JP5062536B2 - 小径エンドミル - Google Patents
小径エンドミル Download PDFInfo
- Publication number
- JP5062536B2 JP5062536B2 JP2008277920A JP2008277920A JP5062536B2 JP 5062536 B2 JP5062536 B2 JP 5062536B2 JP 2008277920 A JP2008277920 A JP 2008277920A JP 2008277920 A JP2008277920 A JP 2008277920A JP 5062536 B2 JP5062536 B2 JP 5062536B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- end mill
- joint
- vibration
- small
- diameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Description
本願発明の小径エンドミルにおいて、該接合部4はNiにより拡散接合されていることが好ましい。また、D≦2.0、5≦B/D≦20、であることが好ましい。
本願発明の小径エンドミルは、回転数が毎分4万回転以上で使用されるため、切刃が被削材と接触することによって発生する周期的な切削抵抗により振動が発生する。この振動は回転軸に対して略垂直方向に振幅を有する複数の振動であると考えられ、複数の振動から共振が発生した場合には、n次の振動モードが発生する。n次の振動モードは、開放端を腹部、固定端を節部とする(2n−1)/4波長の振動モードであり、n個の節部を有する。特に、接合部を有する小径エンドミルでは、耐折損性を確保するため、振動モードの節部位置に配慮した接合部配置を考えることが必要である。但しここでは、n次の振動モードのうち、3次以上の高次の振動モードについては、考慮から除外しても差し支えないと考える。その理由は、接合部の耐折損性を確保するためには振動によって発生する応力の集中箇所を考慮すれば良いことから、回転軸方向に多数の振幅モードが発生する高次の振動モードでは、応力は分散傾向にあり、集中箇所が発生しないと考えるからである。そこで、1次及び2次の振動モードについて考察することにする。ここで、接合部を有する小径軸部をモデルにして、振動の1次モードの概略図を図2に、2次モードの概略図を図3に示した。図2に示した1次モードの振動では、固定端の位置に振動の節部9が、反対側の先端部に振動の腹部10となる1/4波長の振動モードが発生する。しかし今回の実験的な検討より、振動の1次モードに起因すると思われる現象は発生しなかった。その理由としては、今回、振動モデルの対象とした小径軸部には、超硬合金材と異なるNiの接合部が存在したため、振動の伝播に何らかの影響を与えたものと考えられる。そこで高次の振動モードと同様に、1次モードも考慮から除外しても差し支えないと考える。さらに、2次の振動モードについて考察を進めることにする。図3に示した2次モードの振動では、固定端と、先端部より1/3の位置の2箇所に振動の節部9が、先端部と先端部より2/3の位置の2箇所に振動の腹部10が発生する。2次モードは、3/4波長の振動モードであり、節部は、固定端以外に、先端部より1/3の位置にも発生し計2個の節部を有する。通常、振動による応力は節部に集中するため、接合部は節部近傍を回避して配置するべきである。逆に、節部近傍に接合部を配置した場合には、小径軸部を構成する超硬合金材よりも強度が劣る接合部から折損に至るためである。上記の理由から、2次モードの振動が支配的な場合では、接合部を配置は、振動の節部近傍は回避し、腹部近傍に配置する必要がある。振動の腹部の位置をA/B値で表すと、0.66が腹部となり、この位置を中心とした前後の位置に接合部を配置すれば、小径軸部の耐欠損性を得るのに好都合であり、工具寿命に優れた小径エンドミルが得られる。本願発明の小径エンドミルのA/B値は、0.50≦A/B≦0.80と規定し、より好ましくは、0.55≦A/B≦0.70であるとするのは、上記の考察をもとに実験的にもとめた接合部の対折損性に配慮したものである。更に、A/B値が0.70を超えて大きいと、曲げモーメントの影響も発生するため、A/B値の上限を0.70にすることが好ましい。
小径エンドミルの刃部1は、実質的にcBN焼結体によって形成される。小径エンドミルの外周刃の刃長(mm)をEFLとすると、一般的に、EFL/D値が、1.5〜2となることから、外周刃はcBN焼結体と一体焼結された軸部2の超硬合金材にまで延在する場合がある。しかし、外周刃が、軸部2を超えて接合部4を横断して首部5にまで延在する場合、外周刃が欠損しやすくなると言う不都合が生じるため、A>EFLとしなければならない。従って、A/B値が小さすぎると、外周刃が欠損しやすくなると言う不都合が生じる。
第2に、この超硬合金材の円板上に、体積%で65%のcBN粉末と、残りがTiNとAlからなる粉末を混合した混合粉末を用いて作成した成形体を配置し、5.6GPa、1450℃の超高圧高温条件で一体焼結した。焼結後に研削加工を施し、cBN焼結体の厚さが1mm、cBN焼結体と超硬合金材を含めた総厚が1.5から10mmの各種cBN焼結部材を作成した。
第3に、原料粉末として平均粒子径が1.2μmのWC粉末を使用し、Co粉末を8%配合して撹拌混合させ、得られた混合粉末から円柱形状の成形体を作成した。この成形体を1400℃、60分真空中で焼結し、その後、1350℃、50MPa、の条件で30分間、HIP処理をすることにより作製した。その後、厚み40.0mm、直径30mmの円柱形状に仕上げた。
第4に、第2で作成したcBN焼結部材と第3で作成した円柱状との間に、全面に渡って厚さ10μmのNi箔を挟んだ。その後ホットプレス法を用いて、真空中で1050℃、30MPa、の条件で10分の熱処理を施した。この熱処理によって、Niによる拡散接合層が形成された。この処理によって、cBN焼結部材と円柱状の超硬合金とが、拡散接合層によって接合した。
第5に、ワイヤー放電加工により直径4.01mmの円柱を切り出し後、センタレス加工によって直径4mm、全長41.5〜50mmの丸棒材に仕上げた。円筒研削加工によって、刃部1〜首部5とテーパー部7を加工した。次に、溝研削加工で刃溝を刃部1、軸部2の一部に加工し、刃付けにより、刃部1、軸部2の一部に切刃を形成した。
第1〜第5により、刃径Dが0.5mm、1mm及び2mm、有効刃長EFLが2mmの小径スクエアエンドミルを作成した。本発明例1は、A値を5mm、B値を10mmとした。本発明例2から10、比較例11から20のB値は、5mm、10mm、15mmの3種類を作成した。
(試験条件)
加工方法:乾式切削による片削り加工
被切削材:SKD11、硬さ、HRC60
工具回転数:毎分4万回転
送り速度:1500mm/分
径方向切り込み量:0.05mm
軸方向切り込み量:0.5mm
一方、比較例11は、接合部4での欠損が多く発生した。この理由は、A/B値が0.33であることから、2次振動モードの節部の位置に接合部があり、2次振動モードで共振したことにより生じた応力が、この位置に集中したものと考えられる。比較例12、13は、接合部4での欠損が多く発生したが、この原因もA/B値が本願発明の規定範囲より小さく、2次の振動モードで共振が生じたためであると考えられる。比較例14〜19は、接合部4で欠損が多く発生した。A/B値が本願発明の規定範囲よりも大きいため、2次の振動モードによる共振の影響で接合部に大きな応力が発生し、更に、接合部4での曲げモーメントの作用が大きくなるためであると考えられる。
2:軸部(超硬合金)
3:軸部(超硬合金)
4:接合部
5:首部
6:シャンク部
7:テーパー部
8:テーパー部における首部側の端部
9:振幅の節部
10:振幅の腹部
A:工具先端から接合部4までの長さ
B:工具先端から端部8までの長さ
D:刃部の直径
Claims (3)
- 工具先端の刃部1とこれに連なる軸部2の他端が軸部3の端部と同一軸線上に拡散接合された接合部4を有する小径エンドミルにおいて、該軸部3は首部5、テーパー部7、シャンク部6を有し、該刃部1は実質的に立方晶窒化硼素焼結材であり、該軸部2と該軸部3は超硬合金材であり、該接合部4における該軸部2の他端と該首部5の端部とは同一外径を有し、該工具先端から該接合部4までの長さ(mm)をA、該工具先端から該テーパー部7の該首部5側の端部8までの長さ(mm)をBとしたとき、0.50≦A/B≦0.80であることを特徴とする小径エンドミル。
- 請求項1に記載の該小径エンドミルにおいて、該接合部4はNiにより拡散接合されていることを特徴とする小径エンドミル。
- 請求項1又は2に記載の該小径エンドミルにおいて、該刃部1の直径(mm)をDとしたとき、D≦2.0、5≦B/D≦20、であることを特徴とする小径エンドミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008277920A JP5062536B2 (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 小径エンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008277920A JP5062536B2 (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 小径エンドミル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010105091A JP2010105091A (ja) | 2010-05-13 |
JP5062536B2 true JP5062536B2 (ja) | 2012-10-31 |
Family
ID=42295039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008277920A Active JP5062536B2 (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 小径エンドミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5062536B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB201010061D0 (en) * | 2010-06-16 | 2010-07-21 | Element Six Ltd | Rotary machine tools |
JP6102568B2 (ja) * | 2013-06-26 | 2017-03-29 | 三菱マテリアル株式会社 | エンドミル |
CN112621110B (zh) * | 2020-11-13 | 2024-05-03 | 汉江工具有限责任公司 | 一种加工测量小模数齿轮测针的方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0453847Y2 (ja) * | 1988-04-30 | 1992-12-17 | ||
JP2000158220A (ja) * | 1998-11-30 | 2000-06-13 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スローアウェイドリル及びそのシャンク |
JP4353710B2 (ja) * | 2003-02-21 | 2009-10-28 | 国立大学法人鳥取大学 | ツールホルダ |
JP2004268202A (ja) * | 2003-03-10 | 2004-09-30 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 小径エンドミル |
JP2007268647A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Mitsubishi Materials Kobe Tools Corp | エンドミル |
-
2008
- 2008-10-29 JP JP2008277920A patent/JP5062536B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010105091A (ja) | 2010-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2533922B1 (en) | Superhard tool tip and use thereof | |
JP6606840B2 (ja) | 多結晶ダイヤモンド焼結体付き回転切削工具 | |
JP5818819B2 (ja) | バーおよびバーを製作する方法 | |
JP2005118991A (ja) | 高速度穴あけ用セラミックビット | |
KR20150053365A (ko) | 석재 절삭용 팁 및 그 제조방법 | |
JP2007075944A (ja) | ボールエンドミル | |
JP5062536B2 (ja) | 小径エンドミル | |
JP6029004B2 (ja) | Pcdドリル | |
JP2018122365A (ja) | ボールエンドミル | |
JP2008110437A (ja) | Cbn製ボールエンドミル | |
JP5914446B2 (ja) | 切削工具およびそれを用いたワークの加工方法 | |
JP2002239919A (ja) | メタルボンド穴あけ及び中ぐり工具 | |
JP2008142834A (ja) | ドリル | |
CN208319340U (zh) | 一种平头钨钢高速车针 | |
JP2001001209A (ja) | 回転切削工具 | |
JP2011062810A (ja) | 高硬度鋼加工用小径ドリル | |
JPH08336716A (ja) | 回転切削工具 | |
JP5071462B2 (ja) | 回転切削工具 | |
JP5994654B2 (ja) | 超高硬度焼結体付きドリルおよびその製造方法 | |
JP6102568B2 (ja) | エンドミル | |
CN208495907U (zh) | 一种加工石墨磨具的铣刀 | |
JP5995093B2 (ja) | Wc基超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる回転軸物切削工具 | |
JP2012254486A (ja) | 超高圧焼結体回転切削工具 | |
JP2012045664A (ja) | 優れた切屑処理性を発揮できる切削インサート | |
JP4876539B2 (ja) | ボールエンドミル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100823 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120627 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120726 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5062536 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |