JP5071079B2 - 電力制御装置 - Google Patents
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Description
また、近年ではMEMS(micro electro mechanical system)を利用した可変コンデンサも複数提案されているが高周波信号での使用を前提としている。
そこで本発明者は種々研究を重ねた結果、前述特許文献1にあるように直流電界用の電極を追加した4端子デバイスを用いることなく、既存部品を組み合わせることで必要な容量、耐圧を持つ直流電圧制御可能な可変コンデンサが得られることを見出した。
また、低電力損失、低ノイズで交流(AC)電力制御ができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の電力制御装置は、4端子構成の可変容量デバイスの全ての構成を網羅するように、具体的な回路構成、積層状態を明示したものである。
また、DC除去用コンデンサの容量、耐圧を自由に設計することができる。
また、DC除去用コンデンサの容量が大きいと可変コンデンサと合成した合成容量の可変幅が大きいものとすることができる。
ここで、可変コンデンサの容量を大きくするとAC耐圧が上がるようにすることができる。
従って、本実施の形態では、可変コンデンサとDC除去用コンデンサの合成の容量、耐圧、及び合成容量をそれぞれ可変にするように各種構成を提案している。
このとき、図1Bに示す回路図において、点線で示した基本ユニット構成を一体積層することで、DC除去用コンデンサの固定コンデンサC1と電圧制御用の可変コンデンサC2とを一つの部品の中に内蔵するように構成することができる。
また、第1の基本ユニットの可変コンデンサC2と、第2の基本ユニットの可変コンデンサC21とが並列接続される。
また、第1の基本ユニットの可変コンデンサC2間の電極P12と電極P13の端子T11、T12間に直流制御電圧Eを供給する。
従って、基本ユニットの積層数を必要とされる容量まで任意に増加させることができ、積層数によって容量調整を行うことができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図2において、固定コンデンサC1(1C)と、可変コンデンサC2+C3(2VC)の2素子拡張例1の構成を示している。ここで、1CはDC除去用コンデンサの固定コンデンサC1が1個で構成されることを示している。
従って、基本ユニットの可変コンデンサを並列接続して拡張された構成にすることにより、固定コンデンサと可変コンデンサの合成の容量、耐圧を異なるようにして、変化範囲を拡張することができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図3において、固定コンデンサC1+C2(2C)と、可変コンデンサC3(1VC)の2素子拡張例2の構成を示している。ここで、2CはDC除去用コンデンサの固定コンデンサC1(1C)と固定コンデンサC2(1C)の並列接続で構成されることを示している。
従って、基本ユニットの固定コンデンサを並列接続して拡張された構成にすることにより、固定コンデンサと可変コンデンサの合成の容量、耐圧を異なるようにして、変化範囲を拡張することができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図4は、図1に示した2素子基本ユニットを、図2又は図3に示したように拡張接続及び複数層積層することにより、各素子の容量変化量を変化させたときの合成耐圧、合成容量及び容量変化量をそれぞれ異ならせることができる設計例を示している。
31に示す例1において、固定コンデンサ(C1)34の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)35の容量は0.1〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
また、可変コンデンサ(C2)35の容量が最小値0.1[μF]のとき、合成耐圧(V)36は1.1[V]、合成容量(C)37は0.09[μF]、容量変化38は5.5倍である。
また、可変コンデンサ(C2)35の容量が最小値0.1[μF]のとき、合成耐圧(V)36は1.1[V]、合成容量(C)37は0.10[μF]、容量変化38は9.2倍である。
すなわち、可変コンデンサ(C2)35の容量が最大値10.0[μF]のとき、合成耐圧(V)36は11.0[V]、合成容量(C)37は0.91[μF]である。
ここで、31に示す例1では、合成耐圧(V)36は約1/2倍、合成容量(C)37は約1/5倍、容量変化38は5.5倍である。
33に示す例3では、合成耐圧(V)36は約1/5倍、合成容量(C)37は約1/2倍、容量変化38は1.8倍である。
33に示す例3では、合成耐圧(V)36は約1/5倍、合成容量(C)37は約1/2倍に変化させると共に、容量変化38は1.8倍にすることができる。
41に示す例1において、固定コンデンサ(C1)44の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)45の容量は0.3〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
また、可変コンデンサ(C2)45の容量が最小値0.3[μF]のとき、合成耐圧(V)46は1.3[V]、合成容量(C)47は0.25[μF]、容量変化48は2.0倍である。
また、可変コンデンサ(C2)45の容量が最小値0.33[μF]のとき、合成耐圧(V)46は1.0[V]、合成容量(C)47は0.32[μF]、容量変化48は2.8倍である。
また、可変コンデンサ(C2)45の容量が最小値3.3[μF]のとき、合成耐圧(V)46は4.3[V]、合成容量(C)47は0.77[μF]、容量変化48は1.2倍である。
42に示す例2では、合成耐圧(V)46は変化なし、合成容量(C)47は約1/3倍、容量変化48は2.8倍である。
このように変化量を3倍にした場合には、41に示す例1では、合成耐圧(V)46を約1/2倍、合成容量(C)47を約1/2倍に変化させると共に、容量変化48を2倍に大きくすることができる。
43に示す例3では、合成耐圧(V)46は約1/2倍、合成容量(C)47は約1/2倍に変化させると共に、容量変化48は1.2倍に大きくすることができる。
なお、全ての可変コンデンサCの個々の耐圧はVとする。
また、第1の基本ユニットの可変コンデンサC2と、第2の基本ユニットの可変コンデンサC21とが並列接続される。
第2の基本ユニットの可変コンデンサC21間の電極P23と電極P22の端子T22、T21間に直流制御電圧Eを供給する。直流制御電圧Eは制御電圧VCから抵抗R1,R2の電圧降下分を差し引いた電圧である。
従って、基本ユニットの積層数を必要とされる容量まで任意に増加させることができ、積層数によって容量調整を行うことができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図6において、固定コンデンサC1(1C)と、可変コンデンサC2+C3+C4(3VC)と固定コンデンサC5(1C)の3素子拡張例1の構成を示している。ここで、1CはDC除去用コンデンサの固定コンデンサC1が1個で構成されることを示している。
従って、基本ユニットの可変コンデンサを並列接続して拡張された構成にすることにより、固定コンデンサと可変コンデンサと固定コンデンサの合成の容量、耐圧を異なるようにして、変化範囲を拡張することができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
第2の基本ユニットの可変コンデンサC31間の電極P24と電極P23の端子T22、T21間に直流制御電圧Eを供給する。また、第2の基本ユニットの固定コンデンサC11とC21間の電極P26と電極P24の端子T24、T22は共に直流制御電圧Eのプラス側で同電位とする。
従って、基本ユニットの固定コンデンサを並列接続して拡張された構成にすることにより、固定コンデンサと可変コンデンサの合成の容量、耐圧を異なるようにして、変化範囲を拡張することができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図8は、図5に示した3素子基本ユニットを、図6又は図7に示したように拡張接続及び複数層積層することにより、各素子の容量変化量を変化させたときの合成耐圧、合成容量及び容量変化量をそれぞれ異ならせることができる設計例を示している。
71に示す例1において、固定コンデンサ(C1)74、固定コンデンサ(C3)76の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)75の容量は0.1〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
また、可変コンデンサ(C2)75の容量が最小値0.1[μF]のとき、合成耐圧(V)77は1.2[V]、合成容量(C)78は0.08[μF]、容量変化79は4.0倍である。
また、可変コンデンサ(C2)75の容量が最小値0.1[μF]のとき、合成耐圧(V)77は1.0[V]、合成容量(C)78は0.10[μF]、容量変化79は8.5倍である。
すなわち、可変コンデンサ(C2)75の容量が最大値10.0[μF]のとき、合成耐圧(V)77は21.0[V]、合成容量(C)78は0.48[μF]である。
ここで、71に示す例1では、合成耐圧(V)77は約1/3倍、合成容量(C)78は約1/4倍、容量変化79は4.0倍である。
73に示す例3では、合成耐圧(V)77は約1/7倍、合成容量(C)78は変化なし、容量変化79は1.4倍である。
73に示す例3では、合成耐圧(V)77は約1/7倍、合成容量(C)78は変化なし、容量変化79は1.4倍にすることができる。
81に示す例1において、固定コンデンサ(C1)84、固定コンデンサ(C3)86の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)85の容量は0.3〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
また、可変コンデンサ(C2)85の容量が最小値0.3[μF]のとき、合成耐圧(V)87は1.7[V]、合成容量(C)88は0.20[μF]、容量変化89は1.7倍である。
すなわち、可変コンデンサ(C2)85の容量が最大値1.0[μF]のとき、合成耐圧(V)87は1.2[V]、合成容量(C)88は0.83[μF]である。
83に示す例3において、固定コンデンサ(C1)84、固定コンデンサ(C3)86の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)85の容量は3.3〜10.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
また、可変コンデンサ(C2)85の容量が最小値3.3[μF]のとき、合成耐圧(V)87は7.7[V]、合成容量(C)88は0.43[μF]、容量変化89は1.1倍である。
82に示す例2では、合成耐圧(V)87は変化なし、合成容量(C)88は約1/2倍、容量変化89は2.7倍である。
このように変化量を3倍にした場合には、81に示す例1では、合成耐圧(V)87を約1/2倍、合成容量(C)88を変化させずに、容量変化89を1.7倍に大きくすることができる。
83に示す例3では、合成耐圧(V)87は約1/3倍、合成容量(C)88は変化させずに、容量変化89はさせないようにすることができる。
なお、全ての可変コンデンサCの個々の耐圧はVとする。
このとき、図9Bに示す回路図において、点線で示した基本ユニット構成を一体積層することで、4素子の電圧制御用の可変コンデンサC1、C2、C3、C4を一つの部品の中に内蔵するように構成することができる。
また、電極P13と電極P14との間の誘電体により電圧制御用の可変コンデンサの固定コンデンサC3が構成される。また、電極P14と電極P15との間の誘電体により電圧制御用の可変コンデンサの固定コンデンサC4が構成される。
また、第2の基本ユニットの可変コンデンサC41と可変コンデンサC31間の電極P25と電極P23の端子T23、T22間に直流制御電圧Eを供給する。
ここで、一体積層された第1の基本ユニットと第2の基本ユニットのうち、第1の基本ユニットの可変コンデンサC4と隣り合う第2の基本ユニットの可変コンデンサC11について、可変コンデンサC4の制御用端子T13と隣り合う可変コンデンサC11の制御用端子T21とは同電位に構成される。
従って、基本ユニットの積層数を必要とされる容量まで任意に増加させることができ、積層数によって容量調整を行うことができる。
これにより、制御信号で可変コンデンサの容量を変化させることで交流信号の電圧又は電流を制御することができる。
図9Bに示す回路図は、図10に示すように書き直すと、4素子の電圧制御用の可変コンデンサC1、C2、C3、C4のブリッジ構成であることが分かる。
電源電圧ACの信号に対してプラス側のコンデンサC1、C4のみDC除去用コンデンサと制御用コンデンサを兼用させるようにしても良い。
また、電源電圧ACの信号に対してマイナス側のコンデンサC2、C3のみDC除去用コンデンサと制御用コンデンサを兼用させるようにしても良い。
111に示す例1において、可変コンデンサ(C1)114、可変コンデンサ(C2)115、可変コンデンサ(C3)116、可変コンデンサ(C4)117の容量は全て0.1〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
112に示す例2では、合成耐圧(V)118は変化なし、合成容量(C)119は約1/10倍、容量変化120は10.0倍である。
このように変化量を10倍にした場合には、111に示す例1では、合成耐圧(V)118を変化させずに、合成容量(C)119を約1/10倍に変化させると共に、容量変化120を10.0倍に大きくすることができる。
なお、全ての可変コンデンサCの個々の耐圧はVとする。但し常にブリッジ条件C1×C3=C2×C4が満たされる必要がある。
121に示す例1において、固定コンデンサ(C1)124、固定コンデンサ(C4)127の容量は1.0[μF]固定で、可変コンデンサ(C2)125、可変コンデンサ(C3)126の容量は0.1〜1.0[μF]まで変化させたとき、以下のような数値となる。
122に示す例2では、合成耐圧(V)128は変化なし、合成容量(C)129は約1/10倍、容量変化130は9.2倍である。
このように2素子を固定して他の2素子の変化量を10倍にした場合には、121に示す例1では、合成耐圧(V)128を変化させずに、合成容量(C)129を約1/6倍、容量変化130を5.5倍に大きくすることができる。
123に示す例3では、合成耐圧(V)128は変化させずに、合成容量(C)129は約1/2倍、容量変化130は1.8倍にすることができる。
Claims (5)
- 交流信号の入力端子及び出力端子と、
前記入力端子及び出力端子間に接続された直流分カット用コンデンサと、
前記入力端子及び出力端子間に接続され、制御信号により容量が変化する可変コンデンサとを有し、
前記制御信号で前記可変コンデンサの容量を変化させることで前記交流信号の電圧又は電流を制御するようにした電力制御装置において、
前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとが直列接続されたコンデンサ列を形成する誘電体が一体積層されるように構成され、前記可変コンデンサを形成する誘電体間に前記制御信号が印加され、前記コンデンサ列を形成する誘電体間に前記交流信号が印加される回路構成であり、
前記コンデンサ列を複数列一体積層することにより、前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとの静電容量の調整を行うように構成され、
前記コンデンサ列を複数列一体積層する際に、積層面で隣り合う一方のコンデンサ列と他方のコンデンサ列の前記可変コンデンサの制御信号用端子又は前記直流分カット用コンデンサの交流信号用端子が同電位となるように積層され、
前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとの合成の容量、耐圧及び合成容量を変えるように、前記コンデンサ列を形成する誘電体間の厚さ及び誘電体間の電極間距離を変化させるものであり、
前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとの合成の容量、耐圧及び合成容量は、前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとをそれぞれ1又は複数並列に接続することにより変化される
電力制御装置。 - 前記コンデンサ列は、前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとが直列接続された2素子構成であって、前記直流分カット用コンデンサ又は前記可変コンデンサをN個複数並列に接続することにより各々の容量をN倍にする
請求項1に記載の電力制御装置。 - 前記コンデンサ列は、プラス側前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとマイナス側前記直流分カット用コンデンサとが直列接続された3素子構成であって、前記可変コンデンサをN+1個複数並列に接続することにより前記可変コンデンサの容量をN+1倍にする
請求項1に記載の電力制御装置。 - 前記コンデンサ列は、プラス側前記直流分カット用コンデンサと前記可変コンデンサとマイナス側前記直流分カット用コンデンサとが直列接続された3素子構成であって、前記プラス側前記直流分カット用コンデンサ及びマイナス側前記直流分カット用コンデンサをそれぞれN個複数並列に接続することにより各々の容量をN倍にする
請求項1に記載の電力制御装置。 - 前記コンデンサ列は、前記可変コンデンサが直列接続された4素子ブリッジ構成であって、4素子のうちの平衡する2素子間同士の容量が同じになるように各々の容量を調整し、4素子のうちの2素子を前記直流分カット用コンデンサとして用いてその容量を固定して、他の2素子の容量を可変にする
請求項1に記載の電力制御装置。
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