JP5069444B2 - 誘電体セラミックスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化物系の誘電体セラミックスを燃焼合成反応により製造する方法に関し、特に燃焼合成反応後に仮焼を効率的に行なう製造方法に関する。
アンテナ、コンデンサ、共振器、フィルター、圧力センサ、超音波モータ等の電子部品において利用される良好な誘電特性を有する誘電体セラミックスとして、BaTiO3、PZT(PbZrO3−PbTiO3)、BaRe2Ti514 、CaO−SrO−Li2O−Re23−TiO2系等の酸化物系の誘電体セラミックスが知られている。
従来の上記のような誘電体セラミックスの合成には、1000℃から 2000℃前後に加熱できる炉を用いて長時間、外部加熱を行なわなくてはならない。このため、セラミックスの合成には、膨大なエネルギーと大型の加熱機構を必要とし、これが製造コストを高くする原因となっている。
これに対して、外部加熱を行なわない製造方法として、燃焼合成法(自己伝播高温合成( self propagating high temperature synthesis:SHS ))によるセラミックス粉末の合成が提案されている。該方法は、金属間化合物やセラミックスの生成時の発熱を利用するものであり、化合物の構成元素となる粉体をよく混合して圧粉体をつくり、その一部に高熱を与えると着火して、生成熱を発しながら合成反応が進行することで焼結体を得る方法である。
燃焼合成法を利用するものとして、1種類の金属酸化物と2種類の異なる金属元素の計3種類の原料を出発原料とし、金属間化合物あるいは非酸化物セラミックスと酸化物セラミックスの2種類を合成する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、この特許文献1の燃焼合成方法では上記のような酸化物系の誘電体セラミックスを得ることはできないので、本発明者等は、酸素供給源として過塩素酸ナトリウム等のイオン結合性物質を使用し、優れた焼結特性を有する酸化物系の誘電体セラミックスを燃焼合成法で製造する方法等について出願をしている(例えば、特願2005−99075参照)。
これらの燃焼合成法を用いて製造した誘電体セラミックスは、粒子の一部に酸素欠陥や格子のズレが生じている。また、不純物を微量に含むため、樹脂材料等と混ぜて使用する場合、安定化させるために大気中で仮焼処理を施している(例えば、本発明者等による特願2005−248405)。従来、燃焼合成反応で得られた反応生成物に対して仮焼を行なう場合では、(1)反応生成物(合成粉末)を粗粉砕、(2)湿式ボールミル等により微粉砕、(3)乾燥、(4)仮焼処理、(5)湿式ボールミル等により微粉砕、(6)副生塩の超音波洗浄等、(7)乾燥という工程を経ていた。
しかしながら、このような工程の場合、湿式ボールミル等による微粉砕を2回行なうため、回収量の低下や、コストが高くなる等の問題があった。また、数μm〜数十μm に微粉砕した後に仮焼を行なっていたため、微粉末と仮焼用坩堝(トレイ)との接触面積が大きく固着してしまう等の問題があった。よって、燃焼合成法で得られた合成粉末の品質向上のために仮焼を行なう場合において、より効率的で最適化された製造方法の開発が望まれている。
特開平5−9009号公報
本発明はこのような課題に対処するためになされたものであり、燃焼合成反応後に仮焼を効率的に行なうことで、高品位な酸化物系の誘電体セラミックスを安価に製造できる誘電体セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の誘電体セラミックスの製造方法は、比表面積が 0.01 m2/g〜2 m2/g の4族元素を含む金属粉末と、酸素供給源となる物質とを少なくとも含む反応原料においてそれぞれの粉末を所定割合で混合して原料粉末とする混合工程と、該混合工程で得られた原料粉末を断熱火炎温度が 1500℃以上である燃焼合成法により反応させる燃焼合成工程と、得られた反応生成物を粗粉砕する工程と、該粗粉砕した反応生成物を仮焼する仮焼工程と、該仮焼した反応生成物を微粉砕する工程と、該微粉末を洗浄する工程とを備えてなる誘電体セラミックスの製造方法であって、上記粗粉砕する工程は、上記燃焼合成工程で得られた反応生成物を平均粒子径 10μm〜1000μm の粗粉末に粉砕する工程であることを特徴とする。
上記仮焼工程は、前記粗粉末を 900℃〜1250℃で大気中で仮焼する工程であることを特徴とする。
本発明の誘電体セラミックスの製造方法は、反応生成物(合成粉末)を粗粉砕して平均粒子径 10μm〜1000μm の粗粉末とし、該粗粉末の状態で仮焼するため、粗粉末と仮焼用坩堝等との固着を防止でき、作業性に優れる。合成粉末を例えば 900℃〜1250℃で大気中で仮焼処理することにより、粉末の結晶構造を安定化でき、酸素欠陥を除去でき、さらに残存するNaCl等の不純物を除去できる。また、製造工程が、(1)合成粉末を粗粉砕、(2)仮焼処理、(3)湿式ボールミル等により微粉砕、(4)乾燥となるので、従来の仮焼を含む製造工程より、湿式ボールミル等による微粉砕工程と乾燥工程とを1回分省略できる。この結果、合成粉末の回収効率の向上や、製造コストの削減を図れる。
本発明の誘電体セラミックスの製造方法は、比表面積が 0.01 m2/g〜2 m2/g の4族元素を含む金属粉末と、酸素供給源となる物質とを少なくとも含む反応原料においてそれぞれの粉末を所定割合で混合して原料粉末とする混合工程と、該混合工程で得られた原料粉末を断熱火炎温度が 1500℃以上である燃焼合成法により反応させる燃焼合成工程と、得られた反応生成物を粗粉砕する工程と、該粗粉砕した反応生成物を仮焼する仮焼工程と、該仮焼した反応生成物を微粉砕する工程と、該微粉末を洗浄する工程とを備えてなり、酸化物系の誘電体セラミックスを製造するための方法である。
特に、反応生成物を平均粒子径 10μm〜1000μm の粗粉末に粉砕して、該粗粉末の状態で仮焼工程を行なうことに特徴を有する。
本発明の誘電体セラミックスの製造方法における反応系であり、不純物となる副生塩を発生するものとしては、例えば、上記の4族元素を含む金属粉末と、酸素供給源となる物質と、2族元素を含む元素の炭酸塩とを含む反応原料を用いる反応系が挙げられる。なお、本発明は下記の反応系に限定されるものでない。
反応原料はそれぞれ所定割合で配合するが、燃焼合成反応において、例えばチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の場合、以下の化学反応式にしたがって生成する。下記式(1)において各反応原料は、4族金属粉末と2族炭酸塩とは反応に必要なそれぞれのモル質量に相当する量を配合するが、酸素供給源となるイオン結合性物質は反応に必要なモル質量以上を配合できる。

Ti+SrCO3+0.5NaClO4→SrTiO3+CO2↑+0.5NaCl--(1)
本発明に使用できる発熱源となる4族元素を含む金属粉末としては、4族A元素の金属粉末が好ましい。具体的には、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)が挙げられ、その中でも特にTiが誘電特性に優れるセラミックスが得られるので好ましい。なお、Tiとしては、Ti金属粉末の他、水素化Ti金属粉末を使用することもできる。
4族A元素は単独でもあるいは混合しても使用できる。また、これら4族A元素と同時に配合できる元素としては、ラザホージウム(Rf)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、アスタチン(At)等が挙げられる。
本発明に使用できる4族元素を含む金属の形状は、微粉末であることが好ましく、比表面積が 0.01〜2 m2/g である。燃焼波が伝播し、かつ取り扱いやすいので好ましい比表面積の範囲は 0.1〜0.6 m2/g である。比表面積が 0.01 m2/g 未満の場合、発熱源となる金属粉未と酸素供給源となる物質との接触面積が少ないため、燃焼波が伝播せず、誘電体セラミックスが合成できない場合がある。また、比表面積が 2 m2/g をこえる金属粉未は極めて活性であり、取り扱いが困難となるため好ましくない。本発明において、金属粉未の比表面積は、BET法により測定された値をいう。
燃焼合成に使用できる金属粉末は、平均粒子径が同一であっても、比表面積が異なると反応性に差が認められた。すなわち、球状よりも比表面積が大きくなる形状の金属粉末を用いると燃焼合成反応がより速やかに進行した。比表面積が大きくなる形状としては、球状粒子表面に複数の凹凸が形成された粒子、粒子全体としていびつな形状の粒子、またはこれらの組み合わせがある。
本発明に使用できる平均粒子径としては 150μm 以下、好ましくは 0.1〜100μm である。150μm をこえると、他の原材料との混合が十分でなくなり、燃焼波が伝播しない場合が生じる。表面に凹凸が形成された粒子またはいびつな形状の平均粒子径の測定方法は、画像解析法が好ましい。
また、金属粉末の一部を、同種の4族元素の金属酸化物に置き換えて、これらを併用することができる。TiO2 等の金属酸化物は、燃焼合成反応において反応希釈剤として働き、該金属酸化物の配合量を調整することで断熱火炎温度を制御できる。具体的には、金属酸化物の配合割合を上げると、反応の進行速度が低下し、断熱火炎温度が下がる。
本発明に用いる酸素供給源となる物質としては、加熱により酸素を発生させるイオン結合性物質等が配合される。該イオン結合性物質としては、KClO3、NaClO3、NH4ClO3等の塩素酸塩類、KClO4、NaClO4、NH4ClO4等の過塩素酸塩類、NaClO2などの亜塩素酸塩類、KBrO3などの臭素酸塩類、KNO3、NaNO3、NH4NO3等の硝酸塩類、NaIO3、KIO3等のよう素酸塩類、KMnO4、NaMnO4・3H2Oの過マンガン酸塩類、K2Cr27、(NH42Cr27等の重クロム酸塩類、NaIO4などの過よう素酸塩類、HIO4・2H2Oなどの過よう素酸類、CrO3などのクロム酸類、NaNO2などの亜硝酸塩類、Ca(ClO)2・3H2Oなどの次亜塩素酸カルシウム三水塩類等が挙げられる。
これらの中で過塩素酸塩類、塩素酸塩類、亜塩素酸塩類が好ましく、繰り返し純水で洗浄することで副生成物であるNaCl、KClを除去できるNaClO4、KClO4を用いることがより好ましい。さらにコストの面で有利なNaClO4を用いることが特に好ましい。
本発明における混合工程において、上記の各反応原料粉末の混合方法は、撹拌機による混合、または、乳鉢と乳棒を用いた混合等、特に制限されることなく採用できる。撹拌機としては、タンブラー、ヘンシェルミキサ、ボールミル等が挙げられる。量産性に優れるとともに、金属粉末や過酸化物粉末に対してせん断力等の負荷が少ないヘンシェルミキサやボールミル等を使用することが好ましい。
混合された原料粉末は、坩堝に投入して燃焼合成を行なうが、その坩堝の材質としては好ましくは非酸化物である炭素、炭化珪素、窒化珪素等が使用できる。これらの中で炭素材が熱伝導と形状加工性に優れているので好ましい。
混合された原料粉末を坩堝等へ投入する方法としては、原料粉末をパウダーベット状に敷き詰めたり、敷き詰めた後圧縮したり、ペレット状に押し固めたものを坩堝へ投入する方法等が使用できる。
燃焼合成工程において、所定割合で配合された原料粉末を燃焼合成法により反応させる。燃焼合成法の条件について、反応系の断熱火炎温度は 1500℃以上である。1500℃以上であれば、燃焼波が伝播するからである。
燃焼合成はチャンバー内で行なうが、その雰囲気としては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等の希ガス雰囲気が好ましい。なお、反応生成物の誘電特性を劣化させなければ、窒素ガス、炭酸ガス雰囲気等を利用することも可能である。また、酸素分圧を制御可能であれば、酸素ガスを使用することも可能である。
燃焼合成を開始させるための原料粉末への着火方法は、金属粉が着火発熱可能となる方法であれば特に限定されない。カーボンフイルムを着火発熱させて熱源とし、原料粉末に接触させて着火発熱させる方法が取り扱いに優れているので好ましい。燃焼合成反応は、約 1 秒〜60 秒で終了する。
反応生成物は、坩堝中において塊状である。この得られた塊状の反応生成物を粗粉砕して粗粉末とする。該反応生成物の粉砕は、該反応生成物を平均粒子径が 10μm〜1000μm 以下の粗粉末とできる粉砕方法であれば特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、乳鉢と乳棒等で行なうことができる。粗粉末の平均粒子径が 10μm 未満であると、仮焼工程において、接触面積の増加により仮焼用の坩堝と粗粉末とが固着しやすくなる。また、粗粉末の平均粒子径が 1000μm をこえると、仮焼工程において結晶構造の安定化や、不純物の除去を十分に行なうことができない。なお、粗粉末のより好ましい平均粒子径は、100μm〜1000μm である。
得られた粗粉末を仮焼用坩堝や仮焼用トレイに入れて仮焼する。これら坩堝等の材質としては、上記燃焼合成反応用の坩堝等と同材を使用できる。
仮焼処理条件は、反応生成物中に残存する未反応物や不純物の含有量にもよるが、仮焼温度は断熱火炎温度である 1500℃以下の 900℃〜1250℃が好ましく、仮焼時間は 0.5〜3 時間が好ましい。誘電特性を劣化させず、未反応物や不純物の含有量を減らすには、仮焼条件の低温領域で、長時間仮焼することが好ましい。この仮焼工程により、粉末の結晶構造を安定化でき、酸素欠陥を除去でき、さらに残存する未反応物やNaCl等の不純物を除去できる。
仮焼された粗粉末を微粉砕して微粉末とする。粗粉末の粉砕は、平均粒子径が 100μm 未満、好ましくは 10μm 未満となる粉砕方法であれば特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、乳鉢と乳棒等で行なうことができる。これらの中でも、10μm 未満に微粉末化しやすいことから、湿式ボールミルを用いることが好ましい。微粉末の平均粒子径が 100μm 以上となると、後工程の洗浄工程での洗浄が十分でなくなり、副生塩であるイオン結合性塩が残留しやすくなる。
得られた微粉末には、副生塩であるイオン結合性塩が若干量含まれている。例えばNaClO4 を原料に用いた場合はNaClが、KClO4 を原料に用いた場合はKClがそれぞれ生成する。水で洗浄することでこれらの副生塩を除去できる。洗浄後は乾燥させる。
副生塩類が燃焼合成反応後の粉末に存在すると焼結性等が阻害される。焼結性を阻害しない程度まで副生塩類を減らす基準としては、洗浄液の電気伝導率が 150μS/cm 以下である。すなわち洗浄回数、洗浄量の如何にかかわらず、上記合成粉末を水で洗浄したとき洗浄後の洗浄水の電気伝導率が 150μS/cm 以下であればよい。本発明では、上述のように仮焼を行なっているため、残存副生塩が少なく上記条件を満たす洗浄回数等が少なくてよい。
以上の工程により誘電体セラミックス(合成粉末)が得られる。また、用途に応じて乾燥後、該粉末を焼結してもよい。焼結するとき、ポリビニルブチラールなどの成形用粘結剤を配合できる。焼結条件としては、10〜100 MPa の圧力で成形後、大気雰囲気下、1200〜1500℃の温度で焼成する条件が挙げられる。
以上の燃焼合成法により得られる誘電体セラミックスは、燃焼合成後の焼結体特性に優れ、理論密度に近く緻密化されるので、誘電体アンテナ、コンデンサ、共振器、圧力センサ、超音波モータ等に好適に使用できる。
実施例1〜実施例4、比較例1および比較例2
Ti粉末(住友チタニウム社製TSP−350 比表面積 0.3 m2/g)と、SrCO3(和光純薬工業社製試薬)と、NaClO4(和光純薬工業社製試薬)とを反応原料として用い、上記式(1)に示すモル比でボールミルを用いて 5 時間混合することにより混合粉末を得た。合成装置内のチャンバー内にカーボン坩堝を設置し、混合粉末をカーボン坩堝内に敷き詰め、着火用のカーボンフイルムを混合粉の一部と接触させて、チャンバーを閉じた。真空ポンプを用いて、チャンバー内の残留酸素を減少させた後、アルゴン(Ar)ガスを封入し、チャンバーの内圧を 0.1 MPa とした。
該反応において燃焼波が伝播し、燃焼合成法により塊状の合成粉末(SrTiO3)と副生成物(NaCl)が得られた。なお、Ti粉末として比表面積 0.005 m2/g を用いた場合には、燃焼波が伝播せず合成粉末が得られなかった。
この塊状の合成粉末をアルミナ製乳鉢を用いて粉砕し、表1に示す平均粒子径(仮焼前粉末)に調整した後、表1に示す条件で仮焼処理を行なった。
仮焼後の合成粉末を湿式ボールミルを用いて粉砕し、平均粒子径が 1μm の微粉末とした。これを十分水洗し、この粉末に付着したNaClを除去した後、乾燥して誘電体セラミックスの粉末を得た。
比較例3
実施例1と同様に燃焼合成反応により合成粉末を得た後、仮焼処理は行なわずに湿式ボールミルを用いて粉砕し、平均粒子径が 1μm の微粉末とした。これを十分水洗し、この粉末に付着したNaClを除去した後、乾燥して誘電体セラミックスの粉末を得た。
各実施例および比較例について、誘電体セラミックス粉末の回収量(反応原料量に基づく理論値を 100重量% としたときの重量%)を測定した。また、得られた誘電体セラミックス粉末について比誘電率および誘電正接を以下の方法で測定した。
粉末に成形用バインダ(ポリビニルブチラール樹脂)を 1 重量%添加して混合した。次に混合粉末を 10 mm×80 mm の金型に投入し、1.5 トン/cm2 の圧力を加えてグリーン体(10 mm×90 mm×3 mm )を得た。このグリーン体を 600℃で 1 時間保持し、有機分を除去した後、1300℃で 3 時間焼成した。得られた焼結体を 70 mm×1.5 mm×1.5 mm の試験片に加工し、空洞共振器法を用いて、1、5 GHz の周波数帯で比誘電率および誘電正接を測定した。ここで、比誘電率および誘電正接は 25℃での値である。結果を表1に示す。
Figure 0005069444
本発明の誘電体セラミックスの製造方法は、燃焼合成反応後に仮焼を効率的に行なうことで、高品位な酸化物系の誘電体セラミックスを安価に製造できるので、アンテナ、コンデンサ、共振器、フィルター、圧力センサ、超音波モータ等の電子部品分野における誘電体セラミックスの製造に好適に利用できる。

Claims (2)

  1. 比表面積が 0.01 m2/g〜2 m2/g の4族元素を含む金属粉末と、2属炭酸塩と、酸素供給源となる加熱により酸素を発生させるイオン結合性物質とを少なくとも含む反応原料においてそれぞれの粉末を所定割合で混合して原料粉末とする混合工程と、該混合工程で得られた原料粉末を断熱火炎温度が 1500℃以上である燃焼合成法により反応させる燃焼合成工程と、得られた反応生成物を粗粉砕する工程と、該粗粉砕した反応生成物を仮焼する仮焼工程と、該仮焼した反応生成物を微粉砕する工程と、該微粉末を洗浄する工程と、該微粉末を焼結する焼結工程とを備えてなる誘電体セラミックスの製造方法であって、
    前記粗粉砕する工程は、前記燃焼合成工程で得られた反応生成物を平均粒子径 10μm〜1000μm の粗粉末に粉砕する工程であり、
    前記仮焼工程は、前記粗粉末を粉末状態のまま 900℃〜1250℃で大気中で仮焼する工程であり、
    前記焼結工程は、前記微粉末を所定形状に成形後、焼成する工程であることを特徴とする誘電体セラミックスの製造方法。
  2. 前記仮焼工程における仮焼温度が900℃〜1100℃であり、前記焼結工程における焼成温度が1200℃〜1500℃であることを特徴とする請求項1記載の誘電体セラミックスの製造方法。
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