JP5061432B2 - 燃料電池スタック、セパレータ及び単セル搭載板 - Google Patents
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Description
また、スタック自体の小型・軽量化を図るために、個々の部品の薄型化や軽量化も検討されており、更には、組立を簡易にすべく部品点数の削減が望まれている。
また、単に部品点数を削減したとしても、部品同士の接合などが煩雑なことがあり、スタックの組み立てが実際に簡易になるとは限らなかった。
このセパレータにおいて、上記中空フレームは、スタッキングの際に他のセパレータ又は単セル搭載板との接合に供される接合部と、燃料ガス及び酸化性ガスをそれぞれ上記燃料ガス室及び上記酸化性ガス室に供給し排出するガス流路部を有し、
上記中空フレームの接合部は、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔を有する。
この単セル搭載板において、上記中空フレームは、スタッキングの際にセパレータとの接合に供される接合部と、燃料ガス及び酸化性ガスをそれぞれ上記燃料極室及び上記空気極室に供給し排出するガス流路部を有し、
上記中空フレームの接合部は、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔を有する。
また、この平板は、その表面側と裏面側に設けられる燃料ガス室と酸化性ガス室とを仕切っており、燃料ガス室の燃料ガスと酸化性ガス室の酸化性ガスとが混合しないようにしている。
また、この接合部にはガス管が連結される連結孔が設けられており、このガス管はスタッキング方向、代表的には鉛直方向に延在しており、炭化水素やアルコールなどの燃料ガス又は酸素や空気などの酸化性ガスを流通させる機能を果たす。
一方、ガス流路部は、上述の接合部に連結しているガス管からの燃料ガスを燃料ガス室に、酸化性ガスを酸化性ガス室に供給し、また排出する機能を果たす。
よって、スタッキングの際には、上記接合部によって単セル搭載板や他のセパレータとの接合を行えば、これと同時にガス流路部が配設されるので、ガス流路を接合とは別工程で作成する手間が無く、スタッキング効率を向上させることができる。
これにより、肉厚が大きいか又はほぼ塊状(ブロック状)で剛性の高い接合部で燃料電池スタックに要求される剛性を満足させつつ、肉厚の薄いガス流路部を用いることで軽量化を図ることができる。例えば、接合部はスタッキング時の押圧力に耐えて変形せず、ガス流路部が必要以上に潰れ変形するのを抑制することができる。
代表手には、平板の厚さは0.5〜1mmとすることができ、ニッケルメッキなどの金属メッキを施すことができる。一方、ガス流路部の壁厚は0.1〜0.5mmとすることができる。
平面形状が多角形、特に正方形などの正多角形の平板を用いる場合、スタック剛性の保持を良好にすべく、角部分に上記接合部を配することが好ましい
また、中空フレームの形状も特に限定されるものではないが、平板の形状と同一か又は近似するものであることが好ましい。
上述の如く、本発明の燃料電池スタック用単セル搭載板は、平板状の固体電解質基板と、この固体電解質の表面及び裏面の縁部に配設された気密性の中空フレームを備えるものであるが、上述した本発明の燃料電池スタック用セパレータと近似した構成を有する。
この単セル搭載板では、燃料極と空気極が通気性(多孔性)を有する一方で固体電解質基板が気密性を有するので、その表面側及び裏面側に設けられる燃料極室と空気極室とが気密性を保持した状態で区画されることになる。
上述の如く、その他の単セル搭載板は、固体電解質を燃料極と空気極で挟持して成る単セルと、この単セルを搭載する中空の搭載フレームを備える。
単セルについては上記同様であるが、空気極又は燃料極が、搭載フレームの開口部内に配置可能な大きさを有しており、当該空気極又は燃料極が搭載フレームの開口部内に配置されている。
即ち、断面観察すると、空気極及び燃料極の一方が、搭載フレームの開口部内に進入している構成を有する。
また、搭載フレームの一部には、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔が設けられている。
なお、他のスタック要素、例えばセパレータや単セル搭載板が多角形、特に正多角形の場合には、この単セル(板)及び搭載フレームも対応する正多角形をなし、その角部分にガス管連結孔が配設されていることが望ましい。
本発明の燃料電池スタックは、上述した本発明の燃料電池スタック用セパレータと、本発明の燃料電池スタック用単セル搭載板、又は他の燃料電池スタック用単セル搭載板とを交互に積層して成ることを特徴とする。
即ち、この燃料電池スタックは、典型的には、本発明のセパレータと本発明の単セル搭載板(単セル搭載板A)とを交互に積層した構造、又は本発明のセパレータと他の単セル搭載板(単セル搭載板B)とを交互に積層した構造を有するが、当該セパレータと単セル搭載板との交互積層さえ確保できれば、単セル搭載板Aと単セル搭載板Bを併用してもよい。
[セパレータ]
図1は、本発明の燃料電池スタック用セパレータの一実施例を示す斜視、平面及び底面図であり、図1(X)は同セパレータの斜視図、(Y)は平面図、(Z)は底面図である。
これらの図において、このセパレータ1では、気密性平板の一例である金属薄板10は正方形状をなしニッケルメッキを施されており、その表面及び裏面における縁部には、正方形の枠状をなす同一構成の中空フレーム20及び20’がそれぞれ配設されている。
ガス流路部24は燃料ガス室30に燃料ガスを供給・排出し、空気室40に空気を供給・排出するのに用いられ、接合部22は単セル搭載板、例えば図4に示す単セル搭載板2とのスタッキングの際に両者の接合・固定に用いられる。
よって、このセパレータを用いて形成される燃料電池スタックは、全体として軽量でありながら十分な剛性を有し、また、ガス流路部24と接合部22との剛性差に起因する応力緩和性をも有する。
まず、燃料ガスは、矢印Fで示したように、接合部22の連結孔26fに連結しているガス管(図示せず。)から供給されてガス流路部24に流入し、更にガス流路部24に穿設されたガス孔24hから燃料ガス室30に流入する。
その後、燃料ガスは、対向するガス流路部に穿設されたガス孔を介して燃料ガス室30から排出され、対向するガス流路部及び連結孔27fに連結されたガス管(図示せず。)を介して、図示しない単セル搭載板や他のセパレータに供給されることになる(図1(X)、(Y)及び(Z)参照。)。
このように、本実施例のセパレータにおいて、燃料ガス流Fと空気流Aは、それぞれ金属薄板10の表面側と裏面側を流通しているが、その流れ方向自体は直交しており、両流れはいわば3次元的に直交している。
[単セル搭載板]
図4は、本発明の単セル搭載板(単セル搭載板A)の一実施例を示す斜視、平面及び底面図である。以下、上述した部材と実質的に同一の部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
この単セル搭載板2は、金属薄板10の代わりに、固体電解質基板12を燃料極層32と空気極層42とで挟持した構造を有する板状単セルを備える以外は、実施例1のセパレータ1とほぼ同一の構造を有する。
燃料ガスF及び空気Aの流れもセパレータ1と同様である。
この単セル搭載板2も、軽量で剛性が比較的低いガス流路部24と、比較的剛性の高い接合部22を有するので、このセパレータを用いて形成される燃料電池スタックは、全体として軽量でありながら十分な剛性を有し、また、ガス流路部24と接合部22との剛性差に起因する応力緩和性をも有する。
[単セル搭載板]
図5は、本発明の単セル搭載板(単セル搭載板A)の他の実施例を示す平面及び底面図である。
同図に示すように、この単セル搭載板においては、燃料極層32に露出孔36rが設けられたカバー層36、空気極層42にも露出孔46rが設けられたカバー層46が設置されており、露出孔36r及び46rによって、それぞれ燃料極層32及び空気極層42が部分的に露出している。
このような露出孔を設けることによって、セルを設置する際、堅牢な設置という効果が得られる。
[燃料電池スタック]
図6は、本発明の燃料電池スタックの一実施例を簡略的に示す断面図である。
本実施例の燃料電池スタックは、実施例1のセパレータ1と実施例2の単セル搭載板2とを交互に積層して接合したものである。
スタッキング(積層)は、セパレータ1と単セル搭載板2とを交互に積み上げ、次いで、多重管のような構造を有する押圧具100で鉛直下向きに押圧すればよく、簡便な作業で行うことができる。
[他の単セル搭載板]
図7は、他の単セル搭載板(単セル搭載板B)の一例を示す斜視及び断面図である。
同図において、この単セル搭載板3は、角部分にガス管用の連結孔を有する中実の正方形フレーム200を用いており、このフレーム200の開口部に空気極層42が収容されるとともに、固体電解質12が当該開口部を閉塞する構造を有している。
なお、本例では、燃料極基板32が比較的厚く形成されており、これにより、単セルの剛性が確保されている。
[他の単セル搭載板を用いた燃料電池スタック]
図8は、本発明の他の燃料電池スタックの一実施例を示す斜視図であり、図9はこの燃料電池スタックの断面図である。
これらの図において、この燃料電池スタックは、実施例1のセパレータ1と参考例1の単セル搭載板3とを交互に積層して構成されており、角部分には鉛直方向に延在するガス管50が配設されている。
また、この燃料電池スタックも優れた軽量性や剛性、応力緩和性を発揮し得るものであり、高温及び低温の繰り返しによる熱履歴や、繰り返しの振動などに対する抵抗性に優れており、耐久性に優れるもので、長期間に亘って安定した発電を可能にするものである。
例えば、単セル搭載板3のフレーム200を中空にすれば更に軽量性を向上させることができる。
また、燃料電池スタックとして、セパレータ1、単セル搭載板2、セパレータ1及び単セル搭載板3という積層構造のものも作成可能である。
2,3 単セル搭載板
10 金属薄板
12 固体電解質
20 中空フレーム
22 接合部
24 ガス流路部
24h ガス孔
30 燃料ガス室
32 燃料極層
34 燃料極室
36 カバー層
36r 露出孔
40 空気室
42 空気極層
44 空気極室
46 カバー層
46r 露出孔
50 ガス管
100 押圧具
200 フレーム
A 空気流
F 燃料ガス流
Claims (11)
- 気密性の平板と、この平板の表面及び裏面の縁部に配設された気密性の中空フレームを備え、当該平板がその表面側と裏面側に設けられる燃料ガス室と酸化性ガス室とを仕切る構造を有する燃料電池スタック用セパレータであって、
上記中空フレームは、スタッキングの際に他のセパレータ又は単セル搭載板との接合に供される接合部と、燃料ガス及び酸化性ガスをそれぞれ上記燃料ガス室及び上記酸化性ガス室に供給し排出するガス流路部を有し、
上記中空フレームの接合部は、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔を有する、ことを特徴とする燃料電池スタック用セパレータ。 - 上記ガス流路部は、上記接合部よりも剛性が低く、スタッキングの際、スタッキング方向の逆方向に押圧されて潰れ変形し、その高さが上記接合部とほぼ同じになることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック用セパレータ。
- 上記平板が長方形板又は正方形板をなすとともに、上記中空フレームが長方形又は正方形の枠状をなし、この中空フレームのガス流路部が当該長方形又は正方形の辺部分に配され、上記接合部がその角部分に配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタック用セパレータ。
- 上記長方形又は正方形枠状の中空フレームにおいて、対向する辺同士に相当する一対のガス流路部同士に、上記燃料ガス室及び酸化性ガス室にそれぞれ燃料ガス及び酸化性ガスを供給・排出するガス孔を配設したことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタック用セパレータ。
- 上記ガス孔によって規定される上記燃料ガス室及び上記酸化性ガス室でのガス流方向が、3次元的にほぼ直交していることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池スタック用セパレータ。
- 平板状の固体電解質と、この固体電解質の表面及び裏面の縁部に配設された気密性の中空フレームを備え、当該固体電解質がその表面側と裏面側に設けられる燃料極室と空気極室とを仕切る構造を有するとともに、この固体電解質の表面及び裏面にそれぞれ燃料極及び空気極を配置して成る燃料電池スタック用単セル搭載基板であって、
上記中空フレームは、スタッキングの際にセパレータとの接合に供される接合部と、燃料ガス及び酸化性ガスをそれぞれ上記燃料極室及び上記空気極室に供給し排出するガス流路部を有し、
上記中空フレームの接合部は、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔を有する、ことを特徴とする燃料電池スタック用単セル搭載板。 - 上記ガス流路部は、上記接合部よりも剛性が低く、スタッキングの際、スタッキング方向の逆方向に押圧されて潰れ変形し、その高さが上記接合部とほぼ同じになることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池スタック用単セル搭載板。
- 上記固体電解質が長方形板又は正方形板をなすとともに、上記中空フレームが長方形又は正方形の枠状をなし、この中空フレームのガス流路部が当該長方形又は正方形の辺部分に配され、上記接合部がその角部分に配されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の燃料電池スタック用単セル搭載板。
- 上記長方形又は正方形枠状の中空フレームにおいて、対向する辺同士に相当する一対のガス流路部同士に、上記燃料極室及び空気極室にそれぞれ燃料ガス及び酸化性ガスを供給・排出するガス孔を配設したことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池スタック用単セル搭載板。
- 上記ガス孔によって規定される上記燃料極室及び上記空気極室でのガス流方向が、3次元的にほぼ直交していることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池スタック用単セル搭載板。
- 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック用セパレータと、請求項6〜10のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック用単セル搭載板、又は
固体電解質を燃料極と空気極で挟持して成る単セルと、この単セルを搭載する搭載フレームを備える燃料電池スタック用単セル搭載板であって、上記単セルの空気極又は燃料極が、上記搭載フレームの開口部内に配置可能な大きさを有し、上記空気極又は燃料極が上記搭載フレームの開口部内に配置されるとともに、上記固体電解質がこの開口部を閉塞するように、上記単セルが上記搭載フレーム上に搭載されており、上記搭載フレームの一部に、スタッキング方向に延在し燃料ガス又は酸化性ガスを流通させるガス管が連結される連結孔を有する燃料電池スタック用単セル搭載板、とを交互に積層して成ることを特徴とする燃料電池スタック。
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