JP5058161B2 - 繊維材中の異物の検出 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は対応する独立請求項の前文に記載の、繊維材中の異物を検出する装置及び方法に関し、特に糸のような撚り状態の繊維材中の混入物の存在を検出する装置及び方法に関する。
発明の背景
米国特許第6,175,408号明細書は、白光を発し、進行する糸から赤、緑、及び青の周波数帯域で反射する光の光度を測定する測定装置を記載している。可能な三対の光度信号のそれぞれについて差分信号が形成される。差分信号の少なくとも1つが所定の閾値を超えると、混入物が検出されたものと見なされる。本発明の核心は、より広い周波数スペクトルにわたって白光を生成するために周波数変換器を使用することで、狭帯域の単色のLEDの使用を避けることにある。
欧州特許第0 399 945 B1号明細書も、受光された2色の光度差を利用して、混入物が検出される多色光源を有する装置を開示している。代替実施形態では、2つの波長で光が発光され、下記の参考文献のように広帯域検出器によって検出される。
国際公開第03/008950号パンフレットは、異なる2つの波長で光を発光し、単一受光器を有するデバイスを開示している。反射の波長への依存度は材料によって異なるので、反射光の全体量は混入物材料の存在の有無とその種類とによって左右される。このようにして、異なる混入物を区別することが可能であろう。
米国特許第5,915,279号明細書は、概括的に言うと物体のパラメータを検出する測定装置を開示している。少なくとも2つの異なる波長で光を発光する多色光源と、異なる色帯域用の複数の検出器が使用される。偏差を判定するために、例えば光度が異なる波長で検出され、光度の時間的経緯を含む複数のパラメータの統計分析のための方法が記載されている。しかし、得られるアルゴリズムは複雑かつ概略的すぎて直ちには適用できない。
欧州特許第0 652 432 A1号は、センサによって受光される光が糸の正確に同じ個所から発されることを確実にする光学配置を有する、2つの波長用のセンサの使用を開示している。受光される光は赤外又は近赤外スペクトルにあってよい。糸の直径、構造などの影響を排除するため、受光光の光度に相当する検出器信号から商(すなわち対数差)に相当する信号が形成される。
発明の説明
本発明の目的は、実装が簡単で検出性能を向上させた、冒頭に記載の種類の繊維材中の異物を検出する装置及び方法を創造することにある。
これらの目的は対応する独立請求項に記載の、繊維材中の異物を検出する装置及び方法によって達成される。
繊維材、特に糸のような撚り状態の繊維材中の異物を検出する装置は、可視(VIS)光を発光する第1の光源と、赤外(RF)スペクトルで放射光を発光する第2の光源と、繊維材から反射した可視光に感応し、対応する第1の検出器信号を生成するように構成された第1の検出器と、繊維材から反射した赤外スペクトルにおける放射光に感応し、対応する第2の検出器信号を生成するように構成された第2の検出器とを備えている。第1及び第2の光源、ならびに第1及び第2の検出器は繊維材の同じ部分を照射し、かつ捉えるように配置されており、信号処理部は2つの検出器信号の重み付け差分を判定し、前記差分が閾値を超えるたびに混入物の存在を示す信号を出力するように構成されている。「重み付け差分」とは、差分が判定される前に、検出器信号の少なくとも1つが概して一定の係数で乗算されることを意味する。
第2の光源は、近可視領域、すなわち上記で提示されたような赤外(IR)光光源として、あるいは紫外(UV)光光源として発光する。
本発明は、糸又はロービング、あるいはスライバーのような細長い撚り状態の繊維材に適用できるが、検出機構を通って搬送され、又は吹き込まれるコットン塊にも適用できる。一般に、混入物も繊維材も可視スペクトルと赤外スペクトルの双方で光を反射する。しかし、2つのスペクトルにおける反射光の比率は糸と混入物では異なる。例えば、混入物が黒い糸である場合は、VIS検出器は可視スペクトルにおいては反射光が少ないが、赤外線検出器は通常の糸とほぼ同じ反射光を観察する。糸の直径、毛羽数、位置などの変化はそれに比例して双方のスペクトルに影響する。
可視(VIS)及び赤外(IR)スペクトルにおける糸の光反射が進行する通常の糸から記録される。記録された2つの信号を組み合わせて、進行する通常の糸の比率、すなわちスペクトル比を長期平均プロセスによって生成することができる。本発明の好ましい実施形態では、進行する通常の糸の前記スペクトル比の長期平均が1に正規化される。テストされる糸の直径、及び糸の毛羽数の変化は反射される可視光(VIS)及び赤外(IR)スペクトルの双方に同様に影響する。典型的な混入物は、例えば混入物がない糸材のような基準の糸と比較して可視(VIS)及び赤外(IR)スペクトルにおける反射特性を明確に変化させる。
本発明の別の好ましい実施形態では、2つの放射帯域での光度、センサ効率及び反射率の差により、検出された2つの信号が互いに重み付けされて、進行する通常の糸ではそれらの重み付け差分がゼロになるようにされる。重み係数は、第1及び第2の検出器信号の長期平均に応じて適応させることができる。本発明の好ましい実施形態では、例えば第2の検出器信号をIR検出器信号で除算することによって、重み付け差分Dwが第2の検出器信号に対して正規化される。
さらに別の好ましい実施形態では、第1及び第2の検出器は、糸に対する第1の角度からの放射を観察、すなわち測定するように配置され、デバイスは、糸に対する第2の角度から観察するように配置されたさらに別のVIS及びさらに別のIR検出器を備えている。第1及び第2の角度は、進行する糸に対して垂直な面に投影された場合に最大値になる。第1及び第2の検出器は第1の検出器セットを構成し、さらに別の検出器は第2の検出器セットを構成する。さらに別の検出器は、第1及び第2の検出器と同じ波長にそれぞれ感応する。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、糸の位置変化を検出するために第3の検出器が光源と反対側に配置される。第3の検出器はVIS又はIRのいずれか、又は双方の周波数領域に感応する。好ましくは、位置検出器は、反射信号だけがある種の妨害物を判断してはならない状態を分別する際に使用される検出信号を生成する。例えば、糸の位置変化が生じた場合には、スペクトル比又は重み付け差分Dwも変化することがある。第3の検出器信号を考慮に入れると、位置変化を混入物信号から区別することができる。
好ましくは、位置検出器は、反射信号だけがある種の妨害物を判断してはならない状態を分別する際に使用される検出信号を生成する。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、第1及び第2の光源は同一であり、すなわち単一の光源又は複合光源が、測定用に使用される可視光と赤外光の双方を発光する。
撚り状態の繊維材中の異物を検出する方法は、
糸の部分に向けて可視光を発光するステップと、
糸の同じ部分に向けて赤外スペクトルで放射光を発光するステップと、
糸から反射した可視光を検出し、対応する第1の検出器信号を生成するステップと、
糸から反射した赤外スペクトルにおける放射光を検出し、対応する第2の検出器信号を生成するステップと、
2つの検出器信号の重み付け差分を判定するステップと、
前記差分が閾値を超えるたびに混入物の存在を示す信号を出力するステップと
を含んでいる。
本発明のさらに別の好ましい変化形態では、2つの検出器信号がVIS及びIRスペクトルにおける反射光に対応することを前提として、下記の数量、又は因数、
・2つの検出器信号の比の偏差
・可視スペクトル検出器信号の偏差
・赤外スペクトル検出器信号の偏差
・前記2つの検出器信号の偏差の比
の少なくとも2つの組合せが利用される。
それぞれの偏差は好ましくは、一定の基準値又は長期基準値に対比して判定される。
特に、これは下記の方法によって行うことができる。
・2つのスペクトル信号の比率を判定する。瞬間信号値を糸の平均よりもわずか数パーセント高い最小閾限度値と比較する。信号が所定期間にわたって限度を超える場合は、これを混入物と見なす。
・基準材料、すなわち糸に対する可視スペクトルにおけるスペクトル信号の偏差を計算する。この偏差によって毛、種皮などの第一等級の混入物を特定できる。
・基準材料に対する赤外スペクトルにおけるスペクトル信号の偏差を計算する。この偏差によって、ポリプロピレン(PP)のような第二等級の混入物を特定できる。
・2つの偏差の比を計算し、この比を用いて混入物をさらに毛、種皮、PP、黄麻、色糸などの特定の物質の1つであると分別できる。
その他の好ましい実施形態は従属請求項から明らかである。方法クレームの特徴を装置クレームの特徴と組み合わせてもよく、またその逆に組み合わせてもよい。
以下、添付図面に例示された好適な実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。
図面で用いられる参照符号、及びそれらの意味は参照符号のリストに一覧で列挙されている。基本的に、図中、同一の部品には同一の参照符号が付されている。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、正面から見た糸1と、糸1の同じ部分を照射するように配置された第1の光源2ならびに第2の光源3と、糸1の前記部分から反射した光を受光するように配置された第1の検出器4ならびに第2の検出器5とを有する第1のテスト機構を概略的に示している。第1の光源2及び第2の光源3には駆動回路6によって電源が供給される。第1の検出器4及び第2の検出器5からの信号はアナログ又はデジタル信号処理素子を用いて信号処理部7によって処理される。第1の検出器4及び第2の検出器5は、糸1の第1の面を観察するように配置された第1対の検出器10を構成する。
図1は素子間の基本的関係だけを示しており、実際の幾何学的な関係を示していない大幅に簡略化されたものである。図2は糸1を観察するための光源及び検出器の配置を示している。光源と検出器とは糸1の長さに沿って2列に配置されており、観察されるスペクトルの各部分(IR、VIS)用の光源は一方の列にあり、スペクトルのその部分(IR、VIS)用の対応する2つの検出器は他方の列にある。例えば、可視スペクトル内において発光する第1の光源2は右列にあり、可視光(VIS)検出器4、及びさらに別のVIS検出器4’は左列にある。赤外(IR)スペクトルにおいて発光する第2の光源3とIR検出器5、ならびにさらに別のIR検出器5’は逆に配置されている。本発明の好ましい実施形態では、さらに処理されるVIS検出器信号を供給するためにVIS検出器4、及びさらに別のVIS検出器4’の信号が追加され、さらに処理されるIR検出器信号を付与するためにIR検出器5の信号及びさらに別のIR検出器5’が追加される。別の好ましい実施形態では、VIS及びIR検出器4、4’、5、5’のそれぞれ異なる信号が別個に処理されることもできよう。
実際的な理由から、VIS検出器は通常はIR光にも感応するので、本実施形態で使用されるVIS検出器はIR遮断フィルタを含んでいる。図2に示される配置は糸1の片側の大部分、例えば糸の周囲の約135°を観察し、糸1に巻きついた混入物を検出するにはそれで充分である。
図3は糸1を観察するための光源と検出器との別の好ましい実施形態を示している。この配置は糸1、及び概して平坦な光源と検出器との配置に対して直角の視角で(上)、また糸1の方向の視覚で(下)示されている。光源と検出器とは糸1の長さに沿って3列に配置されており、第1列はVIS検出器4と、さらに別のIR検出器5’とを含み、第2列は第1の光源2と第2の光源3とを含み、第3の列はIR検出器5と、さらに別のVIS検出器4’とを含んでいる。2対の検出器4、5’、5、4’は基本的に糸1に沿った面にあり、糸1を別の側から観察するので、検査対象のテスト材料を良好にカバーできる。第2対の検出器からの信号はアナログ又はデジタル処理素子を用いて別個に処理される。
2対のセンサについての信号解析に際しては、各対のIR/VISセンサの信号は下記のように処理されてもよく、混入物の存在を検出する出力信号が複合されてもよい。あるいは、2つの可視光検出器4、4’の信号が加算され、かつ2つのIR検出器5、5’の信号が加算され、加算された信号が下記のように処理されてもよい。
図4は、位置検出器として動作し、その検出器信号が例えば信号処理部7でも処理される第3の検出器24をさらに備える第2のテスト機構を概略的に示している。位置検出器は糸1に対してそれぞれの光源とは反対側に配置されているので、光源から発行される光は検出器に糸1の陰影を落とす。位置検出器24は可視及び/又はIR光に感応する。
検出装置内の糸の位置に応じて、位置センサ信号は変化する。糸の太さ又は毛羽数の変化によっても同様の変化が観察される。(かつ、これを太さ及び/又は毛羽数の判定に利用できる)したがって、糸の実際の状態及び位置が位置信号と、可視及びIRスペクトルにおける反射信号との組合せから推測される。異なる状態のこのような推測又は識別は以下の原理に基づくものである。
・糸1が存在しない場合は、位置検出器24は、下記で位置信号値100によって示される最大光度を受光する。
・糸1が通常の位置で検出器スロット内にある場合は、糸1は検出器24に入る光を妨害し、したがってより少ない光しか受光されない。位置センサの値は約100−k(k>0)である。可視及びIRスペクトルにおける反射信号は、b及びcでそれぞれ示される公称値もしくは基準値を示す。
・位置信号値100−k’及び100−k”に対応して、より太い糸1では位置検出器24によってさらに少ない光が、より細い糸ではより多くの光がそれぞれ受光され、例えばk’=2kであり、またk”=k/2である。太い糸では反射信号は例えば公称値の2倍に増大し、細い糸では2分の一に減少する。実際の環境に応じて、太い糸又は細い糸を規定するために2以外の係数を選択してもよい。
・糸1が位置検出器24のより近傍に移動すると、陰影は例えば位置信号値100−j(j<k)で薄くなる。反射信号は例えばb’及びc’の値にそれぞれ減少する(b’<b、c’<c)。
・糸1が位置検出器24から離れて光源に向かって移動すると、より多くの光が遮断され、位置信号は例えば100−lになる(l>k)。反射信号は例えばb”及びc”の値にそれぞれ増大する(b”>b)及び(c”>c)。
・糸が目標位置から横方向にスロットの外に移動すると、糸が光度のより低い光を遮断する。したがって、位置信号は例えば100−mになる(m<k)。可視検出器とIR検出器との配置は非対称であるため、それらのうちの一方の反射信号は、可視検出器では例えば約2bの値に増大し、他方の反射信号は、IR検出器ではc/2に減少する。この場合も、2以外の係数が適当であることがある。結局、糸1が検出ゾーンから出ると位置信号は糸が存在しない状態に対応して100になる。
・糸1が横方向にスロット内に移動した場合も同様に、位置信号は基準値100−nになる(n<k)。 しかし、可視及びIR反射信号の増減は上記の場合とは逆である。すなわち、可視信号は約b/2になり、IR信号は約2cになる。この場合も2以外の係数が適当であることがある。
・糸に螺旋状に巻きついた混入物は位置信号を変化させない。可視領域内の反射率は約xの値であり、IR領域では約yの値である。
上記の定数b、b’、b”、c、c’、c”、i、j、k、l、m、n、x及びyの実際値は検出器配置の正確な形態と、糸及び混入物の特性によって経験的に定められる。
以下の表は、上記のセンサ値の異なる組合せによって識別された異なる状態の概要を示している。第2、第3、第4列はそれぞれの状態に対応する位置センサ、可視センサ及びIRセンサの所定の基準値を示す。
Figure 0005058161
本発明の好ましい実施形態では、電子回路又はコンピュータプログラムが、各センサの測定値がそれぞれの基準値の所定の許容差内にあるか否かをチェックすることによって、これらの状態を識別する。このチェックは順次に、又は並行して又は決定木などを経て行われる。
本発明の好ましい実施形態では、第1の光源2は可視光を発光し、第2の光源3は赤外光を発光する。本発明の別の好ましい実施形態では、第2の光源3は紫外光を発光する。したがって、いずれの場合も、第2の光源3から発光される光は近可視スペクトル内にある。
図5は、コットン塊11内の混入物12を検出するために同じ配置の光源2、3及び検出器4、4’、5、5’が使用される本発明の別の実施形態を示している。このような配置は通常は紡績機の準備段にある。検出装置は材料流ダクト9を通って吹き込まれる材料の流れを観察する。流れは可視光と赤外光の双方を透過させるレンズ8をオプションで組み込んだウインドウを経て観察される。センサ配置4、4’、5、5’は全視野、すなわち材料流ダクト9の全断面積をカバーするように配置される。信号処理は移動するスレッド内の混入物を検出する場合と同様であるが、この場合は、コットン塊から混入材料12を識別する役割を果たす。
以下の図は可視光及び赤外光の検出の特徴及び利用を示す図面である。図6は、反射される可視光及びIR光を表す信号の、検査される糸の長さlに沿った例示的な軌跡を示している。ほとんどの時間、又は検査される糸1のほとんどの長さで、2つの検出器信号が平行に移動することが分かる。この動きは太さ、密度、変動、繊維分布、及び毛羽数の相違に対応している。長さ127と136との間で、検出される可視光は検出される赤外光に対して大幅に低下する。
図7は2つの信号の重み付け差分の例示的な軌跡を示す。糸偏差とも呼ばれる重み付け差分Dwは第2の検出器信号に対して正規化され、好ましくは、
Dw=((k*Sv)−Si)/Si
によって計算される。なお、Svは、例えば可視光検出器からの第1の検出器信号の値であり、Siは、例えばIR検出器からの第2の検出器信号の値であり、kは概して一定の重み係数である。
「概して一定の」とは、kの値が基本的に同じ値に留まり、例えば検出器信号の変化の時間定数よりも100倍又は1000倍も大きい時間定数で、検出器信号の値に対してのみゆっくりと変化することを意味している。重み係数kは、第1及び第2の検出器信号の長期平均LTAに基づいて例えば、
k=LTA(Si)/LTA(Sv)
ように適応させることができ、ただしLTAは例えば数秒又は数分あるいは数十分の時間窓にわたって、又は数メーター進行する糸の長さにわたって計算された平均値である。
あるいは、比率Rs=Sv/Siを計算し、そこから糸偏差Dw=(Rs−Ra)/Ra(ただしRa=1/k)、又はSv/Siの長期平均、すなわちRa=LTA(Sv/Si)を計算することによって糸偏差を計算してもよい。
図7に見られるように、重み係数もしくは糸偏差はある一定の帯域内に留まり、かつ2つの信号間の実質差が生ずる位置(長さ127と136との間)については、重み付け差分が前記帯域を超え、混入物の存在を示す。例えば、混入物を検出する所定の閾値をわずかなパーセンテージの値に設定してもよい。(前記の規定されたkのパーセント値はkに100を掛けることによって得られる。)
糸1を紫外光エミッタである第2の光源3(及び第4の光源23)で、例えば波長254nmから395nmで照射すると、ポリプロピレンのようなある種の混入物が蛍光を発し、UV光を可視光に変換する。
位置センサ信号は、例えば重み付け差分だけでは異なる状態を識別しない場合に以下のように利用される。位置信号は、それぞれのVIS/IR位置検出器24上の、
検出器によって受光される光量にほぼ比例する検出器信号自体であってもよく、
又は、検出器の表面上の糸1の影のサイズにほぼ比例する相補信号であってもよい。
本発明の好ましい実施形態では、混入物を振動する糸の状態から識別するために、位置検出器24の信号だけが使用される。重み付け差分が、例えば糸の振動による他の妨害に起因することもある、混入物の存在を示している場合は、位置信号が検査される。その変化が所定の閾値を超えると、その状態は混入物ではなく糸の振動であるものと分別される。そうでない場合は、混入物の存在が示され、糸1の対応部分が切断される。
第3の検出器信号の変化を検出するには、例えば、位置信号が長期平均のような概して一定の基準値と比較される。
図8のフローチャートは本発明のさらに別の好ましい変化形態による分別方法を示している。「start」と表記された初期ステップ100で処理が開始される。このステップの前に、検査される糸の種類の長期平均基準値が可視スペクトル(Yv)と赤外スペクトル(Yi)の双方で判定されているものと想定されている。そこから基準比Y=Yv/Yiが計算される。あるいは、比率Y=LTA(Sv/Si)の平均が計算される。
「inp」と表記された入力ステップ101では、VIS及びIR検出器の出力の同時サンプリングが行われる。観察される信号はSv及びSiである。
「V/I?」と表記された第1の比較ステップ102では、比率S=Sv/Siが計算され、基準比Yと比較される。偏差Dr=(Y−S)/Yの絶対値が所定の第1の閾値を超えた場合は、混入物が存在する可能性が示され、手順は、第2の計算ステップ103から始まるさらなるステップによる混入物の分別に進む。そうでない場合は、混入物がないことが示され、ステップ101でさらに別のサンプルセットが処理される。
「dV」と表記された第2の比較ステップ103では、SvのYvからの偏差Dvが計算される。好ましくは、DvはDv=(Yv−Sv)/YvであるようにYvに対して正規化される。偏差Dvの絶対値が所定の第2の閾値を超えた場合は、例えば毛や種皮のような可能性がある種類の混入物の存在が確認され、第3の計算ステップ104から始まるさらなるステップによりこれを確証する手順に進む。
「dI」と表記された第3の計算ステップ104では、SiのYiからの偏差Diが計算される。好ましくは、DiはDi=(Yi−Si)/YiであるようにYiに対して正規化される。偏差Diの絶対値が所定の第3の閾値を超えた場合は、ポリプロピレンのような別のセットの混入物の存在が確認され、第4の計算ステップ105によりこれを確証する手順に進む。
「dV/dI」と表記された第4の計算ステップ105では、比率Dv/Diが計算される。この値は異なる材料、すなわち糸及び混入材料の所定のスペクトル特性と比較され、それに従って混入物が分類される。
特定の混入物の存在を示すDrの値が、第1の閾値を超える所定の限度を超えた場合は、混入物が糸から切断されることになる。これは「cut」と表記されたステップ106で行われ、ステップ101からさらに別のサンプルセットが処理される。混入物と見なされた材料は分類され、糸から切断される。
閾値は実際の基準糸と混入材料とによって、かつ、さらに使用されるセンサの種類ならびにセンサのスペクトル感度曲線によって左右される。例えば、以下の表は異なる材料について可視及びIRスペクトルにおける反射光の光度の測定値を示している。
Figure 0005058161
混入された糸で各スペクトルにおいて観察される値は、混入物からの、及び基準からの値の加重合計として解析的に推測されることができ、混入物の重みは典型的には15%から50%の間である。それに従って上記のその他の特性値又は比率が計算される。これらの特性値及びそれらの確立分布が与えられると、異なる分類の混入物と個々の混入物とを識別するために閾値を判定することができる。
本発明を、本発明の現段階で好ましい実施形態で説明してきたが、本発明はそれに限定されるものではなく、請求項の範囲内でそれ以外にも多様に実施及び実現できることが明確に理解されよう。
第1のテスト機構を概略的に示す図である。 光源と検出器との配置を概略的に示す図である。 光源と検出器との別の配置を概略的に示す図である。 位置センサを使用したテスト配置を概略的に示す図である。 コットン塊の流れを観察するための配置を示す図である。 反射された可視光及びIR光を示す信号の例示的軌跡を示す図である。 重み付け差分信号の例示的奇跡を示す図である。 本発明の好ましい実施形態による分類方法を示す図である。
符号の説明
1…糸
2…第1の光源
3…第2の光源
4…第1の検出器
4’…第1の検出器
5…第2の検出器
5’…第2の検出器
6…駆動回路
7…信号処理部
8…レンズ
9…材料流ダクト
10…第1対の検出器
11…コットン塊
12…混入物
24…第3の検出器、位置検出器

Claims (14)

  1. 繊維材、糸(1)のような撚り状態の材料の中の異物、又は繊維材の断片の流れ(11)の中の異物を検出する装置であって、
    可視光を発光する第1の光源(2)と、
    赤外スペクトルで放射光を発光する第2の光源(3)と、
    前記繊維材から反射した可視光に感応し、対応する第1の検出器信号を生成するように構成された第1の検出器(4)と、
    前記繊維材から反射した赤外スペクトルにおける放射光に感応し、対応する第2の検出器信号を生成するように構成された第2の検出器(5)と
    を備え、
    前記光源(2、3)並びに前記第1及び第2の検出器(4、5)が前記繊維材の同じ部分を照射し且つ捉えるように配置されており、
    当該装置が、
    所定の基準比をYとした場合、赤外光検出器(5)のサンプル値Siに対する可視光検出器(4)のサンプル値Svの比S(=Sv/Si)の偏差Dr(=(Y−S)/Y)であって、2つの検出器信号の重み付け差分Dw(=((k*Sv)−Si)/Si)(ただし、kは重み係数)に対応する前記偏差を判定し、前記偏差の絶対値が閾値を越えた場合は混入物の存在の可能性を示すように構成されている信号処理部(7)であり、
    混入物が存在し、除去されるべきか否かを判定するために、下記の数量、
    ・所定の基準値Yvからの前記可視光の値Svの偏差
    ・所定の基準値Yiからの前記赤外光の値Siの偏差
    ・前記所定の基準値Yvからの前記可視光の値Svの偏差と前記所定の基準値Yiからの前記赤外光の値Siの偏差の比
    の少なくとも1つを利用するように構成された、前記信号処理部(7)を備えている、装置。
  2. 前記第2の光源(3)が赤外光源である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1及び第2の光源(2、3)が同一であり、複合光源を形成している、請求項1に記載の装置。
  4. 前記繊維材が糸(1)であり、
    当該装置がさらに、前記糸(1)に対して前記対応する光源(2、3)とは反対側に配置された、位置検出器としての少なくとも1つの第3の検出器(24)を備え、
    前記信号処理部(7)が、混入物の存在を示す前記第3の検出器(24)からの信号を利用するように構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記処理部(7)が、位置信号の変化が所定の閾値を超えない場合に限って混入物の存在を示すように構成されている、請求項に記載の装置。
  6. 繊維材の断片(11)の流れ、又はコットン塊(11)の流れの中の異物(12)を検出するように配置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記第1及び第2の検出器信号の長期平均に応じて前記重み係数kを適応させるように構成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
  8. 繊維材、撚り状態の繊維材中の異物又は繊維材の断片の流れ中(11)の異物を検出する方法であって、
    前記繊維材の部分に向けて可視光を発光するステップと、
    前記繊維材の同じ部分に向けて赤外スペクトルで放射光を発光するステップと、
    前記繊維材から反射した可視光を検出し、対応する第1の検出器信号を生成するステップと、
    前記繊維材から反射した赤外スペクトルにおける放射光を検出し、対応する第2の検出器信号を生成するステップと、
    所定の基準比をYとした場合、赤外光検出器(5)のサンプル値Siに対する可視光検出器(4)のサンプル値Svの比S(=Sv/Si)の偏差Dr(=(Y−S)/Y)であって、2つの検出器信号の重み付け差分Dw(=((k*Sv)−Si)/Si)(ただし、kは重み係数)に対応する前記偏差を判定し、前記偏差の絶対値が閾値を越えた場合は混入物の存在の可能性を示すステップと、
    混入物が存在し、除去されるべきか否かを判定するために、下記の数量、
    ・所定の基準値Yvからの前記可視光の値Svの偏差
    ・所定の基準値Yiからの前記赤外光の値Siの偏差
    ・前記所定の基準値Yvからの前記可視光の値Svの偏差と前記所定の基準値Yiからの前記赤外光の値Siの偏差の比
    の少なくとも1つを利用するステップと
    を含む方法。
  9. 糸(1)の中に混入物が存在することを示すために第3の検出器(24)からの位置信号を利用するステップを含み、
    前記第3の検出器(24)が、前記糸(1)に対して前記光源(2、3)の反対側に配置されている、請求項に記載の方法。
  10. 混入物の種類を分類するためにいずれかの混入物内のSv及びSiの値を利用するステップを含む、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記2つのスペクトル信号の比Sv/Siを判定し、前記Sv/Si比の瞬間値を所定の最小閾限度値と比較し、前記信号が所定時間にわたって前記限度を超える場合は混入物の存在を示すステップと、
    所定の基準値Yvからの前記可視スペクトルにおける前記スペクトル信号Svの偏差を計算し、前記偏差が所定の限度を超える場合は第一等級の混入物の存在を示すステップと、
    所定の基準値Yiからの前記赤外スペクトルにおける前記スペクトル信号Siの偏差を計算し、前記偏差が所定の限度を超える場合は第二等級の混入物の存在を示すステップと、
    前記2つの偏差の比を計算し、さらにこの比に従って混入物の種類を分類するステップと
    を含む請求項10に記載の方法。
  12. 混入物は基本繊維材と同じ色の混入物である、請求項11に記載の方法。
  13. 繊維材の断片(11)の流れ、又はコットン塊(11)の流れの中の異物(12)を検出するために使用される請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 混入物はポリプロピレンである、請求項12に記載の方法。
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