JP5057300B2 - セラミックス粉末の製造方法 - Google Patents
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主成分の誘電体層と電極層とが交互に積層された構造を有しており、サーミスタ、抵抗体等の誘電材料;圧電材料;半導体;その他各種電子材料の原料として幅広く使用されている。
法、TiCl4、BaCl2、及びシュウ酸の反応により沈殿物としてBaTiO(C2O4)・4H2Oを得、熱分解するシュウ酸塩法、水酸化バリウムと水酸化チタンの混合物と
を水熱処理しその反応物を仮焼する水熱合成法、バリウムアルコキシドとチタンアルコキシドとの混合溶液を加水分解しその加水分解物を仮焼するアルコキシド法、水酸化バリウム水溶液にチタンアルコキシドを加え得られた反応物を仮焼する水酸化物−アルコキシド法、その他噴霧熱分解法、ゾルゲル法等が提案され、用いられている。
いに注意が必要であること等の不都合がある。
許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。TiO2の粒子表面がBa2+イオンと反
応しながらBaTiO3を生成し、最終的にTiO2粒子がBaTiO3粒子となる。従っ
て、この反応では、Ba2+イオンがTiO2粒子の内部に拡散する必要がある。
分が未反応物として残留しやすくなることから、150℃以上の高温で24時間以上の長時間で水熱合成を行う必要があるという問題があった。
にはTiO2粒子が小さい方が反応に有利であることに鑑みて、原料のTiO2粒子として数ナノメーターから数十ナノメーターのナノ粒子を用いているが、ナノ粒子は凝集性が高いために、ハンドリング性に劣るとともに、ナノ粒子は価格が高く、製造コスト上からも問題があった。従って、比較的安価なサブミクロンサイズ以上のTiO2粒子粉末を用い
て、チタン酸バリウムを低温かつ短時間の条件で合成することができればコンデンサー製造コストの削減だけでなく、製造エネルギーの低減にも繋がることになる。
行いながら水熱合成反応を行うことにより、低温かつ短時間の条件で、でチタン酸バリウムを製造する方法である。合成・製造されるチタン酸バリウムは、高純度で、一次粒子径が10〜30nmのナノ粒子が生成され、乾燥後その一次粒子は均一径の凝集粒子になる。
aCr2O3系粉末等の酸化物セラミックス粉末;窒化アルミニウム(AlN)系粉末等の非酸化物セラミックス粉末等を挙げることができる。以下、説明の便宜上、原料として、チタン酸バリウム及びTiO2粉末を用いてチタン酸バリウム系粉末を製造する場合を例
に採って具体的に説明するが、本発明はチタン酸バリウム系粉末の製造に限定されるものではない。
し容器が破損しない、容器回転時に破損しない、加熱時に圧力が掛かることによって破損しない、合成物と容器とが反応しない、溶媒によって容器が侵されない等の条件)を満たすものであれば、上述の構成のものに限定されるものではない。なお、図1において、符号5は反応溶液、符号Bは回転軸棒、符号cはヒーターをそれぞれ示す。
て不純物として影響するものでなければ特に制限はないが、例えば、直径1〜10mmのZrO2ボールを好適例として挙げることができる。
00nm以下のナノ粒子・粉末であっても、サブミクロンサイズ以上の粒子・粉末であっても用いることができる。
水溶液とTiO2粉末との混合液を、ボールミルAに準備する。この原料溶液におけるB
aとTiとの比はBa成分を僅かながら多く混合することが好ましい。具体的には、Ba:Tiは、1:1〜1.6:1とすることが好ましく、1.1〜1.5:1とすることがさらに好ましい。これは水酸化バリウムを溶解する際、溶媒に溶け込んだCO2と反応し
僅かながら炭酸バリウムが生成するためと、水溶液のpHを高pHにすることで生成されるチタン酸バリウムの分解、すなわち、バリウム成分の溶出による未反応、組成変化を少なくするためである。
iO2粒子等の組み合わせが可能であり、BaとTiの比が1.1〜1.5:1の組み合
わせで、合成後、チタン酸バリウム粉末を得ることができるのであれば、バリウム成分の原料は限定されるものではないことを意味する。
ールミルAに入れ、さらに粉砕ボール3を入れ、回転軸棒Bで回転させて解砕・粉砕しながら、水熱合成を行うことによってナノサイズのチタン酸バリウム粒子の凝集粒子を得ることができる。原料粉末のTiO2粒子径にもよるが、その粒度分布幅は0.07〜0.
2μm程度で均一径の凝集粒子となる。これは、粉砕混合用ボールを入れないで攪拌のみで水熱反応した場合も同じで、本実施の形態でナノサイズの粒子が凝集した粉末を得ることができる(図2(a)〜(d)参照)。
成されるBaTiO3層をボールによる解砕・粉砕効果によってBa2+とTiO2粒子の反応を促進することができる。
はBa2+イオンと反応し高純度のチタン酸バリウムを形成することを粉末X線回折から見出した(図3(a)、図4(a)、図5(a)参照)。一方、ボールミルによる解砕・粉砕を付加しなかった場合、200℃で8時間反応させても未反応のTiO2が残留するこ
とが認められた(図3(b)、図4(b)、図5(b))。すなわち、本実施の形態におけるように、ボールミルによる解砕・粉砕を付加した水熱合成を実施することで、低温かつ短時間の条件で高純度のチタン酸バリウムを提供することができる。
耐え得る材質のボールを用いることが好ましい。
D=k×λ/(βcosθ)
D:結晶粒子サイズ、k:シェーラー定数、λ:波長、θ:XRDのピーク中央の角度
、β:半価幅
されるものより小さくなる。これは、水熱合成反応時のボールミルにおける粉砕ボールの衝突による解砕・粉砕効果、粒子同士の衝突による解砕・粉砕効果が現れたものである。
バリウム粉末を製造するためには、粉砕ボールを混入し、ボールミルによる解砕・粉砕と水熱合成とを同時に行うことが好ましい。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。サブミクロンサイズ
0.2μmのTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
にセットし反応容器とした。この反応容器を回転数150rpmで回転させながら昇温速度5℃/minで100℃まで加熱し、5分、2時間、5時間、8時間保持した後に冷却した。
によりチタン酸バリウムのみが生成できることを確認された(図3(a)参照)。さらにこのX線回折のピークの半価幅からシェーラーの式を用いて粒子径を見積もるとその粒子径は15nmでナノサイズの結晶粒子が合成されることが確認できた。さらに走査型電子顕微鏡(SEM)にて粉末形態を観察したところ、一次粒子が凝集した粉末として存在することが確認された(図2(a)参照)。その凝集粒子はほぼ合成時間5時間で150±40nm、8時間で 98±19nmのほぼ均一径の形態を有していた。反応時間すなわちボールミルによる解砕・粉砕時間が長くなると解砕・粉砕効果が現れ粉末径は小さくなる。
ることが可能である。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。サブミクロンサイズ
0.2μmのTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
とにより原料物質として使用したTiO2は残留せずチタン酸バリウムが合成されること
を確認できるが、不純物として炭酸バリウム(BaCO3)が生成された(図3(b)参
照)。さらにこのX線回折からシェーラーの式を用いて粒子径を見積もるとその粒子径は30nmでナノサイズの結晶粒子が合成されることが確認できた。また、走査型電子顕微鏡(SEM)にて粉末形態を観察したところ、一次粒子が凝集した粉末として存在することが確認された(図2(b)参照)。その凝集粒子は反応時間5時間で260±26nm、8時間で220±27nmmのほぼ均一径の形態を有していた。ボールミルによる解砕
・粉砕を付加しない場合、反応時間によって形成される凝集粉末の大きさに影響はない。
タン酸バリウムが形成させることが可能であるが、反応時間はボールミルによる解砕・粉砕を付加するよりも必要である。実施例1で示したように本発明で提供するボールミルによる解砕・粉砕を付加した水熱合成と比較すると、ボールミルによる解砕・粉砕を付加した水熱合成は、生成されるチタン酸バリウムの純度が高く、結晶粒子径も小さく、短時間で合成可能であり、さらに得られる凝集粉末の大きさはボールミルによる解砕・粉砕を付加しない場合よりも小さいことが示される。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。サブミクロンサイズ
0.2μmのTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
にセットし反応容器とした。この反応容器を、回転数150rpmで回転させながら昇温速度5℃/minで85、100、150、200℃まで加熱し、5h保持した後に冷却した。
は反応が促進されないことが確認できた。200℃ではジルコニア(ZrO2)のピーク
が現れジルコニアボールからZrO2が溶出し高純度のチタン酸バリウムが生成できない
ことが確認された。また、100℃、150℃では、原料物質のTiO2の回折ピークは
消えチタン酸バリウムが合成される(図4(a)参照)。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。サブミクロンサイズ
0.2μmのTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
ることが確認された(図4(b)参照)。
砕・粉砕を付加しないで反応容器を回転のみで行う水熱合成は、チタン酸バリウムが形成させることが可能であるが未反応物質としてTiO2粒子が残留する。すなわち、実施例
3で示したボールミルによる解砕・粉砕を付加した水熱合成によって、サブミクロンサイズのTiO2から純度の高いチタン酸バリウムを低温でかつ短時間で製造できる。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。ナノサイズ20nm
のTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
にセットし反応容器とした。この反応容器を、回転数150rpmで回転させながら昇温速度5℃/minで85、100、150、200℃まで加熱し、5h保持した後に冷却した。
によりチタン酸バリウムのみが生成できることを確認された(図5(a)参照)。さらにこのX線回折からシェーラーの式を用いて粒子径を見積もるとその粒子径は20nmでナノサイズのチタン酸バリウム結晶粒子が合成されることが確認できる。この粒子径は出発原料のTiO2粒子径と同じで、Ba2+イオンはナノサイズのTiO2粒子内部に拡散することによって反応が進むことが示唆される。さらに走査型電子顕微鏡(SEM)にて粉末形態を観察したところ、一次粒子が凝集した粉末として存在することが確認された(図2(c)参照)。ほぼ均一径の形態を有していた。その凝集粒子はほぼ合成時間5時間で149±32nm、8時間で119±18nmのほぼ均一径の形態を有していた。
ウムが合成できる。
80℃の蒸留水40mlに6g水酸化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)を加え溶解した。溶解後、僅かに生成されるBaCO3を濾過により除去した。ナノサイズ20nm
のTiO2粉末(1g)を水酸化バリウム溶液に加えた。
によりTiO2が反応し回折ピークがなくなることが確認された(図5(b)参照)。こ
のX線回折からシェーラーの式を用いて粒子径を見積もるとその粒子径は20nmでナノサイズのチタン酸バリウム結晶粒子が合成されることが確認できた。また、実施例5で示したようにボールミルによる解砕・粉砕を付加した水熱合成によって生成したチタン酸バリウムの粒径と同じであった。このことから粒子径は出発原料のTiO2粒子径と同じで
、Ba2+イオンはナノサイズのTiO2粒子内部に拡散することによって反応が進むこと
が示唆される。
れ反応が行われる。
ミルによる解砕・粉砕を付加する水熱合成は、ボールによる攪拌が強くなることから、Ba2+イオンのTiO2粒子への拡散が促進され反応時間が短時間でかつ低温でチタン酸バ
リウム粉末を製造できる。
2:ステンレス製外容器
3:粉砕ボール
4:セラミックス粉末原料
5:反応溶液A:ボールミル
B:回転軸棒
C:ヒーター
Claims (1)
- モル比でBa:Ti=1:1〜1.6:1となるように混合された水酸化バリウム(Ba(OH)2)水溶液と粒径がサブミクロンサイズ(100nm)以上である二酸化チタン(TiO2)粉末との混合物を含むセラミックス粉末原料を、直径1〜10mmのZrO2ボールを粉砕ボールとして用いるボールミルにより解砕・粉砕しながら合成時間として5時間以下の短時間で、かつ合成温度として100〜150℃の低温(但し、130〜150℃を除く)にて水熱合成を行って、粒径10〜30nmのチタン酸バリウム粉末を得ることを特徴とするセラミックス粉末の製造方法。
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