JP5066003B2 - 通信用シート構造体 - Google Patents
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- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Description
Area Network)を形成し、LAN内のコンピューターからインターネットなどのネットワークへのアクセスを可能としている。そのような中にあって、LANケーブルを用いる場合は、このケーブルが家屋やオフィス内に引き回され、歩行の妨げになったり、美観上の問題となる。また、無線LANを用いる場合、電波の放射を用いて通信を行うため、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティ上の問題がある。
平面上の通信媒体は、物流管理やオフィスセキュリティ管理に利用することが考えられており、情報伝送ロス、電力伝送ロスを抑え、効率的に信号を伝達することを望まれている。しかし、従来技術に記載されている通信媒体は、端面の処理を行っていないため、端面から電磁波が漏洩し、情報伝送ロス、電力伝送ロスとなってしまう問題があった。
また、近年、衣服やかばん、腕時計のように身につけて利用するウェアラブルコンピュータの研究が盛んに行われている。本発明によるフレキシブルシート構造体は、フレキシブルであり、シートを曲げたり、丸めた場合でも、剥離しないため、ウェアラブルコンピュータへの利用も可能である。
かくして、本発明によれば、少なくとも下記の上層、中層および下層の3層から構成されるシート構造体からなり、該シート構造体の端面を覆うよう0.5Ω/□〜20Ω/□の導電性布帛を縫製した通信用シート構造体が提供される。
上層:導電性能を有する層であり、該層には導電部と非導電部が存在し、該導電部の割合が8%から45%であり、導電部が完全に途切れることなく連続し、導電部の電気抵抗値が5Ω/□以下である層
中層:周波数800MHzから10GHzでの誘電正接が0.01以下である層
下層:全面に導電性を有し、電気抵抗値が1Ω/□以下である層
本発明の通信用シート構造体は、シートを曲げたり、丸めた場合でも折シワが発生することなく、優れた通信性能を維持しなければならないことを考慮し、少なくとも3層のシートからなるシート構造体からなり、該シート構造体の端面を覆うよう導電性布帛を縫製したものである。
上層の導電性については、層内に導電部と非導電部が存在し、導電部の面積が8%から45%で導電部が完全に途切れることなく連続していなければならない。層内の導電部の割合が8%未満では電磁エネルギーが消失してしまい良好な通信状態を保つことができなくなる。一方、導電部の割合が45%を超えると、シートから電気信号の媒体となるエバネッセント波が染み出なくなるため、良好な通信状態を保つことができなくなる。上記導電部の電気抵抗値も通信性能を大きく左右するものであり、電気抵抗値が低いほうが通信状態を良好に保つことができる。導電部の電気抵抗値が5Ω/□以下となれば、良好な通信状態を保つことができる。しかしながら、上層導電部の電気抵抗値が5Ω/□を超える場合、シート内に電磁エネルギーを伝播、内在させることができないため、2次元での通信ができなくなってしまう。ここで、導電部の電気抵抗値を5Ω/□以下にするには、銅、銀、アルミニウム、ステンレスを含んだ素材を使用することが良い。
なお、上記導電部の電気抵抗値は、好ましくは3Ω/□以下である。
また、上層の目付けは、通常、50g/m2から800g/m2、好ましくは100g/m2から250g/m2である。
本発明の中層は、800MHzから10GHzでの誘電正接が0.01以下となる、上記のような繊維からなる繊維構造体(織物、編物、不織布)であればよく、中でも、適度に空気層を含んだ不織布であれば良好な通信状態を保つことができる。しかしながら、800MHzから10GHzでの誘電正接が0.01を超えると、シート内に電磁エネルギーを内在させることができずエネルギーロスが発生する。そのため、通信性能が大きく低下しやすくなる。
ここで、上記誘電正接を0.01以下にするには、空気層を持たせた繊維構造体にすることが好ましい。上記誘電正接は、好ましくは0.001から0.01である。
なお、中層の厚みは、好ましくは、0.02mmから10mm、好ましくは0.5mmから2.0mmである。
また、中層の目付けは、好ましくは、50g/m2から800g/m2、より好ましくは80g/m2から300g/m2である。
下層は、全面に導電性を有し、すなわち全面に電磁波シールド性能を有していれば良好な通信状態を保つことができる。電気抵抗値としては、1Ω/□以下であればよい。しかしながら、下層が全面に導電性を有していない場合、例えば、一部分に絶縁部が存在する場合、または、電気抵抗値が1Ω/□を超えるような場合、その分部から電磁エネルギーが漏洩してしまう。そのため、シート内に電磁エネルギーを内在させることができずエネルギーロスが発生し、通信性能が大きく低下してしまう。
ここで、電気抵抗値を1Ω/□以下にするには、通信用シート構造体製造時の加工性を考えた場合、上記のような繊維からなる布帛に、銅、ニッケルなどをメッキした布帛や、フィルム面に銅、銀、アルミニウムなどを蒸着させたフィルム状のもの、銅箔やアルミ箔などの金属箔などが好ましく、これらを使用することで、良好な通信状態を保つことができる。
上記電気抵抗値は、好ましくは0.8Ω/□以下である。
ここで言う布帛は、織物、編物および不織布などが挙げられ、特に織物が好ましい。織物の繊度は30〜1,500dtex、織物密度が15〜200本/inchがよい。
なお、下層の厚みは、通常、0.02mmから5mm、好ましくは0.1mmから0.4mmである。
また、下層の目付けは、通常、50g/m2から800g/m2、好ましくは80g/m2から200g/m2である。
シート構造体の端面を覆うための導電性布帛は、全面に特定の抵抗値を有していれば良好な通信状態を保つことができる。電気抵抗値としては、0.5Ω/□〜20Ω/□である。0.5Ω/□未満である場合、電磁波が反射してしまい良好な通信状態を保つことができない。一方、20Ω/□を超える場合、エネルギーロスが発生し、通信性能が大きく低下してしまう。上記電気抵抗値は、好ましくは1.0〜10Ω/□である。
ここで、電気抵抗値を0.5Ω/□〜20Ω/□にするには、通信用シート構造体製造時の加工性を考えた場合、上記のような繊維からなる布帛に、銅、ニッケルなどをメッキした布帛や、フィルム面に銅、銀、アルミニウムなどを蒸着させたフィルム状のもの、銅箔やアルミ箔などの金属箔などが好ましく、これらを使用することで、良好な通信状態を保つことができる。
ここで言う布帛は、織物、編物および不織布などが挙げられ、特に織物が好ましい。織物の繊度は30〜1,500dtex、織物密度が15〜200本/inchがよい。
なお、導電性布帛の厚みは、通常、0.02mmから5mm、好ましくは0.1mmから0.4mmである。
また、導電性布帛の目付けは、通常、50g/m2から800g/m2、好ましくは80g/m2から200g/m2である。
そのほか、ホットメルトを利用してテープ状の導電性布帛とシート構造体を接着するなどの手段も採用される。
なお、重ね合わせたシート構造体の端面を覆うための縫製用の糸は、市販のものが使え、紡績ミシン糸でもフィラメントミシンでもよいが、好ましくは紡績ミシン糸の30〜80番手の紡績糸がよい。縫合は手縫いであっても、ミシン縫いであってもよい。
三菱化学社製「ロレスタMP
MCP−T350」を用いて、上層および下層の電気抵抗値を測定した。
図3に示したように、通信用シート構造体上に置かれた2つの近接コネクターを距離rだけ離して配置し、アジレント社製、ネットワークアナライザーを用いて、2.45GHzにおける透過係数Xを計測する。ここで、近接コネクターの距離は、1cm間隔とし10cmから80cmまで計測を行った。また、使用した近接コネクターは、通信用シート構造体で2.45GHzにピークを持つものを使用した。計測した透過係数Xの平均値(Xav.)を算出した。
上層にはポリエチレンテレフタレート(PET)織物にウレタン樹脂をラミネート加工したPET布帛(川島織物セルコン社製「ニューシェルフII」)に、線幅1.4mm、線間隔5mmの格子状に銀ペーストをプリントして目付200g/m2のPET布帛を得た。中層には厚さ2mm、繊度18dtex、目付け110g/m2のPET不織布(帝人製のニードルパンチ不織布)、下層にはPET織物に銅・ニッケルをメッキした、繊度57dtex、目付け85g/m2の電磁波シールド布帛(帝人ファイバー社製「ST2050」)を使用した。上層、中層および下層の3層を重ねあわせた周囲を3cm幅の導電性布帛によって覆い縫製した。3cm幅の導電性布帛は幅方向に2つ折りし、上層、中層および下層の3層を2つ折りした導電性布帛の間に挟みこみ、上からミシン掛けを行った。上層、中層および下層の3層と周囲を覆う導電性布帛を縫合するための縫製糸はポリエステルミシン糸(帝人ファイバー社製 60番手)を用い縫製により、行った。縫製は、JUKI製DDL−5530の本縫いミシン台を使用し、ミシン針DB×1#14にて、縫い目長さを3cm/13針として行った。上層の導電部の電気抵抗値は1m2あたり0.3Ω/□、中層の誘電正接は0.01、下層の電気抵抗値は0.03Ω/□であった。
なお、導電性布帛としては、PET織物に銅・ニッケルでメッキした、繊度57dtex、目付け85g/m2のPETメッキ布帛を用いた(以下の導電性布帛も同様)。結果を表1に示す。
上層にはステンレス繊維を格子状に織り込んだ目付200g/m2のポリエチレンテレフタレート(PET)織物、中層には厚さ1mm、目付け110g/m2のPET不織布(オーツカ社製のニードルパンチ不織布)、下層にはPET織物に銅・ニッケルをメッキ処理した、目付け85g/m2の電磁波シールド布帛(帝人ファイバー社製「ST2050」)を使用した。上層の格子形状は、線幅が1.3mm、線間隔が8mmであり、導電部比率は13%である。これらを実施例1と同じ方法にて縫製した。上層の導電部の電気抵抗値は1Ω/□、中層の誘電正接は0.01、下層の電気抵抗値は0.03Ω/□であった。上層の織物に使用したステンレス繊維は、ベカルト東綱メタルファイバー社製で、繊度2,200dtex、PET繊維は帝人ファイバー社製「テトロン」で、繊度280dtex。経にPET繊維14本毎にステンレス繊維を2本の繰り返しとし、緯はPET繊維12本毎にステンレス繊維2本の繰返しとした。上層はステンレス繊維を織り込んだPET布帛に代えた以外実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
3層の構成は実施例1と同様にし、0.01Ω/□の導電性布帛を用いて、端面を覆い3層を縫合することにより通信用シート構造体を作製した。結果を表1に示す。
3層の構成は実施例1と同様にし、50Ω/□の導電性布帛を用いて、端面を覆い3層を縫合することにより通信用シート構造体を作製した。結果を表1に示す。
3層の構成は実施例1と同様にし、導電性布帛で端面を覆わず、ポリエステルミシン糸(帝人ファイバー社製 60番手)を用いて、3層を縫い合わせることにより通信用シート構造体を作製した。縫製はJUKI製DDL−5530の本縫いミシン台を使用し、ミシン針DB×1#14にて、縫い目長さを3cm/13針として行った。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 少なくとも下記の上層、中層および下層の3層から構成されるシート構造体からなり、該シート構造体の端面を覆うよう0.5Ω/□〜20Ω/□の導電性布帛を縫製した通信用シート構造体。
上層:導電性能を有する層であり、該層には導電部と非導電部が存在し、該導電部の割合が8%から45%であり、導電部が完全に途切れることなく連続し、導電部の電気抵抗値が5Ω/□以下である層
中層:周波数800MHzから10GHzでの誘電正接が0.01以下である層
下層:全面に導電性を有し、電気抵抗値が1Ω/□以下である層 - 各層が織物、編物または不織布を基材とする層である請求項1記載の通信用シート構造体。
- 上層の導電部が格子状であり、格子の線幅が0.5mmから1.5mm、格子の線周期が5mmから10mmである請求項1記載の通信用シート構造体。
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