JP5066800B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特にカソードオフガスを排気する排気管内にアノードオフガスを噴出して希釈する燃料電池システムに関する。
燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する装置であり、その一つのタイプとして電解質膜に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が知られている。
この固体高分子型燃料電池では、安定した発電を行うために燃料極への水素の供給量は、発電に必要な量よりも多く供給する必要があり、燃料電池のアノード出口からは化学反応しなかった余剰の水素が排出される。ここで、余剰の水素を外部へ排出するためには可燃濃度以下に希釈する必要があり、従来では燃料電池から排出されたカソードオフガスの流れの中にアノードオフガスを混合して希釈するように構成されており、このような燃料電池システムの従来例として、例えば特開2004−127621号公報(特許文献1)が開示されている。
特開2004−127621号公報
しかしながら、上述した従来の燃料電池システムでは、アノードオフガスを排出するためのガス通流孔が凝縮水によって塞がってしまう可能性があり、ガス通流孔が凝縮水によって閉塞すると、アノードオフガス排出の圧力抵抗が増加して設計通りの排気処理ができなくなってしまうという問題点があった。そして、このように設計通りの排気処理ができなくなると、燃料電池システムから排出されるアノードオフガス中の水素濃度が上昇してしまうという問題点があった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池のカソードオフガスを排出する排気管にアノードオフガスを噴出して希釈する燃料電池システムであって、前記アノードオフガスの噴出部を、前記カソードオフガスの流れを制御する制御弁の下流近傍に設置し、前記燃料電池の停止時には前記制御弁の動きをコントロールすることによって前記制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦により前記噴出部周辺の圧力を変動させて前記アノードオフガスによる凝縮水の排出を促進する制御を実施することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、カソードオフガスを排出するための排気管にアノードオフガスを噴出させる噴出部を設け、この噴出部をカソードオフガスの流れを制御する制御弁の下流近傍に設置したので、制御弁の動き(開閉及び開度変化)をコントロールすることによって制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦を制御して噴出部周辺の圧力を変動させることができ、これによって噴出部から効果的に凝縮水を噴出させ、噴出部が凝縮水によって閉塞することを防止できる。また、アノードオフガスを効果的にカソードオフガスに混合して希釈することもできる。
以下、本発明に係わる燃料電池システムの実施例を図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。図1は本実施例に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の燃料電池システム1は、アノード極2に燃料ガスが供給され、カソード極3に酸化剤ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池スタック4と、外気から吸入した空気を加圧して送出するコンプレッサ5と、コンプレッサ5から送出された空気をカソード極3に供給する空気供給配管6と、カソード極3に供給される空気を加湿する加湿器7と、カソード極3から排出されたカソードオフガスを排気するカソードオフガス配管8と、カソードオフガスの圧力を制御する圧力制御弁9と、カソードオフガスを外部へ排気する排気管10と、アノード極2に水素ガスを供給する水素供給配管11と、アノード極2で消費されなかった水素ガスを再循環させる水素循環配管12と、水素循環配管12内の水素ガスを循環させる水素循環ポンプ13と、アノード極2から排出されたアノードオフガスの排出を制御するアノードパージ弁14と、アノード極2から排出されたアノードオフガスを排気するアノードオフガス配管15と、アノードオフガスを排気管10内に噴出する噴出部16と、コントローラ100とを備えている。
コントローラ100は、水抜き制御処理を実行するための制御手段であり、所定時間毎にシステム内の温度、圧力などの検出値や、予め記憶された制御用データなどを取り込み、これらの検出値や設定値に基づいて上記各部に指令を送ることにより水抜き制御処理を実行している。このコントローラ100は、CPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。なお、コントローラ100の機能はシステム全体を制御する上位コントローラで実施されてもよい。
上述した燃料電池システム1において、燃料電池スタック4ではアノード極2に燃料ガスである水素ガスが供給され、カソード極3に酸化剤ガスである空気が供給されて以下に示す電気化学反応によって発電が行われている。
アノード(燃料極) :H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
そして、従来から公知の空気供給機器であるコンプレッサ5によって外部の空気が吸入されて空気供給配管6に送出され、送出された外部空気は次に加湿器7でカソードオフガスの水分の一部を用いて加湿される。加湿された空気は空気供給配管6を通って燃料電池スタック4のカソード極3に供給されて発電に用いられる。その後、カソードオフガスとしてカソード極3から排出され、加湿器7で水分の一部が奪われた後にカソードオフガス配管8を通って圧力制御弁9で減圧されてから排気管10によってシステム外に排出される。このときに例えば図示しないアノードオフガス燃焼器の酸化剤ガスとして使用したり、アノードオフガス希釈混合処理用の希釈ガスとして使用したりすることも可能である。
一方、燃料ガスとして水素を用いた場合、水素ガスは図示していない水素供給源(例えばシステムに搭載されている水素タンク)から水素供給配管11を通って燃料電池スタック4のアノード極2に供給される。この他にも炭化水素(例えばガソリン、灯油等)を燃料とした場合には、改質器などの水素リッチな改質ガスを供給するシステムから水素供給配管11を通って燃料電池スタック4のアノード極2に水素ガスが供給される。
そして、燃料電池スタック4において発電で使用されなかった水素ガスは、水素循環配管12、水素循環ポンプ13により構成される水素循環システムによって再度水素供給配管11へ循環され、アノードインガスとしてアノード極2へ供給される。その一方で燃料電池スタック4における反応で使用されなかった水素ガスの一部は、アノードオフガスとしてアノードパージ弁14から排出され、アノードオフガス配管15を通って噴出部16から排気管10に排出される。排出されたアノードオフガスは水素を含むため、例えば燃焼、希釈等の公知の技術を用いて処理されてからシステム外へと排出される。なお、アノード系のガスを循環させる方法として水素循環ポンプ13のみではなく、エゼクタ等のその他の公知の技術を用いてもよい。
また、燃料電池スタック4ではアノード極2の水素とカソード極3の酸素を用いて電気化学的な反応により発電を行なっている。ここで、発電により水素と酸素が反応して水あるいは水蒸気がカソード極3内で生成され、生成された水分やカソード極に供給される空気に含まれる窒素等の成分は、その極間分圧差によってアノード極2側へと時間の経過とともに拡散する。アノード極2に窒素ガスや必要以上に多量の水分が滞留すると、アノード極2内の水素分圧低下やアノード極2側の電解質膜が水分で覆われてしまい、発電効率が低下する。
そこで、このような発電効率の低下を防止するための方法として、水素分圧が低下してきたらアノードパージ弁14を開き、そこから窒素や水、不純物ガス等を排出するように制御する。このときに不純物ガスと一緒に未使用の水素も排出されるので、その水素を排気管10で希釈処理してからシステム外へ排出する。
このアノードパージ弁14の開閉は、システムの運転状態に応じて制御され、制御方法としては断続的にアノードパージ弁14を開いたり閉じたりする断続パージや、常にアノードパージ弁14を開いておいてその開度(排出圧損)を制御して単位時間あたりのパージ排出量を制御する連続パージとがある。本実施例の燃料電池システム1では希釈システムによって効果的な希釈処理が実施されるので、どちらのパージ方法を使用することも可能である。
次に、上述した噴出部16の構成を図2に基づいて説明する。ただし、図2では図1とは逆に図の左側をカソードオフガスの流れの上流とし、左から右へカソードオフガスが流れる場合を示している(図3〜図9において同じ)。また、噴出部16周辺の側面図を図2(a)に示し、図2(a)の矢印A方向から見たときの側面図を図2(b)に示す。
図2に示すように、噴出部16はアノードオフガス配管15によって排気管10内の中心付近に導入されて設置されている。このアノードオフガス配管15と噴出部16は共に設置環境下において問題無く使用することが可能な材料、例えばステンレス合金などによって形成されている。噴出部16には上下2箇所に噴出孔22が設けられ、この噴出孔22からアノードオフガスが上下に噴出される。この噴出孔22は下流側に向けて開けられており、カソードオフガスの流れに逆らわないようにアノードオフガスを噴出できるような方向に設置されている。ただし、噴出孔22以外からのガスの流出は発生しないような構造となっている。
また、アノードオフガス配管15は排気管10内に導入されているが、このアノードオフガス配管15はカソードオフガスの流れに逆らわない角度で排気管10内に設置されている。例えば、図2(a)に示すようにアノードオフガス配管15はカソードオフガスの流れに対して下流方向に15°傾いて設置されている。
さらに、アノードオフガス配管15は重力に逆らわない角度でも設置されており、図2(b)に示すようにアノードオフガス配管15は水平方向に対して45°の角度で下方に向けて設置されている。
次に、圧力制御弁9によるカソードオフガスの流れの変化を説明する。ただし、本実施例では圧力制御弁9がバタフライバルブの場合を一例として説明するが、バタフライバルブ以外でも流路を部分的に塞ぎ、変形させて圧力損失を発生させ、これによりシステムの圧力及び流量を制御することのできる稼動弁であれば、その他のものであってもよい。
圧力制御弁9を設置したことによって、カソードオフガスの流れに乱れが生じて乱流や渦が発生する。このカソードオフガスに発生する乱流はカソードオフガスの状態(ガス組成、温度、圧力等)や流量、圧力制御弁9の開度、開く方向によって影響される。圧力制御弁9による影響は圧力制御弁9の直近下流にある噴出部16周辺にまで及び、そのため圧力制御弁9を制御することによって噴出部16周辺の流れを制御することが可能となる。
ここで、圧力制御弁9のバタフライバルブの開度による流れへの影響を図3〜図6に示す。図3(a)は圧力制御弁9の開度を60°にした場合のカソードオフガスの流れを示しており、図3(b)はA−A線断面図を示している。同様に図4(a)は圧力制御弁9の開度を0°にした場合の流れを示しており、図4(b)はB−B線断面図を示している。また、図5(a)は圧力制御弁9を図3と逆方向に開度60°で開いた場合の流れを示しており、図5(b)はC−C線断面図を示している。同様に、図6(a)は圧力制御弁9の開度を30°にした場合の流れを示しており、図6(b)はD−D線断面図を示している。
図5と図6を比較すると、圧力制御弁9の開度を閉じる方向に制御するにしたがって流れの乱れや渦は大きくなり、図4に示すように全開の場合にはほとんど乱れや渦は発生しない。また、図3と図5を比較すると分かるように、圧力制御弁9の開度を同じにして開く方向を逆にすると、渦の向きや回転方向が逆方向になる。
次に、噴出部16とアノードオフガス配管15の変形例を図7(a)〜(c)に示す。図7(a)は変形例における噴出部32周辺の側面図、図7(b)は図7(a)の矢印B方向から見たときの側面図、図7(c)は噴出部32の拡大図を示している。この変形例におけるアノードオフガス配管15Aは、図7(a)に示すように、カソードオフガスの流れに対して垂直となるように設置されており、尚且つ図7(b)に示すように重力に対して60°の角度となるように設置されている。
また、本実施例の噴出部32は、図7(c)の拡大図に示すように、45°の間隔で5箇所に設けられている。特に、中央の噴出孔33はアノードオフガス配管15Aとの対向面に設けられている。
ここで、図7で示した噴出部32に対して実施したCFD(Computational Fluid Dynamics)解析の結果について説明する。この解析は2つの条件で実施されており、圧力制御弁9の開度以外は同一の条件設定で計算している。
ここで、圧力制御弁9の開度は図8に示すように定義される。すなわち、バルブが水平位置で全開のときが開度0°とし、図8(a)のように圧力制御弁9の上側が下流側に傾いたときを+、図8(b)のように圧力制御弁9の下側が下流側に傾いたときを−と定義する。
そして、図9に圧力制御弁9から噴出部32までの間における配管中心断面のガス流速ベクトル図を示す。図9(a)は開度+54°のとき、図9(b)は開度−54°のときである。図9に示すように、開度をプラスとマイナスで逆方向に切り替えると、流速ベクトルも上下で反対の流速ベクトル図となっていることが分かる。
また、図10は噴出部32周辺の圧力分布コンター図であり、図10(a)は開度+54°のとき、図10(b)は開度−54°のときを示している。また、図11は噴出部32内部のガス流速ベクトル図であり、図11(a)は開度+54°のとき、図11(b)は開度−54°のときを示し、図11(c)は噴出部32に5箇所設けられた各噴出孔33の出口断面における平均ガス流速をそれぞれ示している。
図10に示すように、同じ流量条件であるにもかかわらず、圧力制御弁9の開度の違いによって流速分布が大きく変わることを確認することができる。さらに、図11では圧力制御弁9の開度が+54°のときに上側の噴出孔の流速が早くなるのに対して、開度が−54°になると下側の噴出孔の流速が早くなることが分かる。
上述したように、本実施例ではアノードオフガス配管15、15Aの設置する角度をカソードオフガスの流れに逆らわない角度(15°あるいは垂直)としたので、カソードオフガスの流れによる動圧をアノードオフガスが直接受けることを防止することができ、これにより、アノードオフガスの排出圧損の増加を防止できる。また、アノードオフガス配管15、15Aを重力に逆らわない角度に傾けて設置したので、スムーズに凝縮水を排出することができ、凝縮水によるアノードオフガス配管15、15Aの閉塞を防止することができる。これによりアノードオフガスの排出圧損の増加を防止することが可能となる。
次に、本実施例の燃料電池システム1による水抜き制御処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。この水抜き制御処理は、システムの起動直後から停止時まで継続して実施することが望ましい。また、コントローラ100は、システム制御の合間に水抜き制御を実施してもよいし、またシステム制御と並行して実施するようにしてもよい。
図12に示すように、コントローラ100は、まずステップS101において水抜き制御を開始し、次にステップS102でシステムの起動時であるか否かが確認される。ここで、システムの起動時であると判定された場合にはステップS103へ移行し、ステップS103では水抜き制御のサブルーチンを呼び出して水抜き処理を実施する。この水抜き制御のサブルーチンについては後述する。
そして、ステップS102で起動時ではないと判定された場合及びステップS103の処理が終了した場合にはステップS104へ移行し、ステップS104では通常運転中において水抜き制御が必要か否かの判定を実施する。ここで、水抜き制御が必要であると判定された場合には、ステップS105において水抜き制御サブルーチンが実行される。
なお、ステップS104における水抜き制御の要否を判定する方法としては、前回の水抜き制御を実施してからの経過時間(例えば10分以上経ったか否か)、前回の水抜き制御を実施してからの発電量(例えば5Ahr以上発電したか否か)などの単純な判定基準を用いてもよいし、システムの温度や圧力、出力等の運転状態に基づいて予め設定された制御マップを用いて判定するようにしてもよい。
そして、ステップS104で水抜き制御が不要と判定された場合及びステップS105において水抜き制御サブルーチンが終了した場合にはステップS106へ移行し、ステップS106ではシステムの停止時か否かの判定を行なう。
ここで、ステップS106におけるシステム停止時か否かの判定基準としては、上位コントローラからのシステム停止信号を用いてもよいし、システムの電源スイッチが切られたことを検知するようにしてもよい。
そして、コントローラ100は、ステップS106でシステム停止時ではないと判定された場合にはステップS104へ戻り、一方システム停止時であると判定された場合にはステップS107で水抜き制御サブルーチンを呼び出して実行し、水抜き制御処理が終了した後にステップS108で水抜き制御を停止して本実施例の水抜き制御処理を終了する。
次に、上述した水抜き制御処理のステップS103、S105、S107で実施される水抜き制御サブルーチンを図13に基づいて説明する。この水抜き制御サブルーチンは、アノードオフガス配管15、15Aに滞留した凝縮水の排出を促進するための処理が実行されるもので、コントローラ100から一時的に呼び出されるサブルーチンである。したがって、この水抜き制御サブルーチンは呼び出されてから実行され、終了後に上位の制御ルーチンへ戻るように設定されている。また、水抜き制御サブルーチンが呼び出されたとき(開始時)に必要な情報を上位の制御処理からサブルーチン実行パラメータとして受け取るようにしてもよいが、サブルーチン内の各ステップにおいて必要な制御パラメータを必要なときに各種測定装置を用いて取得するようにしてもよい。
また、必要に応じてサブルーチン内部にタイマー機能を備えて、水抜き制御サブルーチンを実施する時間をタイマー制御することも可能である。なお、水抜き制御サブルーチンは開始から終了まで繰り返し実行されるので、例えば0.1sec毎に繰り返し実施するようにすれば良いが、制御サイクルは設計者が制御の必要性に応じて決定すれば良い。例えば、システム起動直後からシステムコントローラより図13のサブルーチンが呼ばれ、バックグランドでシステム運転中サブルーチンが実施され続けても良い。
ここで、図13のフローチャートに基づいて水抜き制御サブルーチンを説明する。コントローラ100は、まずステップS201で制御を開始する。このとき、サブルーチンを実施する上で必要となる燃料電池システムの運転情報等を上位コントローラから受け取ることが可能であるが、各ステップにおいて必要な情報を取得するようにしても良い。そこで、本実施例では各ステップで必要な情報をその時々に読み込む方式を採用して説明する。
次に、ステップS202において、圧力制御弁9の開度を決定する。ここで、圧力制御弁9の開度の決定方法を図14に基づいて説明する。図14(a)に示すように、予め燃料電池スタック4の運転圧力あるいは燃料電池スタック4の発電量と弁開度との間の関係を求めてマップ(制御用データ)を設定しておき、このマップに基づいて圧力制御弁9の弁開度を決定する。なお、設定するマップは図14の(a)以外にも図14(b)および図14(c)に示すものを利用可能である。
特に、図14に示すマップにおいて、燃料電池スタック4の運転圧力が低いときには、圧力制御弁9の開度が大きくなるように制御して噴出部16、32周辺の圧力を低下させる。これにより、燃料電池スタック4の運転圧が低くてアノード系の圧力が不足し、通常の運転状態では効果的なアノードオフガスのパージができない可能性がある場合でも、アノードオフガスのパージ圧損を下げて効果的にアノードオフガスを排出することができる。
また、図15に示すマップに基づいて燃料電池スタック4の発電量から燃料電池スタック4の運転圧を求めることができるので、この運転圧から図14に示すマップに基づいて弁開度を決定するようにしてもよい。図15において、実線はアノード運転圧、破線はアノードオフガス排出圧損の特性をそれぞれ示している。
また、制御用マップは図14に示すようなものに限定されるものではなく、システム稼働時間およびシステム発電量等に応じたマップとしても良い。
ただし、水抜き制御サブルーチンは噴出部16、32内に溜まった凝縮水の排出を促進するための制御なので、図8で説明した−方向に圧力制御弁9を開いて噴出部16、32の噴出孔22、33のうち下側の噴出孔の流速が早くなるように制御する。また、圧力制御弁9の開度を決定するためのパラメータとしては出力以外にも運転開始後の経過時間、システム温度、システム圧力等を用いることも可能である。
次に、コントローラ100はステップS203において、ステップS202で決定した圧力制御弁9の開度を維持するか否かを判定する。この判定基準としてはステップS202で開度を決定したときに使用したものと同じ要件を採用する。または、ある一定時間は同じ開度にするような制御とし、時間の経過に応じて開度の継続を判定するようにしても良い。ここで、継続すると判定した場合には再度ステップS203を繰り返し行う。
一方、コントローラ100は、ステップS203で圧力制御弁9の開度の継続が不要または継続しないと判定された場合には、ステップS204へ移行して水抜き制御サブルーチンが完了したか否かの判定を行なう。この判定基準としては、例えばサブルーチン開始からの経過時間やアノードオフガス配管15内の圧力から凝縮水を十分に排出できたか否かを判定するようにすれば良いが、その他のシステムの運転条件に基づいて決定することも可能である。ここで、水抜き制御サブルーチンがまだ完了していないと判定された場合には、ステップS202へ戻って最新情報に基づいて圧力制御弁9の開度が再設定される。
一方、コントローラ100は、ステップS204で水抜き制御サブルーチンが完了したと判定された場合には、ステップS205へ移行して水抜き制御サブルーチンを終了して上位の制御ルーチンへと戻る。
上述したように、本実施例の燃料電池システム1では、アノードオフガスを排気管10に噴出する噴出部16、32を圧力制御弁9の下流近傍に設置したので、圧力制御弁9の動き(開閉及び開度変化)をコントロールすることによって圧力制御弁9下流のカソードオフガスの流れに生じる渦を制御して噴出部16、32周辺の圧力を変動させることができ、これによって噴出部16、32から効果的に凝縮水を噴出させ、噴出部16、32が凝縮水によって閉塞することを防止できる。また、アノードオフガスを効果的にカソードオフガスに混合して希釈することもできる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、噴出部16、32を排気管10内の中心付近にアノードオフガス配管15、15Aによって導入して設置したので、カソードオフガスの流れに効果的に導入できる位置にアノードオフガスを噴出することができ、これによってより短距離、尚且つ低圧損でアノードオフガスを希釈することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、噴出部16、32には上下に少なくとも2ヶ所以上の噴出孔22、32が設けられているので、上下の噴出孔が両方同時に閉塞することはなく、凝縮水が多少溜まっても全ての噴出孔が同時に閉塞することを防ぐことができる。また、噴出孔が1ヶ所の場合よりも凝縮水による閉塞の影響を減らすことができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、アノードオフガス配管15、15Aをカソードオフガスの流れに逆らわない角度で排気管10内に設置したので、アノードオフガスの噴出抵抗(圧損)を低減することができる。特にアノードオフガス配管が流れに逆らう方向に向いていると、動圧の影響によってアノードオフガス配管内の圧力抵抗が増加し、効果的なアノードオフガスの排出ができなくなる恐れがあるが、それを防止することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、アノードオフガス配管15、15Aを重力に逆らわない角度で排気管10内に設置したので、アノードオフガスの噴出抵抗(圧損)を低減することができる。特にアノードライン内の凝縮水による圧損の増加を減少させて重力を有効利用することによって凝縮水を効果的に排出することができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、噴出孔22、33をカソードオフガスの流れに逆らわない方向に設置したので、 アノードオフガスの噴出抵抗( 圧損) を低減することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、圧力制御弁9の開く方向を可変にしたので、圧力制御弁9の開く方向によって圧力制御弁9下流のガス流場が変化することを利用して噴出部16、32周辺の流場を制御することができる。また、圧力制御弁9が単一方向にしか開かない場合と比較して制御の幅が広がり、流れを大きく変化させることができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、噴出部16、32からアノードオフガスを噴出するときに圧力制御弁9の開度を制御して噴出されたアノードオフガスの混合を促進するので、パージに適した圧力制御弁9下流の流場を形成することができ、圧力制御弁9の下流に生じる渦によってアノードオフガスの混合を促進して短距離で混合することができる。その結果、排気管10の距離を短くすることが可能となり、システムのコストや質量等を下げることが可能となる。また、圧力制御弁9の開度によって渦の形成を制御することにより、噴出部16、32周辺の圧力を制御することができ、効果的なアノードオフガスの噴出が可能となる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、燃料電池スタック4の運転圧力が低いときには、圧力制御弁9の開度を制御して噴出部16、32周辺の圧力を低下させるので、アノードオフガスのパージ圧損を下げて効果的にアノードオフガスを排出することができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、圧力制御弁9の開度を制御して噴出部16、32下側の圧力を低下させるので、噴出部16、32の下側に溜まっている凝縮水を効果的に排出することができる。凝縮水はガスに比べて1000倍近く比重が重いので、噴出部16、32の下側の圧力を下げることにより凝縮水を効果的に排出することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、圧力制御弁9の上側がカソードオフガスの流れる方向下流に傾くように制御して、噴出部16、32の上側の圧力を低下させるので、軽いアノードオフガスを効果的に排出することができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、圧力制御弁9の下側がカソードオフガスの流れる方向下流に傾くように制御して、噴出部16、32の下側の圧力を低下させるので、重いアノード凝縮水を効果的に排出することができる。
次に、本発明の実施例2を図16に基づいて説明する。図16は、実施例2の燃料電池システムによる水抜き制御処理を示すフローチャートである。尚、本実施例の燃料電池システムの構成は実施例1と同一なので、詳しい説明を省略する。
本実施例の水抜き制御処理では、システムの起動時と停止時に水抜きが必要であるか否かを判定するようにしたことが、実施例1の水抜き制御処理と異なっている。
図16に示すように、本実施例の燃料電池システムによる水抜き制御処理は、コントローラ100がステップS301において水抜き制御を開始し、次にステップS302でシステムの起動時であるか否かが確認される。ここで、システムの起動時であると判定された場合にはステップS303へ移行し、ステップS303ではシステム起動時の水抜き制御が必要であるか否かが判定される。
ここで、システムの起動時における水抜き制御の必要性判定方法を説明する。コントローラ100は、システムの起動時には、前回システムを停止してからの水分の凝縮量を想定し、想定された水分の凝縮量に基づいて水抜き制御の必要性を判定する。具体的な想定方法としては、システム停止時のシステム温度と起動時のシステム温度との差を用いて、温度差が大きい場合、例えば、
前回停止時の温度−今回起動時の温度>20℃
となる場合には温度低下により水分が凝縮したと判定して、起動時の水抜き制御が必要であると判定する。
また、システムに設置されたタイマーを用いて前回停止時と今回起動時の時間差から、ある程度以上の時間(例えば1時間以上)が経っていた場合に起動時の水抜き制御を行なうように設定してもよい。さらに、温度、圧力、発電量等の停止前のシステム運転状態に合わせた判定マップを予め制御設計者が作成し、そのマップと比較して起動時に水抜き制御を実施するか否かを判定するようにしてもよい。また、アノードオフガスによる凝縮水の滞留を検出したときに、水抜き制御を実施するようにしてもよい。凝縮水の滞留を検知する方法として、例えばアノードオフガスパージ時の排圧から予測する方法がある。運転状態から想定される排圧よりもパージ時の排圧が高い場合には凝縮水の滞留量が増加したと判定可能である。
こうしてシステム起動時の水抜き制御が必要であるか否かを判定し、必要であると判定された場合にはステップS304へ移行し、ステップS304では水抜き制御のサブルーチン(図13)を呼び出して水抜き処理を実施する。
一方、ステップS303で水抜き制御が不要であると判断された場合と、ステップS302で起動時ではないと判定された場合、ステップS304の水抜き処理が終了した場合には、ステップS305へ移行し、ステップS305では通常運転中において水抜き制御が必要か否かの判定を実施する。ここで、水抜き制御が必要であると判定された場合には、ステップS306において水抜き制御サブルーチンを呼び出して水抜き処理を実施する。
なお、ステップS305における水抜き制御の要否を判定する方法としては、前回の水抜き制御を実施してからの経過時間(例えば10分以上経ったか否か)、前回の水抜き制御を実施してからの発電量(例えば5Ahr以上発電したか否か)などの単純な判定基準を用いてもよいし、システムの温度や圧力、出力等の運転状態に基づいて予め設定された制御マップを用いて判定するようにしてもよい。また、アノードオフガスによる凝縮水の滞留を検出したときに、水抜き制御を実施するようにしてもよい。
そして、ステップS305で水抜き制御が不要と判定された場合及びステップS306において水抜き制御サブルーチンが終了した場合にはステップS307へ移行し、ステップS307ではシステムの停止時か否かの判定を行なう。
ここで、ステップS307におけるシステム停止時か否かの判定基準としては、上位コントローラからのシステム停止信号を用いてもよいし、システムの電源スイッチが切られたことを検知するようにしてもよい。
そして、ステップS307でシステム停止時ではないと判定された場合にはステップS305へ戻り、一方システム停止時であると判定された場合にはステップS308へ移行し、ステップS308ではシステム停止時の水抜き制御が必要であるか否かを判定する。
ここで、システムの停止時における水抜き制御の必要性判定方法を説明する。システムの停止時にコントローラ100は、システムの運転状態に基づいて水抜き制御の必要性を判定する。燃料電池システムはその性質上、水分の生成量は発電量に比例する。そのため発電量が多い場合には水分の生成に合わせて凝縮水も発生していると想定することができる。したがって、システムの停止時に前回の水抜き制御を行なった時からの発電量がある一定量(例えば10Ahr)以上の発電を行った場合には水抜き制御が必要である判定する。また、発電量に関係なく前回の水抜き制御を行ってからの時間で判定するようにしてもよく、例えば前回の水抜き制御を行なってから10分以上経過した場合に水抜き制御を行なうように判定してもよい。さらに、温度、圧力、発電量等のシステムの運転状態に合わせた判定用のマップを予め制御設計者が作成し、そのマップと比較して停止時の水抜き制御を実施するか否かを判定するようにしてもよい。また、アノードオフガスによる凝縮水の滞留を検出したときに、水抜き制御を実施するようにしてもよい。
こうしてシステム停止時の水抜き制御が必要であるか否かを判定し、必要であると判定された場合にはステップS309へ移行し、ステップS309では水抜き制御のサブルーチンを呼び出して水抜き処理を実行する。
一方、コントローラ100は、ステップS308で水抜き制御が不要であると判断された場合と、ステップS309の水抜き処理が終了した場合には、ステップS310へ移行し、ステップS310では水抜き制御を停止して本実施例の水抜き制御処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システムでは、燃料電池スタック4の運転状態に基づいてアノードオフガスの水分凝縮量を予測し、この水分凝縮量に基づいて圧力制御弁9の開度を制御して噴出部16、32下側の圧力を低下させるので、噴出部16、32の下側に溜まっている凝縮水の悪影響をシステムが受ける前に凝縮水を効果的に排出することができる。凝縮水が増えるとアノード系の圧損が上昇して効果的にアノードオフガスを排出することができなくなるが、予め悪影響が発生する前に処理しておくことにより悪影響を未然に防止することができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、アノードオフガスによる凝縮水の滞留を検出したときにも圧力制御弁9に対して凝縮水の排出を促進する制御を実施するので、噴出部16、32に溜まっている凝縮水を効果的に排出し、悪影響がさらに継続したり、悪化したりすることを防止できる。また、通常の運転状態へ速やかに復帰させることが可能となる。
さらに、本実施例の燃料電池システムでは、システムの起動時に圧力制御弁9に対してアノードオフガスによる凝縮水の排出を促進する制御を実施するので、システムの 起動時に噴出部16、32の 下側に溜まっている凝縮水を効果的に排出することができ、これによってシステム起動時及び起動直後の凝縮水による弊害を防止することができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、システムの停止時に圧力制御弁9に対してアノードオフガスによる凝縮水の排出を促進する制御を実施するので、停止時に噴出部16、32の下側に溜まっている凝縮水を効果的に排出することができ、これによって次回システムを起動するときに凝縮水による弊害を防止することができる。また、停止時に残っていた凝縮水が低温時に凍結することによって発生する弊害(配管閉塞等)も防止することができる。
次に、本発明の実施例3を図17に基づいて説明する。図17は、実施例3の燃料電池システムによる水抜き制御処理を示すフローチャートである。尚、本実施例の燃料電池システムの構成は実施例1と同一なので、詳しい説明を省略する。
本実施例の水抜き制御処理では、圧力制御弁9の開く方向を切り替えるか否かを判定するようにしたことが、実施例1の水抜き制御処理と異なっている。
図17に示すように、本実施例の燃料電池システムによる水抜き制御処理は、コントローラ100がまずステップS401で水抜き制御を開始し、次にステップS402でシステムの起動時であるか否かが確認される。ここで、システムの起動時であると判定された場合にはステップS403へ移行し、ステップS403では水抜き制御のサブルーチン(図13)を呼び出して水抜き制御処理を実施する。
そして、コントローラ100は、ステップS402で起動時ではないと判定された場合及びステップS403の水抜き制御処理が終了した場合にはステップS404へ移行し、ステップS404では圧力制御弁9のバタフライバルブの開く方向を、図8で定義した+方向と−方向の切り替えを実施するか否かを判定する。このステップS404におけるバルブの開く方向の切り替えが必要であるか否かの判定方法としては、システムの運転状態に基づいて判定するようにし、例えば前回開く方向を切り替えてからの時間が10分を経過した場合には再び切り替えるように制御してもよいし、燃料電池スタック4の出力によって開く方向を切り替えるように制御してもよい。また、燃料電池スタック4の出力が定格に到達する毎に開く方向を切り替えるように制御してもよいし、その他のシステムの運転条件によって切り替える条件をマップに設定し、このマップに基づいて開く方向を切り替えるように制御してもよい。
こうしてステップS404において圧力制御弁9の開く方向を切り替えると判定された場合にはステップS405へ移行し、ステップS405では圧力制御弁9の開く方向を+方向と−方向で切り替えを実施する。
そして、コントローラ100は、ステップS404で圧力制御弁9の開く方向の切り替えが不要と判定された場合、及びステップS405において開く方向の切り替えが終了した場合にはステップS406へ移行し、ステップS406では通常運転中において水抜き制御が必要か否かの判定を実施する。ここで、水抜き制御が必要であると判定された場合には、ステップS407において水抜き制御サブルーチンが実行される。
なお、ステップS406における水抜き制御の要否を判定する方法としては、前回の水抜き制御を実施してからの経過時間(例えば10分以上経ったか否か)、前回の水抜き制御を実施してからの発電量(例えば5Ahr以上発電したか否か)などの単純な判定基準を用いてもよいし、システムの温度や圧力、出力等の運転状態に基づいて予め設定された制御マップを用いて判定するようにしてもよい。
そして、コントローラ100は、ステップS406で水抜き制御が不要と判定された場合及びステップS407において水抜き制御サブルーチンが終了した場合にはステップS408へ移行し、ステップS408ではシステムの停止時か否かの判定を行なう。
ここで、ステップS408におけるシステム停止時か否かの判定基準としては、上位コントローラからのシステム停止信号を用いてもよいし、システムの電源スイッチが切られたことを検知するようにしてもよい。
そして、コントローラ100は、ステップS408でシステム停止時ではないと判定された場合にはステップS404へ戻り、システム停止時であると判定された場合にはステップS409で水抜き制御サブルーチンを呼び出して実行し、水抜き制御処理が終了した後にステップS410で水抜き制御を停止して本実施例の水抜き制御処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システムでは、圧力制御弁9の開く方向を制御することによって噴出部16、32周辺の圧力分布を制御するので、効果的にアノードオフガスと凝縮水の両方を噴出することができる。
次に、本発明の実施例4を図18に基づいて説明する。図18に示すように、本実施例の燃料電池システム51では、排気管10に燃焼器(燃焼手段)52を設置したことが実施例1と異なっており、その他の構成については実施例1と同様なので、詳しい説明は省略する。
ここで、燃焼器52は、排気管10の噴出部16の下流に設置され、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合させて既存の燃焼器技術を用いて燃焼させる。この場合、燃焼器52の位置はアノードオフガスがカソードオフガスに十分混合する位置に設置することが望ましい。
このように、本実施例の燃料電池システム51では、排気管10の噴出部16の下流に、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合させて燃焼する燃焼器52を設置したので、アノードオフガスに含まれる水素を燃焼させることができ、システム外に水素を排出することを防止できる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 (a)、(b)本発明の実施例1に係る燃料電池システムに設置された噴出部の構造を示す図である。 (a)、(b)本発明の実施例1に係る燃料電池システムにおける圧力制御弁の開度とカソードオフガスの流れの関係を説明するための図である。 (a)、(b)本発明の実施例1に係る燃料電池システムにおける圧力制御弁の開度とカソードオフガスの流れの関係を説明するための図である。 (a)、(b)本発明の実施例1に係る燃料電池システムにおける圧力制御弁の開度とカソードオフガスの流れの関係を説明するための図である。 (a)、(b)本発明の実施例1に係る燃料電池システムにおける圧力制御弁の開度とカソードオフガスの流れの関係を説明するための図である。 (a)〜(c)本発明の実施例1に係る燃料電池システムに設置された噴出部の構造を示す図である。 (a)、(b)圧力制御弁の開く方向を説明するための図である。 (a)、(b)圧力制御弁の開く方向によるカソードオフガスの流れの変化を説明するための流速ベクトル図である。 (a)、(b)圧力制御弁の開く方向による圧力変化を説明するための噴出部周辺の圧力コンター図である。 (a)〜(c)圧力制御弁の開く方向による噴出部内のカソードオフガスの流れの変化を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る燃料電池システムの水抜き制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る燃料電池システムの水抜き制御サブルーチンを示すフローチャートである。 (a)〜(c)燃料電池スタックの運転圧力及び発電量と圧力制御弁の開度との関係を示す図である。 燃料電池スタックの発電量とアノードの運転圧力との関係を示す図である。 本発明の実施例2に係る燃料電池システムの水抜き制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る燃料電池システムの水抜き制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、51 燃料電池システム
2 アノード極
3 カソード極
4 燃料電池スタック
5 コンプレッサ
6 空気供給配管
7 加湿器
8 カソードオフガス配管
9 圧力制御弁
10 排気管
11 水素供給配管
12 水素循環配管
13 水素循環ポンプ
14 アノードパージ弁
15、15A アノードオフガス配管
16、32 噴出部
22、33 噴出孔
52 燃焼器(燃焼手段)
100 コントローラ

Claims (17)

  1. 燃料電池のカソードオフガスを排出する排気管にアノードオフガスを噴出して希釈する燃料電池システムであって、
    前記アノードオフガスの噴出部を、前記カソードオフガスの流れを制御する制御弁の下流近傍に設置し、前記燃料電池の停止時には前記制御弁の動きをコントロールすることによって前記制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦により前記噴出部周辺の圧力を変動させて前記アノードオフガスによる凝縮水の排出を促進する制御を実施することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記噴出部を、前記排気管内の中心付近に噴出部配管によって導入されて設置したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記噴出部配管は、前記カソードオフガスの流れに逆らわない角度で前記排気管内に設置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記噴出部配管は、重力に逆らわない角度で前記排気管内に設置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記噴出部には、上下に少なくとも2ヶ所以上の噴出孔が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記噴出孔は、前記カソードオフガスの流れに逆らわない方向に設置されていることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御弁は、開く方向が可変であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記噴出部からアノードオフガスを噴出するときには、前記制御弁の開度を制御することによって前記制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦により前記噴出部周辺の圧力を変動させ、噴出されたアノードオフガスの混合を促進することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池の運転圧力が低いときには、前記制御弁の開度を制御して前記噴出部周辺の圧力を低下させることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記制御弁の開度を制御して前記噴出部下側の圧力を低下させることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の運転状態に基づいて前記アノードオフガスの水分凝縮量を予測し、この水分凝縮量に基づいて前記制御弁の開度を制御して前記噴出部下側の圧力を低下させることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記アノードオフガスによる凝縮水の滞留を検出したときには、前記制御弁の動きをコントロールすることによって前記制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦により前記噴出部周辺の圧力を変動させて前記凝縮水の排出を促進する制御を実施することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記燃料電池の起動時には、前記制御弁の動きをコントロールすることによって前記制御弁下流のカソードオフガスの流れに生じる渦により前記噴出部周辺の圧力を変動させて前記アノードオフガスによる凝縮水の排出を促進する制御を実施することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  14. 前記制御弁の開く方向を制御することによって、前記噴出部周辺の圧力分布を制御することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  15. 前記制御弁の上側が前記カソードオフガスの流れる方向下流に傾くように制御して、前記噴出部上側の圧力を低下させることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  16. 前記制御弁の下側が前記カソードオフガスの流れる方向下流に傾くように制御して、前記噴出部下側の圧力を低下させることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  17. 前記排気管内の前記噴出部下流に、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合させて燃焼させる燃焼手段を設置したことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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