JP5063128B2 - 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類 - Google Patents

配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類 Download PDF

Info

Publication number
JP5063128B2
JP5063128B2 JP2007026630A JP2007026630A JP5063128B2 JP 5063128 B2 JP5063128 B2 JP 5063128B2 JP 2007026630 A JP2007026630 A JP 2007026630A JP 2007026630 A JP2007026630 A JP 2007026630A JP 5063128 B2 JP5063128 B2 JP 5063128B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
meth
adhesive tape
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007026630A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008189832A (ja
Inventor
和幸 矢倉
和雅 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2007026630A priority Critical patent/JP5063128B2/ja
Publication of JP2008189832A publication Critical patent/JP2008189832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5063128B2 publication Critical patent/JP5063128B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Description

本発明は、配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類に関し、さらに詳細には、低温乃至高温での粘着特性に優れ、且つ粗面接着性に優れているとともに、優れた作業性を発揮することができる配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類に関する。
現在社会では、様々な分野で電化が進み、家屋内や車輌内などの様々な箇所に配線が張り巡らされている。その配線も、単に張り巡らせるだけではなく、実用的な観点や、見栄えの観点などの各種の観点から種々の手法で固定される必要がある。
例えば、自動車製造工程では、工程での効率を考慮して、モジュール化等の傾向が高まってきている。その中で、自動車の天井と天井材との間に配線(ワイヤーハーネス)をめぐらせる際に、天井材にワイヤーハーネスを固定する必要がある。自動車の天井材にワイヤーハーネスを固定する際には、現在、感圧性接着テープが用いられている(特許文献1〜特許文献2参照)。このような天井材は、主として、樹脂系複合材料で成型されており、粗面となり接着し難い材料となっている。
また、自動車製造工程では、コスト削減のためにも、部品のコストのみならず、作業の効率化が重視されている。そのため、天井材によく接着し、作業環境に関わらず接着させることができ、作業性に優れた感圧性接着テープが望まれている。すなわち、作業性の悪い感圧性接着テープを使用した場合、感圧性接着テープ単体のコストが安くても、結果的に高いものを使用したことと同じことになる。
そこで、効率をよくするために、テープディスペンサーが使用されるが、従来の感圧性接着テープでは、テープディスペンサーで詰りが生じてしまう等の効率を下げる原因ともなってしまう場合がある。
また、実際に、感圧性接着テープを被着体に対して貼り付ける作業を行う際にも、従来の感圧性接着テープの場合、必要以上にカールを生じたりして、指に付着する等の現象が起こり、貼り付け作業性を損なう場合がある。
さらに、作業性を高めるために、ある一定枚数以上の感圧性接着テープを、テープディスペンサーから取り出して使用する際には、感圧性接着テープが垂れ下がって、取るのが難しくなり、作業性を妨げる要因となってしまう場合がある。
このように、自動車製造工程では、コスト削減のためにも、作業の効率化が不可欠である。そのため、天井材によく接着し、作業環境に関わらず接着させることができ、作業性に優れた感圧性接着テープが望まれている。
そのため、現在、使用されている感圧性接着テープでは、粘着剤層を構成する粘着剤として、粘着成分としてガラス点転移温度が−60℃以下のポリマー成分を用いることにより、ガラス転移温度を低くして、粘着付与剤(粘着付与樹脂など)を添加しない構成としている。また、粘着剤層を厚くする等の設計となっている。そのため、接着性、コスト、作業効率、ワイヤーハーネスへの追随性等に問題が生じている。
一方、感圧性接着剤組成物は、大別すると、ゴム系感圧性接着剤組成物と、アクリル系感圧性接着剤組成物との2種類に分けられ、ゴム系感圧性接着剤組成物は常温での接着性に優れているが、高温特性、耐候性が劣る。一方、アクリル系感圧性接着剤組成物は高温での接着性、耐候性に優れている。また、アクリル系感圧性接着剤組成物では、粘着成分のポリマー成分として、(メタ)アクリル系ポリマーが用いられており、該(メタ)アクリル系ポリマーは、それ自身に粘着感が有り、粘着付与樹脂が添加されていなくても、感圧性接着剤となりうるが、この場合、ポリオレフィン等のプラスチック材に対する接着力が低い。そのため、粘着付与樹脂を添加して、接着力を向上させている。
特開平5−207628号公報 特開2005−8654号公報
しかしながら、(メタ)アクリル系ポリマーに粘着付与樹脂を添加すると、高温や、低温での接着力の低下が生じ、条件によっては、(メタ)アクリル系ポリマー単体と比較しても、接着力が低下している場合がある。
従って、本発明の目的は、低温乃至高温での粘着特性に優れ、且つ粗面接着性に優れているとともに、優れた作業性を発揮することができる配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、基材として、特定の物性を有する基材を用いるとともに、粘着剤層を形成する粘着剤として、特定のアクリル系ポリマーと、特定の粘着付与樹脂とを含有する粘着剤組成物を用いると、幅広い温度範囲での接着性に優れ、且つ、粗面接着性にも優れており、さらに、優れた作業性を発揮させることが可能な配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を得ることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類であって、基材の片面に粘着剤層が形成された構成を有しており、前記基材として、背面に剥離処理が施され且つ引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上であり、厚さが50〜150μmであり、形態が単層であり、ポリオレフィン系基材、紙系基材からなる群より選ばれる基材が用いられているとともに、前記粘着剤層が、アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーと、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層であることを特徴とする配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類である。
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、車輌のルーフモジュールにおける配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類として好適である。
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類によれば、前記構成を有しているので、低温乃至高温での粘着特性に優れ、且つ粗面接着性に優れているとともに、優れた作業性を発揮することができる。従って、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、車輌のルーフモジュールにおける配線類を固定するために好適に用いることができる。
[基材]
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、基材の片面に粘着剤層が形成された構成を有しており、前記基材として、背面に剥離処理が施され且つ引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上である基材が用いられている。このように、基材として、特定の特性(又は物性)を有する基材が用いられているので、適度な強度を有しており、例えば、所定の大きさに切断した配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を、一端を剥離紙上に固定し、他端を固定せずに自由に浮かせた状態とした場合、カールがあまり生じず、また垂れ下がって取り外すことが困難にならず、一端が剥離紙上に固定された状態の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を、指に付着させずに且つ容易に取り外すことができる。そのため、優れた貼り付け作業性で、配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を用いることができる。
このような基材としては、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10〜200N/20mm(特に、15〜150N/20mm)である基材を好適に用いることができる。基材の引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm未満であると、必要以上にカールが生じ、配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類を使用する際に、指に付着する等の現象が生じたり、また、垂れ下がり貼着してしまって取り難くなったりして、貼り付け作業性が低下する。
基材の引張強度は、基材の材質、厚さなどを調整することによりコントロールすることができる。
なお、本発明において、基材の引張強度は、引張試験機として島津社製の「オートグラフAG1−kNG」を用いて、JIS Z 1702に準じて測定された値である。具体的には、別途測定用のテープ形状の基材を用意し、該基材を、短冊形[幅20mm(TD方向)、長さ180mm(MD方向)]に切断して試験片とし、試験片の数は1試料についてMD方向(縦方向)に5個以上とする。上下つかみ間隔が100mmとなり、取り付け後の幅20mm、長さ100mmの長方形(短冊形)の中央に試験片の中央が位置し、さらに引張方向がMD方向となるように、引張試験機に試験片を取り付ける。試験速度は毎分500mm±10%とし、試験片が破断するまで引張荷重を加え、その間の最大荷重を求め、基材の引張強度とする。ただし試験中に滑りが認められれば、その結果を破棄する。
本発明では、基材としては、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上の基材であればよく、例えば、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上のプラスチック系基材や紙系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック系基材におけるプラスチック材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリイミド、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチック材が挙げられる。また、紙系基材としては、例えば、クルパック紙、クラフト紙、グラシン紙などが挙げられる。なお、プラスチック系基材において、プラスチック材は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
基材としては、強度や可撓性などの観点から、ポリオレフィン系基材、ポリエステル系基材、紙系基材が好ましく、特に、強度と可撓性とのバランスが良好なポリオレフィン系基材(中でも、ポリエチレン系基材)が好適である。
なお、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、ワイヤーハーネスを固定するための感圧性接着テープ又はシート類であり、可撓性が乏しいと、上からワイヤーハーネスに沿わせて圧着させるため、感圧性接着テープ又はシート類がワイヤーハーネスの形状に追従せず、その結果、天井材(ルーフ材)に対する接着面積が小さくなり、接着の信頼性が損なわれるようになるので、基材としては、前述のように、可撓性を有していることが好ましい。
基材は、単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
本発明では、基材としては、粘着剤層が形成されない側の面(すなわち、背面)に、剥離処理(離型処理)が施されていることが重要である。基材の背面が、剥離処理面となっていると、セパレータ(剥離ライナー)を用いなくてもよく、コストの削減や省資源化などを図ることができる。基材の背面に剥離処理を施す際に用いられる剥離処理剤としては、特に制限されず、例えば、長鎖アルキル基含有ポリマー、シリコーンポリマー(シリコーン系剥離剤)、フッ素系ポリマー(フッ素系剥離剤)などが挙げられる。これらの剥離処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。なお、基材の背面に形成される剥離処理剤層は、剥離処理剤を、基材の所定の表面に、乾燥後に所定の厚みとなる塗布量で塗布し、乾燥させることにより、形成することができる。剥離処理剤層の厚さとしては、特に制限されず、例えば、0.1〜5.0μm(好ましくは0.2〜1.0μm)の範囲から適宜選択することができる。
本発明では、基材の厚さとしては、特に制限されないが、例えば、25〜250μm(好ましくは38〜200μm、さらに好ましくは50〜150μm)の範囲から適宜選択することができる。なお、基材としては、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)を10N/20mm以上にすることが可能な厚さを有していることが重要である。
なお、基材は、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上の基材用部材(剥離処理を施す前の基材)における一方の面(粘着剤層が形成されない側の面)に、剥離処理を施して剥離処理剤層を形成することにより作製することができる。
本発明では、基材(特に、プラスチック系基材)には、必要に応じて、充填剤(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機質充填剤など)、老化防止剤(例えば、アミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ヒドロキノン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、リン系老化防止剤、亜リン酸エステル系老化防止剤など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤(例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤など)、滑剤、可塑剤、着色剤(例えば、顔料、染料など)、造核剤、重金属不活性剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
なお、基材は単層の形態を有していてもよく、また、複層の形態を有していてもよい。また、基材には、必要に応じて、帯電防止処理、下塗り処理などの各種処理が施されていてもよい。
[粘着剤層]
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類において、基材の片面に形成された粘着剤層は、アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステル]を単量体主成分とするアクリル系ポリマーと、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層である。このように、粘着剤層が、前記アクリル系粘着剤組成物により形成されているので、配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類の粘着特性を低温や高温であっても良好となっており、しかも、粗面接着性も良好である。そのため、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、天井材によく接着し、作業環境に関わらず接着させることができ、この観点からも、優れた作業性を発揮することができる。
(アクリル系ポリマー)
前記アクリル系ポリマーにおいて、単量体主成分として用いられている(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ドデシルを好適に用いることができる。
(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。すなわち、アクリル系ポリマーは、1種のみ又は2種以上が組み合わせられた(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルを、単量体主成分としている。なお、アクリル系ポリマーが、単量体主成分として(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルを含有していなければ、感圧性接着剤としての特性が損なわれる。
アクリル系ポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルの割合は、単量体主成分として用いられているので、単量体成分(モノマー成分)全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上(95〜99重量%)であり、特に97〜99重量%であることが最適である。
前記アクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルとともに、必要に応じて前記(メタ)アクリル酸C2-18アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー(共重合性モノマー)が単量体成分として用いられていてもよい。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル;アルキル基の炭素数が19以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなど]や、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその無水物;2−(メタ)アクリルアシドプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;(メタ)アクリドキシエチルホスフェートなどのリン酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシルなどの水酸基含有単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体などが挙げられる。
また、共重合性モノマーとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性の共重合性単量体(多官能モノマー)なども用いることができる。
なお、共重合性モノマーとしては、極性モノマー[例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体、水酸基含有単量体、アミド基含有単量体、アミノ基含有単量体、(メタ)アクリル酸メチル、酢酸ビニルなど]を好適に用いることができる。このような極性モノマーを用いることにより、アクリル系粘着剤組成物の凝集力を有効に高めることができる。
また、共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマーのガラス転移温度を高めることが可能なモノマー成分[例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、プロピオン酸ビニルなど]を好適に用いることができる。
共重合性モノマーは、通常、単量体成分(モノマー成分)全量に対して、50重量%以下(0〜50重量%)の範囲で用いられる。
アクリル系ポリマーは、公知の重合方法(例えば、乳化重合法や溶液重合など)を利用して調製することができる。なお、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などの各種重合方法を採用することができる。また、重合に際しては、必要に応じて、公知の重合開始剤や連鎖移動剤などを用いることができる。また、乳化重合に際しては、必要に応じて公知の乳化剤や界面活性剤などを用いることができる。
(重合ロジンエステル系粘着付与樹脂)
本発明では、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂が用いられている。このような軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂において、軟化点の下限としては、80℃以上であればよく、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。一方、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂において、軟化点の上限としては、170℃以下であればよく、好ましくは165℃以下、さらに好ましくは160℃以下であり、なかでも150℃以下(特に140℃以下)であることが望ましい。従って、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂の軟化点としては、例えば、80〜165℃であってもよく、また、80〜160℃であってもよいが、100〜150℃であることが好ましく、さらには110〜140℃であることが最適である。
重合ロジンエステル系粘着付与樹脂の軟化点は、例えば、JIS K 5601−2−2(環球法)に準じて測定された値を採用することができる。
このような重合ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、未変性ロジンが重合により変性された形態の重合ロジンをアルコール類によりエステル化した重合ロジンのエステル化合物の中から、軟化点が80〜170℃のものを適宜選択して用いることができる。なお、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂を調製する際に用いられるアルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価のアルコール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチロールエタン等の3価のアルコール類;ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価のアルコール類;ジペンタエリスリトール等の6価のアルコール類などの多価アルコール類が好適に用いられるが、メタノール、エタノールなどの1価のアルコール類であってもよい。また、アルコール類としては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン等のアミノアルコール類も用いることができる。
重合ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、特に、重合ロジンペンタエリスリトールエステル(軟化点:130℃)を好適に用いることができる。
本発明では、粘着付与樹脂として、軟化点が80〜170℃である重合ロジンエステル系粘着付与樹脂を用いているが、低温接着性や粗面接着力の向上のために、その他の粘着付与樹脂や、その他、公知の可塑剤を併用してもよい。なお、その他の粘着付与樹脂や可塑剤の使用量としては、軟化点が80〜170℃である重合ロジンエステル系粘着付与樹脂と、その他の粘着付与樹脂及び/又は可塑剤との総量に対して50重量%以下であることが好ましい。
なお、その他の粘着付与樹脂としては、例えば、軟化点が80〜170℃である重合ロジンエステル系粘着付与樹脂以外のロジン系粘着付与樹脂の他、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などが挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。これらの粘着付与樹脂や可塑剤は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系粘着剤組成物は、前記アクリル系ポリマーと、前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを必須成分として含有しており、さらに、任意成分として、架橋剤、他の粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、酸化防止剤などの従来公知の各種添加剤を含有していてもよい。特に、架橋剤を用いることにより、アクリル系粘着剤組成物の凝集力を高めることができる。このような架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。
なお、前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。
また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
架橋剤の使用量としては、特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましい。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、架橋剤以外の他の添加剤の使用量としては、特に制限されず、感圧性接着剤組成物に適用される通常の使用量であればよい。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
このようなアクリル系粘着剤組成物は、前記成分(アクリル系ポリマー、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂など)を、公知の混合又は混練方法により、混合することにより調製することができる。
なお、アクリル系粘着剤組成物としては、ガラス転移温度が、−30〜−60℃であることが望ましく、特に、−35〜−60℃であることが好ましい。また、アクリル系粘着剤組成物は、動的粘弾性のピークが1.2以上であることが好ましい。
粘着剤層は、公知乃至慣用の方法により形成することができる。具体的には、例えば、基材の所定の面に、アクリル系粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工する方法、セパレータ上にアクリル系粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように塗工して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材に転写する方法などにより、作製することができる。なお、アクリル系粘着剤組成物の塗工に際しては、例えば、流延方法、ロールコーター方法、リバースコータ方法、ドクターブレード方法などを利用することができる。
粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。粘着剤層の厚み(乾燥後の厚み)は、例えば、10〜50μm(好ましくは15〜40μm)程度である。
[感圧性接着テープ又はシート類]
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類であり、下記の基材の片面に、下記の粘着剤層が形成された構成を有している。
基材:背面に剥離処理が施され且つ引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上である基材
粘着剤層:アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーと、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層
このように、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、基材の背面に剥離処理(背面処理)が施されているので、基材の片面に形成された粘着剤層を、基材の背面(基材の背面に形成された剥離処理層の表面)と重ね合わせてロール状に巻回することにより、ロール状に巻回された状態又は形態の配線類固定用感圧性接着テープや、基材の片面に形成された粘着剤層を、基材の背面と重ね合わせて積層することにより、シート状のものが積層された状態又は形態の配線類固定用感圧性接着シートとして作製することができる。この際、粘着剤層は基材の背面の剥離処理層により保護される。
なお、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシートは、前述のように、低温乃至高温での粘着特性に優れ、且つ粗面接着性に優れているとともに、優れた作業性を発揮することができるので、車輌のルーフモジュールにおける配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類として好適に用いることができる。
なお、基材として、実質的にハロゲン原子を含有していないプラスチック系基材を用いることにより、配線類固定用感圧性接着テープ又はシートを使用した後、焼却する際には、有毒ガスの発生を防止することができる。また、基材として、難燃機能が付加されたプラスチック系基材を用いることにより、配線類固定用感圧性接着テープ又はシートの耐熱性を向上させることができる。従って、本発明の配線類固定用感圧性接着テープ又はシートは、耐熱性が優れており、焼却時には有毒ガスを発生させない配線類固定用感圧性接着テープ又はシートとすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(表1中「2−EHA」と称する):100重量部、アクリル酸(表1中「AA」と称する):3重量部、および2−ヒドロキシエチルアクリレート(表1中「2−HEA」と称する):0.1重量部を、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.2重量部を開始剤として、トルエン/酢酸エチル混合溶液(トルエン/酢酸エチル=90/10(重量比))中で、60℃で8時間溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーを含む反応溶液を得た。この反応溶液に、粘着付与樹脂として重合ロジンペンタエリスリトールエステル(軟化点:130℃、播磨化成化学社製の「ハリエスターN130」;表1中「タッキファイヤA」と称する):30重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」;表1中「架橋剤A」と称する):2.3重量部とを加えて、均一となるように攪拌することにより、感圧性接着剤組成物を得た。
シリコーン処理が施されたポリエステルフィルム(50μm厚;剥離ライナー)のシリコーン処理が施された側の面上に、前記感圧性接着剤組成物を、乾燥後の厚みが75μmとなるように塗布し、乾燥乃至硬化させて、粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に、片面にシリコーン処理による剥離処理が施されたポリエチレンフィルム(基材)を、粘着剤層と、ポリエチレンフィルムの剥離処理が施されていない側の面とが接触する形態で貼り合わせて、感圧性接着テープ又はシートを作製した。なお、前記基材としてのポリエチレンフィルムは、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が18N/20mmであり、厚さが0.07mmである。
(実施例2)
基材として、引張強度が(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が120N/20mmであり、且つ坪量が73gであるクルパック紙を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧性接着テープ又はシートを作製した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(表1中「2−EHA」):100重量部、アクリル酸(表1中「AA」):3重量部、および2−ヒドロキシエチルアクリレート(表1中「2−HEA」):0.1重量部を、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.2重量部を開始剤として、トルエン/酢酸エチル混合溶液(トルエン/酢酸エチル=90/10(重量比))中で、60℃で8時間溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーを含む反応溶液を得た。
前記の反応溶液に、粘着付与樹脂として重合ロジンエステル系樹脂(軟化点:105℃、理化ファインテク社製の「DP291A」;表1中「タッキファイヤB」と称する):30重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」;表1中「架橋剤A」):2.3重量部とを加えて、均一となるように攪拌することにより、感圧性接着剤組成物を得た。
シリコーン処理が施されたポリエステルフィルム(50μm厚;剥離ライナー)のシリコーン処理が施された側の面上に、前記感圧性接着剤組成物を、乾燥後の厚みが75μmとなるように塗布し、乾燥乃至硬化させて、粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に、片面にシリコーン処理による剥離処理が施されたポリエチレンフィルム(基材)を、粘着剤層と、ポリエチレンフィルムの剥離処理が施されていない側の面とが接触する形態で貼り合わせて、感圧性接着テープ又はシートを作製した。なお、前記基材としてのポリエチレンフィルムは、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が12N/20mmであり、厚さが0.04mmである。
(比較例1)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(表1中「2−EHA」):93重量部、およびアクリル酸(表1中「AA」):7重量部を、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.2重量部を開始剤として、トルエン/酢酸エチル混合溶液(トルエン/酢酸エチル=90/10(重量比))中で、60℃で8時間溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーを含む反応溶液を得た。この反応溶液に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製の「テトラッドC」;表1中「架橋剤B」と称する):0.03重量部を加えて、均一となるように攪拌することにより、感圧性接着剤組成物を得た。
シリコーン処理が施されたポリエステルフィルム(50μm厚;剥離ライナー)のシリコーン処理が施された側の面上に、前記感圧性接着剤組成物を、乾燥後の厚みが75μmとなるように塗布し、乾燥乃至硬化させて、粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に、片面にシリコーン処理による剥離処理が施されたポリエチレンフィルム(基材)を、粘着剤層と、ポリエチレンフィルムの剥離処理が施されていない側の面とが接触する形態で貼り合わせて、感圧性接着テープ又はシートを作製した。なお、前記基材としてのポリエチレンフィルムは、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が12N/20mmであり、厚さが0.04mmである。
(比較例2)
実施例1と同様にして、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(表1中「2−EHA」):100重量部、アクリル酸(表1中「AA」):3重量部、および2−ヒドロキシエチルアクリレート(表1中「2−HEA」):0.1重量部を、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.2重量部を開始剤として、トルエン/酢酸エチル混合溶液(トルエン/酢酸エチル=90/10(重量比))中で、60℃で8時間溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーを含む反応溶液を得た。
前記の反応溶液に、粘着付与樹脂として部分水添ロジングリセリンエステル系樹脂(軟化点:75℃、理化ファインテク社製の「リカタック SE10」;表1中「タッキファイヤC」と称する):30重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」;表1中「架橋剤A」):2.3重量部とを加えて、均一となるように攪拌することにより、感圧性接着剤組成物を得た。
シリコーン処理が施されたポリエステルフィルム(50μm厚;剥離ライナー)のシリコーン処理が施された側の面上に、前記感圧性接着剤組成物を、乾燥後の厚みが75μmとなるように塗布し、乾燥乃至硬化させて、粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に、片面にシリコーン処理による剥離処理が施されたポリエチレンフィルム(基材)を、粘着剤層と、ポリエチレンフィルムの剥離処理が施されていない側の面とが接触する形態で貼り合わせて、感圧性接着テープ又はシートを作製した。なお、前記基材としてのポリエチレンフィルムは、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が9N/20mmであり、厚さが0.04mmである。
(比較例3)
実施例1と同様にして、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(表1中「2−EHA」):100重量部、アクリル酸(表1中「AA」):3重量部、および2−ヒドロキシエチルアクリレート(表1中「2−HEA」):0.1重量部を、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.2重量部を開始剤として、トルエン/酢酸エチル混合溶液(トルエン/酢酸エチル=90/10(重量比))中で、60℃で8時間溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーを含む反応溶液を得た。
前記の反応溶液に、粘着付与樹脂として部分水添ロジングリセリンエステル系樹脂(軟化点:75℃、理化ファインテク社製の「リカタック SE10」;表1中「タッキファイヤC」):30重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」;表1中「架橋剤A」):2.3重量部とを加えて、均一となるように攪拌することにより、感圧性接着剤組成物を得た。

シリコーン処理が施されたポリエステルフィルム(50μm厚;剥離ライナー)のシリコーン処理が施された側の面上に、前記感圧性接着剤組成物を、乾燥後の厚みが75μmとなるように塗布し、乾燥乃至硬化させて、粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に、片面にシリコーン処理による剥離処理が施された不織布(基材)を、粘着剤層と、不織布の剥離処理が施されていない側の面とが接触する形態で貼り合わせて、感圧性接着テープ又はシートを作製した。なお、前記基材としての不織布は、引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が7N/20mmであり、厚さが0.04mmである。
なお、実施例1〜3及び比較例1〜3において、基材の引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)は、JIS Z 1702に準じて、島津社製の引張試験機「オートグラフAG1−kNG」を用いて行った。具体的には、別途測定用のテープ形状の基材を用意し、該基材を、短冊形[幅20mm(TD方向)、長さ180mm(MD方向)]に切断して試験片とし、該試験片を、上下つかみ間隔が100mmとなり、取り付け後の幅20mm、長さ100mmの長方形(短冊形)の中央に試験片の中央が位置し、さらに引張方向がMD方向となるように、引張試験機に試験片を取り付けた。試験速度は毎分500mm±10%とし、試験片が破断するまで引張荷重を加え、その間の最大荷重を求め、基材の引張強度とした。ただし試験中に滑りが認められれば、その結果を破棄した。
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた感圧性接着テープ又はシートについて、粘着力、貼り付け作業性を下記の測定方法又は評価方法により評価した。
(粘着力の測定方法)
感圧性接着テープ又はシートを、20mm幅に裁断し、この幅20mmの感圧性接着テープ又はシートを、下記に示される被着体に、2kgのゴムローラを用いて、下記の条件(1)〜条件(4)で貼り付け、保存し、粘着力の測定を行った。なお、引張試験機としては、島津社製の「オートグラフ AG1−kNG」を用い、クロスヘッドスピード:300mm/min、剥離角度:180°で感圧性接着テープ又はシートを引張り、180°ピール粘着力を測定した。
被着体:車輌用のルーフ材
(条件)
条件(1):「RT」の環境下で貼り付け、「RT×3分間」保存した後、「RT」の環境下で測定する。すなわち、貼り付け時の条件が「RT」で、保存時の条件が「RT×3分間」で、測定時の条件が「RT」である。
条件(2):「0℃」の環境下で貼り付け、「0℃×3分間」保存した後、「0℃」の環境下で測定する。すなわち、貼り付け時の条件が「0℃」で、保存時の条件が「0℃×3分間」で、測定時の条件が「0℃」である。
条件(3):「RT」の環境下で貼り付け、「RT×24時間」保存した後、「80℃」の環境下で2時間放置した後、「80℃」の環境下で測定する。すなわち、貼り付け時の条件が「RT」で、保存時の条件が「RT×24時間」で、測定時の条件が「80℃」である。
条件(4):「RT」の環境下で貼り付け、「RT×24時間」保存した後、「−30℃」の環境下で2時間放置した後、「−30℃」の環境下で測定する。すなわち、貼り付け時の条件が「RT」で、保存時の条件が「RT×24時間」で、測定時の条件が「−30℃」である。
なお、「RT」とは、「23℃×50%RH」のことを意味している。
(貼り付け作業性の評価方法)
実際の車輌のルーフ材の組立を想定した試験を行った。30mm×100mmサイズの粘着テープを10枚準備し、図1で示されるように、机上に剥離紙を固定した箇所を設けて、そこに、前述の粘着テープを貼り付け長さ20mmで10枚貼り付けた。(従って、強度が低い基材が用いられた粘着テープは、垂れ下がり、粘着テープを取って貼り付ける作業にロスが生じる。または、手に付着し、貼り付け作業が遅くなる。)
ここから、1枚ずつ粘着テープを取り、20mm×500mmの車両用ルーフ材に、5φに束ねた500mm長さのワイヤーハーネスを固定する。10枚全て貼り終えるまでの時間を測定することにより、実際の作業での粘着テープの貼り付け作業性の評価とした。従って、前記時間が短いほど、貼り付け作業性が良好となる。
なお、被験者は20歳代の男性であり、貼り終えるまでの時間を10名の平均値で示した。各被験者は、1作業終了後、1時間休憩を与えて、疲労の影響がないようにした。
図1は、粘着テープの貼り付け作業性を評価する際の方法において、粘着テープを机上に固定された剥離紙に貼り付けた形態を示す概略図である。図1において、1は粘着テープ(サイズ:30mm幅×100mm長)、2は机、2aは机2の表面、2bは机2の端部、3は剥離紙である。机2の表面2aにおいて、端部2b側に剥離紙3を固定した箇所を設け、該剥離紙3上に、30mm幅×100mm長のサイズの粘着テープ1が、貼り付け長さ20mmで貼り付けられている。従って、粘着テープ1は、長さ80mmの部分が剥離紙3に貼着されておらず、フリーな状態となっている。
Figure 0005063128
図1は粘着テープの貼り付け作業性を評価する際の方法において、粘着テープを机上に固定された剥離紙に貼り付けた形態を示す概略図である。
符号の説明
1 粘着テープ
2 机
2a 机2の表面
2b 机2の端部
3 剥離紙

Claims (2)

  1. 配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類であって、基材の片面に粘着剤層が形成された構成を有しており、前記基材として、背面に剥離処理が施され且つ引張強度(MD方向、JIS Z 1702に準ず、23℃、50%RH)が10N/20mm以上であり、厚さが50〜150μmであり、形態が単層であり、ポリオレフィン系基材、紙系基材からなる群より選ばれる基材が用いられているとともに、前記粘着剤層が、アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーと、軟化点が80〜170℃の重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層であることを特徴とする配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類。
  2. 車輌のルーフモジュールにおける配線類を固定するための感圧性接着テープ又はシート類である請求項1記載の配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類。
JP2007026630A 2007-02-06 2007-02-06 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類 Active JP5063128B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007026630A JP5063128B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007026630A JP5063128B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008189832A JP2008189832A (ja) 2008-08-21
JP5063128B2 true JP5063128B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=39750235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007026630A Active JP5063128B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5063128B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219083A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Nitto Denko Corp 医療用粘着剤組成物およびその製造方法、ならびに、該医療用粘着剤組成物を用いた貼付剤および貼付製剤
JP5561868B2 (ja) * 2011-05-20 2014-07-30 日東電工株式会社 粘着製品
JP6566110B1 (ja) * 2018-12-17 2019-08-28 Dic株式会社 自動車用組電線固定用粘着テープ
JP7404024B2 (ja) * 2019-10-18 2023-12-25 日東電工株式会社 ワイヤーハーネス用粘着テープ

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3089288B2 (ja) * 1991-02-20 2000-09-18 旭化成工業株式会社 ポリスチレン系粘着テープの製造方法
JP2988017B2 (ja) * 1991-06-06 1999-12-06 住友電気工業株式会社 粘着テープ
JPH08190349A (ja) * 1995-01-12 1996-07-23 Mitsui Chemitec Kk ラベル用粘着テープ
JP3394947B2 (ja) * 2000-02-24 2003-04-07 日東電工株式会社 粘着テープおよび粘着テープ基材
JP2006022122A (ja) * 2002-02-25 2006-01-26 Yazaki Corp ノンハロゲン難燃性粘着テープ及びその製造方法
JP2005126448A (ja) * 2003-02-06 2005-05-19 Nitto Denko Corp 配線類固定用粘着テープ又はシート
JP4493289B2 (ja) * 2003-06-16 2010-06-30 日東電工株式会社 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類
JP2005298673A (ja) * 2004-04-12 2005-10-27 Hitachi Chem Co Ltd リードフレーム固定用テープ、リードフレーム固定用テープ付きリードフレーム及びこれを用いた半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008189832A (ja) 2008-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6355874B1 (ja) 粘着シート
JP5539630B2 (ja) 両面粘着シート、発泡体の固定方法および積層体
JP5820619B2 (ja) 粘着テープ
JP2019094508A (ja) 補強フィルム
JP6734663B2 (ja) 手切れ性両面粘着テープ
WO2012099121A1 (ja) 両面粘着テープ又はシート、および被着体の加工方法
JP7271169B2 (ja) 粘着シート
EP2497804A1 (en) Double-sided pressure-sensitive adhesive sheet with polyester-polyurethane containing anchor layer
CN111378408A (zh) 粘合剂组合物
JP2016023278A (ja) 伸長性粘着シート
JP5063128B2 (ja) 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類
JP2017115108A (ja) セット
JP6738284B2 (ja) マスキングテープ
JP5520785B2 (ja) 絶縁テープ
WO2013005368A1 (ja) ホイール用保護フィルム
WO2013114955A1 (ja) 加熱剥離型摺動用保護テープ
JP2017075231A (ja) タブ付き粘着製品
JP7396837B2 (ja) 粘着シート
JP2015048430A (ja) 両面粘着テープ
JP6125157B2 (ja) 粘着シート
JP4493289B2 (ja) 配線類固定用感圧性接着テープ又はシート類
WO2016136717A1 (ja) 手切れ性両面粘着テープ
WO2017065124A1 (ja) タブ付き粘着製品
WO2015151173A1 (ja) 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープ
JP2017075228A (ja) タブ付き粘着製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5063128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250