以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としての4サイクル方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、上記画像形成装置としては、プリンタに限定されるものではなく、画像読取装置を備えた複写機やファクシミリ、あるいはこれらの機能を兼ね備えた複合機等であっても良いことは勿論である。
図2において、1はフルカラープリンタの本体を示すものであり、このフルカラープリンタ本体1の内部には、略中央の上方に、像担持体としての感光体ドラム2が配設されている。この感光体ドラム2としては、例えば、表面にOPC等よりなる感光体層が被覆された直径が約47mmの導電性円筒体からなるものが用いられ、図示しない駆動手段により、矢印方向に沿って約160mm/secのプロセススピードで回転駆動されるように構成されている。このフルカラープリンタは、プロセススピードが約160mm/secと、同様の機種においては、比較的速く設定されており、生産性の高いものとなっている。なお、上記フルカラープリンタのプロセススピードは、例えば、白黒モードの場合などには、160mm/secよりも速くなるように設定しても勿論良い。
上記感光体ドラム2の表面は、当該感光体ドラム2の真下近傍に配置された帯電手段としての帯電ロール3によって所定の電位に一様に帯電された後、これ又感光体ドラム2直下の離れた位置に配置された画像露光手段としてのROS(Raster Output Scanner)4によってレーザービーム(LB)が照射され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム2上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器5Y、5M、5C、5Kを周方向に沿って配置したロータリー式の現像装置5によって現像され、所定の色のトナー像となる。なお、上記各色の現像器5Y、5M、5C、5Kでは、例えば、二成分系の現像方式が採用され、マイナス極性に帯電されたトナーが用いられているが、一成分系の現像方式を採用しても勿論良い。
上記回転式の現像装置5は、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器5Y、5M、5C、5Kが、回転軸51を中心にして回転する回転フレーム52の周方向に沿って互いに90度の角度を成すように装着されている。また、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器5Y、5M、5C、5Kは、前記回転フレーム52の回転位置を、当該回転フレーム52に設けられた図示しないスリットの位置によって検出して制御することにより、各現像器5Y、5M、5C、5Kの開口部に設けられた現像ロール53を、感光体ドラム2と対向する現像位置に停止させ、感光体ドラム2上に形成された静電潜像を所望の色のトナーによって現像するように構成されている。
さらに、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の二成分現像方式を採用した各現像器5Y、5M、5C、5Kには、当該各現像器5Y、5M、5C、5Kに隣接するように、図示しないトナーカートリッジが装着されており、当該トナーカートリッジから対応する現像器5Y、5M、5C、5Kにトナーや必要に応じてキャリアを含む現像剤を所定のタイミングで適宜供給することによって、各現像器5Y、5M、5C、5K内のトナー濃度を調整することが可能となっている。
上記感光体ドラム2の表面には、形成する画像の色に応じて、帯電・露光・現像の各工程が、所定回数だけ繰り返される。上記回転式の現像装置5は、対応する色の現像器5Y、5M、5C、5Kの現像ロール53が、感光体ドラム2と対向する現像位置に移動する。例えば、フルカラーの画像を形成する場合、感光体ドラム2の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して合計4回繰り返され、当該感光体ドラム2の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が順次形成される。上記トナー像が形成されるにあたって感光体ドラム2が回転する回数は、画像のサイズに応じて異なるが、例えば、A3サイズであれば、感光体ドラム2が約4回転することによって、1つの画像が形成される。つまり、感光体ドラム2の表面には、感光体ドラム2が約4回転するごとに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が順次形成される。
上記感光体ドラム2上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、感光体ドラム2の外周に中間転写体としての中間転写ベルト6の一部が巻き付けられた一次転写ニップ部N1において、当該中間転写ベルト6上に互いに重ね合わされた状態で、所定の転写バイアスが印加される一次転写ロール7によって順次一次転写される。この中間転写ベルト6上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像は、プラスバイアスが印加される二次転写ロール8によって、所定のタイミングで給紙される記録媒体としての記録用紙9上に二次転写位置N2において一括して二次転写される。記録用紙9は、フルカラープリンタ本体1の下部に配置された給紙カセット10から、フィードロール11によって送り出されるとともに、当該フィードロール11及びリタードロール12によって1枚ずつ捌かれた状態で給紙され、搬送ロール13を備えた用紙搬送路14を介して、レジストロール15によって中間転写ベルト6上に転写されたトナー像と同期した状態で、中間転写ベルト6の二次転写位置N2へと搬送される。
また、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム2の表面は、当該感光体ドラム2が1回転する毎に、感光体ドラム2の斜め下方に配置されたクリーニング手段としてのクリーニング装置16のクリーニングブレード17によって、残留トナーなどが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
ところで、クリーニング装置16のクリーニングブレード17によって除去された転写残トナーは、当該クリーニング装置16と一体的に構成された回収容器35の内部に収容された状態で回収されるように構成されている。この回収容器35は、図2に示すように、装置の大型化を回避しつつ、可能な限り容積が大きく設定されており、感光体ドラム2の寿命と略等しいか、又は感光体ドラム2の寿命よりも長い交換時期となるように設定されており、必要に応じて、感光体ドラム2を含む交換ユニットと一体的に交換されるようになっている。
上記中間転写ベルト6は、複数のロールによって張架されており、所定のプロセススピード(約160mm/sec)で循環移動するように、感光体ドラム2の回転に伴って従動される。中間転写ベルト6は、クロロプレンゴムやEPDM等のゴム材料からなる弾性体によって伸縮可能な無端ベルト状に形成されている。この中間転写ベルト6は、感光体ドラム2における回動方向の上流側にて中間転写ベルト6のラップ位置を特定するラップインロール18と、感光体ドラム2上に形成されたトナー像を中間転写ベルト6上に転写する一次転写ロール7と、ラップ位置の下流側にて中間転写ベルト6のラップ位置を特定するラップアウトロール19と、アイドラーロール20と、二次転写ロール8に中間転写ベルト6を介して当接するバックアップロール21と、中間転写ベルト6のクリーニング装置22に対向する第1のクリーニングバックアップロール23と、第2のクリーニングバックアップロール24とによって、所定の張力で張架されている。
なお、中間転写ベルト6は、弾性体ではなく、ポリイミド等の合成樹脂フィルムによって形成され、一次転写ロール7のみによって感光体ドラム2の表面に接触するように構成しても良い。
また、上記中間転写ベルト6は、上記の如く、複数のロール7、18〜21、23、24によって張架されているが、この実施の形態では、その外周が描く形状が略直角三角形状となるように配設されており、感光体ドラム2の一次転写ニップ部N1は、当該略直角三角形状となるように配設された中間転写ベルト6の斜辺に相当する部分であって、中間転写ベルト6移動方向に沿った1つの頂点寄りに設定されている。
更に説明すると、上記中間転写ベルト6は、図2及び図3に示すように、バックアップロール21に張架された部分が、略直角(約90〜100度)をなすように、当該バックアップロール21と、アイドラーロール20と、第1のクリーニングバックアップロール23とによって、その外周が描く形状が略直角三角形状となるように配設されている。また、上記中間転写ベルト6は、感光体ドラム2によって反時計周り方向に循環移動するように従動される。そして、上記中間転写ベルト6は、感光体ドラム2の一次転写ニップ部N1が、当該略直角三角形状となるように配設された中間転写ベルト6の斜辺に相当する部分であって、中間転写ベルト6移動方向に沿った第1のクリーニングバックアップロール23寄りに設定されている。
さらに、この実施の形態では、図2に示すように、フルカラープリンタの全体が可能な限り小型化されているが、フルカラープリンタ本体1の大きなスペースを回転式の現像装置5が占めている。そのため、上記フルカラープリンタ本体1は、装置の小型化を達成しつつ、中間転写ベルト6や回転式の現像装置5などのメンテナンス性を向上させるように設計されている。具体的に、上記中間転写ベルト6は、感光体ドラム2や帯電ロール3、あるいは回収容器35などを含めて、一体的にプロセスカートリッジ25を構成しており、フルカラープリンタ本体1の上部カバーおよび図2右側に位置するカバーを開くことによって、プロセスカートリッジ25の全体がフルカラープリンタ本体1に着脱自在となるように構成されている。また、上記中間転写ベルト6のアイドラーロール20の上流には、図3に示すように、被検出媒体としての中間転写ベルト6上に形成された濃度検出用パターンとしてトナーのテストパッチの濃度を検出する反射型フォトセンサからなる濃度検出手段としての自動濃度検出(ADC)センサ26が配設されている。
また、上記中間転写ベルト6のクリーニング装置22は、図2に示すように、第1のクリーニングバックアップロール23によって張架された中間転写ベルト6の表面に当接するように配置されたスクレーパー27と、第2のクリーニングバックアップロール24によって張架された中間転写ベルト6の表面に接触するように配置されたトナー帯電部材としてのトナー帯電ブラシ28とを備えている。
上記スクレーパー27は、中間転写ベルト6上に残留した転写残トナーを掻き取ることによって除去するものであり、図3に示すように、アングル27bに固着されたアルミニウム等の金属からなる薄い(例えば、厚さ70μm)板状部材27bによって構成されているが、当該スクレーパー27は、中間転写ベルト6の移動に対して大きな抵抗とならないように、弱い力(食い込み量1mm程度)で当接されている。
また、上記トナー帯電ブラシ28は、中間転写ベルト6上に残留した転写残トナーを掻き取るものではなく、プラスバイアスが印加される導電性繊維を密に植毛したブラシからなり、中間転写ベルト6上に残留した転写残トナーを、本来の帯電極性であるマイナス極性と逆極性のプラス極性に帯電するためのものである。そして、このトナー帯電ブラシ28は、中間転写ベルト6上に残留した転写残トナーが、感光体ドラム2の一次転写ニップ部N1に移動した際に、中間転写ベルト6から感光体ドラム2上に転写残トナーを静電的に移動させ、当該感光体ドラム2上に移動した転写残トナーを、図2に示すように、感光体ドラム2用のクリーニング装置16で除去することによって、中間転写ベルト6をクリーニングするものである。
上記トナー帯電ブラシ28には、図示しないバイアス電源によってプラスのバイアス電圧が印加されるように構成されているとともに、当該トナー帯電ブラシ28は、中間転写ベルト6と同方向又は逆方向に駆動されるように構成されている。
なお、上記クリーニング装置22は、図示しない揺動軸を中心にして、スクレーパー27及びトナー帯電ブラシ28が、図中反時計周り方向に揺動可能に配置されており、最終色のトナー像の露光が終了するまでは、スクレーパー27及びトナー帯電ブラシ28が、中間転写ベルト6の表面から離間した位置に退避しているとともに、最終色のトナー像の露光が終了すると、二次転写残トナーが通過する前の所定のタイミングで中間転写ベルト6の表面に当接するように構成されている。
また、上記トナー帯電ブラシ28で例えば正極性に帯電された中間転写ベルト6上の転写残トナーは、一次転写ロール7によって感光体ドラム2上に転写され、クリーニングブレード17によって除去される。その際、スクレーパー27を設けることなく、中間転写ベルト6上の転写残トナーは、すべてトナー帯電ブラシ28によって例えば正極性に帯電し、一次転写ロール7によって感光体ドラム2上に転写され、クリーニングブレード17によって除去されるように構成しても良い。
また、上記二次転写ロール8も、中間転写ベルト6の表面に所定のタイミングで接離するように構成されている。
さらに、上記中間転写ベルト6からトナー像が転写された転写用紙9は、図2に示すように、プリンタ本体1の右端の上部に配置された定着装置30へと搬送され、この定着装置30によって熱及び圧力でトナー像が転写用紙9上に定着され、排出ロール31によってプリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ32上にそのまま排出される。
また、上記転写用紙9の両面に画像を形成する両面印字モードの場合には、図2に示すように、片面に画像が形成された転写用紙9を、排出ロール31によって排出トレイ32上にそのまま排出せずに、当該転写用紙9の後端を排出ロール31が挟持している間に、排出ロール31を逆転させるとともに、転写用紙9の搬送経路を図示しない切替えゲートを介して、両面用の用紙搬送路33へと切替え、この両面用の用紙搬送路33を介して、片面に画像が形成された転写用紙9を、表裏を反転した状態で再度レジストロール15へと搬送し、転写用紙9の裏面に画像を形成するようになっている。
このように、上記プリンタは、印字モードとして、片面印字モードと、両面印字モードとを備えている。
ところで、この実施の形態では、画像データに応じたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写した後、当該像担持体上に残留した転写残トナーを回収する廃トナー回収容器と、前記廃トナー回収容器に回収した廃トナーの回収量を、前記画像データの画素数を計数して累積した累積画素数に基づいて算出する回収量算出手段と、前記トナーが純正トナーか純正トナー以外のトナーかを識別する識別手段と、前記識別手段によって前記トナーが純正トナー以外のトナーであることが識別された場合、前記回収量算出手段によって算出される廃トナーの回収量を補正する補正手段とを備えるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記補正手段は、前記廃トナー回収容器に回収した廃トナーの回収量を、前記画像データの画素数を計数して累積した累積画素数に、前記像担持体上に形成されるトナー像の種類に応じた基本係数と、環境条件に応じた第1の微調整係数と、転写材の種類に応じた第2の微調整係数と、印字モードに応じた第3の微調整係数を用いて補正するように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、図2に示すように、感光体ドラム2上に形成されたトナー像を中間転写ベルト6を介して、転写材としての転写用紙9に転写した後、当該感光体ドラム2上に残留した転写残トナーを、クリーニング装置16で除去することによって、廃トナー回収容器35内に回収するように構成されている。
その際、上記廃トナー回収容器35内に回収される転写残トナーは、基本的に、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト6に転写されずに、感光体ドラム2上に残留したトナーであるため、当該廃トナー回収容器35に回収される廃トナーの回収量は、トナー像のトナー量が多ければ多く、トナー像のトナー量が少なければ少なく、つまりトナー像を形成するための画像データの画素数(ピクセル数)によって決まることになる。
なお、上記感光体ドラム2上に形成されるトナー像は、白黒の画像などの場合には、2値の画像データによって形成されるため、画像データの画素数(ピクセル数)は、2値の画像データ(0か255)そのものとなる。
また、上記感光体ドラム2上に形成されるトナー像は、フルカラーの画像などの場合には、多値(例えば、0〜255までの256階調)の画像データによって形成されるため、画像データの画素数(ピクセル数)は、多値の画像データ(0〜255)を色毎に加算したものとなる。
さらに、上記廃トナー回収容器35内に回収される転写残トナーは、中間転写ベルト6に転写されずに、感光体ドラム2上に残留したトナーであるため、感光体ドラム2から中間転写ベルト6への転写効率に依存することになる。転写効率が100%であれば、感光体ドラム2上に残留する転写残トナーは、ゼロとなるが、実際のマシンの転写効率は、100%ではなく、種々の要因によって変動する。
トナー像の転写効率を決定する要因としては、後述するように、種々の要因が挙げられるが、プリンタで使用するトナーが、純正のトナーか純正以外のトナーかによって、極端に(例えば、2〜5倍程度)異なる。
上記プリンタでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーを収容した4つのトナーカートリッジが、回転式の現像装置5に装着され、当該各トナーカートリッジから対応する色の現像器5Y、5M、5C、5Kにトナーが供給されるように構成されている。
そこで、上記トナーカートリッジ100は、純正トナーを収容した純正品のトナーカートリッジか、純正トナー以外のトナーを収容した純正品以外のトナーカートリッジかを識別する識別手段を備えている。
このトナーカートリッジ100は、図4に示すように、トナーカートリッジ本体101と、当該トナーカートリッジ本体101の長手方向の一端部に設けられた回動部102とを備えている。上記トナーカートリッジ本体101は、筒状に形成されており、その内部に設けられるトナー収容部103には、トナー又はトナーにキャリアを混合した現像剤が収容されている。また、トナーカートリッジ本体101の内部には、収容されたトナー等を攪拌しつつ、トナー供給口104から現像器5へとトナー等を供給する攪拌搬送部材105が回転自在に配設されている。
また、上記回動部102の内部には、現像器5から回収された使用済の現像剤を回収する現像剤回収部106が設けられている。さらに、回動部102には、その端部にトナーカートリッジ100が純正品か否かを識別する識別手段としてのメモリチップ110が取り付けられており、このメモリチップ110は、アンテナ111を介してプリンタ本体1側と無線通信を行うことによって、トナーカートリッジ100に関するデータ等をプリンタ本体1側で読み出し可能となっている。
プリンタ本体1側の無線通信部120は、図5に示すように、送受信制御部121と、変調回路122と、送信回路123と、受信回路124と、復調回路125と、アンテナ126とから構成されている。送受信制御部121は、無線通信部120の各構成部分の動作を制御するためのものである。そして、送受信制御部121は、制御部200から入力されるデータを、変調回路122に対して出力する。また、送受信制御部121は、受信回路124により受信され、復調回路125により復調されたデータを、制御部200に対して出力する。変調回路122は、送受信制御部121から入力されるデータを変調し、送信回路123に対して出力する。送信回路123は、メモリチップ110に記憶させるデータ及びクロック信号などを含む電波信号を、アンテナ126を介して、メモリチップ110に対して出力する。受信回路124は、メモリチップ110から送信される信号をアンテナ126を介して受信し、復調回路125に対して出力する。復調回路125は、受信回路124から入力される信号の変化から、メモリチップ110から送信したデータを復調し、送受信回路121に対して出力する。
また、上記メモリチップ120としては、RFID技術を適用したICチップなどが用いられる。メモリチップ120に内蔵されたNVMには、図6に示すように、ユニット情報領域131及びユニット側更新領域132などが設けられている。ユニット情報領域131には、機種を示す機種コード133、仕様を設定された国を示す国コード134、ユニット固有の製造番号135、製造年月日136、ユニットの寿命を示す寿命しきい値137、及び、プロセス制御のためのプロセスパラメータ138などが記憶されている。また、ユニット側更新領域132には、トナーカートリッジ100の使用開始から現在までの使用量を示すライフカウント値139、寿命しきい値に記憶されている寿命しきい値に到達した回数を示す寿命しきい値到達回数140及び関連履歴情報141などが記憶されている。なお、関連履歴情報141は、例えば像担持体2の回転数など、トナーカートリッジ100の状況を把握するために利用可能な関連情報の履歴が含まれる。
そして、プリンタ本体1側のCPU200は、メモリチップ110のNVMに記憶されたユニット固有の製造番号135等を読み出すことによって、トナーカートリッジ110が純製品か否かを識別するようになっている。
また、本発明者らは、感光体ドラム2から中間転写ベルト6へトナー像を転写する際に、転写効率が如何なる要因によって変動するかを鋭意研究するとともに、各変動要因の寄与率を求める実験を行った。
上記感光体ドラム2から中間転写ベルト6へトナー像を転写する際の転写効率を決定する要因としては、上述したトナー像の画素数以外に、温度や湿度等の環境条件、転写材9が普通紙か厚紙かOHPシートかなどの転写材9の種類、片面印字か両面印字かの印字モード、転写材9のサイズ、プリンタのマシン毎の差、ベタの画像かハーフトーン(H/T)画像かなどのトナー像の画像構造、トナー像が1層か2層かなどのトナー層厚、これらの各要因の掛け合わせ、及び実験間毎の誤差など、様々なものが挙げられる。
また、上記転写効率を決定する要因の寄与率としては、図7に示すように、実験条件を種々変化させて実験を行った結果、図8に示すように、片面印字か両面印字かの印字モードの寄与率が最も大きく、約44.3%、次に環境条件の寄与率が大きく、約26.6%、その次に転写材9の種類の寄与率が大きく、約6.6%、その次にトナー層の層厚の寄与率が大きく、約6.5%、プリンタのマシン毎の差の寄与率も、約5%ほどであった。
このように、上記転写効率を決定する要因の寄与率としては、図8に示すように、第1に印字モード、第2に環境条件、第3に転写材の種類を挙げることができ、これら3つの変動要因で寄与率の合計が約77%であり、統計学上、略8割近い確かさで転写効率の変動を推定することができることがわかった。
次に、本発明者らは、転写効率を決定する要因の寄与率の評価が、実際と一致しているか否かを確認するため、図2に示すようなプリンタを試作し、図9に示すように、実験条件を変化させて、転写残トナーの回収重量を求める確認実験を行った。
図10及び図11は上記確認実験の結果を示すものである。
これらの図10及び図11から明らかなように、有意な因子すべてで推定した結果と、制御上必要とされる因子だけで推定した結果ともに、実測値と略一致しており、精度良く転写残トナーの回収重量を推定することができることがわかった。
そこで、この実施の形態では、廃トナー回収容器35に回収した廃トナーの回収量を、前記画像データの画素数(ピクセル数)を計数して累積した累積画素数に、前記感光体ドラム2上に形成されるトナー像の種類に応じた基本係数と、環境条件に応じた第1の微調整係数と、転写材の種類に応じた第2の微調整係数と、印字モードに応じた第3の微調整係数を用いて算出する回収量算出手段を備えるように構成している。
ここで、感光体ドラム2上に形成されるトナー像の種類とは、通常の画像、つまり、感光体ドラム2上にトナー像を形成し、当該トナー像を中間転写ベルト6を介して転写材9上に転写定着する画像であるか、あるいは通常の画像であったが、給紙系の紙詰まり等によって、転写材9上に転写定着されなかったジャムが発生した画像であるか、又はプロセスコントロール用のパッチ画像であるか否かが挙げられる。なお、ジャムが発生した画像の場合には、中間転写ベルト6上にトナー像が残留することになるが、本実施の形態では、中間転写ベルト6上に残留したトナー像を、ブラシ28で逆極性に帯電して、感光体ドラム2上に再転写し、感光体ドラム2上からクリーニング装置16で除去するように構成されているため、結果的に、転写残トナーと同様に、廃トナー回収容器35内に回収されることになる。
なお、通常の画像であるか、ジャムが発生した画像であるかは、プリント動作の途中には判別できない場合もあるが、本実施の形態は、廃トナー回収容器35の満杯を判別するものであるため、プリント動作の終了後に、通常の画像であるか、ジャムが発生した画像であるかを判別して処理すれば良い。
図1は上記の如く構成されるフルカラープリンタの制御回路を示すブロック図である。
図1において、200はプリンタの動作を制御する制御手段であって、回収量算出手段及び補正手段としての機能を兼ね備えたCPUを、201はプリント枚数や転写材9の種類やサイズ、あるいは片面印字か両面印字かの印字モード等を指定するユーザーインターフェースを、202はCPU200が実行するプログラムやパラメーター等を記憶するROMを、203はCPU200が使用するテーブル等を記憶するRAMを、204はプリントを行う画像データを、205は図2に示すようにフルカラープリンタ本体1の環境条件である温度を検知する温度センサーを、206は図2に示すようにフルカラープリンタ本体1の環境条件である湿度を検知する湿度センサーを、121は送受信制御部を、26は中間転写ベルト6上に転写されたトナー像の濃度を検知するADCセンサーを、それぞれ示している。
以上の構成において、この実施の形態に係るフルカラープリンタでは、次のようにして、像担持体上に残留した転写残トナーを回収容器へ回収するように構成した画像形成装置において、純正品以外のトナーが使用された場合であっても、回収容器の満杯検知を低コストにて精度良く行うことができ、廃トナーが溢れて装置が故障したりするのを防止することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係るフルカラープリンタでは、図2及び図3に示すように、フルカラーや白黒の画像のプリント動作を実行する際に、感光体ドラム2上にROS4によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色や、黒(K)のみに対応した画像露光が順次施されるとともに、ロータリー式の現像装置5の対応する現像器5Y、5M、5C、5Kによって現像されて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像などが順次形成される。上記感光体ドラム2上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、一次転写ロール7によって中間転写ベルト6上に互いに重ね合わされた状態で順次転写されるが、一次転写位置N1における転写効率は、100%ではなく、当該感光体ドラム2上に形成されたトナー像の一部は、転写残トナーとして残留し、クリーニング装置16のクリーニングブレード17によって除去され、廃トナー回収容器35内に回収される。
その際、上記一次転写位置N1における転写効率は、種々の要因によって変動するが、基本的に、トナー像のトナー量を決定する当該トナー像を形成する画像データの画素数 (ピクセル数)に依存する。
そこで、CPU200は、図12に示すように、ROS4によって感光体ドラム2上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データに応じて画像露光を施す際に、画像データ204の累積画素数をカウントするようになっている。その際、CPU200は、フルカラーの画像であれば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のすべての色の画像データについて、画素数を累積的にカウントし、1回のプリントにおける画像データの累積画素数FC_Pixelを求める。CPU200は、白黒の画像であれば、黒(K)色の画像データのみについて、画素数を累積的にカウントし、1回のプリントにおける画像データの累積画素数BW_Pixelを求める。
なお、ジャムが発生した場合の1回のプリントにおける画像データの累積画素数は、フルカラーの画像であれば、累積画素数FC_JamPixelを求め、白黒の画像であれば、累積画素数BW_Jam_Pixelを求めるが、これらの値は、通常の画像である累積画素数FC_PixelやBW_Jam_Pixelと異なるものではない。また、図10に示すようなプロセスコントロール用パッチの場合には、累積画素数は、フルカラーの画像であれば、累積画素数FC_Prcn_Pixelを求め、白黒の画像であれば、累積画素数BW_Prcn_Pixelを求める。
次に、CPU200は、図14に示すように、トナー像の種類が通常の画像であるか、通常の画像であるが、転写材9のジャムが発生して転写材9上に転写されない状態か、プロセスコントロール用の画像であるかを判別し、基本係数を決定する。このとき、トナー像の種類が通常の画像であれば、図14に示すように、フルカラーの画像であれば、基本係数Img_FCは0.130、白黒ーの画像であれば、基本係数Img_BWは0.131、ジャム発生時であれば、フルカラーか白黒かにかかわらず基本係数Jam_FC、Jam_BWは1.00、プロセスコントロール用の画像であれば、フルカラーか白黒かにかかわらず基本係数Prcnは、やはり1.00となるように設定する。
更に、CPU200は、図14に示すように、上記プリント時におけるプリンタ本体1内の温度及び湿度を温度センサー205及び湿度センサー206によって検知し、図15に示すようなテーブルを参照して、環境条件が高温高湿環境か、通常の環境か、低温低湿の環境かを判別し、判別された環境条件1〜9に応じて、図14に示すようなテーブルを参照して、環境による第1の微調整係数Envを決定する。
また、CPU200は、図14に示すように、印字モードが片面モードか両面モードかを判別し、印字モードが片面モードの場合には、第2の微調整係数M1を0.000に、印字モードが両面モードの場合には、第2の微調整係数M1を0.048に、それぞれ設定する。
さらに、CPU200は、図14に示すように、二次転写位置N2における転写速度が、全速(160mm/sec)であるか、半速(80mm/sec)であるか、1/3速(53mm/sec)であるか否かを判別し、全速(160mm/sec)である場合には、第3の微調整係数M2を0.000に、全速以外の半速又は1/3速の場合には、第3の微調整係数M2を0.036に、それぞれ設定する。
なお、CPU200は、図14に示すように、ADCセンサー26で検出したトナー像のトナー層厚、例えば、1次色か(トナー1層か)、2次色か(トナー2層か)によって、予備係数kを、適宜設定するように構成しても良いが、図示の実施の形態では、パラメータがすべて0.000に設定されている。
そして、CPU200は、図12に示すように、プリント動作が正常に終了した場合には、1回のプリントにおける画像データの累積画素数FC_Pixcelに、基本係数Img_FCと、第1の微調整係数Envと、第2の微調整係数M1と、第3の微調整係数M2と、補助の微調整係数kとを加算した総合係数を乗算して、1回のプリント動作における廃トナー回収容器35に回収した廃トナーの回収量Full_Totalを算出するようになっている。なお、ここではフルカラーの場合「FC」と表記したが、白黒の画像の場合には「FC」の代わりに図12に示すように「BW」となる(以下、同様)。
CPU200は、プリント動作を実行するたびに、廃トナーの回収量Full_Totalを算出し、算出された廃トナーの回収量Full_Totalを逐次加算していき、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalを求めるようになっている。
Full_Total=
FC_Pixel×(Img_FC+Env+M1+M2+k)
その際、CPU200は、図16に示すように、1回のプリントにおける画像データの累積画素数FC_Pixcelに、基本係数Img_FCと、第1の微調整係数Envと、第2の微調整係数M1と、第3の微調整係数M2と、補助の微調整係数kとを加算した総合係数を乗算して、1回のプリント動作における廃トナー回収容器35に回収した廃トナーの回収量Full_Totalを算出した後(ステップ101)、トナーカートリッジが純正品か否かを判別するようになっている(ステップ102)。
そして、CPU200は、トナーカートリッジ100が純正品であると判別した場合には、算出された廃トナーの回収量Full_Totalを、それまでに累積された廃トナーの回収量Full_Totalにそのまま加算する(ステップ103)。
一方、CPU200は、トナーカートリッジ100が純正品でないと判別した場合には、1回のプリントにおける画像データの累積画素数FC_Pixcelを、安全率を見込んで所定数A(例えば、5)倍した後、当該所定数倍した累積画素数FC_Pixcelに基づいて算出された廃トナーの回収量Full_Totalを、それまでに累積された廃トナーの回収量Full_Totalに加算する(ステップ104)。
Full_Total=
FC_Pixel×A×(Img_FC+Env+M1+M2+k)
そして、CPU200は、図16に示すように、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第1の警告値であるwarning1を超えているか否かを判別し(ステップ105)、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第1の警告値であるwarning1を超えていない場合には、ステップ101に戻る。一方、CPU200は、図17に示すように、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第1の警告値であるwarning1を超えていると判別した場合には、ユーザーインターフェースに第1の警告として、例えば、「間もなく廃トナー回収容器が満杯となり、CRUが交換時期となります。」というメッセージを表示し(ステップ106)、ユーザーに廃トナー回収容器35が満杯に近づいたことを知らせるとともに、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第2の警告値であるwarning1を超えているか否かを判別する(ステップ107)。
上記CPU200は、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第2の警告値であるwarning2を超えていない場合には、ステップ103に戻り、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、第2の警告値であるwarning2を超えていると判別した場合には、ユーザーインターフェースに第2の警告として、例えば、「廃トナー回収容器が満杯となりました。CRUを交換して下さい。」というメッセージを表示し(ステップ108)、ユーザーに廃トナー回収容器35が満杯に近づいたことを知らせるとともに、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、満杯値であるLmitを超えているか否かを判別する(ステップ109)。
そして、CPU200は、図13に示すように、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、満杯値であるLmitを超えていない場合には、ステップ104に戻る。一方、CPU200は、図13に示すように、トータルの廃トナーの回収量Full_Totalが、満杯値であるLmitを超えていると判別した場合には、ユーザーインターフェースに、例えば、「CRUがライフに達しました。」というメッセージを表示して(ステップ110)、マシンを強制的に停止させるようになっている。
このように、上記実施の形態では、プリンタ本体に装着されたトナーカートリッジが純正品か否かを識別し、当該トナーカートリッジが純正品でない場合には、廃トナーの回収量Full_Totalを算出する際に、1回のプリントにおける画像データの累積画素数FC_Pixcelを、安全率を見込んで所定数(例えば、5)倍した後、当該所定数倍した累積画素数FC_Pixcelに基づいて廃トナーの回収量Full_Totalを算出するようになっている。
そのため、トナー像の転写率が純正トナーに比較して極端に低い純正品でないトナーが使用されたトナーカートリッジ110が使用された場合であっても、これを検知して、廃トナーの回収量を安全率を見込んで算出することができ、廃トナー回収容器35から廃トナーが溢れて、プリンタの故障の原因となるといった事態を確実に防止することができる。
また、上記実施の形態では、廃トナー回収容器35に回収した廃トナーの回収量を、主たる要因である画像データ204の画素数(ピクセル数)を計数して累積した累積画素数に、感光体ドラム2上に形成されるトナー像の種類に応じた基本係数と、環境条件に応じた第1の微調整係数と、転写材の種類に応じた第2の微調整係数と、印字モードに応じた第3の微調整係数を加算したトータルの微調整係数を乗算して算出するように構成したので、廃トナー回収容器35に回収した廃トナーの回収量を、8割程度の高い精度でもって求めることができ、廃トナー回収容器35の満杯状態をコストアップを招くことなく、精度良く検知することが可能となる。
なお、前記実施の形態では、トナーカートリッジ100が純正品か否かを、当該トナーカートリッジ100に設けられたメモリチップ110を用いて識別するように構成したが、これに限定されるものではなく、ユーザーが指定するように構成しても良い。
ユーザーは、例えば、図1に示すように、ユーザーインターフェース201に設けられたトナーが純正品か否かを識別する設定ボタンを操作することによって、トナーが純正品か否かを識別するように構成しても良い。
200:CPU(制御手段兼回収量算出手段及び補正手段)、201:ユーザーインターフェース、202:ROM、203:RAM、204:画像データ、205:温度センサー、206:湿度センサー、121:送受信制御部、26:ADCセンサー。