JP5060176B2 - (メタ)アクリル塗料およびこれを塗装してなる被覆材料 - Google Patents

(メタ)アクリル塗料およびこれを塗装してなる被覆材料 Download PDF

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Description

本発明は、高い反射率を有する塗料および当該塗料が塗工された被覆材料に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等は反射板により光の輝度を向上させている。例えば液晶ディスプレイパネルのバックライトに用いられる反射板は、バックライトの光を効率よく液晶に向けて反射させることが要求される。
一方、近年は電子機器のデザインが複雑化していること等から、反射板にも複雑な形状に加工できることが求められている。反射板の加工には、予め鋼板等の基材に反射能力を付与する塗料を塗装しておき、塗装された基材を所望の形状に加工する方法が一般的である。
このような液晶ディスプレイのバックライトに用いる反射板に関して、アルミニウム板上に、樹脂100質量部に対して酸化チタンを150〜300質量部を含有する膜厚50〜100μmの下塗り層と、該下塗り層上に、樹脂100質量部に対して酸化チタン顔料を100〜250質量部を含有し、光沢が15以下で、且つ膜厚10〜30μmの上塗り層を形成させた液晶ディスプレイのバックパネル用の高拡散反射塗装金属板が提案されている(特許文献1)。
また特許文献2には、バインダー100体積部に対して白色顔料が150体積部以上、1500体積部未満の高顔料濃度層、またはバインダーと白色顔料と5vol%以上35vol%未満の空隙率を有する被覆層を、少なくとも一層形成することにより、高い拡散反射率を有する被覆材料、および当該材料を塗装した金属板が提案されている。
これらの文献に開示されている塗膜は、反射率を向上させるために高濃度の酸化チタンが配合されている。特に、特許文献2に開示の塗膜は、質量部に換算すると、バインダー100質量部に対し、酸化チタンが612〜6120質量部配合されている(バインダーの比重を1.2、酸化チタンの比重を4.9とした)。このためこれらの文献に開示される基材は塗膜が脆く、所望の形状に加工される際に塗膜が割れる等の問題があった。
特開2002−172735号公報 特開2006−192660号公報
酸化チタンを含む塗膜により塗装された基材の加工性を向上させるためには、塗膜における酸化チタンの含有量を低下させる必要がある。しかし酸化チタン含有量が低下すると塗膜の反射率が低下してしまう。すなわち、優れた加工性および高い反射率を有する被覆材料が求められていた。
発明者は鋭意検討した結果、特定の非晶性ポリエステル、特定の(メタ)アクリル系モノマー、および酸化チタンを含むアクリル塗料を用いることにより上記問題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち上記課題は以下の本発明のアクリル塗料により解決される。
[1] (A)数平均分子量が1000〜40000、ガラス転移温度が、−20〜60℃、30℃における比重が1.23以下である非晶性ポリエステル10〜90質量部、
(B)(メタ)アクリル系モノマー90〜10質量部、ならびに
(C)酸化チタン、を含む(メタ)アクリル塗料であって、
前記(B)の(メタ)アクリル系モノマーが下記一般式(1)で表される化合物を含み、当該化合物が全(メタ)アクリル系モノマー中10〜50モル%である(メタ)アクリル塗料。
Figure 0005060176
式(1)においてRは水素原子またはメチル基を表す。
(CHCHO)であり、nは1〜4である。Rは炭素数が1〜4のアルキル基である。
[2] 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、前記(A)の非晶性ポリエステル100質量部に対して、10〜80質量部である[1]に記載の(メタ)アクリル塗料。
[3] (B)(メタ)アクリル系モノマーが下記一般式(2)、(3)または(4)の化合物を含む[1]または[2]に記載の(メタ)アクリル塗料。
Figure 0005060176
式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
は炭素数が1〜15の炭化水素基を表す。
Figure 0005060176
式(3)において、Rは水素原子またはメチル基を示す。
は炭素数が1〜12のアルキレン基を示す。
Figure 0005060176
式(4)において、Rは水素原子またはメチル基を示す。
は炭素数が1〜10のアルキレン基を示す。
[4] 前記(C)酸化チタンが、前記(A)と(B)の合計100質量部に対し50〜120質量部である[1]〜[3]いずれかに記載の(メタ)アクリル塗料。
[5] 前記(A)と(B)の合計100質量部に対し0.1〜20質量部のポリイソシアネートをさらに含む[1]〜[4]いずれかに記載の(メタ)アクリル塗料。
また、上記課題は以下の本発明のアクリル塗料を重合してなる塗膜を有する被覆材料および当該被覆材料の製造方法により解決される。
[6] 前記[1]〜[5]に記載の(メタ)アクリル塗料に含まれる前記(B)(メタ)アクリル系モノマーを重合してなる塗膜を有する被覆材料。
[7] 前記塗膜は、酸化チタン含有量が異なる隣接した2つの層を含み、酸化チタン含有量が高い層Xと酸化チタン含有量が低い層Yの界面が塗膜表層から5〜50%の厚みに存在し、かつYは基材と接している[6]に記載の被覆材料。
[8] 前記XとYにおける、塗膜100質量部あたりの酸化チタン質量部をx、yとしたときに、x/yで定義される濃度比が1.1〜1.8である[7]に記載の被覆材料。
[9] 前記[1]〜[5]いずれかに記載の(メタ)アクリル塗料を基材に塗布する工程、当該塗布膜に含まれる(B)(メタ)アクリル系モノマーを重合させる工程を含む被覆材料の製造方法。
本発明により、優れた加工性および高い反射率を有する被覆材料が提供できる。
1.本発明の(メタ)アクリル塗料
本発明の(メタ)アクリル塗料は、
(A)特定の非晶性ポリエステル10〜90質量部、
(B)特定の化合物を含む(メタ)アクリル系モノマー90〜10質量部、ならびに
(C)酸化チタンを含むことを特徴とする。
本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタアクリル」の意味である。すなわち「(メタ)アクリル塗料」とはアクリレート系モノマー、メタアクリレート系モノマーを含む塗料である。本発明において「(メタ)アクリル」を単に「アクリル」と表記することがある。
(A) 非晶性ポリエステル
ポリエステルとは、主鎖にエステル結合を有するポリマーの総称である。本発明に用いられるポリエステルは高分子鎖が結晶を形成しない非晶性ポリエステルである。前記非晶性ポリエステルは、後述するアクリル系モノマーの重合体とともに本発明の塗料のマトリックス(ビヒクル)となる。従って、非晶性ポリエステルはアクリル系モノマーに溶解することが好ましい。一般にポリマーは結晶性よりも非晶性の方が他の化合物との相溶性に優れる。そのため、本発明ではポリエステルとして非晶性ポリエステルを採用する。
一般にポリエステルは多塩基酸と多価アルコールを重縮合反応させて得られる。原料とする多塩基酸と多価アルコールを選択することで、ポリエステルを非晶性とすることができる。対称性の低い化合物を原料とするポリエステルは非晶性になりやすい。
非晶性ポリエステルの数平均分子量は1000〜40000である。本発明において「〜」はその両端の数値を含む。数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって、標準ポリスチレン検量線より測定される。
分子量が高すぎるとアクリル系モノマーへの溶解性が低下し、分子量が低すぎると塗膜性能が低下する。非晶性ポリエステルの重合平均分子量が前記範囲にあると両者のバランスに優れる。
非晶性ポリエステルの分子量は原料とする多塩基酸と多価アルコールの仕込み比や反応時間等により調整できる。
本発明の非晶性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、−20〜60℃である。Tgは示差走査熱量計(DSC)法により測定される。Tgが60℃以下になると、アクリル系モノマーとの相溶性が向上する。しかしTgが−20℃より低くなると、ポリエステルは加水分解しやすくなり塗膜としたときの耐候性の低下や、塗膜のベタつきが生じるおそれがある。以上から非晶性ポリエステルのTgは−20〜30℃であることが好ましい。
Tgは原料とする多塩基酸と多価アルコールを選択することで調整できる。一般に芳香族化合物を用いるとTgは向上する。
非晶性ポリエステルの30℃における比重は1.23以下である。ポリエステルの密度が低くなると、高分子鎖のパッキングが緩くなるため、アクリル系モノマーが非晶性ポリエステルの高分子鎖間に侵入しやすくなる。このため、アクリル系モノマーとの相溶性が向上する。
比重は原料とする多塩基酸と多価アルコールを選択することで調整できる。側鎖を有する多価アルコールを原料とすると立体障害が大きくなるのでポリエステルの密度が低下する。
ポリエステルはその末端に水酸基またはカルボキシル基を有する。本発明の非晶性ポリエステルは、水酸基価が2〜200mgKOH/gであることが好ましく、4〜80mgKOH/gであることがより好ましい。酸価は2〜40mgKOH/gであることが好ましく、5〜50mgKOH/gであることがより好ましい。
水酸基価が200mgKOH/g、または酸価が80mgKOH/gよりも大きくなると、塗膜の耐水性が劣る。一方、水酸基価が2mgKOH/g未満になると、後述するとおり塗膜形成の際に架橋剤を用いた場合に、架橋剤との反応部位が少なくなるため塗膜強度が低下する。また酸価が2mgKOH/g未満になると塗膜と基材との密着性が低下するため、例えばプレコート鋼板のように、予め塗装された鋼板を後から加工するという用途への適用が困難になる。
本発明の非晶性ポリエステルに用いられる多塩基酸の例には、2価カルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が含まれる。2価カルボン酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族カルボン酸が含まれる。多価カルボン酸の例には、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸;ε−カプロラクトン、ラクチド等のヒドロキシカルボン酸が含まれる。
本発明の非晶性ポリエステルに用いられる多価アルコールの例には、2価のアルコール、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールが含まれる。
2価のアルコールの例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類;これらのグリコール類にε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のポリエステルジオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、スピログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカン等の脂環式2価アルコールが含まれる。
多価アルコールの例には、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2、6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールが含まれる。
非晶性ポリエステルは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。2種類以上のポリエステルを用いる場合、ポリエステルの多価アルコール成分が共通していることが好ましい。
(B) (メタ)アクリル系モノマー
(メタ)アクリル系モノマーとは、分子内にアクロイル基、メタクロイル基を有する重合性化合物である。前述のとおり、(メタ)アクリル系モノマーは「アクリル系モノマー」とも呼ばれる。本発明のアクリル系モノマーは、下記一般式(1)で表される化合物を含み、当該化合物が全アクリル系モノマー中10〜50モル%である。
Figure 0005060176
式(1)においてRは水素原子またはメチル基を表す。
(CHCHO)であり、nは1〜4である。*はRの向きを示している。すなわちRの炭素原子はアクリル酸の酸素原子と結合している。
式(1)の化合物は、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。式(1)の化合物を「エーテル系アクリレート」と呼ぶことがある。本発明においては、nは2であることが好ましい。
は炭素数が1〜4のアルキル基であり、分岐アルキル基であってもよい。本発明においてはエチル基であることが好ましい。
式(1)で表されるエーテル系アクリレートの例には、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートが含まれる。
本発明のアクリル塗料は、アクリル系モノマーを重合させて塗膜を形成する。前記エーテル系アクリレートが特定量存在すると、塗料中に含まれる酸化チタンが塗膜表層部(空気界面側)へ集中して存在するようになる。この現象は以下のように推察される。前記非晶性ポリエステル、アクリル系モノマー、酸化チタンを含む塗料において、アクリル系モノマーの重合が進行すると、前記非晶性ポリエステルとの相溶性が低下し、ポリエステルが表層側へ押し出される。その際に酸化チタンも一緒に移送される。この結果、表層部に酸化チタン高濃度層を有する塗膜が形成される。ただし、エーテル系アクリレートとポリエステルは相溶性が非常に高いため、エーテル系アクリレートの含有量が多すぎると前記ポリエステルとの相分離が生じにくくなる。その結果塗膜に酸化チタン濃化層が形成されにくいと考えられる。ただしメカニズムは上記に限定されない。
一方、前記エーテル系アクリレートの添加量が少なすぎると、非晶性ポリエステルをアクリル系モノマーに溶解させにくくなり、均一な塗料となりにくい。エーテル系アクリレートの添加量を少なくしても、非晶性ポリエステルの量を添加量を少なくすれば均一な塗料を得られるものの、非晶性ポリエステルの量が少なくなると、プレコート鋼板としたときの加工性が損なわれる。
以上から、前記エーテル系アクリレートは全アクリル系モノマー中10〜50モル%であることが好ましい。さらに前記エーテル系アクリレートは非晶性ポリエステル100質量部に対して10〜80質量部であることが好ましい。
本発明のアクリル系モノマーは、下記一般式(2)の化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005060176
式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
は炭素数が1〜15の炭化水素基である。Rはアルキル基、分岐アルキル基、アリール基であってもよい。中でもRは10〜15のアルキル基であることが好ましい。式(2)の化合物を「モノアクリレート」と呼ぶことがある。
式(2)で表されるモノアクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリル酸アリールエステルが含まれる。
本発明のアクリル系モノマーは、下記一般式(3)の化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005060176
式(3)において、Rは水素原子またはメチル基である。
は炭素数が1〜12のアルキレン基であり、分岐アルキレン基であってもよい。中でも、炭素数が5〜7のアルキレン基であることが好ましい。式(3)の化合物は二官能性アクリレートであり、アクリル系モノマーの重合体(アクリル系ポリマーともいう)に架橋構造を導入することができる。アクリル系ポリマーが架橋構造を有すると塗膜の強度、耐熱性が向上する。式(3)の化合物を「ジアクリレート」と呼ぶことがある。
式(3)で表されるジアクリレートの例には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート等が含まれる。
本発明のアクリル系モノマーは、下記一般式(4)の化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005060176
式(4)において、Rは水素原子またはメチル基である。
は炭素数が1〜10のアルキレン基であり、分岐アルキレン基であってもよい。Rは2〜6のアルキレン基であることが好ましく、中でもブチレン基であることがより好ましい。式(4)の化合物は水酸基を有するので「ヒドロキシアクリレート」と呼ばれることがある。水酸基は種々の化合物と反応するため、アクリル系ポリマーに種々の性能を扶養することができる。
式(4)で表されるヒドロキシアクリレートの例には、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが含まれる。
上記のモノマーの組成比は、式(1)のエーテル系アクリレートがモノマー全体の10〜50モル%であれば限定されない。しかし塗工の際の重合性、得られる塗膜の強度等に優れるため、エーテル系アクリレート10〜50モル%、モノアクリレート50〜10モル%、ジアクリレート25〜20モル%、ヒドロキシアクリレート15〜20モル%であることが好ましい。
本発明の塗料は、(A)成分である非晶性ポリエステルと(B)成分であるアクリル系モノマーの組成比が、10〜90質量部:90〜10質量部である。中でも塗膜性能等に優れるため、(A):(B)=「30〜50質量部」:「70〜50質量部」であることが好ましく、「35〜45質量部」:「65〜55質量部」であることがより好ましい。
(C) 酸化チタン
酸化チタンは屈折率が高いため、酸化チタンを含む塗料は酸化チタンとマトリックスの界面において高い反射率が得られる。反射率とは、2つの媒質の境界面で反射する光の強度と入射する光の強度の比をいう。酸化チタンの粒径は100〜400nmであることが好ましく、200〜300nmであることがより好ましい。塗膜における分散状態が良好であり、高い反射率が得られるからである。
酸化チタンはチタン鉱石を硫酸溶解する工程を経る「硫酸法」と、チタン鉱石を塩素化する工程を経る「塩素法」がある。塩素法により得られた酸化チタンは、不純物が少なくかつ白色度が高いため好ましい。酸化チタンは表面処理されていることが好ましく、特に有機物により表面処理されていることが好ましい。酸化チタンにはルチル型とアナターゼ型があるが、ルチル型であることが好ましい。アナターゼ型は光触媒作用を発現し、塗膜性能が低下することがあるからである。
酸化チタンの含有量は、前記(A)と(B)の合計(「マトリックス」とも呼ぶ)100質量部に対し50〜120質量部であることが好ましく、70〜100質量部であることがより好ましい。塗膜の加工性および反射性に優れるからである。
(D) その他添加剤
本発明の塗料は熱ラジカル重合開始剤(熱重合開始剤ともいう)を含んでいてもよい。熱ラジカル重合開始剤の例には、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤が含まれる。中でも過酸化物系熱重合開始剤が好ましい。熱重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。さらにナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の分解促進剤を併用してよい。
熱重合開始剤の添加量は、(A)非晶性ポリエステルと(B)アクリル系モノマーの合計量100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましい。熱重合開始剤の配合量が少ないと重合に時間がかかり、さらには塗工時にモノマーの揮発分が多くなるので塗工性が低下する。一方、熱重合開始剤の配合量が過剰であると、反応時に多量の気泡が発生し、ワキ、肌荒れ等の塗膜欠陥が生じやすい。以上から、熱重合開始剤の添加量は上記範囲であることが好ましい。
過酸化物系熱重合開始剤の例には、イソブチルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシベンゾエートが含まれる。中でも1分間半減期温度が100〜170℃の熱重合開始剤が好ましい。1分間半減期温度とは、熱重合開始剤を不活性ガス下、一定の温度で1分間熱分解反応を行った際に、熱重合開始剤濃度が元の半分になるときの温度である。
本発明の塗料はアクリル系モノマーを架橋させるための架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤の例には、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、シランカップリング剤が含まれる。これらは単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。
架橋剤の添加量は、(A)と(B)の合計100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。架橋剤を添加することにより塗膜の強度、耐熱性が向上する。
ポリイソシアネート系架橋剤はイソシアネート基がアクリル系モノマーに含まれる水酸基と反応し架橋構造を形成する。
ポリイソシアネート系架橋剤の例には、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート;これらイソシアネートをトリメチロールプロパン等と付加反応させたイソシアネート化合物;イソシアヌレート化物;ビュレット型化合物;イソシアネートと、ポリエーテルポリオールポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートが含まれる。
中でも、常温では水酸基と反応しないブロック型イソシアネート架橋剤が好ましい。塗料の貯蔵安定性に優れるからである。ブロック型イソシアネートは、オキシム型、活性メチレン型があるが、中でも活性メチレン型が好ましい。
エポキシ系架橋剤の例には、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N',N'−テトラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリンが含まれる。
アジリジン系架橋剤の例には、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパントリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネートが含まれる。
金属キレート系架橋剤の例には、アルミニウムイソプロピレートジイソプロポキシビスアセチルアセトンチタネート、アルミニウムトリエチルアセトアセテートが含まれる。
メラミン樹脂系架橋剤の例には、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が含まれる。
シランカップリング剤系架橋剤の例には、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシランが含まれる。
本発明の塗料は可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤とは塗膜の柔軟性を向上させるために用いる添加剤である。本発明に用いられる可塑剤は1分子中に3個以上のエステル結合をもつエステル化合物が好ましい。このような可塑剤の例には、トリメリット酸誘導体、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体、リン酸誘導体、ポリエステル系可塑剤が含まれる。可塑剤は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。可塑剤の配合量は、(A)と(B)の合計量100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましい。塗膜にベタつき等を発生させることなく、可塑剤の効果を発現できるからである。また可塑剤として分子量500以上程度の高分子化合物を用いると、塗膜加工時の衝撃により塗膜が破損することを防止できる。
本発明の塗料は酸化チタン以外の顔料を含んでいてもよい。顔料の例には、体質顔料、無機・有機の着色顔料、防錆顔料が含まれる。体質顔料の例には、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウムが含まれる。無機着色顔料の例には、硫化亜鉛、鉛白、黄色酸化鉄、酸化クロム、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデン赤、パーマネントレッド、ベンガラ、黄土、クロムグリーン、紺青、群青、アルミ粉末、銅合金粉末が含まれる。有機着色顔料の例には、ハンザエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、フラバンスロンイエロー、インダンスレンブルー等が含まれる。上記顔料は所望の性能を発現するように選択される。顔料は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてよい。
顔料の配合量は、(A)と(B)の合計量100質量部に対し、0.1〜100質量部とすることが好ましい。
本発明の塗料は、上記以外に、充填材、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。
(E) 本発明の塗料の製造方法
本発明の塗料は公知の方法で製造できる。例えば(B)アクリル系モノマーに(A)非晶性ポリエステルを溶解させて樹脂組成物を得る工程、当該樹脂組成物と(C)酸化チタン、必要に応じて(D)各種添加剤を混合する工程、により得られる。混合する手段は特に限定されないが、三本ロール、ビーズミル等を用いることが好ましい。
このようにして製造された塗料は、粘度が0.1〜10Pa・sであることが好ましく、2〜4Pa・sであることがより好ましい。
2.本発明の塗料を用いた被覆材料
本発明の塗料を基材に塗布し、塗料中に含まれるモノマーを重合することにより当該塗料が塗工された被覆材料が得られる。基材とは塗料が塗布される材料であり、基材の例には金属材料、セラミック材料、高分子材料が含まれる。中でも金属材料が好ましく、鋼板がより好ましい。基材の形状は特に限定されないが、「板」や「箔」であることが好ましい。塗膜とは塗料を固化して得られる膜である。
本発明では塗料を基材に塗布して得られる重合前の膜を「塗布膜」、当該膜中のモノマーを重合させて得た膜を「塗膜」と呼ぶ。
本発明の被覆材料における塗膜は、酸化チタン含有量が異なる隣接した2つの層を含み、酸化チタン含有量が高い層Xと酸化チタン含有量が低い層Yの界面が塗膜表層から5〜50%の厚みに存在し、かつYは基材と接していることが好ましい。前記XとYの界面は10〜20%の厚みに存在することがより好ましい。「Yが基材と接する」とは、基材に下塗り塗装が施されている場合は、Yが当該下塗り塗装と接していることを含む。
図1は本発明の被覆材料の一例を示す断面図である。図1中、1はX、2はY、3は基材であり、4はXY界面、5は下塗り層である。4の界面は塗膜表層から5〜50%に存在することが好ましく、10〜20%の厚みに存在することがより好ましい。
前記XとYにおける塗膜100質量部あたりの酸化チタン質量部をx、yとしたときに、x/yで定義される濃度比は、1.1〜1.8であることが好ましい。さらに前記xの値は、40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましい。
前記濃度比は、塗膜断面を電子線マイクロアナライザー(EPMA)や二次イオン質量分析装置(SIMS)で分析することにより求められる。具体的には、EPMA等で塗膜断面の酸化チタン分布を測定し、X、Y界面を特定する。次に、各層に含まれる酸化チタン量を定量することにより求めることができる。
また、X、Yの界面は顕微鏡観察により特定することもできる。
本発明の塗膜は酸化チタン高濃度層により高い反射率を達成でき、塗膜の基材側に存在する低濃度層により、塗膜の柔軟性・基材との密着性が確保される。本発明の塗膜は、JIS Z8722に準拠した物体色の測定に使用される分光測色計(ミノルタ製 CM3700d、光源C)を用い、450〜750nmの波長に対する反射率を測定する。本発明においては波長650nmでの反射率が、95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましい。
また、本発明の塗膜はJIS K5600−5−1に準拠し、直径2mmのマンドレルでT曲げ試験を行った場合において、塗膜割れ等の不良が認められない程度の加工性を有することが好ましい。
さらに本発明の塗膜全体の厚みは、50〜400μmであることが好ましく、100〜250μmであることがより好ましい。
本発明の塗膜は、当該塗膜の上にさらに保護膜等を設けてもよい。
3.本発明の被覆材料の製造方法
本発明の被覆材料は、発明の効果を損なわない程度で任意に製造できるが、以下その好ましい製造方法を記載する。
本発明の塗料が塗装された被覆材料は、アクリル塗料を基材に塗布して塗布膜を形成する工程(塗布工程)、当該塗布膜を加熱して重合させ、塗膜を得る工程(焼付工程)を経て製造されることが好ましい。
塗料を基材に塗布する方法の例には、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、ナイフコートが含まれる。塗料の塗布量は所望の膜厚となるように調整される。ただし、塗布膜を空気中で重合する場合は、膜厚が100μm以上であることが好ましい。100μm未満の膜厚では、ラジカルが空気中の酸素により失活しやすいからである。
次に、塗料が塗布された基材を加熱して塗布膜中のモノマーを重合する。この焼付工程において未重合(メタ)アクリル系モノマーのうち、2質量%以上、好ましくは5〜10質量%を揮散させると、表面の塗膜強度および擦過性に優れた塗膜が得られる。焼付処理は120〜250℃において30〜600秒加熱することが好ましい。
本発明の被覆材料は、前記塗布工程を複数回行ういわゆる「重ね塗り」によって得てもよいが、塗布工程を1回行う「一度塗り」とすることが好ましい。塗布作業性に優れるからである。本発明の塗料は前述のとおり、焼付工程で酸化チタンが塗膜表層部に移動する。そのため塗料としては極端に高い濃度の酸化チタンを含んでいなくても、塗膜とした際に特定部分に酸化チタンを存在させ、高濃度層を設けることができる。つまり、本発明の塗料は、塗布工程においては優れた塗工性を達成でき、塗膜となった後は、高い反射率、高い加工性を達成できる。
本発明の被覆材料は、アクリル塗装を塗装する前に基材に下塗り塗装をしてもよい。下塗り塗装は、例えばアクリル変性エポキシ樹脂塗料、アクリル変性ポリエステル樹脂塗料などを化成処理した基材に塗布・焼付けすることにより行える。こうして得た下塗り塗膜は本発明の塗料との密着性が良好であるため好ましい。下塗り塗料は防錆顔料を含んでいてもよい。防錆顔料は下塗り塗料の樹脂100質量部に対し10〜30質量部とすることが好ましい。
非晶性ポリエステルには、東洋紡製GK890を用いた。当該非晶性ポリエステルのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって、標準ポリスチレン検量線より測定された数平均分子量は11000であり、30℃における比重は1.16であった。示差走査熱量計(DSC)法により測定されたTgは17℃であり、水酸基価は13mgKOH/g、酸価は5mgKOH/gであった。
アクリル系モノマーとして以下のものを用いた。
エトキシジエチレングリコールアクリレート(ECA):化学式(1)の化合物
ラウリルアクリレート(LA):化学式(2)の化合物
3−メチル−1,5ペンタンジオールジアクリレート(MPDA)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):化学式(3)の化合物
4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA):化学式(4)の化合物
[実施例1]塗料1〜4の調製
非晶性ポリエステルとアクリル系モノマーを表1に示す組成で混合し、アクリル系モノマーに非晶性ポリエステルが溶解した樹脂組成物を得た。
当該樹脂組成物100質量部に対し、イソシアネート架橋剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、K6000)11.5質量部、熱ラジカル重合開始剤として有機過酸化物(日本油脂株式会社社製、パーオクタO)2.5質量部、酸化チタン(石原産業製、CR58−2)80質量部を添加した。次に当該混合物を三本ロールを用いて混練し、塗料1〜4を調製した。
Figure 0005060176
[実施例2]被覆材料の調製
片面当たりめっき付着量が45g/mであり、板厚が0.5mmである溶融亜鉛めっき鋼板を基材とし、Ni置換処理後にクロムフリーの化成皮膜を形成した。このようにして得た化成処理基材にアクリル変性エポキシ樹脂を塗布し、230℃×40秒で加熱して乾燥膜厚が5μmの下塗り塗膜を形成した。
下塗り塗膜の上に、塗料1〜4をそれぞれナイフコートで塗布し、150℃で90秒間加熱し、膜厚150〜200μmとなるように塗膜を形成して被覆材料1〜8を得た。得られた塗膜は二層構造となり表層側に酸化チタン高濃度層、基材側に酸化チタン低濃度層が存在した。
得られた被覆材料は以下のとおりに評価した。
1)曲げ試験
JIS K5600−5−1に準拠して直径2mmのマンドレルでT曲げを実施した(2R曲げ)。曲げ加工終了直後、および曲げ加工終了から1日後の時点において、曲げ部外側にある塗膜を観察し、以下の基準に従い評価した。結果を表2に示す。
塗膜に割れが認められるもの:×(不良)
割れは無いが、深いしわが認められ用途によっては問題となりうるもの:△(やや不良)
割れが無く、しわが生じていないか、問題にならない程度に軽微なしわが認められるもの:○(良好)
2)反射率
JIS Z8722に準拠した物体色の測定に使用される分光測色計(CM−3700d,光源C)を用い、450〜750nmの波長に対する反射率を測定した。650nmの波長に対する反射率を表2に示した。
[比較例]
実施例1と同様にして、表1に示す組成の比較用塗料5〜6を調製した。しかし塗料5は均一な塗料とならなかったため、基材に塗装することができなかった。
一方、塗料6は均一な塗料であったため、実施例2と同様にして塗料6を塗装した被覆材料10を得た。被覆材料10の塗膜は、厚み方向において、酸化チタンの分散状態は一定であった。当該被覆材料を実施例2と同様にして評価した結果を表3に示す。
Figure 0005060176
Figure 0005060176
表2に示されるとおり、本発明のアクリル塗料を塗工して得た被覆材料は、高い反射率、優れた加工性を有している。
本発明のアクリル塗料は塗工性に優れ、これを塗工して得た被覆材料は、高い反射率、優れた加工性を有している。以上から本発明のアクリル塗料は、反射板用塗料として有用である。
本発明の被覆材料の一例を示す断面図
符号の説明
1 酸化チタン高濃度層(X)
2 酸化チタン低濃度層(Y)
3 基材
4 XY界面
5 下塗り層

Claims (9)

  1. (A)数平均分子量が1000〜40000、ガラス転移温度が−20〜60℃、30℃における比重が1.23以下である非晶性ポリエステル、
    (B)(メタ)アクリル系モノマー、ならびに
    (C)酸化チタン、を含む(メタ)アクリル塗料であって、
    前記(A)と(B)の合計100質量部に対し、前記(A)は10〜90質量部、前記(B)は90〜10質量部であり、
    前記(B)の(メタ)アクリル系モノマーが下記一般式(1)で表される化合物を含み、当該化合物が全(メタ)アクリル系モノマー中10〜50モル%である(メタ)アクリル塗料。
    Figure 0005060176
    式(1)においてRは水素原子またはメチル基を表す。
    R2は(CHCHO)であり、nは1〜4である。Rは炭素数が1〜4のアルキル基である。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、前記(A)の非晶性ポリエステル100質量部に対して、10〜80質量部である請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料。
  3. 前記(B)(メタ)アクリル系モノマーが下記一般式(2)、(3)または(4)の化合物を含む請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料。
    Figure 0005060176
    式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
    は炭素数が1〜15の炭化水素基を表す。
    Figure 0005060176
    式(3)において、Rは水素原子またはメチル基を示す。
    は炭素数が1〜12のアルキレン基を示す。
    Figure 0005060176
    式(4)において、Rは水素原子またはメチル基を示す。
    は炭素数が1〜10のアルキレン基を示す。
  4. 前記(C)酸化チタンが、前記(A)と(B)の合計100質量部に対し50〜120質量部である請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料。
  5. 前記(A)と(B)の合計100質量部に対し0.1〜20質量部のポリイソシアネートをさらに含む請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料。
  6. 請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料に含まれる前記(B)(メタ)アクリル系モノマーを重合してなる塗膜を有する被覆材料。
  7. 前記塗膜は、前記(メタ)アクリル塗料を1回塗布することにより形成される酸化チタン含有量が異なる隣接した2つの層を含み、酸化チタン含有量が高い層Xと酸化チタン含有量が低い層Yの界面が塗膜表層から5〜50%の厚みに存在し、かつYは基材と接している請求項6に記載の被覆材料。
  8. 前記XとYにおける、塗膜100質量部あたりの酸化チタン質量部をx、yとしたときに、x/yで定義される濃度比が1.1〜1.8である請求項7に記載の被覆材料。
  9. 請求項1に記載の(メタ)アクリル塗料を基材に塗布する工程、当該塗布膜に含まれる前記(B)(メタ)アクリル系モノマーを重合させる工程を含む被覆材料の製造方法。
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