JP5067177B2 - ディスプレイパネル用ガラス板 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)等、各種ディスプレイパネルに用いるディスプレイパネル用ガラス板に関する。本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、LCDパネル用のガラス板として特に好適である。
従来からLCDパネル用のガラス基板には、アルカリ金属酸化物を含有しない無アルカリガラスが用いられている。この理由は、ガラス基板中にアルカリ金属酸化物が含まれていると、LCDパネルの製造工程で実施される熱処理中に、ガラス基板中のアルカリイオンがLCDパネルの駆動に用いる薄膜トランジスタ(TFT)の半導体膜に拡散して、TFT特性の劣化を招くおそれがあるからである。
また、無アルカリガラスは、熱膨張係数が低く、ガラス転移点(Tg)が高いため、LCDパネルの製造工程での寸法変化が少なく、LCDパネル使用時の熱応力による表示品質への影響が少ないことからも、LCDパネル用のガラス基板として好ましい。
しかしながら、無アルカリガラスは、製造面において以下に述べるような課題を有している。
無アルカリガラスは粘性が非常に高く、溶融が困難といった性質を有し、製造に技術的な困難性を伴う。
また、一般的に、無アルカリガラスは清澄剤の効果が乏しい。例えば、清澄剤としてSO3を使用した場合、SO3が(分解して)発泡する温度がガラスの溶融温度よりも低いため、清澄がなされる前に、添加したSO3の大部分が分解して溶融ガラスから揮散してしまい、清澄効果を十分発揮することができない。
近年の技術進歩により、LCDパネル用のガラス基板として、アルカリ金属酸化物を含有するアルカリガラス基板を使用することも検討され始めている(特許文献1、2参照)。アルカリ金属酸化物を含有するガラスは、一般的に熱膨張係数が高いため、LCDパネル用のガラス基板として好ましい熱膨張係数とする目的で、熱膨張係数を低減させる効果を有するB23が通常含有される(特許文献1、2参照)。
しかしながら、B23を含有するガラス組成とした場合、ガラスを溶融した際に、特に溶解工程および清澄工程において、B23が揮散するため、ガラス組成が不均質になりやすい。ガラス組成が不均質になると、板状に成形する際の平坦性に影響を与える。LCDパネル用のガラス基板は、表示品質確保のため、液晶を挟む2枚のガラス間隔、すなわちセルギャップを一定に保つために高度の平坦度が要求される。このため所定の平坦度を確保するために、フロート法で板ガラスに成形された後、板ガラスの表面の研磨を行うが、成形後の板ガラスで所定の平坦性が得られていないと、研磨工程に要する時間が長くなり生産性が低下する。また、環境負荷を考慮すると、ガラスにB23が含まれないことが好ましい。
23が含有しない例としては、PDPパネル用のガラス基板がある(特許文献3)。
だが、B23を実質的に含有せずに、LCDパネル用のガラス基板として好ましい熱膨張係数まで下げること、および粘性の上昇を抑えつつ所定のTg等を得ることは困難であった。また、耐BHF性(TFT製作時の耐バッファードフッ酸性)を確保することも困難であった。さらにB23を実質的に含有しないアルカリガラス基板は、疵つきやすいという問題を有していた。近年のガラスの大型化により、ガラス基板への疵はガラス割れの要因となり得る。
特開2006−137631号公報 特開2006−169028号公報 特開平3−40933号公報
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、アルカリ金属酸化物を含有し、B23を実質的に含有せず、特に大型のLCDパネル用のガラス基板として好適に用いることができるディスプレイパネル用ガラス板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、実質的にB23を含有せず、
酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
SiO2 73.5〜78.5、
MgO 10.6〜11.8、
Na2O 3.0〜15.0、
2O 1.0〜12.0、
Na2O+K2O 6.0〜15.0、
からなり、密度が2.45g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が610℃以上であり、ブリトルネスが6.5μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板を提供する。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、実質的にB23を含有していないので、ガラス製造時におけるB23の揮散がないことから、ガラス板の均質性に優れ、平坦性に優れており、成形後のガラス板表面の研磨が少なくてすみ、生産性に優れている。
また、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、疵つきにくいため(後述するブリトルネスが6.5μm-1/2以下)、特に大型(一辺が2m以上)のディスプレイパネル用ガラス板として好適である。
また、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、密度が2.45g/cm3以下と低いため、同様に大型のディスプレイパネル用のガラス板として好ましい。
また、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、50〜350℃の平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であり、Tgが610℃以上であるため、パネルの製造工程での寸法変化が少なく、パネル使用時の熱応力による表示品質への影響が少ないことから、特にLCDパネル用のガラス基板として好適である。
また、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、ガラス溶解温度において低粘性であるため、原料を溶融しやすく製造が容易である。また、清澄剤にSOを用いるときは、低粘性であることから、清澄剤効果に優れ、泡品質に優れる。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、LCDパネル用のガラス基板として好適であるが、他のディスプレイ用基板、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、無機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイなどに使用することができる。例えば、PDP用のガラス板として使用した場合、従来のPDP用のガラス板にくらべて熱膨張係数が小さいため、熱処理工程におけるガラスの割れを抑制することができる。
なお、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、ディスプレイパネル以外の用途にも用いることができる。例えば、太陽電池基板用ガラス板としても用いることができる。
以下、本発明のディスプレイパネル用ガラス板について説明する。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、実質的にB23を含有せず、
酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
SiO2 73.5〜78.5、
MgO 10.6〜11.8、
Na2O 3.0〜15.0、
2O 1.0〜12.0、
Na2O+K2O 6.0〜15.0、
からなり、密度が2.45g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が610℃以上であり、ブリトルネスが6.5μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であることを特徴とする。
本発明において「実質的に含有しない」と言った場合、原料等から混入する不可避的不純物以外には含有しないこと、すなわち、意図的に含有させないものを意味する。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板において、上記組成に限定する理由は以下の通りである。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、実質的にB23を含有しない。そのためガラス板製造時にガラスを溶融する際の、溶解工程、清澄工程および成形工程での、特に溶解工程および清澄工程での、B23の揮散がなく、製造されるガラス基板が均質性および平坦性に優れる。その結果、高度の平坦性が要求されるLCDパネル用のガラス板として使用する場合に、従来のディスプレイパネル用ガラス板に比べて、ガラス板の研磨量が少なくすることができる。
SiO2:ガラスの骨格を形成する成分で、73.5質量%(以下単に%と記載する)未満ではTgが低下し、ガラスの耐熱性および化学的耐久性が低下する、熱膨張係数が増大する、ブリトルネスが増大してガラスが疵つきやすくなる、密度が増大する等の問題が生じる。しかし、78.5%超では、失透温度が上昇する、ガラスの高温粘度が上昇し、溶融性が悪化する等の問題が生じる。
SiO2の含有量は、74.0〜78.5%であることが好ましく、75.5〜78.5%であることがより好ましく、さらに好ましくは75.5〜78.0%である。
MgO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する効果があり、ブリトルネスの増大を抑止する効果があるので含有させるが、10.6%未満だとブリトルネスの増大を抑止する効果が不充分であり、また、ガラスの高温粘度が上昇し溶融性が悪化する。しかし、11.8%超では、ガラスの分相、失透温度の上昇、密度の増大、Tgの低下、熱膨張係数の増大等の問題が生じる。
MgO含有量は、10.8〜11.8%が好ましく、より好ましくは11.0〜11.5%である。
Na2O:ガラス溶解温度での粘性を下げ、溶解しやすくする効果があり、また、ブリトルネスを低下させる効果、および、失透温度を低下させる効果があるので3.0%以上含有させる。しかし、15.0%超では、熱膨張係数が大きくなる、Tgが低下する、密度が増大する等の問題が生じる。
Na2Oの含有量は、3.0〜8.0%であることが好ましく、より好ましくは4.0〜7.5%であり、さらに好ましくは6.0〜7.5%である。
2O:Na2Oと同様の効果があるため0%以上含有できるが、K2Oは、Na2Oと混合させることにより、相乗効果によってTgが上昇しやすくなる。また、パネル製造工程での基板上のTFTへのアルカリの移動を抑制することができることから1.0〜12.0%含有させる。一方、12.0%超では熱膨張係数が大きくなる。
2Oの含有量は、3.0〜12.0%であることが好ましく、より好ましくは3.0〜10.0%であり、さらに好ましくは3.5〜8.0%である。
Na2O、K2O:上記Na2O、K2Oを含有することによる効果を十分得るために、Na2OとK2Oとを合量で6.0%以上含有させる。しかし、合量で15.0%超では、熱膨張係数が大きくなる、Tgが低下する、密度が増大する等の問題が生じる。
これらの合量は、10.0〜15.0%であることが好ましく、より好ましくは10.5〜14.0%であり、さらに好ましくは10.5〜13.0%である。
したがって、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、実質的にB23を含有せず、酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
SiO2 73.5〜78.5、
MgO 10.6〜11.8、
Na2O 3.0〜8.0、
2O 3.0〜12.0、
Na2O+K2O 10.0〜15.0、
からなり、密度が2.43g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が70×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が630℃以上であり、ブリトルネスが6.0μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板であることが好ましい。
また、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、実質的にB23を含有せず、酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
SiO2 75.5〜78.5、
MgO 10.8〜11.8、
Na2O 4.0〜7.5、
2O 3.5〜8.0、
Na2O+K2O 10.5〜14.0、
からなり、密度が2.40g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が65×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が640℃以上であり、ブリトルネスが5.5μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板であることがより好ましい。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、母組成としてAl23、CaO、SrO、BaOおよびZrO2を実質的に含有しないことが好ましい。本発明において、Al23が実質的に含有しないことにより、ガラス板をBHF(バッファードフッ酸)に浸漬した際のガラス板のヘイズの発生を抑制する効果がある。また、失透温度を低下させる効果がある。本発明において、CaO、SrOおよびBaOが実質的に含有しないことにより、ブリトルネス、失透温度、熱膨張係数および密度のいずれをも低下させ、転移点を上昇させる効果がある。また、本発明において、ZrO2が実質的に含有しないことにより、ブリトルネス、失透温度および密度を低下させる効果がある。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板の製造には、溶解時の清澄性を改善するために、上記母組成以外に清澄剤としてSOを用いることができる。本発明のディスプレイパネル用ガラス板のようなアルカリ含有の場合、SOは清澄剤として十分な効果を発揮することができる。SOが分解して発泡する温度が、原料が溶融ガラスとなる温度より高いためである。
SO源として、硫酸カリウム(KSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)等の硫酸塩がガラス母組成原料に添加されるが、添加は母組成原料100%に対して硫酸塩をSO換算で0.05〜1%であり、0.05〜0.3%であることが好ましい。
ディスプレイパネル用ガラス板の残存量(含有量)はSO換算で100〜500ppmであり、好ましくは100〜400ppmである。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、上記母組成以外に、ガラス基板に悪影響を及ぼさない範囲で他の成分を含有させてもよい。具体的には、ガラスの溶解性、清澄性を改善するため、ガラス中にF、Cl、SnO2を合量で2%以下含有するように、これらの原料を母組成原料に添加してもよい。
また、ガラスの化学的耐久性向上およびヤング率向上のため、ガラス中にY23、La23、TiO2を合量で5%以下含有させてもよい。
さらに、ガラスの色調を調整するため、ガラスがFe23、CeO2等の着色剤を合量で1質量%以下含有させてもよい。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、環境負荷を考慮すると、As23、Sb23を実質的に含有しないことが好ましい。また、安定してフロート成形することを考慮すると、ZnOを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、50〜350℃の平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であるため、本発明のディスプレイパネル用ガラス板をLCDパネル用のガラス板として用いる場合、LCDパネル製造時に実施される熱処理工程での基板寸法変化による影響を抑えることができる。
50〜350℃の平均熱膨張係数は、70×10-7/℃以下であることが好ましく、より好ましくは50×10-7〜65×10-7/℃である。
なお、LCDパネル製造時に実施される熱処理工程での基板寸法変化許容量は、LCDパネルのサイズによって異なるので、ディスプレイパネル用ガラス板の50〜350℃の平均熱膨張係数は、75×10-7/℃以下、好ましくは70×10-7/℃以下、より好ましくは50×10-7〜65×10-7の中で製造するLCDパネルのサイズに応じて適宜選択することができる。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、ガラス転移点(Tg)が610℃以上である。ガラス転移点(Tg)が610℃以上であると、LCDパネル製造時に実施される熱処理工程における基板寸法変化を実質上問題とならない程度に少なく抑えることができる。ガラス転移点(Tg)は620℃以上であることが好ましく、より好ましくは640℃以上である。
本発明のディスプレイパネル用ガラス基板は、密度が2.45以下である。特に大型ディスプレイ用ガラス基板として用いられる場合には、割れの防止や、ハンドリング性の向上となるため、有効である。密度は2.43以下であることが好ましく、2.40以下であることがより好ましい。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、従来のB23を実質的に含有しないアルカリガラス板に比べて疵つきにくく、ディスプレイパネル用途に好適である。疵つきにくさの指標としては、ブリトルネス(B)を用いることができる。ブリトルネス(B)は、ビッカース圧子を荷重P(9.8N)で押し込んだ際、圧痕の2つの対角長の平均値をa、圧痕の四隅から発生する2つのクラックの長さ(圧痕を含む対称な2つのクラックの全長)の平均値をcとしたときに以下の計算により算出する値を意味する。
B=2.39×(c/a)3/2×P-1/4
単位はc,a:μm P:N B:μm-1/2
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、ブリトルネスが6.5以下であり、好ましくは6.0以下であり、より好ましくは5.5以下である。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、粘度ηとするとき、logη=2.5を満たす温度(T2.5)が1620℃以下である。好ましくは1600℃以下、より好ましくは1580℃以下、さらに好ましくは1560℃以下である。またlogη=4.0を満たす温度(T)が1260℃以下であることが好ましい。ここで粘度η=104dPa・sは、ガラスをフロート成形する際の基準粘度である。T4は、1240℃以下であることが好ましく、より好ましくは1220℃以下である。また、失透温度がT以下であることが好ましい。失透温度が温度T4以下であるとフロート成形性に優れ、容易にフロート成形することができる。
本発明のディスプレイパネル用ガラス板を製造する場合、従来のディスプレイパネル用ガラス板を製造する際と同様に、溶解・清澄工程および成形工程を実施する。なお、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、アルカリ金属酸化物(Na2O、K2O)を含有するアルカリガラス基板であるため、清澄剤としてSO3を効果的に用いることができ、成形方法としてフロート法に適している。
ディスプレイパネル用のガラス板の製造工程において、ガラスを板状に成形する方法としては、近年の液晶テレビなどの大型化に伴い、大面積のガラス板を容易に、安定して成形できるフロート法を用いることが好ましい。
溶解工程では、ガラス板が目標組成になるように原料を調製し、該原料を溶解炉に連続的に投入し、1450〜1650℃に加熱して溶融する。この溶融ガラスをフロート法等により所定の板厚に成形し、徐冷し、切断することにより本発明のディスプレイパネル用ガラス板が製造される。
表1に質量%で表示した目標組成(SiO2〜K2O)になるように各成分の原料を調合し、該目標組成の原料100%に対し、硫酸塩をSO換算で0.1%添加し、白金坩堝を用いて1550〜1650℃の温度で3時間加熱し溶融した。溶融にあたっては、白金スターラーを挿入し1時間攪拌しガラスの均質化を行った。次いで溶融ガラスを流し出し、板状に成形後徐冷した。
こうして得られたガラスの密度、平均熱膨張係数(単位:×10-7/℃)、Tg(単位:℃)、ブリトルネス(単位:μm-1/2)ならびに高温粘度として、溶融ガラスの粘度が102.5dPa・sとなる温度T2.5(単位:℃)、104dPa・sとなる温度T4(単位:℃)および失透温度を測定し、表1に示した。以下に各物性の測定方法を示す。
密度:泡を含まない約20gのガラス塊をアルキメデス法によって測定した。
50〜350℃の平均熱膨張係数:示差熱膨張計(TMA)を用いて測定し、JIS R3102(1995年度)より求めた。
Tg:TgはTMAを用いて測定した値であり、JIS R3103−3(2001年度)により求めた。
高温粘度:回転粘度計を用いて粘度を測定し、粘度が102.5dPa・sとなるときの温度T2.5と、104dPa・sとなるときの温度T4を測定した。
失透温度:複数のガラス片をそれぞれ異なる温度で17時間加熱溶解し、結晶が析出しているガラスの中で最も温度が高いガラスのガラス温度aと結晶が析出していないガラスの中で最も温度が低いガラスのガラス温度bとの平均値((a+b)/2)を失透温度とした。
なお、表中のかっこ書きした値は、計算により求めたものである。
ガラス中のSO残存量は100〜500ppmであった。
Figure 0005067177










表1より明らかなように、実施例(例1〜5)のガラスは、平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であり、Tgが610℃以上であるため、LCDパネル用のガラス板として使用した場合に、LCDパネル製造工程での寸法変化を抑制することができる。
また、ブリトルネスが6.5μm-1/2以下であり疵つきにくい。また密度が2.45以下であり、大型のディスプレイ基板用ガラス板として適している。
また、T2.5が1620℃以下であり、ガラスの溶解工程において低粘性であり、生産性に優れる。
また、失透温度が温度T4以下であるのでフロート成形性に優れ、容易にフロート成形することができる。
一方、例6〜8はK2Oを含有していないため、Tgが610℃未満である。また、これらと同様の組成のガラス基板上にTFTを形成した場合、ガラスからTFTへアルカリが移動しやすいので好ましくない。
また、例9はB23を含有しているため、ガラス溶融時の揮散により、ガラスの均質性や板状に成形した際の平坦性に影響を及ぼしやすい。また、アルカリ酸化物を含有しないため、SO3による清澄が不十分となる。また、例10、11は平均熱膨張係数が約80×10-7/℃超と大きいため、LCDパネル製造工程での寸法変化に影響を及ぼす可能性がある。
本発明のガラスの溶解工程において清澄剤としてSOを用いることにより、清澄効果に優れ、泡の少ないガラスが得られる。また、本発明のガラスの成形工程において、フロート法により成形を行う。容易にフロート成形が行え、Bを含有していないことから平坦性に優れたガラスが得られる。
したがって、本発明のディスプレイパネル用ガラス板は、特に大型のLCDパネル用ガラス基板として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 実質的にB23を含有せず、
    酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
    SiO2 73.5〜78.5、
    MgO 10.6〜11.8、
    Na2O 3.0〜15.0、
    2O 1.0〜12.0、
    Na2O+K2O 6.0〜15.0、
    からなり、密度が2.45g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が75×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が610℃以上であり、ブリトルネスが6.5μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板。
  2. 実質的にB23を含有せず、
    酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
    SiO2 73.5〜78.5、
    MgO 10.6〜11.8、
    Na2O 3.0〜8.0、
    2O 3.0〜12.0、
    Na2O+K2O 10.0〜15.0、
    からなり、密度が2.43g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が70×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が630℃以上であり、ブリトルネスが6.0μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板。
  3. 実質的にB23を含有せず、
    酸化物基準の質量%表示で、ガラス母組成として、
    SiO2 75.5〜78.5、
    MgO 10.8〜11.8、
    Na2O 4.0〜7.5、
    2O 3.5〜8.0、
    Na2O+K2O 10.5〜14.0、
    からなり、密度が2.40g/cm3以下であり、50〜350℃の平均熱膨張係数が65×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が640℃以上であり、ブリトルネスが5.5μm-1/2以下であり、粘度をηとするときlogη=2.5を満たす温度が1620℃以下であるディスプレイパネル用ガラス板。
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