JP5063904B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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本発明は、インホイールモータ駆動装置を備えたハイブリッド自動車に関するものである。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特開2005−7914号公報(特許文献1)に記載されている。同公報に記載されているインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータと、タイヤを接続するホイールハブと、モータおよびホイールハブの間に、モータのロータの回転を減速してタイヤに伝達する減速機とを備える。この減速機は、歯数の異なる複数の歯車を組み合わせてなる平行軸歯車機構を採用している。
このような電動モータの出力軸と車輪のハブとを減速機を介して同軸上に連結したインホイールモータ駆動装置は、プロペラシャフトやデファレンシャル等の大がかりな動力伝達機構が不要となるので、車両の軽量化やコンパクト化等の面から注目されている。しかしながら、車両のばね下に取り付けられるインホイールモータ駆動装置は、ばね下重量の増加によって乗り心地が悪くなる難点があり、未だ実用化には至っていない。
電動モータの出力トルクとモータ容積(重量)はほぼ比例関係にあり、小さなモータ容積で車両の車輪を駆動するのに足る大きな出力を得るためには、高速回転化が避けられず、電動モータの出力軸とハブとの間に減速機を組み込む必要がある。このため、組み込む減速機の重量が大きくなっては意味がないので、インホイールモータ駆動装置では、コンパクトで大きな減速比の得られる減速機が求められている。
また、電気自動車用減速装置として、電動モータの出力軸と車輪のハブとの間に減速機として遊星歯車減速機を組み込んだものがある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されたものは、電動モータと減速機がばね下に取り付けられるインホイールモータ駆動装置ではないが、遊星歯車減速機を2段に設け、2段目の遊星歯車減速機からの出力をドライブシャフトを介してばね下の左右の車輪に分配している。
特開2005−7914号公報 特開平5−332401号公報(第1−3図)
上記の各公報に記載された減速機に採用されている平行軸歯車機構や遊星歯車機構の減速比は、歯車の強度等の観点から前者が1/2〜1/3、後者が1/3〜1/6程度に設定されるのが一般的である。これは、インホイールモータ駆動装置に搭載する減速機の減速比としては不十分であり、十分な減速比を得るためには、減速機を多段構成とする必要がある。これは、減速機の重量およびサイズの増大を招き、コンパクト化が必要なインホイールモータ駆動装置には不適切である。
また、特許文献2に記載された遊星歯車減速機は平行軸歯車と比較すると大きな減速比を得ることができるが、遊星歯車減速機はサンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤおよびピニオンギヤのキャリヤとで構成されるので、部品点数が多くコンパクト化が難しいという問題がある。
そこで、本発明の目的は、ばね下重量を低減して、走行安定性の高いハイブリッド自動車を提供することである。
この発明に係るハイブリッド自動車は、一対の前輪および一対の後輪と、一対の前輪または一対の後輪のうちのいずれか一方を回転駆動する内燃機関と、他方を回転駆動するインホイールモータ駆動装置とを備える。インホイールモータ駆動装置は、車両の車輪に固定される車輪ハブ、車輪ハブの外周面に対向する内周面を含み、車両の車体に連結される外輪、および車輪ハブと外輪との間を転動する複列の転動体を有する車輪ハブ軸受部と、回転軸を回転駆動するモータ部と、回転軸の回転を減速して車輪ハブに伝達する減速部とを備える。回転軸は、偏心部を含む。そして、減速部は、偏心部に回転自在に保持されて、回転軸の回転に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、外輪に固定連結され、公転部材の外周部に係合して公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、公転部材の自転運動を、回転軸の回転軸心を中心とする回転運動に変換する内ピンと、内ピンと車輪ハブとを連結する連結部材と、公転部材の公転によって生じる慣性モーメントを打ち消すために、回転軸に取り付けられるカウンタウェイトとを有する。公転部材の自転運動が、内ピンの回転軸心を中心とする回転運動に変換され、当該内ピンの回転運動が、連結部材を介して車輪ハブに伝達される
上記構成の減速部は、コンパクトで高減速比が得られるのでインホイールモータ駆動装置を小型軽量化することができる。このようなインホイールモータ駆動装置を採用したハイブリッド自動車はばね下重量を低減することができるので、走行安定性が向上する。
好ましくは、ハイブリッド自動車は、発電装置をさらに備える。そして、発電装置は、内燃機関の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して、インホイールモータ駆動装置に供給する。これにより、インホイールモータ駆動装置を回転駆動するための電力を外部から取り入れる必要がなくなると共に、内燃機関の回転エネルギーを有効活用することができる。
この発明により、インホイールモータ駆動装置を小型軽量化して、ばね下重量を低減することが可能となるので、走行安定性の高いハイブリッド自動車を得ることができる。
以下、図1〜図5を参照して、この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置について説明する。
図4および図5を参照して、ハイブリッド自動車31は、シャーシ32と、内燃機関43によって回転駆動される前輪33と、左右それぞれに配置されたインホイールモータ駆動装置によって回転駆動される後輪34とを備える。後輪34は、図5に示すように、シャーシ32のホイールハウジング32aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)32bを介してシャーシ32の下部に固定されている。
懸架装置32bは、左右に伸びるサスペンションアームによって後輪34を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、後輪34が地面から受ける振動を吸収してシャーシ32の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザーが設けられる。なお、懸架装置32bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
また、このハイブリッド自動車31は、走行状態を検出する各種センサ37〜41と、各種センサ37〜41からの信号に基づいてインホイールモータ駆動装置35の回転を制御するインホイールモータ制御部36と、インホイールモータ制御部36からの指令に基づいて、インホイールモータ駆動装置35に任意の周波数の電力を供給するインバータ42とを備える。
さらに、内燃機関43は、駆動力を発生させるエンジンと、エンジンの回転を任意の減速比に減速可能な変速機と、左右の前輪33にトルクを分配するデファレンシャルギヤ機構とを備える。この内燃機関43の回転エネルギーは、前輪33にトルクを伝達すると共に、発電機44を介して電気エネルギーに変換されて蓄電装置45に蓄えられる。この電力は、インホイールモータ制御装置36や、インバータ42を介してインホイールモータ駆動装置35に供給される。
このハイブリッド自動車31は、ホイールハウジング32a内部に、左右の後輪34それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置35を設けることによって、特に車両後部の客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の後輪34の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
一方、このハイブリッド自動車31の走行安定性を向上するためには、ばね下重量を抑える必要があるので、インホイールモータ駆動装置35として、図1(a)に示すようなこの発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を採用する。
図1に示すインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪34に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備え、モータ部Aと減速部Bとはケーシングに収納されて、図5に示すようにハイブリッド自動車31のホイールハウジング32a内に取り付けられる。
モータ部Aは、ケーシング1aに固定されるステータ3と、ステータ3の内側に軸方向の隙間を設けて配置されるロータ4と、ロータ4の内側に嵌合してロータ4と一体回転する出力軸2とを備えるアキシアルギャップモータである。
出力軸2は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて配置され、減速部B内に偏心部2a,2bを有する。また、モータ部Aの両端と減速部Bの左端で軸受5,6によって支持される。さらに、2つの偏心部2a,2bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消しあうために、180°位相を変えて設けられている。
減速部Bは、偏心部2a,2bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板12a,12bと、ケーシング11a上の固定位置に保持され、曲線板12a,12bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン14と、曲線板12a,12bの自転運動を出力部材15に伝達する運動変換機構と、カウンタウェイト18とを備える。
曲線板12aは、図2および図3に示すように、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有する円板状部材であって、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔17が曲線板12aの自転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられている。なお、曲線板12bは、曲線板12aと同じ形状である。
外ピン14は、出力軸2の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。これは、曲線板12a,12bの公転軌道と一致するので、曲線板12a,12bが公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン14とが係合して、曲線板12a,12bに自転運動を生じさせる。また、曲線板12a,12bとの接触抵抗を低減するために、曲線板12a,12bの外周面に当接する位置に針状ころ軸受14aを有する。
カウンタウェイト18は、円板状で、中心から外れた位置に出力軸2と嵌合する貫通孔を有し、曲線板12a,12bの回転によって生じる慣性モーメントを打ち消すために、各偏心部2a,2bの外側に偏心部と180°位相を変えて配置される。
ここで、曲線板12a,12bとカウンタウェイト18とは、図1(b)に示すように、2枚の曲線板12a、12b間の中心点をGとし、中心点Gと各曲線板12a、12b中心との距離をL1、中心点Gと各カウンタウェイト18との距離をL2とし、中心点Gより右側の曲線板12aおよびカウンタウェイト18の質量をm1、中心点Gより左側の曲線板12bおよびカウンタウェイト18の質量をm2とし、これらの重心の回転軸心からの偏心量をそれぞれε1、ε2とすると、L1×m1×ε1=L2×m2×ε2を満たす関係となっている。
運動変換機構は、出力部材15に保持された複数の内ピン16と曲線板12a,12bに設けられた貫通孔17とで構成される。内ピン16は、出力部材15の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。また、曲線板12a,12bとの接触抵抗を低減するために、曲線板12a,12bの貫通孔17の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受16aが設けられている。一方、貫通孔17は、複数の内ピン16それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔17の内径寸法は、内ピン16の外径寸法(針状ころ軸受16aを含む最大外径)より所定分大きく設定されている。
ここで、減速部Bを中心として考えると、出力軸2はモータ側回転部材として、出力部材15は車輪側回転部材としてそれぞれ機能する。
車輪ハブ軸受部Cは、車輪ハブ21を回転自在に支持するものであり、ケーシングの内周面に形成された外側軌道面と、車輪ハブ21の外周面および別体の内輪24に設けられた内側軌道面と、外側軌道面と内側軌道面との間に複列に配置された複数のボールとによって構成される。車輪ハブ21は、一端をボルト22によって出力部材15に固定され、他端にフランジ部21bにボルト23で車輪ホイール29を固定している。また、減速部Bへの塵埃の混入等を防止するために、内部にシール部材28を有する。
上記構成のインホイールモータ駆動装置の作動原理を詳しく説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ3のコイルにインバータ42から交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または直流電磁石によって構成されるロータ4が回転する。このとき、コイルに高周波数の電圧を印加する程、ロータ4は高速回転する。
これにより、ロータ4に接続された出力軸2が回転すると、曲線板12a,12bは出力軸2の回転軸心を中心として公転運動する。このとき、外ピン14が、曲線板12a,12bの曲線形状の波形と係合して、曲線板12a,12bを出力軸2の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔17に挿通する内ピン16は、曲線板12a,12bの自転運動に伴って貫通孔17の内壁面と当接する。このとき、貫通孔17の内径寸法は、内ピン16の外径寸法より大きく設定されているので、内ピン16と貫通孔17の内壁面とは、接触状態と非接触状態とを繰り返しながら相互に運動する。これにより、曲線板12a,12bの公転運動が内ピン16に伝わらず、曲線板12a,12bの自転運動のみが出力部材15を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、出力軸2の回転が減速部Bによって減速されて出力部材15に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪34に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン14の数をZ、曲線板12a,12bの波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図2に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、低トルクで高回転のモータ部Bを使用した場合でも駆動輪34に十分なトルクを伝達することができる。その結果、小型で軽量なインホイールモータ駆動装置を得ることができる。また、外ピン14および内ピン16の曲線板12a,12bに当接する位置に針状ころ軸受14a,16aを設けたことにより、接触抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
上述の作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力が電動モータ1車輪ホイール29に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、上述の作動の説明では、電動モータ1に電力を供給して電動モータ1を駆動させ、電動モータ1からの動力を車輪ホイール29に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、車輪ホイール29側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換して電動モータ1に伝達し、電動モータ1で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後で電動モータ1を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
さらに、上述の実施形態の構成にブレーキを加えることもできる。例えば、図1の構成において、ケーシング1aを図中右側(軸方向)に延長してロータ4の図中右側に空所ができるような構成とし、ロータ4と一体的に回転する回転部材と、ケーシング1aに回転不能にかつ軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動させるシリンダを配置して、車両停止時にピストンと回転部材とを嵌合させてロータ4をロックするものとするパーキングブレーキであってもよい。
または、ロータ4と一体的に回転する回転部材の一部に形成されたフランジおよびケーシング1a側に設置された摩擦板をケーシング1a側に設置されたシリンダで挟むディスクブレーキであってもよい。さらに、この回転部材の一部にドラムを形成すると共に、ケーシング1a側にブレーキシューを固定し、摩擦係合およびセルフエンゲージ作用で回転部材をロックするドラムブレーキを用いることができる。
ところで、内ピン16の外径寸法は貫通孔17の内径寸法より小さく、内ピン16と貫通孔17の内周面とは接触状態と非接触状態とを繰り返しながら回転するので、モータ部Aの回転を円滑に駆動輪34に伝達する観点からは、内ピン16を複数設けることが望ましい。
上記の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置をハイブリッド自動車31に採用することにより、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れたハイブリッド自動車31を得ることができる。
上述した実施形態では、減速部Bの曲線板12a,12bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、上記の実施形態における運動変換機構は、出力部材15に固定された内ピン16と、曲線板12a,12bに設けられた貫通孔17とで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ21に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、出力部材に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。
また、上記の実施形態において、外ピン14および内ピン16に設けた軸受は、径方向の厚み寸法を小さくする観点から針状ころ軸受14a,16aとした例を示したが、これに限ることなく、例えば、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受、自動調心ころ軸受等、転動体がころであるか玉であるかを問わず、あらゆる転がり軸受を適用することができる。
図1においては、出力軸2の回転を1/11に減速して出力部材15に出力可能な減速部Bの例を示したが、これに限ることなく、この発明は、モータ側回転部材の回転を1/10以下に減速して車輪側回転部材に出力可能なあらゆる構成の減速部を採用することができる。
例えば、基本構成は図1に示す実施形態と同様であって、インボリュート曲線で構成する歯形を有する外歯車を曲線板12a,12bに代えて偏心部2a,2bに回転自在に配置し、外歯車に係合する歯形を有する内歯車を外ピン14に代えてケーシング11a上の固定位置に保持したものであってもよい。
または、モータ側回転部材の偏心部に回転自在に保持されて、モータ側回転部材の回転に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の自転運動を阻止する係止部材と、公転部材の公転運動を、モータ側回転部材の回転軸心を中心とする回転運動に変換して車輪側回転部材に伝達する運動変換機構とを含む減速部を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、電動モータをステータとロータとの間にアキシヤルギャップを設けたものとしたが、電動モータはステータとロータとの間にラジアルギャップを設けたもの等、任意の型式のものを採用することができる。さらに、車輪のハブも実施形態のものに限定されることはなく、任意の型式のものを採用することができる。
さらに、上述した実施形態では、モータ部Aの回転を減速部Bに伝達する出力部材として、出力軸2の例を示したが、これに限ることなく、任意の形状とすることができる。例えば、出力軸とロータを一体構成としたフランジ形状の出力部材であってもよい。
次に、図4を参照して、この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置35の回転を制御するインホイールモータ制御部36について説明する。
インホイールモータ制御部36は、各種センサ37〜41からの信号に基づいて左右のインホイールモータ駆動装置35それぞれの回転数を制御する。具体的には、インホイールモータ駆動装置35それぞれに設けられたインバータ42が供給する電流の周波数を上げることによりモータ部の回転数が上がり、周波数を下げることによりモータ部の回転数が下がる。
インバータ42は、機械的な駆動部分を含まないので任意の周波数の電流を安定して供給することが可能となる。また、インバータ42を用いることにより、周波数の変更が容易に行えるので、モータ部Aの回転数を決め細やかに制御することが可能となる。
なお、図4においては、左右のインホイールモータ駆動装置35それぞれにインバータ42を設けた例を示したが、これに限ることなく、1つのインバータ42で左右のインホイールモータ駆動装置35に電力を供給することとしてもよい。
インホイールモータ制御部36の動作の具体例を以下に示す。
まず、インホイールモータ制御部36は、アクセルの踏込量を検出するアクセルセンサ37からの信号に基づいてインホイールモータ駆動装置35の回転数を変更する。具体的には、インホイールモータ制御部36は、アクセルペダルの踏込量が増加するとモータ部Aの回転数を上げ、アクセルペダルの踏込量が減少するとモータ部Aの回転数を下げる。これにより、ハイブリッド自動車31の加減速を制御することができる。このとき、ハイブリッド自動車31の走行安定性を維持するために、左右のインホイールモータ駆動装置35が同じ回転数になるように制御する。
次に、インホイールモータ制御部36は、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ38の信号からハイブリッド自動車31の旋回半径を検出し、この検出結果に基づいて左右のインホイールモータ駆動装置35の回転数をそれぞれ変更する。
例えば、ハンドルを右に切ってハイブリッド自動車31が右旋回する場合、左右の駆動輪のうちの内側の軌道を通る右側駆動輪の旋回半径が左側駆動輪の旋回半径と比較して小さくなるので、右側駆動輪の旋回軌道は左側軌道輪の旋回軌道より短くなる。また、この旋回軌道の差は、ハンドルの操舵角が大きいほど大きくなる。そこで、インホイールモータ制御部36は、ハンドルの操舵角に応じて右側駆動輪の回転数を下げ、左側駆動輪の回転数を上げる。これにより、ハイブリッド自動車31が安定して旋回することが可能となる。なお、左旋回する場合にも同様に考えることができる。
このような旋回時の差動制御は、従来の自動車においてはデファレンシャルギヤ機構によって機械的に行っていたが、インホイールモータ駆動装置35によって各駆動輪34を個別に駆動するハイブリッド自動車31では、インホイールモータ制御部36で電子的に制御する必要がある。
次に、インホイールモータ制御部36は、ハイブリッド自動車31の車速を検出する車速センサおよび各車輪33,34の回転速度を検出する車輪速センサ39,40の信号から駆動輪34の空転を検出し、この検出結果に基づいてインホイールモータ駆動装置35の回転数を変更する。ここで、ハイブリッド自動車31の車速は、左右の非駆動輪33の車輪速センサ39の平均値を採用するのが一般的である。
具体的には、インホイールモータ制御部36は、駆動輪34の車輪速とハイブリッド自動車31の車速との差が規定値を超えた場合に、その駆動輪34が空転していると認識する。そこで、一時的に回転数を落として当該駆動輪34の空転を解消する。
次に、インホイールモータ制御部36は、車間距離センサ41の信号により前方車両との車間距離および相対速度を検出し、これらが規定値を越えた場合に、左右のインホイールモータ駆動装置35の回転数を下げる。また、これと同時に、運転者に危険を知らせるための警告音等を発してもよい。
これにより、前方車両への衝突を未然に防止することが可能となり、ハイブリッド自動車31の安全性が向上する。このとき、ハイブリッド自動車31の走行安定性を維持するため、左右のインホイールモータ駆動装置35が同じ回転数になるように制御する。また、この機能は、前方に障害物がある場合等にも利用することができる。
上記のインホイールモータ制御部36の動作は、この発明の一つの実施形態であって、この他にも、ハイブリッド自動車31の走行安定性を向上するために、例えば、加速度センサやブレーキセンサ等の様々なセンサからの信号に基づいて、インホイールモータ駆動装置35の回転を制御する。
また、図4に示したハイブリッド自動車31は、前輪33を内燃機関43で駆動し、後輪34をインホイールモータ駆動装置35で駆動する例を示したが、これに限ることなく、前輪33をインホイールモータ駆動装置で駆動し、後輪34を内燃機関で駆動するものであってもよい。
さらに、電気自動車31は、前輪33および後輪34が常に駆動されるフルタイム4WD(4 Wheel Driven)であってもよいし、必要に応じて4WDと2WDとを切替可能なパートタイム4WDであってもよい。なお、パートタイム4WDの場合には、例えば、発進時や低速走行時にはインホイールモータ駆動装置35のみを使用し、巡行時には内燃機関42のみを使用し、加速時や登坂時にはインホイールモータ駆動装置35および内燃機関42の両方を使用する等してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
aはインホイールモータ駆動装置の実施形態を示す縦断面図、bはaの要部を拡大した断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図2の要部を拡大して示す断面図 図1のインホイールモータ駆動装置を有するハイブリッド自動車の平面図である。 図4のハイブリッド自動車の後方断面図である。
符号の説明
1 電動モータ、1a ケーシング、2 出力軸、2a,2b 偏心部、3 ステータ、4 ロータ、5,6 軸受、11 サイクロ減速機(登録商標)、11a ケーシング、12a,12b 曲線板、13 軸受、14 外ピン、14a,16a 針状ころ軸受、15 出力部材、16 内ピン、17 貫通孔、18 カウンタウェイト、19,20 軸受、19a,20a 外輪、21 ハブ、21a 筒部、21b フランジ部、22,23 ボルト、24 内輪、25 ボルト、26 外輪、27 ボール、28 シール部材、29 車輪ホイール、31 ハイブリッド自動車、32 シャーシ、32a ホイールハウジング、32b 懸架装置、33 前輪、34 後輪、35 インホイールモータ駆動装置、36 インホイールモータ制御部、37 アクセルセンサ、38 舵角センサ、39,40 車輪速センサ、41 車間距離センサ、42 インバータ、43 内燃機関、44 発電機、45 蓄電装置。

Claims (2)

  1. 一対の前輪および一対の後輪と、
    前記一対の前輪または前記一対の後輪のうちのいずれか一方を回転駆動する内燃機関と、
    他方を回転駆動するインホイールモータ駆動装置と、を備え、
    前記インホイールモータ駆動装置は、
    車両の車輪に固定される車輪ハブ、前記車輪ハブの外周面に対向する内周面を含み、車両の車体に連結される外輪、および前記車輪ハブと前記外輪との間を転動する複列の転動体を有する車輪ハブ軸受部と、
    回転軸を回転駆動するモータ部と、
    前記回転軸の回転を減速して前記車輪ハブに伝達する減速部と、を備え
    前記回転軸は、偏心部を含み、
    前記減速部は、
    前記偏心部に回転自在に保持されて、前記回転軸の回転に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記外輪に固定連結され、前記公転部材の外周部に係合して公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、
    前記公転部材の自転運動を、前記回転軸の回転軸心を中心とする回転運動に変換する内ピンと、
    前記内ピンと前記車輪ハブとを連結する連結部材と、
    前記公転部材の公転によって生じる慣性モーメントを打ち消すために、前記回転軸に取り付けられるカウンタウェイトと、を有し、
    前記公転部材の自転運動が、前記内ピンの前記回転軸心を中心とする回転運動に変換され、当該内ピンの回転運動が、前記連結部材を介して前記車輪ハブに伝達される、ハイブリッド自動車。
  2. 前記ハイブリッド自動車は、発電装置をさらに備え、
    前記発電装置は、前記内燃機関の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して、前記インホイールモータ駆動装置に供給する、請求項1に記載のハイブリッド自動車。
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