JP5069259B2 - 半導体回路装置 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御して電圧変換等を行う半導体回路装置に係り、特に、前記半導体スイッチ素子を、その電流オフ動作時に発生しうる過電圧から保護する技術に関するものである。
従来、昇圧電力システムや降圧電力システムは、インダクタにエネルギーを充放電することで電圧を変換してきたが、近年、コンデンサにエネルギーを充電し、電圧を変換するシステムが提案されている。例えば、特許文献1に示すスイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置等のコンデンサ電力変換システムにおいては、コンデンサに充電したエネルギーを、スイッチの切り替えにより電力を移行させ、電力変換を行う提案がなされている。
上記電力変換システムにおいては、LC直列回路が構成され、その共振動作により高い効率を実現している。そのため、正常動作時には零電流スイッチングが可能であり、半導体スイッチ素子には、そのオフ動作時に電流遮断に伴うサージ電圧がほとんど発生しないという特長がある。
ところで、この種の半導体回路装置における異常動作において、過電流による半導体スイッチ素子の損傷防止や、制御電圧の低下などにより制御不能となることを防止する為、当該半導体スイッチ素子を遮断(オフ)することがある。このとき、半導体スイッチ素子に電流が流れていると非常に高いサージ電圧が発生しこれが半導体スイッチ素子に印加され耐圧破壊を起こす可能性がある。
このように、電流が流れているときに半導体スイッチ素子を遮断する場合の耐圧破壊を防止する対策として、先ず、半導体スイッチ素子の耐圧を高めること、スイッチングスピードを制限すること、また、CRDスナバ回路によりサージ電圧を抑制することにより過電圧から半導体スイッチ素子を保護する方法が採用されてきた。
しかし、半導体スイッチ素子の耐圧を高めることは、例えば、FET(電界効果型トランジスタ、MOSFETやJ−FET、SiC MOSFET等、以下FETと略す)であればオン抵抗が高くなりコストも高くなる。また、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)であればオン電圧の上昇やコスト高により、電力変換効率の低下と部品のコスト高を招くことがあった。
また、上述のコンデンサ電力変換システムにおいては、共振周波数をより高くすることでコンデンサの小容量化による小型化/軽量化が可能であるが、上記対策のため半導体スイッチ素子のスイッチングスピードを制限することは、共振周波数を低く設定することになり、装置の大型化/重量増加を招く恐れがある。
更に、上記対策として、CRDスナバ回路を使用する場合は、半導体スイッチ素子のスイッチング動作に伴い毎回発生するCRDスナバ回路への充放電による電力損失が発生する。そのため、上述のスイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置においては、共振周波数が高く損失が大幅に増加する、また、多数の半導体スイッチ素子を使用することから、CRDスナバ回路の部品点数が増加するなどの理由により高効率化/小型化/軽量化/低コスト化には向かない。
また、半導体スイッチ素子をFETとした場合、FETのアバランシェ動作によりサージエネルギーの吸収が可能であるが、FETのアバランシェ損失の許容エネルギーは定格電流で保証されているものが一般的であるため、定格電流条件を上回る過電流状態(過負荷保護やアーム短絡など)からの保護にはそぐわない。
上記対策の別法として、例えば、特許文献2、特許文献3では、半導体スイッチ素子に過電圧が印加された場合、オフ動作中の当該半導体スイッチ素子のゲートを制御し、その耐圧を越えないようにする保護方式の提案がなされている。
即ち、特許文献2、3に紹介された保護方式は、半導体スイッチ素子の主回路端子間に非線形素子を接続しておき、所定の過電圧設定値を越える過電圧が発生したとき、当該非線形素子が非線形動作することで流れる電流に基づき半導体スイッチ素子をオン駆動させその主回路端子間をクランプ(橋絡状態とする)して当該半導体スイッチ素子を過電圧から保護するものである。
但し、その際、この非線形素子に存在する浮遊容量を介して流れる変位電流に起因して当該半導体スイッチ素子が誤ってオンする、換言すると、上記クランプ回路が誤動作する可能性があるが、両文献には、この非線形素子に流れる変位電流を分流する、抵抗素子やコンデンサ素子からなる分流用インピーダンス素子を設けることで、上記クランプ回路の誤動作を防止し、また、変位電流によるスイッチング損失の増加を防止することにも言及されている。
特開2006−262619号公報 特許第3911204号公報 特許第4091793号公報
しかし、特許文献2や3に紹介された誤動作防止策を、特許文献1に開示されたような、多数の半導体スイッチ素子を使用するスイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置に適用した場合、変位電流を防止する為の容量としては、各々の非線形素子の容量最大値を考慮する必要があり、この容量の個別バラツキや温度特性をも考慮すると、保護動作までの遅れにより、保護電圧が上昇し、スイッチング素子の耐圧には更なる余裕が必要となる場合がある。また、容量を小さくすると、変位電流の影響を排除しきれず、バラツキによる一部のスイッチング素子に変位電流によるスイッチング速度低下が発生する為、共振周波数を十分に高くできない可能性がある。
また、スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置は高周波数で駆動する為、特許文献2、3に記載の回路をそのまま使用した場合は、変位電流を防止する為の容量への充電が頻繁に行われる。そのことにより、変位電流を分流するコンデンサ素子の両端電圧が上昇し、サージ電圧を制限するクランプ回路が誤動作する可能性が想定される。
また、変位電流分流用コンデンサ素子に並列に抵抗素子を取りつけることが必要となる場合があり(特許文献3の図6参照)、この抵抗素子は、周波数が高くなるにつれ小さくしなければならない。この場合、分流用の抵抗素子を小さくすると、クランプ回路動作時の非線形素子(例えば、ツェナダイオード)から分流用抵抗素子に流れる電流が増加し、下式に示すように、非線形素子に要求される電力が非常に大きくなってしまい、長期信頼性にも劣るという弊害も発生する可能性がある。
P=Vz×I×t×f
P:ツェナダイオードに要求される電力
Vz:ツェナダイオードの電圧
I:ツェナダイオード動作時の回路電流
t:ツェナダイオード動作時間
f:動作周波数
この発明は、以上のような従来の課題を解決するためになされたもので、半導体スイッチ素子自体の耐圧を高める等コスト面、効率面で不利となる保護対策ではなく、半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき半導体スイッチ素子をオンすることによりその主回路端子間をクランプするクランプ回路を使用した過電圧保護対策を採用するとともに、当該クランプ回路の誤動作を効果的に抑制しうる半導体回路装置を得ることを目的とする。
この発明に係る半導体回路装置は、主回路端子と制御用のゲート端子とを有する半導体スイッチ素子、前記半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する制御信号生成回路、動作の異常を検出する異常検出回路、前記制御信号生成回路からの制御信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオンオフする駆動信号および前記異常検出回路による異常検出信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオフする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するゲート駆動回路、および前記半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき前記半導体スイッチ素子の主回路端子間をクランプして前記半導体スイッチ素子を過電圧から保護するために前記半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ回路を備えた半導体回路装置において、
前記クランプ回路の誤動作の確率を抑制するため、前記クランプ回路の動作が、所定の時間帯のみ有効で当該時間帯以外では無効となるよう、前記クランプ回路の動作の有効無効を制御するクランプ動作制御回路を備えたものであって、 正常時は前記半導体スイッチ素子のスイッチング動作を零電流で行うように制御する場合、
その第1の発明の前記クランプ動作制御回路は、前記正常時は前記クランプ回路の動作を無効としておき、前記異常検出回路から異常検出信号が出力されたときは前記ゲート駆動回路から前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出される駆動信号より早いタイミングで前記クランプ回路の動作を有効とするようにしたものである。
また、その第2の発明の前記クランプ動作制御回路は、前記制御信号生成回路からオンの制御信号が出力されている時間帯では前記クランプ回路の動作を有効とし、前記制御信号生成回路からオフの制御信号が出力されている時間帯では前記クランプ回路の動作を無効とするようにしたものである。
更に、その第3の発明の前記クランプ動作制御回路は、前記制御信号生成回路からオンの制御信号が出力されている時間帯とこの時間帯に続く前記零電流の時間帯では前記クランプ回路の動作を有効とし、前記零電流の時間帯の終期から次の周期の前記制御信号生成回路からのオンの制御信号の始期までの時間帯では前記クランプ回路の動作を無効とするようにしたものである。
この発明に係る半導体回路装置は、以上のように、クランプ回路を使用して半導体スイッチ素子を過電圧から保護するものであるので、半導体スイッチ素子自体の耐圧を高める等、コスト面、効率面で不利となる保護対策の採用を回避することができる。
更に、上記した、クランプ回路の動作の有効無効を制御する上記した各種のクランプ動作制御回路を備えたので、クランプ回路採用に伴う当該回路の誤動作を効果的に抑制することができる。従って、低コスト、省エネルギー、長期信頼性といった各種の利点が得られる。
この発明の実施の形態1における半導体回路装置の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1における半導体回路装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 実施の形態2として列挙する、本願発明に係る半導体回路装置の変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態3における半導体回路装置の構成を示す部分回路図である。 この発明の実施の形態4における半導体回路装置の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態5における半導体回路装置の構成を示す回路図である。 図16のタイミング回路12の内部構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態5における半導体回路装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態6における半導体回路装置の構成を示す回路図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における半導体回路装置の構成を示す回路図である。先ずその主回路の構成は、例えば、特許文献1に記載されたスイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置を想定したもので、以下、その構成および動作の概要を説明する。
スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置1は、低電圧側直流電源となる平滑コンデンサCLと高電圧側直流電源となる平滑コンデンサCHとの間に接続される。
スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置1は、4個の半導体スイッチ素子としてのMOSFET(以下、スイッチと略称する)Sw1〜Sw4、コンデンサCeおよびインダクタLrを備えており、図1に示す通りに接続されている。
主回路の部分の動作は、特許文献1に詳述されているのでここではその概要に留めるが、スイッチSw2、Sw3の同時導通とスイッチSw1、Sw4の同時導通とを交互に切り替えることにより、低電圧側端子2、2a間の電圧VLと高電圧側端子3、3a間の電圧VHとの電圧比を1:2とする直流電圧変換動作を行う。
そして、スイッチSw2、Sw3およびスイッチSw1、Sw4をオンオフする駆動信号のスイッチング周波数を、コンデンサCeとインダクタLrとで決まる直列共振周波数に一致させることにより、各スイッチSw1〜Sw4のスイッチング動作を零電流で行うものである。
次に、スイッチSw3を例に、そのゲート端子Gに送出する駆動信号を制御するゲート制御回路4について説明する。なお、ここでは、例えば、特許文献2または3に記載されたゲート制御回路を基に構成している。
制御信号生成回路5は、スイッチSw3を、コンデンサCeとインダクタLrとで決まる直列共振周波数に相当する所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する。異常検出回路6は、スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置1の装置内または関連する回路における、例えば、過電流、過電圧等の動作の異常を検出する。
ゲート駆動回路7は、制御信号生成回路5からの制御信号に基づきスイッチSw3をオンオフする駆動信号および異常検出回路6による異常検出信号に基づきスイッチSw3をオフする駆動信号をスイッチSw3のゲート端子Gに送出する。
更に具体的には、制御電源(電圧Vcc)の正極と負極との間に、トランジスタQ2、抵抗Ron、抵抗RoffおよびトランジスタQ1の直列回路が接続されている。制御信号生成回路5からの制御信号は、トランジスタQ1、Q2のベース端子に入力される。抵抗Ronと抵抗Roffとの接続点にスイッチSw3のゲート端子Gが接続されている。
そして、制御信号生成回路5からの制御信号がHレベルの期間では、トランジスタQ2がオンしトランジスタQ1がオフし、制御電源からトランジスタQ2、抵抗Ronを介してスイッチSw3をオンする駆動信号がそのゲート端子Gに送出される。また、制御信号がLレベルの期間では、トランジスタQ2がオフしトランジスタQ1がオンし、ゲート端子Gの電圧Vgは抵抗Roff、トランジスタQ1を介して接地されスイッチSw3はオフする、換言すれば、スイッチSw3をオフする駆動信号がそのゲート端子Gに送出されるわけである。
クランプ回路8は、スイッチSw3の主回路端子間、即ち、ソース端子Sドレイン端子D間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたときスイッチSw3の主回路端子S、D間をクランプしてスイッチSw3を過電圧から保護するためにスイッチSw3をオンする駆動信号をスイッチSw3のゲート端子Gに送出する。
更に具体的には、ツェナダイオード等の非線形素子ZDおよび分流用抵抗素子(以下、抵抗と略称する)RS1と分流用コンデンサ素子(以下、コンデンサと略称する)CS1とを並列に接続してなる分流用インピーダンス素子を直列に接続してスイッチSw3のドレイン端子Dソース端子S間に接続されている。制御電源の正極とスイッチSw3のゲート端子Gとの間にクランプ駆動回路としてのトランジスタQ3が接続され、このトランジスタQ3のベース端子は、抵抗RBを介して非線形素子ZDと抵抗RS1との接続点である非線形素子ZDのアノード端子に接続されている。
そして、異常検出信号に基づき、スイッチSw3が過電流を遮断(オフ)する際、当該過電流によりそのドレイン端子Dソース端子S間に発生する電圧が所定の過電圧設定値(非線形素子ZDの降伏電圧に相当)を越えると、非線形素子ZDの非線形動作でスイッチSw3のドレイン端子Dから抵抗RBを介してトランジスタQ3のベース端子に電流が供給されトランジスタQ3がオンしてスイッチSw3をオンする駆動信号がそのゲート端子Gに送出されスイッチSw3のドレイン端子Dソース端子S間をクランプしてスイッチSw3を過電圧から保護するわけである。
なお、記述した通り、スイッチSw3のドレイン端子Dソース端子S間に発生する電圧が所定の過電圧設定値に至るまでの段階においても、非線形素子ZDに存在する浮遊容量を介してトランジスタQ3のベース端子に変位電流が流入し、その大きさによっては、トランジスタQ3がオンしてスイッチSw3がオン、従って、クランプ回路8が誤動作する可能性がある。抵抗RS1とコンデンサCS1は、この非線形素子ZDからの変位電流を分流することで、トランジスタQ3に流入する変位電流成分を抑制して誤動作を防止するわけである。
クランプ動作制御回路9は、本願発明の要部に該当する部分で、抵抗RS1と並列に接続されたクランプ動作制御スイッチとしてMOSFET(以下、スイッチと略称する)Q4と抵抗RS2とを直列に接続したものからなる。そして、スイッチQ4のゲート端子は異常検出回路6に接続されている。
なお、スイッチQ4は、MOSFETに限らず、他の種類のスイッチ素子、例えば、トランジスタやIGBTであってもよく、抵抗RS2は、後段でも触れるように、場合により、省略してもよい。
次に、クランプ動作制御回路9を中心に本願発明の動作について、タイミングチャートを示す図2を参照して説明する。図2(a)は、制御信号生成回路5からの制御信号の波形を示し、Hレベルの期間では、上述した通り、トランジスタQ2がオンしトランジスタQ1がオフし、制御電源からトランジスタQ2、抵抗Ronを介してスイッチSw3をオンする駆動信号がそのゲート端子Gに送出される。また、制御信号がLレベルの期間では、トランジスタQ2がオフしトランジスタQ1がオンし、スイッチSw3をオフする駆動信号がそのゲート端子Gに送出される。
図2(b)は、異常検出回路6からの異常検出信号を示す。制御信号のスイッチング周波数は、コンデンサCeとインダクタLrとで決まる直列共振周波数に一致させているので、異常検出信号がLレベル、従って、正常動作時においては、図2(c)に電流iを示すように、スイッチSw3はスイッチング動作を零電流で行っている。
図2(d)は、スイッチSw3のドレイン端子Dソース端子S間の電圧Vdsで、図示の通り、正常動作時は、オンの期間ではほぼ零で、オフの期間では、一定の電圧に収まっている。
図2(e)は、トランジスタQ3のベース端子に入力される電圧で、スイッチQ4によるクランプ動作制御の結果を示すものとなる。即ち、ここでは、スイッチQ4は、そのゲート端子への入力がLレベルのときはオンし、Hレベルのときはオフするよう設定されている。従って、正常動作時で異常検出信号がLレベルのときは、スイッチQ4はオンしており、非線形素子ZDに流れる変位電流は、抵抗値が抵抗RS1に対して十分小さく設定された抵抗RS2とスイッチQ4とを介して、そのほとんどが分流され、トランジスタQ3のベース端子の電圧はほぼ零に保持されている。換言すると、クランプ回路8の動作を無効としているわけである。
ここで、時刻tに回路のどこかで異常が発生し、異常検出回路6が異常検出信号を出力、従って、異常検出信号がLレベルからHレベルに立ち上がると、直ちにスイッチQ4がオフする。これによって、抵抗RS2とスイッチQ4の回路がオープンとなり、クランプ回路8の動作が有効となる。
また、異常検出信号がHレベルに立ち上がることで、回路を保護するため、ゲート駆動回路7からスイッチSw3をオフする駆動信号がそのゲート端子Gに送出され、スイッチSw3による主回路電流遮断動作がなされるが(図2は、支障なく電流遮断動作が実行された場合を示す)、この時点では、クランプ回路8の動作が有効な状態となっているので、従来の通り、過電流遮断の条件によって電圧Vdsが非線形素子ZDの降伏電圧に相当する過電圧設定値を越えたときは、クランプ回路8が確実に動作することにより、スイッチSw3が過電圧から保護されることになる。
なお、ここで厳密には、異常検出信号がHレベルに立ち上がってゲート駆動回路7がスイッチSw3をオフする駆動信号を立ち上げる時点で、それまでは動作無効とされていたクランプ回路8の動作が有効となる状態にしておく必要がある。具体的には、ゲート駆動回路7のトランジスタQ2がオフしトランジスタQ1がオンするタイミングよりもスイッチQ4がオフするタイミングが早くなるように設定しておく必要がある。
もっとも、実際の装置設計においては、異常検出信号の立ち上がりを受け制御信号生成回路5を経てゲート駆動回路7のトランジスタQ2をオフ、トランジスタQ1をオンする迄には、数十〜百数十nsecの遅れ時間が生じ、異常検出信号を受けて直接スイッチQ4がオフするタイミングが先行することになるのが通例であり、上述した必要条件の確保は容易になし得るものである。
なお、以下では、本願発明になるクランプ動作制御回路9の実現に際し、加味すべき更に具体的な内容について説明する。
即ち、スイッチQ4をオンしてクランプ回路8の動作を無効とする場合において、非線形素子ZDに流れる変位電流が抵抗RS2に流れることで発生する電圧により抵抗RBおよびトランジスタQ3を通じてスイッチSw3のゲート端子Gの電圧が不要に上昇しないよう十分留意する必要がある。
具体的には、スイッチQ4がオンしたときの電圧をV(Q4)、変位電流が流れたときの抵抗RS2の電圧をV(RS2)とすると、下式(1)を満たすようにすることが望ましい。
V(Q4)+V(RS2)≦Vth ・・・(1)
ここで、Vthは、スイッチSw3のゲート閾値電圧で、概ね、スイッチSw3に定格電流の1/10000の電流が流れるときのゲート電圧に相当する。
上式からは、抵抗RS2の抵抗値は小さい方がよいが、零とすると、コンデンサCS1に充電された電荷がスイッチQ4のオン動作で短絡されることになるので、上式を満足する範囲で一定の抵抗値の抵抗RS2を挿入することが望ましい。
但し、スイッチQ4にMOSFETを採用し、一般にそのオン抵抗が高い場合は、そのオン抵抗で上記短絡電流が抑制されるので、抵抗RS2の挿入を省略してもよい。
逆に、抵抗RS2の抵抗値の上限としては、下式(2)を満たす範囲で設定することが可能である。
V(Q4)+V(RS2)≦Vth+V(Q3)+V(RB) ・・・(2)
ここで、V(Q3)およびV(RB)は、トランジスタQ3がオンすることがないと想定される程度のベース電流(例えば、Vth/Roffの1/10の電流)が流れたとしたときのトランジスタQ3のベース端子エミッタ端子間電圧および抵抗RB(トランジスタQ3のベース抵抗)の電圧が相当する。
この発明の実施の形態1における半導体回路装置は以上のように構成されているので、以下に列挙する有用な効果が期待できる。
即ち、特に、スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置のように、正常動作時にはサージ電圧が発生しない動作形態のスイッチング回路において、正常動作時はクランプ回路8の動作を無効としておき、万一制御異常や保護動作において電流が流れている期間にオフ動作を行う異常発生時はクランプ回路8の動作を有効としているので、スイッチSw1〜Sw4を確実に保護することができる。
しかも、従来の装置では、既述したように、変位電流によるクランプ回路8の誤動作を防止するため分流用コンデンサ素子CS1の容量については、非線形素子ZDの個別ばらつきや温度特性を考慮することにより容量の増加が避けられなかったが、本発明により従来ほど考慮することが不要となるため、保護動作までの遅れを適切に設定でき、半導体スッチ素子の耐圧をよりその限界まで検討することが可能となる。
また、変位電流を分流吸収するコンデンサ素子の容量を最適に設定することが可能となるため、サージ電圧抑制のためにスイッチング速度を制限することが不要となり、スイッチング速度の低下を防止でき、共振周波数を十分に高く設定でき、装置の小型化/軽量化を実現することが可能となる。
更に、クランプ動作を有効としている期間以外では、分流用コンデンサ素子CS1に充電された電荷を放電しているため、高周波駆動においても放電時間不足による分流用コンデンサ素子CS1の両端電圧の上昇を防止でき、クランプ回路が誤動作する可能性を大幅に低く抑えることができる。
また、変位電流分流用に分流用コンデンサ素子CS1に並列に取り付けられる分流用抵抗素子RS1を大きく設定することが可能であるため、クランプ回路動作時の非線形素子ZDから分流用抵抗素子RS1に流れる電流を抑えることができ、非線形素子ZDの要求電力を低く設定することができる。これにより、非線形素子ZDに流れる電流を分流用抵抗素子RS1により適切に設定できることから、動作電圧のバラツキ精度がさらに向上するといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
実施の形態2.
先の実施の形態1におけるクランプ動作制御回路9を適用可能な、他の回路例図3〜13を実施の形態2として以下に示す。但し、いずれの回路も、このクランプ動作制御回路9を除く部分は、特許文献2または3に記載されたものと同様であるので、個々の特徴については説明を省略する。
なお、図3の回路は、抵抗RBの挿入位置を除いて図1の回路と全く同一であるが、クランプ動作制御回路9との関係で言えば、抵抗RS2の一端をトランジスタQ3のベース端子に直接接続する構成としている。この場合、抵抗RS2の抵抗値の上限としては、下式(3)を満たす範囲で設定することが可能である。
V(Q4)+V(RS2)≦Vth+V(Q3) ・・・(3)
これらの回路例の内、図8〜13では、分流用インピーダンス素子としてコンデンサCS1と抵抗RS1との並列体で示しているが、いずれか一方のみから構成するようにしてもよい。
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3を示すもので、先の図1等の、特にトランジスタQ3の動作に関連して採用する変形例を示す部分図である。
図14(a)は、トランジスタQ3のエミッタ端子とスイッチSw3のゲート端子Gとの間に抵抗Rg2を挿入したものである。トランジスタQ3の動作は一般に非常に速いため、トランジスタQ3のオン動作でゲート電圧Vgが急激に変化し、スイッチSw3がオン−オフを繰り返すなどの異常発振となる可能性がある。抵抗Rg2を挿入することで、ゲート電圧Vgの変化が円滑になり不要な異常発振の現象がない安定した動作特性が得られる。
図14(b)は、トランジスタQ3のエミッタ端子とスイッチSw3のゲート端子Gとの間にダイオードD1を挿入したものである。トランジスタQ2とスイッチQ4がオンしている期間、ゲート電圧Vgの上昇により、トランジスタQ3のベース端子エミッタ端子間に逆電圧が印加され、この電圧VbeがトランジスタQ3の定格値を越える不具合が発生する可能性がある。ダイオードD1を挿入することにより、この不具合の発生を未然に防止することができる。
図14(c)は、同図(a)、(b)の双方を採用したもので、両者の利点を発揮するものである。
実施の形態4.
図15は、この発明の実施の形態4を示すもので、図中、制御IC10は、先の図1等の、特に制御信号生成回路5、異常検出回路6およびクランプ動作制御回路9の部分をIC(集積回路)化したものである。共通仕様とできるこれら部分のみをIC化し、ゲート駆動回路7およびクランプ回路8はIC化の対象外とすることで、クランプする電圧は個々の機器使用により種々の値を採用でき、トランジスタQ1、Q2、Q3もスイッチSw3のゲート特性に最適なものを採用でき、しかも、IC化を施した部分の部品点数の削減により、組み立て工数の削減、信頼性の向上といった従来にない顕著な効果を奏する。
実施の形態5.
図16は、この発明の実施の形態5における半導体回路装置の構成を示す回路図である。スイッチSw1〜4、コンデンサCe、インダクタLrを含む主回路の構成、および制御信号生成回路5、ゲート駆動回路7、クランプ回路8を含むゲート制御回路4の構成は、基本的には先の実施の形態1の図1で示す構成と同一であり、個々の再度の説明は省略する。
図16では、異常検出回路6の図示を省略しているが、ここでは、制御信号生成回路5に内蔵されており、先の実施の形態1の場合と同様、制御信号生成回路5は、異常検出回路6による異常検出信号に基づきスイッチSw3をオフする駆動信号をスイッチSw3のゲート端子Gに送出する。
クランプ動作制御回路11は、スイッチQ4をオフすることでクランプ回路8の動作を有効としスイッチQ4をオンすることでクランプ回路8の動作を無効とする点は、先の実施の形態1のクランプ動作制御回路9と全く同様であるが、スイッチQ4をオンオフする駆動信号が実施の形態1の場合と異なる。
即ち、タイミング回路12を備え、制御信号生成回路5からの制御信号に基づきクランプ動作制御回路11のスイッチQ4をオンオフする駆動信号(タイミング信号)を送出する。
図17は、タイミング回路12の回路構成例を示す。ここでは、CR回路を利用しその時定数を適当に設定することで、制御信号に基づき所望のタイミング信号を生成している。なお、CR回路ではなく、単安定マルチバイブレータやディレイIC等を利用したものとしてもよい。
以下、クランプ動作制御回路11を中心に、この発明の実施の形態5における半導体回路装置の動作について、タイミングチャートを示す図18を参照して説明する。
図18(a)は、制御信号生成回路5からの制御信号の波形を示し、Hレベルの期間では、トランジスタQ2がオンしトランジスタQ1がオフし、制御電源からトランジスタQ2、抵抗Ronを介してスイッチSw3をオンする駆動信号がそのゲート端子Gに送出される。また、制御信号がLレベルの期間では、トランジスタQ2がオフしトランジスタQ1がオンし、スイッチSw3をオフする駆動信号がそのゲート端子Gに送出される。
図18(b)は、スイッチSw4(Sw1)のゲート端子に送出される制御信号Bを示す。
制御信号のスイッチング周波数は、コンデンサCeとインダクタLrとで決まる直列共振周波数に一致させているが、具体的な適用においては、これら各コンデンサCeおよび各インダクタLrの容量値のバラツキによる共振周波数のバラツキを考慮する必要がある、更には、正側負側スイッチ、例えば、スイッチSw3とSw4とが同時にオンとなる直流電源の短絡は防止する必要があるため、図18に多少誇張して示すように、オンの制御信号が出力されている時間帯に続き所定のデッドタイムを設定しており、図18(c)に示すように、この時間帯では電流iは零となる。以下ここでは、このデッドタイムを設定した場合について説明するものとする。
いずれにしろ、スイッチSw3がスイッチング動作を零電流で行っている点は、先の実施の形態1の場合と変わりはない。
図18(d)は、タイミング回路12からスイッチQ4に送出されるタイミング信号を示し、制御信号生成回路5からオンの制御信号が出力されている時間帯とこの時間帯に続く零電流の時間帯でHレベル、零電流の時間帯の終期から次の周期のオンの制御信号の始期までの時間帯ではLレベルとなるタイミング信号をスイッチQ4に送出する。
図18(e)は、スイッチSw3のドレイン端子Dソース端子S間の電圧Vdsで、図示の通り、正常動作時は、オンの期間およびそれに続く電流零の期間ではほぼ零で、オフの期間では、一定の電圧に収まっている。
図18(f)は、トランジスタQ3のベース端子に入力される電圧で、スイッチQ4によるクランプ動作制御の結果を示すものとなる。即ち、ここでは、スイッチQ4は、そのゲート端子への入力がLレベルのときはオンし、Hレベルのときはオフするよう設定されている。従って、タイミング信号がLレベルのときは、スイッチQ4はオンしており、非線形素子ZDに流れる変位電流は、抵抗値が抵抗RS1に対して十分小さく設定された抵抗RS2とスイッチQ4とを介して、そのほとんどが分流され、トランジスタQ3のベース端子の電圧はほぼ零に保持されている。換言すると、クランプ回路8の動作を無効としているわけである。
逆に、タイミング信号がHレベルのときは、スイッチQ4はオフしており、抵抗RS2とスイッチQ4の回路がオープンとなり、クランプ回路8の動作が有効となる。
次に、回路のどこかで異常が発生した場合の動作について説明する。スイッチSw3について言えば、その保護が問題となるのは、当該スイッチSw3に電流が流れている期間において発生する異常を対象とすればよいので、図18に示すように、今、時刻tで図16では図示を省略している異常検出回路が異常検出信号を出力すると、先の実施の形態1の場合と同様、回路を保護するため、この異常検出回路から制御信号生成回路5、ゲート駆動回路7を経てスイッチSw3をオフする駆動信号がそのゲート端子Gに送出され、スイッチSw3による主回路電流遮断動作がなされる。
そして、この時点では、クランプ回路8の動作が有効な状態となっているので、従来の通り、過電流遮断の条件によって電圧Vdsが非線形素子ZDの降伏電圧に相当する過電圧設定値を越えたときは、クランプ回路8が確実に動作することにより、スイッチSw3が過電圧から保護されることになる。
なお、図18に示すデッドタイムでは、電流が零であり、通常であれば、スイッチSw3に過電圧が印加されることはないが、例えば、何らかの原因で、制御信号生成回路5での制御信号生成処理に異常が発生してオン信号の期間が急変したり、コンデンサCeやインダクタLrの容量値の経時変化で共振周波数が小さくなって、スイッチSw3に電流が流れているにも拘わらずスイッチSw3をオフする動作がなされた場合でも、この実施の形態5では、この期間においても、クランプ動作制御回路11は、クランプ回路8を有効な状態に維持しているので、たとえ、このオフ動作に伴い過電圧が発生してもスイッチSw3は当該過電圧から確実に保護されるわけである。
従って、必要とする保護システムによっては、クランプ動作制御回路11は、簡単に、制御信号生成回路5からオンの制御信号が出力されている時間帯ではクランプ回路8の動作を有効とし、オフの制御信号が出力されている時間帯ではクランプ回路8の動作を無効とする構成としてもよい。この場合は、制御信号生成回路5からの制御信号で直接スイッチQ4を制御できるので、タイミング回路12が不要となりその分回路が簡便となる利点がある。
なお、タイミング回路12での時間の設定、即ち、クランプ回路8の動作をオンの期間から延長して有効とする時間を設定する場合、以下に示す通り、非線形素子ZDがクランプ動作した場合の動作時間Tについて考慮しておく必要がある。
先ず、このクランプ動作で吸収するエネルギーE1は、コンデンサCeからスイッチSw3までの配線インダクタンスをL、そのインダクタンスに流れる電流をIpとすると、下式(4)で求まる。
E1=(1/2)×L×Ip ・・・(4)
また、クランプする最大電圧をVclampとすると、電圧をクランプした状態でサージエネルギーをスイッチSw3が吸収するエネルギーE2は、電流がエネルギーの減少に応じて直線的、従って三角波状に減少するとして下式(5)で求まる。
E2=(1/2)×Ip×Vclamp×T ・・・(5)
ここで、Tは、サージエネルギーを消費するのに要する時間、即ち、クランプ動作時間Tであり、式(4)、(5)から、E1=E2と置くことで下式(6)で求まる。
T=L×Ip/Vclamp ・・・(6)
少なくとも、このクランプ動作時間Tの期間は、クランプ回路8の動作が有効となる状態にしておく必要があり、タイミング回路12のCR設定においては、このTの期間以上スイッチQ4をオフさせておく設定にしなくてはならない。クランプ回路8の動作期間がTより短い場合、スイッチQ4がオンし、トランジスタQ3が機能しなくなるので、保護動作が途中で機能しなくなり、機能が停止した瞬間、サージ電圧が発生し、場合によってはスイッチSw3の故障をまねく可能性がある。
この発明の実施の形態5における半導体回路装置は以上のように構成されているので、以下に列挙する有用な効果を期待できる。
即ち、特に、スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置のように、正常動作時にはサージ電圧が発生しない動作形態のスイッチング回路において、電流遮断が起こらないオフ動作時にはクランプ回路8の動作を無効としておき、電流遮断が起こる可能性があるオン動作時にはクランプ回路8を有効としているので、スイッチSw1〜Sw4を確実に保護することができる。
更に、オン動作に続く零電流の時間帯においてもクランプ回路8の動作を有効とすることで、スイッチSw1〜Sw4の保護範囲を一層広げることができる。
しかも、従来の装置では、既述したように、変位電流によるクランプ回路8の誤動作を防止するため分流用コンデンサ素子CS1の容量については、非線形素子ZDの個別ばらつきや温度特性を考慮することにより容量の増加が避けられなかったが、本発明により従来ほど考慮することが不要となるため、保護動作までの遅れを適切に設定でき、半導体スッチ素子の耐圧をよりその限界まで検討することが可能となる。
また、変位電流を分流吸収するコンデンサ素子の容量を最適に設定することが可能となるため、サージ電圧抑制のためにスイッチング速度を制限することが不要となり、スイッチング速度の低下を防止でき、共振周波数を十分に高く設定でき、装置の小型化/軽量化を実現することが可能となる。
更に、クランプ動作を有効としている期間以外では、分流用コンデンサ素子CS1に充電された電荷を放電しているため、高周波駆動においても放電時間不足による分流用コンデンサ素子CS1の両端電圧の上昇を防止でき、クランプ回路が誤動作する可能性を大幅に低く抑えることができる。
また、変位電流分流用に分流用コンデンサ素子CS1に並列に取り付けられる分流用抵抗素子RS1を大きく設定することが可能であるため、クランプ回路動作時の非線形素子ZDから分流用抵抗素子RS1に流れる電流を抑えることができ、非線形素子ZDの要求電力を低く設定することができる。これにより、非線形素子ZDに流れる電流を分流用抵抗素子RS1により適切に設定できることから、動作電圧のバラツキ精度がさらに向上するといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
また、先の実施の形態1では、クランプ回路の動作の有効無効を異常検出信号に基づき判定するので、タイミング回路を用いた時間設定が不要となる利点があるが、既述したように、コンデンサCeやインダクタLrの経時変化等で発生する電流遮断時のクランプ回路による保護動作は期待できない。これに対し、実施の形態5では、それらの異常検出回路で検出されない事象時の保護動作もなされうるという利点がある。
なお、この実施の形態5に係る半導体回路装置は、先の実施の形態2で列記した各回路にも同様に適用することができ同等の効果を奏するものである。
また、特にトランジスタQ3に関連する、先の実施の形態3で紹介した変形例も、この実施の形態5においても全く同様に適用することができる。
実施の形態6.
図19は、この発明の実施の形態6を示すもので、図中、制御IC13は、先の図16等の、特に制御信号生成回路5、タイミング回路12を含むクランプ動作制御回路11の部分をIC(集積回路)化したものである。共通仕様とできるこれら部分のみをIC化し、ゲート駆動回路7およびクランプ回路8はIC化の対象外とすることで、クランプする電圧は個々の機器使用により種々の値を採用でき、トランジスタQ1、Q2、Q3もスイッチSw3のゲート特性に最適なものを採用でき、しかも、IC化を施した部分の部品点数の削減により、組み立て工数の削減、信頼性の向上といった従来にない顕著な効果を奏する。
特に、タイミング回路による時間設定に関し、個々の部品で構成する方式では、各部品の特性バラツキから一定レベル以上の精度は期待できないが、これらの部分も含めてIC化することで時間設定の精度向上が期待できる利点がある。
なお、既述したクランプ動作制御回路でクランプ回路の動作を有効または無効に切り替える基準としては、必ずしも、先の各実施の形態例に示した方法に限られるものではない。装置の回路構成や使用条件等を加味して適切に設定した判定基準に基づきこの有効/無効を切り替え制御することにより、従来の常時クランプ回路の動作を有効とする方式では得られない、上述した本願発明特有の効果を期待できる。
また、本願発明は、先の各実施の形態でその前提とした、スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置に適用する場合に限られるものではなく、広く、主回路端子と制御用のゲート端子とを有する半導体スイッチ素子、半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する制御信号生成回路、動作の異常を検出する異常検出回路、制御信号生成回路からの制御信号に基づき半導体スイッチ素子をオンオフする駆動信号および異常検出回路による異常検出信号に基づき半導体スイッチ素子をオフする駆動信号を半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するゲート駆動回路を備えた半導体回路装置に適用でき、かつ、半導体スイッチ素子を過電圧から保護するクランプ回路についても、先の各実施の形態でその前提とした、非線形素子を使用したものに限られるものではなく、広く、半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき半導体スイッチ素子の主回路端子間をクランプして半導体スイッチ素子を過電圧から保護するために半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ回路に適用でき、同様の効果を奏する。
1 スイッチドキャパシタ型DC/DCコンバータ装置、4 ゲート制御回路、
5 制御信号生成回路、6 異常検出回路、7 ゲート駆動回路、8 クランプ回路、
9,11 クランプ動作制御回路、10,13 制御IC、12 タイミング回路、
Sw1〜Sw4 スイッチ(半導体スイッチ素子)、ZD 非線形素子、
Q1,Q2,Q3 トランジスタ、Q4 スイッチ、RS1 分流用抵抗素子、
CS1 分流用コンデンサ素子、RS2 抵抗素子。

Claims (6)

  1. 主回路端子と制御用のゲート端子とを有する半導体スイッチ素子、前記半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する制御信号生成回路、動作の異常を検出する異常検出回路、前記制御信号生成回路からの制御信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオンオフする駆動信号および前記異常検出回路による異常検出信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオフする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するゲート駆動回路、および前記半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき前記半導体スイッチ素子の主回路端子間をクランプして前記半導体スイッチ素子を過電圧から保護するために前記半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ回路を備えた半導体回路装置において、
    前記クランプ回路の誤動作の確率を抑制するため、前記クランプ回路の動作が、所定の時間帯のみ有効で当該時間帯以外では無効となるよう、前記クランプ回路の動作の有効無効を制御するクランプ動作制御回路を備え
    正常時は前記半導体スイッチ素子のスイッチング動作を零電流で行うように制御する場合、
    前記クランプ動作制御回路は、前記正常時は前記クランプ回路の動作を無効としておき、前記異常検出回路から異常検出信号が出力されたときは前記ゲート駆動回路から前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出される駆動信号より早いタイミングで前記クランプ回路の動作を有効とするようにしたことを特徴とする半導体回路装置。
  2. 主回路端子と制御用のゲート端子とを有する半導体スイッチ素子、前記半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する制御信号生成回路、動作の異常を検出する異常検出回路、前記制御信号生成回路からの制御信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオンオフする駆動信号および前記異常検出回路による異常検出信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオフする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するゲート駆動回路、および前記半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき前記半導体スイッチ素子の主回路端子間をクランプして前記半導体スイッチ素子を過電圧から保護するために前記半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ回路を備えた半導体回路装置において、
    前記クランプ回路の誤動作の確率を抑制するため、前記クランプ回路の動作が、所定の時間帯のみ有効で当該時間帯以外では無効となるよう、前記クランプ回路の動作の有効無効を制御するクランプ動作制御回路を備え、
    正常時は前記半導体スイッチ素子のスイッチング動作を零電流で行うように制御する場合、
    前記クランプ動作制御回路は、前記制御信号生成回路からオンの制御信号が出力されている時間帯では前記クランプ回路の動作を有効とし、前記制御信号生成回路からオフの制御信号が出力されている時間帯では前記クランプ回路の動作を無効とするようにしたことを特徴とする半導体回路装置。
  3. 主回路端子と制御用のゲート端子とを有する半導体スイッチ素子、前記半導体スイッチ素子を所定の周期でオンオフ制御するための制御信号を生成する制御信号生成回路、動作の異常を検出する異常検出回路、前記制御信号生成回路からの制御信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオンオフする駆動信号および前記異常検出回路による異常検出信号に基づき前記半導体スイッチ素子をオフする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するゲート駆動回路、および前記半導体スイッチ素子の主回路端子間の電圧が所定の過電圧設定値を越えたとき前記半導体スイッチ素子の主回路端子間をクランプして前記半導体スイッチ素子を過電圧から保護するために前記半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ回路を備えた半導体回路装置において、
    前記クランプ回路の誤動作の確率を抑制するため、前記クランプ回路の動作が、所定の時間帯のみ有効で当該時間帯以外では無効となるよう、前記クランプ回路の動作の有効無効を制御するクランプ動作制御回路を備え、
    正常時は前記半導体スイッチ素子のスイッチング動作を零電流で行うように制御する場合、
    前記クランプ動作制御回路は、前記制御信号生成回路からオンの制御信号が出力されている時間帯とこの時間帯に続く前記零電流の時間帯では前記クランプ回路の動作を有効とし、前記零電流の時間帯の終期から次の周期の前記制御信号生成回路からのオンの制御信号の始期までの時間帯では前記クランプ回路の動作を無効とするようにしたことを特徴とする半導体回路装置。
  4. 前記クランプ回路は、前記半導体スイッチ素子の主回路端子間に接続された非線形素子とこの非線形素子に存在する浮遊容量を介して流れる変位電流を分流する分流用インピーダンス素子との直列体、および前記非線形素子と分流用インピーダンス素子との接続点に接続され前記非線形素子の非線形動作に伴い前記非線形素子に流れる電流に基づき前記半導体スイッチ素子をオンする駆動信号を前記半導体スイッチ素子のゲート端子に送出するクランプ駆動回路を備え、
    前記クランプ動作制御回路は、前記分流用インピーダンス素子と並列に接続されたクランプ動作制御スイッチからなり、
    前記クランプ動作制御スイッチは、前記クランプ回路の動作を有効とするときはオフに制御され、前記クランプ回路の動作を無効とするときはオンに制御されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体回路装置。
  5. 前記分流用インピーダンス素子に分流用コンデンサ素子を含む場合、
    前記クランプ動作制御回路は、前記クランプ動作制御スイッチと直列に接続され、前記クランプ動作制御スイッチのオン動作時前記分流用コンデンサ素子から流入する放電電流を抑制する抵抗素子を備えたことを特徴とする請求項4記載の半導体回路装置。
  6. コンデンサと複数の前記半導体スイッチ素子とを備え、前記半導体スイッチ素子のオンオフ動作に伴う前記コンデンサの充放電動作を利用して直流電圧の変換を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体回路装置。
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