以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
<画像形成装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。
図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、一例として複合機を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に供えられた操作部200に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102は、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
自動原稿給送装置104の載置台105には、図2Aに示すように、平面視で載置台の上端近傍に固定された、原稿の端部を規制する第一の規制板210と、第一の規制板210に対向する位置である載置台105の下端近傍に上下動可能に備えられた第二の規制板211とが備えられている。第二の規制板211は、原稿の搬送する方向である搬送方向(以下、F方向とする)に対して直交する方向に可動するため、原稿が複数枚に渡る場合は、原稿の束を上記規制板210、211によって整えることが可能である。
載置台105には、さらに、原稿の存在の有無(原稿の接触)を検知する原稿存在検知センサ212a〜gが所定数、備えられている。所定数の原稿存在検知センサ212a〜gは、載置された原稿のサイズと向きに応じてその原稿の隅を検知可能となるよう配置される。配置方法は、例えば、以下のように配置される。
図2Aに示すように、第一の規制板210の下方左側近傍に第一の原稿存在検知センサ212aが設けられており、第一の規制板210に端部を規制させた原稿が載置台105に載置されると、その原稿の隅を確実に検知する。第一の原稿存在検知センサ212aが原稿の存在に対応する信号(ON信号)を発信する場合、原稿が載置台212aに載置されたとみなされる。
他の原稿存在検知センサ212b〜gは、様々な原稿のサイズと向きに応じて配置される。例えば、所定の定形サイズ(規定サイズともいう)の原稿が載置台105上に載置された場合、その原稿の一隅は、第一の原稿存在検知センサ212aに検知されることになるが、その原稿の一隅に対向し、かつ原稿の対角線上に位置する他方の一隅が検知されるように、他の原稿存在検知センサ212b〜gが配置される。
例えば、定形サイズであるA5サイズの原稿を、複合機100に備えられた読取部110(後述する)の主走査方向に対して原稿の短辺側が平行となる向きである縦向き(以下、縦向きとする)に載置させた場合、第一の原稿存在検知センサ212aと、A5縦向きに載置させた原稿の一隅に接触するA5縦の原稿存在検知センサ212cがON信号を発信し、他の原稿存在検知センサ212b、212d〜gはON信号を発信することはない。原稿存在検知センサ212a〜gのON信号の組み合わせに基づいて、原稿の向きを検知することが可能となり、併せて原稿のサイズを検知することも可能となる(後述する)。
また、例えば、定形サイズであるA4サイズの原稿を、読取部110の主走査方向に対して原稿の長辺側が平行となる向きである横向き(以下、横向きとする)に載置させた場合、第一の原稿存在検知センサ212aとA4横の原稿存在検知センサ212d以外に、A4サイズよりも小さいサイズであるA5横の原稿存在検知センサ212b、A5縦の原稿存在検知センサ212cも不可避的に接触するが、この場合は、第一の原稿存在検知センサ212a、A4横の原稿存在検知センサ212d、A5横の原稿存在検知センサ212b、A5縦の原稿存在検知センサ212cのON信号に基づいて、原稿の向きとサイズとが検知される。
次に、自動原稿給紙装置104は、プラテンカバー102の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー102の内部に備えられたピックアップローラ106や搬送ローラ107A、107B等で構成される。原稿搬送路108は、載置台105から、本体101に設けられた読取部110にて読み取りが行なわれる読取位置Pを経由して、排紙台109に通じる原稿の搬送路である。
自動原稿給紙装置104は、載置台105に載置された原稿1枚ずつをピックアップローラ106で原稿搬送路内108に引き出し、搬送ローラ107A、107B等によって引き出した原稿を、読取位置Pを通過させて排紙台109に排紙する。読取位置Pを通過する時に原稿は読取部110にて読み取られる。
図B1に示すように、原稿を原稿搬送路内108に引き込む引込口213の近傍には、載置台105の搬送方向(F方向)前方に、リフト板214と、上限センサ215と、下限センサ216と、コロ217と、ピックアップローラ106とが備えられている。
リフト板214は、原稿が載置可能な板状部材であり、リフト板214の側面に備えられたリフト板駆動部218により原稿の積載方向に上下動可能である。上限センサ215は、リフト板214の上昇を所定位置で止めるためのセンサであり、光センサで構成されている。上限センサ215は、リフト板214が上昇してリフト板214上の原稿の先端部がコロ217を押し上げると、そのことが光学的に検知されて停止するようになっている(図B2)。下限センサ216は、リフト板214が最下方位置(ホームポジション)まで下降したことを検知するためのセンサである。
コロ217は、ホームポジションに配置されたリフト板214に対し上方に間隔をあけて配置されるとともに、自由状態では自重により下方位置に位置するが、リフト板214により下方から力を受けるのに追従して上方に可動に構成されている。コロ217はローラに相当する。
リフト板駆動部218は、リフト板214を上下動させるためのものであり、ステッピングモータ219、ラックアンドピニオン機構(以下、棒体220、歯材、歯車材221等)等で構成されている。リフト板214の一側面には、棒体220が原稿の積載方向に沿って連結され、その棒体220の側面には歯車の歯材(図示せず)が設けられ、歯材と噛合可能でかつ正逆回転自在な歯車材221を備えたステッピングモータ219が設けられる。
原稿がリフト板214に載置されると、ステッピングモータ219が歯車材221を正回転させ、歯車材221と噛合する歯材を備えた棒体220が積載方向に上昇させ、さらにその棒体220に連結されたリフト材214を上昇させる。なお、リフト材214を積載方向に対して下方に下降させてホームポジションに移動させる場合は、ステッピングモータ219が歯車材221を逆回転させることとなる。
次に、読取部110は、原稿台103及び自動原稿給送装置104の下方に設けられており、図3にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、撮像素子にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
また、読取部110は、自動原稿給紙装置104で搬送される原稿だけでなく、原稿台103に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ112は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。
撮像素子115は、自動原稿給紙装置104に搬送された原稿のときと同様に、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像データを生成する。
本体101の読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像データは、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル201を介して、ネットワーク202から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。
なお、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、上記現像器(ロータリー現像器)124が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム121の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム121上の潜像が、現像器124が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト125Aに転写される。なお、現像器124は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット124(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。上記中間転写ベルト125Aへの転写を上記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト125A上にフルカラー画像が形成される。
可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
以上が、複合機100における基本的なコピーサービスの処理である。なお、複合機100は、上述した各部(自動原稿給送装置104、読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、スキャン機能、後処理機能、メモリ機能等をユーザに提供する。
なお、複数の原稿存在検知センサのON信号に基づいて、原稿の向き(原稿のサイズ)を検知する手段を、原稿向き検知手段(原稿サイズ検知手段)とし、リフト板駆動部を制御する手段をリフト移動手段とし、ユーザが操作部200に対して行った印刷等の指示(命令、要求)を受け付ける手段を条件受付手段とし、読取部100にて原稿の画像を読み取る手段を画像読取手段とし、受け付けた指示と読み取った画像データに基づいて、上記機能を提供する手段を総じて機能提供手段とする(後述する)。
図4は、複合機100に備えられた操作部200の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部200を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力したり、書き込み情報を書き込んだり、所定の送信先へ書き込み情報を送信したりする。設定条件の入力、各サービスの実行開始等が行なわれる際に、上記操作部200に備えられたタッチパネル401、タッチペン402、操作キー403が用いられる。
上記タッチパネル401には、上述した条件を入力する機能と、入力された設定条件等を表示する機能とが兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル401上に表示された画面内の選択項目等を押下することによって、選択項目等に関連付けられた設定条件の入力が行われ、所定のキーボード画面のキーまたは送信先を押下することによって、機能に関連する指示の入力等が行なわれる。また、押下された選択項目や入力された指示等は、タッチパネル401上で、例えば、背景色を白色からグレー色へ変更する表示をすることにより、ユーザが随時視認可能である。
タッチパネル401の近傍には、タッチペン402が備えられており、ユーザがそのタッチペン402の先をタッチパネル401に接触させると、タッチパネル401下方に設けられたセンサが接触先を検知する。そのため、タッチペン402の接触により、キーボード画面のキーの押下や所定の手書き情報の入力が可能である。タッチペン402は備えられていなくても構わない。
さらに、タッチパネル401近傍には、所定数の操作キー403が設けられ、例えば、テンキー404、スタートキー405、クリアキー406、ストップキー407、リセットキー408、電源キー409が備えられている。なお、上記テンキー404は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
次に、図5を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HDD(Hard Disk Drive)504、各駆動部に対応するドライバ505を内部バス506によって接続している。上記CPU501は、例えば、RAM503を作業領域として利用し、上記ROM502、HDD504等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ505と図示しない操作部200からのデータ、指示を授受し、さらに、原稿向き検知センサ、上限センサ、下限センサ等から発信される信号を授受し、上記図1乃至図4に示した各駆動部等の動作を制御する。また、上記駆動部以外についても、上記CPU501がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。上記ROM502、HDD504等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
<本発明の実施形態>
次に図6乃至図7を参照しながら、本発明の画像形成装置が、原稿の画像を読み取る前に、載置された原稿の向きに対応する読取時間を表示する手順について説明する。図6は、本発明に係る複合機の機能ブロック図である。図7は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。なお、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100が待機時での消費電力を抑えた状態であるスリープ状態である場合に、ユーザがA4サイズの原稿20枚を縦向きで載置台105上に載置し、タッチパネル301を触れると、複合機100のスリープ状態が解除され、使用可能な状態へ移行し、条件受付手段601が、タッチパネル301上に初期画面(ここでは、図8Cに示すコピー設定画面)を表示する。条件受付手段601が初期画面を表示する時点は、ユーザが複合機100に電源を投入した時点であっても構わない。
初期画面には、図8Cに示すように、コピーサービスの設定を行なうための通常の選択項目(用紙選択、濃度選択、倍率選択等)の他に、原稿の画像を読み取る際にその画像の品質(解像度)を示すモードである読取モード801(例えば、比較的低い解像度(200dpi)を有する画像データとして原稿の画像を読み取るモード「文字」、比較的高い解像度(600dpi)を有する画像データとして原稿の画像を読み取るモード「写真」、ユーザの選択によって読取モードを選択可能とするボタン「その他」等)と、読み取った画像データを所定のメモリ(例えば、Document Boxと称される所定のHDD)に一時記憶する際の画像データの方向を示す画像データの向き802(例えば、読み取った画像データを原稿の向き「縦向き」と同等の向きで一時記憶する「縦向き」、読み取った画像データを原稿の向き「横向き」と同等の向きで一時記憶する「横向き」等)、読み取った画像データの保存形式を示すモードである保存形式モード803(例えば、画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で保存する「jpg」、画像データをPDF(Adobe Acrobat Portable Document Fomat)形式で保存する「pdf」、ユーザの選択によって保存形式モードを選択可能とするボタン「その他」等)が表示される。
ユーザが初期画面を見ながら、自己の希望する条件(例えば、読取モードを「文字」804、画像データの向きを「縦向き」805、保存形式モードを「jpg」806)を入力し、スタートキー405を押下すると、条件受付手段601は、初期画面から入力された条件を受け付け、読取時間算出手段602に、原稿の向き毎の読取時間を算出する旨の信号を送信する(図7:S101)。
読取時間算出手段602は、条件受付手段601から読取モード「文字」804と画像データ向きモード「縦向き」805と保存形式モード「jpg」806とを受信し、原稿向き検知手段603に、載置台105に載置された原稿の向きを検知させる。原稿向き検知手段603は原稿サイズ検知手段を兼ねており、原稿のサイズを検知するとともに、原稿の向きを検知する。
原稿向き検知手段603は、いずれかのあるいは複数の原稿存在検知センサ212a〜gからのON信号を検知する。現時点では、載置台105にA4サイズの原稿が縦向きに載置されているため、第一の原稿存在検知センサ212aと、A4縦の原稿存在検知センサ212eと、A5縦の原稿存在検知センサ212cと、A5横の原稿存在検知センサ212bがON信号を発信することになる。
原稿向き検知手段603は、上記ON信号を受信すると、原稿向き記憶手段604に記憶されている原稿向きテーブルを参照して、原稿のサイズと、原稿の向きとを検知する(図7:S102)。
原稿向きテーブル900には、図9に示すように、各原稿存在検知センサ212a〜gがON信号を発信しているか否かの情報901(例えば、ON信号を発信している原稿存在検知センサ212a〜gには「○」902、ON信号を発信していない原稿存在検知センサ212a〜gには「×」903等)と、その情報に基づいて決定される原稿サイズ904(例えば、「A3」、「A4」等、ここで、原稿サイズが特定されない、または原稿が載置されていない条件には「−」等の情報が記憶される)と、原稿の向き905(「縦向き」、「横向き」、「−」)とが関連付けて記憶されている。原稿向き検知手段603は、受信したON信号の組み合わせに対応する原稿のサイズ904と原稿の向き905を取得することにより、載置されている原稿のサイズと原稿の向きを検知する。
原稿向き検知手段603が、第一の原稿存在検知センサ212aとA4縦の原稿存在検知センサ212eとA5縦の原稿存在検知センサ212cとA5横の原稿存在検知センサ212bのON信号に対応する「○」906に基づいて、原稿向きテーブル900から原稿のサイズ「A4」907と原稿の向き「縦向き」908を取得すると、読取時間算出手段602に「A4」907と「縦向き」908とを送信する。
読取時間算出手段602は、「A4」907と「縦向き」908とを受信すると、原稿枚数検知手段605に、載置台105に載置された原稿の枚数を検知させる。
原稿枚数検知手段605は、リフト移動手段606を駆動し、リフト移動手段606は、原稿の先端部が載置されたリフト板214をホームポジションから原稿の積載方向へ上昇させる。上昇したリフト板214上の原稿の先端部がコロ217を押し上げると、そのことを上限センサ215が検知し、リフト移動手段606がリフト板214を停止する。
原稿枚数検知手段605が、リフト移動手段606を監視し、リフト材214のホームポジションからリフト材214の現時点の位置まで上昇させるために要したモータの回転量を算出し、原稿枚数検知手段605の所定のメモリに予め記憶されている、モータの回転量当たりの原稿束(複数の原稿)の厚みに基づいて、載置された原稿束の厚みを算出する。さらに、原稿枚数検知手段605は、算出した原稿束の厚みと、原稿枚数検知手段605の所定のメモリに予め記憶されている、原稿1枚当たりの厚みとに基づいて、載置された原稿の枚数を算出する(図7:S103)。
例えば、モータの回転量当たりの原稿束の厚みを1mm/回転量とし、原稿1枚当たりの厚みを0.25mm/枚とし、モータの回転量が5回転とすると、原稿枚数検知手段605が、5回転を1mm/回転量に乗して、原稿束の厚みを5mmと算出し、さらに、5mmを0.25mm/枚で除して、原稿の枚数を20枚と算出する。
原稿枚数検知手段605が、原稿の枚数「20枚」を算出すると、読取時間算出手段602に「20枚」を送信する。
読取時間算出手段602は、入力された条件(読取モード「文字」804、画像データ向きモード「縦向き」805、保存形式モード「jpg」806)と、受信した条件(原稿サイズ「A4」907、原稿の向き「縦向き」908、原稿枚数「20枚」)と、読取時間記憶手段607に記憶されている読取時間テーブルを参照して、原稿の画像の読み取りに要する時間である読取時間を、原稿の向き毎に算出する(図7:S104)。
読取時間テーブル1000には、図10に示すように、載置された原稿の向き1001(「縦向き」、「横向き」)と、載置された原稿のサイズ1002(例えば、「A3」、「A4」、「A5」等)と、画像データの向き1003(「縦向き」、「横向き」)と、読取モード1004(画像の解像度とも表示される)(例えば、「文字」(解像度200dpi)、「写真」(600dpi)等)と、画像データの保存形式1005(例えば、「jpg」、「pdf」等)と、原稿一枚当たりに要する単位読取時間1006(単位 s/枚)とが関連付けられて記憶されている。上記項目(例えば、原稿の向き1001、原稿のサイズ1003等)のうち、相互に関連付けられた小項目(例えば、「縦向き」、「横向き」、「A3」、「A4」、「A5」等)には「○」1007、相互に関連付けられていない小項目には「×」1008が記憶される。
上記構成により、読取時間算出手段602は、所定の条件に対応する原稿一枚当たりに要する単位読取時間を取得し、その単位読取時間に原稿の枚数を乗して、原稿の向き毎に読取時間を算出する。
上記読取時間テーブル1000に記憶されている単位読取時間1006は、実験の結果から導き出される数値であってもよいし、複合機100の性能(搬送速度(読取周速ともいう)、読取速度、90度回転処理速度等)に基づいて決定される数値であっても構わない。
上記読取時間テーブル1000において、原稿の向き1001(「縦向き」、「横向き」)以外の条件が全て同等である場合、縦向きでの単位読取時間と横向きでの単位読取時間との違いは、縦向きでの読取部110の読取長さと横向きでの読取部110の読取長さとの違いのみに影響される。原稿サイズが定形サイズである場合、横向きでの読取長さは、縦向きでの読取長さを1.4倍にした長さであるから、例えば、読取時間テーブル1000では、縦向きでの単位読取時間には、横向きでの単位読取時間を1.4倍にした単位読取時間が記憶される。
また、90度回転処理を施す必要がない条件、すなわち、原稿の向きと画像データ向きモードとが同等の条件では、読取部110の性能にも左右されるものの、画像の解像度が高いと、単位読取時間が長くなる。そのため、例えば、読取時間テーブル1000では、「写真」(600dpi)の単位読取時間には、「文字」(200dpi)の単位読取時間を所定倍(例えば、2倍)にした単位読取時間が記憶される。
また、原稿の向きと画像データ向きモードとが同等の条件では、画像処理の速度(例えば、CPUの性能)にも左右されるものの、保存形式の違いが単位読取時間に影響を及ぼす。そのため、例えば、読取時間テーブル1000では、「jpg」の単位読取時間には、「pdf」の単位読取時間を所定倍(例えば、2倍)にした単位読取時間が記憶される。
また、90度回転処理を施す必要がある場合、すなわち、原稿の向きと画像データ向きモードとが異なる条件では、座標変換等の回数(例えば、CPUの性能)にも左右されるものの、画像の解像度が高いと、単位読取時間が長くなる。そのため、例えば、読取時間テーブル1000では、「写真」(600dpi)の単位読取時間は、「文字」(200dpi)の単位読取時間を所定倍(例えば、4倍)にした単位読取時間が記憶される。
また、原稿の向きと画像データ向きモードとが異なる条件では、画像処理の速度(例えば、CPUの性能)にも左右されるものの、回転処理に不適な保存形式で保存される場合、単位読取時間が長くなる。そのため、例えば、読取時間テーブル1000では、「jpg」の単位読取時間は、「pdf」の単位読取時間を所定倍(例えば、2倍)にした単位読取時間が記憶される。
読取時間算出手段602が、受信した原稿の向き「縦向き」908での読取時間を算出する場合、読取時間テーブル1000のうち、原稿の向き「縦向き」908に対応する原稿のサイズを参照し、「A4」907に属する画像データ向きモードを参照する。さらに、読取時間算出手段602は、画像データの向き「縦向き」805に属する読取モードを参照し、読取モード「文字」804に属する画像データの保存形式「jpg」806に対応する単位読取時間「11s/枚」1010(図10では、行1009に該当する)を取得する。読取時間算出手段602は、原稿枚数「20枚」から、縦向き読取時間220s、すなわち、「3.7分(3.67分)」を算出する。
さらに、読取時間算出手段602が、受信した原稿の向き「縦向き」906とは異なる原稿の向きである「横向き」での読取時間を算出する。読取時間算出手段602は、「横向き」と所定の条件(「A4」907、「縦向き」805、「文字」804、「jpg」806)とに基づいて、読取時間テーブル1000から読取時間「8s/枚」1012(図10では、行1011に該当する)を取得し、原稿枚数「20枚」から、横向き読取時間160s、すなわち、「2.7分(2.67分)」を算出する。
読取時間算出手段602が、縦向きの読取時間「3.7分」と横向きの読取時間「2.7分」とを算出すると、読取時間比較手段608に「3.7分」と「2.7分」とを送信する。
読取時間比較手段608は、縦向きの読取時間「3.7分」と横向きの読取時間「2.7分」とを受信すると、両者を相互に比較し、読取時間の長い原稿の向きを判別する(図7:S105)。上記の場合、縦向きの読取時間「3.7分」の方が、横向きの読取時間「2.7分」よりも長いため、読取時間比較手段608は、読取時間の長い原稿の向きを「縦向き」と判別する。
さらに、読取時間比較手段608は、現時点、載置台に載置された原稿の向き「縦向き」906(原稿向き検知手段603が検知した原稿の向き)と読取時間の長い原稿の向き「縦向き」とを比較する(図7:S106)。載置台に載置された原稿の向き「縦向き」906と、読取時間の長い原稿の向き「縦向き」とが一致する場合、読取時間比較手段608は、読取時間を表示する必要があると判別し、読取時間表示手段609に、原稿の向き毎の読取時間を表示する旨の信号と、縦向きの読取時間「3.7分」と横向きの読取時間「2.7分」とを送信する(図7:S106YES)。
読取時間表示手段609は、上記信号を受信すると、受信した原稿の向き毎の読取時間を利用して、タッチパネル401上に、縦向き読取時間と横向き読取時間とを表示する画面である読取時間表示画面を表示する(図7:S107、図8D)。
読取時間表示画面には、図8Dに示すように、ユーザに現時点載置されている原稿の向きを変更するよう促す旨のメッセージ807「原稿の向きを変更してください。」と、縦向きでの読取時間(縦向き読取時間)「3.7分」808と、「縦向き」で載置台に載置された原稿の状態を模したイメージ画像である縦向き原稿イメージ画像809と、「縦向き」を「横向き」に変更することを指示する矢印イメージ画像810と、横向きでの読取時間(横向き読取時間)「2.7分」811と、「横向き」で載置台に載置された原稿の状態を模したイメージ画像である横向き原稿イメージ画像812と、ユーザが原稿の向きを変更した後に押下する確認ボタンである「OK」ボタン813とが表示される。
ユーザは、読取時間表示画面を見ながら、原稿の向きが横向きの方が縦向きと比べて読取時間が短いことを確認すると、原稿の向きを縦向きから横向きに変更して再度原稿を載置台105に載置させる。さらに、ユーザは、読取時間表示画面に表示された「OK」ボタン813を押下すると、読取時間表示手段609は、読取時間表示画面をタッチパネル401上から消去して、条件受付手段601に、入力された条件にて機能提供を実行する旨の信号を送信する。
なお、例えば、「OK」ボタン813が押下されずに、ユーザが原稿の向きを横向きに変更した場合に、原稿向き検知手段603が原稿の向き「横向き」を再検知し、読取時間表示手段609が、載置された原稿の向きが「横向き」であることを検知すると、自動的に読取時間表示画面を消去して、条件受付手段601に機能提供を実行するよう構成しても構わない。
条件受付手段601は、ユーザから受け付けた条件(画像データの向き「縦向き」805、読取モード「文字」804、画像データの保存形式「jpg」806)と原稿の向き「横向き」、原稿サイズ「A4」907とを画像読取手段610に送信し、画像読取手段610は、原稿の画像を読み取る(図7:S108)。上記の場合、画像読取手段610は、原稿の画像を解像度200dpi(「文字」804)で読み取り、その画像データを保存形式JEPGで処理し、さらに、横向きに読み取られた画像データを縦向きに90度回転処理を施してから、所定のメモリに一時記憶する。
画像読取手段610が原稿の画像を読み取る際に、原稿枚数補正手段611が、画像読取手段610が読み取った原稿の枚数をカウントする。画像読取手段610が、載置された原稿の画像を全て読み取ると、原稿枚数補正手段611が原稿枚数の合計を算出し、その原稿枚数の合計と、原稿枚数検知手段610が算出した原稿束の厚みとに基づいて、原稿枚数検知手段610の所定のメモリに記憶されている原稿1枚当たりの厚みを再算出し、その所定のメモリに再記憶させる。具体的には、原稿枚数補正手段611は、原稿束の厚み「5mm」から原稿枚数の合計「20枚」を除して、原稿1枚当たりの厚み「0.25mm/枚」を算出し、その値を所定のメモリに再記憶させる。
上記構成により、原稿1枚当たりの厚みを、画像読取手段610が1回の機能提供(1JOB)毎に補正することとなるため、後続に載置台に載置された原稿の枚数を原稿枚数検知手段が精度よく算出することが可能となる。
画像読取手段610が、全ての原稿の画像データを所定のメモリに一時記憶すると、その旨を機能提供手段612に送信する。機能提供手段612は、一時記憶された画像データに基づいて、その画像データを印刷物として出力する(図7:S109)。出力させるシートの向きがユーザから指定されていない場合は、機能提供手段612は、一時記憶された画像データのサイズと向きとに対応するシートで画像データを出力する。すなわち、機能提供手段612が、シートのサイズをA4とし、シートの向きを横向きとして画像データを出力する。
上記手順により、原稿の画像を読み取る前に、原稿の向き毎の読取時間を表示することが可能となり、普段は原稿の向きを意識しないユーザに対して、表示された読取時間を契機に原稿の向きを縦向きから横向きに変更することを促すことが可能となる。原稿の向きが横向きに変更されると、読取時間が短縮されるため、結果として、効率のよい画像読取を行うことが可能となる。
一方、読取時間比較手段608が、載置台105に載置された原稿の向きと、読取時間の長い原稿の向きとが一致しない場合は、以下の手順にて、画像読取、機能提供が行われる。
ユーザがA4サイズの原稿20枚を縦向きで載置台105上に載置し、タッチパネル301を触れると、条件受付手段601が、タッチパネル301上に初期画面(図7A)を表示する。
ユーザが初期画面を見ながら、自己の希望する条件(例えば、読取モードを「写真」814、画像データの向きを「横向き」815、保存形式モードを「jpg」806)を入力し、スタートキー405を押下すると、条件受付手段601は当該条件を受け付け、読取時間算出手段602に、原稿の向き毎の読取時間を算出する旨の信号を送信する(図7:S101)。
読取時間算出手段602は、条件受付手段601から読取モード「写真」814と画像データの向き「横向き」815と保存形式モード「jpg」806とを受信すると、原稿向き検知手段603に原稿の向きと原稿のサイズとを、原稿枚数検知手段605に原稿枚数を検知させ、その検知させた原稿の向き「横向き」、原稿サイズ「A4」、原稿枚数「20枚」を取得する(図7:S102→S103)。
読取時間算出手段602は、入力された条件(読取モード「写真」814、画像データの向き「横向き」815、保存形式モード「jpg」806)と、受信した条件(原稿の向き「横向き」、原稿サイズ「A4」、原稿枚数「20枚」)と、読取時間テーブル1000を参照して、原稿の向き毎に読取時間を算出する(図7:S104)。
読取時間算出手段602が、受信した原稿の向き「横向き」での読取時間を算出する場合、条件(原稿サイズ「A4」、画像データの向き「横向き」815、読取モード「写真」814、保存形式モード「jpg」806)に対応する単位読取時間「16s/枚」1014(図10では、行1013に該当する)を読取時間テーブル1000から取得し、原稿枚数「20枚」から、横向き読取時間320s、すなわち、「4分」を算出する。
読取時間算出手段602が、「縦向き」と所定の条件(「A4」、「横向き」815、「写真」814、「jpg」806)とに基づいて、読取時間テーブル1000から読取時間「45s/枚」1016(図10では、行1015に該当する)を取得し、原稿枚数「20枚」から、縦向き読取時間640s、すなわち、「15分」を算出する。
読取時間算出手段602が、横向きの読取時間「4分」と縦向きの読取時間「15分」とを読取時間比較手段608に送信し、読取時間比較手段608は、横向きの読取時間「4分」と縦向きの読取時間「15分」とを相互に比較し、読取時間の長い原稿の向きを判別する(図7:S105)。上記の場合、読取時間比較手段608は、読取時間の長い原稿の向きを「縦向き」と判別する。
さらに、読取時間比較手段608は、現時点、載置台105に載置された原稿の向き「横向き」と読取時間の長い原稿の向きを「縦向き」とを比較する(図7:S106)。上記の場合、載置台105に載置された原稿の向き「横向き」と、読取時間の長い原稿の向き「縦向き」とが一致しないため、読取時間比較手段608は、読取時間を表示する必要がないと判別し、条件受付手段601に、入力された条件にて機能提供を実行する旨の信号を送信する(図7:S106NO)。
後に続く条件受付手段601、画像読取手段610、原稿枚数補正手段611、機能提供手段612の作動手順は、先ほどと同様であるため、省略する(図7:S108→S109)。載置された原稿の向きは横向きであるが、その読取時間は、縦向き読取時間よりも短いため、画像読取は効率よく行われ、結果として、原稿の画像読取に要する読取時間が短縮される。
このように、原稿を搬送する前に、読み取る原稿の特性と、ユーザに選択された画像データの特性とに基づいて、縦向き読取時間と、横向き読取時間とを算出する読取時間算出手段と、算出した縦向き読取時間と横向き読取時間とを表示する読取時間表示手段とを備えるよう構成している。
これにより、画像形成装置が原稿の画像を読み取る前に、原稿の画像を読み取らせた際に発生する読取時間を、原稿の向き毎に表示することとなる。そのため、ユーザは、読取時間を容易に認識することができるとともに、原稿の向きを変更するか否かの判断を迅速に行うことが可能となる。その結果、ユーザに今まで気を付けていなかった原稿の向きを意識させることが可能となり、また、原稿の向きの再載置に対して、ユーザのモチベーションを下げることなく、再載置作業をユーザに促すことが可能となる。
さらに、上記読取時間表示手段が、読取時間比較手段が縦向き読取時間と横向き読取時間とを比較した結果、読取時間の長い原稿の向きと、原稿向き検知手段が検知した原稿の向きとが一致する場合に、縦向き読取時間と横向き読取時間とを表示するよう構成することができる。
これにより、原稿の向きを変更した方が、読取時間の短縮化に繋がる場合に、原稿の向き毎の読取時間を表示することとなる。そのため、読取時間をタイミングよく表示することができるとともに、ユーザに原稿の向きを変更した方が読取時間を短縮することができることを容易に認識することが可能となる。さらに、読取時間の短縮化に繋がらない場合には読取時間は表示されないため、ユーザに煩わしい作業を強要せずに、円滑に機能提供の実行を行うことが可能となる。その結果、算出した読取時間を適切に表示させることが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、条件受付手段がユーザからのスタートキーの押下を検知すると、読取時間算出手段が原稿の向き毎の読取時間を算出するよう構成したが、例えば、原稿が載置台に載置された際に、原稿枚数検知手段が原稿の枚数を検知し、その原稿の枚数が所定の枚数を超過した場合に、読取時間算出手段が読取時間を算出するよう構成しても構わない。
また、本発明の実施形態では、読取時間表示手段が、読取時間比較手段が比較した読取時間のうち、読取時間の長い原稿の向きと、原稿向き検知手段が検知した原稿の向きとが一致する場合に、縦向き読取時間と横向き読取時間とを表示するよう構成したが、当該読取時間比較手段を省略して、読取時間算出手段が縦向き読取時間と横向き読取時間を算出すると、比較手順を経ずに読取時間表示手段がその両者を表示するよう構成しても構わない。上記構成とすると、ユーザに縦向き読取時間と横向き読取時間とを確認させることが可能となるため、ユーザに原稿の向きが読取時間に影響を及ぼすことを意識付けることが可能となる。上記省略に関しては、例えば、読取時間比較手段の省略を許可する省略許可手段を設けて、初期画面上に、省略するか否かに対応するボタンを予め用意して、そのボタンが押下されると、省略許可手段が読取時間比較手段の比較手順を省略するよう構成しても構わない。
また、本発明の実施の形態では、条件受付手段がユーザからのスタートキーの押下を検知した時点で、読取時間表示手段が読取時間を表示するよう構成したが、他の時点で、読取時間を表示するよう構成しても構わない。例えば、読取時間を算出することが可能な条件設定がされた時点で、読取時間表示画面を表示したり、ポップアップ形式で初期画面上の選択項目と重ならない画面(ユーザによる選択項目の選択を妨げない範囲の画面)で表示するよう構成しても構わない。さらに、ユーザが、読取時間に影響を与える項目(例えば、読取モード)を選択する毎に、読取時間表示画面を表示するよう構成しても構わない。上記構成とすると、全ての条件を入力する前であっても、ユーザが読取時間を認識することが可能となるため、ユーザに条件入力を迅速に決定させることが可能となる。
また、本発明の実施形態では、載置台に備えられた第一の規制板を固定とし、第二の規制板を可動として構成したが、他の構成、例えば、第一の規制板を可動とし、第二の規制板を固定とする、または、第一の規定板、第二の規制板、いずれも可動とする等の設計変更を行っても構わない。
また、本発明の実施形態では、原稿向き検知手段が原稿存在検知センサのON信号の組み合わせに基づいて原稿の向きを検知するよう構成したが、載置台の原稿の向きを検知できるのであれば他の方法を採用しても構わない。原稿サイズ検知手段も原稿存在検知センサのON信号の組み合わせに基づいて原稿のサイズを検知するよう構成したが、上記と同様、適宜設計変更を行っても構わない。
また、本発明の実施形態では、読取時間表示手段が、同一の読取時間表示画面を表示するよう構成したが、例えば、原稿のサイズに応じた読取時間表示画面を作成しておき、原稿のサイズに対応して種々の読取時間表示画面を表示するよう構成しても構わない。
また、本発明の実施形態では、原稿枚数検知手段の所定のメモリに、モータの回転量当たりの原稿束の厚みと、原稿1枚当たりの厚みとを予め記憶しておき、両者を用いて、原稿枚数検知手段が原稿の枚数を検知するよう構成したが、他の方法を採用して、原稿の枚数を検知するよう構成しても構わない。
例えば、モータの回転量と原稿枚数との関係は、モータに備えられた歯車材の大きさ、歯材の大きさ、原稿の紙の種類(モノクロ紙、色紙、ハガキ、封筒、名刺等)、紙質(上質紙、普通紙、再生紙等)、厚み等の特性に応じて異なるため、モータの回転量に対応する厳密な原稿枚数の数値を実験等から算出することは困難が伴う場合がある。そこで、モータの回転量の所定の範囲に対して、一単位の原稿枚数を関連付けて記憶する原稿枚数テーブルを用意し、原稿枚数検知手段が当該原稿枚数テーブルを利用して原稿枚数を検知するよう構成しても構わない。もちろん、そのように構成しても、原稿枚数補正手段が原稿枚数テーブルに記憶された一単位の原稿枚数を補正するよう構成すれば、原稿枚数補正手段が適切に作用することは言うまでもない。
また、原稿の枚数を検知する方法のうち、例えば、載置された原稿に光を照射し、その透過光の強度から原稿の枚数を検知する方法、逆に反射光の強度から原稿の枚数を検知する方法を採用しても構わない。
また、本発明の実施形態では、複合機が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを複合機に読み出させ、その複合機が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
また、本発明の実施形態では、コピー機能との処理に関して採用したが、例えば、スキャン機能、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、ネットワークスキャン機能、後処理機能、メモリ機能等の処理にでも採用できる。