JP5065208B2 - 吸気ダクト及び吸気構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに接続されたスロットル装置にエアを導く吸気ダクト及び吸気構造に関するものである。
自動二輪車等に搭載される高出力型のエンジンとして、吸気通路に燃料インジェクタを2つ設けた所謂ダブルインジェクタ方式なるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これらの燃料インジェクタのうち一方は、スロットル弁の下流側にてスロットル装置に取り付けられており、他方はスロットル装置の上流側に設けられた吸気ダクトの上流端開口に向けて燃料を噴射するようにエアクリーナボックスに取り付けられている。そして、吸気ダクトは、上流側のインジェクタから噴射された燃料を吸い込むために、そのインジェクタに向けてエアクリーナボックスの内部空間に突出するよう配置されている。
特開2006−90298号公報
しかしながら、吸気ダクトの外壁面の近傍にあるエアは、当該壁面が邪魔となって上流側開口から滑らかに吸い込まれ難い。また、吸気ダクトがエアクリーナボックスの内部空間に突出するよう配置されている場合は、吸気ダクトの外壁面とエアクリーナボックスの内壁面との間に形成される隅領域にエアが滞留しやすくなる。そうすると、吸気効率が悪くなるためにエンジンの出力特性が向上し難くなる。一方、吸気ダクトを大型化すれば、吸気通路の流路断面積が大きくなって吸気効率が良くなるが、自動二輪車等では車体幅が限られているため、搭載部品を大型化するのは好ましくないという事情もある。
そこで本発明は、吸気ダクトの大型化を抑制しながらも吸気効率を向上させることを目的としている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る吸気ダクトは、エンジンに接続されたスロットル装置にエアを導く吸気ダクトであって、主通路を形成する主壁と、前記主壁の外側に設けられて副通路を形成する副壁と、を備え、前記副壁の高さは、前記主壁の高さよりも低く、前記副通路は、前記副壁の内壁面と前記主壁の外壁面とにより区画され、前記主通路の流路軸線に略垂直な方向における一方側に配置されており、前記副通路が下流側で前記主通路に合流して形成された合流通路は、その流路断面が楕円形状に形成されており、前記副通路は、前記合流通路の流路軸線方向から見て前記楕円形状の長軸上に設けられていることを特徴とする。
前記構成によれば、主通路を形成する主壁の外側に高さの低い副壁を設け、主壁の外壁面に沿った副通路を形成しているので、吸気ダクトの主壁の外側領域にあるエアを副通路により吸い込むことができる。また、副通路は主通路の外側の全周に存在するのではなく、主通路の一方側に設けられているため、当該一方側から見て吸気ダクトの横幅が小さいままで、吸気通路の流路断面積を大きく形成することできる。したがって、吸気ダクトの大型化を抑制しながらも吸気効率を向上させることが可能となる。そして、主通路の流路断面が真円に近い形状となるため、主通路におけるエア流れを安定化することができる。
前記副通路の流路断面は、前記主壁の外壁面に沿った三日月形状に形成されていてもよい。
前記構成によれば、副通路の流路断面が三日月形状に形成されているので、エアを主壁の外壁面に沿って滑らかに副通路に導くことができる。
本発明に係る吸気構造は、気ダクトを介してエアクリーナボックス内のエアを、エンジンに接続されたスロットル装置に導く吸気構造であって、前記吸気ダクトは、主通路を形成する主壁と、前記主壁の外側に設けられて副通路を形成する副壁と、を備え、前記副壁の高さは、前記主壁の高さよりも低く、前記副通路は、前記副壁の内壁面と前記主壁の外壁面とにより区画され、前記主通路の流路軸線に略垂直な方向における一方側に配置されており、前記吸気ダクトの前記主壁及び前記副壁は、エアクリーナボックスの内部空間に向けて突出しており、前記副壁の前記内部空間への突出量は、前記主壁の前記内部空間への突出量よりも小さく、前記吸気ダクトは、前記副通路が前記主通路よりも前記エアクリーナボックス内のエアクリーナエレメントに近接するように配置されていることを特徴とする。
前記構成によれば、吸気ダクトの主壁の外壁面とエアクリーナボックスの内壁面との間に形成される隅領域のエアを副通路により吸い込むことができる。また、副通路はエアクリーナエレメントに近接する位置に設けられているので、エアクリーナボックス内を流れるエアをスムーズに副通路に導くことができる。よって、エアクリーナボックス内のエアをスロットル装置に導く際の吸気効率を向上させることができる。
前記吸気ダクトは、周壁と、前記周壁の外周面に形成された係合溝と、前記周壁の下流端部に形成された筒状シール部と、前記周壁のうち前記エアクリーナボックス内のエアクリーナエレメントから離反した側に位置する後部から突出した後壁と、をさらに備え、前記主壁は、前記後壁よりも背の低い略半筒状で前記後壁の前側に連続して形成され、前記主通路は、前記主壁の内壁面と前記後壁の内壁面とにより区画されており、前記副壁は、前記主壁よりも背の低い略半筒状で前記主壁の前側に連続して形成され且つ前記周壁の前部から上方に突出して設けられており、前記係合溝は、前記エアクリーナボックスの流出開口部の周縁に対して略密着状態で嵌合され、前記筒状シール部は、前記スロットル装置の上流側の筒状端部に略密着状態で嵌合されていてもよい。
前記構成によれば、エア空間からスロットル装置までのエア流路が係合溝及び筒状シール部によりシールされ、係合溝を有する周壁に連続して副壁が形成されるので、エア空間において係合溝の近傍にあるエアが副通路にスムーズに流入してスロットル装置へと安定して導かれる。また、周壁の後部からは主壁及び副壁よりも背の高い後壁が突出しているので、エア空間を流れるエアが吸気ダクトに吸い込まれずに吸気ダクトの上を通過することが抑制される。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、吸気ダクトの大型化を抑制し、また吸気効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に搭乗した運転者から見た方向を基準とする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は前輪2及び後輪3を備えており、前輪2は上下方向に延びるフロントフォーク4の下部にて回転自在に支持され、フロントフォーク4の上部には左右へ延びるバー型のステアリングハンドル6が、ステアリングシャフト5を介して取り付けられている。ステアリングシャフト5は、フレームの一部を構成するヘッドパイプ7によって回転自在に支持されている。ヘッドパイプ7からは左右一対のメインフレーム8が後方へ延設され、メインフレーム8の後部からはピボットフレーム9が下方へ延設されている。ピボットフレーム9には、スイングアーム10の前端部が軸支されており、スイングアーム10の後端部には後輪3が回転自在に支持されている。
メインフレーム8の上方には燃料タンク12が設けられ、燃料タンク12の後方には運転者騎乗用のシート13が設けられている。また、メインフレーム8の下方にはエンジン11が搭載されている。エンジン11の両側はカウリング14により覆われている。エンジン11は、4サイクル並列4気筒のレシプロエンジンであり、自動二輪車1に搭載された状態では4つの気筒が左右方向に並んで配置され、クランク軸(図示せず)の軸線が左右方向に向いている。エンジン11の出力はチェーン(図示せず)を介して後輪3へ伝えられる。
エンジン11の排気ポート20には排気管21が接続されている。エンジン11の吸気ポート19にはスロットル装置18の下流側端部が接続され、スロットル装置18の上流側端部には、可撓性を有する吸気ダクト17を介してエアクリーナボックス16が接続されている。エアクリーナボックス16は、燃料タンク12の下方であってエンジン11の上方に配置されている。エアクリーナボックス16は前方へ向けて開口しており、カウリング14の前部開口部15から流入するエアを取り込む構成になっている。
図2は図1に示す自動二輪車1の吸気ダクト17を含む吸気構造を示す左側方から見た断面図である。図2に示すように、自動二輪車1の吸気構造は、エア流れの上流側から順に、エアクリーナボックス16、吸気ダクト17、スロットル装置18、エンジン11の吸気ポート19が接続されて構成されており、これらの内部空間が互いに連通してエンジン11(図1参照)の燃焼室(図示せず)への吸気通路が形成される。なお、図2に示された吸気ダクト17(以下、符号17Aで示す)は、エンジン11の第2,第3気筒に対応するものである。また、本実施形態の燃料供給方式は、所謂ダブルインジェクタ方式が採用されており、2つのインジェクタ29,53により吸気通路内の2箇所に燃料が噴射される構成となっている。
エアクリーナボックス16は、合成樹脂からなるロアケース23とアッパーケース24とが互いに組み付けられており、その内部空間25にはフィルタからなるエアクリーナエレメント26が収容されている。エアクリーナボックス16の内部空間25は、エアクリーナエレメント26により、上流側のダーティサイド27と下流側のクリーンサイド28とに区画される。ロアケース23のダーティサイド27に面する前部には、外部からのエアが導入される流入開口部23aが形成されている。また、ロアケース23のクリーンサイド28に面する底壁部23bには、4つの吸気ダクト17A,17B(図7参照)がそれぞれ内嵌される4つの流出開口部23cが形成されている。これら4つの流出開口部23cは、左右方向(図2の紙面奥行き方向)に並んで配置されており、その内周縁部は断面L字状に形成されている。
吸気ダクト17は、ゴム等の可撓性を有する弾性材料により一体成形されている。エンジン11の第2,第3気筒に対応する吸気ダクト17Aと、第1,第4気筒に対応する吸気ダクト17B(図5参照)とは後述するように形状が異なっており、図2には第2又は第3気筒に対応する吸気ダクト17Aが示されている。吸気ダクト17Aの外周面には環状の係合溝31が形成されており、この係合溝31にエアクリーナボックス16の流出開口部23cの内周縁部が略密着状態で嵌合される。吸気ダクト17Aのうち係合溝31に対して下流側部分は、エアクリーナボックス16の外側(ここでは下側)に配置され、上流側部分はエアクリーナボックス16の底壁部23bを貫通して内部空間25のクリーンサイド28に突出している。
エアクリーナボックス16のアッパーケース24の上壁部24aにおける吸気ダクト17Aと対応する位置には、底面に貫通孔24cを有する凹部24bが形成されている。この凹部24bには上流インジェクタ29の先端部が収容されており、その上流側インジェクタ29の燃料噴射部29aが貫通孔24cに露出している。また、貫通孔24cの周囲における凹部24bの下面からは、筒状の燃料ガイド24dが吸気ダクト17Aに向けて突出している。上流側インジェクタ29から噴射された燃料は、燃料ガイド24dに案内されながら吸気ダクト17Aの後述する主通路40に供給される。
吸気ダクト17Aは、その下流端部でスロットル装置18の上流側端部に嵌合されている。スロットル装置18は、そのボディ50内の吸気通路に上流側スロットル弁51及び下流側スロットル弁52が設けられている。上流側スロットル弁51は、スロットルグリップ(図示せず)のスロットル操作量に応じて電気的に制御されるモータ(図示せず)により駆動される。下流側スロットル弁52は、前記スロットルグリップ(図示せず)に機械的に接続されたワイヤによって手動で駆動される。ボディ50には、その吸気通路の下流側スロットル弁52よりも下流の領域に燃料を噴射する下流側インジェクタ53が設けられている。下流側インジェクタ53は主にエンジン11が低回転状態のときに動作し、上流側インジェクタ29は主にエンジン11が高回転状態のときに動作する。
図3は図2に示す吸気ダクト17Aを示す斜視図である。図2及び3に示すように、吸気ダクト17Aは、係合溝31が外周面に形成された周壁30を有しており、その周壁30の下流端部に筒状シール部35が形成されている。周壁30の後部からは後壁32が上方に突出している。後壁32の前側には、後壁32よりも高さの低い半筒状の主壁33が後壁32に連続して形成されている。この主壁33の内壁面と後壁32の内壁面とで形成される空間を主通路40としている。主壁33の前側(外側)には、主壁33よりも高さの低い半筒状の副壁34が後壁32に連続して形成されている。副壁34は、係合溝31を有する周壁30の前部から上方に突出して設けられており、副壁34の後端部は、主壁33の下後端部および後壁32の下両端部に連続している。その副壁34の内壁面と主壁33の外壁面とで区画される空間を副通路41としている。この副通路41は、主通路40の流路軸線Lに略垂直な方向における一方側、即ち、前方側に配置されている。
図2に示すように、主壁33及び副壁34は、エアクリーナボックス16の内部空間25に向けて突出している。副壁34の内部空間25への突出量は、主壁33の内部空間25への突出量よりも小さくなっている。副通路41は、主通路40よりもエアクリーナエレメント26に近い位置に配置されることで、エアクリーナボックス16内のエア流れにおける上流側に配置されている。副通路41の上流側開口は、主通路40の上流側開口よりもエアクリーナボックス16の底壁部23bに近接した位置に配置されている。主壁33及び副壁34の上流側端部は、ファンネル状に拡径するように形成されている。また、主壁33は、側面視で燃料ガイド24dの先端にラップする位置まで突出している。即ち、主壁33の上端は、燃料ガイド24dの先端よりもエア流れにおける上流側に位置している。
図4は図3に示す吸気ダクト17Aをスロットル装置18側から見た図面である。図2及び4に示すように、副通路41の流路断面積は、主通路40の流路断面積よりも小さくなっている(図4において副通路41はハッチングで示されている)。副通路41は、その下流側で主通路40と合流している。主通路40と副通路41とが合流して形成された合流通路42は、周壁30の内部空間である。合流通路42の流路断面積は、主通路40の合流通路42との境界部分における流路断面積よりも大きい。副通路41は、合流通路42の流路軸線L(主通路の流路軸線と略同一)から見て合流通路42に重なる位置に設けられている。これにより、副通路41から合流通路42へとエアがスムーズに流れ、エアクリーナボックス16内のエアが副通路41に導かれやすくなっている。
図4に示すように、副通路41の流路断面は、主壁33の外壁面に沿った三日月形状に形成されている。合流通路42は、その流路断面が略楕円形状に形成されており、副通路41は、合流通路42の流路軸線L方向から見て楕円形状の長軸上に設けられている。これにより、主通路40の断面形状が略真円状に形成され、主通路40におけるエア流れは安定することとなる。なお、スロットル装置18の吸気通路の流路断面も合流通路42と略同一の楕円形状となっている。
図5は第1,第4気筒に対応する吸気ダクト17Bを含む吸気構造を示す図2相当の図面である。図6は図5に示す吸気ダクト17Bを示す斜視図である。図7は図1に示す自動二輪車の吸気ダクトを含む吸気構造を示す後方から見た断面図である。なお、図5及び6中において、図2及び3と同様の構成には同一符号を付して以下の詳細な説明を省略する。
図5乃至7に示すように、第1,4気筒に対応する吸気ダクト17Bの主壁55及び副壁56は、第2,3気筒に対応する吸気ダクト17Aの主壁33及び副壁34よりも背が低くなっている。後壁32の前側には、後壁32よりも背の低い半筒状の主壁55が後壁32に連続して形成されている。主壁55は、図2に示した吸気ダクト17Aの主壁33よりも背が低いため、側面視で燃料ガイド24dの先端にラップしていない。即ち、主壁55の上端は、燃料ガイド24dの先端よりもエア流れにおける下流側に位置している。この主壁55の内壁面と後壁32の内壁面とで形成される空間を主通路60としている。
主壁55の前側には、主壁55よりも背の低い半筒状の副壁56が形成されている。副壁56は、周壁30の前部から上方に突出して設けられており、副壁56の後端部は、主壁55の下後端部および後壁32の下両端部に連続している。その副壁56の内壁面と主壁55の外壁面とで形成される空間を副通路61としている。なお、吸気ダクト17Bの他の構成は、吸気ダクト17Aと同様であるので詳細な説明を省略する。
以上に説明した構成によれば、主通路40,60を形成する主壁33,55の外側に突出量の小さい副壁34,56を設けて副通路41,61を形成しているので、吸気ダクト17A,17Bの主壁33,55とエアクリーナボックス16の底壁部23bとの間に形成される隅領域のエアを副通路41,61により吸い込むことができる。つまり、エアクリーナボックス16内のクリーンサイド25のエアのうち、周壁30の前側付近のエアが淀まずに副通路41,61に流入するようになる。また、副通路41,61は主通路40,60の外側の全周に存在するのではなく、主通路40,60の前方側に設けられているため、前方側から見て吸気ダクト17A,17Bの横幅が小さいままで、吸気通路の流路断面積を大きく形成することできる。したがって、吸気ダクト17A,17Bの大型化を抑制しながらも、エアクリーナボックス16内のエアをスロットル装置18に導く際の吸気効率を向上させることができる。
また、副通路41,61は、その下流側で主通路40,60に合流しているので、エンジン11が高回転域にある場合には、主通路40,60を速く流れるエアの負圧効果によって副通路にエアが流入し易くなる。よって、高回転域における吸気効率が向上し、高回転域の性能が良好となる。また、副通路41,61の流路断面積は、主通路40,60の流路断面積よりも小さいので、エンジン11が低回転域にある場合には、主通路40,60における流速が遅くなることで前記負圧効果が弱まって副通路41,61にエアが流入し難くなり、主に主通路40,60により吸気がなされる。よって、流路長の長い主通路40,60の整流効果により低回転域でもエンジン11に導かれる吸気量が安定し、低回転域の性能も良好となる。
また、吸気ダクト17Aの主壁33及び副壁34の突出量と、吸気ダクト17Bの主壁55及び副壁56の突出量とを異ならせているので、吸気ダクト17A,17Bの吸気特性が全体として平滑化される。即ち、あるエンジン回転域において複数の吸気ダクト17A,17Bの形状の違いにより、エンジン回転トルクの性質をずらし、エンジン回転数の特性の違いによる吸気性能の変動が抑制される。よって、エンジン11全体としてエンジン回転トルクの特性を安定化することができる。
図8は図5における吸気状態のシミュレーション結果を示す図面である。シミュレーションには汎用流体解析ソフトCFX(アンシス株式会社)を用いた。シミュレーション条件は、入口圧力を大気圧とし、流体物性値を空気(20℃)とし、出口流量を一定(指定値)とした。図8に示すように、本実施形態の構成によれば、エアクリーナボックス16のクリーンサイド28のエアが吸気ダクト17Bの主通路60と副通路61の両方に流入し、スロットル装置18に導かれていることが分かる。なお、吸気ダクト17Aに関するシミュレーション結果は省略する。
図9は本発明のエンジン出力及びトルクとエンジン回転数との関係を説明するグラフである。なお、エンジン出力は、トルクとエンジン回転数とを乗算したものに所定の係数を掛けたものである。図9中、実線は前述した本発明の実施形態の吸気ダクト17A,17Bを用いた場合の結果であり、点線は副通路を有さない従来の吸気ダクトを用いた場合の結果である。図9に示すように、本発明によれば、中速・高速回転域においてエンジン出力及びトルクの性能が向上することが分かる。
(第2実施形態)
図10は本発明の第2実施形態に係る吸気ダクト70の分解斜視図である。図10に示すように、本実施形態の吸気ダクト70は、ダクト本体71とアタッチメント部材72との二部材から構成されている。なお、前述した吸気ダクト17A,17Bと同様の構成には同一符号を付して以下の詳細な説明を省略する。
ダクト本体71は、主壁33が前述した吸気ダクト17Aのものと同じであり、副壁56が前述した吸気ダクト17Bのものと同じである。つまり、副壁56の上方への突出量が、主壁33の上方への突出量に比べてかなり小さくなっている。アタッチメント部材72は、背の低い筒状のリング部80と、そのリング部80の前半分において上方に突出する半筒状の延長部81とを有している。延長部81は、上方に向けて外側に拡がるようにファンネル状に形成されている。また、延長部81の下端部とリング部80の上端部との接続部分における内周面には、ダクト本体71の副壁56の上端部に載置させるための窪み部82が形成されている。
図11は図10に示す吸気ダクト70の組立後の斜視図である。図12は図11に示す吸気ダクト70の斜視断面図である。図11及び12に示すように、アタッチメント部材72は、ダクト本体71に上方から嵌められる。そうすると、アタッチメント部材72の窪み部82がダクト本体71の副壁56の上端部に載置され、アタッチメント部材72が安定してダクト本体71に取り付けられる。この組立状態では、アタッチメント部材72のリング部80がダクト本体71の周壁30に外嵌された状態となり、アタッチメント部材72の延長部81がダクト本体71の副壁56に上方に連続するように配置される。つまり、アタッチメント部材72の延長部81は、ダクト本体71の副壁56を実質的に上方に延長させる役目を果たし、延長部81と副壁56とにより全体として吸気ダクト70の副壁93が構成されることとなる。
以上の構成によれば、既存のダクト本体71に対してアタッチメント部材72を適用することで、吸気ダクト70の副壁93の上方への突出量を容易に変更することが可能となる。なお、本実施形態では副壁93を別体のアタッチメント部材72を用いて形成したが、主壁を別部材から構成するようにしてもよい。また、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。
以上のように、本発明に係る吸気ダクト及びそれを備えた乗り物は、吸気ダクトの大型化を抑制し、また吸気効率が向上する優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる自動二輪車や小型滑走艇(PWC)等の乗り物に広く適用すると有益である。
本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車の吸気ダクトを含む吸気構造を示す左側方から見た断面図である。 図2に示す吸気ダクトを示す斜視図である。 図3に示す吸気ダクトをスロットル装置側から見た図面である。 別の吸気ダクトを含む吸気構造を示す図2相当の図面である 図5に示す吸気ダクトを示す斜視図である。 図1に示す自動二輪車の吸気ダクトを含む吸気構造を示す後方から見た断面図である。 図5における吸気状態のシミュレーション結果を示す図面である。 本発明のエンジン出力及びトルクとエンジン回転数との関係を説明するグラフである。 本発明の第2実施形態に係る吸気ダクトの分解斜視図である。 図10に示す吸気ダクトの組み付け後の斜視図である。 図11に示す吸気ダクトの斜視断面図である。
符号の説明
1 自動二輪車
11 エンジン
16 エアクリーナボックス
17(17A,17B),70 吸気ダクト
18 スロットル装置
23c 流出開口部
25 内部空間
30 周壁
31 係合溝
32 後壁
33,55 主壁
34,56,93 副壁
35 筒状シール部
40,60 主通路
41,61 副通路
42 合流通路
50 ボディ
71 ダクト本体
72 アタッチメント部材

Claims (4)

  1. エンジンに接続されたスロットル装置にエアを導く吸気ダクトであって、
    主通路を形成する主壁と、
    前記主壁の外側に設けられて副通路を形成する副壁と、を備え、
    前記副壁の高さは、前記主壁の高さよりも低く、
    前記副通路は、前記副壁の内壁面と前記主壁の外壁面とにより区画され、前記主通路の流路軸線に略垂直な方向における一方側に配置されており、
    前記副通路が下流側で前記主通路に合流して形成された合流通路は、その流路断面が楕円形状に形成されており、
    前記副通路は、前記合流通路の流路軸線方向から見て前記楕円形状の長軸上に設けられていることを特徴とする吸気ダクト。
  2. 前記副通路の流路断面は、前記主壁の外壁面に沿った三日月形状に形成されている請求項1に記載の吸気ダクト。
  3. 気ダクトを介してエアクリーナボックス内のエアを、エンジンに接続されたスロットル装置に導く吸気構造であって、
    前記吸気ダクトは、
    主通路を形成する主壁と、
    前記主壁の外側に設けられて副通路を形成する副壁と、を備え、
    前記副壁の高さは、前記主壁の高さよりも低く、
    前記副通路は、前記副壁の内壁面と前記主壁の外壁面とにより区画され、前記主通路の流路軸線に略垂直な方向における一方側に配置されており、
    前記吸気ダクトの前記主壁及び前記副壁は、エアクリーナボックスの内部空間に向けて突出しており、
    前記副壁の前記内部空間への突出量は、前記主壁の前記内部空間への突出量よりも小さく、
    前記吸気ダクトは、前記副通路が前記主通路よりも前記エアクリーナボックス内のエアクリーナエレメントに近接するように配置されていることを特徴とする吸気構造。
  4. 前記吸気ダクトは、周壁と、前記周壁の外周面に形成された係合溝と、前記周壁の下流端部に形成された筒状シール部と、前記周壁のうち前記エアクリーナボックス内のエアクリーナエレメントから離反した側に位置する後部から突出した後壁と、をさらに備え、
    前記主壁は、前記後壁よりも背の低い略半筒状で前記後壁の前側に連続して形成され、前記主通路は、前記主壁の内壁面と前記後壁の内壁面とにより区画されており、
    前記副壁は、前記主壁よりも背の低い略半筒状で前記主壁の前側に連続して形成され且つ前記周壁の前部から上方に突出して設けられており、
    前記係合溝は、前記エアクリーナボックスの流出開口部の周縁に対して略密着状態で嵌合され、前記筒状シール部は、前記スロットル装置の上流側の筒状端部に略密着状態で嵌合されている請求項に記載の吸気構造。
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