JP5062867B2 - 人工血管用ダブルラッシェル編地管とその製造方法 - Google Patents
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Description
その内、筒状の人工血管を形成する手段としては、編機、織機、製紐機等により、筒状に編む、織る、組む等の他、布帛状のものを縫製により筒状に形成して人工血管として使用するもの、更には合成高分子や天然高分子等を直接筒状に成型するものなどが挙げられる。
そして、素材として、編物、織物、組物の場合にはポリエステル糸が主流であり、合成高分子としてはポリ四フッ化エチレン(PTFE)等が、天然高分子としてはキトサン等が挙げられる。
また、病変血管の代替血管としての人工血管については一定期間、体内で使用可能な製品としてこれも使用されている。
そして、これらの人工血管の機能的要件を比較的満足する素材として、ポリエステル糸を管状に形成した編物、特に経編地製品が主流となっている。
更に特許文献3では、生体血管に類似した弾性材料を用いたダブルラッシェル地の人工血管本体とこれを補強するスパイラル形状の弾性材料補強部とで構成される人工血管が提案されている。
また、特許文献4では多孔質高分子化合物からなる管壁に改良を加えた人工血管が提案されている。
例えば、構造的工夫に関しては、人工血管に蛇腹形状を付与する、或いはリング状の補強材を取り付ける手段が開発されているし、縫合性については人工血管の端口と生体血管を縫合する際、人工血管の端口が解れないような手段が講じられている。
そして、人工血管への内皮細胞の定着化促進の手段や抗血栓性付与手段なども提案され開存率の向上が図られてきた。
また、特許文献7では生体吸収性材料で形成され、自己組織が再生された後には生体に分解吸収される人工血管も提案されている。
しかし、現在の人工血管が生体内において長期に渡って生体血管と同様の機能を果たし得ているかについては未だに解決すべき多くの問題点を有している。
特に大口径の人工血管としては使用可能な製品が開発されているが、口径(管外径)が5mmレベルより小さい小口径人工血管としては閉塞性の問題等があり、未だ使用に充分耐え得る製品は開発されていないのが現状である。
これらの問題を解決すべく、多孔性のエラストマーを使用した製品も提案されているが、強度や体内劣化の問題があり、これも完全なものとは言えないものである。
これらの中で、特許文献5における生糸を用いた組物構造の人工血管は、それなりの長所は有するものの、組物構造の特徴として長手方向に引張力が働くと伸び易く、その結果、管径が細くなる欠点がある。
これを阻止するために接着手段を講ずると硬くなる問題が派生する等の問題がある。
それに対して、特許文献6に示される提案は、現在主流となっているポリエステル糸を使用した管状編地の長所と、手術用の糸に使用されているように生体適合性に実績のある絹の長所を両立した提案として注目される。
蚕が吐出する繭糸は、天然フィラメント繊維であり、2本のフィブロインと言われる略三角形の断面形状を有するコア部がセリシンと言われる膠質のタンパク質で被覆されスキン部となっている。
そしてフィブロイン、セリシンとも、グリシン、アラニン等のアミノ酸をその基本組成とするタンパク質であり、生体適合性能を有していることは周知のとおりである。
つまり、絹糸を編成糸として用いて、人工血管用ダブルラッシェル編地管、特に管外径が小口の管状の人工血管用ダブルラッシェル編地管を効率よく形成する技術手段が全く確立されていないのが現状となっている。
それは、ダブルラッシェル機のガイドやニードルと編成糸である絹糸との相互接触関係を充分研究していないからである。
しかし、同じ経編機の1種で、ダブルラッシェル地を編成するダブルラッシェル機は、その機構上、編成糸に相当の張力負荷がかかり、細い絹糸では糸切れや毛羽立ちが発生し効率良く編成しきれない問題があった。
すなわち、本発明の目的とするところは、糸切れや毛羽立ちの発生を極力なくし、効率良く編成できる人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法を提供することである。
そしてまた、その製造方法によって得られる人工血管用ダブルラッシェル編地管を提供することである。
本発明者らは、この知見により管状の人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造を開発したものである。
即ち、本発明は、(13)、前記諸撚り絹糸を使ってダブルデンビー組織又は逆ハーフ組織により管状に編成されたものである上記9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管に存する。
即ち、本発明は、(14)、管壁厚みが0.1〜0.3mm、且つ管外径が1〜5mmである上記9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管に存する。
即ち、本発明は、(15)、編成した後、残留セリシンを除去したもの上記9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管に存する。
なお、本発明の目的に添ったものであれば上記1〜15を適宜組合わせた構成も採用可能ある。
また、コア部同士の直接圧接によるコア部損傷も解消できる。
併せて、スキン部のセリシンは、セリシン被覆絹糸がニードルに案内される場合の潤滑の役割を果たすため、これらの相乗効果により糸切れ、毛羽立ち等の問題を防止でき、効率の良い編成を可能とし、高品質の人工血管用ダブルラッシェル編地管を得ることができる。
その結果、編成時にガイドやニードルと接触することにより押圧されても断面が極端な扁平になることがなく、接触箇所が点接点に近い状態となり接触摩擦が低減化される効果がある。
併せて、編成過程で新しいニードルループが古いニードルループから抜け出す際、互いの接触箇所では点接点に近い状態となり、接触摩擦が低減化され、極めてスムースな編成が行われ、糸切れ、毛羽立ち等の問題を防止でき、捩れ等がなく、安定した高品質の管外径が小口の人工血管用ダブルラッシェル編地管を得ることが容易に可能となる。
また、人工血管として使用する場合に問題となる血液の漏出等も押さえられ人工血管としての機能を充分に得ることができる。
本実施の形態では、生糸にセリシンを適宜除去する特殊加工を施し、その後、これによって得られる絹糸に撚り加工を施し、更に、この絹糸をダブルラッシェル機によって管状に編成するものである。
図5の実態模式図(一部省略)に示すように、蚕が吐口から吐出する糸が繭糸1であり、この繭糸は、断面が三角形状の一対のフィブロイン11で形成されているコア部41が、膠質のタンパク質であるセリシン12により被覆されてスキン部42となっている。
そして、この繭糸1を複数本合糸したものが、図6の実態模式図(一部省略)に例示するように生糸2であり、図6では14本の繭糸1が合糸されて生糸2が形成されている。
図7では、28本のフィブロイン11が示されている。
そして、生糸2からセリシン12を除去する処理を精練と言う。
図例においては、図6に示す14本の繭糸1が、図7に示すように28本(14×2)のフィブロインとなっている。
因みに1本の生糸2が有する全セリシン重量は、1本の生糸2の全重量の20〜30%の範囲内である。
この結果、図8の実態模式図(一部省略)に示すように、フィブロイン11は、薄く残留した状態の残留セリシン13により被覆された状態となる。
ここで、精練に使用する酵素としては、例えばプロテアーゼ(「Esperase」(商品名);ノボザイムズ ジャパン株式会社製)が好ましく採用される。
このスキンコア構造フィブロイン4により構成される絹糸3を、ここでセリシン被覆絹糸5と言う。
このセリシン被覆絹糸5の状態は、先に説明した図7に示す絹糸3の状態と外観的には同様の体を示すので、図9をその実態模式図として併用するものとする。
ここで、上述した残留させるセリシンの量は、コア部41のフィブロイン11の分離の観点及び後述する被覆効果の観点から20〜40%が好ましい。
因みに生糸は、14、17、21、31d(デニール)のものが主に採用される。
21dの生糸2は、通常14〜16本の繭糸1で構成されている。そして、この生糸2を酵素を用いて精練する。
上記したようにN本の繭糸1を精練すると2N本のフィブロイン11が得られるので、21dの生糸2のフィブロイン11は28〜32本となり、結果的に、28本〜32本のスキンコア構造フィブロイン4で構成されるセリシン被覆絹糸5が得られる。
本精練加工工程においては、洗浄工程や乾燥工程を設けていて、汚れや無駄なセリシンの洗浄除去を行い、乾燥によるカビ等の防止を図っている。
図9の実態模式図(一部省略)に示すように、例えば、まず、左撚り(左撚り方向R1)で1100t/mの下撚りをかけ、下撚り絹糸T1を得る。
そして、図10の実態模式図(一部省略)に示すように、この下撚り絹糸T1を2本合わせて、今度は右撚り(右撚り方向R2)で900t/mの上撚りをかけ、諸撚り絹糸Tを得る。
上記した撚り加工の範囲としては、後述する撚り効果の観点から、下撚りは900t/m〜1200t/m、上撚りは、700t/m〜1000t/mが好ましく採用される。
このことで、糸切れ、毛羽立ちが防止され効率のよい編成が行われる。
また編成された人工血管用ダブルラッシェル編地管としても捩れのない高品質のものとなる。
上撚り数を下撚り数よりどの程度少なくするかについては、2本の下撚り絹糸T1を合わせて諸撚り絹糸Tとした際、回転トルクのない最も安定した状態となる上撚り数が決定される。
ここで複数本としたのは、下撚り絹糸T1が必ずしも2本である必要はなく、目的に応じては3本、或いはそれ以上であっても良いことによる。
その結果、編成時にガイドやニードルと接触することにより押圧されても断面が極端な扁平になることがなく、接触箇所が点接点に近い状態となり接触摩擦が低減化される(撚り効果)。
そして編成時の糸切れ、毛羽立ち等の問題が解決されスムースな編成が行われるのである。
一方では、コア部41を被覆するスキン部42の残留セリシン13によって、編成時におけるガイドやニードルとの接触は、コア部41ではなくスキン部42となる。
またコア部41同士の直接圧接もないためコア部41自体が痛まない(被覆効果1)。
そしてスキン部42のセリシンは、セリシン被覆絹糸がニードルに案内される場合の潤滑の役割を果たすため(被覆効果2)、より効果的に糸切れ、毛羽立ち等の問題を防止できる。
つまり、図11の状態説明図(一部省略、実際の編地は高密度に編まれていて本図のような空隙はもっと少ない)に示すように、編成過程で新しいニードルループN1が古いニードルループN2から抜け出す際、図12に、その接触状態を示す状態模式図(一部省略)に示すように、ニードルループN1、N2は、特殊な撚り加工を施したことにより、接触箇所Aでは互いに点接点に近い状態となり、接触摩擦が低減化され、上記同様、スキン部42の残留セリシン13による被覆効果と相まって、極めてスムースな編成が行われる。
上述したように糸切れ、毛羽立ち等の問題が解決されることで、管外径が小口の高品質の人工血管用ダブルラッシェル編地管Wも容易に可能となる。
ところで、スキン部42における残留セリシン13については、編成後の人工血管用ダブルラッシェル編地管Wの使途に応じて、除去することも可能である。
すなわち、そのまま残留させて使用する場合、更に、もう一段除去して使用する場合、或いは完全に除去する場合がある。
このようにセリシン残留量調整の選択が可能となり本人工血管用ダブルラッシェル編地管Wの使途範囲の拡大に効果がある。
図4の部分説明図に示すように、諸撚り絹糸Tを編成糸Y(Y1〜Y6)として使用し、6枚オサのダブルラッシェル機R(28ゲージ)により、図1に示す管状の人工血管用ダブルラッシェル編地管Wを編成する。
ここに、ゲージとは1インチ(2.54cm)間に存在するニードルNの本数である。
ダブルデンビー組織Bは、デンビー組織Dを2枚同時編成して得られる。
図4において、オサL1、L3で編成糸Y1、Y3を制御し、フロントニードルFNによりダブルデンビー組織Bのフロント編地K1を編成する。
そして、オサL4、L6で編成糸Y4、Y6を制御して、バックニードルBNによりダブルデンビー組織Bのバック編地K2が編成される。
このようにそれぞれ編成された2枚のダブルデンビー組織Bの編地K1、K2をオサL2、L5によって制御される編成糸Y2、Y5により連結して管状の人工血管用ダブルラッシェル編地管Wが形成される。
このダブルデンビー組織Bの場合は、編成時にニードルからニードルへと編成糸を振るので前述した撚り効果や被覆効果が更に発揮できる。
その結果、人工血管用ダブルラッシェル編地管Wを扁平にした状態で、幅が(1)1.5mm、(2)2.0mm、(3)3.0mm、(4)5.0mm、(5)6.5mm、(6)8mmであった。
また、管壁の厚み(管壁厚)は、いずれも0.1〜0.3mmであった。上記幅から計算した人工血管用ダブルラッシェル編地管Wの外径(管外径)は、略(1)1mmφ、(2)1.3mmφ、(3)2.0mmφ、(4)3.0mmφ、(5)4mmφ、(6)5mmφとなり1〜5mmの管外径が小口の人工血管用ダブルラッシェル編地管Wが得られた。
本実施の形態では、編組織として図3(図1の部分Pの拡大図であり、理解を容易にするために一部を太線で示す)に示す逆ハーフ組織H(オサL4で1−2/1−0を、オサL6で1−0/2−3を編成)を採用している。
その他の条件は、第1の実施の形態と同様とした。
第1の実施の形態と同様に6点の編成試験を行ったが、厚み、幅とも数値には表れないレベルでの増加は見られたが第1の実施の形態と、略同傾向の結果が得られている。
逆ハーフ組織Hは、デンビー組織Dとコード組織Cとで形成される組織でダブルデンビー組織Bに比べてコード組織CのシンカーループS1がデンビー組織DのシンカーループS2に比べて1針分だけ長く、その分、密な編地が得られ、人工血管用ダブルラッシェル編地管Wとして使用する場合には血液の漏出防止等に効果がある。
この逆ハーフ組織Hの場合は、編成時におけるニードルへの編成糸の振り方が、前記デンビー組織に比べて大きくなるので、一層撚り効果や被覆効果が発揮される。
また、本人工血管用ダブルラッシェル編地管Wに従来知られている人工血管として有すべき機能を付与する化学的処理等を試したが別段問題は見られなかった。
また、実際の生体試験においても、生体血管との縫合の際も解れがなく、生体適合性が良好な結果が得られた。
例えば、残留セリシン13の量が必ずしも生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40%の範囲内にある必要はなく、使用状況に応じて増減することが可能である。
また、諸撚り絹糸Tを形成する場合においても、撚り方向の組み合わせや、下撚り数、上撚り数の数値は使用するセリシン被覆絹糸5の状態や使用目的等に応じて変化させることは当然可能である。
また、本発明は、小口径の人工血管は言うに及ばず大口径の人工血管にも当然利用可能である。
更に、本発明における編成糸Yに、その他の糸素材を加えて人工血管用ダブルラッシェル編地管Wを編成することも当然可能である。
また、医療用のみならず衣料用の絹糸素材としても充分に使用可能である。
更に、管状に形成された人工血管用ダブルラッシェル編地管Wは、人工血管のみならず、神経系分野やその他の医療分野で充分に使用可能である。
更には絹糸自体が有する化学的特性や物理的特性により、本発明によって得られた人工血管用ダブルラッシェル編地管Wを、医療分野や衣料分野のみならず電子分野等の素材としても応用可能である。
11・・・フィブロイン
12・・・セリシン
13・・・残留セリシン
2・・・生糸
3・・・絹糸
4・・・スキンコア構造フィブロイン
41・・・コア部
42・・・スキン部
5・・・セリシン被覆絹糸
A・・・接触箇所
B・・・ダブルデンビー組織
BN・・・バックニードル
C・・・コード組織
D・・・ダブルデンビー組織
FN・・・フロントニードル
H・・・逆ハーフ組織
K1・・・フロント編地
K2・・・バック編地
L1〜L6・・・オサ
N・・・ニードル
N1、N2・・・ニードルループ
P・・・人工血管用ダブルラッシェル編地管の組織部分
R1・・・左撚り方向
R2・・・右撚り方向
S1・・・コード組織のシンカーループ
S2・・・デンビー組織のシンカーループ
T・・・諸撚り絹糸
T1・・・下撚り絹糸
W・・・人工血管用ダブルラッシェル編地管
Y(Y1〜Y6)・・・編成糸
Claims (15)
- フィブロインにより形成される一対のコア部と、該コア部の周囲がセリシンで形成されたスキン部とからなるN本の繭糸で構成される生糸を精練し、該セリシンを一部除去し且つ一部を残留させて一対のコア部を分離させて2N本のスキンコア構造フィブロインを形成して、該2N本のスキンコア構造フィブロインで構成されるセリシン被覆絹糸を得て、その後、該セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、更にその後、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成する人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法であって、
前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。 - フィブロインにより形成される一対のコア部と、該コア部の周囲がセリシンで形成されたスキン部とからなるN本の繭糸で構成される生糸を精練し、該セリシンを一部除去し且つ一部を残留させて一対のコア部を分離させて2N本のスキンコア構造フィブロインを形成して、該2N本のスキンコア構造フィブロインで構成されるセリシン被覆絹糸を得て、その後、該セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、更にその後、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成する人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法であって、
前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであり、
前記下撚り絹糸が複数本であることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。 - フィブロインにより形成される一対のコア部と、該コア部の周囲がセリシンで形成されたスキン部とからなるN本の繭糸で構成される生糸を精練し、該セリシンを一部除去し且つ一部を残留させて一対のコア部を分離させて2N本のスキンコア構造フィブロインを形成して、該2N本のスキンコア構造フィブロインで構成されるセリシン被覆絹糸を得て、その後、該セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、更にその後、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成する人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法であって、
前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであり、前記下撚りが900t/m〜1200t/mであり、上撚りが700t/m〜1000t/mであり、仕上げコース密度を40〜50c/インチ、仕上げウエール密度を50〜70w/インチであることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。 - フィブロインにより形成される一対のコア部と、該コア部の周囲がセリシンで形成されたスキン部とからなるN本の繭糸で構成される生糸を精練し、該セリシンを一部除去し且つ一部を残留させて一対のコア部を分離させて2N本のスキンコア構造フィブロインを形成して、該2N本のスキンコア構造フィブロインで構成されるセリシン被覆絹糸を得て、その後、該セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、更にその後、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成する人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法であって、
前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであり、編成した後、残留セリシンを除去することを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。 - 前記諸撚り絹糸の上撚りの撚り数が、下撚り絹糸の下撚り数よりも少ない撚り数であることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。
- 前記諸撚り絹糸を使ってダブルデンビー組織又は逆ハーフ組織により管状に編成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。
- 管壁厚みが0.1〜0.3mm、且つ管外径が1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。
- 前記セリシンの精練を酵素を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管の製造方法。
- セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、
更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、
該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成した人工血管用ダブルラッシェル編地管であって、
該セリシン被覆絹糸が、一対のフィブロインにより形成されるコア部と該コア部を被覆するセリシンより形成されるスキン部とからなる繭糸で構成される生糸を精練して、該セリシンを一部を除去し且つ一部を残留させて一対のフィブロインを分離してスキンコア構造フィブロインを形成し、該スキンコア構造フィブロインで構成されたものであり、前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管。 - セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、
更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成した人工血管用ダブルラッシェル編地管であって、
該セリシン被覆絹糸が、一対のフィブロインにより形成されるコア部と該コア部を被覆するセリシンより形成されるスキン部とからなる繭糸で構成される生糸を精練して、該セリシンを一部を除去し且つ一部を残留させて一対のフィブロインを分離してスキンコア構造フィブロインを形成し、該スキンコア構造フィブロインで構成されたものであり、前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであり、
前記下撚り絹糸が複数本であることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管。 - セリシン被覆絹糸に下撚りをかけて下撚り絹糸とし、
更に下撚り絹糸を複数本合わせ、下撚り絹糸の下撚り方向とは逆方向の上撚りをかけて諸撚り絹糸とし、該諸撚り絹糸を編成糸として管状に編成した人工血管用ダブルラッシェル編地管であって、
該セリシン被覆絹糸が、一対のフィブロインにより形成されるコア部と該コア部を被覆するセリシンより形成されるスキン部とからなる繭糸で構成される生糸を精練して、該セリシンを一部を除去し且つ一部を残留させて一対のフィブロインを分離してスキンコア構造フィブロインを形成し、該スキンコア構造フィブロインで構成されたものであり、前記残留セリシンが、生糸1本が有する全セリシン重量の20〜40パーセントであり、
前記下撚りが900t/m〜1200t/mであり、上撚りが700t/m〜1000t/mであり、仕上げコース密度を40〜50c/インチ、仕上げウエール密度を50〜70w/インチであることを特徴とする人工血管用ダブルラッシェル編地管。 - 前記諸撚り絹糸の上撚りの撚り数が、下撚り絹糸の下撚り数よりも少ない撚り数であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管。
- 前記諸撚り絹糸を使ってダブルデンビー組織又は逆ハーフ組織により管状に編成されたものであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管。
- 管壁厚みが0.1〜0.3mm、且つ管外径が1〜5mmであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管。
- 編成した後、残留セリシンを除去したものであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の人工血管用ダブルラッシェル編地管。
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