜2mm程度である。
本発明が提供する生分解性フィルムにあっては、その物性を損なわない範囲で各種の添加剤を添加することができる。そのような添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、難燃剤、耐加水分解剤、無機充填剤、有機充填剤等を挙げることができる。
特に、本発明のフィルムが屋外で使用される場合が多いことから、光安定剤および紫外線吸収剤を添加しておくことが好ましい。そのような光安定剤としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス{4,6−ビス[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等のヒンダートアミン系光安定剤等を挙げることができる。
また、本発明で使用する紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリロニトリル置換体等が挙げられる。具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾール)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等のオキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤および光安定剤にあっては、どちらか一方でも、また両方を併用して使用してもよい。また上記に例示した光安定剤および紫外線吸収剤にあっては、それぞれを単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明が提供する生分解性フィルムの製造としては、一般的に使用されている溶融押出成形法(インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法等)により成形することができる。
以下に本発明を、実施例ならびに比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7:
下記表1に示した樹脂組成の配合処方により、40mmφT−ダイ押出成型機にて0.1mm厚のフィルムを成形した。得られたフィルムの成形性(ダイスラインの発生)ならびに印刷適性(濡れ指数)を、一定の方法により評価し、その結果をあわせて表中に示した。
Figure 0005073956
*1:エステル変性デンプン/コーンポールCP−5(日本コーンスターチ社)
*2:PBAT:ポリブチレンアジペートテレフタレート/エコフレックス(BASFジャパン社製)
*3:PBS:ポリブチレンサクシネート/ビオレーノ#1001(昭和高分子化学社製)
*4:アクリル系高分子滑剤/メタブレンL-1000(三菱レイヨン社)
*5:アマイド系滑剤/メチレンビスステアリン酸アマイド
*6:脂肪酸エステル系滑剤/ステアリルシトレート
*7:ダイスラインの評価は、以下のようにして行った。
T−ダイ押出機で成形したフィルムを透過光により目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:均一なフィルムであり、流れ方向のダイスラインが発生しない。
○:均一なフィルムであるが、僅かに流れ方向のダイスラインが発生した。
×:フィルムが不均一であり、流れ方向のダイスラインが発生した。
*8:印刷適性としての濡れ指数は、以下のようにして評価した。
フィルムの成形直後にコロナ処理を行い、室温にて6日間放置し、放置後の濡れ指数を濡れ指数標準液(和光純薬工業社製)を用いて評価した(コロナ処理直後の濡れ指数は、48ダインであった)。
◎:濡れ指数が45ダイン以上
○:濡れ指数が40〜45ダイン未満
△:濡れ指数が35〜40ダイン未満
×:濡れ指数が35ダイン未満
比較例1〜5:
下記表2に示した樹脂組成の配合処方により、40mmφT−ダイ押出成型機にて0.1mm厚のフィルムを成形した。得られたフィルムの成形性ならびに印刷適性を一定の方法により評価し、その結果をあわせて表中に示した。
Figure 0005073956
表中の符号は表1と同じである。
以上の実施例ならびに比較例の結果からも判明するように、本発明が提供する生分解性フィルムは、ダイスラインの発生が無く、成形性も良好なものであり、またその印刷適性にも優れたものである。
以上説明したように、本発明が提供する生分解性フィルムは、バイオマスとしての変性デンプン及び生分解性樹脂の組み合わせからなる樹脂成分を使用したフィルムであり、変性デンプン単体が有するフィルム成形性の悪さを、生分解性樹脂を加えることにより是正し、その上で、当該フィルムが有する加工特性、印刷適性の問題点を、アクリル系高分子滑剤を配合することにより解決したものである。したがって、近年の石油資源の枯渇に関する問題に対処し得る生分解性フィルムを提供するものであり、産業上の利用性は多大なものである。

Claims (5)

  1. 変性デンプン及び生分解性樹脂からなる樹脂成分100重量部に対して、アクリル系高分子滑剤を0.1〜5.0重量部含有させ、前記生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピオラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートバリレート、ブタンジオール・コハク酸・カプロラクトンの共重合体から選択される脂肪族ポリエステル;ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレートから選択される芳香族脂肪族ポリエステルであることを特徴とする生分解性フィルムまたはシート。
  2. 樹脂成分として変性デンプンが10〜80重量部及び生分解性樹脂が90〜20重量部である請求項1に記載の生分解性フィルムまたはシート。
  3. 変性デンプンが、デンプンを加熱処理したもの、またはエステル化、エーテル化、グラフト重合化の何れかの化学処理したものである請求項1または2に記載の生分解性フィルムまたはシート。
  4. アクリル系高分子滑剤が、アルキル基の炭素数が1〜18であるメタアクリル酸アルキルと、アルキル基の炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルと、これらの(メタ)アクリル酸アルキルの少なくともいずれかと共重合可能なビニル系単量体とを含む単量体混合物を乳化重合することにより得られるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性フィルムまたはシート。
  5. さらに光安定剤または/および紫外線吸収剤を添加してなる請求項1ないし4のいずれかに記載の生分解性フィルムまたはシート。
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