JP5066359B2 - ポリマーセメント組成物の吸水防止方法 - Google Patents

ポリマーセメント組成物の吸水防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、モルタル・コンクリート表面に発生するドライアウトを防止できるポリマーセメント組成物の施工方法及び該施工により得られるセメント硬化体に関する。
コンクリート躯体にモルタルを薄層で施工する場合、コンクリート躯体にモルタルの水分が吸収されることにより、モルタルがドライアウトし、硬化不良、付着不良などの不具合を起こすことがある。こうした弊害を防ぐために、古くから、モルタル施工に先駆けて「ノロがけ」、「水湿し」などが行われている。
「ノロがけ」とは、セメントを水で溶いたセメントミルク(ノロ)を刷毛などで躯体に薄く塗布することにより、躯体の吸水を防ぐ方法であるが、ノロがドライアウトする前にモルタルを施工する必要があり、作業が煩雑となる。また、「水湿し」とは、躯体を事前に水浮きがない程度に湿らせてモルタルを施工する方法であるが、「ノロがけ」と同様、躯体が乾く前にモルタルを施工しなければならない。
これらの方法では、施工速度と下地処理の乾燥のバランスにより、均一性を欠いた施工となり易いのが問題とされていた。
こうした不具合をなくすため、従来よりポリマーエマルションを吸水防止プライマーとして予め躯体に塗布・乾燥させ、皮膜化することにより、続いて施工するモルタルのドライアウトを防止することが行われている。一般に使用されているプライマーとしては、エチレン-酢酸ビニル系、スチレン-アクリル系、オールアクリル系などがある。
しかしながら、特に乾燥条件下、或いは高温条件下においては、水分蒸発が早いためドライアウトによる硬化不良や付着強度の低下が生じ易く、十分な耐久性を有するコンクリート構造物が得られないという問題があった。
本発明の目的は、厳しい環境下においてもセメント組成物の水分散逸を防止し、ドライアウトによる硬化不良や付着不良を生ずることのないポリマーセメント組成物の施工方法及び該施工により得られるセメント硬化体を提供することにある。
本発明者は、コンクリート躯体とポリマーセメント組成物との接着に用いるプライマーについて種々検討したところ、主としてポリマーセメント組成物に含まれるポリマーエマルションと同じ樹脂成分のエマルションが、プライマーとして用いられていることが判明した。すなわち、プライマーに用いるエマルションとセメント組成物に用いるエマルションは、プライマー層とセメント組成物との接着性や硬化性、施工性等の点から同じイオン性基を有するものを用いるのが好ましいと考えられていた。そこでさらに検討したところ、全く意外にも、プライマーに用いるエマルションとして、セメント組成物に用いるエマルションと逆性のイオン性基を有するエマルションを用いれば、モルタルからの水分逸脱を防止し、ドライアウトによる硬化不良やひび割れを防止でき、かつ付着強度にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カチオン性ポリマーエマルションからなる塗布層の表面に、アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物の硬化層を設けてなることを特徴とするセメント硬化体を提供するものである。
また、本発明は、アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションからなる塗布層の表面に、カチオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物の硬化層を設けてなることを特徴とするセメント硬化体を提供するものである。
また、本発明は、コンクリート躯体に予めカチオン性ポリマーエマルションを塗布、乾燥した後、アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物を施工することを特徴とするポリマーセメント組成物の施工方法を提供するものである。
さらにまた、本発明は、コンクリート躯体に予めアニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションを塗布、乾燥した後、カチオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物を施工することを特徴とするポリマーセメント組成物の施工方法を提供するものである。
本発明によれば、セメント組成物の水分がコンクリート躯体に吸収されるのを防止できるため、高温条件下等の厳しい環境下においても、ドライアウトによる硬化不良やひび割れを生ずることのない安定した付着性能(引張り強度)を有するセメント硬化体を得ることができる。
本発明においては、先ずコンクリート躯体にポリマーエマルションからなる吸水防止プライマーを塗布する。該プライマーを塗布するコンクリート躯体としては、特に限定されず、土木用、建築用などのモルタル・コンクリート構造物を挙げることができる。
本発明で用いるポリマーエマルションは、有機高分子ポリマーが乳化して水系溶媒中に均一に分散した水溶液で、乾燥後ポリマー皮膜を形成し得るものである。ポリマーエマルションは、カチオン性、アニオン性、ノニオン性又は両性のいずれでもよい。
ポリマーエマルションとしては、例えばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、変性酢酸ビニル、酢酸ビニル−ベオバ共重合体等の酢酸ビニル系樹脂;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の合成樹脂エマルション;天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等のゴムラテックスのエマルション;アスファルト、ゴムアスファルト、パラフィン等の瀝青質等のエマルションが挙げられ、これらを併用してもよい。また、粉末状にした再乳化型粉末樹脂を用いてもよい。本発明において、ポリマーは得られるエマルションの性質に応じて選択される。
これらのうち、アクリル系樹脂エマルションを用いるのが吸水防止性の点から好ましい。アクリル樹脂系エマルションとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド等のアミド系アクリレート等の(メタ)アクリル酸又はその誘導体より選択されるモノマーからなる重合体、共重合体が挙げられる。また、さらにこれらのモノマーと共重合可能なスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデンなどのビニル化合物と共重合させたものを用いることもできる。
エマルション中に含まれるポリマー成分のガラス転移温度は特に制限されないが、例えば−70〜30℃、好ましくは−50〜10℃である。また、吸水防止プライマーのエマルション中に含まれるポリマーの固形分は、5〜50質量%が好ましく、特に5〜35質量%が好ましい。
エマルションの保存濃度は、保存安定性の点から、ポリマー固形分として10〜60重量%が好ましく、特に20〜55質量%が好ましい。
ポリマーエマルションは、公知の製造方法により得られるものを用いることができ、例えば、乳化剤の存在下に、重合開始剤を用いて、水又は含水溶媒中で合成樹脂の原料となる重合性モノマーを乳化重合する方法などにより製造することができる。乳化剤としては、カチオン性、アニオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、ポリビニルアルコールなどの保護コロイドが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミンの塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アリールスルホン酸ホルマリン縮合物、ドデシル酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ヒマシ油カリ石ケン等の脂肪酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリアミド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンの縮合生成物等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド型乳化剤等が挙げられる。
ポリビニルアルコールとしては、完全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの一部をカルボキシル基、スルフォニル基等で修飾したアニオン化ポリビニルアルコールなどが挙げられる。乳化力の点から、けん化率は 85〜100%、平均重合度は300〜4000が好ましい。
重合開始剤としては、水又は含水溶媒中でラジカル重合できるものが好ましく、過酸化水素、過酢酸、過硫酸又はこれらのアンモニウム塩や硫酸塩等の水溶性の過酸化物やその塩などを挙げることができる。また、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,2'−アゾビスイソブチルニトリルなどの有機過酸化物、メタ亜硫酸ナトリウムやピロ亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を併用することができる。
重合開始剤の使用量は、エマルションが製造できる範囲であれば適宜選択できる。
ポリマーエマルションを塗布する方法としては、例えば刷毛塗り、ローラー塗り等の塗布手段や、噴霧、吹き付け等の散布等、通常の方法が挙げられる。また、ポリマーエマルションを塗布後、その塗布表面を鏝押えにより均すことで、塗膜の強度向上を図ることができる。鏝押えは、少量の水をかけながら行ってもよく、また水の代わりに塗膜養生材をかけながら行ってもよい。液体をかけながら鏝押さえをすることにより、鏝が滑り、表面にセメントペーストが浮き出て、きれいに表面を仕上げることができる。
ポリマーエマルションの塗布量は、固形分換算で5〜50g/m2が好ましく、特に10〜30g/m2が好ましい。塗布量が少なすぎると十分な効果が得られず、他方塗布量が多すぎるとその上に施工するポリマーセメント組成物の剥離を生じ易い。
吸水防止プライマーは、珪酸塩及び/又はコロイダルシリカを配合することにより、さらに吸水防止性が向上する。
本発明で用いる珪酸塩としては、例えば珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸アルカリ金属塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムなどの珪酸アルカリ土類金属塩等が挙げられ、特に珪酸アルカリ金属塩が好ましい。
吸水防止プライマーに珪酸塩を配合する場合、ポリマーエマルションとしてカチオン性以外のエマルションを用いるのが保存安定性の点から好ましい。
コロイダルシリカは、平均粒子径1〜50nm、好ましくは5〜30nmで、酸性又はアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものを用いることができる。粒子径が小さすぎると反応性が高くエマルションとの混和性が悪くなり、他方大きすぎると十分な効果が得られにくい。
吸水防止プライマーにコロイダルシリカを配合する場合、ポリマーエマルションとしてカチオン性ポリマーエマルションを用いる場合は、例えばアルミナコーティングしたもの等、粒子の表面が正に荷電したものを用いるのが好ましく、ポリマーエマルションとしてアニオン性ポリマーエマルションを用いる場合は、負に荷電し、アルカリ性の水分散液に分散させたものを用いるのが好ましい。
プライマー中の珪酸塩の固形分含有量は、全固形分中5〜40質量%が好ましく、コロイダルシリカの固形分含有量は、全固形分中5〜40質量%が好ましい。珪酸塩及び/又はコロイダルシリカの配合量が少なすぎると十分な効果が得られず、他方配合量が多すぎると粘性が大きくなるため作業性に劣る。また、珪酸塩及び/又はコロイダルシリカの塗布量は、固形分換算でそれぞれ5〜50g/m2とするのが好ましい。塗布量が少なすぎると十分な効果が得られず、他方塗布量が多すぎるとその上に施工するポリマーセメント組成物の剥離を生じ易い。
本発明においては、コンクリート躯体にポリマーエマルションからなるプライマーを塗布し、これを乾燥させた後、その塗布表面にポリマーセメント組成物を施工するが、ここで施工するポリマーセメント組成物は、塗布したポリマーエマルションと逆性のポリマーエマルションを有する組成物であることが必要である。すなわち、塗布するポリマーエマルションがカチオン性である場合、組成物中のポリマーエマルションはアニオン性及び/又はノニオン性であることが必要であり、他方塗布するポリマーエマルションがアニオン性及び/又はノニオン性である場合、組成物中のポリマーエマルションはカチオン性であることが必要である。
ポリマーエマルションがカチオン性であるとは、ポリマーエマルションがそのポリマー又は乳化剤の分子内に3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を有していることをいう。また、ポリマーエマルションがアニオン性であるとは、ポリマーエマルションがそのポリマー又は乳化剤の分子内にカルボキシル基、スルホ基、リン酸基又はそれらの塩等のアニオン性基を有していることをいい、ポリマーエマルションがノニオン性であるとは、ポリマーエマルションがそのポリマー又は乳化剤の分子内にイオン性基を有していないことをいう。ポリマーエマルションが有するカチオン性基、アニオン性基は、モノマー由来でもよく、界面活性剤(乳化剤)由来でもよい。
ポリマーエマルションの性質は、使用するモノマーの種類や界面活性剤の種類、それらの使用量により決めることができる。
本発明において、ポリマーセメント組成物とは、基本的にはセメント、骨材及びポリマーエマルションを混合してなるものである。
本発明で用いるセメントは、水硬化性セメントであれば特に限定されず、例えば普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩、白色等の各種ポルトランドセメント;高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等との混合セメント;アルミナセメント、半水石膏、ドロマイトプラスター等が挙げられ、これらを併用してもよい。
本発明で用いる骨材としては、一般にモルタルやコンクリートに使用されている骨材であれば特に限定されず、例えば珪砂、砕砂、砕石、陸砂、陸砂利、川砂、川砂利、人工骨材、貝殻、スラグ骨材、石粉等が挙げられ、これらを併用してもよい。
ポリマーセメント組成物中の骨材の配合量は、セメント100重量部に対し、0〜600質量部が好ましく、特に10〜500質量部が好ましい。
ポリマーセメント組成物に用いるポリマーエマルションとしては、前記と同様のものを挙げることができる。エマルション中に含まれるポリマーの固形分は、接着性・中性化抑制性・乾燥収縮低下作用等への有効性、作業性、硬化時間、強度発現性などの点から5〜50質量%、好ましくは10〜45質量%である。
ポリマーセメント組成物には、セメント、骨材及びポリマーエマルションの他に、例えば消泡剤、収縮低減剤、膨張材、各種スラグ、各種ポゾラン、増粘剤、繊維、粘土鉱物、減水剤、流動化剤、硬化遅延剤、硬化促進剤等を混合してもよい。
ポリマーセメント組成物をコンクリート躯体に施工する方法としては、例えば鏝塗り等の塗布や、吹き付け等の散布、流し込み、注入等の通常の方法が挙げられる。ポリマーセメント組成物を乾燥、硬化させた後、更に同じ操作を繰り返し複数の硬化層を形成させてもよい。
このように、コンクリート躯体にポリマーエマルションを塗布し、乾燥させた後、その塗布表面にポリマーセメント組成物を施工することによりセメント硬化体が得られる。ポリマーセメント組成物に含まれるエマルションと逆性のエマルションからなるプライマーを予め塗布することで、セメントからの吸水を防止できるため、該セメント硬化体は、強風条件下や高温乾燥条件下などの厳しい環境下においてもドライアウトが生じず、また付着強度に優れることから、これをコンクリート躯体に積層することにより、ひび割れのない耐久性に優れたコンクリート躯体を得ることができる。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
<使用材料>
ポリマーエマルション:ガンツ化成社 ウルトラゾール CMX-235(カチオン性、オールアクリル)、ニチゴー・モビニール社 モビニール7700(アニオン性、保護コロイドオールアクリル)、ニチゴー・モビニール社 モビニール7800(カチオン性、保護コロイドオールアクリル)、ニチゴー・モビニール社 モビニールDM765(アニオン性、スチレンアクリル)、旭化成ケミカルズ社 A1500(アニオン性、スチレンアクリル)、太平洋マテリアル社 CX-B(アニオン性、SBR)
粉末樹脂:日本NSC社 TITAN 8100(カチオン性、オールアクリル)、ワッカー社 LL512(アニオン性、スチレンアクリル)、ニチゴー・モビニール社 DM-2072P(アニオン性、酢酸ビニル・ベオバ・アクリル)、ニチゴー・モビニール社 LDM-7000P(ノニオン性、オールアクリル)
セメント:太平洋セメント社普通ポルトランドセメント
珪砂: 三河産珪砂FM 1.7
珪酸リチウム:日本化学工業社 珪酸リチウム35
珪酸ナトリウム:日本化学工業社 J珪酸ソーダ1号
コロイダルシリカ:デュポン社 ルドックスAM
デュポン社 ルドックスLS
<乾燥条件下施工における付着試験>
コンクリート歩道板(300×300×60mm)上に表1に示す吸水防止プライマーをそれぞれ塗布した後、35℃、相対湿度40%条件下で表1に示す各種ポリマーセメントモルタルを塗付けした。塗付け後、24時間同条件にて養生を行い、20℃相対湿度60%に移動し、試験材齢まで更に養生を行った。
試験前に剥落防止工施工面に40×40mmの正方形に、コンクリート歩道板表面に達するまでダイヤモンドカッターにて切込みを入れ、同サイズの鋼製アタッチメントをエポキシ接着材にて貼付け、硬化後、建研式接着力試験器で施工面に対し垂直方向に引張り、付着強度を測定した。付着強度1.8N/mm2以上を合格とした。また、「ひび割れ」の有無を目視により判定した。結果を表1〜表3に示す。
Figure 0005066359
Figure 0005066359
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表1及び3の結果から、ポリマーセメント組成物に含まれるエマルションと逆性のイオン性基を有するエマルションを予め塗布すれば、高温乾燥条件下においてもひび割れが生じず、また硬化不良を起こすことなく、付着強度も1.8N/mm2以上と優れたセメント硬化体が得られることが確認できた。また、表2の結果から、プライマーに珪酸塩及び/又はコロイダルシリカを配合することで、より安定した付着性能を有するセメント硬化体が得られることが確認できた。

Claims (8)

  1. カチオン性ポリマーエマルションからなる塗布層、又はカチオン性ポリマーエマルションと珪酸塩及び/又はコロイダルシリカとからなる塗布層の表面に、アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物の硬化層を設けてなることを特徴とするセメント硬化体。
  2. アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションからなる塗布層、又はアニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションと珪酸塩及び/又はコロイダルシリカとからなる塗布層の表面に、カチオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物の硬化層を設けてなることを特徴とするセメント硬化体。
  3. ポリマーエマルションを構成するモノマーが、分子内に(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体を有するモノマーである請求項1又は2記載のセメント硬化体。
  4. 塗布層が、ポリマーエマルションと珪酸塩とからなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント硬化体。
  5. コンクリート躯体に予めカチオン性ポリマーエマルション、又はカチオン性ポリマーエマルションと珪酸塩及び/又はコロイダルシリカとを塗布、乾燥した後、アニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物を施工することを特徴とするポリマーセメント組成物の施工方法。
  6. コンクリート躯体に予めアニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルション、又はアニオン性及び/又はノニオン性ポリマーエマルションと珪酸塩及び/又はコロイダルシリカとを塗布、乾燥した後、カチオン性ポリマーエマルションを含有するポリマーセメント組成物を施工することを特徴とするポリマーセメント組成物の施工方法。
  7. ポリマーエマルションを構成するモノマーが、分子内に(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体を有するモノマーである請求項5又は6記載の施工方法。
  8. ポリマーエマルションと珪酸塩とをコンクリート躯体に塗布する請求項5〜7のいずれか1項に記載の施工方法。
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