JP5062828B2 - 空気調和機 - Google Patents

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本発明は空気調和機に係り、特に内蔵する全熱交換器の外気流入口からの虫が侵入するのを防止する虫侵入防止手段を備えた空気調和機に関する。
近年、一般家庭用でありながら、家屋全館の全室に亘って空気調和を行う空気調和機が普及されつつある。
この種の空気調和機は、住宅の室内の各部屋をダクトにより連通させ、外気を流入し、その空気を冷却もしくは加熱して、室内の各部屋に供給し冷房あるいは暖房すると共に、室内の空気を排気ダクトにより室外に排気することで住宅全体を換気空調する。
この空気調和機は、空気調和機本体を住宅の室外の壁に面した場所などに設置し、室内機、室外機部分と、室内からの排出空気の熱エネルギーを室外流入空気に回収させるための全熱交換器を内蔵している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載の空気調和機は、外気流入時、流入空気と共に、屋外にいる小さな虫が、外部空気導入口を通して室内に侵入してしまう問題がある。
このため、この虫の侵入を防止する手段として、以下の対策がなされていた。
(1)建物外壁に設置した外気流入口に直接フィルタを設ける。
(2)外気流入ダクトを空調機の外部空気導入口に接続する部分にフィルタを設ける。
(3)全熱交換器に設置したフィルタにより虫の侵入を防ぐ。
しかしながら、これらの手段は、次のような欠点がある。
(1)の手段では、ユーザがメンテナンスを行うためには、外気流入口の高さを脚立等を使わずに手が届く高さに設置する必要があるため、外気流入ダクトの工事が煩雑になり、また、空気調和機の設置場所に制約が発生し、さらに、メンテナンス時に外に出る必要がある。
(2)の手段では、フィルタのメンテナンスをするためには、空気調和機または全熱交換器の取り外しが必要になるため、ユーザでのメンテナンスが難しい。
(3)の手段では、全熱交換器のフィルタ部の隙間および、フィルタまでの経路の隙間から虫の侵入する可能性があるため、虫の侵入を防止することが難しい。
特開2004−293977号公報
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、外気流入口からの虫の侵入を防止し、かつメンテナンス性が向上する空気調和機を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る空気調和機は、ユニット本体の筐体内に全熱交換器を収納し、前記筐体の外面に、ユニット本体外気流入口、ユニット本体外気出口、ユニット本体室内空気流入口、ユニット本体室内空気出口を設け、前記ユニット本体外気流入口から前記全熱交換器に設ける第1空気流通路を介して前記ユニット本体外気出口に連通する外気流入通風路と、前記ユニット本体室内空気流入口から前記全熱交換器に設ける第2空気流通路を介して前記ユニット本体室内空気出口に連通する室内空気排通風路とを形成し、前記外気流入通風路と室内空気排出通風路を流れる空気が前記全熱交換器を介して熱交換されるようにした全熱交換器ユニットを本体内に配置した空気調和機において、前記全熱交換器ユニットは、前記外気流入通風路のユニット本体外気流入口と前記全熱交換器の間の全熱交換器入口側外気流入通風路に外気流入部フィルタを着脱可能に設け、この外気流入部フィルタは、その断面形状が前記全熱交換器入口側外気流入通風路の断面と略同一形状の筒状の側面部を有すると共に全熱交換器に対向する面に虫が侵入するのを阻止しかつ空気が通過するメッシュフィルタ部を備え、この筒状体の一端面がユニット本体外気流入口側に開口する構造としたことを特徴とする。
本発明に係る空気調和機よれば、外気流入口からの虫の侵入を防止し、かつメンテナンス性が向上する空気調和機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和機について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機の吸込パネルおよびエアフィルタを外して示す斜視図、図2はこの空気調和機の背面側を示す斜視図、図3は同空気調和機の分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る空気調和機1は、屋内或いは住宅の壁面と一体的に設置され、室内の各部屋にダクトにより空調空気を導く構成である。この本体2の筐体は金属薄板により形成してなり、高さ寸法がたとえば1530mm程度、幅寸法がたとえば1650mm程度、奥行き寸法がたとえば400mm程度で、前後に比較的薄型である。
本体2の外面に、外気吸込口2a、室内空気排出口2b、室内空気吸込口2c、空調空気吹出口2dを設け、本体2内には、室内送風機3と、室内熱交換器4と、全熱交換器ユニット5が収容される。
外気吸込口2aには外気吸込ダクト6が連通され、室内空気排出口2bには室内空気排出ダクト7が連通され、さらに、空調空気吹出口2dには一端が室内に開放する短かい空調空気吹出ダクト8が連通される。
室内送風機3は、本体2内の最上部に配置され、本体2の上面に開口する空調空気吹出口2dに空調空気を送るよう構成する。
室内熱交換器4は、室内送風機3の下部側で、かつ本体2の略中央部に配置される。この室内熱交換器4の幅寸法は、本体2の幅寸法と可能な限り同程度に形成される。
また、室内熱交換器4の高さ寸法は、本体2の高さ寸法の略半分程度あり、前後方向にある程度の角度をもって傾いて配置される。室内熱交換器4の傾斜上端部および傾斜後端部はともに、本体2の内壁の一面部および他面部に対して、わずかな間隙を存している。室内熱交換器4の下端部には、室内熱交換器4で生成されるドレン水を受けるためのドレン皿9が設けられる。
従って、本体2内に導かれる熱交換空気は、必ず室内熱交換器4内を流れ熱交換する。
さらに、全熱交換器ユニット5は本体2の最下部に配置される。
図4〜図8に示すように、全熱交換器ユニット5は、筐体状のユニット本体51を備え、このユニット本体51の前面には、ユニット本体室内空気流入口51aおよび外気流入部フィルタ10を着脱するユニット本体前面開口部51eが設けられ、背面には、ユニット本体外気流入口51bおよびユニット本体室内空気排出口51cが設けられ、上面には、ユニット本体外気流出口51dが設けられる。
外気流入部フィルタ10は、外気流入通風路11の一部をなし断面が略扇状の全熱交換器入口側外気流入通風路11aと略同様の断面外形形状をなす無底の外気流入部フィルタ筒状側面部10aを形成し、一端側に開口する外気流入部フィルタ外気流入口10bはユニット本体外気流入口51bに連通して開口し、他端側に開口する外気流入部フィルタ前面側開口10cはユニット本体前面開口部51eに露出し、通常は外気流入部フィルタ前面蓋体102によって閉止される。
外気流入部フィルタ前面蓋体102は外気流入部フィルタ10の断面外形形状と略同様の外形をなす枠部102aとこの枠部102aに一体的に形成される透明窓部102bからなり、枠部102aの周囲に設けた係止部102cに外気流入部フィルタ筒状側面部10aの端部に設けた係止部101bを係合させることで、外気流入部フィルタ10に着脱自由に取り付けられる。
また、外気流入部フィルタ10は、外気流入部フィルタ筒状側面部10aの全熱交換器13の対向面にメッシュフィルタ部101が形成される。このメッシュフィルタ部101は空気を通過させるが、小さな虫の通過を阻止する網目の大きさである。従って、外気流入部フィルタ10では、ユニット本体外気流入口51bから流入された外気は外気流入部フィルタ筒状側面部10aを流れ、直角に曲がりメッシュフィルタ部101を介して流出する。
ユニット本体外気流入口51bは外気吸込口2aに連設され、外気吸込ダクト6を介して全熱交換器ユニット5に外気を流入する。ユニット本体室内空気排出口51cは室内空気排出口2bに連設され、室内空気排出ダクト7を介して全熱交換器ユニット5で熱交換された空気を排出する。
図8に示すように、全熱交換器ユニット5は、ユニット本体51の略中央部には、熱交換器素子を離間積層してなる全熱交換器13が配置され、この全熱交換器13は平面視正方形状をなし、全熱交換器13の第1、第2の空気流入面13a、13b、およびこの第1、第2の空気流入面13a、13bと連通する第1、第2の空気流出面13c、13dがユニット本体51の奥行方向と一致しかつ、45°傾斜して配置される。前記第1の空気流入面13aと第1の空気流出面13cとの間で第1の空気流通路が、第2の空気流入面13bと第2の空気流出面13dとの間で第2の空気流通路が形成され、それぞれの空気流通路間で熱交換が行なわれる。この全熱交換器13は、第1の空気流入面13aが、全熱交換器入口側外気流入通風路11aと連通し、第1の空気流出面13cが、全熱交換器出口側外気流入通風路11bと連通して外気流入通風路11を構成するとともに、第2の空気流入面13bが、全熱交換器入口側室内空気排出通風路12aと連通し、第2の空気流出面13dが全熱交換器出口側室内空気排出通風路12bと連通して、室内空気排出通風路12を構成している。
ユニット本体51の一側の全熱交換器出口側外気流入通風路11bに連通した外気流入通風路11には外気流入用送風機14が設けられ、他側の全熱交換器出口側室内空気排出通風路12bと連通した室内空気排出通風路12には室内空気排出用送風機15が設けられる。
さらに、ユニット本体51には、ユニット本体前面開口部51eを介して外気流入部フィルタ10に近接して外気清浄フィルタ16が着脱可能に組み込まれる。
図9に示すように、この外気清浄フィルタ16は、この外気清浄フィルタ16を着脱できるように全熱交換器入口側外気流入通風路11aの全熱交換器13の第1の空気流入面13a側にユニット本体前面開口部51e側から挿入され、外気流入部フィルタ筒状側面部10aおよびユニット本体外気流入口51bのフランジ部に設けた突条11cにより、全熱交換器入口側外気流入通風路11aの全熱交換器側周囲の接続端部11dに押し付けられ周囲枠を密封された状態で固定される。
従って、外気清浄フィルタ16は全熱交換器入口側外気通風路11aに隙間なく配するとともに、外気流入部フィルタ10周囲とも密接させることで、全熱交換器入口側外気通風路11aを流れる外気を確実に除塵できる。
上記のように外気流入部フィルタ10および全熱交換器13を備える全熱交換器ユニット5、および全熱交換器ユニット5が組み込まれた空気調和機1は以下のようにして熱交換および空気調和が行われる。
図1、図2および図8に示すように、外気流入用送風機14の回転により、全熱交換器ユニット5に流入される外気は、外気吸込ダクト6、外気吸込口2aを介してユニット本体外気流入口51bから全熱交換器入口側外気通風路11aに挿着された外気流入部フィルタ10に流入され、メッシュフィルタ部101で除塵および除虫され、外気清浄フィルタ16で微細な塵埃が除塵され、その後全熱交換器13に送られる。この全熱交換器13に形成される第1の空気流入面13aから一方の通気路を通り、第2の空気流入面13bから他方の通気路を通る排出用の室内空気と熱交換し、全熱交換器出口側外気通風路11bを通り、ユニット本体外気流出口51dから本体2内に吹き出される。この外気は、空気調和機本体2の吸込口前面パネル2eの左右側部から室内空気用エアフィルタ17を介して本体2内に吸込まれた室内空気の一部と混合され、室内熱交換器4で冷却もしくは加熱されて、室内送風機3の運転により空調空気吹出口2dから空調空気吹出ダクト8を通して、各室内に送風され、各室内の空気調和が行われる。
一方、室内空気は、室内空気排出用送風機15の回転により、空気調和機本体2の吸込口前面パネル2eの左右側部からエアフィルタ17を介して本体2内に吸込まれた室内空気は、その一部が全熱交換器ユニット5の前面に形成するユニット本体室内空気流入口51aから全熱交換器入口側室内空気排出通風路12aに吸込まれ、全熱交換器13に形成される第2の空気流入面13bから他方の通気路に流入し、第1の空気流入面13aから一方の通気路を通る外気と熱交換し、全熱交換器出口側室内空気排出通風路12bを通り、ユニット本体室内空気排出口51cから室内空気排出口2bを介して室内空気排出ダクトに送られ、屋外に排出される。
このような外気流入過程において、流入外気に虫が含まれる場合には、虫は外気流入部フィルタ筒状側面部10a内に送られるが、メッシュフィルタ部101により、全熱交換器ユニット5の全熱交換器13側への侵入が阻止され、また、外気流入部フィルタ10の前面側は、外気流入部フィルタ前面蓋体102で閉塞されているため、一時的に外気流入部フィルタ10内に留められる。
空気調和機1を長時間運転すると、外気流入部フィルタ10および外気清浄フィルタ16のメンテナンスが必要となる。このメンテナンスは、本体2の前面に設けた吸込口前面パネル2eおよびこの吸込口前面パネル2eの後方に配した室内空気用エアフィルタ17を外し、全熱交換器ユニット5を露出させる。
外気清浄フィルタ16を取り外し、除塵して再度組み込む。一方、外気流入部フィルタ10は、透明窓部102bから虫の死骸の存否ゴミ溜まりを確認でき、死骸が存在し、あるいはゴミが溜まっていたら、全熱交換器ユニット5から取り外し、さらに、係止部102cと係止部101bの係合をはずして、外気流入部フィルタ前面蓋体102を外し、虫の死骸、ゴミを捨てた後、両係止部101b、102cを係合して、外気流入部フィルタ前面蓋体102を取り付け、外気流入部フィルタ10を全熱交換器ユニット5に組み込む。
外気流入部フィルタ10を全熱交換器ユニット5に着脱自由にしたので、室内側からのメンテナンスが容易になる。
また、外気に含まれる虫は外気流入部フィルタ10で捕捉されて外気流入部フィルタ10に収容されるので、外気流入部フィルタ10を取り外したときに、全熱交換器入口側外気流入通風路11aに虫の死骸が残ったり、虫の飛散を防止できる。
本実施形態の空気調和機によれば、外気流入口からの虫の侵入を防止し、かつメンテナンス性が向上する空気調和機が実現する。
本発明の一実施形態に係る空気調和機の吸込パネルおよびエアフィルタを外して示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機の背面側を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機を分解して示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機に用いる全熱交換器ユニットの側面図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機に用いる全熱交換器ユニットの背面図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機に組み込む外気流入部フィルタおよび清浄フィルタの取り出し状態を示すように斜視図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機に用いる蓋体の取り外し状態を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る空気調和機に用いる全熱交換器ユニットの縦断面図。 図4のA−A線に沿う断面図。
1…空気調和機、2…本体、2a…外気吸込口、2b…室内空気排出口、2c…室内空気吸込口、2d…空調空気吹出口、2e…吸込口前面パネル、3…室内送風機、4…室内熱交換器、5…全熱交換器ユニット、51…ユニット本体、51a…ユニット本体室内空気流入口、51b…ユニット本体外気流入口、51c…ユニット本体室内空気排出口、51d…ユニット本体外気流出口、51e…ユニット本体前面開口部、6…外気吸込ダクト、7…室内空気排出ダクト、8…空調空気吹出ダクト、9…ドレン皿、10…外気流入部フィルタ、10a…外気流入部フィルタ筒状側面部、10b…外気流入部フィルタ外気流入口、10c…外気流入部フィルタ前面側開口、101…メッシュフィルタ部、101b…係止部、102…外気流入部フィルタ前面蓋体、102a…枠部、102b…透明窓部、102c…係止部、11…外気流入通風路、11a…全熱交換器入口側外気流入通風路、11b…全熱交換器出口側外気流入通風路、11c…突条、11d…接続端部、12…室内空気排出通風路、12a…全熱交換器入口側室内空気排出通風路、12b…全熱交換器出口側室内空気排出通風路、13…全熱交換器、13a…第1の空気流入面、13b…第2の空気流入面、13c…第1の空気流出面、13d…第2の空気流出面、14…外気流入用送風機、15…室内空気排出用送風機、16…外気清浄フィルタ、17…室内空気用エアフィルタ。

Claims (2)

  1. ユニット本体の筐体内に全熱交換器を収納し、
    前記筐体の外面に、外気流入口、外気流出口、室内空気流入口、室内空気排出口を設け、
    前記外気流入口から前記全熱交換器に設ける第1空気流通路を介して前記外気流出口に連通する外気流入通風路と、前記室内空気流入口から前記全熱交換器に設ける第2空気流通路を介して前記室内空気排出口に連通する室内空気排出通風路とを形成し、
    前記外気流入通風路と前記室内空気排出通風路を流れる空気が前記全熱交換器を介して熱交換されるようにした全熱交換器ユニットを本体内に配置した空気調和機において、
    前記全熱交換器ユニットは、
    前記外気流入通風路の前記外気流入口と前記全熱交換器の間外気流入部フィルタを着脱可能に設け、
    この外気流入部フィルタは、その断面形状が全熱交換器入口側外気流入通風路の断面と略同一形状の筒状の側面部を有しこの側面部の全熱交換器に対向する面虫が侵入するのを阻止しかつ空気が通過するメッシュフィルタ部とすると共に、この筒状体の一端面が前記外気流入口に開口する構造とし
    前記ユニット本体の筐体の背面に、前記外気流入口および前記室内空気排出口を設けかつ、略中央部に、全熱交換器を配置し、
    前記外気流入口と対向する前記外気流入通風路の前記ユニット本体の筐体前面に前面開口部を設けて、前記外気流入部フィルタを前記前面開口部から着脱可能とすると共に、前記前面開口部を適宜開閉し、閉止時はこの前面開口部を密封する蓋体を設けたことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記全熱交換器ユニットは、前記外気流入部フィルタと前記全熱交換器の間の前記外気流入通風路に細塵を除去する外気清浄フィルタを設け、この外気清浄フィルタを前記本体前面開口部から着脱可能とすることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
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