JP5067409B2 - シンクライアントシステム及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、シンクライアントシステム、及びプログラムに関する。
サーバクライアントシステムにおいて、クライアント装置にHDDなどを搭載せず、画面表示や入力といった最小限の機能に絞り、重要なデータはすべてサーバ装置側に保存するシンクライアント(Thin client)システムは、有力な情報漏洩対策の1つとして注目を集めている。また、このシンクライアントシステムは、サーバ装置側で集中管理を行うことにより、ソフトウェアのバージョンアップやパッチ適用といった運用管理業務が削減でき、運用コストの削減につながる点もメリットである。
このようなシンクライアントシステムでは、特許文献1に開示されているように、クライアント装置のユーザ操作に応じたキーやマウスの信号が信号発生の都度サーバ装置へ送信され、サーバ装置では送信されてきた信号に応じた処理を実行して結果の画面データを生成し、それを描画データとして画面データの生成の都度クライアント装置へ転送して、クライアント装置が表示画面を構成する。
特開2007−219626号公報
シンクライアントシステムにおいて、サーバ装置で動作するウィンドウシステムは、通常のパーソナルコンピュータと同様に、マルチウィンドウシステムを採用している場合が多い。
サーバ装置で複数のウィンドウが起動している場合、クライアント装置側で希望するウィンドウを操作するには、一般のウィンドウシステムと同じように、そのウィンドウをアクティブ状態にしてから操作する必要がある。また、システムが提供するタスクバーやパネルなどを使用することも可能である。いずれの場合も、その操作の過程において頻繁にサーバ装置からクライアント装置への画面転送が発生する。従って、無線LANや携帯電話網などのように遅延が発生する環境では、ウィンドウの切替時に処理の遅延が生じ、使いづらいものとなっていた。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたもので、ウィンドウの切替時に処理の遅延を少なくすることが可能なシンクライアントシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、サーバ装置において起動している複数のウィンドウを含む画面をクライアント装置に送信し、当該画面をクライアント装置において表示するシンクライアントシステムにおいて、前記サーバ装置で起動されて表示されている各ウィンドウの画面情報を前記クライアント装置で受信して表示するウィンドウ表示手段と、前記各ウィンドウの画面情報の受信時に、その各ウィンドウを識別するウィンドウ名を含む制御情報を取得し、その制御情報とその各ウィンドウの画面情報を縮小した縮小キャプチャ画像とを、前記クライアント装置において記憶する記憶手段と、前記クライアント装置におけるユーザによる一覧表示指示操作に応じて、前記サーバ装置において起動している各ウィンドウのウィンドウ名を前記記憶手段から読み出してクライアント装置で一覧表示する一覧表示手段と、前記一覧表示手段により一覧表示されたウィンドウ名のうち任意のウィンドウ名がユーザにより選択される毎に、その時選択されているウィンドウ名に対応するウィンドウの縮小キャプチャ画像を逐次読み出してプレビュー表示するプレビュー表示手段と、前記プレビュー表示後にあってその選択されたウィンドウ名の表示指示が行われた際は、その選択されたウィンドウ名の最新のウィンドウ画面を要求すべき情報を前記クライアント装置から前記サーバ装置に送信する送信手段と、を具備し、前記送信手段による要求に対して前記サーバ装置でアクティブ状態となったウィンドウ画面を当該サーバ装置から受信し、最新のウィンドウ画面として表示すると共に、そのウィンドウに対応して記憶された前記縮小キャプチャ画像を、前記最新のウィンドウ画面を縮小した縮小キャプチャ画像に置き換える、ようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、サーバ装置で起動しているウィンドウに関する情報を予めクライアント装置に送信しておき、ウィンドウの切替が必要な際には、クライアント装置で、その予め送信されていたウィンドウに関する情報を用いてサーバ装置において起動しているウィンドウ名を一覧表示し、切替えるウィンドウをクライアント装置内部で選択可能としたので、通信遅延によるウィンドウ切替時の処理の遅延を少なくすることができる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るシンクライアントシステムのネットワーク構成例を示す図であり、図1(B)は、本実施形態に係るシンクライアントシステムの構成例を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るクライアント装置のハードウェア構成例を示す図である。 図4(A)は、クライアント装置が備えるウィンドウ制御テーブルの一例を示す図であり、図4(B)は、クライアント装置におけるウィンドウ制御時のウィンドウ制御ダイアログの一例を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置のプログラムにおけるウィンドウ監視マネージャのシーケンスの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図6Aは、本発明の一実施形態に係るクライアント装置のプログラムにおける動作を説明するためのフローチャートの第1の部分を示す図である。 図6Bは、本発明の一実施形態に係るクライアント装置のプログラムにおける動作を説明するためのフローチャートの第2の部分を示す図である。 図7は、クライアント装置のプログラムにおけるウィンドウ制御に係わる動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 図8は、サーバ装置のプログラムにおけるウィンドウ制御マネージャのシーケンスの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図9は、クライアント装置におけるウィンドウ制御時のウィンドウ制御ダイアログの別の例を示す図である。 図10は、クライアント装置におけるウィンドウ制御時のウィンドウ制御ダイアログの更に別の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るシンクライアントシステムのネットワーク構成例を示す図である。
このシンクライアントシステムは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10及び複数のクライアント装置20を備える。なお、前記クライアント装置20としては、例えばデスクトップタイプ、ラップトップタイプ、ノートタイプ、携帯端末タイプなど、様々なタイプがある。また、ネットワークN上には無線機能を備えた中継装置30が設けられ、スマートフォンや携帯電話のような無線機能を持つ携帯端末タイプのクライアント装置20が、この中継装置30を介してネットワークNに接続されるようになっている。
図1(B)は、本実施形態に係るシンクライアントシステムの構成例を示す図である。
本シンクライアントシステムでは、クライアント装置20からのリモート操作によりサーバ装置10側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるものであり、クライアント装置20のユーザ操作に応じたキー出力信号やマウス出力信号などの入力情報が、その発生の都度、入力操作データ(イベント信号)としてサーバ装置10へ送信される。そして、サーバ装置10では、前記クライアント装置20からのイベント信号に応じたアプリケーションプログラム(テキスト作成処理プログラム,Webブラウザプログラム,表計算処理プログラム,メール処理プログラム,等)をマルチウィンドウにより実行させて処理を行い、この処理に伴って生成された表示用の画面データを画面更新情報として、その描画更新の都度、クライアント装置20へ転送して、クライアント装置20の表示装置に画面表示させる。
つまり、本シンクライアントシステムにおける各クライアント装置20は、何れもキーボードやマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能と表示装置(携帯端末タイプ以外のタイプではプリンタなども含む)への出力機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ装置10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を一切持っていなくてもよい。そして、クライアント装置20からの操作入力(入力イベント)の入力操作データに応じてサーバ装置10にて起動実行される各種の処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ装置10内あるいは該サーバ装置10にて接続管理される磁気ディスクなどの記憶装置にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
図2は、前記サーバ装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介して、ROM13、RAM14、VRAM15、液晶ディスプレイ等の表示装置16、キーボード,マウスなどの入力装置17、外部記憶装置18、クライアント装置20との通信I/F19が接続される。
CPU11は、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラムに従ってRAM14を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置17からのキー入力信号や通信I/F19を介して受信されるクライアント装置20からのユーザ操作入力(入力イベント)の入力操作データなどに応じて前記種々のプログラムが起動・実行される。
このサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力操作データに応じて起動・実行されるアプリケーションプログラムに従って生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられて外部記憶装置18に記憶され、また、クライアント装置20での表示用の画面データは、RAM14内にクライアント装置20毎に設けられたクライアント用VRAM(図示せず)を使用して、表示画面そのものの画像(以下、イメージと称する)として生成されて、通信I/F19からクライアント装置20へ転送されて表示出力される。この場合、CPU11により描画イメージを圧縮処理することで、転送データ量を削減する。あるいは、描画イメージそのものではなくて、例えば座標Aから座標Bへ直線を引けというような描画コマンドとして送信することで、更に転送データ量を削減できる。なお、当該サーバ装置10自身の表示装置16にて表示させるための画面データは、VRAM15上に生成され、表示装置16に表示される。
また、前記ROM13にはさらに、クライアント用VRAM上に生成されるクライアント装置毎のイメージを監視することで、起動しているウィンドウに関する情報を取得するためのプログラムであるウィンドウ監視マネージャ13Aと、通信I/F19からのクライアント装置20でのウィンドウ操作入力(入力イベント)の入力操作データに応じてウィンドウ制御を行なうためのプログラムであるウィンドウ制御マネージャ13Bが記憶される。これらウィンドウ監視マネージャ13A及びウィンドウ制御マネージャ13Bは、クライアント装置20と直接通信する機能を保持している。なお、前記ROM13は、書き替え可能なフラッシュメモリによって構成しても良い。
図3は、前記クライアント装置20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
クライアント装置20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介して、ROM23、RAM24、VRAM25、液晶ディスプレイ等の表示装置26、キーボード,マウスなどの入力装置27、サーバ装置10との通信I/F28が接続される。
CPU21は、ROM23に予め記憶されているシステムプログラムに従ってRAM24を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置27からのキー入力信号、通信I/F28を介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号や画面更新情報などに応じて前記システムプログラムが起動され実行される。なお、本クライアント装置20が、通信端末タイプとして構成される場合には、通信I/F28は、無線通信を行う通信装置として構成される。
前記サーバ装置10におけるアプリケーションプログラムを実行させて生成した種々のデータは、適宜、前記サーバ装置10の外部記憶装置18に記憶されると共に、適宜、表示用の画面更新情報としてこのクライアント装置20に転送されて来る。そして、このクライアント装置20において、VRAM25に書き込まれ、表示装置26で表示出力される。
また、前記ROM23にはさらに、サーバ装置10のウィンドウ監視マネージャ13A及びウィンドウ制御マネージャ13Bとの通信を行うためのプログラムが記憶され、前記RAM24にはさらに、サーバ装置10のウィンドウ状態を保管するためのウィンドウ制御テーブル24Aなどが記憶される。なお、前記ROM23は、書き替え可能なフラッシュメモリによって構成しても良く、その場合にはウィンドウ制御テーブル24Aなどを前記ROM23に記憶するようにしても構わない。
図4(A)は、前記RAM24(又はフラッシュメモリで構成したROM23)に記憶されるウィンドウ制御テーブル24Aの一例を示す図である。
このウィンドウ制御テーブル24Aは、「ウィンドウID」、「名前」、「アクティブフラグ」、「キャプチャフラグ」、「キャプチャデータ保管場所」の項目を持っている。「ウィンドウID」、「名前」及び「アクティブフラグ」は、サーバ装置10から送られてくる制御用データ(詳細は後述)に基づき設定され、「キャプチャフラグ」及び「キャプチャデータ保管場所」は、当該クライアント装置20の内部処理に使用するものである。
ここで、アクティブフラグは、現在アクティブであるウィンドウのみセットされる(「1」とされる)フラグである。キャプチャフラグは、アクティブフラグが「0」の時に名前属性を変更した際にセットされ、当該ウィンドウがアクティブになった時にクリアされるフラグである。キャプチャデータ保管場所は、ウィンドウのキャプチャデータを保管しているRAM24のアドレス値が登録される。
次に、前記構成のシンクライアントシステムの動作について説明する。
なお、通常のシンクライアントシステムにおけるサーバ装置10とクライアント装置20の動作については、その説明を省略し、本発明に特有の動作のみを説明する。
図5は、サーバ装置10のウィンドウ監視マネージャ13Aのシーケンスの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
即ち、ウィンドウ監視マネージャ13Aは、RAM14内にクライアント装置20毎に設けられたクライアント用VRAM上に生成されるクライアント装置毎のイメージを監視することで、起動しているウィンドウに変化がないかを検出する(ステップS13A1)。
そして、変化があった場合、その検出した変化の内容を判別して(ステップS13A2)、その内容に応じて処理を行う。なお、この起動しているウィンドウに変化があった場合には、通常のサーバ装置10の動作により、その更新されたイメージが画面更新情報として通信I/F19によりクライアント装置20に送信されることは言うまでもない。
即ち、新しくウィンドウが表示された時(新規表示)には、システムプログラム又はアプリケーションプログラムより、そのウィンドウID、名前、領域(座標と大きさ)を取得して(ステップS13A3)、それらの情報をウィンドウ新規表示を示す制御用データと共に通信I/F19によりクライアント装置20に送信する(ステップS13A4)。
また、ウィンドウが消去した時(消去)には、システムプログラム又はアプリケーションプログラムより、その消去したウィンドウIDを取得して(ステップS13A5)、その情報をウィンドウ消去を示す制御用データと共に通信I/F19によりクライアント装置20に送信する(ステップS13A6)。
また、ウィンドウの属性に変更があった場合(属性変更)には、その変更のあった属性の内容をチェックする(ステップS13A7)。そして、名前の変更であった場合には、システムプログラム又はアプリケーションプログラムより、ウィンドウIDと名前を取得して(ステップS13A8)、それらの情報をウィンドウ属性変更を示す制御用データと共に通信I/F19によりクライアント装置20へ送信する(ステップS13A9)。なお、変更があった属性が名前以外であった場合には、何もしない。
また、アクティブ状態のウィンドウが変更した場合(アクティブ変更)には、アクティブになったウィンドウのウィンドウIDと領域をシステムプログラム又はアプリケーションプログラムより取得して(ステップS13A10)、それらの情報をアクティブウィンドウ変更を示す制御用データと共に通信I/F19によりクライアント装置20に送信する(ステップS13A11)。
図6A及び図6Bは、クライアント装置20のプログラムにおける動作を説明するための一連のフローチャートを示す図である。
クライアント装置20においては、通信I/F28によりサーバ装置10からのデータを受信すると(ステップS201)、それが前記ウィンドウ監視マネージャ13Aによって送られた制御用データであるかを判別する(ステップS202)。受信したデータが制御用データではない、つまり画面更新情報であれば、通常の処理を実施することになる(ステップS203)。
これに対して、制御用データであれば、その内容を判別して(ステップS204)、その内容に応じて処理を行う。
即ち、ウィンドウ新規表示を示す制御用データを受信した場合には、ウィンドウID、名前、領域を受信する(ステップS205)。そして、既に画面更新情報に従ってVRAM25上に書き込まれているイメージから、その受信した領域の情報で示される領域を切り取り、所定のサイズに縮小して、キャプチャデータとしてRAM24に保管する(ステップS206)。また、ウィンドウ制御テーブル24Aに新たな行を追加し、各項目を登録する(ステップS207)。即ち、項目「ウィンドウID」に受信したウィンドウIDを登録し、項目「名前」に受信した名前を登録する。また、「アクティブフラグ」を「1」にセットし、「キャプチャフラグ」を「0」クリアする。そして、「キャプチャデータ保管場所」には、キャプチャデータのRAM24の保存アドレス値を登録する。
一方、受信した制御用データがウィンドウ消去を示すものである時には、ウィンドウID、名前、領域を受信する(ステップS208)。そして、ウィンドウ制御テーブル24Aから、その受信したウィンドウIDで示される行を削除する(ステップS209)。
また、ウィンドウ属性変更を示す制御用データを受信した場合には、ウィンドウIDと名前を受信する(ステップS210)。そして、ウィンドウ制御テーブル24Aのその受信したウィンドウIDで示される行の「名前」に、受信した名前を登録し直す(ステップS211)。その後、当該行の「アクティブフラグ」が「0」か否かを判別する(ステップS212)。
ここで、「アクティブフラグ」が「0」の場合には、「キャプチャフラグ」を「1」にセットする(ステップS213)。例えば、アプリケーションプログラムとしてWebブラウザでは、そのウィンドウが非アクティブな状態であっても、自動的に別のWebページに移動するような場合があり、そのような場合には名前属性が変更される。そのような場合に対処するために、当該ウィンドウがアクティブでない場合には、次に当該ウィンドウがアクティブになった際にキャプチャデータを更新するように、ここでキャプチャフラグをセットしておくものである。
これに対して、「アクティブフラグ」が「1」であった場合には、属性変更のあったウィンドウはアクティブとなっているので、既に画面更新情報に従ってVRAM25上にイメージが書き込まれているので、キャプチャデータを更新することが可能である。
また、アクティブウィンドウ変更を示す制御用データを受信した場合には、ウィンドウIDと領域を受信する(ステップS214)。そして、ウィンドウ制御テーブル24Aのその受信したウィンドウIDで示される行の「キャプチャフラグ」が「1」かどうかを判別する(ステップS215)。ここで、当該「キャプチャフラグ」が「1」となっていた場合には、既に画面更新情報に従ってVRAM25上に書き込まれているイメージから、その受信した領域の情報で示される領域を切り取り、所定のサイズに縮小して、キャプチャデータとしてRAM24に保管してから(ステップS216)、ウィンドウ制御テーブル24Aの当該行の「アクティブフラグ」を「1」にセットする(ステップS217)。これに対して、「キャプチャフラグ」が「0」となっていた場合には、ステップS216をスキップして、ステップS217へと進む。
その後、ウィンドウ制御テーブル24Aの他のウィンドウIDに対応する行において「アクティブフラグ」が「1」になっているものがあれば、それを「0」にクリアする(ステップS218)。
そして、再度、ウィンドウ制御テーブル24Aの受信したウィンドウIDで示される行の「キャプチャフラグ」が「1」かどうかを判別する(ステップS219)。ここで、「0」であれば何もしないが、「1」であったならば、当該行の「キャプチャデータ保管場所」に登録されているアドレス値に登録されているキャプチャデータを解放してから、ウィンドウ制御テーブル24Aの当該行の登録内容を更新する(ステップS220)。即ち、「キャプチャデータ保管場所」に前記ステップS216で保管したキャプチャデータのアドレス値を登録し、「キャプチャフラグ」を「0」にクリアする。
以上のようにして、サーバ装置10で起動しているウィンドウに変化があった場合、その変化の内容に応じてクライアント装置20のウィンドウ制御テーブル24Aの内容が書き替えられる。
図7は、クライアント装置20のプログラムにおけるウィンドウ制御に係わる動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
入力装置17で所定のユーザ操作を行なうことにより、該フローチャートに示すようなウィンドウ制御機能を実現するプログラムが起動されると、まず、ウィンドウ制御テーブル24Aのデータを使用して、ウィンドウ制御ダイアログを作成し、表示装置26に全画面表示する(ステップS241)。
図4(B)は、このウィンドウ制御ダイアログの一例を示す図である。
このウィンドウ制御ダイアログ26Aは、ウィンドウ制御テーブル24Aの各行の「名前」に登録されている名前に基づいて、「リスト一覧」にサーバ装置10で起動しているウィンドウの名前を一覧表示するものである。また、その内のユーザが選択したウィンドウの名前、即ち「アクティブフラグ」が「1」にセットされている名前を選択状態(強調表示)にすると共に、「キャプチャデータ保管場所」に記述されたアドレス値に保管されているキャプチャデータを、「Preview」領域にプレビュー表示する。更に、該ウィンドウ制御ダイアログ26Aの下部には、ユーザが操作可能なボタンとして『表示』、『閉じる』、『キャンセル』の各ボタンを表示する。
なお、このウィンドウ制御ダイアログ26Aにおいて、一覧表示された名前の選択状態は入力装置17のユーザ操作により変更でき、その変更に応じて「Preview」領域にプレビュー表示されるキャプチャデータが変化する。従って、ウィンドウの内容が表示されるので、ユーザは所望のウィンドウを容易に見つけ出すことが出来ると共に、サーバ装置10からクライアント装置20へ画面更新情報を送ることなくウィンドウの内容を確認できるようになる。
そして、ウィンドウ制御ダイアログ26A下部の『表示』、『閉じる』、『キャンセル』の何れかのボタンに対するユーザ操作がなされると、どのボタンに対する操作がなされたかを判別して(ステップS242)、対応する動作を行う。
即ち、『表示』ボタンが操作されると、選択状態にある名前のウィンドウをアクティブにする指示であるとして、選択状態の名前に対応するウィンドウIDをウィンドウ制御テーブル24Aから取得し、表示コマンドと共に通信I/F28によりサーバ装置10へ送信する(ステップS243)。そして、該ウィンドウ制御ダイアログ26Aを閉じて、このウィンドウ制御に係わる動作を終了する。
また、『閉じる』ボタンが操作されると、選択状態にある名前のウィンドウを消去する指示であるとして、選択状態の名前に対応するウィンドウIDをウィンドウ制御テーブル24Aから取得し、閉じるコマンドと共に通信I/F28によりサーバ装置10へ送信する(ステップS244)。そして、該ウィンドウ制御ダイアログ26Aを閉じて、このウィンドウ制御に係わる動作を終了する。
また、『キャンセル』ボタンが操作された場合には、何も行なわずに、該ウィンドウ制御ダイアログ26Aを閉じて、このウィンドウ制御に係わる動作を終了する。
図8は、サーバ装置10のプログラムにおけるウィンドウ制御マネージャ13Bのシーケンスの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
即ち、ウィンドウ制御マネージャ13Bは、常に、通信I/F18によるクライアント装置20からのデータ受信を待っており(ステップS13B1)、データ受信があると、その受信したデータから、ウィンドウIDとコマンド及び関連データを取得する(ステップS13B2)。そして、取得したコマンドの内容を判別して(ステップS13B3)、その内容に応じた処理を行なう。即ち、表示コマンドを受信した場合には、受信したウィンドウIDを持つウィンドウ(アプリケーションプログラム)に対し、activeコマンドを発行することで、当該ウィンドウをアクティブ状態にする(ステップS13B4)。また、閉じるコマンドを受信した場合には、受信したウィンドウIDを持つウィンドウ(アプリケーションプログラム)に対し、deleteコマンドを発行することで、当該ウィンドウを消去にする(ステップS13B5)。
なお、このウィンドウ制御マネージャ13Bによってウィンドウ制御が行なわれたことにより、起動しているウィンドウに変化が生じるので、その変化によりウィンドウ監視マネージャ13Aが前述したような動作を行ない、クライアント装置20のウィンドウ制御テーブル24Aも前述したように更新されることは言うまでもない。
以上のように、本一実施形態によれば、シンクライアントシステムにおいて、ウィンドウの認識に必要な情報を予めサーバ装置10からクライアント装置20に送信しておくことで、ユーザがウィンドウを制御したいと思った時に、新たな通信を発生させることなく、作業を行うことができる。こうすることにより、高レスポンスで簡単にウィンドウを制御することが可能となる。
また、ウィンドウの認識に必要な情報は、サーバ装置10においてウィンドウの新規作成、消去、名前属性の変更がある毎に、それを検出して自動的に更新されるので、サーバ装置10で起動されているウィンドウの状態をクライアント装置20で常に把握できる。
また、すでに送信済みのイメージの一部をキャプチャデータとして保存しておき、制御するウィンドウを選択する時にそれをプレビュー表示することで、視覚的にどのウィンドウかを簡単に把握できるようになり、誤った操作を行う頻度が下がるという利点も有する。
さらに、非アクティブ状態のウィンドウにおいて名前属性が変更になっていた場合には、当該ウィンドウがアクティブ状態になった際にウィンドウ領域のデータをキャプチャすることで、より直近のウィンドウ状態に近いキャプチャデータを取得することができる。
また、特定のアプリケーションプログラムに依存することがないため、既存のアプリケーションプログラムにも対応可能であるという利点を有する。
また、サーバ装置において起動しているウィンドウ名の一覧表示を行なうウィンドウ制御ダイアログ26Aを表示装置26に全画面表示するようにしているので一覧表示の視認性が良く、表示画面の小さい携帯端末タイプのクライアント装置20においても、ユーザが所望のウィンドウの選択を容易に行えるようになる。
なお、前記一実施形態において記載したシンクライアントシステムによる各処理の手法、即ち、図5及び図8のフローチャートに示すサーバ装置10による処理及び図6A,6B及び図7のフローチャートに示すクライアント装置20による処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムをRAM14,24に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記一実施形態において説明した機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、前記のプログラムデータを、このネットワークNに接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から取り込んでROM(フラッシュメモリ)に記憶させてRAM14,24に読み込み、あるいは直接RAM14,24に取り込んで記憶させ、前述した機能を実現することもできる。
また、前記一実施形態は、シンクライアントシステムを例に説明したが、一般的なサーバクライアントシステムにも適用することが可能である。
また、前記一実施形態では、ウィンドウ監視マネージャ13Aとウィンドウ制御マネージャ13Bを単独で動作するソフトウェアであるとしたが、実際にウィンドウの配置やタスクバー表記などの制御を行うウィンドウマネージャに追加する機能とするなど、別のソフトウェアに含めても良い。
更に、ウィンドウ制御コマンドは対象となるウィンドウをアクティブにするか消去するかという内容だけであったが、非アクティブ化、最大化、最小化、アイコン化などウィンドウを操作する内容であれば何でも良い。
また、ウィンドウ属性の中で、前記一実施形態では名前属性のみ使用するとしたが、アイコンやアイコン名及びアプリケーション名など、ユーザがどんなウィンドウであるかを判別するのに役立つものであれば、何でも良い。これらを総称してウィンドウ名とする。
また、ウィンドウ制御ダイアログ26Aには、選択したもののみキャプチャデータを表示するとしたが、すべてを表示しておいても良いし、表示しなくても良い。
例えば、図9は、クライアント装置におけるウィンドウ制御時のウィンドウ制御ダイアログ26Aの別の例を示す図である。
このウィンドウ制御ダイアログ26Aでは、サーバ装置10から送信されてきた画面更新情報によるイメージはそのまま画面イメージ領域26A1に表示し、その上部のウィンドウ一覧領域26A2に、ウィンドウ制御テーブル24Aの各行の「名前」に登録されている名前に基づいて、サーバ装置10で起動しているウィンドウの名前をタブの形態で一覧表示するものである。
画面イメージ領域26A1に破線で示すウィンドウは、別のウィンドウの下に全体が隠れてしまって見えないウィンドウを表している。
このウィンドウ制御ダイアログ26Aによれば、サーバ装置10で起動している各ウィンドウの関係をサーバ装置10から新たな通信を発生させることなく容易に把握できる。
なおこの場合、キャプチャデータは使用せず、ウィンドウ一覧領域26A2におけるウィンドウの名前の選択イコール当該ウィンドウをアクティブ状態にする指示として、当該名前に対応するウィンドウIDをウィンドウ制御テーブル24Aから取得し、表示コマンドと共に通信I/F28によりサーバ装置10へ送信することとなる。
ウィンドウの消去は、アクティブにしたウィンドウでの実際の消去操作入力により実施する。
また、図10は、クライアント装置20におけるウィンドウ制御時のウィンドウ制御ダイアログ26Aの更に別の例を示す図である。
このウィンドウ制御ダイアログ26Aでは、その上部のウィンドウ一覧領域26A2に、ウィンドウ制御テーブル24Aの各行の「名前」に登録されている名前に基づいて、サーバ装置10で起動しているウィンドウの名前をタブの形態で一覧表示すると共に、「キャプチャデータ保管場所」でアドレス値が示されているRAM24に保管されている選択状態にある名前のウィンドウのキャプチャデータをプレビュー領域26A3に拡大表示するものである。
このウィンドウ制御ダイアログ26Aによれば、サーバ装置10で起動している各ウィンドウの内容をサーバ装置10から新たな通信を発生させることなく容易に把握できる。 また、前記一実施形態では、キャプチャするタイミングを名前属性に変更があり且つアクティブになった時としたが、対象とするウィンドウが大きく変更したことを検知する方法があれば、他の方法でも良い。
また、前記一実施形態では、プレビューデータをクライアント装置20側で作成するとしたが、サーバ装置10側でウィンドウ監視マネージャ13Aが起動しているウィンドウの変更を検出した際に、該ウィンドウ監視マネージャ13Aであるいは当該ウィンドウのアプリケーションプログラムによってプレビューデータを作成して、クライアント装置20側に送信するようにしても良い。この場合、図4(B)に示すようなウィンドウ制御ダイアログ26Aを用いるのであれば「Preview」領域に合わせた前記所定サイズに縮小して、また、図10に示すようなウィンドウ制御ダイアログ26Aであれば、予め判別しているクライアント装置20の表示装置26のサイズに合わせてリサイズして、プレビューデータを作成すれば良い。
なお、本願発明は、前記一実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記一実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
10…サーバ装置
11,21…CPU
12,22…バス
13,23…ROM
13A…ウィンドウ監視マネージャ
13B…ウィンドウ制御マネージャ
14,24…RAM
15,25…VRAM
16,26…表示装置
17,27…入力装置
18…外部記憶装置
19,28…通信I/F
20…クライアント装置
24A…ウィンドウ制御テーブル
26A…ウィンドウ制御ダイアログ
26A1…画面イメージ領域
26A2…ウィンドウ一覧領域
26A3…プレビュー領域
30…中継装置
N…ネットワーク

Claims (4)

  1. サーバ装置において起動している複数のウィンドウを含む画面をクライアント装置に送信し、当該画面をクライアント装置において表示するシンクライアントシステムにおいて、
    前記サーバ装置で起動されて表示されている各ウィンドウの画面情報を前記クライアント装置で受信して表示するウィンドウ表示手段と、
    前記各ウィンドウの画面情報の受信時に、その各ウィンドウを識別するウィンドウ名を含む制御情報を取得し、その制御情報とその各ウィンドウの画面情報を縮小した縮小キャプチャ画像とを、前記クライアント装置において記憶する記憶手段と、
    前記クライアント装置におけるユーザによる一覧表示指示操作に応じて、前記サーバ装置において起動している各ウィンドウのウィンドウ名を前記記憶手段から読み出してクライアント装置で一覧表示する一覧表示手段と、
    前記一覧表示手段により一覧表示されたウィンドウ名のうち任意のウィンドウ名がユーザにより選択される毎に、その時選択されているウィンドウ名に対応するウィンドウの縮小キャプチャ画像を逐次読み出してプレビュー表示するプレビュー表示手段と、
    前記プレビュー表示後にあってその選択されたウィンドウ名の表示指示が行われた際は、その選択されたウィンドウ名の最新のウィンドウ画面を要求すべき情報を前記クライアント装置から前記サーバ装置に送信する送信手段と、
    具備し、
    前記送信手段による要求に対して前記サーバ装置でアクティブ状態となったウィンドウ画面を当該サーバ装置から受信し、最新のウィンドウ画面として表示すると共に、そのウィンドウに対応して記憶された前記縮小キャプチャ画像を、前記最新のウィンドウ画面を縮小した縮小キャプチャ画像に置き換える、ようにしたことを特徴とするシンクライアントシステム。
  2. 前記サーバ装置においてウィンドウが新規表示されると当該新規ウィンドウのウィンドウ名を前記サーバ装置より前記クライアント装置に送信する新規ウィンドウ名送信手段と、
    前記サーバ装置においてウィンドウが消去されると当該消去ウィンドウを特定する情報を前記サーバ装置より前記クライアント装置に送信する消去ウィンドウ特定情報送信手段と、
    を更に備え、
    前記一覧表示手段は、前記送信手段によって新規ウィンドウのウィンドウ名が送信されると、または、前記消去ウィンドウ特定情報送信手段によって消去ウィンドウを特定する情報が送信されると、前記一覧表示の内容を更新することを特徴とする請求項に記載のシンクライアントシステム。
  3. 前記サーバ装置においてウィンドウ名が変更されると当該変更されたウィンドウ名を前記サーバ装置より前記クライアント装置に送信する変更ウィンドウ名送信手段を更に備え、
    前記一覧表示手段は、前記変更ウィンドウ名送信手段によって変更後のウィンドウ名が送信されると、その変更後のウィンドウ名に基づいて前記一覧表示を更新することを特徴とする請求項1または2に記載のシンクライアントシステム。
  4. サーバ装置において起動している複数のウィンドウを含む画面をクライアント装置に送信し、当該画面をクライアント装置において表示するシンクライアントシステムのコンピュータを制御するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記サーバ装置で起動されて表示されている各ウィンドウの画面情報を前記クライアント装置で受信して表示するウィンドウ表示手段、
    前記各ウィンドウの画面情報の受信時に、その各ウィンドウを識別するウィンドウ名を含む制御情報を取得し、その制御情報とその各ウィンドウの画面情報を縮小した縮小キャプチャ画像とを、前記クライアント装置において記憶する記憶手段、
    前記クライアント装置におけるユーザによる一覧表示指示操作に応じて、前記サーバ装置において起動している各ウィンドウのウィンドウ名を前記記憶手段から読み出してクライアント装置で一覧表示する一覧表示手段、
    前記一覧表示手段により一覧表示されたウィンドウ名のうち任意のウィンドウ名がユーザにより選択される毎に、その時選択されているウィンドウ名に対応するウィンドウの縮小キャプチャ画像を逐次読み出してプレビュー表示するプレビュー表示手段、
    前記プレビュー表示後にあってその選択されたウィンドウ名の表示指示が行われた際は、その選択されたウィンドウ名の最新のウィンドウ画面を要求すべき情報を前記クライアント装置から前記サーバ装置に送信する送信手段、
    として機能させ、
    前記送信手段による要求に対して前記サーバ装置でアクティブ状態となったウィンドウ画面を当該サーバ装置から受信し、最新のウィンドウ画面として表示すると共に、そのウィンドウに対応して記憶された前記縮小キャプチャ画像を、前記最新のウィンドウ画面を縮小した縮小キャプチャ画像に置き換える、ように機能させるようにしたコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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