JP2006299600A - 地盤改良工法およびこれに使用する注入管 - Google Patents

地盤改良工法およびこれに使用する注入管 Download PDF

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Abstract

【課題】 タンクの供用状態を維持しつつ狭隘な作業空間においても施工が可能であり、かつ工期や工費の嵩まない地盤改良工法およびこれに使用する注入管を提供することである。
【解決手段】 地盤改良工法は、逆止弁付スリット20を複数備えた外管6内の先端部に嵌合ソケット9を設け、該嵌合ソケット9に注入ロッド7を逆ネジ方向にねじ込んで注入管5を形成し、該注入管5を作業者が保持した状態で、注入ロッド先端部10からジェット水25を噴射して削孔しながら地盤4に建て込んだ後、前記注入ロッド先端部10から注入管5が建て込まれた孔27内にセメントベントナイト26を注入した後、注入ロッド7を嵌合ソケット9から取り外して外管6から引き抜いた後、該外管6内にダブルパッカー付きの注入内管29を挿入して逆止弁付スリット20から外管6の周囲の地山30に薬液31を注入することである。
【選択図】図1

Description

本願発明は地盤改良工法およびこれに使用する注入管に関するものである。
既設タンクの基礎地盤の滑り破壊を防ぐための工法としては、図10の(1)に示すように、滑り曲線32で示した地盤33にセメントグラウト固結改良体34を形成する工法、或いは同図の(2)に示すように、滑り破壊線32で示した地盤33に鋼矢板35を打設して既設タンク36の外周を取り囲む工法がある。また、その他の工法としては、例えば特開平9−287154号公報の発明がある。
特開平9−287154号公報
しかし、上記のいずれの工法も大型施工機械を使用することから、多くの配管類やラックなどが輻輳する狭隘な作業環境においては使用することができないため、このような配管類を撤去して作業空間を確保しなければならず、タンク供用停止や操業そのものの停止を余儀なくされて工期や工費が嵩むという問題があった。
本願発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクの供用状態を維持しつつ狭隘な作業空間においても施工が可能であり、かつ工期や工費の嵩まない地盤改良工法およびこれに使用する注入管を提供することである。
以上の課題を解決するための本願発明の地盤改良工法は、逆止弁付スリットを複数備えた外管内の先端に嵌合ソケットを設け、該嵌合ソケットに注入ロッドをねじ込んで注入管を形成し、該注入管を作業者が保持した状態で、注入ロッド先端部からジェット水を噴射して削孔しながら地盤に建て込んだ後、前記注入ロッド先端部から注入管が建て込まれた孔内にセメントベントナイトを注入した後、注入ロッドを嵌合ソケットから取り外して外管から引き抜いた後、該外管内にダブルパッカー付きの注入内管を挿入して逆止弁付スリットから外管の周囲の地山に薬液を注入することを特徴とする。また外管と注入ロッドとは短尺管を人力で継ぎ足して形成することを含むものである。
また注入管は、逆止弁付スリットを複数備えた外管内の先端部に嵌合ソケットを設け、該嵌合ソケットに注入ロッドを逆ネジ方向にねじ込んで形成したことを特徴とする。
施工者が人力で地盤を削孔しながら注入管を建て込むことができ、この注入管を利用して薬液を地盤に注入することができるので、大型施工機械を利用することなく、多くの配管類やラックなどが輻輳する狭隘な作業環境においても簡単かつ安価に地盤改良を行うことができる。また短尺管を人力で継ぎ足して外管と注入ロッドとを形成することにより、これらの外管と注入ロッドとも簡単に形成できる。
以下、本願発明の地盤改良工法の実施の形態を図面に基づいて説明する。この地盤改良工法は狭隘な作業環境や大型施工機械が使用できない作業環境などにおいて使用するものであり、本実施の形態においては、図1に示すような、多くの配管類やラックなどが輻輳する狭隘な作業環境である既設タンクの地盤を対象にして説明する。すなわち図1に示すように、既設タンク1の基礎地盤2における滑り破壊線3で示した地盤4を改良して滑り破壊を防ぐものであり、人力で取り扱うことができる注入管5を用いて改良する。
この注入管5は、図2〜図5に示すように、外管6とこれに挿入された注入ロッド7との二重管から構成され、これらは短尺管を人力で継ぎ足して形成する。
この組立形成は、図2に示すように、まず外管先端部8の嵌合ソケット9に注入ロッド先端部10を逆ネジ方向にねじ込むとともに、これに注入ロッドの二本目の短尺管11を順ネジ方向にねじ込む。次に、外管先端部8に外管の二本目の短尺管13を連結すると、注入ロッド7が外管6よりやや長くなるため、注入ロッドの三本目の短尺管12が連結しやすくなり、この三本目の短尺管12を連結した後に、外管の三本目の短尺管14を連結する。このように注入ロッドの短尺管11、12と、外管の短尺管13、14とを交互に連結して注入管5を組立形成する。
また図3に示すように、嵌合ソケット9と注入ロッド先端部10とは逆ネジ15で嵌合されて、該注入ロッド7を嵌合ソケット9から取り外すときに外管6や注入ロッド7の連結部16、すなわち順ネジ方向にねじ込まれて連結された部分が緩まないようになっている。
また図4に示すように、注入ロッド先端部10には逆止弁17が設けられ、該逆止弁17の下側における噴射孔18からジェット水が噴射されるようになっている。
また図5に示すように、外管6のスリット19にも逆止弁20が設けられている。この逆止弁20は円錐形の弁膜21の頂上から周縁にかけて複数の切り込み22が設けられて形成され、通常は(1)および(2)に示すように閉じた状態で外側からの逆流入を阻止し、内側からの力に対しては、(3)に示すように、大きく開いて水などが噴射できるようになっている。
このように作業者が人力で取り扱うことができる注入管5を、まず現場において人力で所定長さに組立形成する。そして、この注入管5を、図6に示すように、既設タンク1の基礎地盤2における滑り破壊しそうな地盤4に建て込む。これは高圧ポンプ23から送水ホース24で注入ロッド7に高圧水を送り、その先端からジェット水25を噴射させて地盤4を削孔しながら建て込むが、所定深度までは注入ロッド7と外管6との短尺管を順次継ぎ足しながら建て込む。
次に、図7に示すように、注入管5を所定深度まで建て込んだ後、ジェット水25に代わって注入ロッド先端部10からセメントベントナイト26を注入し、外管6の周りの孔27内に充填する。
次に、図8に示すように、外管6内の嵌合ソケット9から注入ロッド7を取り外して、外管6内から引き抜く。この際、嵌合ソケット9が逆ネジになっているので、注入ロッド7の連結部のネジが緩むことはない。
そして、図9に示すように、上下にパッカー28を備えたダブルパッカー付きの注入内管29を外管6に挿入して、逆止弁付スリット19から外管6の周囲の地山30に薬液31を注入する。この注入は、下側からステップアップしながら行うものであり、この薬液31の注入によって地盤4が補強されて滑り破壊を防ぐことができるようになる。
既設タンクの地盤の断面図である。 注入管の断面図である。 (1)は外管先端部の断面図、(2)は外管から注入ロッドを取り外した断面図である。 注入管先端部の断面図である。 (1)は逆止弁付きスリットの断面図、(2)は同正面図、(3)は逆止弁が開いたスリットの断面図である。 注入管を建て込んだ断面図である。 注入管にセメントグラウトを充填した断面図である。 注入ロッドを外管から引き抜いた断面図である。 薬液を地山に注入した断面図である。 (1)および(2)は既設タンクにおける地盤改良工法の断面図である。
符号の説明
1、36 既設タンク
2 基礎地盤
3、32 滑り破壊線
4、33 地盤
5 注入管
6 外管
7 注入ロッド
8 外管先端部
9 嵌合ソケット
10 注入ロッド先端部
11、12 注入ロッドの短尺管
13、14 外管の短尺管
15 逆ネジ
16 連結部
17、19 逆止弁
18 噴射孔
20 スリット
21 弁膜
22 切り込み
23 高圧ポンプ
24 送水ホース
25 ジェット水
26 セメントベントナイト
27 孔
28 パッカー
29 注入内管
30 地山
31 薬液
34 セメントグラウト固結改良体
35 鋼矢板

Claims (3)

  1. 逆止弁付スリットを複数備えた外管内の先端部に嵌合ソケットを設け、該嵌合ソケットに注入ロッドを逆ネジ方向にねじ込んで注入管を形成し、該注入管を作業者が保持した状態で、注入ロッド先端部からジェット水を噴射して削孔しながら地盤に建て込んだ後、前記注入ロッド先端部から注入管が建て込まれた孔内にセメントベントナイトを注入した後、注入ロッドを嵌合ソケットから取り外して外管から引き抜いた後、該外管内にダブルパッカー付きの注入内管を挿入して逆止弁付スリットから外管の周囲の地山に薬液を注入することを特徴とする地盤改良工法。
  2. 外管と注入ロッドとは短尺管を人力で継ぎ足して形成することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良工法。
  3. 逆止弁付スリットを複数備えた外管内の先端部に嵌合ソケットを設け、該嵌合ソケットに注入ロッドを逆ネジ方向にねじ込んで形成したことを特徴とする注入管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021179148A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 鹿島建設株式会社 地盤改良工法

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