JP5060795B2 - ワイパー装置 - Google Patents

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Description

この発明は、工作機械の加工室を形成するカバー間に設けられるワイパー装置に関する。
この種のワイパー装置としては、加工室を開閉するための前面ドアと、前面ドアと直交させられかつ前面ドアに対し間隙をおいて相対させられたワイパー縁部を有する垂直板状固定カバーと、間隙を被覆しうるようにワイパー縁部にそって取付けられているワイパーとを備えており、ワイパーが前面ドアに対し接近・離隔しうるようにワイパー縁部に移動自在に支持されており、ばねによって、ワイパーが前面ドアに押圧しうるように付勢されているものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
上記従来装置では、ワイパーを移動自在に支持する構造およびばねによって付勢する構造等が必要であるため、部品点数が多く構造が複雑で、組立工数が多い等の問題点がある。
実公昭53−52706号公報 実開昭52−141690号公報 特開2005−118974号
この発明の目的は、部品点数が少なくて済み、構造がシンプルで、組立を簡単に行うことのできるワイパー装置を提供することにある。
この発明によるワイパー装置は、工作機械のカバー間に設けられるワイパー装置であって、移動カバーと、移動カバーに対し間隙をおいて相対させられたワイパー縁部を有する固定カバーと、間隙を被覆しうるようにワイパー縁部にそって取付けられているワイパーとを備えており、ワイパーが、ワイパー縁部にそってのびた帯板状ワイパー部材を有しており、ワイパー部材の所要カ所に取付孔が貫通状にあけられており、取付孔に弾性体製リングがはめ入れられており、ワイパー固定部材が、軸部がリングの中心孔に通されるとともに軸部先端が固定カバーに固着され軸部他端の大径頭部と固定カバー間でリングおよびワイパーを保持するものである。
この発明によるワイパー装置では、ワイパーの組立に際しては、取付孔にリングをはめ入れて、ワイパー固定部材をリングの中心孔に通してワイパー縁部に固着すればよい。したがって、部品点数が少なくて済み、構造がシンプルで、組立を簡単に行うことができる。
この発明による他のワイパー装置は、工作機械のカバー間に設けられるワイパー装置であって、移動カバーと、移動カバーに対し間隙をおいて相対させられたワイパー縁部を有する固定カバーと、間隙を被覆しうるようにワイパー縁部にそって取付けられているワイパーとを備えており、ワイパーが、ワイパー縁部にそってのびた帯板状ワイパー部材を有しており、ワイパー部材の所要カ所に取付孔が貫通状にあけられており、ワイパー固定部材が、軸部がワイパーの取付孔に間隙を持って通されるとともに軸部先端が固定カバーに固着され軸部他端の大径頭部と固定カバー間でワイパーを保持するものである。
さらに、固定カバーに設けられたねじ孔にワイパー固定部材の先端に形成された雄ねじがねじ込まれることにより固定カバーにワイパー固定部材が固定されるものであってもよい。
この発明によれば、部品点数が少なくて済み、構造がシンプルで、組立を簡単に行うことのできるワイパー装置が提供される。
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
図1を参照すると、ベッド11の頂面にはサドル12が図1の紙面と直交する方向にスライド自在に支持されている。ベッド11の上方から前方の部分を被覆するように略L字状前面ドア13が設けられている。前面ドア13は、サドル12のスライド方向と同方向にスライド自在である。サドル12にこれとともに移動しうるように横断面略L字板状可動カバー14が取付られている。前面ドア13および可動カバー14によって囲まれた空間が加工室15である。主軸台16が加工室15内に収まるようにベッド11上に装備されている。主軸台16には垂直板状固定カバー17が取付られている。固定カバー17は、前後方向に拡がって前面ドア13および可動カバー14と直交させられている。
固定カバー17のほぼ全周にわたってこれにそってワイパー18が取付られている。ワイパー18は、固定カバー17の上縁部にそってのびた第1ワイパー部材21と、固定カバー17の前縁傾斜部そってのびた第2ワイパー部材22と、固定カバー17の前縁垂直部にそってのびた第3ワイパー部材23と、固定カバー17の後縁部にそってのびた第4ワイパー部材24と、固定カバー17の下縁部にそってのびた第5ワイパー部材25と、第5ワイパー部材25の前端部に連なって斜め後下向きにのびた第6ワイパー部材26とよりなる。
第1〜第6ワイパー部材21〜26は、いずれも弾性体製帯板状もので、長さは異にするが、同一横断面を有している。また、第1〜第6ワイパー部材21〜26は、適所において複数の取付ねじ27によって固定カバー17の対応する縁部に取付られている。第5ワイパー部材25を除いて、第1〜第4ワイパー部材21〜24および第6ワイパー部材26の取付構造は、同一である。これらのワイパー部材21〜24、26を代表するものとして、以下、第2ワイパー部材22の取付構造について説明する。
図2を参照すると、前面ドア13内面および固定カバー17前縁部の間にはワイパー間隙αが形成されている。このワイパー間隙αを塞ぐように第2ワイパー部材22が固定カバー17前縁部の一方側の側面に重ね合わされている。この重ね合わされた部分に対応して、固定カバー17前縁部にねじ孔31が形成されている。ねじ孔31と同心状となるように第2ワイパー部材22には円形状取付孔32が貫通状にあけられている。取付孔32には弾性体製リング33がはめ入れられている。リング33の厚みは、第2ワイパー部材22の厚みよりも大きい。その厚みの差の分だけ、リング33の一部は、取付孔32から突出させられている。リング33の突出端面にはワッシャ34があてがわれている。
取付ねじ27は、大径の頭部35、軸部36およびねじ部37とが連続した形成されたものである。軸部36は、ワッシャ34およびリング33に通されている。ねじ部37は、ねじ孔31にねじ入れられている。軸部36の先端面は、取付孔32縁部に当接させられている。これにより、取付ねじ27のねじ込み量が一定となるように決められている。
ワッシャ34の外径は、リング33の外径よりも大である。その径の差の分だけワッシャ34は、リング33から側方にはみ出ている。ワッシャ34のはみ出た部分と第2ワイパー部材22の間には若干の解放隙間βがある。この解放隙間βによって第2ワイパー部材22の移動をワッシャ34が拘束することが無く、リング33の弾性変形によって第2ワイパー部材22が自由に移動できるようになっている。
前面ドア13を移動させると、ワイパー間隙αが大小に変化する。この変化に追従するようにリング33を変形させることによって第2ワイパー部材22が前後方向に移動する。したがって、第2ワイパー部材22の前縁部は、常時、前面ドア13の内面に摺接させられている。
つぎに、図3を参照しながら、第5ワイパー部材25の取付構造を説明する。可動カバー14上面および固定カバー17下縁部の間には、上記ワイパー間隙αとほぼ大きさのワイパー間隙γが形成されている。そして、このワイパー間隙γを第5ワイパー部材25が塞いでいる。固定カバー17前縁部と同様に、固定カバー17下縁部にもねじ孔41が形成されている。第2ワイパー部材22と同様に、第5ワイパー部材25には取付孔42が貫通状にあけられている。取付孔42にはリング43がはめ入れられている。リング43の材料は、弾性体であってもよいが、とくに限定されない。取付ねじ27は、図2に示すものと同じものである。取付ねじ27の軸部36は、ワッシャ34およびリング43にはめ入れられている。ねじ部37は、ねじ孔41にねじ入れられている。ワッシャ44および第5ワイパー部材25間には解放隙間δが形成されている。リング43の外径は、取付孔42の内径よりも小である。その径の差だけ、取付孔42周面およびリング43外面間には移動隙間εが形成されている。
移動隙間εの分だけ、第5ワイパー部材25は、上下動自在である。第5ワイパー部材25の自重によって第5ワイパー部材25は、常時、下向きに付勢されている。
サドル12とともに可動カバー14が移動させられ、ワイパー間隙γが変化させられると、その変化に追従するように第5ワイパー部材25は上下動させられる。これにより、第5ワイパー部材25の下縁部は、可動カバー14の上面に摺接させられる。
第5ワイパー部材25の取付構造を他のワイパー部材の取付構造と同じとしてもよい。
この発明によるワイパー装置を備えた工作機械の垂直横断面図である。 図1のII−II線にそう拡大断面図である。 図1のIII−III線にそう拡大断面図である。
符号の説明
13 前面ドア
17 固定カバー
18 ワイパー
22 ワイパー部材
27 取付ねじ
32 取付孔
33 リング

Claims (2)

  1. 工作機械のカバー間に設けられるワイパー装置であって、移動カバーと、移動カバーに対し間隙をおいて相対させられたワイパー縁部を有する固定カバーと、間隙を被覆しうるようにワイパー縁部にそって取付けられているワイパーとを備えており、ワイパーが、ワイパー縁部にそってのびた帯板状ワイパー部材を有しており、ワイパー部材の所要カ所に取付孔が貫通状にあけられており、取付孔に弾性体製リングがはめ入れられており、ワイパー固定部材が、軸部がリングの中心孔に通されるとともに軸部先端が固定カバーに固着され軸部他端の大径頭部と固定カバー間でリングおよびワイパーを保持するものであるワイパー装置。
  2. 固定カバーに設けられたねじ孔にワイパー固定部材の先端に形成された雄ねじがねじ込まれることにより固定カバーにワイパー固定部材が固定される請求項1に記載のワイパー装置。
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