JP5065727B2 - 固体電解質膜の製造方法、固体電解質膜、及び水電解装置 - Google Patents

固体電解質膜の製造方法、固体電解質膜、及び水電解装置 Download PDF

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Description

本発明は、水を電気分解して水素ガスおよび酸素ガスを発生させる水電解装置と、該水電解装置において好適に使用される固体電解質膜およびその製造方法に関する。
水等を電気分解して水素ガスおよび酸素ガスを発生させる水電解装置として、従来から、電解質の役割を果たす部材として固体電解質膜を用いたものが知られている。
かかる装置の構成単位(以下、「ユニット」ともいう)は、固体電解質膜を中心として、その両側に設けられた給電体(陽極側および陰極側給電体)と、さらにその給電体の外側に設けられた電極板(陽極側および陰極側電極板)とから構成される。通常、電極板は、表裏両面が陽極および陰極として機能する複極式のものが使用され、該電極板を介して前記ユニットが複数積層されて構成される。
固体電解質膜は、イオン交換樹脂からなる固体高分子電解質膜と、該膜の両面に接合された触媒層(陽極触媒層および陰極触媒層)とからなり、前記装置のユニットとして組み立てられる際には、該触媒層には両側より前記給電体が接触された状態となる。
そして、運転(電気分解)の際には、各ユニットの陽極側の給電体より固体電解質膜に供給された水を、前記陽極触媒層において電気分解して酸素ガスを発生させ、同時に発生した水素イオンを固体高分子電解質膜を介して陰極側へ移動させ、陰極触媒層において水素ガスとして発生させる。
このような水電解装置に対して、装置の耐久性や省電力化については種々の取り組みがなされてきたが、近年、これらの要求に加えて、さらに該水電解装置によって発生させた水素ガス及び酸素ガスの高純度化が求められるようになってきた。その為には、水素ガス中に混入する酸素ガス、および酸素ガス中に混入する水素ガスの量をできる限り少なくする必要がある。
ところで、上述したような固体電解質膜は、その用途に応じて吸着還元成長法あるいはホットプレス法等によって作製されたものが使用されている。
吸着還元成長法とは、触媒金属として安定で且つ触媒活性の高い白金等の触媒金属をイオン交換によって固体高分子電解質膜に吸着させた後、還元処理することによって該触媒金属を膜表面に析出させ、さらに無電解メッキ処理を行うことによってさらに触媒を析出(成長)させて触媒層を形成する方法である。
しかしながら、該吸着還元成長法では、触媒金属として白金を使用した場合には、ガス純度を上げることはできるが、電解電圧を下げることができないという不都合があった。また、白金の代わりにイリジウムを使用した場合には、電解電圧を下げることはできるが、イリジウムが溶解しやすいために耐久性に問題があった。
一方、ホットプレス法とは、固体高分子電解質膜上に、触媒金属の粉末と、必要に応じて結着剤とを熱圧着することにより、触媒層を形成する方法である。該ホットプレス法によれば、触媒金属をイオン化する必要がないため、酸化イリジウムのような化学的安定性の高い酸化物等の触媒をも使用することが可能である。
しかしながら、該ホットプレス法では、触媒金属をいかに細かく微粉砕しても、前記吸着還元成長法による金属イオンを介して形成された触媒と比較すれば、触媒の有効表面積が小さくなり、高いガス純度を得ることができないという問題があった。
さらに、前記吸着還元成長法によって形成された触媒層と、ホットプレス法による触媒層とを単に組み合わせるだけでは、両触媒層の接合状態が悪いものとなってしまい、長期的な使用に耐え得る耐久性を有した固体電解質膜を得ることはできなかった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、水電解において、水素ガスおよび酸素ガスを極めて高純度で生成させると同時に、電解電圧を効果的に低減することができ、さらに耐久性をも有する固体電解質膜を提供することを一の課題とする。
本発明は、固体高分子電解質膜(以下、単に「膜」ともいう)の表面を粗面化処理した後、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって第1触媒層を形成し、さらに片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分(以下、単に「膜成分」ともいう)と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって第2触媒層を形成することを特徴とする固体電解質膜の製造方法を提供する。
本発明に於いては、好ましくは前記粗面化処理によって前記固体高分子電解質膜の表面粗度Raを、0.1μm以上1.2μm以下とする。
ここで、本発明における表面粗度Raは、膜の中心線方向に測定長さLの部分を抜き取った場合に、該抜き取り部分の膜表面の粗さ曲線と中心線との偏差f(x)の絶対値を算術平均した値であって中心線平均粗さと呼ばれるものであり、表面の凹凸の程度を表す一般的なパラメータとして使用されているものである。
但し、本発明にかかる固体高分子電解質膜は、水分を含んで膨潤した状態で使用されるものであり且つ非常に軟らかいものであるため、ここでいう表面粗度は、該固体高分子電解質膜を乾燥させた後に非接触式の測定機器、例えば(株)キーエンス製、超深度形状測定顕微鏡VK−8500など、を用いて測定した値をいうものとする。
さらに、本発明に係る製造方法においては、前記第2触媒層を形成する触媒金属が、好ましくは酸化イリジウムなどの酸素過電圧の低い触媒及び白金を配合するものであり、またその際に、好ましくは酸化イリジウムの量を前記膜の単位面積当たり0.5〜10mg/cm2とするものであり、さらに好ましくは酸化イリジウムと白金との重量比率を3:7〜8:2の範囲内とするものである。
また、本発明に係る製造方法においては、前記第2触媒層と反対面側の前記第1触媒層の上に、好ましくは膜成分と触媒金属をとを含んでなる混合物を熱圧着することによって第3触媒層を形成するものであり、好ましくは該第3の触媒層を形成する触媒金属を白金とするものである。
さらに、好ましくは前記第1触媒層を形成する触媒金属として白金を用い、白金を前記固体高分子電解質膜に吸着させた後、該膜表面に析出させることによって、緻密で且つ生成ガスの純度を高めることを可能とした第1触媒層を形成する固体高分子膜の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の表面を粗面化処理した後、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって形成された第1触媒層と、さらに片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって形成された第2触媒層とを具備することを特徴とする固体電解質膜を提供する。
さらに、本発明は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって形成され、前記固体高分子電解質膜の少なくとも片側表面が粗面化処理されてなる第1触媒層と、さらに粗面化処理された片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって形成された第2触媒層とを具備することを特徴とする固体電解質膜を提供する。
さらに、本発明は、前記固体電解質膜が、前記第2触媒層の形成された面を陽極側とし、反対側の面を陰極側として、電解セル内に具備されてなることを特徴とする水電解装置を提供する。
本発明によれば、吸着還元成長法による触媒層とホットプレス法による触媒層の接触界面を粗面化処理することにより、両触媒層が安定に接合させることが可能となる。
また、本発明によれば、吸着還元成長法において、従来のような成長工程を行わない(即ち、吸着工程と還元工程のみを行う)ことにより、ホットプレス層を着接させることが可能となる。これは、吸着還元成長法において成長工程を行わないことにより、触媒層が固体高分子電解質膜の表面凹凸形状に沿って薄膜状に析出され、その上にホットプレス層が着接されることとなり、還元工程によって析出された触媒層がホットプレス層の膜成分と膜との接合を妨げない為と考えられる。
さらに、膜の表面を粗面化処理した後に吸着工程と還元工程のみを施すことによって、当初の表面粗度が維持されることとなり、かかる表面粗度が、その後のホットプレス法による触媒層を好適に接合させるものとなるのである。
また、上記の製造方法により作製された固体電解質膜の性能は、ホットプレス法を採用した場合と同程度の低い電解電圧を示すとともに、吸着還元成長法を採用した場合よりも高純度のガスを生成させることができ、また、従来よりも短時間で高純度ガスの生成が可能であることが判明した。
このように、吸着還元成長法による触媒層の利点とホットプレス法による触媒層の利点とを併せ持つ触媒層を形成し得る
このように、本発明に係る固体電解質膜の製造方法によれば、水電解によって極めて高純度の水素ガスおよび酸素ガスを生成し且つ電解電圧を効果的に低減することのできる固体高分子膜を作製することができる。
また、上記方法によって形成された第1触媒層と第2触媒層とは、良好な状態で接着されたものであるため、本発明に係る固体電解質膜は、長期の使用に耐え得る耐久性を有したものとなる。
また、本発明に係る固体電解質膜を使用した水電解装置は、高純度のガスを供給することが可能であり且つ耐久性にも優れたものとなり、さらには、電流効率および電解効率が改善したものとなる。
本発明の固体電解質膜の製造方法は、固体高分子電解質膜の表面を粗面化処理する粗面化工程と、前記膜に触媒金属をイオン交換によって吸着させる吸着工程と、還元剤等を作用させて前記触媒金属イオンを前記膜の表面に析出させる還元工程とによって第1触媒層を形成し、その後、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を、片面側の前記第1触媒層の上から加熱しつつ圧着させる熱圧着工程を行うことによって、第2触媒層を形成するものである。
以下、各工程について詳細に説明する。
本発明において使用される固体高分子電解質膜としては、陽イオン交換樹脂が膜状に形成されてなる陽イオン交換膜を使用することができる。中でも、陽イオン交換樹脂が膜状に形成されてなる陽イオン交換膜として、特にパーフルオロスルフォン酸樹脂膜を好適に使用することができ、その具体例として、デュポン社製「ナフィオン」を挙げることができる。
粗面化工程は、前記膜の表面に微細な凹凸を設ける表面処理であり、従来より用いられているブラスト装置等によって行うことができる。
従来、吸着還元成長法では粗面化処理と吸着還元による化学めっきのみ行うことによって化学めっき膜とするか、或いはホットプレス法ではホットプレスのみを行うことによってホットプレス膜としていた。
これに対し、本発明に係る膜は、化学めっきおよびホットプレスの双方を行うことによって得られたものである。
本発明は、以下に説明するように、熱圧着工程(ホットプレスともいう)によって第2触媒層および必要に応じて第3触媒層を接着させるものであるが、熱圧着工程の前段において予め粗面化処理を行うことによって第1触媒層上に第2および第3触媒層を良好に接着させることが可能となる。
但し、本発明において従来の化学めっき膜と同程度の粗面化処理を行った後に、第2あるいは第3触媒層をホットプレスによって形成した場合には、最終的な膜の強度は従来のホットプレス膜や化学めっき膜よりもやや低下したものとなる。このような膜強度の低下は、ピンホールの発生要因となってガス純度の低下を招くことにもなるため、高いガス純度を長時間にわたって維持する観点からは、あまり好ましくない。
従って、本発明においては、通常の吸着還元成長法において行われている粗面化処理よりも比較的穏和な条件で粗面化処理することが好ましい。より具体的には、通常のブラスト処理によって得られる固体高分子電解質膜の表面粗度Raが概ね1.5μm程度であるのに対し、このRaを1.2μm以下となるように粗面化処理することが好ましく、更には1.0μm以下となるように粗面化処理することがより好ましい。また、Raが0.1μm以下であれば、粗面化処理の効果が得られ難くなるため、第1触媒層と第2あるいは第3触媒層との接着を良好にするという観点から、Raが0.1μm以上が好ましい。さらに、両触媒層を確実に接着させ且つピンホール等を生じさせることなく長期間にわたって高い純度のガスを発生させ続けるためには、表面粗度Raが0.1μm以上0.8μm以下となるような条件で粗面化処理することが最も好ましい。
穏和な条件で粗面化処理を行うための具体的方法としては、例えば球形のような表面形状の滑らかなブラスト材を使用する方法や、或いは低いブラスト圧力によって処理する方法を例示することができる。低いブラスト圧力によって処理する場合は、ブラスト材は球形に限定されず、角形のガラスビーズや、角形と球形を混合したガラスビーズ等を利用することができる。
次いで、吸着工程では、触媒金属を固体高分子電解質膜にイオン交換させることによって吸着させる。該触媒金属としては、白金等に例示される白金族金属を好適に使用することができる。
具体的には、前記膜を室温乃至90℃程度の条件下において、前記触媒金属等の塩を含有する濃度0.001〜0.05モル/リットルのアルカリ性水溶液(例えば、白金アンミン錯体)に前記膜を浸漬することによって、前記触媒金属をイオンとして吸着させる方法を採用することができる。要すれば、還元工程を行う前に、純水で充分な洗浄を行ってもよい。
還元工程としては、前記膜を、還元剤に浸漬させつつ40℃から徐々に60℃程度にまで昇温することにより、イオン交換によって吸着された触媒金属を、該固体高分子電解質膜の表裏両面に析出させる方法を採用することができる。
ここで使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム等を例示することができる。
このようにして、粗面化工程、吸着工程、及び還元工程を行うことにより、固体高分子電解質膜の表裏両面には、第1触媒層が形成される。かかる吸着、還元工程を経て析出された触媒金属は、主として固体高分子電解質膜の表面に析出するものと考えられる。
前記第1触媒層を構成する触媒金属としては白金族金属が好ましく、特に白金が好ましい。白金を用いる場合、陽極側となる面には膜の単位面積当たりに0.5〜1.0mg/cm2、陰極側となる面には、1.0mg/cm2以上析出させることが好ましい。かかる量の白金を析出させた第1触媒層を膜の両面に形成することにより、電解初期に、陽極においては酸素ガス中に混入する水素ガス濃度を大幅に低下させることができ、不純物水素ガス濃度は例えば200ppm以下に抑えられる。一方、陰極においては、水素ガス中に混入する酸素ガス濃度を大幅に低下させることができ、不純物酸素ガス濃度は例えば3ppm以下に抑えられる。尚、上記の値はオンライン濃度計によって測定した結果でるあるが、ガスをサンプリングしてガスクロマトグラフ質量分析計で測定した値で評価すると、酸素ガス中の水素ガス濃度は100ppm以下、水素ガス中の酸素ガス濃度は1ppm以下となる。
さらに、熱圧着工程としては、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を、例えば樹脂シート上に塗布しておき、これを陽極側となる第1触媒層の上から、好ましくは両側の第1触媒層の上から、140〜170℃の温度で、40〜70kgf/cm2の加圧力によって熱圧着させる方法を採用することができる。
該熱圧着工程によって、陽極側となる第1触媒層上には第2触媒層が形成され、また、好ましくは陰極側となる第1触媒層の上には第3触媒層が形成されたものとなる。
前述した吸着、還元工程では、触媒金属が金属イオンとなり得る純金属に限定されていたのに対し、該熱圧着工程においてはあらゆる形態の触媒金属を使用することができる。
ここで、熱圧着工程について、さらに詳しく説明する。
まず、熱圧着のための第2の触媒層もしくは第3の触媒層の、触媒層形成工程が行われる。具体的には、シート体上に第2の触媒層もしくは第3の触媒層を形成させ、シート体上に形成された電極触媒層を固体高分子電解質膜上に転写させる。
シート体上への触媒層形成工程を、第2の触媒層を例に挙げて説明する。第2の触媒層の形成においては、シート体に対して第一の塗布工程が行われる。第一の塗布工程においては第2の触媒層を形成するために第2の触媒層形成物の塗布が行われる。この塗布工程は、例えばスクリーン印刷によってシート体上に第2の触媒層形成物の塗布が行われる。
ここで用いられる第2の触媒層形成物は、触媒粒子としての酸化イリジウム及び白金と、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性を有する電解質成分とを主成分として混合された混合物である。塗布には、酸化イリジウム、白金、前記電解質成分および溶媒(純水)を混合して調製した触媒・電解質成分混合液(「触媒層形成物」ともいう)が用いられる。前記電解質成分としては、固体高分子電解質膜と同じ電解質成分を含む物質、例えば、デュポン社製のナフィオン液が用いられる。尚、第2の触媒金属含有量及び前記電解質成分の混合比率は後述する。
次に、第一の塗布工程の後に、触媒層形成物を乾燥させるために第一の乾燥工程が行われる。第一の乾燥工程においては、シート体における第2の触媒層形成物を塗布した面を下向き(鉛直線方向)に向けた状態で、乾燥が行われる。また、この工程においては、第2の触媒層形成物を完全に乾燥させるのではなく、次に印刷したときに、剥離しない程度の乾燥状態とする。これは、次工程以降にて形成される触媒層との接合性を高めるためである。そのため、この工程においては、例えば、室温にて、1〜2時間程度の乾燥処理が行われる。
次に、第一の乾燥工程が行われたシート体に第二の塗布工程が行われる。この塗布工程においても第2の触媒層形成物をシート体上にスクリーン印刷によって塗布される。ここで塗布される触媒形成物も第一の塗布工程で使用した成分と同じ成分のものが用いられる。
次に第二の塗布工程の後に第二の乾燥工程が行われる。この第二の乾燥工程も第一の乾燥工程と同様にシート体における第2の触媒層形成物を塗布した面を下向き(鉛直線方向)に向けた状態で、乾燥が行われる。
尚、第一の塗布工程で塗布する触媒形成物中の酸化イリジウム及び白金の濃度は、第二の塗布工程で塗布する触媒形成物中の酸化イリジウム及び白金の濃度よりも高くすることが好ましい。前記好ましい実施形態においては、第一の塗布工程で塗布される触媒形成物中の触媒量が、第二の塗布工程で塗布される触媒形成物中の触媒量よりも高くなるので、触媒形成層を固体高分子電解質膜上に転写した際に、酸化イリジウム及び白金からなる触媒濃度の高い層が固体高分子電解質膜の外側に配されることとなり、電極触媒層の抵抗が低くなって電解電圧を低くすることが出来るため、電解セルのエネルギー効率を向上させることができる。さらに、固体高分子電解質膜と電極触媒層との接合面近傍においては、酸化イリジウム及び白金からなる触媒の濃度が低く、固体高分子電解質膜成分の濃度が高くなるため、固体高分子電解質膜と電極触媒層との接合性を高くすることができる。
さらに、本実施形態では、触媒層の乾燥工程において塗膜面を下向きに向けた状態での乾燥を行っているため、各触媒層においても膜近傍での酸化イリジウム及び白金からなる触媒の濃度を低く調整し、触媒層中の膜と反対側での触媒の濃度を高くすることができる。
なお、本実施形態においては触媒層塗布工程と乾燥工程をそれぞれ2回繰り返し、2層の触媒層を形成したが、本発明はこれに限定されず、3層、4層の触媒層を形成しても良く、1回のみ塗布工程と乾燥工程を行い、1層の触媒層としても良い。
また、本実施形態においては、塗布工程としてスクリーン印刷を利用したが、本発明はこれに限定されず、スプレーを利用する方法(スプレー法)や、他の方法を利用しても良い。
このようにして形成された触媒層は、ホットプレス機等を用いて熱圧着により、前記固体高分子電解質膜に転写される。
前記第2触媒層に含有される触媒金属としては、酸化イリジウムのような白金族金属の酸化物を単独で使用することも出来るが、白金族金属及び白金族金属の酸化物を混合したものが好ましく、とりわけ、白金と酸化イリジウムとを混合したものが好ましい。
第2触媒層を構成する前記酸化イリジウムの量としては、電圧降下の点からは0.5mg/cm2以上とすることが好ましく、また、経済性の点からは10mg/cm2以下とすることが好ましい。さらに、白金は電気伝導性を上げる効果があるため、酸化イリジウムと白金との混合比率も電圧降下の点で重要であり、かかる観点から、第2触媒層を構成する酸化イリジウムと白金との重量比率は3:7〜8:2とすることが好ましく、更には5:5〜7:3とすることがより好ましい。
このようにして形成された前記第2触媒層は、Pt−IrO2混合触媒を使用する場合、前記電解質成分が10〜70重量%含有されたものとすることが好ましい。中でも、スクリーン印刷法によってシート体上に第2の触媒層形成物を塗布して電極触媒層を形成し(塗布工程)、形成された電極触媒層を固体高分子電解質膜上に転写することによって前記第2触媒層が形成された場合においては、該第2触媒層は電解質成分を40〜60重量%含有したものであることが好ましい。さらに、中央より膜に近い側では前記電解質成分が好ましくは50〜70重量%であり、より好ましくは50〜60重量%であり、また、中央より膜から遠い側では前記電解質成分が好ましくは40〜60重量%であり、より好ましくは40〜50重量%であるような、いわゆる傾斜分布を有する第2触媒層として形成されていることが好適である。
また、スプレー法によってシート体上に第2の触媒層形成物を塗布して電極触媒層を形成し、形成された電極触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する場合においては、前記スクリーン印刷法よりも電解質成分量を減らすことができ、斯かる方法によって形成された第2の触媒層は、前記電解質成分が10〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%含有されたものとする。
このような第2触媒層を形成することによって、水電解装置の50℃、1.0A/cm2の条件下では、該装置のユニットの電圧を、1.75〜1.8[V]程度に低減することができる。
一方、前記第3触媒層を形成する触媒金属は、白金を配合してなることが好ましい。かかる第3触媒層を形成すれば第1触媒層が保護されることとなるため、耐久性を高めることが可能となり、また白金を配合することによって高いガス純度を維持することが可能となる。
第3の触媒層は、前述した第2の触媒層の形成方法と同様の方法で形成することができる。形成された第3触媒層は、前記電解質成分が10〜40重量%含有されたものであることが好ましく、とりわけ、スクリーン印刷法によってシート体上に第3の触媒層形成物を塗布して電極触媒層を形成し、形成された電極触媒層を固体高分子電解質膜上に転写することによって形成された場合においては、前記電解質成分が20〜40重量%含有されてなることが好ましく、スプレー法によってシート体上に第3の触媒層形成物を塗布して電極触媒層を形成し、形成された電極触媒層を固体高分子電解質膜上に転写することによって形成された場合においては、前記電解質成分が10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%含有されたものとする。
但し、本発明は、陰極側にこのような第3触媒層を設けることに限定されるものではなく、例えば前記第1触媒層にさらに成長工程を施すことによって触媒吸着層を形成させても良い。
また、本発明の一実施形態に係る固体電解質膜は、以上のような工程を経て作製されるものであり、固体高分子電解質膜を中心として、一方の面には、第1触媒層と第2触媒層とからなる陽極触媒層を備え、他方の面には、第1触媒層、好ましくは第1触媒層と第3触媒層によってなる陰極触媒層とを備えてなるものである。
また、本発明に係る水電解装置は、電解セルに、該固体電解質膜を備えてなるものである。
上述したように、本発明にかかる固体電解質膜の製造方法によれば、第1触媒層が、ガス純度の向上に効果的に寄与すると考えられる極めて微細な触媒層として形成され、一方、第2触媒層が、電圧降下に効果的に寄与すると考えられる金属酸化物を含有する触媒層として形成される。従って、該固体電解質膜は、従来の吸着還元成長法によって作製された触媒層の利点とホットプレス法によって作製された触媒層の利点とを兼ね備えたものであるとともに、これら2つの方法からは予想し得ない卓越した効果をも奏し得るものである。
このように、本発明に係る固体電解質膜が従来法の膜と比べてより高純度水素ガスの生成を成し得たのは、第2触媒層が多孔質となって発生した酸素ガスのガス抜けが良く、対極への透過量を少なくするとともに、透過した酸素ガスが活性の高い第1触媒層によって消費されるという相乗効果によって生じたものであると考えられる。
言い換えると、このような作用によって、極めて高い電流効率によって水電解が行われているとも考えられる。
また、従来法からは予想できない卓越した効果として、本発明に係る固体電解質膜の使用によって、水電解装置を起動し始めてから高純度の生成ガスが得られるまでに要する時間を、飛躍的に短縮できることが挙げられる。
例えば、水素発生量が1Nm3/h以上の商用規模の水電解装置において、従来の吸着還元成長法(白金メッキ)による固体電解質膜を使用した場合には、立ち上げ時に、水素中の酸素濃度を4〜6ppmにするには通電開始より24〜60時間を要するのが一般的であった。しかし、本発明に係る固体電解質膜を使用した場合では、立ち上げ時に、10分程度で水素中の酸素濃度を4〜6ppmとすることができ、さらには、2時間以内で同濃度を1ppmとすることも可能になるという顕著な効果を奏することができる。
尚、本発明においてはホットプレス層中において、酸化イリジウムと混合する触媒としては、白金を好適に使用できることは上述した通りであるが、電気導電性が良く、耐酸化性、耐酸性の良好である点を考慮して、金などを使用することもできる。
以下、実施例および比較例による試験結果を挙げ、本発明について更に詳細に説明する。
試験1
(実施例1−1〜1−10)
ブラスト機(吸引式噴射ノズル型、ブラスト剤:角張った形状のガラスビーズ)を使用して固体高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion117)の表面を粗面化処理(陽極側:吹き出し圧力4〜6kgf/m2、陰極側:同2〜4kgf/m2)した後、該膜を超音波洗浄、塩酸煮沸、純水煮沸し、次いで、40〜60℃の水素化ホウ素ナトリウム水溶液中に浸漬することにより還元し、該膜の両面に白金を析出させることにより、第1触媒層を形成した。
さらに触媒金属としての白金と酸化イリジウムに、前記膜成分の溶液等を加え、超音波ホモジナイザーで混合した。次いで、該混合物をスプレー法により樹脂フィルム上に塗布し、該樹脂フィルムと前記膜とを170℃、70kgf/cm2で熱圧着することによって、一方の第1触媒層上に第2触媒層を形成した。各実施例における触媒金属等の配合量を下記表1に示す。
(実施例2−1〜2−3)
スプレー法に代えて、スクリーン印刷法を採用して第2触媒層を形成することを除き、他は上記実施例と同様にして固体高分子電解質膜上に触媒層を形成した。各実施例における触媒金属等の配合量を下記表1に示す。
Figure 0005065727
比較例として、以下に示す方法に基づいて固体電解質膜を作製した。
(比較例1)
陽極側として、白金と酸化イリジウムに膜成分の溶液等を加えて混合し、該混合物を樹脂フィルム上に塗布し、該樹脂フィルムと固体高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion117)とを170℃、70kgf/cm2で熱圧着することにより、陽極側触媒層を形成した。
また、陰極側として、白金に膜成分の溶液等を混合し、該混合物を陽極と同様にして前記膜に熱圧着し、陰極側触媒層を形成した。
(比較例2)
前記比較例1において、陽極側の触媒層の上に、さらに膜成分溶液と白金との混合物を同様の方法で熱圧着することにより、陽極触媒層を形成した。陰極触媒層およびその他膜等については、比較例1と同様とした。
(比較例3)
陽極側として、白金と酸化イリジウムに膜成分溶液等を加えて混合した混合物を樹脂フィルム上に塗布し、さらに、その上に白金と膜成分の溶液等を加えて混合した混合物を塗布し、形成された層を該樹脂フィルムと固体高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion117)に170℃、70kgf/cm2で熱圧着することにより、陽極側触媒層を形成した。
他は比較例1と同様とした。
比較例の製造条件を下記表2に示す。
Figure 0005065727
(試験方法)
このようにして作製した実施例および比較例の固体電解質膜を使用し、電解セルにおいて純水の電気分解を行い、その際の電圧を測定した。電解セルの条件を以下に示す。
電極板 : Ti板
給電体 : 白金メッキ/Tiマイクロメッシュ
操作温度 : 50℃
圧力 : 大気圧
電流密度 : 0.6、1.0A/cm2
水素発生量 : 0.03Nm3/h(但し、実施例10は 1Nm3/h)
また、実施例1−1〜1−9及び実施例2−1〜2−3についてのガス純度は、オンライン濃度計によって測定し、実施例1−10については、正確を期すためにガスサンプリングを行ってガスクロマトグラフ質量分析計を用いて測定した。結果を下記表3に示す。
Figure 0005065727
表3より、実施例の固体電解質膜を用いた場合には、同じ触媒量を使用した比較例1〜3の固体電解質膜を用いた場合と比較して、より高純度のガスが生成されていることが認められる。
特に、実施例1−10に示したように、ガスクロマトグラフ質量分析計によって高精度でガス濃度を測定した結果によると、従来法では成し得なかったガス純度が得られていることがわかる。
試験2
(実施例1−11)
陽極側および陽極側の表面粗度Raが0.3μmとなるように、固体高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion117)を、ブラスト機(吸引式噴射ノズル型、ブラスト剤:角張った形状のガラスビーズに球状のガラスビーズを混合したもの)を使用して表面を粗面化処理(吹き出し圧力4〜6kgf/m2)した後、該膜を超音波洗浄、塩酸煮沸、純水煮沸し、次いで、該膜を40〜60℃の水素化ホウ素ナトリウム水溶液中に浸漬して還元することにより、該膜の両面に白金を析出させて、第1触媒層を形成した。
次いで、触媒金属としての白金と酸化イリジウムに、前記膜成分の溶液等を加えて超音波ホモジナイザーで混合し、該混合物をスプレー法により樹脂フィルム上に塗布し、該樹脂フィルムと前記膜とを170℃、70kgf/cm2で熱圧着することによって、陽極側の第1触媒層上に第2触媒層を形成した。
また、白金と前記膜成分の溶液等を加えて調製した混合物を用いて、同様の方法によって陰極側の第1触媒層上に第3触媒層を形成した。粗面化処理の条件と触媒金属の配合量を表4に示す。
(実施例1−12)
表面粗度Raが1.0μmとなるように表面を粗面化処理することを除き、他は実施例1−11と同様の条件によって実施例1−12の固体電解質膜を作製した。
(実施例1−13)
陰極側に第3触媒層を形成しないことを除き、他は実施例12と同様の条件によって実施例13の固体電解質膜を作製した。
(実施例2−4及び2−5)
陰極側および陽極側の表面粗度Raが0.3μmとなるように、表面を粗面化処理することを除き、他は実施例1−11と同様にして第1触媒層を形成した。
次いで、触媒金属としての白金と酸化イリジウムに、前記膜成分の溶液等を加えて超音波ホモジナイザーで混合し、該混合物をスクリーン印刷法により樹脂フィルム上に塗布し、該樹脂フィルムと前記膜とを170℃、70kgf/cm2で熱圧着することによって、陽極側の第1触媒層上に第2触媒層を形成した。
また、白金と前記膜成分の溶液等を加えて調製した混合物を用いて、同様の方法によって陰極側の第1触媒層上に第3触媒層を形成した。粗面化処理の条件と触媒金属の配合量を表4に示す。
(比較例4)
膜の表面を粗面化処理することなく、他は実施例1−11と同様にして比較例4の固体電解質膜を作製した。
Figure 0005065727
(試験方法)
このようにして作製した実施例および比較例の固体電解質膜を使用し、下記の条件による電解セルにおいて長時間の純水の電気分解を行い、ガス純度の経時変化をオンライン濃度計によって測定した。
電極板 : Ti板
給電体 : 白金メッキ/Tiマイクロメッシュ
操作温度 : 50℃
圧力 : 大気圧
水素発生量 : 0.03Nm3/h
膜表面の粗面化処理を行った実施例1−11〜1−13、及び実施例2−4、2−5の固体電解質膜を使用した場合には、粗面化処理を行わない比較例4の固体電解質膜を使用した場合と比べて、何れも、より長時間にわたって高純度のガスを生成することができた。
具体的には、比較例4の固体電解質膜を使用した場合、200時間程度で酸素中の水素濃度が1000ppmを超えたが、実施例の固体電解質膜を使用した場合、1500時間を経過しても酸素中の水素濃度は300〜500ppm以下であった。
また、陽極側にのみホットプレスによる第2触媒層を設けた実施例1−13の固体電解質膜を使用した場合、1000時間程度で水素中の酸素濃度が数百ppmに達したが、陰極側にもホットプレスによる第3触媒層を設けた実施例12の固体電解質膜を使用した場合には1500時間を経過しても水素中の酸素濃度は数ppm以下に抑えられた。
さらに、表面粗度Raがより小さくなるような条件で粗面化処理した実施例1−11、実施例2−4及び2−5の固体電解質膜を使用した場合によれば、3000時間以上運転を継続しても、水素中の酸素濃度はほとんど上昇せず数ppm以下に抑えられ、極めて長時間にわたって高純度のガスを生成することが可能であり、触媒層が良好に接着されつつ強度維持による耐久性の改善が顕著に図られていることが認められた。

Claims (11)

  1. 固体高分子電解質膜の表面を粗面化処理した後、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって第1触媒層を形成し、さらに、片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって第2触媒層を形成することを特徴とする固体電解質膜の製造方法。
  2. 前記粗面化処理によって前記固体高分子電解質膜の表面粗度Raを0.1μm以上1.2μm以下とすることを特徴とする請求項記載の固体電解質膜の製造方法。
  3. 前記第2触媒層を形成する触媒金属が、酸化イリジウム及び白金を配合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質膜の製造方法。
  4. 前記酸化イリジウムの量が0.5〜10mg/cm2であることを特徴とする請求項記載の固体電解質膜の製造方法。
  5. 前記酸化イリジウムと前記白金との重量比率が、3:7〜8:2であることを特徴とする請求項3又は4記載の固体電解質膜の製造方法。
  6. 前記第2触媒層と反対面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって第3触媒層を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の固体電解質膜の製造方法。
  7. 前記第3触媒層を形成する触媒金属が、白金を配合してなることを特徴とする請求項記載の固体電解質膜の製造方法。
  8. 前記第1触媒層を形成する触媒金属が、白金であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の固体電解質膜の製造方法。
  9. 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の表面を粗面化処理した後、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって形成された第1触媒層と、さらに片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって形成された第2触媒層とを具備することを特徴とする固体電解質膜。
  10. 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜に触媒金属イオンをイオン交換によって吸着させ、前記触媒金属イオンを前記固体高分子電解質膜の両面に析出させることによって形成され、前記固体高分子電解質膜の少なくとも片側表面が粗面化処理されてなる第1触媒層と、さらに粗面化処理された片面側の前記第1触媒層の上に、前記固体高分子電解質膜と同じ電解質成分と触媒金属とを含んでなる混合物を熱圧着することによって形成された第2触媒層とを具備することを特徴とする固体電解質膜。
  11. 請求項9又は10記載の固体電解質膜が、前記第2触媒層の形成された面を陽極側とし、反対側の面を陰極側として、電解セル内に具備されてなることを特徴とする水電解装置。
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