以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の概略構成図である。画像形成装置(ここではカラープリンタ)100では、コピー動作を行う場合、装置本体内において、図中の反時計回りに回転する感光体ドラム1が帯電ユニット2により一様に帯電される。そして、パーソナルコンピュータ等から画像入力部(図示せず)に入力された原稿画像データに基づいて露光ユニット3から感光体ドラム1上にレーザビームが照射され、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム1は、例えばアルミドラムに感光層が積層されたものであり、帯電ユニット2により表面を帯電させるようになっている。そして、露光ユニット3からのレーザビームを受けた表面に帯電を減衰させた静電潜像を形成する。感光層を形成する感光材料としては、アモルファスシリコン感光体や有機感光体(OPC感光体)が用いられる。感光層として正OPCを用いた場合、オゾン等の発生が少なく帯電が安定しており、特に単層構造の正OPCは長期間使用して膜厚が変化した場合においても感光特性に変化が少なく、画質も安定するため長寿命のシステムには好適に用いられる。
トナーを感光体ドラム1上に供給するロータリー式の現像ユニット4は、現像装置とトナー容器が一体化されたカートリッジ式のイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の現像装置4a、4b、4c及び4dを備えており、現像装置4a〜4dを感光体ドラム1に対向する位置に順次回転移動させることにより、感光体ドラム1上の静電潜像にトナーが付着されて各色のトナー像が形成される。現像カートリッジ4a〜4dへのトナー補給(トナーインストール)はトナーカートリッジ5から補給パイプ5aを介して行われる。
トナー像が転写される中間転写ベルト6は、中間転写ローラ7a、7b、ベルト駆動ローラ9及び従動ローラ10に掛け渡され、感光体ドラム1に当接しながら図示しない駆動手段により図中の時計回りに回転する。中間転写ベルト6には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。
ユーザにより画像形成開始が入力されると、所定のタイミングにより感光体ドラム1上にイエローのトナー像の形成を行う。そして、負極性の転写バイアス(正帯電トナーを用いる場合)が印加された中間転写ローラ7a、7bにより感光体ドラム1上のイエローのトナー像が中間転写ベルト6上に転写される(一次転写)。その後、感光体ドラム1の表面に残留したトナーがクリーニングローラ8a及びクリーニングブレード8bにより除去され、現像ユニット4は所定量(ここでは90°)回転して、上記と同様に今度はマゼンタのトナー像が感光体ドラム1上に形成され、中間転写ベルト6上に転写される。
以下、上述と同様の方法により、感光体ドラム1からシアン及びブラックのトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。中間転写ベルト6にはベルト駆動ローラ9と対向する位置に転写ローラ14が圧接されており、転写ローラ14の下流側には中間転写ベルト6表面の残留トナーを除去するベルトクリーニングブレード15が配置されている。
上記のようにトナー像が形成された中間転写ベルト6に向けて、用紙Pが給紙機構11から給紙ローラ12及びレジストローラ対13を経由して搬送され、中間転写ベルト6の表面に順次形成されたフルカラーのトナー像が、負極性の転写バイアスが印加された転写ローラ14により用紙Pに一度に転写される(二次転写)。そして、トナー像が転写された用紙Pは定着装置16に搬送されてトナー像が定着される。定着装置16を通過した用紙Pは、用紙搬送路17及び排出ローラ対18を介して排出トレイ19に排出される。
さらに、中間転写ベルト6を挟んで従動ローラ10と対向する位置には画像濃度センサ43が配置されている。画像濃度センサ43としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサが用いられる。中間転写ベルト6上のトナー付着量を測定する際、発光素子から中間転写ベルト6上に形成された各基準画像に対し測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、及びベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーの付着量が多い場合には、ベルト表面からの反射光がトナーによって遮光されるので、受光素子の受光量が減少する。一方、トナーの付着量が少ない場合には、逆にベルト表面からの反射光が多くなる結果、受光素子の受光量が増大する。従って、受光した反射光量に基づく受光信号の出力値により各色の基準画像の濃度を検知し、予め定められた基準濃度と比較して現像バイアスの特性値などを調整することにより、各色について濃度補正が行われる。
図2は、本発明の画像形成装置に搭載される現像装置の側面断面図である。なお、以下の説明では、図1の感光体ドラム1と相対する現像装置4aの構成及び動作について説明するが、現像装置4b〜4dの構成及び動作については基本的に同様であるので説明は省略する。
図2に示すように、現像装置4aは、樹脂製の現像容器20内に、トナーが収納されるトナー攪拌部21と、トナー攪拌部21からトナーが供給されるトナー供給部22とが設けられており、トナー攪拌部21及びトナー供給部22は境界壁23によって仕切られている。境界壁23には第1開口部28及び第2開口部29が形成され、第2開口部29は第1開口部28よりも図中上側に位置付けられている。
トナー攪拌部21内には、回転軸にPETフィルムなどの攪拌羽根を貼り付けた撹拌パドル24が図2において反時計回りに回転可能に軸支されている。トナー供給部22内には、潜像を担持する感光体ドラム1(図1参照)と対面し、その潜像を現像するための現像ローラ25、現像ローラ25にトナーを供給するための供給ローラ26、現像ローラ25上のトナー層厚を規制すると共にトナーを帯電させる金属製の規制部材27等が設けられている。
現像ローラ25上のトナー層は規制部材(例えば、厚さ0.08mmのSUS箔で、規制圧=25N/mに設定される)27によって層厚規制されるとともに摩擦帯電されて、感光体ドラム1上の静電潜像の現像に用いられる。規制部材27と反対側の現像ローラ25と現像容器20との隙間にはシール部材30(例えば、導電性の高分子量PEフィルムを用いて、均一に現像ローラ25に接触するようにウレタンスポンジでバックアップされている)が配設され、このシール部材30によってトナー漏れを防止している。
さらに、現像ローラ25及び供給ローラ26は、図2において時計回りに回転するため、第2開口部29は第1開口部28よりも供給ローラ26の回転方向下流側に形成され、第2開口部29は供給ローラ26の上端よりも上側に位置している。そして、第1開口部28は攪拌パドル24の回転軸よりも下側に位置付けられている。
現像装置4aによる現像プロセスについて説明すると、トナー攪拌部21内のトナーは、攪拌パドル24の回転により第1開口部28を通過してトナー供給部22へ送られる。トナー供給部22側へ送られたトナーは供給ローラ26により現像ローラ25へ運ばれ、規制部材27で薄層規制されて現像ニップ部へと搬送され、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。現像に用いられず現像ローラ25上に残ったトナーはシール部材30を通過後、供給ローラ26により引き剥がされてトナー供給部22内に戻される。
供給ローラ26にて搬送されたトナーのうち、規制部材27で規制された過剰なトナーは第1開口部28から供給(充填)される新たなトナーと共にトナー供給部22内で滞留するが、トナー供給部22内のトナー量が多くなると余分なトナーが第2開口部29を通過してトナー供給部22側からトナー攪拌部21に戻され、トナー供給部22の内圧が低減される。
次に、本発明の画像形成装置の制御経路について説明する。図3は、本発明の画像形成装置に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンタ95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部50からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御部90は、装置本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、後述する機内及び機外温湿度センサ40、41或いは画像濃度センサ43の測定データ等の、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。
また、ROM92(或いはRAM93)には、リフレッシュ工程の実行の要否を判断する基準印刷枚数及びリフレッシュ工程の要否を判断する際に用いられる基準印字率の他、後述するようにリフレッシュ工程の実行タイミングを決定する際に用いられる機内温湿度、或いは機内及び機外の温湿度差の基準値、トナー吐出パターンの印字長さを計算するための現像ローラ25及び供給ローラ26の外周長や感光体ドラム1に対する線速比データ等も格納されている。カウンタ95は、印刷枚数を積算してカウントする。なお、カウンタ95を別途設けなくても、例えばRAM93でその回数を記憶するようにしてもよい。
制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、感光体ドラム1、露光ユニット3、現像ユニット4(現像装置4a〜4d)、給紙機構10、定着装置16、機内温湿度センサ40、機外温湿度センサ41、画像入力部45、操作部50等が挙げられる。
画像入力部45は、画像形成装置100が図1に示すようなプリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部であり、画像形成装置100が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部である。画像入力部45より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
操作部50には、液晶表示部51、各種の状態を示すLED52、テンキー53が設けられており、ユーザは操作部50を操作して指示を入力することで、画像形成装置100の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部51は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。テンキー53は、印刷部数の設定や、画像形成装置100がFAX機能も有する場合に相手方のFAX番号を入力等するためのものである。
その他、操作部50には、画像形成を開始するようにユーザが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
本発明の画像形成装置は、記録媒体への非転写時、例えば、画像形成装置を電源オフ状態やスリープ(省電力)モードからコピー開始状態まで立ち上げる際、或いは所定枚数の印刷が行われた時に、現像装置4a〜4d内の現像ローラ25上のトナーを感光体ドラム1側に吐出するリフレッシュ工程を実行可能に構成されている。
実際のトナー吐出パターンを図4に示す。トナー吐出パターンTは、現像ローラ4a(図2参照)の現像領域の幅Hと、画像1枚当りのトナー吐出量に印刷枚数を乗じて求められるトナー吐出長(ドラム周方向の印字長さ)Lとを2辺とする矩形状である。なお、ドラム表面への用紙の付着を防止する分離爪(図示せず)が感光体ドラム1の長手方向の複数箇所に設けられている場合、分離爪にトナーが付着しないように、トナー吐出パターンTの分離爪に対峙する部分に白抜き部が設けられる。
トナー吐出パターンTの印字長さLの算出方法について説明する。リフレッシュ工程を実行する印刷枚数をAとすると、制御部90は、一時記憶部94内のデジタル信号に基づいて画像毎の印字率bnを算出し、さらに印字率bnを積算した積算印字率Σbnを算出する。
そして、積算印字率Σbnをカウンタ95でカウントされた印刷枚数Aで除して印刷枚数A当たりの平均印字率B(%)を算出する。この平均印字率Bと基準印字率(リフレッシュが必要となる印字率の閾値)C(%)との印字率差C−Bが画像1枚当たりの必要吐出量(消費不足分)となるため、これに印刷枚数Aを乗じた(C−B)×A(%)がリフレッシュ工程実行時のトナー吐出量となる。なお、印刷枚数Aや基準印字率C(%)はユーザの使用状況や各色のトナーの特性等に応じて適宜設定することができる。
トナー吐出パターンTの印字長さLは、印字率算出の基準(100%)となる画像サイズの周方向長さをL0とすると、L=L0×(C−B)×A/100により算出される。
例えば、印刷枚数Aを10枚、基準印字率Cを5%とすると、平均印字率Bが2%であったときは、(5−2=3)%×10枚分のトナー吐出パターンTを印字する。これは、A4サイズ画像(幅210mm×周方向長さ297mm)を印字率算出の基準(100%)としたとき、L=297(=L0)×(5−2)×10/100=89.1mmとなり、L=89.1mmのトナー吐出パターンTに相当する。感光体ドラム1の回転速度を150mm/秒とすると、89.1/150=0.594秒間トナーを吐出すれば良い。以上のようにして各現像装置4a〜4dについてトナー吐出パターンTの印字長さLを算出し、リフレッシュ工程を実行する。
本発明では、装置内部の環境情報、特に温湿度情報に応じてリフレッシュ工程の実行タイミングを切り換えることにより、例えば低湿環境等のトナーが帯電し易い条件下でもリフレッシュ1回当たりのトナー吐出量を増やすことなく画像濃度の低下やかぶりを効果的に抑制できることを見いだした。
ここで、本発明における温湿度の測定について述べる。図1に示すように、現像ユニット4の近傍には機内温湿度センサ40が設置されている。この機内温湿度センサ40は制御部90により制御されており、主電源をOFFにしないかぎり温湿度の測定が可能である。例えば1分毎に定期的に温湿度情報を収集することも可能であり、印字開始時等の条件設定を行って温湿度情報を収集することも可能である。
また、装置設置環境(機械周辺環境)を測定する目的で、給紙機構11の上方に機外温湿度センサ41が設置されている。これは現像ユニット4に限らず、例えば用紙水分量が転写条件に影響することを制御するといった目的で設置する場合が多いが、この機外温湿度センサ41の温湿度情報を用いることも可能である。また、現像ユニット4近傍の機内温湿度センサ40を設置せずに機外温湿度センサ41の情報で代用することもできるし、2つのセンサからの温湿度情報を用いて制御することも可能である。
一般的に現像剤(トナー)の帯電状態は温湿度の影響を受けやすく、湿度40%未満、特に20%未満において高い電荷量となってしまう場合が多い。この値は一律なものではなく、現像剤により値の上下もあり、また、相対湿度よりも絶対湿度に依存する場合が多いと思われる。また、逆に、湿度70%以上、特に80%以上において電荷量の低下がみられる場合が多い。また、現像剤温度が45℃以上、特に50℃以上に上昇してくると、トナーの溶融温度に近づき流動性の低下等がおきやすい。
そこで、機内温湿度センサ40や機外温湿度センサ41で得た温湿度情報をもとに、リフレッシュ工程を実施するタイミングを最適化する。例えば、低湿時はより頻繁に、高湿時は間隔を空けて、また、高温時は頻繁にといった具合である。
次に、本発明におけるリフレッシュ工程の実行タイミングの制御方法について詳細に説明する。なお、以下の各制御例では、現像装置4a〜4dの1つについてリフレッシュ工程が実行される手順を説明するが、他の3つの現像装置についても同様の手順で実行される。また、リフレッシュ工程実行後、通常は次回のリフレッシュ工程実行までの印刷枚数Aを40枚(基準枚数A0)とし、40枚毎に算出された平均印字率Bが基準印字率C(例えば3%)を下回ると基準印字率Cからの消費不足分のトナー量(=A×(C−B))を吐出するように制御している。
図5は、第1の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図4を参照しながら、図5のフローチャートに沿って第1の制御におけるリフレッシュ実行タイミングの制御方法について説明する。第1の制御では低湿度環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定手順を示しており、先ず、ユーザによる操作パネル50或いはパソコン等の操作により画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40により現像ユニット4周辺の機内湿度Hiが測定される(ステップS1)。測定結果は制御部90に送信される。制御部90は、送信された機内湿度Hiが45%(第1基準値H1)以上であるか否かを判断し(ステップS2)、45%以上である場合は印刷1枚当たりの基準枚数A0からの減数(以下、係数kaという)を0とする(ステップS3)。
ステップS2でHiが45%未満であった場合は、次にHiが35%以上であるか否かが判断され(ステップS4)、35%以上である場合はkaを1とする(ステップS5)。ステップS4でHiが35%未満であった場合は、次にHiが25%(第3基準値H3)以上であるか否かが判断され(ステップS6)、25%以上である場合はkaを2とする(ステップS7)。
上記のように係数kaが決定された後、印刷が開始され、カウンタ95により印刷枚数nがカウントされる(ステップS8)。制御部90は、一時記憶部94内のデジタル信号に基づいて画像毎の印字率bnを算出し、さらに印字率bnを積算した積算印字率Σbnを算出する。次に、印刷枚数nが基準枚数A0から印刷枚数nにkaを乗じた値を引いたA0−ka・nに到達したか否かが判断される(ステップS9)。nがA0−ka・nに到達するまではステップS1に戻り、機内湿度の測定及び係数kaの決定を繰り返す(ステップS2〜S8)。
ステップS9でn≧A0−ka・nとなった場合は、nをリフレッシュ工程を実行する印刷枚数Aとして、制御部90においてΣbn/Aにより平均印字率B(%)を算出する。次に、平均印字率Bと基準印字率C(%)との印字率差C−Bに印刷枚数Aを乗じてトナー吐出量(C−B)×A(%)を算出し、さらに印字率算出の基準(100%)となる画像サイズの周方向長さL0に基づいて、トナー吐出パターンTの印字長さLを算出し、リフレッシュ工程を実行する(ステップS10)。
例えば、基準枚数A0を40枚とすると、35≦Hi≦45のときは、ka=1、即ち、全ての印刷に対して1枚ずつ減らしていくので、n≧40−1×nより2n≧40となり、n=20枚でリフレッシュ工程が実行される。また、25≦Hi<35のときは、ka=2、即ち、全ての印刷に対して2枚ずつ減らしていくので、n≧40−2×nより3n≧40、n≧13.3となり、n=14枚でリフレッシュ工程が実行される。
一方、ステップS6でHiが25%未満であった場合は、印刷終了後直ちにリフレッシュ工程を実行する(ステップS10)。このときのトナー吐出量は、直前に実行されたリフレッシュ工程からの印刷枚数分の平均印字率Bを算出して決定する。例えば印刷1枚目でHiが25%未満であった場合は、1枚目の印字率と基準印字率との差分を吐出する。その後、カウンタ95のカウント数nを0にリセットして(ステップS11)再びステップS1に戻る。
この第1の制御を行うことにより、トナー電荷量が高い(チャージアップした微粉トナーが多い)低湿度環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を高くしてチャージアップした微粉トナーを除去することにより画像濃度の低下や画像かぶりを抑制することができる。また、湿度が極端に低い(ここでは25%以下)場合は画像形成前にリフレッシュ工程が実行されるため、印刷1枚目から画像濃度の低下を確実に防止可能となる。なお、第1の制御及び後述する第2〜第6の制御ではリフレッシュ工程の実行タイミングの決定手順のみを示しており、実際にリフレッシュ工程を実行するか否かの判断とは異なる。従って、例えばステップS10において平均印字率が基準印字率を上回っている場合にはリフレッシュ工程は実行されない。
図6は、第2の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。第2の制御では、高湿度環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定手順を示しており、画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40により現像ユニット4周辺の機内湿度Hiが測定される(ステップS1)。測定結果は制御部90に送信される。制御部90は、送信された機内湿度Hiが70%(第2基準値H2)以下であるか否かを判断し(ステップS2)、70%以下である場合は印刷1枚当たりの基準枚数A0からの増数(以下、係数kbという)を0とする(ステップS3)。
ステップS2でHiが70%を超える場合は、次にHiが80%以下であるか否かが判断され(ステップS4)、80%以下である場合はkbを1とする(ステップS5)。ステップS4でHiが80%を超える場合はkbを2とする(ステップS6)。上記のように係数kbが決定された後、印刷が開始され、カウンタ95により印刷枚数nがカウントされる(ステップS7)。制御部90は、一時記憶部94内のデジタル信号に基づいて画像毎の印字率bnを算出し、さらに印字率bnを積算した積算印字率Σbnを算出する。
次に、印刷枚数nが基準枚数A0から印刷枚数nにkbを乗じた値を加算したA0+kb・nに到達したか否かが判断される(ステップS8)。nがA0+kb・nに到達するまではステップS1に戻り、機内湿度の測定及び係数kbの決定を繰り返す(ステップS2〜S7)。ステップS8でn≧A0−ka・nとなった場合は、nをリフレッシュ工程を実行する印刷枚数Aとしてリフレッシュ工程を実行する(ステップS9)。但し、印刷枚数Aの最大値は60枚とする。
この第2の制御を行うことにより、トナー電荷量が低下する高湿度環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を低くして無駄なトナーの消費を抑制することができる。さらに、第1及び第2の制御を組み合わせることにより、低湿度条件から高湿度条件まで適切なタイミングでリフレッシュ工程を実行することができ、画像濃度の低下や画像かぶりを抑制しつつトナー消費量を最小限に抑えることができる。
なお、第2の制御のように高湿度環境においてリフレッシュ実行タイミングを延長すると、高湿条件下で極端に帯電が低下する等の現像剤の特性、或いは現像装置の帯電レベルによっては、リフレッシュ工程1回当たりのトナー吐出量が増えすぎて逆に画像かぶり等の不具合を発生する場合もある。そのような場合は、係数kbに代えて第1の制御のように係数kaを設定する制御とし、例えば機内湿度Hiが70%から80%(ステップS4でYES)のときはka=1とし、機内湿度Hが80%を超えたとき(ステップS4でNO)はka=2とするような制御とすれば良い。
図7は、第3の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。第3の制御では、高温環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定手順を示しており、画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40により現像ユニット4周辺の機内温度Tiが測定される(ステップS1)。測定結果は制御部90に送信される。制御部90は、送信された機内温度Tiが40℃(第1基準値T1)未満であるか否かを判断し(ステップS2)、40℃未満である場合は係数kaを0とする(ステップS3)。
ステップS2でTiが40℃以上であった場合は、次にTiが45℃未満であるか否かが判断され(ステップS4)、45℃未満である場合は係数kaを1とする(ステップS5)。ステップS4でTiが45℃以上であった場合は、次にTiが50℃未満であるか否かが判断され(ステップS6)、50℃未満である場合は係数kaを2とする(ステップS7)。印刷枚数nがカウントされリフレッシュ工程が実行されるまでの手順(ステップS8〜S10)は第1の制御と同様であるため説明を省略する。
一方、ステップS6でTiが50℃(第2基準値T2)以上であった場合は、印刷終了後直ちにリフレッシュ工程を実行する(ステップS8)。その後、カウンタ95のカウント数nを0にリセットして(ステップS11)再びステップS1に戻る。
この第3の制御を行うことにより、トナーの流動性が低下する高温環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を高くして現像ローラ25上のトナーの入れ替えを促進し、画像濃度の低下や画像かぶりを抑制することができる。なお、低温環境化でトナーの流動性が改善されるわけではないため、低温環境化でも第2の制御のようにリフレッシュ工程の実行頻度を低くする制御は行わない。
図8は、第4の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。第4の制御では、低湿環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定手順を示しており、画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40により定期的に測定される機内湿度Hiの所定時間当たり(例えば過去30分間)の平均湿度Haが算出される(ステップS1)。制御部90は、算出された平均湿度Haに基づいてリフレッシュ実行までの印刷枚数Aを決定する。印刷枚数Aの決定手順及びリフレッシュ工程の実行手順(ステップS2〜S11)については第1の制御と同様であるため説明を省略する。
この第4の制御を行うことにより、第1の制御と同様に、トナー電荷量が高い(チャージアップした微粉トナーが多い)低湿度環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を高くしてチャージアップした微粉トナーを除去することにより画像濃度の低下や画像かぶりを抑制することができる。また、第4の制御では、リフレッシュ工程を実行するまでの印刷枚数の決定に機内の平均湿度Haを用いるので、現像装置内のトナーの状態がより正確に反映された適切な実行タイミングを決定可能となる。
なお、ここでは低湿度環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定に平均湿度Haを用いる例を示したが、高湿度環境における第2の制御において平均湿度Haを用いてリフレッシュ実行タイミングを決定しても良い。また、第3の制御においても、機内温湿度センサ40により定期的に測定される機内温度Tiの所定時間当たりの平均温度Taを用いてリフレッシュ実行タイミングを決定すれば、トナーの状態に応じた一層適切な制御が行える。
図9は、第5の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。第5の制御では、第1の制御の機内湿度Hiに代えて、機内湿度Hiと機外湿度Hoとの湿度差ΔHを用いて低湿環境におけるリフレッシュ実行タイミングを決定している。画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40及び機外温度センサ41により機内湿度Hi及び機外湿度Hoを測定する(ステップS1)。測定結果は制御部90に送信される。制御部90は、送信された機内湿度Hiと機外湿度Hoとの湿度差ΔH(機内湿度Hiの方が低いためHi−Hoとなる)を算出し(ステップS2)、湿度差ΔHが3%(第1基準値ΔH1)未満であるか否かを判断する(ステップS3)。ΔHが3%未満である場合は係数kaを0とする(ステップS4)。
ステップS3でΔHが3%以上であった場合は、次にΔHが7%未満であるか否かが判断され(ステップS5)、7%未満である場合は係数kaを0とする(ステップS6)。ステップS4でΔHが7%以上であった場合は、次にΔHが10%未満であるか否かが判断され(ステップS7)、10%未満である場合は係数kaを1とする(ステップS8)。印刷枚数nがカウントされリフレッシュ工程が実行されるまでの手順(ステップS9〜S11)は第1の制御と同様であるため説明を省略する。
さらに、ステップS7でΔHが10%(第2基準値ΔH2)以上であった場合は、印刷終了後直ちにリフレッシュ工程を実行する(ステップS11)。その後、カウンタ95のカウント数nを0にリセットして(ステップS12)再びステップS1に戻る。
この第5の制御を行うことにより、第1及び第4の制御と同様に、トナー電荷量が高い(チャージアップした微粉トナーが多い)低湿度環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を高くしてチャージアップした微粉トナーを除去することにより画像濃度の低下を抑制することができる。また、第5の制御では、リフレッシュ工程までの印刷枚数の決定に機内及び機外の湿度差ΔHを用いるので、装置内部の環境情報に加えて装置周辺の環境が反映された、より一層適切な実行タイミングを決定可能となる。特に、待機中も定着装置を所定温度に予備加熱しておく必要のある画像形成装置において有効である。
図10は、第6の制御を用いたリフレッシュ工程の実行手順を示すフローチャートである。第6の制御では、高温環境におけるリフレッシュ実行タイミングの決定手順を示しており、画像形成処理命令が送信されると、機内温湿度センサ40及び機外温度センサ41により機内温度Ti及び機外温度Toを測定する(ステップS1)。測定結果は制御部90に送信される。制御部90は、送信された機内温度Tiと機外温度Toとの温度差ΔTを算出し(ステップS2)、温度差ΔTが3℃(第1基準値ΔT1)未満であるか否かを判断する(ステップS3)。ΔTが3℃未満である場合は係数kaを0とする(ステップS4)。
ステップS3でΔTが3℃以上であった場合は、次にΔTが5℃未満であるか否かが判断され(ステップS5)、5℃未満である場合は係数kaを1とする(ステップS6)。ステップS4でΔTが5℃以上であった場合は、次にΔTが7℃未満であるか否かが判断され(ステップS7)、7℃未満である場合は係数kaを2とする(ステップS8)。印刷枚数nがカウントされリフレッシュ工程が実行されるまでの手順(ステップS9〜S11)は第1の制御と同様であるため説明を省略する。
さらに、ステップS7でΔTが7℃(第2基準値ΔT2)以上であった場合は、印刷終了後直ちにリフレッシュ工程を実行する(ステップS11)。その後、カウンタ95のカウント数nを0にリセットして(ステップS12)再びステップS1に戻る。
この第6の制御を行うことにより、第3の制御と同様に、トナーの流動性が低い高温環境においては、リフレッシュ工程の実行頻度を高くして現像ローラ25上のトナーの入れ替えを促進し、画像濃度の低下や画像かぶりを抑制することができる。また、第6の制御では、リフレッシュ工程までの印刷枚数の決定に機内及び機外の温度差ΔTを用いるので、第5の制御と同様に、装置内部の環境情報に加えて装置周辺の環境が反映された、より一層適切な実行タイミングを決定可能となる。特に、待機中も定着装置を所定温度に予備加熱しておく必要のある画像形成装置において有効である。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、上記の各制御例を適宜組み合わせた制御も本発明に包含される。例えば、第1及び第3の制御では、機内湿度Hiまたは機内温度Tiに基づいてリフレッシュ工程の実行タイミングを決定することとしたが、第1及び第3の制御を組み合わせて機内湿度Hi及び機内温度Tiの両方に基づいてリフレッシュ工程の実行タイミングを決定することもできる。また、第5及び第6の制御を組み合わせて湿度差ΔH及び温度差ΔTの両方に基づいてリフレッシュ工程の実行タイミングを決定しても良い。
また、上記の各制御例では、印刷枚数A、平均印字率B(又は印字率bn)及び基準印字率Cを用いて計算によりトナー吐出量(印字長さL)を求めているが、他の方法により印字長さLを求めても良い。例えば、リフレッシュ工程の実行時に現像ローラ25から吐出されるトナー吐出量を印字率レベル毎に規定するトナー吐出モードが複数格納されたトナー吐出量設定テーブルを用いて印字長さLを決定することもできる。また、各制御例では制御部90において平均印字率を算出しているが、平均印字率の算出を行う演算部を制御部90とは別個に設けても良い。
また本発明では、一例としてロータリー現像式のカラープリンタについてのみ説明したが、アナログ方式のモノクロ複写機やタンデム式のカラー複写機、アナログ方式のモノクロ複写機等の複写機、或いはファクシミリやレーザプリンタ等、現像ローラと供給ローラを備えた現像装置が搭載された種々の画像形成装置に適用できるのはもちろんである。
図1に示した本発明の画像形成装置を用いて印刷を行った場合の、リフレッシュ工程の実行タイミングと画像不良との関係を調査した。試験条件は、現像ローラ25及び供給ローラ26の直径をそれぞれ14mm、13mm、現像ローラ25の感光体ドラム1に対する線速比S1を1.1倍、供給ローラ26の現像ローラ25に対する線速比S2を1.2倍、感光体ドラム1の回転速度を150mm/秒とし、図5に示した第1の制御により機内湿度Hiに応じてリフレッシュ工程の実行タイミングを制御した場合(本発明1)と、制御しなかった場合(比較例1)とで、機内湿度30%及び40%においてテスト画像を1,000枚/日のペースで10日間連続印刷したときのベタ画像の濃度低下及び画像かぶりの発生を調査した。なお、リフレッシュ工程のインターバルとなる基準印刷枚数A0を40枚、平均印字率Bを3%とした。
評価方法は、印刷された画像の濃度をマクベス(株)製の反射濃度計(RD918)を用いてID(イメージデンシティ)を測定し、ベタ画像におけるIDの低下で濃度低下を評価し、白抜き部分におけるIDの上昇で画像かぶりを評価した。結果を図11、図12に示す。
図11から明らかなように、リフレッシュ工程を実行する印刷枚数を、機内湿度が45%以上のとき40枚、機内湿度が35%以上45%未満のとき20枚、25%以上35%未満のとき14枚とする本発明1では、機内湿度が40%(図に×印で表示)及び30%(図に□印で表示)のいずれにおいても、10,000枚印刷後(試験開始後10日目)のID値は1.34及び1.33であり、初期値(1.41〜1.42)から殆ど低下しなかった。一方、機内湿度に関係なく常に40枚でリフレッシュ工程を実行する比較例1では、機内湿度が40%(図に△印で表示)及び30%(図に黒丸印で表示)のとき、10,000枚印刷後のID値はそれぞれ1.12及び1.05まで低下した。
また、図12から明らかなように、本発明1では、機内湿度が40%(図に×印で表示)及び30%(図に□印で表示)のいずれにおいても、10,000枚印刷後の白抜き部分のID値は0.06及び0.07であり、画像かぶりは肉眼で気にならない程度であった。一方、比較例1では、機内湿度が40%(図に△印で表示)及び30%(図に黒丸印で表示)のとき、10,000枚印刷後にID値が0.12及び0.14まで上昇し、顕著な画像かぶりが認められた。
図10に示した第6の制御により機内温度Tiと機外温度Toの温度差ΔTに応じてリフレッシュ工程の実行タイミングを制御した場合(本発明2)と、制御しなかった場合(比較例2)とで、テスト画像を連続印刷したときのベタ画像の濃度低下及び画像かぶりの発生を調査した。試験条件及び評価方法は実施例1と同様とした。なお、温度差ΔTは、印刷開始から100枚目までは3℃以下、100枚目から400枚目までは5℃以下、400枚目以降は7℃以下で推移した。また、排気ダクトを塞がれた場合や、1,000枚目以降で印刷直後に電源をOFFにした場合、両面印刷を行った場合は温度差ΔTが7℃以上となった。結果を図13及び図14に示す。
図13から明らかなように、温度差ΔTが3℃以上5℃未満のときリフレッシュ工程を実行する印刷枚数を20枚、5℃以上7℃未満のとき14枚とし、7℃以上のときは印刷後直ちにリフレッシュ工程を実行する本発明2(図に□印で表示)では、10,000枚印刷後(試験開始後10日目)においてもID値は1.35であり、初期値(1.41)から殆ど低下しなかった。一方、温度差ΔTに関係なく常に40枚でリフレッシュ工程を実行する比較例2(図に黒丸印で表示)では、10,000枚印刷後にID値が1.06まで低下した。
また、図14から明らかなように、本発明2(図に□印で表示)では、10,000枚印刷後においても白抜き部分のID値は0.06であり、画像かぶりは肉眼で気にならない程度であった。一方、比較例2(図に黒丸印で表示)では、10,000枚印刷後にID値が0.13まで上昇し、顕著な画像かぶりが認められた。
この結果より、機内湿度Hi或いは機内及び機外の温度差ΔTに応じてリフレッシュ工程の実行タイミングを制御する場合は高いリフレッシュ効果が得られ、濃度低下や画像かぶりを効果的に抑制できることが確認された。なお、ここでは示さないが、機内温度Tiや平均湿度Ha、機内及び機外の湿度差ΔH等に応じてリフレッシュ工程の実行タイミングを制御する第3〜第5の制御を用いた場合も同様の結果が得られることが確認されている。