JP5053462B1 - 集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法 - Google Patents

集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 下孔に土砂が流れ込んでいても樹脂製の集水管を破損させることなく埋設することができる集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法を提供する。
【解決手段】 地中に削孔された下孔Hに集水管Pを埋設するために用いられる集水管埋設用補助具1であって、先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成されているとともに、その内側に前記集水管Pを嵌入させて連結する集水管連結部22を備えた先端キャップ2と、前記集水管Pを内挿可能な筒状に形成されて前記先端キャップ2の後端側に装着されるとともに、内挿された前記集水管Pを前記先端キャップ2に連結させた後に前記先端キャップ2から離脱される離脱管3とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、地中に集水管を埋設するために用いられる集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法に関するものである。
従来、井戸や軟弱地盤における土地改良を目的として集水管を地中に埋設する工事が施されており、この集水管を埋設するための様々な工法や埋設装置等が提案されている。
例えば、特開平9−291779号公報には、(1) ロータリーパーカッションドリルを用いて二重管であるインナーロッドおよびアウターロッドで所定の深さまで孔を掘削した後、インナーロッドのみを抜管する工程、(2) 下端側には、外周面に複数の開口が突設され、その外周に繊維がへちまたわし状で円筒形の保護管用フィルターが取り付けられた集水管を、アウターロッド内の所定の深さまで挿入する工程、(3) アウターロッドを抜管する工程、(4) 集水管の外周に沿って上部からシールリングを孔内上部の所定の深さまで挿入し、孔の内壁と集水管外周との間をシールする工程、(5) 固化材をシールリング上に投入して地表まで充填する工程、(6)集水管内に揚水パイプを所定深さまで挿入し、これに井戸ポンプを接続する工程よりなる井戸の掘削方法が提案されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、前記井戸の掘削方法を用いることにより、家庭等で使用する小口径の深井戸を容易に設けることができるとされている。
特開平9−291779号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、井戸のような縦孔を掘削して集水管を埋設する場合には問題ないが、土地改良工事等のような掘削方向が水平方向や上方向である場合には、前記(1)に記載の工程後、インナーロッドを抜くことでアウターロッド内に土砂が流入し、前記(2)に記載の工程における集水管の挿入を妨げるという問題がある。そのため、塩ビ管等の一般的な集水管では、無理にアウターロッド内に挿入しようとすると、図16に示すように、集水管が破損してしまうという問題があった。
この場合、前記集水管が鋼管等の強硬度材で作製されていれば押し込むことで挿入可能な場合もあるが、鋼管は極めてコスト高になって採算が合わない。したがって、まずは、実際に塩ビ管等の集水管を挿入してみてから、途中、土砂などが邪魔になって前記集水管を押し込むと破損のおそれがある場合には、前記集水管を抜き取って、別途、押し込んでも破損しない鋼管等の集水管に交換し、挿入し直さなければならなかった。
しかし、昨今の工事においては、予算の関係上、集水管は安価な塩ビ管等の樹脂製を使用することが前提の予算が組まれているため、塩ビ管が挿入できずに鋼管に交換した場合、作業時間のロスだけでなく、予算を上回ってしまうこともある。この場合、その都度、追加予算を申請しなければならず、相当な時間的ロスが生じてしまうという問題があった。
また、鋼管は高強度であるが、腐食による耐久性の問題があるため、発注者側から耐腐食性に優れた樹脂製の集水管を使用したいという要望も強い。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、下孔に土砂が流れ込んでいても樹脂製の集水管を破損させることなく埋設することができる集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法を提供することを目的としている。
本発明に係る集水管埋設用補助具は、地中に削孔された下孔に集水管を埋設するために用いられる集水管埋設用補助具であって、先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成されているとともに、その内側に前記集水管を嵌入させて連結する集水管連結部を備えた先端キャップと、前記集水管を内挿可能な筒状に形成されて前記先端キャップの後端側に装着されるとともに、内挿された前記集水管を前記先端キャップに連結させた後に前記先端キャップから離脱される離脱管とを有する。
また、本発明の一態様として、前記離脱管の先端側を前記先端キャップの後端側に装着した状態で前記離脱管を押止する離脱管押止部材を有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記離脱管押止部材は、前記離脱管の先端側の内周に設けられている突出部を前方に押圧して前記離脱管を前記先端キャップの基端側に押止するフランジ状の押止部と、この押止部よりも前記先端キャップ側に延出されており前記先端キャップに螺合により連結される連結軸と、前記離脱管の後端側から挿入される回転伝達器具から得られる回転力を前記連結軸に伝達して前記先端キャップとの螺合を外して連結を解除する回転伝達軸とを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、前記先端キャップの先端には、前記下孔内の土砂を水圧で除去する水を噴射するための噴射孔が設けられていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記離脱管の先端側の内周には、前記離脱管を前記先端キャップから離脱させる際に、内挿された前記集水管と前記離脱管との間を密閉状態に保持しながら摺動して土砂が流入するのを阻止する土砂流入阻止部材が設けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、前記集水管連結部には、ねじ山部およびねじ谷部がそれぞれ断面略円形状に形成された丸ねじが形成されていてもよい。
また、本発明に係る集水管埋設方法は、前記集水管埋設補助具を用いて集水管を地中に埋設するための集水管埋設方法であって、地中に下孔を削孔する下孔削孔工程と、前記下孔に前記集水管埋設用補助具を挿入する補助具挿入工程と、前記集水管埋設用補助具内に前記集水管を挿入してその先端部を前記先端キャップの前記集水管連結部に連結する集水管連結工程と、前記離脱管を前記先端キャップから離脱させて前記下孔から抜き取る離脱管抜取工程とを有する。
さらに、本発明に係る集水管埋設方法は、前記集水管埋設用補助具を用いて集水管を地中に埋設するための集水管埋設方法であって、先端に削孔用のアウタービットを備えるアウターロッド、およびこのアウターロッド内に配置されるとともに先端に削孔用のインナービットを備えるインナーロッドとを有する二重管式削孔機により地中に下孔を削孔する下孔削孔工程と、前記インナーロッドを前記アウターロッドから抜き取るインナーロッド抜取工程と、前記先端キャップに前記離脱管を装着した状態の前記集水管埋設用補助具を前記アウターロッド内に挿入する補助具挿入工程と、前記アウターロッドを前記下孔から抜き取るアウターロッド抜取工程と、前記集水管埋設用補助具内に前記集水管を挿入してその先端部を前記先端キャップの前記集水管連結部に連結する集水管連結工程と、前記離脱管を前記先端キャップから離脱させて前記下孔から抜き取る離脱管抜取工程とを有する。
本発明によれば、下孔に土砂が流れ込んでいても樹脂製の集水管を破損させることなく埋設することができる。
本発明に係る集水管埋設用補助具の第一実施形態を示す正面図である。 本第一実施形態の集水管埋設用補助具を示す正面縦断面図である。 本第一実施形態の集水管埋設用補助具を示す組立斜視図である。 本第一実施形態における離脱管押止部材を示す正面図である。 本第一実施形態における回転伝達器具を示す正面図である。 本第一実施形態における下孔削孔工程の削孔動作を示す模式図である。 本第一実施形態における補助具挿入工程の挿入動作を示す模式図である。 本第一実施形態における離脱管押止部材を取り外す動作を示す模式図である。 本第一実施形態における集水管連結工程の連結動作を示す模式図である。 本第一実施形態における離脱管抜取工程の抜き取り動作を示す模式図である。 本第一実施形態において集水管が下孔に埋設された状態を示す正面図である。 本第二実施形態におけるインナーロッド抜取工程の動作を示す模式図である。 本第二実施形態における集水管連結工程の連結動作を示す模式図である。 本第二実施形態におけるアウターロッド抜取工程の動作を示す模式図である。 他の実施形態における集水管連結部を示す正面縦断面図である。 従来の集水管埋設方法を用いて集水管が破損した状態を示す写真である。
以下、本発明に係る集水管埋設用補助具およびこれを用いた集水管埋設方法の第一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本第一実施形態の集水管埋設用補助具1を示す正面図であり、図2は、その縦断面図である。また、図3は、本第一実施形態の集水管埋設用補助具1を示す組立斜視図である。
本第一実施形態の集水管埋設用補助具1は、図1ないし図3に示すように、主として、先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成された先端キャップ2と、この先端キャップ2の後端側に装着される離脱管3とを有している。以下、各構成について詳細に説明する。
先端キャップ2は、下孔Hに押し込む際の破損防止のために塩ビ管等よりも高い強度を有する鋼管等からなり、離脱管3を装着するためのストッパーの一部となるとともに、集水管P連結後には集水管Pの先端から土砂の流入を防止するキャップとして機能するものである。本第一実施形態における先端キャップ2は、図2および図3に示すように、細長い筒状に形成されたキャップ本体21と、後述する離脱管押止部材4が連結される円盤状の押止部材連結部22と、前記集水管Pの先端部が連結される筒状の集水管連結部23とから構成されている。
キャップ本体21は、先端面が閉塞され、後端面が開口された細長い筒状に形成されており、その内部が中空にされているため土砂が浸入しても貯留することが可能であり、土砂が集水管Pへ流入するのを防止するようになっている。また、図2および図3に示すように、キャップ本体1の内周面には、前記押止部材連結部22を係止して保持するための保持溝24が形成されているとともに、この保持溝24よりも後方の内周面に雌ねじが形成されており、前記集水管連結部23が螺合されるようになっている。
また、キャップ本体21の先端面には、離脱管3の後方から注水される削孔水を噴射しうる噴射孔25が複数、本第一実施形態では2つ形成されており、下孔H内の土砂を水圧で除去するようになっている。なお、噴射孔25が形成される個数や形成位置は、本第一実施形態に限定されるものではなく、2つ以上形成されてもよいし、先端側の外周面等に形成されてもよい。
押止部材連結部22は、図2および図3に示すように、中心位置に雌ねじ孔が形成された円盤状の鋼材で構成されており、後述する離脱管押止部材4と螺合により連結されるようになっている。そして、前記押止部材連結部22は、前記離脱管押止部材4とともに前記離脱管3を保持する役割を備えているとともに、前記噴射孔25からキャップ本体21の内部に浸入した土砂を堰き止める役割も備えている。また、押止部材連結部22には、雌ねじの周囲に2つの流水孔26が形成されており、離脱管3の後方から注水された削孔水を前述した噴射孔25へ流通するようになっている。
前記押止部材連結部22は、図2に示すように、前記キャップ本体21の後端側に挿入され、前記保持溝24に前面外周部を当接されるとともに後面外周面を集水管連結部23の先端によって押圧されることで両者間に狭持される。
なお、押止部材連結部22は、集水管連結部23によって挟持されることで固定する方法に限定されるものではなく、例えば、押止部材連結部22の外周面に雄ねじを形成し、前記キャップ本体21に螺合させてもよく、あるいは溶接などによって完全に固定してもよい。また、前記キャップ本体21と一体的に形成してもよい。
集水管連結部23は、上述のとおり、前記押止部材連結部22を固定するものであり、また、離脱管3を嵌め合わせて装着するものであり、さらに、集水管Pを螺合させて先端キャップ2と連結させるためのものである。
本第一実施形態における集水管連結部23は、図1ないし図3に示すように、円筒状に形成され、先端側の外周面には前記キャップ本体21に形成された雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。また、図2に示すように、集水管連結部23の後端側の内周面には、前記離脱管3を嵌め合わせるための嵌合溝27が設けられている。さらに、集水管連結部の後端には、後方へ突出されて離脱管3と係合する複数の係合突起28が形成されている。
これらの係合突起28は、後述する離脱管3の先端側外周面に形成された複数の係合溝31に係合されることにより集水管連結部23と前記離脱管3とを連結し一体的に回転可能に構成するものである。これにより、例えば先端キャップ2を下孔Hへ挿入して流入した土砂を削孔水の水圧で除去する場合に、先端キャップ2と離脱管3とを一体的に回転させて削孔水の噴射方向を変化させながら挿入することができる。
なお、本第一実施形態における先端キャップ2は、上述のとおり、キャップ本体21、押止部材連結部22および集水管連結部23から構成されているが、これらを一体的に形成してもよい。
離脱管3は、前記先端キャップ2と同様に高い強度を有する鋼管等によって形成されており、前記先端キャップ2の後端側に装着されて下孔Hへ挿入され、集水管P挿入時において当該集水管Pを内部に挿入させてガイドとして機能し、前記集水管Pの挿入完了後には前記先端キャップ2から離脱させて抜き取られるようになっている。
本第一実施形態における離脱管3は、図2および図3に示すように、前記集水管連結部23の嵌合溝27に嵌め入れるために先端側の外径が細く形成されており、この細い外径部分の後端側には、前記集水管連結部23の前記係合突起28に係合する複数の係合溝31が形成されている。また、離脱管3の先端側の内周には、図2に示すように、離脱管押止部材4を当接させて保持する突出部32が設けられている。
さらに、離脱管3の先端側の内壁には、前記離脱管3を前記先端キャップ2から離脱させて抜き取る際に、内挿された集水管Pと前記離脱管3との間を密閉に保持しながら後方へ摺動させて土砂が流入するのを阻止する土砂流入阻止部材33が設けられている。本実施形態における土砂流入阻止部材33は、図2および図3に示すように、1本のOリングにより構成されており、これを離脱管3の内壁に埋設させているが、これに限定されるものではなく、その他のシール材から適宜選択してもよいし、複数のシール材を埋設してもよい。
なお、離脱管3は、埋設される集水管Pと同等の長さを備えており、必要に応じて所定の長さのものを用意して、適宜連結して所望する長さに構成してもよい。
次に、離脱管押止部材4について説明する。離脱管押止部材4は、離脱管3の先端を先端キャップ2の後端に押止して連結するものであり、一方、外部からの操作により押止状態を解除して前記離脱管3を前記先端キャップ2から離脱可能にするものである。
本第一実施形態における離脱管押止部材4は、図2ないし図4に示すように、離脱管3の先端側内周に形成された突出部32に当接するとともに、前記先端キャップ2の押止部材連結部22に形成された雌ねじ孔に螺合することにより、前記離脱管3を前記先端キャップ2に連結させるものである。よって、離脱管押止部材4は、前記突出部32に当接するフランジ状の押止部41と、押止部材連結部22の雌ねじに螺合する雄ねじを備えた連結軸42と、この連結軸42に回転力を伝達する回転伝達軸43とを有している。
押止部41は、離脱管3の突出部32に係止しうる外径を備えたフランジ状に形成されており、本第一実施形態では円盤状のものを連結軸42に嵌合させている。押止部41には複数の流通孔44が形成されており、削孔水が流通させられるようになっている。
連結軸42は、前記先端キャップ2に連結することで前記押止部41を前記離脱管3の突出部32に押し当てるものであり、鋼軸の先端側に押止部材連結部22の雌ねじ孔と螺合しうる雄ねじが形成されている。
回転伝達軸43は、前記連結軸42の後端側に固定されており、前記離脱管3の後端側から挿入される回転伝達器具5と連結されて、その回転力を前記連結軸42に伝達するものである。本第一実施形態における回転伝達軸43は、図2に示すように、円筒状の鋼管の内周面に雌ねじが形成されており、前記回転伝達器具5が螺合されて連結できるようになっている。また、この雌ねじの締め付方向と前記連結軸42の先端に形成された雄ねじの締め付け方向は逆方向となっており、回転伝達器具5が螺合されて操作される回転方向が前記連結軸42を前記押止部材連結部23から螺合解除して取り外す方向と同一になっている。
回転伝達器具5は、図5に示すように、先端に前記回転伝達軸43と螺合する雄ねじを有しており、この雄ねじが前記回転伝達軸43の雌ねじと確実に螺合させるために、中心位置を合わせるため、複数の案内羽根51が放射状に設けられている。
なお、回転伝達軸43と回転伝達器具5との連結部分は、螺合による方法に限定されるものではなく、例えば、四角形や六角形等の凹凸部を嵌合して連結され、回転力を伝達できるようにしてもよい。
また、本第一実施形態の集水管埋設用補助具1に用いられる各ねじは、所定のピッチに対して締結される強度が強い、ねじ山部およびねじ谷部がそれぞれ断面略円形状に形成された丸ねじとして形成されている。
また、本第一実施形態における集水管Pは、複数の集水孔を有する塩化ビニル製の硬性樹脂管であり、その外周面には表面張力により集水能力を高めるための起毛材が貼り付けられられている。また、その先端には、前記集水管連結部23と連結する雄ねじが設けられている。
なお、集水管Pは、集水管Pとして一般的に用いられる管であって、塩化ビニル製のものに限定されるものではなく、例えば、鋼管、スケジュール管、Vスロットル管およびCPドレーン管等から適宜選択されるものである。
次に、本第一実施形態の集水管埋設用補助具1における各構成の作用およびこの集水管埋設用補助具1を用いた集水管埋設方法について説明する。
集水管埋設方法は、地中に下孔Hを削孔する下孔削孔工程と、前記下孔Hに前記集水管埋設用補助具1を挿入する補助具挿入工程と、前記集水管埋設用補助具1内に前記集水管Pを挿入してその先端部を前記集水管連結部23に連結する集水管連結工程と、前記離脱管3を前記先端キャップ2から離脱させ前記下孔Hから抜き取る離脱管抜取工程とを有する。以下、各工程について詳細に説明する。
まず、地中に下孔Hを削孔する(下孔削孔工程)。ここで下孔Hを削孔する機械は特に限定されるものではなく、例えば、先端にビットが付いたロッドの先を回転させて掘削を行うロータリー・ボーリングマシン、先端にビットが付いたロッドを打撃して掘削を行うパーカッション・ボーリングマシン、先端にビットが付いたロッドに打撃と回転力を加えて掘削を行うロータリー・パーカッション・ボーリングマシン等から適宜選択される。また、ロッドは、1本のロッドからなる単管式のものやアウターロッドおよびインナーロッドからなる二重管式のもの等から適宜選択される。さらに、削孔される下孔Hの方向は、集水管Pの用途に応じて適宜選択され、垂直方向でもよく水平よりも上方向でもよい。
本第一実施形態における下孔削孔工程では、図6に示すように、先端に削孔用のアウタービット61を備えるアウターロッド62、およびこのアウターロット62内に配置されるとともに先端に削孔用のインナービット63を備えるインナーロッド64とを有する二重管式削孔機6を用いる。二重管式削孔機6は、各ロッド62,64を回転させながら地中に挿入することで掘削し、所定の深さまで下孔Hを削孔する。そして、下孔Hの削孔後の各ロッド62,64は下孔Hから抜き取られる。
次に、図7に示すように、削孔された下孔Hの所定の深さまでに集水管埋設用補助具1を挿入する(補助具挿入工程)。このとき離脱管3は、離脱管押止部材4によって先端キャップ2に押止されており、先端キャップ2から抜け落ちないようになっている。また、集水管埋設用補助具1は、高い強度を有する鋼管等によって形成されているため、下孔Hの孔壁が多少崩落したり土砂が多少流入しても損傷を受けずに押し込むことができる。さらに、本第一実施形態では、離脱管3の後端側から注入された削孔水が、離脱管押止部材4の押止部41に設けられた流通孔44、押止部材連結部22に開口された流水孔26を通り、先端キャップ2の先端側に形成された噴射孔25から下孔H内に噴射され、その水圧で土砂等を除去しながら挿入される。よって、集水管埋設用補助具1は下孔Hに対して確実かつ安定的に挿入することができる。
また、本第一実施形態では、集水管埋設用補助具1を下孔Hに挿入後、回転伝達器具5によって離脱管押止部材4を取り外す。具体的には、前記回転伝達器具5を離脱管3の後端側から挿入し、離脱管押止部材4の回転伝達軸43に当接したら、回転伝達器具5を所定方向に回転させ、先端の雄ねじを回転伝達軸43の雌ねじに完全に螺合させる。そして、さらに同方向に回転させることにより、その回転力が回転伝達軸43から連結軸に42伝達されて当該連結軸42が回転する。上述のとおり、回転伝達軸43と連結軸42の先端側に設けられた各々のねじは逆ねじに構成されているため、図8に示すように、前記連結軸42の先端側の雄ねじは、前記押止部材連結部22に形成された雌ねじ孔から外れ、離脱管3を押止していた力を解除する。
本第一実施形態における回転伝達器具5の案内羽根51が、回転伝達器具5の雄ねじと前記回転伝達軸43の雌ねじの中心位置を一致させるためするため、回転伝達器具5は回転伝達軸43に確実に螺合される。
次に、図9に示すように、前記集水管埋設用補助具1内に前記集水管Pを挿入してその先端部を前記集水管連結部22に連結する(集水管連結工程)。このとき、集水管Pは離脱管3の内側で案内されながら挿入され、その先端部が集水管連結部22に到達する。そして、本第一実施形態では、集水管Pの先端を集水管連結部22に嵌入させるとともに、集水管Pを回転させて螺合させることにより連結する。集水管連結部22の雌ねじおよび集水管Pの先端の雄ねじは、丸ねじにより形成されているため締結力が強く、簡単に抜け落ちることがない。
次に、図10に示すように、前記離脱管3を前記先端キャップ2から離脱させて前記下孔Hから抜き取る(離脱管抜取工程)。このとき、前記離脱管3の先端側の内周に設けられた土砂流入阻止部材33が、前記集水管Pと前記離脱管3との間を密閉しながら後方へ摺動するため、その隙間から土砂が流入するのを阻止することができる。そして、離脱管3を下孔Hから完全に抜き取ると、図11に示すように、下孔Hには集水管Pと先端キャップ2が残され、集水管Pを地中に埋設する作業が完了する。
以上のような本第一実施形態の集水管埋設用補助具1およびこれを用いた集水管埋設方法によれば、以下の効果を得ることができる。
1.集水管埋設用補助具1は、高い強度を有しており、下孔Hに挿入される際に破損等するおそれがない。
2.集水管埋設用補助具1から削孔水を噴射して土砂などを除去しながら下孔Hに挿入するため、集水管埋設用補助具1の損傷を確実に回避して安定的に挿入することができる。
3.集水管埋設用補助具1を挿入する際には先端キャップ2と離脱管3とが離脱管押止部材4によって固定されているため、挿入の途中で両者が離脱されることはない。
4.集水管Pは離脱管3内をガイドとして挿入されるため確実かつ安全に下孔Hに挿入することができる。
5.土砂流入阻止部材33により前記集水管Pと前記離脱管3との間に土砂が流入するのを阻止するため、作業側に土砂が浸入するのを防止し、離脱管3をスムーズに抜き取ることができる。
6.離脱管3は取り除かれることにより、繰り返しの再利用が可能であって、無駄がない。
7.各ねじが丸ねじに構成されているため、締結力が強く、かつ製造時においても切りくずなどの発生を抑制することができる。
次に、本発明に係る集水管埋設方法の第二実施形態について図面を用いて説明する。なお、本第二実施形態の集水管埋設方法の工程のうち、上述した第一実施形態の工程と同等または相当する工程については、再度の説明を省略する。
本第二実施形態の集水管埋設方法は、アウターロッド62およびインナーロッド64を備える二重管式削孔機6により地中に下孔Hを削孔する下孔削孔工程と、前記インナーロッド64を前記アウターロッド62から抜き取るインナーロッド抜取工程と、前記アウターロッド62内に前記集水管埋設用補助具1を挿入する補助具挿入工程と、前記アウターロッド64を前記下孔Hから抜き取るアウターロッド抜取工程と、前記集水管埋設用補助具1内に前記集水管Pを挿入してその先端部を前記集水管連結部22に連結する集水管連結工程と、前記離脱管3を前記先端キャップ2から離脱させ前記下孔Hから抜き取る離脱管抜取工程とを有する。
本第二実施形態における下孔削孔工程は、図6に示すように、第一実施形態と同様、二重管式削孔機により削孔される。
次に、図12に示すように、前記インナーロッド64を前記アウターロッド62から抜き取り、アウターロッド62を下孔H内に残す(インナーロッド抜取工程)。このように、アウターロッド62を下孔H内に残すことにより、下孔Hを削孔した地中の地盤が弱く下孔Hが崩れるおそれがある場合に、下孔Hの崩れを防止し、集水管埋設用補助具1を所定の深さま安定的に挿入可能にしている。
本第二実施形態における補助具挿入工程は、図13に示すように、下孔Hに残されたアウターロッド62内に離脱管3が先端キャップ2に装着された状態の集水管埋設用補助具1を挿入する。仮に、アウターロッド62内に先端側から土砂等が流入していた場合は、第一実施形態と同様、削孔水を噴射しながら挿入することにより、集水管埋設用補助具1をより確実にアウターロッド62内に挿入できる。
次に、前記アウターロッド62を前記下孔Hから抜き取る(アウターロッド抜取工程)。このようにアウターロッド62を抜くことにより、第一実施形態における補助具挿入工程後と同様に、集水管埋設用補助具1が下孔H内に挿入された状態を作り出すことができる。
なお、離脱管押止部材4の取り外しは、前記アウターロッド抜取工程の前に行ってもよく、その後に行ってもよい。
そして、前記アウターロッド抜取工程後は、第一実施形態と同様であり、図9から図11に示すように、集水管連結工程と、離脱管抜取工程を経て、集水管Pを下孔Hに埋設する作業が完了する。
以上のような本第二実施形態の集水管埋設用補助具1を用いた集水管埋設方法によれば、地中の地盤が弱く下孔が崩れるおそれがある場合において、集水管Pを確実に埋設することができる。
なお、本発明に係る集水管埋設用補助具1およびこれを用いた集水管埋設方法は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、離脱管押止部材4は、先端キャップ2と離脱管3とを連結し、所定の負荷を加える操作により破壊されることで押止状態を解除できる構成を採用してもよい。その他、先端キャップ2と離脱管3とをねじにより連結して、集水管Pを先端キャップ2に固定した後、集水管Pを押さえつつ、離脱管3だけを回転させることによって、離脱する構成を採用してもよい。
また、図15に示すように、集水管連結部23の後端側の内壁に、前記集水管連結部23と離脱管3とが完全に離脱されるまで、前記集水管連結部23と前記離脱管3との間を密閉に保持しながら摺動させて土砂が流入するのを阻止するOリングなどのシール材29を設けてもよい。
さらに、本発明に係る集水管埋設用補助具1およびこれを用いた集水管埋設方法は、集水管の埋設のみならず、地中熱交換用パイプの埋設、地質観測用傾斜計や歪み計等の計測器の埋設、避雷針の埋設および法面工事で用いられるアンカーの埋設等に利用してもよい。
1 集水管埋設用補助具
2 先端キャップ
3 離脱管
4 離脱管押止部材
5 回転伝達器具
6 二重管式削孔機
21 キャップ本体
22 押止部材連結部
23 集水管連結部
24 保持溝
25 噴射孔
26 流水孔
27 嵌合溝
28 係合突起
29 シール材
31 係合溝
32 突出部
33 土砂流入阻止部材
41 押止部
42 連結軸
43 回転伝達軸
44 流通孔
51 案内羽根
61 アウタービット
62 アウターロッド
63 インナービット
64 インナーロッド
P 集水管
H 下孔

Claims (8)

  1. 地中に削孔された下孔に集水管を埋設するために用いられる集水管埋設用補助具であって、
    先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成されているとともに、その内側に前記集水管を嵌入させて連結する集水管連結部を備えた先端キャップと、
    前記集水管を内挿可能な筒状に形成されて前記先端キャップの後端側に装着されるとともに、内挿された前記集水管を前記先端キャップに連結させた後に前記先端キャップから離脱される離脱管と
    を有する集水管埋設用補助具。
  2. 前記離脱管の先端側を前記先端キャップの後端側に装着した状態で前記離脱管を押止する離脱管押止部材を有する請求項1に記載の集水管埋設用補助具。
  3. 前記離脱管押止部材は、前記離脱管の先端側の内周に設けられている突出部を前方に押圧して前記離脱管を前記先端キャップの基端側に押止するフランジ状の押止部と、この押止部よりも前記先端キャップ側に延出されており前記先端キャップに螺合により連結される連結軸と、前記離脱管の後端側から挿入される回転伝達器具から得られる回転力を前記連結軸に伝達して前記先端キャップとの螺合を外して連結を解除する回転伝達軸とを有する請求項2に記載の集水管埋設用補助具。
  4. 前記先端キャップの先端には、前記下孔内の土砂を水圧で除去する水を噴射するための噴射孔が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の集水管埋設用補助具。
  5. 前記離脱管の先端側の内周には、前記離脱管を前記先端キャップから離脱させる際に、内挿された前記集水管と前記離脱管との間を密閉状態に保持しながら摺動して土砂が流入するのを阻止する土砂流入阻止部材が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の集水管埋設用補助具。
  6. 前記集水管連結部には、ねじ山部およびねじ谷部がそれぞれ断面略円形状に形成された丸ねじが形成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の集水管埋設用補助具。
  7. 先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成されているとともに、その内側に集水管を嵌入させて連結する集水管連結部を備えた先端キャップと、前記集水管を内挿可能な筒状に形成されて前記先端キャップの後端側に装着されるとともに、内挿された前記集水管を前記先端キャップに連結させた後に前記先端キャップから離脱される離脱管とを有する集水管埋設用補助具を用いて集水管を地中に埋設するための集水管埋設方法であって、
    地中に下孔を削孔する下孔削孔工程と、
    前記下孔に前記集水管埋設用補助具を挿入する補助具挿入工程と、
    前記集水管埋設用補助具内に前記集水管を挿入してその先端部を前記先端キャップの前記集水管連結部に連結する集水管連結工程と、
    前記離脱管を前記先端キャップから離脱させて前記下孔から抜き取る離脱管抜取工程と
    を有する集水管埋設方法。
  8. 先端側が閉塞されて後端側が開口された筒状に形成されているとともに、その内側に集水管を嵌入させて連結する集水管連結部を備えた先端キャップと、前記集水管を内挿可能な筒状に形成されて前記先端キャップの後端側に装着されるとともに、内挿された前記集水管を前記先端キャップに連結させた後に前記先端キャップから離脱される離脱管とを有する集水管埋設用補助具を用いて集水管を地中に埋設するための集水管埋設方法であって、
    先端に削孔用のアウタービットを備えるアウターロッド、およびこのアウターロッド内に配置されるとともに先端に削孔用のインナービットを備えるインナーロッドとを有する二重管式削孔機により地中に下孔を削孔する下孔削孔工程と、
    前記インナーロッドを前記アウターロッドから抜き取るインナーロッド抜取工程と、
    前記先端キャップに前記離脱管を装着した状態の前記集水管埋設用補助具を前記アウターロッド内に挿入する補助具挿入工程と、
    前記アウターロッドを前記下孔から抜き取るアウターロッド抜取工程と、
    前記集水管埋設用補助具内に前記集水管を挿入してその先端部を前記先端キャップの前記集水管連結部に連結する集水管連結工程と、
    前記離脱管を前記先端キャップから離脱させて前記下孔から抜き取る離脱管抜取工程と
    を有する集水管埋設方法。
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