(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1に係る照明装置100の下方からの斜視図である。図2は、照明装置100の上方からの斜視図である。図3は、図1に係る照明装置の光源部1と支持体2の組み立て手順を示す斜視図である。なお、本発明の図の説明においては光源部1の発光面側、即ち光の照射方向側を下方とし、光源部1の照射方向と反対側の照明装置100の設置側を上方とする。
図1から図3に示すように、照明装置100は、光源を備える光源部1と、光源部1が取り付けられる本体部としての支持体2と、電源部3とを備える。
図4は光源部1の上方からの斜視図を示す。光源部1は、筺体10と、拡散板11と、鍔部12とを有する。
筺体10は、下方に不図示の矩形の開口部を有し、上方に矩形の底板部10aを有し、底板部10aと前記開口部の間の周囲4面に側板部10bを有する鉄製の筐体である。筐体10内側の底板部10aの面には、不図示の光源としての光源モジュールが設けられてある。
前記光源モジュールには、青色LEDチップを黄色蛍光体を含む樹脂でモールドした擬似白色光を発光する複数の表面実装型LEDが光源基板に実装されて用いられている。なお、光源モジュールには前記擬似白色のLEDに限らず、白色より色温度の低い電球色のLEDを用いてもよいし、LEDに限らずEL(Electro Luminescence)や蛍光灯等他の光源を用いてもよい。
拡散板11は、光拡散性を有する乳白色のポリカーボネート樹脂製であり、筐体10の開口部と鍔部12の内周部との間に挟持されてあり、前記開口部全面を覆った状態で設けられてある。拡散板11は、光源モジュールからの光を拡散して均一に面発光する。なお、光源モジュールの複数のLEDと拡散板11との距離間隔は、LEDからの光を拡散板11で十分拡散させて均一に面発光させるべく、複数の各LEDどうしの間隔以上の距離を設けてあることが好ましいが、本発明においては各LEDと拡散板11との距離間隔については特に限定されない。
前記光源モジュールが設けられる底板部10aの面には、拡散板11から反射して戻ってきた光源モジュールからの光を再び拡散板11側へ反射し返すための不図示の反射板が設けられている。該反射板には高反射率を有する酸化チタン等の白色塗料が塗布されたポリカーボネート等の樹脂板が用いられる。また、反射板を用いず、光源モジュールのLEDを実装する基板に反射作用を有する塗料を塗布してもよいし、光源モジュールが設けられる底板部10aの面や筐体10の側板部10bの内側面に前記塗料を塗布してもよい。
鍔部12は、筐体10の開口部に周設されて筺体10との間で拡散版11を保持するべく設けられる鉄製の板部材である。鍔部12は、図2に示すように、光源部1を支持体2に取り付けた状態において後述する支持体2の開口部21を覆い、該開口部21の周縁に設けられた後述する枠片24を内側に配設するための適長の幅を有する。
従って、図1に示すように光源部1を支持体2に取り付けた状態においては、光源部1の鍔部12と支持体2の開口部21の周縁の枠片24との境界は、枠片24が鍔部12によって覆われているため下方からは視認できず、光源部1と支持体2との継ぎ目がないので外観を損なうことなく天井等の設置部に照明装置100を取り付けることができる。
図4に示すように、鍔部12は、底板部10aと平行な面を有する底面12aと、底面12aの外周部全体にわたって設けられ底面12aの外側周縁から垂直上方に立ち上がる外周壁12bとを有する。鍔部12は、矩形板を略直角に折り曲げた止め金具13によって側板部10bの周囲8か所と底面12aとの間でビス等で接続固定されることで筺体10に取付けられている。外周壁12bによって、照明装置100を天井等の設置部に取り付けた際に、外周壁12bが該設置部との間の隙間を塞ぐことで気密性を高め、虫等の照明装置100内部への混入を防止することができる。
また、鍔部12の周囲4辺のうち1辺に設けられた第1外周壁12b1と、第1外周壁12b1に対向する側の第2外周壁12b2には、後述する取付体4と、取付機構の取付状態または取外し状態の切替に応じて取付体4が出没する矩形の開口12cとを、それぞれ4箇所設けてある。つまり、取付体4と開口12cは、光源部1の一端と他端に設けられる。取付体4及び開口12cは、第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2夫々の中央から等間隔で2箇所ずつ設けられてある。
開口12cの形状は矩形孔に限らず丸孔であってもよいし、孔に限らず切り欠きであってもよい。
また、取付体4及び開口12cを設ける位置は第1外周壁12b1と第2外周壁12b2に2箇所ずつ設ける場合に限らず、第1外周壁12b1に2箇所設けて第2外周壁12b2に1箇所設けてあってもよいし、鍔部12の周囲4辺の外周壁12b全てに設けてあってもよい。また、第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2と直交する第3外周壁12b3と第4外周壁12b4に設けてあっても良い。つまり、鍔部12の周囲4辺の外周壁12b(外周壁12b1〜12b4)のいずれかのうち、光源部1の一端及び他端である少なくとも2辺の外周壁12bに取付体4及び開口12cが設けられていればよい。
また、図4に示す底板部10aの上方の面10a1の略中央には、後述する光源部1を支持体2に保持するワイヤの先端のフックを引掛けるための引掛金具10cが設けられてある。
図5は支持体2を下方から見た斜視図である。支持体2は、図3および図5に示すように、下方に矩形状をなす開口部21を有し、上方に矩形状の底部22を有し、開口部21と底部22との間の周囲4面に側部23を有する鉄製の筐体である。図3に示すように、支持体2の開口部21から光源部1を矢印Aで示す上方に挿入して光源部1を支持体2内部に位置させる。
底部22には、適長間隔隔てて設けられた挿通孔22a,22aが2箇所設けられてある。挿通孔22a,22aには、後述する天井等の設置部の埋め込み孔に設けられた不図示のアンカーボルトを挿通してナットでねじ固定することにより、支持体2を埋め込み孔に埋め込んで取り付けることができる。
また、2箇所の挿通孔22a,22aの間には、挿通孔22aよりも径の小さい孔22b,22bが2箇所設けられている。孔22bは、底部22の略中央に設けられてあることが好ましいが、底部22の端部付近に設けられてあってもよい。
孔22bには後述する配線作業等の取り付け作業時に光源部1を支持体2に保持するための不図示のワイヤの一端が取付られ、ワイヤの他端に取り付けられたフックが光源部1の引掛金具10cに引掛けられる。当該ワイヤで光源部1を支持体2に吊下げて保持することで、光源部1の落下を防止しながら光源部1と支持体2との間に配線作業を行うための空間を設けることが可能となる。
図5に示すように、支持体2の開口部21の外周部4辺、すなわち4面の側部23の開口部21側の周囲4辺には、枠片24が4箇所周設されてある。枠片24は、底部22に対して平行な面を有する底片24aと、底片24aの外周側の端部から、底片24aに対して略垂直上方に立設する側片24bとを備える。
4箇所の側片24のうち、支持体の一端に設けられた第1枠片241及び第1枠片241と反対側の他端に設けられた第2枠片242の側片24bには、矩形の切り欠き状の切欠部24cが2箇所ずつ設けられてある。切欠部24cは、後述する取付体4の第1係止部である作用片42が係止する第1被係止部である。切欠部24cは、光源部1を支持体2への取り付け位置に配置した際に、第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2に設けられた開口12cと対向する位置に設けられている。
なお、切欠部24cの形状は側片24b上に形成された段差となる矩形の凹部であるが、切欠部24cの形状は切り欠きに限らず孔であってもよい。また、切欠部24cは、第1枠片241及び第2枠片242と直交する第3枠片243及び第4枠片244に設けてあってもよい。つまり、後述する取付状態において、取付機構を構成する取付体4と開口12cが設けられる位置と一致するように切欠部24cを設ける位置が決められる。
支持体2の底部22の一端と支持体2の側部23とがなす角部の内側には、外部電源からの電力を光源部1に供給するための電源部3が取り付けてある。電源部3はボックス状の保護枠31内部に、光源部1に供給する電力を制御する電源回路や制御回路が設けられてある。電源部3が取付られる底部22及び側部23の面は、保護枠31の上方の面および側面を兼ねている。つまり、底部22及び側部23が保護枠31の底部22側及び側部23側の面を覆うことで保護枠31の2面を構成する材料を省くことができ、保護枠31の軽量化を図ることができ、保護枠31の材料費を低減することにも寄与する。
次に、図6および図7を用いて、光源部1を支持体2に取り付ける取付機構について説明する。図6は取付状態における取付機構を示す図であり、図7は取外し状態における取付機構を示す図である。
取付機構は、取付体4と、開口12cと、切欠部24cを備えてなる。取付体4を押操作して、第1被係止部としての切欠部24cに係止することで、光源部1を支持体2に支持させて取り付けることが可能となる。開口12は、取付機構の取付状態または取外し状態の切替に応じて取付体4を照明装置100へ出没可能にし、取付状態において照明装置100内部に取付体4を収容する収容部として機能する。
取付体4は、T字型をなす鉄製の金具であり、取付機構の操作部としての棒状の操作片41と、該操作片41の中央から一端側に適長離隔した位置に突設された取付機構の第1係止部としての棒状の作用片42とが一体となって形成されてある。
取付体4は、鍔部12に設けられてある。具体的には、操作片41の一端41aは、底面12aの開口12cの一端側近傍に設けられた回動軸43により枢支されてある。操作片41の他端41bに力を加えて押操作することで回動して、操作片41及び作用片42が図6及び図7の矢印Bと矢印Cにて示す底面12aに対して平行な方向に回動可能となるように取り付けられている。このとき操作片41が開口12cを介して照明装置100へ出没自在となる位置に、回動軸43が設けられている。
取付機構は、図7に示すような開口12cから露出した操作片41を、図6の矢印Bで示す開口12c側に押し込む方向に直接手動にて力を加えて押操作して回動させることにより、操作片41と一体に形成された作用片42を可動させて該作用片42を切欠部24cに係止させることで図6に示す取付状態となる。操作片41は、照明装置100の取り付け作業者が指で押圧して押操作することで容易に取付状態となるように可動させることができる。
取付機構は、図2に示す支持体2の一端側である第1枠片241側と、他端側である第2枠片242側、換言すると光源部1の一端側及び他端側に位置する第1外周壁12b1側及び第2外周壁12b2側に2箇所ずつ、計4箇所に設けられてある。第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2に設けられた取付体4の作用片42が、第1枠片241及び第2枠片242上に設けられた切欠部24cに係止することで、光源部1の重量が取付体4と切欠部24cを介して支持体2に支持されて、光源部1が支持体2から脱落しないように取り付けられる。すなわち、支持体2の一端と他端の少なくとも2端で、光源部1が取付体4によって鉛直方向で支持されるので、取付状態を安定して維持することが可能となる。
なお、取付機構が設けられる位置は、支持体2の一端側である第1枠片241側と、他端側である第2枠片242側に限定されず、支持体2の一端側である第1枠片241側と、他端側である第3枠片243側であってもよい。すなわち、取付機構が設けられる一端および他端の位置は第1〜第2枠片241〜244の少なくとも2箇所の任意の位置から選択できる。
また、支持体2が光源部1を鉛直方向で支持可能、即ち光源部1が落下しないように支持可能であれば第1〜第2枠片241〜244の一端のみに取付機構が設けられてあってもよいが、より安定して光源部1を鉛直方向で支持するには、支持体2の一端及び他端の少なくとも2箇所に取付機構を設けることが好ましい。
取付機構による前記取付状態において、取付体4を構成する操作片41及び作用片42は開口12cを通じて照明装置100内部に収容された状態となる。従って、操作片41が照明装置100の外部から接触できない状態となっており、不用意な外力等で操作片41が回動して取付状態が解除される事態を防止することができる。
このように、回動軸43に作用片42と一体に形成された操作片41を枢支することで、簡易な構成で操作片41と作用片42とを連動して操作することができ、操作片41押操作して回動させて作用片42を切欠部24cに係止すると同時に操作片41を開口12cを通じて照明装置100内部へ収容する機構を形成することができる。
取付機構を図6に示す取付状態から図7に示す取外し状態に移行するためには、マイナスドライバー等の先端が細い工具を用いる必要がある。具体的には、前記工具の先端を照明装置100の外部から開口12cに挿通して、前記先端を操作片41に引掛けて開口12cの外側方向(矢印C方向)に押操作して回動させることで、操作片41の他端41bを開口12cから外部に露出させ、さらに他端41bに開口12cと反対方向(矢印C方向)に力を加えて回動させて作用片42の切欠部24cへの係止を解除し、取外し状態とする。
本発明の照明装置100は、図6に示す取付状態においては取付体4の操作片41及び作用片42が照明装置100内部に収容されてあり、さらに開口12cが照明装置100の側面の外周壁12bに設けられているため、照射方向側に位置するユーザからは取付機構が視認しにくい位置にある。これにより、取付機構により照明装置100の外観を損なうことなく天井等の設置部に取り付けることが可能となる。しかも、取付機構がユーザから視認しにくい位置にあり、工具を用いて取外し状態にする必要があるので、取付機構を取外し状態にするための方法がユーザには容易にわかりにくくなっている。これにより、ユーザが不用意に光源部1を支持体2から取り外して内部の電源部3等の活電部に接触する虞を低減することができる。
なお、切欠部24c上には作用片42の係止状態の解除を規制するロック機構としての小突起形状の凸部24c1を備えることが好ましい。凸部24c1は、図6に示す取付機構の取付状態において、図6では作用片42に対して反時計周りの回動方向側(図7の矢印C方向側)、つまり作用片42に対して作用片42の係止状態が解除される可動方向側に設けられる。
ロック機構としての凸部24c1が切欠部24c上に設けられた状態においては、図7に示す取外し状態から図6に示す取付状態への移行に際して操作片41を矢印Bの方向へ押操作して、該操作片41の回動に連動する作用片42が回動して凸部24c1に当接したときにさらに操作片41を開口12c側に押し込む方向に力を加えて押操作することで、作用片42が凸部24c1を乗り越えて切欠部24cに係止する。
作用片42の切欠部24cへの係止状態、すなわち取付機構による取付状態においては、光源部1の重量による重力が作用片42から切欠部24cに作用するので、作用片42は容易には凸部24c1を乗り越えて係止状態を解除する方向へ移動できない。従って、ロック機構としての凸部24c1を切欠部24cに設けることにより、作用片42の切欠部24cへの係止が解除されることを規制し、取付状態が不用意に解除されることを防止する効果を一層高めることが可能となる。
すなわち、例えば地震による振動等の、操作片41に直接作用する外力以外の力が加えられたとしても取付状態の解除を未然に防止することが可能となる。なお、凸部24c1は、作用片42を切欠部24cに係止または係止解除(非係止状態に)させる際に、作業者が押操作して力を加えることで作用片42が乗り越えられる程度の寸法及び形状であればよい。例えば曲面を有する半球状や半円板状、円錐や三角錐等の錐体や山状の突起部等を設ければよい。
さらに前記ロック機構は、凸部24c1のような形状に限らず、凹部であってもよい。該凹部は、切欠部24c上でさらに陥没した段差となるように設けられる。凹部の幅は作用片42が嵌合する程度の寸法である。また凹部の段差の深さは作用片42の切欠部24cへの係止を解除する際に、マイナスドライバー等の工具で操作片41に力を加えて押操作した時に、凹部に嵌合した作用片42が凹部の段差を乗り越えられる程度の寸法である。また、凹部の側面を底面に対して傾斜させて形成することで工具で操作片41を押操作した時に作用片42が段差を乗り越えやすくなる。
凹部に作用片42が嵌合することで、凹部の段差により作用片42の係止の解除が規制されるから、取付状態が不用意に解除されることを防止する効果を高めることが可能となる。さらにまた、ロック機構としては前記凹部または凸部24c1に限らず、切欠部24cにおける作用片42との当接面に摩擦係数が高くなる加工(例えばブラスト加工等)を施し、静止摩擦力によって作用片42の係止解除を規制するようにしてもよい。また、前記摩擦係数が高くなる加工は、作用片42の切欠部24cとの当接面に施してあってもよい。
次に図3から図6を用いて、照明装置100の取り付け方法について説明する。
まず、図3に示す支持体2を、天井等の設置部に設けられた照明装置100を埋め込んで取り付けるための不図示の埋め込孔に嵌挿して埋め込む。そのとき、支持体2の底部22に設けられた挿通孔22aに前記埋め込孔に設けられたアンカーボルトを挿通してナットでアンカーボルトをねじ固定することにより、支持体2を設置部に埋め込んで取り付けることができる。このとき、気密性を高める為に、枠片24の側片24bの上端が設置部に当接するように支持体2を配置することが好ましい。支持体2を埋め込孔に埋め込む向きについては特に限定されない。
支持体2を取り付ける際、設置部に備え付けてある不図示の外部電源からの電源線を、底部22に設けられた貫通孔22cに挿通して支持体2内部に通す。そして、前記電源線を、支持体2の内側に設置され電源部3に接続されてある不図示の電源端子台に接続する。
支持体2には、光源部1を支持体2に配線を行うための空間を設けて保持するための不図示のワイヤの一端を孔22b,22bに、支持体2を設置する前にあらかじめ取り付けてある。該ワイヤは支持体2に光源部1を吊下げて保持したときに配線を行う空間が形成される程度の長さ寸法を有する。
そして前記ワイヤの他端に設けてあるフックを図4に示す光源部1の引掛金具10cに引掛けることで、光源部1を支持体2に吊下げて保持し、吊下げにより形成された空間を利用して光源部1に接続され、電源部3から光源部1に電力を供給する不図示のハーネスの端子を電源部3の電源端子台に接続することで配線作業を終了する。
前記ワイヤにより光源部1を支持体2に吊下げて配線を行う空間を設けて保持することができるので、取付作業者は、光源部1を片手で支えなくても落下させる心配がなく、配線作業を両手で容易に行うことができる。しかも、光源部1を吊下げた状態においては、光源部1と支持体2との間に形成された空間の周囲の四方向から配線作業を行うことができる。つまり、配線作業を行う作業位置が制限されないので、たとえ設置部付近に壁や障害物が存在していたとしても、前記四方向のいずれからでも前記空間を利用して配線作業を行えるので、設置場所の条件によって作業が阻害される虞はない。
配線作業を終了した後、光源部1を図3の矢印Aで示す上方、すなわち支持体2の開口部21の方向へ押し上げる。光源部1は、支持体2の開口部21から嵌挿され、光源部1の鍔部12の底面12aが支持体2の底片24aに当接する程度まで押し上げられる。これにより、光源部1が支持体2への取り付け位置に配置された状態となる。
なお、光源部1が支持体2に対して嵌挿される向きは、光源部1の開口12cと取付体4が設けられた第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2が、切欠部24cが設けられた第1枠片241及び第2枠片242側に位置する向きである。また、このとき取付機構は、図7に示す取付体4の操作片41が開口12cから露出した取外し状態である。
次に、光源部1の第1外周壁12b1及び第2外周壁12b2に2箇所ずつ設けられた開口12cの近傍に設けられた、4箇所の取付機構の取付体4の操作片41を押操作して、図6の矢印Bで示す開口12c側へ回動させて作用片42を支持体2の切欠部24cに係止することで取付状態となる。
より具体的には、照明装置100の取り付け作業者は、右手と左手で光源部1の第1外周壁12b1と第2外周壁12b2側、すなわち一端及び他端側を把持して押し上げて、光源部1を前記取り付け位置に配置させる。このとき、光源部1を両手で支えながら前記右手及び左手の指で取付体4の操作片41を押操作できる位置、例えば開口部12c近傍で光源部1を把持すれば、光源部1を両手で押し上げて前記取り付け位置に配置させた後直ちに両手の指で一端及び他端の操作片41を同時に押操作して、一端及び他端夫々少なくとも1箇所の取付機構を取付状態とすることができる。
この時点で、一端及び他端の取付機構が夫々1箇所ずつ取付状態となり、光源部1は鉛直方向で支持されるので、少なくとも脱落しないように支持体2に取り付けられる。そして、一端及び他端夫々1箇所の他の取付体4の操作片41を押操作して取付状態とすることで、光源部1の支持体2への取り付け作業が完了する。
これにより、光源部1の自重が、支持体2の一端及び他端で作用片42と切欠部24cを介して支持体2に支持される。このようにして光源部1は、取付機構により支持体2に支持されて支持体2から脱落することなく取り付けられる。
本発明の照明装置100の取り付け作業においては、光源部1を両手で押し上げて支持体2への取り付け位置に配置した後、瞬時に両手で光源部1を支持した状態を維持しながら一端及び他端に設けられた操作片41を指で同時に押操作するだけで光源部1を支持体2へ支持させることが可能である。従って、片手で光源部を支持体から落下させないように支持しながらねじで螺合して締め付ける作業を必要とする従来の照明装置に比較して格段に迅速かつ容易に取り付け作業を行うことが可能となる。
なお、本発明の照明装置100の取付機構の取付体4は、前記両手で一端及び他端の操作片41を同時に押操作するときに、操作片41の回動方向が夫々逆向きになるように取り付けられてあることが好ましい。具体的には、取り付け作業者は、例えば図4の第1外周壁12b1と第2外周壁12b2に設けられた取付体4のうち、第3外周壁12b3に近い側の取付体4,4を同時に押操作するが、第1外周壁12b1側の操作片41が反時計回りに回動すべく取り付けられているのに対し、第2外周壁12b2側の不図示の操作片41は時計回りに回動するように取り付けられていることが好ましい。
一端及び他端に設けられた取付体4の操作片41が両方同じ方向に回動すべくとりつけられていると、作業者は押操作を行うときに右手と左手で左右非対称の動きをしなければならず、押操作がし辛くなる。上記のように一端及び他端の操作片41を設けることで、作業者は右手と左手で左右線対称となる方向に操作片41を押操作できるので、一端及び他端に設けられた操作片41を同時に押操作することが容易になる。
このように、光源部1と支持体2とを別体、つまり分離可能に設け、支持体2の一端24d側と他端24e側にて光源部1を支持体2に支持した状態で取り付ける取付機構を設けることにより、取付作業時に、配線作業等の光源部を支持体に取り付ける作業を行うための空間が光源部1に塞がれないので、配線作業を行う位置が制限されることなく作業を行うことが可能となる。つまり、光源部1により光源部1と支持体2との間で配線を行う空間を設け、該空間の周囲四方向いずれからでも配線作業を行うことが可能となる。従って、照明装置100の設置部付近の障害物や壁等の条件に応じて配線作業を行う位置を前記四方向から選択することができるので、作業性が良好になる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明装置110について、図8から図12に基いて説明する。なお、実施の形態1と共通の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図8は実施の形態2に係る照明装置110の上方からの斜視図である。
実施の形態2の実施の形態1との相違点は、実施の形態1が本体部としての支持体2を備えるのに対し、実施の形態2は光源部1が取り付けられる本体部としてのアングル5を備える点、また、実施の形態1では電源部3が支持体2内部に設けられているのに対し、実施の形態2では電源部3と光源モジュールとが予め配線された状態で電源部3が底板部10aの上方の面10a1に取付けられている点、及び実施の形態2が取付体4の操作片41の押操作を行う時に光源部1をアングル5への取り付け位置にて支持した状態で仮止めする仮止め機構を備える点である。
図8はアングル5に光源部1を取り付けた状態を示す。アングル5は、2つの支持板51,51および、2つの支持板51を適長間隔を空けて連結する連結板52,52とを備える。
支持板51はコの字型に屈曲した矩形板であり、照明装置110の取付状態において光源部1の底板部10aと対向する位置に平行に配置される長板部51aと、一端が長板部51aの両端から一体的に連設され、他端が光源部1を支持して、側板部10bと対向する位置に配置される短板部51bとを備える。支持板部51,51の長板部51aと短板部51bがなす角の外側面が、長手方向の断面が直角に曲げられた矩形状の連結板52の角の内側面と重なった状態で適長間隔空けて連結されている。アングル5は、実施の形態1の支持体2に比較して光源部1を保持して支持するための最小限の材料で構成されているので非常に軽量化できるとともに材料費を低減することに寄与する。
支持板51の短板51bの光源部1を支持する前記他端はコの字状に屈曲させられてあり、鍔部12の底面12aと対向する底片51cと底片51cの端部から上方に直角に屈曲させられた側片51dとを備えてなる。側片51dの略中央には取付体4の作用片42を係止することで光源部1支持するための第1被係止部としての切欠部51eを備える。切欠部51eは上述した切欠部24cと同一の形状を備え、前記ロック機構としての実施の形態1の凸部24c1と同様の小突起形状の凸部51e1を備える。切欠部51eは切り欠きに限らず開口であってもよい。また、側片51の両端には後述する仮止め機構の第2被係止部としての段差部51fを備える。
次に仮止め機構について説明する。
図9から11に示すように、仮止め機構は、光源部1の鍔部12の外周壁12bの内側、すなわち側板部10b側の面において、開口12cから適長間隔隔てられた位置から突設される第2係止部としての係止爪12dと、前記仮止め機構の第2被係止部としての段差部51fとを備える。係止爪12dは、外周壁12bの内側の面から底面12aに対して平行に突設される支持部12d1と支持部12d1の端部から直角に底面12a側に屈曲した爪部12d2とを備える矩形板である。係止爪12dは外周壁12bから一体的に設けられてある。
仮止め機構の係止爪12dは、開口12cの近傍に開口12c1箇所につき1つ設けられる。即ち、本実施の形態においては、開口12Cは4箇所であるので係止爪12dも夫々4箇所に設けられる。なお、係止爪12cを設ける個数は4個に限らず、仮止め可能な個数、すなわち光源部1を一時的にアングル5への取り付け位置にて支持した状態で仮止めして支持することが可能な個数を備えていればよく、3個であっても2個であってもよい。また、係止爪12dを設ける位置は開口12cの近傍には限定されず、開口12cから離隔された位置に設けてあってもよい。
図9から図11を用いて、取付機構で光源部1をアングル5に取り付ける時、すなわち取付体4の操作部41を押操作する時に、仮止め機構により前記光源部1をアングル5への取り付け位置にて支持した状態で仮止めする方法について説明する。
まず、実施の形態1と同様に、光源部1をワイヤでアングル5に吊下げて支持した状態で、外部電源からの電源線を電源部3に接続された不図示の電源端子台に接続する。光源部1には予め電源部3が光源モジュールと配線された状態で取り付けられているため、照明装置110を天井等の設置部に取り付ける段階において電源部3と光源モジュールとの配線作業を行う必要はない。
次に、図9に示すように光源部1をアングル5が取り付けられた上方(図9の矢印D方向)へ押し上げて底面12aが底片51cに当接する程度の高さまで光源部1を位置させる。このとき、取付機構の取付体4は図7に示すような取外し状態にしてある。また、光源部1を矢印D方向へ押し上げる時、係止爪12dがアングル5の底片51cに下方から当接しないように、底片51cの端部の段差部51fの位置から係止爪12dがわずかに離隔する方向(図10に示す矢印F方向)に平行にずらしてから光源部1を押し上げる。これにより係止爪12dは、図10に示すように、係止爪12dの支持部12d1の下方の面が段差部51fよりも上方に位置し、矢印Fで示す底片51cの長手方向に段差部51fから離隔して段差部51fに係止せずにずらされた位置に配置される。
次に、段差部51fに対して図10に示す位置関係となる係止爪12dを段差部51fに係止させるべく、光源部1を矢印Eにて示す係止爪12dが段差部51fに近づく方向へ平行にスライド移動させる。これにより、図11に示すような、仮止め機構の第2係止部としての係止爪12dが第2被係止部としての段差部51fに係止した状態となる。このとき、4箇所に設けられた係止爪12d全てが同時に平行移動して段差部51fに係止した状態となる。これにより、光源部1がアングル5への取り付け位置で支持された状態で脱落しないように仮止めされる。
照明装置110の取り付け作業者は、仮止め機構により仮止め作業を行うときに、光源部1を両手で把持して押し上げて、光源部1を持って移動させるだけで係止爪12dを段差部51fに係止させて仮止めすることができる。即ち、仮止め機構による仮止め作業を行う際に、取付体4の押操作のごとく仮止め機構を構成する係止爪12dや段差部51fを直接操作する必要はなく、光源部1を持ち上げたまま直接アングル5の段差部51fに仮止めすることができるので、容易に仮止め作業を行うことが可能である。
この、仮止めされた状態で図11に示すように取付体4の操作片41を押操作して作用片42を回動して切欠部51eに係止することで、光源部1がアングル5に脱落しないように支持された状態で取り付けられる。
光源部1を照明装置110の本体部であるアングル5に取り付ける作業を行う際に、仮止め機構により、光源部1を一時的にアングル5に係止して落下しないように支持させた状態で仮止めできる。これにより、照明装置110の取り付け作業者は、光源部1をアングル5への取り付け位置で支持しながらでなくとも取付体4の操作片41を押操作する作業を行うことができる。つまり、仮止め機構を備えない実施の形態1のように、作業者が自ら光源部1を落下させないように持ち上げた状態で支持しながら取付体4の操作片41を押操作する作業に比べて格段に容易に、しかも安全に取付作業を行うことが可能となる。
また、図11に示すように、仮止め機構の係止爪12dを段差部51fに係止することによって、具体的には係止爪12dを段差部51fの側面51f1に当接させることによって、開口12cが切欠部51eに対向する位置となり、取付体4の作用片42が切欠部51eに係止可能な位置になる。つまり、仮止め機構による仮止めによって、取付機構による取り付け位置を位置決めすることが可能となる。これにより、仮止め機構により光源部1を仮止めした後、取付体4の操作片41の押操作のための位置調整を行う必要がなく、直ちに操作片41を押操作して取付状態とすることができるので、迅速に取り付け作業を行うことが可能となる。
また、係止爪12dの支持部12d1と段差部51fの側面51f1とが当接させてあるので、係止爪12dの切欠部51e側の方向(矢印E方向)への移動を規制することができる。即ち、光源部1の矢印E方向側への移動を規制することができる。これにより、より安定して光源部1をアングル5に支持した状態で取付状態を維持することが可能となる。
また、仮止め機構は、取付機構の作用片42と切欠部51eとの係止状態の解除を規制する規制部としても機能する。以下、図12を用いて前記規制部としての仮止め機構について説明する。
図12は、図11の例と取付機構の回動軸43の位置が異なる他の例を示す拡大図である。具体的には、図11の回動軸43が開口12の係止爪12d側の一端の近傍に位置し、作用片42と切欠部51eとの係止解除の際に時計回り(矢印G方向)に取付体4が回動するようにしてあるのに対し、図12の回動軸43は、開口12の係止爪12dと反対側の一端の近傍に回動軸43が設けられてあり、作用片42と切欠部51eとの係止解除の際に反時計回り(矢印H方向)に取付体4が回動するように設けられてある。
仮止め機構に対する取付状態の取付体4の回動方向を図12に示すようにすることで、図11の場合と同様に係止爪12dの切欠部51e側の方向(矢印E方向)への移動を規制するとともに、係止爪12dが切欠部51eと反対方向(矢印F方向)にずれて支持部12d1と段差部51fとの係止が解除された状態となったとしても、作用片42は切欠部51eへの係止を維持した状態で回動せずに矢印F方向に平行に移動するのみであるので、取付機構による取付状態を維持することができる。
図11の例と比較してより詳細に説明すると、図11の例では、係止爪12dが切欠部51eと反対側(矢印F方向)に移動した場合、係止爪12dの段差部51fへの係止状態が解除されるとともに、切欠部51eの係止爪12d側の側面51e2が作用片42を押圧して、作用片42が切欠部51eへの係止が解除される時計回りの矢印G方向へ回動し、取付機構が図7に示す取外し状態となって光源部1が脱落してしまう虞がある。
一方、図12の例では、まず係止爪12dの切欠部51e側の方向(矢印E方向)への移動を側面51f1により規制することで、切欠部51eの係止爪12dと反対側の側面51e3が作用片42を押圧して回動させる方向(作用片42が矢印H側に回動する方向)への光源部1とアングル5との相対移動を規制する。これにより、作用片42と切欠部51eとの係止が解除されることを確実に規制することができる。
また、たとえ係止爪12dが切欠部51eと反対側(矢印F方向)に移動し、係止爪12dと段差部fとの係止が解除されたとしても、取付体4の作用片42は矢印H方向へ回動せず、切欠部51eへの係止を維持した状態で矢印F方向に平行に移動するのみである。従って、たとえ地震の振動等により矢印Eまたは矢印Fのいずれの方向に光源部1とアングル5とが相対移動する方向へ力が作用したとしても確実に取付機構による取付状態を維持することが可能となる。従って、仮止め機構と取付機構との位置関係は図12示す状態にすることが好ましい。
また、仮止め機構の段差部51fは、側片51dの両端部に設けられてある。これにより、仮止め作業を行う際に前記両端部のいずれの段差部51fにも係止爪12dを係止することができるので、照明装置110の設置部付近の障害物や壁等の位置や状況に応じて係止させる方向を矢印E方向または矢印F方向から選択することができる。
なお、この仮止め機構は実施の形態1の、筺体状の支持体2を備える照明装置100に設けてあってもよい。この場合、図3に示す切欠部24cを有する側片24の一端24d及び他端24eと直交する斜線を付した第3枠片243及び第4枠片244を削除することで、仮止め機構で仮止めする際に側片24の長手方向への光源部1のスライド移動を行うことが可能となる。この場合、仮止め機構の段差部は第1枠片241と第2枠片242の端部に設けるとよい。