JP5061035B2 - インターコネクタ付き太陽電池セル及びその製造方法 - Google Patents
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図10(a)〜(c)に示すように、太陽電池セル10の受光面接続用バスバー電極5上にインターコネクタ13を重ね、その状態でインターコネクタ13の表面のハンダを溶融させることによって、インターコネクタ13をバスバー電極5に接続してインターコネクタ付き太陽電池セルを得ることができる。
さらに、図11(a)〜(c)に示すように、隣接する太陽電池セル10をインターコネクタ13で接続することによって太陽電池セル列を得ることができる。
一般に、リールやボビンによる不規則な巻き癖を、直線に矯正するには強い張力を必要とする。しかし、一定の反りに矯正する場合は強い張力をかける必要が無く、インターコネクタが硬くなりにくくなる。従って、本発明によれば、インターコネクタの硬化を抑制することができるので、インターコネクタと半導体基板の間の線膨張係数の差異に起因して接続部に生じる応力がインターコネクタの伸縮によって緩和され、これによって基板割れの発生が抑制される。また、バスバー電極の形状をインターコネクタの反りに合わせた形状としているので、バスバー電極を幅を太くしなくてもバスバー電極からはみださないようにインターコネクタをバスバー電極に接続することができる。
また、本発明によれば、半導体基板の薄型化が可能であり、製造コストを低減することができる。
さらに、本発明によれば、温度サイクル等に対する信頼性も向上するため、低コストで信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態等を例示する。
ここで示した実施形態等は互いに組み合わせることができる。
図1(a)〜(c),図2(a)〜(c)及び図3を用いて本発明の一実施形態のインターコネクタ付き太陽電池セルについて説明する。図1(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態のインターコネクタ付き太陽電池セルの構成を示す平面図(受光面図),側面図及び裏面図である。図2(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)から太陽電池セルを抜き出した図であり、図3は、図1(a)の太陽電池セルとインターコネクタを分離した図である。
以下、詳細に説明する。
まず、太陽電池セル10について説明する。
このような構成の太陽電池セル10は、以下に示す方法によって製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
pn接合を有する半導体基板1は、例えば、p型半導体基板にn型層を形成するか、n型半導体基板にp型層を形成することによって作製することができる。半導体の種類は特に限定されないが、例えば、単結晶又は多結晶シリコンである。pn接合を形成する前に基板表面をエッチングしてもよい。これによって、インゴットからの切断時に発生したダメージ層を除去したり、微細な凹凸構造を形成して反射率を低減したりすることができる。
まず、たとえばワイヤーソーなどを用いて、多結晶のp型シリコンインゴットを幅155mm×長さ155mm×厚さ200μm程度の平板状に切り出すことによってp型シリコン基板を得る。p型シリコン基板の表面にはワイヤーソーなどによってダメージ層が形成される。次に、このp型シリコン基板をフッ酸と硝酸と水からなる酸溶液に浸漬させてエッチングを施すことにより、p型シリコン基板の表面のダメージ層を除去するとともに微細な凹凸を形成する。なお、基板は単結晶シリコン基板であってもよく、エッチングはKOH又はNaOHとIPAを用いたアルカリ異方性エッチングであってもよい。
次いで、pn接合分離を目的として、p型シリコン基板の裏面の周縁部にシリコンおよびチタンを含む溶液からなるマスク材をスピンコータにより塗布する。
次に、拡散源として、p型シリコン基板の受光面の全面にP2O5を含むドーパント液をスピンコータにより塗布する。このp型シリコン基板を拡散炉で800〜900℃程度に加熱することによって、p型シリコン基板の受光面に表面抵抗率が約50Ωの不純物拡散層であるn型拡散層を形成する。
次に、このp型シリコン基板をフッ酸に浸漬させることで、上記のマスク膜と、ドーパント液が加熱されて生じたPSG(リンシリケートガラス)層とを除去する。
以上の工程により、pn接合を有する半導体基板1が作製される。
次に、半導体基板1の受光面側に反射防止膜3を形成する。反射防止膜3は、例えば、厚さ60nm〜90nmの窒化シリコン膜からなり、例えば、プラズマCVD法を用いて形成することができる。
次に、半導体基板1の裏面側及び受光面側に電極用ペーストを印刷・乾燥・焼成することによって電極を形成して太陽電池セル10の製造を完了する。
本工程により、裏面側にはアルミニウム電極9及び裏面接続用バスバー電極11が形成され、受光面側には受光面接続用バスバー電極5及び受光面集電電極7が形成される。受光面接続用バスバー電極5は、幅方向に一定の反りに矯正されたインターコネクタ13を接続できるように、インターコネクタ13と同じ形状に形成する。
まず、スクリーン印刷法により、半導体基板1の裏面の裏面接続用バスバー電極11を形成する位置に銀ペーストを印刷し、150〜200℃程度で乾燥する。次に、この銀ペーストと一部が重なるように、裏面集電用アルミ電極9を形成する位置にアルミペーストをスクリーン印刷法により印刷し、150〜200℃程度で乾燥する。次に、スクリーン印刷法により、受光面接続用バスバー電極5および受光面集電電極7を形成する位置に銀ペーストを印刷し、150〜200℃程度で乾燥する。
次に、700〜750℃程度で焼成を行う。この焼成により、裏面側にはアルミニウム電極9及び裏面接続用バスバー電極11が形成され、受光面側には受光面接続用バスバー電極5及び受光面集電電極7が形成される。
焼成の際に受光面の銀ペーストは、反射防止膜3をファイヤースルーして、半導体基板1のn型拡散層にオーミックコンタクトする。また、焼成の際に裏面のアルミペーストと半導体基板1との間に共晶反応が起こって、半導体基板1の裏面側にp型不純物であるアルミを多量に含んだp+層が形成される。p+層は、BSF(Back Surface Field;裏面電界)層と呼ばれ、裏面近傍にpp+層の障壁を形成し、p型基板内で生成された少数キャリアのうち、裏面に向かうものが反射され、アルミニウム電極9部分で再結合しなくなって、pn接合部に到達するものが増加し、光電流を増加させる。さらに、pp+層間のエネルギー差が開放電圧の増大をもたらす。なお、アルミニウム電極9とp+層の間には、アルミニウムとシリコンの合金層が形成される
次に、インターコネクタ13について説明する。
インターコネクタ13は、受光面接続用バスバー電極5に接続可能であり且つ幅方向に一定の(規則的な)反りを有する形状を有するものであれば、その構成や材質は特に限定されない。インターコネクタ13は、図3に示すように、受光面接続用バスバー電極5に接続される。
次に、図4(a),(b)及び図5(a)〜(d)を用いて幅方向に一定の反りを有するインターコネクタ13を作製し、作製したインターコネクタ13を太陽電池セル10に接続する方法について説明する。図4(a),(b)は、それぞれ、インターコネクタ13の作製及び太陽電池セル10への接続を実施するための装置の構成を示す平面図及び側面図である。図5(a)〜(d)は、インターコネクタ線材37を接続単位長に切断してインターコネクタ13を形成する切断工程を説明するための図4(b)に示す側面図である。
戻しローラ34は、矯正部31よりも低い位置において、回転軸が線材供給リール36の回転軸に対して平行になるように配置されており、インターコネクタ線材37の上面に当接している。一方、転換ローラ35は、線材接触部位が矯正部31の線材接触部位と同じ高さになる位置において、回転軸が線材供給リール36の回転軸に対して平行になるように配置されており、インターコネクタ線材37の下面に当接している。
位置決めローラ33は、インターコネクタ線材37が通過する部位に溝を有していることが好ましく、その溝の高さは、インターコネクタ線材37の厚さと実質的に等しいことが好ましい。この場合、厚さ方向の位置決めを確実に行うことができるからである。
また、位置決めローラ33の溝の深さは、インターコネクタ線材37の幅の1/4〜1/2倍であることが好ましく、一方の位置決めローラ33の溝の底面と他方の位置決めローラ33の溝の底面の間の距離がインターコネクタ線材37の幅に実質的に等しいことが好ましい。この場合、幅方向の位置決めを確実に行うことができるからである。
位置決めローラ33の直径は、小さすぎると新たな変形を発生させる可能性があり、大きすぎると位置決め機能を果たさなくなる可能性があるので、10〜100mm程度であることが好ましい。
矯正ローラ32は、インターコネクタ線材37に当接する部位に溝を有していることが好ましく、その溝の高さは、インターコネクタ線材37の厚さと実質的に等しいことが好ましい。矯正ローラ32の溝の深さは、インターコネクタ線材37の幅の1/2〜2倍であることが好ましい。このような溝を有する場合、インターコネクタ線材37の位置が厚さ方向にずれにくいので幅方向の力がインターコネクタ線材37に加わりやすいからである。
矯正ローラ32の直径は、小さすぎると新たな変形を発生させる可能性があり、大きすぎると矯正機能を果たさなくなる可能性があるので、10〜100mm程度であることが好ましい。
まず、図5(a)に示す初期状態では、インターコネクタ線材37は、先端が少し突出した状態で規制チャック38によって保持されている。この状態で、移送チャック40が図5(a)の矢印の方向に移動して、インターコネクタ線材37の突出部分を保持する。なお、図4に示す3つの移送チャック40のうち規制チャック38から最も離れた位置にある移送チャック40がインターコネクタ線材37の突出部分を保持する。残りの移送チャック40は邪魔にならない位置に退避している(不図示)。
次に、複数の移送チャック40とこれを回転させる駆動部とで構成される移送チャック回転部41により、太陽電池セル10の受光面接続用バスバー電極5の位置に合わせてインターコネクタ13を回転し、受光面接続用バスバー電極5にインターコネクタ13を重ねる。この時、インターコネクタ13と受光面接続用バスバー電極5の位置合せはCCDカメラによる自動アライメントによって行ってもよい。
以上の工程により、図1(a)〜(c)に示すインターコネクタ付き太陽電池セルが得られる。
上記実施形態のインターコネクタ付き太陽電池セルのインターコネクタ13の接続されていない側の一端を隣接する太陽電池セル10の裏面接続用バスバー電極11に接続させることによって図6(a)〜(c)に示すような複数のインターコネクタ付き太陽電池セルが直列接続された太陽電池セル列が得られる。
上記実施形態ではバスバー電極5の対は同じ方向の反りを有しているが、バスバー電極5の対は、図7に示すように、反りの方向が太陽電池セル10の中心線Xに対して対称になっていてもよい。この場合、図7に示すような互いに反対向きの反りを有するインターコネクタ13をバスバー電極5に接続する。互いに反対向きの反りを有するインターコネクタ13は、図8に示すように、インターコネクタ線材37の一方の側面に当接する矯正ローラ32を有する装置と、インターコネクタ線材37の他方の側面に当接する矯正ローラ32を有する装置を用いて作製することができる。このような実施形態では、インターコネクタ13による応力が対称に加えられるため半導体基板の歪みが抑制され、歩留まりを向上させることができる。
Claims (4)
- 受光面接続用バスバー電極を受光面に有する太陽電池セルと、前記バスバー電極に重ねて接続されかつリボン状の金属線からなるインターコネクタとを備え、
前記インターコネクタの前記バスバー電極と重なる部分は、幅方向に一定の反りを有する形状であり、
前記バスバー電極の前記インターコネクタと重なる部分は、前記幅方向に一定の反りを有する形状と同じ形状を有することを特徴とするインターコネクタ付き太陽電池セル。 - 前記太陽電池セルは、前記バスバー電極を一対備え、
前記バスバー電極の対は、反りの方向が前記太陽電池セルの中心線に対して対称になるように配置されている請求項1に記載のインターコネクタ付き太陽電池セル。 - 線材供給リールからリボン状のインターコネクタ線材を引き出す引出工程と、引き出されたインターコネクタ線材を接続単位長に切断してインターコネクタを形成する切断工程と、前記インターコネクタを太陽電池セルの受光面に設けられた受光面接続用バスバー電極に重ねて接続する接続工程を備え、
前記インターコネクタ線材は、前記引出工程において幅方向に一定の反りを有する形状に矯正され、
前記インターコネクタの前記バスバー電極と重なる部分は、前記幅方向に一定の反りを有する形状を有し、
前記バスバー電極の前記インターコネクタと重なる部分は、前記幅方向に一定の反りを有する形状と同じ形状を有することを特徴とするインターコネクタ付き太陽電池セルの製造方法。 - 前記インターコネクタ線材の矯正は、一対の位置決めローラと、前記位置決めローラよりも下流側に配置された矯正ローラとによって行われ、
前記位置決めローラの対は、前記インターコネクタ線材を挟持して前記インターコネクタ線材の位置決めを行うように構成され、
前記矯正ローラは、前記インターコネクタ線材の側面に当接して前記インターコネクタ線材に幅方向に力が加わる位置に配置されている請求項3に記載の製造方法。
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