JP5072271B2 - 発光装置、及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

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本発明は、電流励起によって発光する発光物質を含む層を電極間に有する発光素子、その発光素子を有する発光装置、電子機器に関する。
近年、表示装置の画素、或いは照明装置の光源として注目されるようになってきている発光素子は、電極間に発光層を有し、電極間に電流が流れたときに、発光層に含まれた発光物質が発光するものである。
このような発光素子の開発分野において、発光素子における電極間の短絡を防ぐことは重要な課題のひとつである。電極間の短絡の要因の一つとして電極面に生ずる突起がある。このような突起は、例えばITO等が結晶化した際に生じる。このような突起を厚い層で覆って表面のラフネスを緩和させることによって、電極間の短絡を緩和することができるが、しかしながら、厚い層が設けられることによって、発光素子の駆動電圧が高くなってしまうことがある。その為、駆動電圧の増加を招くことなく厚い層を設ける技術について開発が進められている。そして、例えば特許文献1では、5酸化2バナジウムとα−NPD(なお、α−NPDはNPBとも称される。)とが混合された混合膜を設ける技術について開示されており、このような混合膜を設けることによって短絡が防げると示唆されている。
特許文献1のような技術は電極間の短絡の低減に非常に有効であると考えられる。しかし、5酸化2バナジウムとα−NPDとが混合された混合膜の吸収スペクトル特性をみると、吸収波長に依存した吸収強度の変化が、特に可視光領域において非常に大きいことが分かる。その為、発光した光の発光色に依存して混合膜に吸収される光量が異なってしまい、その結果、発光色ごとに発光の取り出し効率が大きく異なってしまうことが生じる。
特開2005−123095号公報
本発明は、電極間に設けられた層に含まれる化合物の結晶化に起因した動作不良を低減できる発光素子、及びそれを用いた発光装置、電子機器を提供することを課題とする。また、本発明は、発光の取り出し効率が発光色に依存して異なることを防ぐことができる発光素子、及びそれを用いた発光装置、電子機器を提供することを課題とする。
本発明の発光素子は、芳香族炭化水素のように、窒素原子を含まない、つまりアリールアミン骨格を含まない有機化合物と金属酸化物とを含む混合層を、電極間に有することを特徴としている。また、該混合層は、吸収スペクトルを測定したときに、450〜650nmの波長帯域において、1μm当たりの吸光度が1以下、または明確な吸収ピークを有さないことを特徴としている。
本発明の一は、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレ
ン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80%〜95%、若しくは450nm〜650nmの波長帯域における1μm当たりの吸光度が1以下、具体的には0.3〜0.8となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、発光層と第1の電極との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有することを特徴とする発光素子である。そして、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80%〜95%、若しくは450nm〜650nmの波長帯域における1μm当たりの吸光度が1以下、具体的には0.3〜0.8となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、第1の混合層と、第2の混合層とを有し、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する発光素子である。このような発光素子において、発光層は第1の混合層よりも第1の電極側に設けられ、第2の混合層は第1の混合層よりも第2の電極側に設けられている。第1の混合層は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物としては、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム酸化物(MgO)、カルシウム酸化物(CaO)等が挙げられる。また、アルカリ金属フッ化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属フッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)等が挙げられる。また、第2の混合層は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。ここで、芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものが好ましい。このような芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含
む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80%〜95%、若しくは450nm〜650nmの波長帯域における1μm当たりの吸光度が1以下、具体的には0.3〜0.8となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間にn(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、m(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である)層目の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と、第2の混合層とを有し、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する発光素子である。ここで、第1の混合層は、第2の混合層よりも、第1の電極側に設けられている。第1の混合層は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物としては、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム酸化物(MgO)、カルシウム酸化物(CaO)等が挙げられる。また、アルカリ金属フッ化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属フッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)等が挙げられる。また、第2の混合層は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。ここで、芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものが好ましい。このような芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80%〜95%、若しくは450nm〜650nmの波長帯域における1μm当たりの吸光度が1以下、具体的には0.3〜0.8となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔移動度の良好な芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜
60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80〜100%となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、発光層と第1の電極との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有することを特徴とする発光素子である。そして、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔移動度の良好な芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80〜100%となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、第1の混合層と、第2の混合層とを有し、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する発光素子である。このような発光素子において、発光層は第1の混合層よりも第1の電極側に設けられ、第2の混合層は第1の混合層よりも第2の電極側に設けられている。第1の混合層は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物としては、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム酸化物(MgO)、カルシウム酸化物(CaO)等が挙げられる。また、アルカリ
金属フッ化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属フッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)等が挙げられる。また、第2の混合層は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。ここで、芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔移動度の良好な芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80〜100%となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間にn(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、m(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である)層目の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と、第2の混合層とを有し、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、発光層に含まれた発光物質が発光する発光素子である。ここで、第1の混合層は、第2の混合層よりも、第1の電極側に設けられている。第1の混合層は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物としては、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム酸化物(MgO)、カルシウム酸化物(CaO)等が挙げられる。また、アルカリ金属フッ化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等が挙げられる。また、アルカリ土類金属フッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)等が挙げられる。また、第2の混合層は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。ここで、芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔移動度の良好な芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アント
ラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときに不対電子の共鳴に由来したピークを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80〜100%となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔移動度の良好な芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。芳香族炭化水素と金属酸化物とは、これらの物質を含む層を電子スピン共鳴法で測定したときにg値が2.0027〜2.0030であるスペクトルを示すと共に、450nm〜650nmの波長帯域における透過率が80%以上、具体的には80〜100%となるように混合されていることが好ましい。
本発明の一は、上記に述べた発光素子のいずれかを用いた発光装置である。
本発明の一は、上記に述べた発光素子のいずれかを画素として用いた発光装置を表示部に用いた電子機器である。
本発明の一は、上記に述べた発光素子のいずれかを光源として用いた発光装置を照明部に用いた電子機器である。
本発明の実施によって、電極間に設けられた層の結晶化に起因した発光素子の動作不良が低減された発光素子を得ることができる。これは、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合することによって、結晶化し難い層を形成することができる為である。
本発明の実施によって、発光した光が通る光路の長さを容易に変えることのできる発光素子を得ることができる。これは、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層を設けることによって、混合層の厚さの増加に依存した駆動電圧の増加が非常に少ない発光素子を得られ、その結果、発光層から電極までの距離を容易に変えられる為である。
本発明の実施によって、電極間の短絡が生じにくい発光素子を得ることができる。これは、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層を設けることによって、混合層の厚さの増加に依存した駆動電圧の増加が非常に少ない発光素子を得られ、その結果、混合層の厚さを厚くすることで電極表面の凹凸を緩和することが容易となる為である。
本発明の実施によって、発光の取り出し効率が発光色(発光波長)に依存して異なることを防ぐことができる発光素子を得ることができる。これは、本発明の実施に用いられる混合層(芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層)が、波長に依存した吸光度の変化が少ないという特性を有する為、発光層と電極との間に設けられた層への吸収によって生じる発光の損失量が発光波長が異なっていてもそれ程変わらないことによる。
本発明の実施によって、高い色純度で発光する発光素子を得ることができ、その結果、色彩の優れた画像を提供できる発光装置を得られる。これは、本発明の発光素子は、駆動電圧の増加を憂慮することなく、発光した光が通る光路の長さを変え、発光する光の波長に適した光路長に容易に調整することができる為である。
以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の発光素子の一態様について図1を用いて説明する。
図1には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素子が示されている。図1に示す発光素子において、発光層113と第1の電極101との間には、混合層111が設けられている。また、発光層113と混合層111の間には正孔輸送層112が設けられ、発光層113と第2の電極102との間には、電子輸送層114、及び電子注入層115が設けられている。このような発光素子において、第1の電極101の電位が第2の電極102の電位よりも高くなるように第1の電極101と第2の電極102とに電圧を印加したとき、発光層113には、第1の電極101側から正孔が注入され、第2の電極102側から電子が注入される。そして、発光層113に注入された正孔と電子とは再結合する。発光層113には発光物質が含まれており、再結合によって生成された励起エネルギーによって発光物質は励起状態となる。励起状態となった発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。
以下、第1の電極101、第2の電極102、及び第1の電極101と第2の電極102との間に設けられた各層について具体的に説明する。
第1の電極101を形成する物質について特に限定はなく、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(
Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質の他、アルミニウム、またはマグネシウム等の仕事関数の低い物質を用いることができる。これは、本発明の発光素子では、電圧を印加したときに、混合層111から正孔が発生される為である。
第2の電極102を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極102と発光層113との間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極102を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極102と発光層113との間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
なお、第1の電極101と第2の電極102とは、いずれか一方または両方の電極が発光した光を透過できるように形成されていることが好ましい。
混合層111は、芳香族炭化水素と、金属酸化物とを含む層である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有することによって金属酸化物から注入された正孔を効率よく輸送できる。1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。また、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いることもできる。このように金属酸化物と芳香族炭化水素とを混合させることによって、電荷移動を生じさせることができ、その結果、電荷移動錯体を生成させることができる。このように電荷移動錯体が生成された混合層111には不対電子が含まれている。また、金属酸化物と芳香族炭化水素とを含む混合層111は、先に記載した先行技術文献(特開2005−123095公報)に記載されているような5酸化2バナジウムとα−NPDとが混合された混合膜、及び7酸化2レニウムとα−NPDとが混合された混合膜よりも可視光領域(450nm〜650nmの領域)における吸収波長に依存した吸光度の変化が非常に少ない(つまり、透過率の変化が少ない)為、混合層111への吸収されることによって生じる発光の損失量の発光波長依存性が少ない。その為、混合層111を設けることによって発光色ごとに発光の取り出し効率が異なってしまうことを防ぐことができる。混合層111において、金属酸化物は、芳香族炭化水素に対して質量比が0.5〜2若しくはモル比が1〜4(=金属酸化物/芳香族炭化水素)となるように含まれていることが好ましい。このような混合比で金属酸化物と芳香族炭化水素とを含むことによって、混合層111における450nm〜650nmの波長帯域における光の透過率を80%以上、具体的には80〜95%とすることができる。そして、このような透過率とすることによって、より効率よく発光を取り出すことができる。また、芳香族炭化水素は、一般的に、結晶化し易いという性質を有
するが、本形態のように、金属酸化物と混合することによって、結晶化し難くなる。また、金属酸化物の中でも特にモリブデン酸化物は、それのみからなる層にしたときに結晶化し易いが、本形態のように、芳香族炭化水素と混合することによって、結晶化し難くなる。このように、芳香族炭化水素と金属酸化物とを混合することによって、芳香族炭化水素と金属酸化物とは互いに結晶化を阻害し、結晶化し難い層を形成することができる。また、芳香族炭化水素はガラス転移温度が高い為、混合層111のような芳香族炭化水素を含む構成とすることによって、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)等を用いて形成された正孔注入層よりも耐熱性に優れ、さらに正孔輸送層112へも良好に正孔を注入する機能を有する層を得ることができる。ここで、参考として本発明の実施に用いられる芳香族炭化水素の一つであるt−BuDNAのガラス転移温度について述べると、t−BuDNAのガラス転移温度は127℃であり、特許文献1に記載されているα−NPDのガラス転移温度98℃よりも高いことが分かる。
正孔輸送層112は、正孔を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、混合層111から発光層113へ正孔を輸送する機能を有する。正孔輸送層112を設けることによって、混合層111と発光層113との距離を離すことができ、その結果、混合層111に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。正孔輸送層112は、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有する正孔輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性物質とは、電子よりも正孔の移動度が高い物質であり、好ましくは電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が100よりも大きい物質をいう。正孔輸送性物質の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、等が挙げられる。また、バイポーラ性物質とは、電子の移動度と正孔の移動度とを比較したときに、一方のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましくは10以下である物質をいう。バイポーラ性の物質として、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。バイポーラ性の物質の中でも特に、正孔及び電子の移動度が1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の物質を用いることが好ましい。
発光層113は、発光物質を含んでいる層である。ここで、発光物質とは、発光効率が良好で、所望の波長の発光をし得る物質である。発光層113は、発光物質のみから形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合は、発光物質の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。発光層113に発光物質を分散して含ませることで、発光が濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。ここで、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。
発光物質について特に限定はなく、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−
2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光物質として用いることができる。
また、発光物質と共に発光層113に含まれ、発光物質を分散状態にするために用いられる物質(ホストとも称される。)について特に限定はなく、発光物質として用いる物質のエネルギーギャップ等を勘案して適宜選択すればよい。例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等のキノキサリン誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))等の金属錯体等を発光物質と共に用いることができる。なお、発光物質はホストに対してゲストと称される。
電子輸送層114は、電子を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、第2の電極102側から注入された電子を発光層113へ輸送する機能を有する。電子輸送層114を設けることによって、第2の電極102と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第2の電極102に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。電子輸送層は、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する電子輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。ここで、電子輸送性物質とは、正孔よりも電子の移動度が高い物質であり、好ましくは、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正
孔移動度)が100よりも大きい物質をいう。電子輸送性物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、TAZ、p−EtTAZ、BPhen、BCP、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾリル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、バイポーラ性物質については、先に説明したとおりである。なお、電子輸送層114と正孔輸送層112とを同じバイポーラ性物質を用いて形成してもよい。
電子注入層115は第2の電極102から電子輸送層114へ電子が注入されるのを補助する機能を有する層である。電子注入層115を設けることによって、第2の電極102と電子輸送層114との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなる。電子注入層115は、電子輸送層114を形成している物質よりも電子親和力が大きく第2の電極102を形成している物質よりも電子親和力が小さい物質、または電子輸送層114と第2の電極102との間に約1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような性質を有する物質を用いて形成することが好ましい。電子注入層115を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、リチウム(Li)等のアルカリ金属、またはマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、フッ化セシウム(CsF)等のアルカリ金属のフッ化物、フッ化カルシウム(CaF)等のアルカリ土類金属のフッ化物、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、のアルカリ金属の酸化物、カルシウム酸化物(CaO)、マグネシウム酸化物(MgO)等のアルカリ土類金属の酸化物等の無機物が挙げられる。これらの物質は薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるため好ましい。また、無機物の他、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)等の電子輸送層114を形成するのに用いることのできる有機物も、これらの物質の中から、電子輸送層114の形成に用いる物質よりも電子親和力が大きい物質を選択することによって、電子注入層115を形成する物質として用いることができる。つまり、電子注入層115における電子親和力が電子輸送層114における電子親和力よりも相対的に大きくなるように物質を選択し、電子注入層115を形成すればよい。なお、電子注入層115を設ける場合、第2の電極102は、アルミニウム等の仕事関数の低い物質を用いて形成することが好ましい。
以上に説明した発光素子において、電子輸送層114の形成に用いられる電子輸送性物質の移動度と、混合層111に含まれる芳香族炭化水素の移動度とを比較したときに一方の物質の移動度に対する他方の物質の移動度の比が1000以下となるように、電子輸送性物質と芳香族炭化水素のそれぞれを選択することが好ましい。このようにそれぞれの物質を選択することで、発光層における再結合効率を高めることができる。
なお、本形態では、混合層111及び発光層113の他に、正孔輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115等を有する発光素子について示したが、発光素子の態様は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図2に示すように、電子注入層115
に換えて電子発生層116等を設けられた構成であってもよい。電子発生層116は、電子を発生する層であり、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質から選ばれる少なくとも一の物質と、これらの物質に対し電子供与性を示す物質とを混合して形成することができる。ここで、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質の中でも特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する物質であることが好ましい。電子輸送性物質およびバイポーラ性物質については、それぞれ、上記したものを用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物等、具体的にはリチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等から選ばれる少なくとも一の物質も電子供与性を示す物質として用いることができる。
また、発光層113と電子輸送層114との間には、図3に示すように、正孔阻止層117が設けられてもよい。正孔阻止層117を設けることによって、正孔が、発光層113を突き抜けて第2の電極102の方に流れていくのを防ぐことができ、キャリアの再結合効率を高めることができる。また、発光層113で生成された励起エネルギーが電子輸送層114等、他の層へ移動してしまうことを防ぐことができる。正孔阻止層117は、BAlq、OXD−7、TAZ、BPhen等の電子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質の中から、特に、発光層113を形成するのに用いる物質よりもイオン化ポテンシャル及び励起エネルギーが大きい物質を選択することによって、形成することができる。つまり、正孔阻止層117は、正孔阻止層117におけるイオン化ポテンシャルが電子輸送層114におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に大きくなるように物質を選択して形成されていればよい。同様に、発光層113と正孔輸送層112との間にも、発光層113を突き抜けて第2の電極102の方に電子が流れていくのを阻止するための層を設けても構わない。
なお、電子注入層115、電子輸送層114、正孔輸送層112、を設けるか否かについては発明の実施者が適宜選択すればよく、例えば、正孔輸送層112、電子輸送層114等を設けなくても金属に起因した消光等の不具合が生じない場合、電子注入層115を設けなくても電極からの電子注入が良好に行える場合等は、必ずしもこれらの層を設ける必要がない。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層111を有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、混合層111は正孔を発生することができる為、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層111を設けることによって、混合層111の厚さに依存した駆動電圧の変化が少ない発光素子を得ることができる。その為、混合層111の厚さを変えることによって発光層113と第1の電極101との間の距離を調整することが容易にできる。つまり、効率よく外部に発光を取り出せるような長さとなるように、あるいは外部に取り出された発光の色純度が良くなる長さとなるように、発光した光が通る光路の長さ(光路長)を調節することが容易である。また、混合層111の厚さを厚くすることによって第1の電極101の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
また、以上に説明した発光素子は、第1の電極101上に、混合層111、正孔輸送層
112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115等を順に積層した後、第2の電極102を形成する方法で作製してもよいし、または、第2の電極102上に、電子注入層115、電子輸送層114、発光層113、正孔輸送層112、混合層111を順に積層した後、第1の電極101を形成する方法で作製してもよい。後者の方法のように、発光層113を形成後に混合層111を形成することで、第1の電極101をスパッタリング法を用いて形成した場合でも、混合層111が保護層として機能し、発光層113等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難く良好な発光素子を作製できる。
(実施の形態2)
本発明の発光素子の一態様について図4を用いて説明する。
図4には、第1の電極201と第2の電極202との間に、発光層213と、第1の混合層215と、第2の混合層216とを有し、発光層213は第1の混合層215よりも第1の電極201側に設けられ、第2の混合層216は第1の混合層215よりも第2の電極202側に設けられた発光素子が示されている。この発光素子において、発光層と第1の電極201との間には正孔注入層211と正孔輸送層212とが設けられ、また、発光層213と第1の混合層215との間には、電子輸送層214が設けられている。第1の混合層215は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。第2の混合層216は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。発光層213には発光物質が含まれており、第1の電極201の電位が第2の電極202の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、第1の混合層215から電子輸送層214へ電子が注入され、第2の混合層216から第2の電極202へ正孔が注入され、さらに、第1の電極201から正孔注入層211へは正孔が注入される。そして、第1の電極201側から発光層213へ注入された正孔と、第2の電極202側から発光層213へ注入された電子とは再結合し、再結合によって生成された励起エネルギーによって、発光層213に含まれた発光物質は励起される。励起された発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。
以下、第1の電極201、第2の電極202、及び第1の電極201と第2の電極202との間に設けられた各層について具体的に説明する。
第1の電極201を形成する物質は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質であることが好ましい。
第2の電極202を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極202と発光層213との間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極202を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極202と発光層213との間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
なお、第1の電極201と第2の電極202とは、いずれか一方または両方の電極が発
光した光を透過できるように形成されていることが好ましい。
正孔注入層211は、本形態の発光素子においては、第1の電極201から正孔輸送層212へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層211を設けることによって、第1の電極201と正孔輸送層212との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層211は、正孔輸送層223を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極201を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層211を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等の低分子、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。
正孔輸送層212は、正孔を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、正孔注入層211から発光層213へ正孔を輸送する機能を有する。正孔輸送層212を設けることによって、第1の電極201と発光層213との距離を離すことができ、その結果、第1の電極201に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。正孔輸送層212は、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する正孔輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性物質及びバイポーラ性物質については実施の形態1における正孔輸送性物質及びバイポーラ性物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
発光層213は、発光物質を含んでいる層である。発光層213は、発光物質のみから形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合は、発光物質の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。発光層213に発光物質を分散して含ませることで、発光が濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。ここで、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。発光物質及び発光物質を分散状態にするために用いられる物質については、実施の形態1における発光物質及び発光物質を分散状態にするために用いられる物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
電子輸送層214は、電子を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、第1の混合層215から注入された電子を発光層213へ電子を輸送する機能を有する。電子輸送層214を設けることによって、第2の混合層216と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第2の混合層216に含まれている金属に起因して(第1の混合層215に金属が含まれている場合はその金属に起因して)発光が消光することを防ぐことができる。電子輸送層214は、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する電子輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性物質及びバイポーラ性物質については実施の形態1における電子輸送性物質及びバイポーラ性物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
第1の混合層215は、電子を発生する層であり、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質から選ばれる少なくとも一の物質と、これらの物質に対し電子供与性を示す物質とを混合して形成することができる。ここで、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質の中でも特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。電子輸送性物質およびバイポーラ性物質については、それぞれ、実施の形態1における電
子輸送性物質およびバイポーラ性物質に関する記載を準用し、ここでは説明を省略する。また、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質に対し電子供与性を示す物質についても、実施の形態1における電子供与性を示す物質に関する記載を準用するものとし、ここでは説明を省略する。
第2の混合層216は、芳香族炭化水素と、金属酸化物とを含む層である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものが好ましい。1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有することによって金属酸化物から注入された正孔を効率よく輸送できる。1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。また、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いることもできる。このように金属酸化物と芳香族炭化水素とを混合させることによって、電荷移動を生じさせることができる。また、金属酸化物と芳香族炭化水素とを含む第2の混合層216は、可視光領域(450nm〜650nmの領域)における吸収波長に依存した吸光度の変化が非常に少ない(つまり、透過率の変化が少ない)為、第2の混合層216への吸収されることによって生じる発光の損失量の発光波長依存性が少ない。その為、第2の混合層216を設けることによって発光色ごとに発光の取り出し効率が異なってしまうことを防ぐことができる。
第2の混合層216において、金属酸化物は、芳香族炭化水素に対して質量比が0.5〜2若しくはモル比が1〜4(=金属酸化物/芳香族炭化水素)となるように含まれていることが好ましい。芳香族炭化水素は、一般的に、結晶化し易いという性質を有するが、本形態のように、金属酸化物と混合することによって、結晶化し難くなる。また、金属酸化物の中でも特にモリブデン酸化物は、それのみからなる層にしたときに結晶化し易いが、本形態のように、芳香族炭化水素と混合することによって、結晶化し難くなる。このように、芳香族炭化水素と金属酸化物とを混合することによって、芳香族炭化水素と金属酸化物とは互いに結晶化を阻害し、結晶化し難い層を形成することができる。
なお、本形態では、発光層213及び第1の混合層215、第2の混合層216の他に、正孔注入層211、正孔輸送層212、電子輸送層214等を有する発光素子について示したが、発光素子の態様は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、正孔注入層211に換えて、第1の混合層と同じ芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層217等を設けられた構成であってもよい。芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層217を設けることによって、アルミニウム、マグネシウム等の仕事関数の小さい物質を用いて第1の電極201を形成した場合でも、発光素子を良好に動作させることができる。また、図6に示すように、電子輸送層214と発光層213との間に、正孔阻止層218が設けられていてもよい。正孔阻止層218は、実施の形態1に記載の正孔阻止層117と同様であり、ここでは説明を省略する。
なお、正孔注入層211、正孔輸送層212、電子輸送層214、を設けるか否かについては発明の実施者が適宜選択すればよく、例えば、正孔輸送層212、電子輸送層214等を設けなくても金属に起因した消光等の不具合が生じない場合、正孔注入層211を
設けなくても電極からの正孔注入が良好に行える場合等は、必ずしもこれらの層を設ける必要がない。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層216を有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、第2の混合層216は正孔を発生することができる為、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層216を設けることによって、第2の混合層216の厚さに依存した駆動電圧の変化が少ない発光素子を得ることができる。その為、第2の混合層216の厚さを変えることによって発光層213と第2の電極202との間の距離を調整することが容易にできる。つまり、効率よく外部に発光を取り出せるような長さとなるように、あるいは外部に取り出された発光の色純度が良くなる長さとなるように、発光した光が通る光路の長さ(光路長)を調節することが容易である。また、第2の混合層216の厚さを厚くすることによって第2の電極202の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
さらに、正孔注入層211に換えて第1の電極201側にも芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けることによって、第1の電極201と発光層213との距離を調整することも容易になり、また、第1の電極201の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
また、以上に説明した発光素子は、第1の電極201を先ず形成し、発光層213等の各層を形成した後、第2の電極202を形成する方法で作製してもよいし、または、第2の電極202を先ず形成し、発光層213等の各層を形成した後、第1の電極201を形成する方法で作製してもよい。いずれの方法においても発光層213を形成後に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を形成することで、電極(第1の電極201または第2の電極202)をスパッタリング法を用いて形成した場合でも、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層が保護層として機能し、発光層213等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難く良好な発光素子を作製できる。
(実施の形態3)
本発明の発光素子の一態様について、図7を用いて説明する。
図7には、第1の電極401と第2の電極402との間に、複数の発光層、具体的には第1発光層413aと第2発光層413bと第3発光層413cとを有する発光素子が示されている。この発光素子は、第1発光層413aと第2発光層413bとの間には第1の混合層421aと第2の混合層422aとを有し、第2発光層413bと第3発光層413cとの間には第1の混合層421bと第2の混合層422bとを有する。第1の混合層421a、421bは、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。第2の混合層422a、422bは、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。なお、第1の混合層421aは第2の混合層422aよりも第1の電極401側に設けれ、第1の混合層421bは第2の混合層422bよりも第1の電極401側に設けられている。第1の電極401と第1発光層413aとの間、第2の混合層422aと第2発光層413bとの間、第2の混合層422bと第3発光層413cとの間には、それぞれ、正孔輸送層412a、412b、412cが設けられている。また第1発光層413aと第1の混合層421aとの間、第2発光層413bと第1の混合層421bとの間、第3発光層413cと第2の電極402との間には、それぞれ、電子輸送層414a、414b、414cが設けられている。そして、第1の電極401と正孔輸送層412aとの間には正孔注入層411が、第2の電極402と電子輸送層414cとの間には電子注入層415が、それぞれ設けられている。第
1発光層413a及び第2発光層413b、第3発光層413cには発光物質が含まれており、第1の電極401の電位が第2の電極402の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、それぞれの発光層において、正孔と電子とが再結合し、再結合によって生成された励起エネルギーによって、それぞれの発光層に含まれた発光物質は励起される。励起された発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。なお、それぞれの発光層に含まれる発光物質は、同じでもよいし、または異なっていてもよい。
第1の電極401を形成する物質は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質であることが好ましい。なお、正孔注入層411に換えて、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けた場合、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質を用いて第1の電極401を形成することもできる。
第2の電極402を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極402と第3発光層413cとの間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極402を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極402と第3発光層413cとの間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
以上のような本形態の発光素子において、第1の混合層421a、421bは実施の形態2に記載の第1の混合層215と同様である。また、第2の混合層422a、422bは、実施の形態2に記載の第2の混合層216と同様である。また、第1発光層413a、第2発光層413b、第3発光層413cは、それぞれ、実施の形態2における発光層213と同様である。正孔注入層411、正孔輸送層412a、412b、412c、電子輸送層414a、414b、414c、電子注入層415についても、それぞれ、実施の形態2において同一の名称で記載されている各層と同様である。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層422a、422bを有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層422a、422bを設けた構成とすることによって、インジウム錫酸化物からなる層のようなスパッタリング法を用いて形成された層が各発光層間に設けられている構成の発光素子よりも、発光層等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難い発光素子を得ることができる。
(実施の形態4)
本発明の発光素子の一態様について図8を用いて説明する。
図8には、第1の電極3101と第2の電極3102との間に発光層3113を有する発光素子が示されている。図8に示す発光素子において、発光層3113と第1の電極3101との間には、混合層3111が設けられている。また、発光層3113と混合層3111の間には正孔輸送層3112が設けられ、発光層3113と第2の電極3102との間には、電子輸送層3114、及び電子注入層3115が設けられている。このような
発光素子において、第1の電極3101の電位が第2の電極3102の電位よりも高くなるように第1の電極3101と第2の電極3102とに電圧を印加したとき、発光層3113には、第1の電極3101側から正孔が注入され、第2の電極3102側から電子が注入される。そして、発光層3113に注入された正孔と電子とは再結合する。発光層3113には発光物質が含まれており、再結合によって生成された励起エネルギーによって発光物質は励起状態となる。励起状態となった発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。
以下、第1の電極3101、第2の電極3102、及び第1の電極3101と第2の電極3102との間に設けられた各層について具体的に説明する。
第1の電極3101を形成する物質について特に限定はなく、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質の他、アルミニウム、またはマグネシウム等の仕事関数の低い物質を用いることができる。これは、本発明の発光素子では、電圧を印加したときに、混合層3111から正孔が注入される為である。
第2の電極3102を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極3102と発光層3113との間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極3102を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極3102と発光層3113との間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
なお、第1の電極3101と第2の電極3102とは、いずれか一方または両方の電極が発光した光を透過できるように形成されていることが好ましい。
混合層3111は、芳香族炭化水素と、金属酸化物とを含む層である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔輸送性が良好であり、混合層3111の形成に用いることのできる芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDBA)等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香
族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。炭素数26〜60である芳香族炭化水素を用いることによって混合層の耐熱性が向上し、特に炭素数34〜60の芳香族炭化水素を用いた場合には非常に良好な耐熱性を有する混合層3111を得ることができる。このような混合層3111の耐熱性の向上は、電流によって発生するジュール熱に起因した抵抗の増加などの電気的特性の低下が抑制された発光素子を作製する上で非常に有効である。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。また、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いることもできる。このように金属酸化物と芳香族炭化水素とを混合させることによって、電荷移動を生じさせることができ、その結果、電荷移動錯体を生成させることができる。このように電荷移動錯体が生成された混合層3111には不対電子が含まれている。また、金属酸化物と芳香族炭化水素とを含む混合層3111は、先に記載した先行技術文献(特開2005−123095公報)に記載されているような5酸化2バナジウムとα−NPDとが混合された混合膜、及び7酸化2レニウムとα−NPDとが混合された混合膜よりも可視光領域(450nm〜650nmの領域)における吸収波長に依存した吸光度の変化が少ない(つまり、透過率の変化が少ない)為、混合層3111への吸収されることによって生じる発光の損失量の発光波長依存性が少ない。その為、混合層3111を設けることによって発光色ごとに発光の取り出し効率が異なってしまうことを防ぐことができる。混合層3111において、金属酸化物は、芳香族炭化水素に対して質量比(重量比)が0.5〜2若しくはモル比が1〜4(=金属酸化物/芳香族炭化水素)となるように含まれていることが好ましい。このような混合比で金属酸化物と芳香族炭化水素とを含むことによって、混合層3111における450nm〜650nmの波長帯域における光の透過率を80%以上、具体的には80〜100%とすることができる。そして、このような透過率とすることによって、より効率よく発光を取り出すことができる。また、芳香族炭化水素は、一般的に、結晶化し易いという性質を有するが、本形態のように、金属酸化物と混合することによって、結晶化し難くなる。また、金属酸化物の中でも特にモリブデン酸化物は、それのみからなる層にしたときに結晶化し易いが、本形態のように、芳香族炭化水素と混合することによって、結晶化し難くなる。このように、芳香族炭化水素と金属酸化物とを混合することによって、芳香族炭化水素と金属酸化物とは互いに結晶化を阻害し、結晶化し難い層を形成することができる。また、芳香族炭化水素はガラス転移温度が高い為、混合層3111のような芳香族炭化水素を含む構成とすることによって、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)等を用いて形成された正孔注入層よりも耐熱性に優れ、さらに正孔輸送層3112へも良好に正孔を注入する機能を有する層を得ることができる。
正孔輸送層3112は、正孔を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、混合層3111から発光層3113へ正孔を輸送する機能を有する。正孔輸送層3112を設けることによって、混合層3111と発光層3113との距離を離すことができ、その結果、混合層3111に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。正孔輸送層3112は、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有する正孔輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性物質とは、電子よりも正孔の移動度が高い物質であり、好ましくは電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が100よりも大きい物質をいう。正孔輸送性物質の具体例としては、4,4’−ビ
ス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、等が挙げられる。また、バイポーラ性物質とは、電子の移動度と正孔の移動度とを比較したときに、一方のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましくは10以下である物質をいう。バイポーラ性の物質として、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。バイポーラ性の物質の中でも特に、正孔及び電子の移動度が1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の物質を用いることが好ましい。
発光層3113は、発光物質を含んでいる層である。ここで、発光物質とは、発光効率が良好で、所望の波長の発光をし得る物質である。発光層3113は、発光物質のみから形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合は、発光物質の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。発光層3113に発光物質を分散して含ませることで、発光が濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。ここで、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。
発光物質について特に限定はなく、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmの波長帯域に発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト
−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光物質として用いることができる。
また、発光物質と共に発光層3113に含まれ、発光物質を分散状態にするために用いられる物質(ホストとも称される。)について特に限定はなく、発光物質として用いる物質のエネルギーギャップ等を勘案して適宜選択すればよい。例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等のキノキサリン誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))等の金属錯体等を発光物質と共に用いることができる。なお、一般的に、発光物質はホストに対してゲストと称される。
電子輸送層3114は、電子を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、第2の電極3102側から注入された電子を発光層3113へ輸送する機能を有する。電子輸送層3114を設けることによって、第2の電極3102と発光層3113との距離を離すことができ、その結果、第2の電極3102に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。電子輸送層は、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する電子輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。ここで、電子輸送性物質とは、正孔よりも電子の移動度が高い物質であり、好ましくは、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が100よりも大きい物質をいう。電子輸送性物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、TAZ、p−EtTAZ、BPhen、BCP、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾリル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、バイポーラ性物質については、先に説明したとおりである。なお、電子輸送層3114と正孔輸送層3112とを同じバイポーラ性物質を用いて形成してもよい。
電子注入層3115は第2の電極3102から電子輸送層3114へ電子が注入されるのを補助する機能を有する層である。電子注入層3115を設けることによって、第2の電極3102と電子輸送層3114との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなる。電子注入層3115は、電子輸送層3114を形成している物質よりも電子親和力が大きく第2の電極3102を形成している物質よりも電子親和力が小さい物質、または電子輸送層3114と第2の電極3102との間に約1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような性質を有する物質を用いて形成することが好ましい。電子注入層3115を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、リチウム(Li)等のアルカリ金属、またはマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、フッ化セシウム(CsF)等のアルカリ金属のフッ化物、フッ化カルシウム(CaF)等の
アルカリ土類金属のフッ化物、リチウム酸化物(LiO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、のアルカリ金属の酸化物、カルシウム酸化物(CaO)、マグネシウム酸化物(MgO)等のアルカリ土類金属の酸化物等の無機物が挙げられる。これらの物質は薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるため好ましい。また、無機物の他、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)等の電子輸送層3114を形成するのに用いることのできる有機物も、これらの物質の中から、電子輸送層3114の形成に用いる物質よりも電子親和力が大きい物質を選択することによって、電子注入層3115を形成する物質として用いることができる。つまり、電子注入層3115における電子親和力が電子輸送層3114における電子親和力よりも相対的に大きくなるように物質を選択し、電子注入層3115を形成すればよい。なお、電子注入層3115を設ける場合、第2の電極3102は、アルミニウム等の仕事関数の低い物質を用いて形成することが好ましい。
以上に説明した発光素子において、電子輸送層3114の形成に用いられる電子輸送性物質の移動度と、混合層3111に含まれる芳香族炭化水素の移動度とを比較したときに一方の物質の移動度に対する他方の物質の移動度の比が1000以下となるように、電子輸送性物質と芳香族炭化水素のそれぞれを選択することが好ましい。このようにそれぞれの物質を選択することで、発光層における再結合効率を高めることができる。
なお、本形態では、混合層3111及び発光層3113の他に、正孔輸送層3112、電子輸送層3114、電子注入層3115等を有する発光素子について示したが、発光素子の態様は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、電子注入層3115に換えて電子発生層3116等を設けられた構成であってもよい。電子発生層3116は、電子を発生する層であり、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質から選ばれる少なくとも一の物質と、これらの物質に対し電子供与性を示す物質とを混合して形成することができる。ここで、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質の中でも特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する物質であることが好ましい。電子輸送性物質およびバイポーラ性物質については、それぞれ、上記したものを用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物等、具体的にはリチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等から選ばれる少なくとも一の物質も電子供与性を示す物質として用いることができる。
また、発光層3113と電子輸送層3114との間には、図10に示すように、正孔阻止層3117が設けられてもよい。正孔阻止層3117を設けることによって、正孔が、発光層3113を突き抜けて第2の電極3102の方に流れていくのを防ぐことができ、キャリアの再結合効率を高めることができる。また、発光層3113で生成された励起エネルギーが電子輸送層3114等、他の層へ移動してしまうことを防ぐことができる。正孔阻止層3117は、BAlq、OXD−7、TAZ、BPhen等の電子輸送層3114を形成するのに用いることのできる物質の中から、特に、発光層3113を形成するのに用いる物質よりもイオン化ポテンシャル及び励起エネルギーが大きい物質を選択することによって、形成することができる。つまり、正孔阻止層3117は、正孔阻止層311
7におけるイオン化ポテンシャルが電子輸送層3114におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に大きくなるように物質を選択して形成されていればよい。同様に、発光層3113と正孔輸送層3112との間にも、発光層3113を突き抜けて第2の電極3102の方に電子が流れていくのを阻止するための層を設けても構わない。
なお、電子注入層3115、電子輸送層3114、正孔輸送層3112、を設けるか否かについては発明の実施者が適宜選択すればよく、例えば、正孔輸送層3112、電子輸送層3114等を設けなくても金属に起因した消光等の不具合が生じない場合、電子注入層3115を設けなくても電極からの電子注入が良好に行える場合等は、必ずしもこれらの層を設ける必要がない。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層3111を有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、混合層3111は正孔を発生することができる為、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層3111を設けることによって、混合層3111の厚さに依存した駆動電圧の変化が少ない発光素子を得ることができる。その為、混合層3111の厚さを変えることによって発光層3113と第1の電極3101との間の距離を調整することが容易にできる。つまり、効率よく外部に発光を取り出せるような長さとなるように、あるいは外部に取り出された発光の色純度が良くなる長さとなるように、発光した光が通る光路の長さ(光路長)を調節することが容易である。また、混合層3111の厚さを厚くすることによって第1の電極3101の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
また、以上に説明した発光素子は、第1の電極3101上に、混合層3111、正孔輸送層3112、発光層3113、電子輸送層3114、電子注入層3115等を順に積層した後、第2の電極3102を形成する方法で作製してもよいし、または、第2の電極3102上に、電子注入層3115、電子輸送層3114、発光層3113、正孔輸送層3112、混合層3111を順に積層した後、第1の電極3101を形成する方法で作製してもよい。後者の方法のように、発光層3113を形成後に混合層3111を形成することで、第1の電極3101をスパッタリング法を用いて形成した場合でも、混合層3111が保護層として機能し、発光層3113等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難く良好な発光素子を作製できる。
(実施の形態5)
本発明の発光素子の一態様について図11を用いて説明する。
図11には、第1の電極3201と第2の電極3202との間に、発光層3213と、第1の混合層3215と、第2の混合層3216とを有し、発光層3213は第1の混合層3215よりも第1の電極3201側に設けられ、第2の混合層3216は第1の混合層3215よりも第2の電極3202側に設けられた発光素子が示されている。この発光素子において、発光層と第1の電極3201との間には正孔注入層3211と正孔輸送層3212とが設けられ、また、発光層3213と第1の混合層3215との間には、電子輸送層3214が設けられている。第1の混合層3215は、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。第2の混合層3216は、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。発光層3213には発光物質が含まれており、第1の電極3201の電位が第2の電極3202の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、第1の混合層3215から電子輸送層3214へ電子が注入され、第2の混合層3216から第2の電極3202
へ正孔が注入され、さらに、第1の電極3201から正孔注入層3211へは正孔が注入される。そして、第1の電極3201側から発光層3213へ注入された正孔と、第2の電極3202側から発光層3213へ注入された電子とは再結合し、再結合によって生成された励起エネルギーによって、発光層3213に含まれた発光物質は励起される。励起された発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。
以下、第1の電極3201、第2の電極3202、及び第1の電極3201と第2の電極3202との間に設けられた各層について具体的に説明する。
第1の電極3201を形成する物質は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質であることが好ましい。
第2の電極3202を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極3202と発光層3213との間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極3202を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極3202と発光層3213との間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
なお、第1の電極3201と第2の電極3202とは、いずれか一方または両方の電極が発光した光を透過できるように形成されていることが好ましい。
正孔注入層3211は、本形態の発光素子においては、第1の電極3201から正孔輸送層3212へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層3211を設けることによって、第1の電極3201と正孔輸送層3212との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層3211は、正孔輸送層3212を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極3201を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層3211を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等の低分子、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。
正孔輸送層3212は、正孔を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、正孔注入層3211から発光層3213へ正孔を輸送する機能を有する。正孔輸送層3212を設けることによって、第1の電極3201と発光層3213との距離を離すことができ、その結果、第1の電極3201に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。正孔輸送層3212は、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する正孔輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性物質及びバイポーラ性物質については実施の形態4における正孔輸送性物質及びバイポーラ性物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
発光層3213は、発光物質を含んでいる層である。発光層3213は、発光物質のみ
から形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合は、発光物質の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に、発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。発光層3213に発光物質を分散して含ませることで、発光が濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。ここで、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。発光物質及び発光物質を分散状態にするために用いられる物質については、実施の形態4における発光物質及び発光物質を分散状態にするために用いられる物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
電子輸送層3214は、電子を輸送する機能を有する層であり、本形態の発光素子においては、第1の混合層3215から注入された電子を発光層3213へ電子を輸送する機能を有する。電子輸送層3214を設けることによって、第2の混合層3216と発光層3213との距離を離すことができ、その結果、第2の混合層3216に含まれている金属に起因して(第1の混合層3215に金属が含まれている場合はその金属に起因して)発光が消光することを防ぐことができる。電子輸送層3214は、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の電子移動度を有する電子輸送性物質またはバイポーラ性物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性物質及びバイポーラ性物質については実施の形態4における電子輸送性物質及びバイポーラ性物質に関する記載を準用し、本形態では説明を省略する。
第1の混合層3215は、電子を発生する層であり、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質から選ばれる少なくとも一の物質と、これらの物質に対し電子供与性を示す物質とを混合して形成することができる。ここで、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質の中でも特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。電子輸送性物質およびバイポーラ性物質については、それぞれ、実施の形態4における電子輸送性物質およびバイポーラ性物質に関する記載を準用し、ここでは説明を省略する。また、電子輸送性物質およびバイポーラ性物質に対し電子供与性を示す物質についても、実施の形態4における電子供与性を示す物質に関する記載を準用するものとし、ここでは説明を省略する。
第2の混合層3216は、芳香族炭化水素と、金属酸化物とを含む層である。芳香族炭化水素について特に限定はないが、1×10−6cm/Vs以上(より好ましくは、1×10−6〜1×10cm/Vs)の正孔移動度を有するものが好ましい。このような正孔輸送性が良好であり、第2の混合層3216の形成に用いることのできる芳香族炭化水素として、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン等のアントラセン骨格を含み、炭素数14〜60である芳香族炭化水素が挙げられる。これら炭素数14〜60の芳香族炭化水素の中でも特に炭素数26〜60の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、炭素数34〜60を用いることがさらに好ましい。炭素数26〜60である芳香族炭化水素を用いることによって混合層の耐熱性が向上し、特に炭素数3
4〜60の芳香族炭化水素を用いた場合には非常に良好な耐熱性を有する第2の混合層3216を得ることができる。このような第2の混合層3216の耐熱性の向上は、電流によって発生するジュール熱に起因した抵抗の増加などの電気的特性の低下が抑制された発光素子を作製する上で非常に有効である。また、金属酸化物としては、芳香族炭化水素に対し電子受容性を示すものが好ましい。このような金属酸化物として、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が挙げられる。また、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いることもできる。このように金属酸化物と芳香族炭化水素とを混合させることによって、電荷移動を生じさせることができる。また、金属酸化物と芳香族炭化水素とを含む第2の混合層3216は、可視光領域(450nm〜650nmの領域)における吸収波長に依存した吸光度の変化が少ない(つまり、透過率の変化が少ない)為、第2の混合層3216への吸収されることによって生じる発光の損失量の発光波長依存性が少ない。その為、第2の混合層3216を設けることによって発光色ごとに発光の取り出し効率が異なってしまうことを防ぐことができる。
第2の混合層3216において、金属酸化物は、芳香族炭化水素に対して質量比(重量比)が0.5〜2若しくはモル比が1〜4(=金属酸化物/芳香族炭化水素)となるように含まれていることが好ましい。芳香族炭化水素は、一般的に、結晶化し易いという性質を有するが、本形態のように、金属酸化物と混合することによって、結晶化し難くなる。また、金属酸化物の中でも特にモリブデン酸化物は、それのみからなる層にしたときに結晶化し易いが、本形態のように、芳香族炭化水素と混合することによって、結晶化し難くなる。このように、芳香族炭化水素と金属酸化物とを混合することによって、芳香族炭化水素と金属酸化物とは互いに結晶化を阻害し、結晶化し難い層を形成することができる。
なお、本形態では、発光層3213及び第1の混合層3215、第2の混合層3216の他に、正孔注入層3211、正孔輸送層3212、電子輸送層3214等を有する発光素子について示したが、発光素子の態様は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、正孔注入層3211に換えて、第1の混合層と同じ芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層3217等を設けられた構成であってもよい。芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層3217を設けることによって、アルミニウム、マグネシウム等の仕事関数の小さい物質を用いて第1の電極3201を形成した場合でも、発光素子を良好に動作させることができる。また、図13に示すように、電子輸送層3214と発光層3213との間に、正孔阻止層3218が設けられていてもよい。正孔阻止層3218は、実施の形態4に記載の正孔阻止層3117と同様であり、ここでは説明を省略する。
なお、正孔注入層3211、正孔輸送層3212、電子輸送層3214、を設けるか否かについては発明の実施者が適宜選択すればよく、例えば、正孔輸送層3212、電子輸送層3214等を設けなくても金属に起因した消光等の不具合が生じない場合、正孔注入層3211を設けなくても電極からの正孔注入が良好に行える場合等は、必ずしもこれらの層を設ける必要がない。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層3216を有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、第2の混合層3216は正孔を発生することができる為、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層3216を設けることによって、第2の混合層3216の厚さに依存した駆動電圧の変化が少ない発光素子を得ることができる。その為、第2の混合層3216の厚さを変えることによって発光層3213と第2の電極3202との間の距離を調整することが容易にできる。つまり、効率よく外部に発光を取り出せるような長さとなるように、あるいは外部に取り出された発光の色純度
が良くなる長さとなるように、発光した光が通る光路の長さ(光路長)を調節することが容易である。また、第2の混合層3216の厚さを厚くすることによって第2の電極3202の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
さらに、正孔注入層3211に換えて第1の電極3201側にも芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けることによって、第1の電極3201と発光層3213との距離を調整することも容易になり、また、第1の電極3201の表面の凹凸を緩和し、電極間の短絡を低減することができる。
また、以上に説明した発光素子は、第1の電極3201を先ず形成し、発光層3213等の各層を形成した後、第2の電極3202を形成する方法で作製してもよいし、または、第2の電極3202を先ず形成し、発光層3213等の各層を形成した後、第1の電極3201を形成する方法で作製してもよい。いずれの方法においても発光層3213を形成後に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を形成することで、電極(第1の電極3201または第2の電極3202)をスパッタリング法を用いて形成した場合でも、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層が保護層として機能し、発光層3213等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難く良好な発光素子を作製できる。
(実施の形態6)
本発明の発光素子の一態様について、図14を用いて説明する。
図14には、第1の電極3401と第2の電極3402との間に、複数の発光層、具体的には第1発光層3413aと第2発光層3413bと第3発光層3413cとを有する発光素子が示されている。この発光素子は、第1発光層3413aと第2発光層3413bとの間には第1の混合層3421aと第2の混合層3422aとを有し、第2発光層3413bと第3発光層3413cとの間には第1の混合層3421bと第2の混合層3422bとを有する。第1の混合層3421a、3421bは、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた物質と、電子輸送性物質とを含む層である。第2の混合層3422a、3422bは、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層である。なお、第1の混合層3421aは第2の混合層3422aよりも第1の電極3401側に設けれ、第1の混合層3421bは第2の混合層3422bよりも第1の電極3401側に設けられている。第1の電極3401と第1発光層3413aとの間、第2の混合層3422aと第2発光層3413bとの間、第2の混合層3422bと第3発光層3413cとの間には、それぞれ、正孔輸送層3412a、3412b、3412cが設けられている。また第1発光層3413aと第1の混合層3421aとの間、第2発光層3413bと第1の混合層3421bとの間、第3発光層3413cと第2の電極3402との間には、それぞれ、電子輸送層3414a、3414b、3414cが設けられている。そして、第1の電極3401と正孔輸送層3412aとの間には正孔注入層3411が、第2の電極3402と電子輸送層3414cとの間には電子注入層3415が、それぞれ設けられている。第1発光層3413a及び第2発光層3413b、第3発光層3413cには発光物質が含まれており、第1の電極3401の電位が第2の電極3402の電位よりも高くなるように、それぞれの電極に電圧を印加したときに、それぞれの発光層において、正孔と電子とが再結合し、再結合によって生成された励起エネルギーによって、それぞれの発光層に含まれた発光物質は励起される。励起された発光物質は、基底状態に戻るときに発光する。なお、それぞれの発光層に含まれる発光物質は、同じでもよいし、または異なっていてもよい。
第1の電極3401を形成する物質は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt
)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質であることが好ましい。なお、正孔注入層3411に換えて、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けた場合、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質を用いて第1の電極3401を形成することもできる。
第2の電極3402を形成する物質は、アルミニウム、及びマグネシウム等の仕事関数の低い物質であることが好ましいが、第2の電極3402と第3発光層3413cとの間に、電子を発生する層を設けた場合は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、窒化タンタル等の仕事関数の高い物質等も用いることができる。従って、第2の電極3402を形成する物質として、いずれの物質を用いるかは、第2の電極3402と第3発光層3413cとの間に設けられる層の性質に合わせて適宜選択すればよい。
以上のような本形態の発光素子において、第1の混合層3421a、3421bは実施の形態4に記載の第1の混合層3215と同様である。また、第2の混合層3422a、3422bは、実施の形態2に記載の第2の混合層3216と同様である。また、第1発光層3413a、第2発光層3413b、第3発光層3413cは、それぞれ、実施の形態2における発光層3213と同様である。正孔注入層3411、正孔輸送層3412a、3412b、3412c、電子輸送層3414a、3414b、3414c、電子注入層3415についても、それぞれ、実施の形態4において同一の名称で記載されている各層と同様である。
以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層3422a、3422bを有する発光素子とすることによって、芳香族炭化水素または金属酸化物のみからなる層が設けられた発光素子よりも層の結晶化に起因した不良、例えば結晶化による凹凸の発生等の結果生じる電極間の短絡等が低減できる。また、以上のように芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む第2の混合層3422a、3422bを設けた構成とすることによって、インジウム錫酸化物からなる層のようなスパッタリング法を用いて形成された層が各発光層間に設けられている構成の発光素子よりも、発光層等の有機化合物を用いて形成された層のスパッタリングに因る損傷が生じ難い発光素子を得ることができる。
(実施の形態7)
本発明の発光素子は、電極間に設けられた層の結晶化に起因した動作不良を低減できるものである。また、電極間に設けられ、芳香族炭化水素と金属酸化物を含む混合層の厚さを厚くすることによって電極間の短絡を防ぐことができるものである。また、混合層の厚さを変えることで光路長を調整し、発光の外部取り出し効率を高めたり、色純度の良い発光を得ることができるものである。その為、本発明の発光素子を画素として用いることで、発光素子の動作不良に起因した表示欠陥の少ない良好な発光装置を得ることができる。また、本発明の発光素子を画素として用いることで、表示色が良好な画像を提供できる発光装置を得ることができる。また、本発明の発光素子を光源として用いることで、発光素子の動作不良に起因した不具合が少なく良好に照明することができる発光装置を得ることができる。
本形態では、表示機能を有する発光装置の回路構成および駆動方法について図15〜18を用いて説明する。
図15は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図15において、基
板6500上には、画素部6511と、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とが設けられている。ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、配線群を介して、外部入力端子であるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503と接続している。そして、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、FPC6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。またFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6504が取り付けられている。なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。
画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線が行方向に並んで配列している。また、電流供給線が行方向に並んで配列している。また、画素部6511には、行方向に延びた複数のゲート信号線が列方向に並んで配列している。また画素部6511には、発光素子を含む一組の回路が複数配列している。
図16は、一画素を動作するための回路を表した図である。図16に示す回路には、第1のトランジスタ901と第2のトランジスタ902と発光素子903とが含まれている。
第1のトランジスタ901と、第2のトランジスタ902とは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレイン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソース領域またはドレイン領域であるかを限定することが困難である。そこで、本形態においては、ソースまたはドレインとして機能する領域を、それぞれ第1電極、第2電極と表記する。
ゲート信号線911と、書込用ゲート信号線駆動回路913とはスイッチ918によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ゲート信号線911と、消去用ゲート信号線駆動回路914とはスイッチ919によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ソース信号線912は、スイッチ920によってソース信号線駆動回路915または電源916のいずれかに電気的に接続するように設けられている。そして、第1のトランジスタ901のゲートはゲート信号線911に電気的に接続している。また、第1のトランジスタの第1電極はソース信号線912に電気的に接続し、第2電極は第2のトランジスタ902のゲート電極と電気的に接続している。第2のトランジスタ902の第1電極は電流供給線917と電気的に接続し、第2電極は発光素子903に含まれる一の電極と電気的に接続している。なお、スイッチ918は、書込用ゲート信号線駆動回路913に含まれていてもよい。またスイッチ919についても消去用ゲート信号線駆動回路914の中に含まれていてもよい。また、スイッチ920についてもソース信号線駆動回路915の中に含まれていてもよい。
また画素部におけるトランジスタや発光素子等の配置について特に限定はないが、例えば図17の上面図に表すように配置することができる。図17において、第1のトランジスタ1001の第1電極はソース信号線1004に接続し、第2の電極は第2のトランジスタ1002のゲート電極に接続している。また第2トランジスタの第1電極は電流供給線1005に接続し、第2電極は発光素子の電極1006に接続している。ゲート信号線1003の一部は第1のトランジスタ1001のゲート電極として機能する。
次に、駆動方法について説明する。図18は時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図である。図18において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査段数を表している。
本発明の発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度とすることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間を1フレーム期間という。
1フレームは、図18に示すように、書き込み期間501a、502a、503a、504aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフレーム503:第4のサブフレーム504=2:2:2:2=8:4:2:1となっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよい。
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへと移る。当該保持期間において、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレームへ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ごとに変えて一画素内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な表示色を形成することができる。
サブフレーム504のように、最終行目までの書込が終了する前に、既に書込を終え、保持期間に移行した行における保持期間を強制的に終了させたいときは、保持期間504bの後に消去期間504cを設け、強制的に非発光の状態となるように制御することが好ましい。そして、強制的に非発光状態にした行については、一定期間、非発光の状態を保つ(この期間を非発光期間504dとする。)。そして、最終行目の書込期間が終了したら直ちに、一行目から順に次の(またはフレーム)の書込期間に移行する。これによって、サブフレーム504の書き込み期間と、その次のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防ぐことができる。
なお、本形態では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。また、サブフレームは、さらに複数のフレームに分割されていてもよい。つまり、同じ映像信号を与えている期間、ゲート信号線の走査を複数回行ってもよい。
ここで、書込期間および消去期間における、図16で示す回路の動作について説明する。
まず書込期間における動作について説明する。書込期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ918を介して書込用ゲート信号線駆動回路913と電気的に接続し、消去用ゲート信号線駆動回路914とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介してソース信号線駆動回路915と電気的に接続している。ここで、n行目(nは自然数)のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線912から入力される映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線912から入力された映像信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、発光素子903は発光または非発光が決まる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。
次に消去期間における動作について説明する。消去期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ919を介して消去用ゲート信号線駆動回路914と電気的に接続し、書込用ゲート信号線駆動回路913とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介して電源916と電気的に接続している。ここで、n行目のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に消去信号が入力される。ソース信号線912から入力された消去信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917から発光素子903への電流の供給が阻止される。そして、発光素子903は強制的に非発光となる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow
Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。
なお、消去期間では、n行目(nは自然数)については、以上に説明したような動作によって消去する為の信号を入力する。しかし、前述のように、n行目が消去期間であると共に、他の行(m行目(mは自然数)とする。)については書込期間となる場合がある。このような場合、同じ列のソース信号線を利用してn行目には消去の為の信号を、m行目には書込の為の信号を入力する必要があるため、以下に説明するような動作させることが好ましい。
先に説明した消去期間における動作によって、n行目の発光素子903が非発光となった後、直ちに、ゲート信号線911と消去用ゲート信号線駆動回路914とを非接続の状態とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線912とソース信号線駆動回路915と接続させる。そして、ソース信号線とソース信号線駆動回路915とを接続させる共に、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913とを接続させる。そして、書込用ゲート信号線駆動回路913からm行目の信号線に選択的に信号が入力され、第1のトランジスタがオンすると共に、ソース信号線駆動回路915からは、1列目から最終列目迄のソース信号線に書込の為の信号が入力される。この信号によって、m行目の発光素子は、発光または非発光となる。
以上のようにしてm行目について書込期間を終えたら、直ちに、n+1行目の消去期間に移行する。その為に、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線を電源916と接続する。また、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、ゲート信号線911については、消去用ゲート信号線駆動回路914と接続状態にする。そして、消去用ゲート信号線駆動回路914からn+1行目のゲート信号線に選択的に信号を入力して第1のトランジスタに信号をオンする共に、電源916から消去信号が入力される。このようにして、n+1行目の消去期間を終えたら、直ちに、m+1行目の書込期間に移行する。以下、同様に、消去期間と書込期間とを繰り返し、最終行目の消去期間まで動作させればよい。
なお、本形態では、n行目の消去期間とn+1行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設ける態様について説明したが、これに限らず、n−1行目の消去期間とn行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設けてもよい。
また、本形態では、サブフレーム504のように非発光期間504dを設けるときおいて、消去用ゲート信号線駆動回路914と或る一のゲート信号線とを非接続状態にすると共に、書込用ゲート信号線駆動回路913と他のゲート信号線とを接続状態にする動作を繰り返している。このような動作は、特に非発光期間を設けないフレームにおいて行っても構わない。
(実施の形態8)
本発明の発光素子を含む発光装置の一態様について、図19の断面図を用いて説明する。
図19において、点線で囲まれているのは、本発明の発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は、実施の形態1〜6で説明したような、第1の電極13と第2の電極14との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する本発明の発光素子である。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本形態において、基板10上に設けられている。
なお、図19に示されたトランジスタ11は、半導体層を中心として基板と逆側にゲート電極が設けられたトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えばボトムゲート型のものでもよい。またボトムゲートの場合には、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
なお、セミアモルファス半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi
結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端するために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、またはSiFなどの気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。これらの気体はH、又は、HとHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈されても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm以下、好ましくは1×1019/cm以下とする。
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或いはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
さらに、第1層間絶縁膜16は、図19(A)、(B)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り、16bはアクリルやシロキサン(シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、フルオロ基または水素または有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)を有する)または塗布成膜可能な酸化珪素等物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成される。なお隔壁層18は、無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよいし、または両方を用いて形成されたものでもよい。
なお、図19(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図19(B)のように、第1層間絶縁膜16(16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図19(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン、または塗布成膜可能な酸化珪素等の物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成す
る物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
発光素子12において、第1の電極および第2の電極がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、図19(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図19(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図19(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
また、発光素子12は、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が高くなるように電圧を印加したときに動作するように層15が積層されたものであってもよいし、或いは、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が低くなるように電圧を印加したときに動作するように層15が積層されたものであってもよい。前者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタである。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブ型の発光装置について説明したが、この他、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の発光装置であってもよい。図20には本発明を適用して作製したパッシブ型の発光装置の斜視図を示す。図20において、基板951上には、電極952と電極956との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層および発光層等を含む多層構造の層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブ型の発光装置においても、低駆動電圧で動作する本発明の発光素子を含むことによって、低消費電力で駆動させることができる。
(実施の形態9)
電極間に設けられ、芳香族炭化水素と金属酸化物とを有する層が設けられた発光素子は、電極間に設けられた層の結晶化によって形成された凹凸、或いは電極表面の凹凸に起因した電極間の短絡に因る動作不良が低減されたものである為、このような発光素子を画素として用いた発光装置は表示欠陥が少なく良好に表示動作する。その為、このような発光装置を表示部に適用することによって、表示欠陥に起因した表示画像の誤認等の少ない電子機器を得ることができる。また、本発明の発光素子を光源として用いた発光装置は、発光素子の動作不良に起因した不具合が少なく良好に照明することができる。その為、このような発光装置をバックライト等の照明部として用いることによって、このように本発明の発光装置を実装することによって、発光素子の不具合に起因して局所的に暗部が形成されるような動作不良が低減され、良好に表示することができる。また、発光層と電極との
間の距離を、芳香族炭化水素と金属酸化物とを有する層の厚さを変えて調整した発光素子は、層の厚さに起因した駆動電圧の変化が少なく、低駆動電圧で動作させると共に、色純度の良い色を発する発光装置を得ることができる。その為、このような発光装置を表示部に適用することで、消費電力が少なく、また色彩の優れた画像を提供できる電子機器を得ることができる。
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図21に示す。
図21(A)は、本発明を適用して作製したパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。実施の形態1、2で説明したような本発明の発光素子を画素として用いた発光装置(例えば実施の形態3、4で説明したよう構成を含む発光装置)を表示部として組み込むことで、表示部における欠陥が少なく表示画像の誤認がなく、また色彩の優れた表示画像を提供できるパーソナルコンピュータを完成できる。また、本発明の発光素子を光源として用いた発光装置を、バックライトとして組み込んでもパーソナルコンピュータを完成させることができる。具体的には、図22に示すように、筐体5511と筐体5514とに液晶装置5512と発光装置5513とが嵌め込まれた照明装置を表示部として組み込めばよい。なお、図22において、液晶装置5512には外部入力端子5515が装着されており、発光装置5513には、外部入力端子5516が装着されている。
図21(B)は、本発明を適用して作製した電話機であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことで、表示部における欠陥が少なく表示画像の誤認がなく、また色彩の優れた表示画像を提供できる電話機を完成できる。
図21(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことで、表示部における欠陥が少なく表示画像の誤認がなく、また色彩の優れた表示画像を提供できるテレビ受像機を完成できる。
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適している。なお、電子機器は、本形態で述べたものに限定されるものではなく、録画装置、ナビゲーション装置等、その他の電子機器であってもよい。
電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子の作製方法と、その動作特性について、以下に説明する。なお、本実施例では、芳香族炭化水素と金属酸化物とのモル比がそれぞれ異なり、その他の構成については同じである二つの発光素子(発光素子(1)、発光素子(2))を作製した。なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを、金属酸化物としてモリブデン酸化物を用いた。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、第1の電極301の上に、共蒸着法によって、t−BuDNAとモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。なお、本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。第1の層311の厚さは120nmとなるようにした。また、発光素子(1)に含まれるt−BuDNA
とモリブデン酸化物との重量比は1:0.5(モル比は、1:1.7)(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)となるようにし、発光素子(2)に含まれるt−BuDNAとモリブデン酸化物との重量比は1:0.75(モル比は、1:2.5)(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)となるようにした。なお、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれ原料を気化させ、気化した原料を被処理物上に堆積させて複数の物質が混合された層を形成する蒸着法をいう。
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、Alqとクマリン6とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは37.5nmとなるようにした。また、Alqとクマリン6との重量比は1:0.01(モル比は、1:0.013)(=Alq:クマリン6)となるようにした。これによって、クマリン6はAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは37.5nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとなるように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上のようにして、作製した発光素子に、第2の電極302の電位よりも第1の電極301の電位の方が大きくなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた結果を図24〜26に示す。図24は発光素子の電圧−輝度特性を表す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は輝度(cd/m)を表す。また、図25は発光素子の電圧−電流特性を表す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は電流(mA)を表す。図26は発光素子の輝度−電流効率特性を表す図であり、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。図24〜26において、●で表されるプロットは発光素子(1)について、○で表されるプロットは発光素子(2)についてのものである。
(比較例)
実施例1で作製した発光素子に対する比較例として、電極間に、t−BuDNAのみからなる層を設けた発光素子について説明する。なお、比較例の発光素子は、t−BuDNAとモリブデン酸化物とを含む第1の層311の代わりにt−BuDNAのみからなる層を設けた点で、実施例1に記載の発光素子(1)、(2)と異なるが、その他の構成については、実施例1に記載の発光素子(1)、(2)と同じである。従って、比較例の発光素子の作製方法については、記載を省略する。比較例の発光素子を動作させたところ、図24〜26において、△でプロットされたような結果が得られた。
実施例1と比較例とから、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けることによって、発光開始電圧(1cd/mの輝度で発光し始めたときを発光開始とし、その時に印加された電圧を発光開始電圧という。)が低く、また、任意の輝度で発光させ
るのに必要な印加電圧も低く、低駆動電圧で動作する良好な発光素子を得られることが分かる。また、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を設けることによって、任意の輝度で発光させたときの電流効率が高く、良好な発光素子が得られることも分かる。
電極間に芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する三つの試料(1)〜(3)と、電極間に芳香族炭化水素のみからなる層を有する試料(4)とについて、電圧−電流特性を調べた。その結果、芳香族炭化水素と金属酸化物とが混合された層の方が、芳香族炭化水素のみからなる層よりも、電極からキャリアを注入され易く、導電率が高いということが分かった。
図27に、電圧−電流特性について調べた結果を示す。図27において横軸は電圧(V)、縦軸は電流(mA)を示す。また、図27において、●は試料(1)、■は試料(2)、□は試料(3)、△は試料(4)についてのプロットである。
なお、測定に用いた試料(1)〜(3)は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物からなる電極(110nm)と、アルミニウムからなる電極(200nm)との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層(200nm)を有する構造であり、試料(4)は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物からなる電極(110nm)と、アルミニウムからなる電極(200nm)との間に、芳香族炭化水素(本実施例ではt−BuDNAを用いた)からなる層(200nm)を有する構造である。試料(1)〜(3)は、それぞれ、電極間に設けられた層に含まれる芳香族炭化水素と金属酸化物の重量比が異なる。試料(1)では、重量比は1:0.5(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)、試料(2)では、重量比は2:0.75(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)、試料(3)では、重量比は1:1(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)である。なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを、金属酸化物として三酸化モリブデンをそれぞれ蒸着材料として用い混合層を形成した。
ガラス基板上に共蒸着法によって芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層が形成された試料(5)と、ガラス基板上に蒸着法によって芳香族炭化水素のみからなる層が形成された試料(6)とについて、吸収スペクトルを測定した。その結果、600nm〜1200nmの波長帯域に電荷移動に由来した吸収を示すことが分かった。
なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを、金属酸化物として三酸化モリブデンを用いて重量比が4:2(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)、厚さが100nmとなるように試料(5)における混合層を形成した。また、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを用い、厚さが100nmとなるように試料(6)における層を形成した。
各試料についての吸収スペクトルの測定結果を図28に示す。図28において、横軸は波長(nm)、縦軸は吸光度(単位なし)を表す。また太い曲線は試料(5)についての吸収スペクトル、細い曲線は試料(6)についての吸収スペクトルである。図29は、図28のデータを基に混合層における1μmの厚さ当たりの吸光度(単位なし)について表した図である。図29において、横軸は波長(nm)、縦軸は1μmの厚さ当たりの吸光度(単位なし)を表す。図29から、450nm〜650nmの波長帯域において1μmの厚さ当たりの吸光度は0.3〜0.8であることが分かる。また、図30は吸収スペクトルの測定結果を基にして求めた透過率の波長依存性について表す図である。図29において横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を表す。図30から、450nm〜650nmの波長帯域における光に対する透過率は83〜93%であり、透過率の最大値と最小値の差は10%以下であること、つまり透過光の波長に依存した透過率の変化が非常に小
さいことが分かる。
石英基板上に共蒸着法によって芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層が形成された試料(7)と、石英基板上に蒸着法によって芳香族炭化水素のみからなる層が形成された試料(8)とについて電子スピン共鳴法(ESR)による測定を、室温で行った。その結果、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層には不対電子が存在していること、つまり、電荷移動錯体が発生していることが分かった。
なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを、金属酸化物として三酸化モリブデンを用いて重量比が4:2(=t−BuDNA:モリブデン酸化物)、厚さが200nmとなるように試料(7)における混合層を形成した。また、芳香族炭化水素としてt−BuDNAを用い、厚さが200nmとなるように試料(8)における層を形成した。
各試料についての測定結果を図31、32に示す。図31は試料(7)についてのESRスペクトル、図32は試料(8)についてのESRスペクトルを表している。図31、32から、試料(7)では、不対電子の存在を示すESRスペクトルが検出されていることが分かる。また、ESR測定によって、試料(7)におけるg値は2.0027、線幅(ΔH)は0.58mT、スピン濃度は1.7×1020spin/cmであることが分かった。なお、スピン濃度は混合層の厚さを200nmとして計算したときの値である。
ガラス基板上に混合層または芳香族炭化水素のみからなる層が形成された試料(9)〜(20)を作製した後、それぞれの試料について吸収スペクトルを測定し、その測定結果を基に透過率の波長依存性について求めた。試料(9)、(10)、(12)〜(14)、(16)、(17)、(19)、(20)は、それぞれ、ガラス基板上に共蒸着法によって芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層が100nmの厚さとなるように形成された試料である。また、試料(11)、(15)、(18)は、それぞれ、ガラス基板上に蒸着法によって芳香族炭化水素のみからなる層が100nmの厚さとなるように形成された試料である。試料(9)〜(20)の各試料において芳香族炭化水素として用いた物質、金属酸化物として用いた物質、及びこれらの混合比は、表1に示す通りである。なお、本実施例では、金属酸化物の蒸着材料としては、モリブデン酸化物のうち特に三酸化モリブデン(MoO)を用いた。
Figure 0005072271
なお、t−BuDNA、DNA、DPPA、DPAnthは、それぞれ以下のような構造を有する炭素数26〜60の芳香族炭化水素である。
Figure 0005072271
透過率の波長依存性を表す図を図33〜36に示す。図33〜36において横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を表す。図33〜36から、炭素数26〜60のいずれの芳香族炭化水素を金属酸化物と組み合わせて混合層を形成した場合でも、450nm〜650nmの波長帯域における光に対する透過率は83〜98%の範囲に含まれており、透過率が非常に良好であることが分かる。また、透過光の波長に依存した透過率の変化が非常に小さく、いずれの波長の光も良く透過することが分かる。
電極間に芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層を有する試料(21)について、電圧−電流特性を調べた。その結果、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層は良好な導電性を示すことが分かった。
図37に、電圧−電流特性について調べた結果を示す。図37において横軸は電圧(V)、縦軸は電流(mA)を示す。
なお、測定に用いた試料(21)は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物からなる電極(110nm)と、アルミニウムからなる電極(200nm)との間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む混合層(200nm)を有する構造を有する素子がガラス基板上に作製されたものである。混合層に含まれる物質の重量比は1:0.5(=DNA:モリブデン酸化物)である。なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてDNAを用いた。また、金属酸化物の蒸着材料としては、モリブデン酸化物のうち特に三酸化モリブデン(MoO)を用いた。
電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子の作製方法と、その動作特性について、以下に説明する。なお、なお、本実施例では、混合層の厚さが異なるがその他の構成は同様である三つの発光素子(発光素子(3)〜(5))を作製した。なお、本実施例では、芳香族炭化水素そしてt−BuDNAを、金属酸化物としてモリブデン酸化物を用いた。
また、本実施例の発光素子は、電極間に混合層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する構成の発光素子という点で実施例1に記載の発光素子と同じである為、実施例1の説明に用いた図23を用いて本実施例の発光素子についても説明する。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、第1の電極301の上に、共蒸着法によって、t−BuDNAとモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。なお、本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。第1の層311の厚さは発光素子ごとに異なり、発光素子(3)については20nmの厚さとなるように、発光素子(4)については50nmの厚さとなるように、発光素子(5)については150nmの厚さとなるように、それぞれ第1の層311を形成した。また、発光素子(3)〜(5)において混合層には、モリブデン酸化物が10体積%の濃度で含まれるようにした。なお、モリブデン酸化物は、蒸着させる前に窒素ガス若しくは不活性ガスの雰囲気において450〜550℃で加熱し、蒸着材料に含まれている水分を除去することが好ましい。これによって、蒸着開始時における蒸着装置内での真空度の低下を防ぐことができ、より安定な状態で蒸着させることができる。
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、AlqとN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは40nmとなるようにした。また、AlqとDPQdとの重量比は1:0.005(=Alq:DPQd)となるようにした。これによって、DPQdはAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは30nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとなるように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上のようにして、作製した発光素子(3)〜(5)それぞれに、第2の電極302の電位よりも第1の電極301の電位の方が大きくなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた結果を図38〜41に示す。図38は発光素子の電圧−輝度特性を表す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は輝度(cd/m)を表す。また、図39は発光素子の電圧−電流特性を表す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は電流(mA)を表す。図40は発光素子の輝度−電流効率特性を表す図であり、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。図41は発光素子の輝度−電力効率特性を表す図であり、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は電力効率(lm/W)を表す。
以上の結果から、電圧−輝度特性及び電圧−電流特性のいずれにおいても、発光素子(3)〜(5)の特性は同等であり、本発明の発光素子では混合層の厚さの増加に伴った駆動電圧の増加は生じていないことが分かる。
電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する発光素子の作製方法と、その動作特性について、以下に説明する。なお、本実施例では、芳香族炭化水素として用いる物質が異なるが、その他の構成については同様である二つの発光素子発光素子(発光素子(6)、(7))を作製した。なお、本実施例では、芳香族炭化水素としてDPPA若しくはt−BuDBAを、金属酸化物としてモリブデン酸化物を用いた。
また、本実施例の発光素子は、電極間に混合層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を有する構成の発光素子という点で実施例1に記載の発光素子と同じである為、実施例1の説明に用いた図23を用いて本実施例の発光素子についても説明する。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、第1の電極301の上に、共蒸着法によって、芳香族炭化水素とモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。試料(6)においては芳香族炭化水素としてDPPAを用い、試料(7)においては芳香族炭化水素としてt−BuDBAを用いた。なお、t−BuDBAは下記構造式で表される物質である。また、本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。それぞれの試料において第1の層311は50nmの厚さとなるように形成した。また、発光素子(6)、(7)のそれぞれにおいて、混合層中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は10体積%となるようにした。
Figure 0005072271
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、AlqとN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは40nmとなるようにした。また、AlqとDPQdとの重量比は1:0.005(=Alq:DPQd)となるようにした。これによって、DPQdはAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは30nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとなるように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上のようにして、作製した発光素子(6)、(7)それぞれに、第2の電極302の電位よりも第1の電極301の電位の方が大きくなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた結果を図42に示す。図42は発光素子の輝度−電力効率特性を表す図であり、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は電力効率(lm/W)を表す。なお、図42では、発光素子(4)の特性についても併記した。
図42から、いずれの芳香族炭化水素と金属酸化物とを組み合わせて用いた場合でも、本発明の発光素子は良好に動作することが分かった。
発光素子(4)、(6)、(7)のそれぞれについて、発光時間の蓄積に伴った輝度の変化、及び発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化について調べた。測定は次のようにし
て行った。作製した発光素子を窒素雰囲気下のグローブボックス内に移動し、同グローブボックスにてシール材を用いて封止を行った。そして、先ず、初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度について調べ、次に初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度の電流を一定時間流して発光させ続け、経過時間ごとの発光輝度及び印加電圧をプロットした。なお、3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度は、本実施例では、発光素子(4)、(6)、(7)のいずれについても24mA/cmであった。なお測定は、室温(約25℃)の雰囲気で行った。
測定結果を図43(A)、(B)に示す。図43(A)は発光時間の蓄積に伴った輝度の変化を表す図であり、横軸は発光時間(hour)、縦軸は輝度(初期輝度を100としたときの初期輝度に対する相対値)を表す。また、図43(B)は発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化を表す図であり、横軸は発光時間(hour)、縦軸は初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度の電流を流す為に印加した電圧(V)を表す。
図43(A)から、発光素子(4)、(6)、(7)のいずれについても発光時間の蓄積に伴った輝度の低下が少なく、本発明の発光素子は素子寿命が良好であること分かる。また、図43(B)から、発光素子(4)、(6)、(7)のいずれについても、発光時間の蓄積に伴った電圧の増加が少ないこと、つまり本発明の発光素子は発光時間の蓄積に伴った抵抗の増加が少ない良好な素子であることが分かる。
本実施例では、電極間に、芳香族炭化水素と金属酸化物とを含む層を有する本発明の発光素子(発光素子(8))と、電極間に、芳香族炭化水素のみを含む層を有する比較例の発光素子(発光素子(9))とを作製し、それぞれの発光素子における発光時間の蓄積に伴った輝度、及び電圧の変化について調べた結果について説明する。
先ず、発光素子(8)の作製方法について説明する。なお、発光素子(8)は、電極間に5層の層が設けられるという点で図23で表される発光素子と同じである為、本実施例でも図23を参照して説明する。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、発光素子(8)を第1の電極301の上に共蒸着法によって、t−BuDNAとモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。第1の層311の厚さは120nmとなるようにした。また、第1の層311中に含まれるt−BuDNAとモリブデン酸化物との重量比はt−BuDNA:モリブデン酸化物=1:0.5(モル比に換算するとt−BuDNA:モリブデン酸化物=1:1.7)となるようにした。
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、Alqとクマリン6とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは37.5nmとなるようにした。また、Alqとクマリン6との重量比は1:0.01(=Alq:クマリン6)となるよう
にした。これによって、クマリン6はAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは37.5nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとなるように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上が発光素子(8)の作製方法である。発光素子(9)は、第1の層311の構成が発光素子(8)と異なるが、その他の構成については発光素子(9)と同じである。従って、発光素子(9)については、第1の層311の形成方法について説明し、その他の部分については発光素子(8)に関する記載を引用する。
発光素子(9)における第1の層311は、t−BuDNAのみを用いて形成した。つまり第1の層311は金属酸化物を含んでいない。第1の層311の厚さは50nmとなるようにした。
以上のように発光素子(8)、(9)を作製した後、作製した発光素子を窒素雰囲気下の封止装置内でシール材を用いて封止した。そして、発光素子(8)、(9)のそれぞれについて、発光時間の蓄積に伴った輝度の変化、及び発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化について調べた。測定は次のようにして行った。先ず、初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度について調べ、次に初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度の電流を一定時間流して発光させ続け、経過時間ごとの発光輝度及び印加電圧をプロットした。なお、3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度は、本実施例では、発光素子(8)では23.05mA/cmであった。本実施例では、発光素子(9)では24.75mA/cmであった。なお測定は、室温(約25℃)の雰囲気で行った。
測定結果を図44(A)、(B)に示す。図44(A)は発光時間の蓄積に伴った輝度の変化を表す図であり、横軸は発光時間(hour)、縦軸は輝度(初期輝度を100としたときの初期輝度に対する相対値)を表す。また、図44(B)は発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化を表す図であり、横軸は発光時間(hour)、縦軸は初期状態において3000cd/mの輝度で発光させる為に必要な電流密度の電流を流す為に印加した電圧(V)を表す。
図44(A)から、比較例の発光素子(9)よりも本発明を適用して作製された発光素子(8)の方が発光時間の蓄積に伴った輝度の低下が非常に少なく、本発明の発光素子は素子寿命が良好であること分かる。また、図44(B)から、比較例の発光素子(9)よりも本発明を適用して作製された発光素子(8)の方が発光時間の蓄積に伴った電圧の増加が非常に少ないこと、つまり本発明の発光素子は発光時間の蓄積に伴った抵抗の増加が少ない良好な素子であることが分かる。
DPAnthを芳香族炭化水素として用いることによって作製された本発明の発光素子の一実施例について説明する。本実施例では、DPAnthと組み合わせて用いられる金属酸化物と、DPAnthとの混合比が異なる3つの発光素子(発光素子(10)〜(12))を作製した。なお、発光素子(10)〜(12)の作製方法は、金属酸化物とDPAnthとの混合比を変えた他は同じである。
先ず、発光素子(10)〜(12)の作製方法について説明する。なお、本実施例で作製した発光素子は一対の電極間に5層の層が設けられている点で図23で表される発光素子と同じである為、図23を参照して説明する。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、第1の電極301の上に、共蒸着法によって、芳香族炭化水素とモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。芳香族炭化水素としてDPAnthを用いた。また、本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。それぞれの試料において第1の層311は50nmの厚さとなるように形成した。また、発光素子(10)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は4体積%となるようにした。また、発光素子(11)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は7体積%となるようにした。また、発光素子(12)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は10体積%となるようにした。
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、AlqとN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは40nmとなるようにした。また、AlqとDPQdとの重量比は1:0.005(=Alq:DPQd)となるようにした。これによって、DPQdはAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは30nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとなるように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上のようにして、作製した発光素子(10)〜(12)のそれぞれに、第2の電極302の電位よりも第1の電極301の電位の方が大きくなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた結果を図45に示す。図45は発光素子の電圧−輝度特性を表す図であり、縦軸は輝度(cd/m)、横軸は電圧(V)を表す。なお、△のプロッ
トは発光素子(10)、○のプロットは発光素子(11)、◆のプロットは発光素子(12)の特性を表す。図45から、第1の層311に含まれるモリブデン酸化物の割合に依存した電圧−輝度特性の変化は殆ど見られず、4〜10体積%でモリブデン酸化物が含まれた発光素子(10)〜(12)は何れも良好に動作することが分かった。
DNAを芳香族炭化水素として用いることによって作製された本発明の発光素子の一実施例について説明する。本実施例では、DNAと組み合わせて用いられる金属酸化物と、DNAとの混合比が異なる3つの発光素子(発光素子(13)〜(15))を作製した。なお、発光素子(13)〜(15)の作製方法は、金属酸化物とDNAとの混合比を変えた他は同じである。
先ず、発光素子(13)〜(15)の作製方法について説明する。なお、本実施例で作製した発光素子は一対の電極間に5層の層が設けられている点で図23で表される発光素子と同じである為、図23を参照して説明する。
図23に表すように基板300上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物を110nmの厚さとなるように成膜し、第1の電極301を形成した。なお、成膜にはスパッタリング法を用いた。
次に、第1の電極301の上に、共蒸着法によって、芳香族炭化水素とモリブデン酸化物とを含む第1の層311を形成した。芳香族炭化水素としてDNAを用いた。また、本実施例では、モリブデン酸化物の中で特に三酸化モリブデンを蒸着材料として用いて第1の層311を形成した。それぞれの試料において第1の層311は50nmの厚さとなるように形成した。また、発光素子(13)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は4体積%となるようにした。また、発光素子(14)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は7体積%となるようにした。また、発光素子(15)において第1の層311中に含まれるモリブデン酸化物の体積率は10体積%となるようにした。
次に、第1の層311の上に、蒸着法によって、NPBからなる第2の層312を形成した。第2の層312の厚さは10nmとなるようにした。この第2の層312は、発光素子を駆動させたときに、正孔輸送層として機能する。
次に、第2の層312の上に、共蒸着法によって、AlqとN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを含む第3の層313を形成した。第3の層313の厚さは40nmとなるようにした。また、AlqとDPQdとの重量比は1:0.005(=Alq:DPQd)となるようにした。これによって、DPQdはAlqからなる層の中に分散して含まれた状態となる。このようにして形成された第3の層313は、発光素子を駆動させたときに、発光層として機能する。
次に、第3の層313の上に、蒸着法によって、Alqからなる第4の層314を形成した。第4の層314の厚さは30nmとなるようにした。この第4の層314は、発光素子を駆動させたときに、電子輸送層として機能する。
次に、第4の層314の上に、蒸着法によって、フッ化リチウムからなる第5の層315を形成した。第5の層315の厚さは1nmとなるようにした。この第5の層315は、発光素子を駆動させたときに、電子注入層として機能する。
次に、第5の層315の上に、蒸着法によって、アルミニウムを200nmの厚さとな
るように成膜し、第2の電極302を形成した。
以上のようにして、作製した発光素子(13)〜(15)のそれぞれに、第2の電極302の電位よりも第1の電極301の電位の方が大きくなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた結果を図46に示す。図46は発光素子の電圧−輝度特性を表す図であり、縦軸は輝度(cd/m)、横軸は電圧(V)を表す。なお、△のプロットは発光素子(13)、○のプロットは発光素子(14)、◆のプロットは発光素子(15)の特性を表す。図46から、第1の層311に含まれるモリブデン酸化物の割合に依存した電圧−輝度特性の変化は殆ど見られず、4〜10体積%でモリブデン酸化物が含まれた発光素子(13)〜(15)は何れも良好に動作することが分かった。
なお、本明細書の実施例においては、混合層に含まれるモリブデン酸化物の割合を体積率で表している場合がある。例えば、10vol%の体積率でモリブデン酸化物が含まれている場合、質量比に換算すると概ね有機化合物:モリブデン酸化物=4:1になる。
本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光装置の一態様について説明する上面図。 本発明の発光装置に設けられた画素を駆動する為の回路の一態様について説明する図。 本発明の発光装置に含まれる画素部の一態様について説明する図。 本発明の発光装置に含まれる画素を駆動するための駆動方法について説明するフレーム図。 本発明の発光装置の断面の一態様について説明する図。 本発明の発光装置の一態様について説明する図。 本発明を適用した電子機器の一態様について説明する図。 本発明を適用した照明装置について説明する図。 実施例1の発光素子の作製方法について説明する図。 実施例1の発光素子の電圧−輝度特性を表す図。 実施例1の発光素子の電圧−電流特性を表す図。 実施例1の発光素子の輝度−電流効率特性を表す図。 実施例2の素子の電圧−電流特性について表す図。 実施例3の素子の吸収スペクトルを表す図。 実施例3の素子の1μm当たりの吸光度を表す図。 実施例3の素子の透過率を表す図。 試料(7)のESRスペクトル図。 試料(8)のESRスペクトル図。 試料(9)、(10)における透過率の波長依存性を表す図。 試料(11)〜(14)における透過率の波長依存性を表す図。 試料(15)〜(17)における透過率の波長依存性を表す図。 試料(18)〜(20)における透過率の波長依存性を表す図。 試料(21)の電圧−電流特性を表す図。 発光素子(3)〜(5)の電圧−輝度特性を表す図。 発光素子(3)〜(5)の電圧−電流特性を表す図。 発光素子(3)〜(5)の輝度−電流効率特性を表す図。 発光素子(3)〜(5)の輝度−電力効率特性を表す図。 発光素子(4)、(6)、(7)の輝度−電力効率特性を表す図。 発光素子(4)、(6)、(7)における発光時間の蓄積に伴った輝度の変化、及び発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化を表す図。 発光素子(8)、(9)における発光時間の蓄積に伴った輝度の変化、及び発光時間の蓄積に伴った動作電圧の変化を表す図。 発光素子(10)〜(12)における電圧−輝度特性を表す図。 発光素子(13)〜(15)における電圧−輝度特性を表す図。
符号の説明
10 基板
11 トランジスタ
12 発光素子
13 第1の電極
14 第2の電極
15 層
16 層間絶縁膜
17 配線
18 隔壁層
19 層間絶縁膜
101 第1の電極
102 第2の電極
111 混合層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
116 電子発生層
117 正孔阻止層
201 第1の電極
202 第2の電極
211 正孔注入層
212 正孔輸送層
213 発光層
214 電子輸送層
215 第1の混合層
216 第2の混合層
217 層
218 正孔阻止層
223 正孔輸送層
300 基板
301 第1の電極
302 第2の電極
311 第1の層
312 第2の層
313 第3の層
314 第4の層
315 第5の層
401 第1の電極
402 第2の電極
411 正孔注入層
412a 正孔輸送層
413a 第1発光層
413b 第2発光層
413c 第3発光層
414a 電子輸送層
414c 電子輸送層
415 電子注入層
421a 第1の混合層
421b 第1の混合層
422a 第2の混合層
422b 第2の混合層
501 サブフレーム
502 サブフレーム
503 サブフレーム
504 サブフレーム
901 トランジスタ
902 トランジスタ
903 発光素子
911 ゲート信号線
912 ソース信号線
913 書込用ゲート信号線駆動回路
914 消去用ゲート信号線駆動回路
915 ソース信号線駆動回路
916 電源
917 電流供給線
918 スイッチ
919 スイッチ
920 スイッチ
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 層
956 電極
1001 トランジスタ
1002 トランジスタ
1003 ゲート信号線
1004 ソース信号線
1005 電流供給線
1006 発光素子の電極
3101 第1の電極
3102 第2の電極
3111 混合層
3112 正孔輸送層
3113 発光層
3114 電子輸送層
3115 電子注入層
3116 電子発生層
3117 正孔阻止層
3201 第1の電極
3202 第2の電極
3211 正孔注入層
3212 正孔輸送層
3213 発光層
3214 電子輸送層
3215 第1の混合層
3216 第2の混合層
3217 層
3218 正孔阻止層
3401 第1の電極
3402 第2の電極
3411 正孔注入層
3415 電子注入層
501a 書き込み期間
502a 書き込み期間
503a 書き込み期間
504a 書き込み期間
501b 保持期間
502b 保持期間
503b 保持期間
504b 保持期間
504c 消去期間
504d 非発光期間
5511 筐体
5512 液晶装置
5513 発光装置
5514 筐体
5515 外部入力端子
5516 外部入力端子
5521 本体
5522 筐体
5523 表示部
5524 キーボード
5531 表示部
5532 筐体
5533 スピーカー
5551 表示部
5552 本体
5553 アンテナ
5554 音声出力部
5555 音声入力部
5556 操作スイッチ
6500 基板
6503 FPC
6504 プリント配線基盤(PWB)
6511 画素部
6512 ソース信号線駆動回路
6513 書込用ゲート信号線駆動回路
6514 消去用ゲート信号線駆動回路
3412a 正孔輸送層
3413a 第1発光層
3413b 第2発光層
3413c 第3発光層
3414a 電子輸送層
3414b 電子輸送層
3414c 電子輸送層
3421a 第1の混合層
3421b 第1の混合層
3422a 第2の混合層
3422b 第2の混合層

Claims (20)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、混合層とを有し、
    前記混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、混合層とを有し、
    前記混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  3. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、混合層とを有し、
    前記混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  4. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、混合層とを有し、
    前記混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセンであることを特徴とする発光装置。
  5. 前記混合層は、450nm〜650nmの波長帯域において、吸収スペクトルのピークを有しないことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記混合層は、450nm〜650nmの波長帯域において、膜厚100nm当たりの光に対する透過率は83〜93%であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記混合層において、前記モリブデン酸化物は、前記芳香族炭化水素に対してモル比が1〜4となるように含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記第1の電極は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物でなることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 前記混合層と前記発光層との間に正孔輸送層を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
  10. 前記正孔輸送層は、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、及び2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリンの中から選ばれるいずれか一の物質であることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
  11. 前記混合層は、前記第1の電極に接していることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の発光装置。
  12. 第1の電極と第2の電極との間に、n(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、
    m層目(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である。)の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と第2の混合層とを有し、
    前記第1の混合層は、前記第2の混合層よりも前記第1の電極に近設され、
    前記第1の混合層は、電子輸送性物質またはバイポーラ性物質と、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、及びアルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた一の物質と、を含み、
    前記第2の混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  13. 第1の電極と第2の電極との間に、n(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、
    m層目(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である。)の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と第2の混合層とを有し、
    前記第1の混合層は、前記第2の混合層よりも前記第1の電極に近設され、
    前記第1の混合層は、電子輸送性物質またはバイポーラ性物質と、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、及びアルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた一の物質と、を含み、
    前記第2の混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  14. 第1の電極と第2の電極との間に、n(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、
    m層目(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である。)の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と第2の混合層とを有し、
    前記第1の混合層は、前記第2の混合層よりも前記第1の電極に近設され、
    前記第1の混合層は、電子輸送性物質またはバイポーラ性物質と、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、及びアルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた一の物質と、を含み、
    前記第2の混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセンであることを特徴とする発光装置。
  15. 第1の電極と第2の電極との間に、n(nは2以上の任意の自然数)層の発光層を有し、
    m層目(mは任意の自然数であり、1≦m≦n−1である。)の発光層とm+1層目の発光層との間に、第1の混合層と第2の混合層とを有し、
    前記第1の混合層は、前記第2の混合層よりも前記第1の電極に近設され、
    前記第1の混合層は、電子輸送性物質またはバイポーラ性物質と、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、及びアルカリ土類金属フッ化物の中から選ばれた一の物質と、を含み、
    前記第2の混合層は、芳香族炭化水素と、モリブデン酸化物とからなり
    前記芳香族炭化水素は、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセンであることを特徴とする発光装置。
  16. 前記第2の混合層は、450nm〜650nmの波長帯域において、吸収スペクトルのピークを有しないことを特徴とする請求項12乃至請求項15のいずれか一項に記載の発光装置。
  17. 前記第2の混合層は、450nm〜650nmの波長帯域において、膜厚100nm当たりの光に対する透過率が83〜93%であることを特徴とする請求項12乃至請求項16のいずれか一項に記載の発光装置。
  18. 前記第2の混合層において、前記モリブデン酸化物は、前記芳香族炭化水素に対してモル比が1〜4となるように含まれていることを特徴とする請求項12乃至請求項17のいずれか一項に記載の発光装置。
  19. 前記第1の電極は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物でなることを特徴とする請求項12乃至請求項18のいずれか一項に記載の発光装置。
  20. 請求項1乃至請求項19のいずれか一項に記載の発光装置を含むことを特徴とする電子機器。
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