JP5053221B2 - 内燃機関の過給圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ターボチャージャを備える内燃機関の過給圧制御装置に関する。
従来より、内燃機関に吸入される空気を加圧するコンプレッサホイールと、このコンプレッサホイールに連結され、排気が吹き付けられることで回転駆動するタービンホイールと、このタービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変更する可変ベーンとを備える可変容量型のターボチャージャが知られている。このターボチャージャでは、可変ベーンの開度を制御することで、過給圧を適切な圧力にすることができる。
一方、内燃機関の排気の一部を吸気側に還流するEGR機構を備える内燃機関も知られている。このEGR機構では、排気側と吸気側とを連通する還流通路に設けられたEGRバルブを開閉制御することで、排気還流量(以下、「EGR流量」という)を適切な流量にすることができる。
図6は、内燃機関の燃焼室に供給される気体の成分を模式的に示す図である。
図6に示すように、内燃機関には、外気から新たに供給される新気と、EGR機構により還流される排気に加えて、燃料が供給される。このうち、内燃機関に流入する気体の圧力すなわち過給圧は、新気流量GNEWとEGR流量GEGRとを合わせた総流入量GCYLに相当する。したがって、EGR流量GEGRを変更すると、過給圧も変化することとなる。つまり、EGR機構によるEGR制御は、ターボチャージャによる過給圧制御において外乱となる場合がある。
そこで、例えば特許文献1には、このようなEGR制御と過給圧制御との干渉を防止する制御装置が示されている。この制御装置では、EGR機構により排気を還流する運転領域に対応してターボチャージャのフィードバック制御を禁止する運転領域を設定するとともに、このフィードバック制御が禁止された運転領域ではターボチャージャをオープン制御する。さらにこの制御装置では、内燃機関の回転数や負荷以外のEGR流量を低下させるパラメータに基づいて、フィードバック制御を禁止する領域を縮小方向に補正することにより、ターボチャージャをフィードバック制御できる領域をできるだけ拡大し、加速性能を向上する。
特開2001−140652号公報
ところで、上述のようなターボチャージャをフィードバック制御する場合、以下に示すような課題がある。
ターボチャージャは、コンプレッサホイールとタービンホイールとを連結するタービンシャフトの慣性に起因して、ベーン開度を変更する指令を送信してから実際にコンプレッサホイールの回転数が変化するまでの応答遅れが大きい。このような応答遅れが大きい系では、単にフィードバックゲインを大きな値にするだけではハンチングが発生してしまうため、実過給圧を目標過給圧に速やかに到達させることが難しい。すなわち、外乱に対する耐性が低く、目標過給圧が変化した場合や、排気の流れが変化した場合に、速やかに対処することが難しい。
また、一般的な可変容量型のターボチャージャにおいて、そのベーン開度は過給圧に対し非線形な特性を有する。より具体的には、可変ベーンの開き側での作動に対する過給圧変化は、絞り側での作動に対する過給圧変化よりも小さい。このため、一律のゲインが設定された単純なフィードバック制御により、全過給圧の領域に亘って適切な開度で可変ベーンを制御するのは難しい。
容量が小さい小型のターボチャージャでは、タービン通過流量が低流量領域において、可変ベーンの作動範囲が大型のものよりも広がるため、上述のベーン開度特性の非線形性の課題が特に顕著になる。ここで小型のターボチャージャとは、容量を小さくすることで、タービン通過流量(タービンホイールを駆動する排気の質量流量)に対するタービン前後排気圧力比(タービンホイールの上流側の排気圧と下流側の排気圧との比)を高くしたものである。この小型のターボチャージャは、大型のターボチャージャに対して最大出力が落ちるものの、低流量領域では大型のターボチャージャよりも可変ベーンの開き側の設定で同一の過給圧を得ることができるため、大型のターボチャージャよりも可変ベーンの作動範囲が広くなっている。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、外乱に対する応答性が良好であり、かつ、ベーン開度特性の非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる過給圧制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)に吸入される空気を加圧するコンプレッサホイール(82)と、当該コンプレッサホイールと連結され、前記内燃機関から排出された排気ガスが吹き付けられることで回転駆動するタービンホイール(81)と、を有するターボチャージャ(8)と、前記タービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変化させる排気流量可変機構(84,85)と、を備える内燃機関の過給圧制御装置であって、前記排気流量可変機構は、開閉動作によりタービンホイールに流入する排気の入口面積を変更する可変ベーン(84)を含み、前記タービンホイールの上流側の排気圧をタービン上流側排気圧とし、前記タービンホイールの上流側の排気圧と下流側の排気圧との比をタービン前後排気圧力比とし、実過給圧(P2)と目標過給圧(P2CMD)とに基づいて、目標タービン上流側排気圧(P3CMD)又は目標タービン前後排気圧力比(PRCMD)を算出し、さらに、タービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と前記可変ベーンの開度(VO)とを関連付けるタービンモデルに基づいて、実タービン上流側排気圧(P3)又は実タービン前後排気圧力比(PR)が前記目標タービン上流側排気圧(P3CMD)又は前記目標タービン前後排気圧力比(PRCMD)と一致するように前記可変ベーンの開度を制御する制御手段(40,40B)を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記タービンホイールの上流側の排気圧を検出する上流側排気圧検出手段(22)と、前記タービンホイールの下流側の排気圧を検出する下流側排気圧検出手段(23)と、をさらに備え、前記制御手段は、前記実タービン上流側排気圧又は前記実タービン前後排気圧力比として、前記上流側排気圧検出手段及び前記下流側排気圧検出手段の検出値を用いることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記タービンモデルは、前記可変ベーンの開度ごとにおけるタービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と修正流量との関係が規定されたものであり、前記制御手段は、前記タービンモデルを用いて目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比及び修正流量に応じた前記可変ベーンの開度を決定することを特徴とする。
上記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、内燃機関(1)に吸入される空気を加圧するコンプレッサホイール(82)と、当該コンプレッサホイールと連結され、前記内燃機関から排出された排気ガスが吹き付けられることで回転駆動するタービンホイール(81)と、を有するターボチャージャ(8)と、前記タービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変化させる排気流量可変機構(84,85)と、を備える内燃機関の過給圧制御装置であって、前記排気流量可変機構は、前記タービンホイールの上流側と下流側とをバイパスするバイパス通路を開閉するウェストゲートバルブ(85)を含み、前記タービンホイールの上流側の排気圧をタービン上流側排気圧とし、前記タービンホイールの上流側の排気圧と下流側の排気圧との比をタービン前後排気圧力比とし、実過給圧(P2)と目標過給圧(P2CMD)とに基づいて、目標タービン上流側排気圧(P3CMD)又は目標タービン前後排気圧力比(PRCMD)を算出し、さらに、タービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と前記ウェストゲートバルブの開度(WO)とを関連付けるタービンモデルに基づいて、実タービン上流側排気圧(P3)又は実タービン前後排気圧力比(PR)が前記目標タービン上流側排気圧(P3CMD)又は前記目標タービン前後排気圧力比(PRCMD)と一致するように前記ウェストゲートバルブの開度を制御する制御手段(40A,40B)を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記タービンホイールの上流側の排気圧を検出する上流側排気圧検出手段(22)と、前記タービンホイールの下流側の排気圧を検出する下流側排気圧検出手段(23)と、をさらに備え、前記制御手段は、前記実タービン上流側排気圧又は前記実タービン前後排気圧力比として、前記上流側排気圧検出手段及び前記下流側排気圧検出手段の検出値を用いることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記タービンモデルは、前記ウェストゲートバルブの開度ごとにおけるタービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と修正流量との関係が規定されたものであり、前記制御手段は、前記タービンモデルを用いて目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比及び修正流量に応じた前記ウェストゲートバルブの開度を決定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れかに記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記制御手段は、実コンプレッサ仕事率(WCEST)が目標コンプレッサ仕事率(WCCMD)に一致するように目標タービン仕事率(WTCMD)を算出し、さらに当該算出した目標タービン仕事率(WTCMD)に基づいて、目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比を算出することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、前記実コンプレッサ仕事率(WCEST)及び前記目標コンプレッサ仕事率(WCCMD)は、それぞれ、実過給圧(P2)及び目標過給圧(P2CMD)から同じ式に基づいて算出されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、実過給圧と実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比との2つの制御出力に基づく2重のフィードバック制御、すなわちカスケード制御によりベーン開度を制御する。上述のように、過給圧制御系では、ベーン開度の変更に対する実過給圧の応答遅れが大きく、外乱に対する耐性が低い。このような過給圧制御系において、実過給圧に加えて、より即応性に優れた排気圧に関わる制御出力(実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比)に基づくカスケード制御によりベーン開度を制御することにより、外乱に対する応答性が良好な過給圧制御を行うことができる。
また、この発明によれば、タービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と、ベーン開度とを関連付けるタービンモデルに基づいて、実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比が目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比と一致するようにベーン開度を制御する。このようなタービンモデルに基づいてベーン開度を制御することにより、ベーン開度特性の非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比として、上流側排気圧検出手段及び下流側排気圧検出手段の検出値を用いることにより、外乱などに対してより即応性に優れた過給圧制御を行うことができる。また、制御精度も向上することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ベーン開度ごとにおけるタービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と修正流量との関係が規定されたタービンモデルを用いて、目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比及び修正流量に応じたベーン開度を決定する。これにより、ベーン開度と排気圧との非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、ウェストゲートバルブを開閉して、バイパス通路を流通する排気の流量を調整することにより、タービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変化させることができる。したがって、排気流量可変機構として可変ベーンを用いた上述の過給圧制御装置と同様に、外乱に対する応答性が良好な過給圧制御を行うことができる。また、ウェストゲートバルブの開度特性の非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、排気流量可変機構として可変ベーンを用いた上述の過給圧制御装置と同様に、外乱などに対してより即応性に優れた過給圧制御を行うことができる。また、制御精度も向上することができる。
請求項6に記載の発明によれば、排気流量可変機構として可変ベーンを用いた上述の過給圧制御装置と同様に、ウェストゲートバルブ開度と排気圧との非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、実コンプレッサ仕事率が目標コンプレッサ仕事率に一致するように目標タービン仕事率を算出し、さらに算出した目標タービン仕事率に基づいて目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比を算出する。
ところで、上述のようなターボチャージャでは、タービンホイールの仕事をコンプレッサホイールの運動に変換することで、過給圧を適切な圧力に調整する。しかしながら、これらホイールの仕事率とこれらホイールの前後圧力比との相関関係は、各ホイールの動作領域によって異なる。このため、例えば、タービン上流側排気圧又はタービン前後圧力比のフィードバック制御を行う際に、単純に実過給圧が目標過給圧に一致するようにした場合、すなわち圧力を基準パラメータとしてフィードバック制御を行う場合、上述のような各ホイールの動作の非線形性を補償するためには、フィードバックゲインを各ホイールの動作領域ごとに持ち替える必要がある。このような持ち替えを行うためのマップを適切に設定するには、開発の段階において多くの適合工数が必要となり、したがって開発にかかるコストや時間が増加してしまうおそれがある。
これに対して、この発明によれば、タービン上流側排気圧又はタービン前後圧力比のフィードバック制御を行う際、実コンプレッサ仕事率が目標コンプレッサ仕事率に一致するようにすることで、すなわち各ホイールの動作に直接関わる仕事率を基準パラメータとしたフィードバック制御を行うことで、各ホイールの動作領域ごとにフィードバックゲインを持ち替える必要が無くなる。したがって、適合工数を増やすことなくターボチャージャの動作の非線形性を補償した制御を行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、実コンプレッサ仕事率及び目標コンプレッサ仕事率を、それぞれ、実過給圧及び目標過給圧から同じ式に基づいて算出する。したがって、実コンプレッサ仕事率を目標コンプレッサ仕事率に一致させることで、実過給圧を目標過給圧に一致させることができる。これにより、過給圧の制御精度を向上することができる。また、このように過給圧の制御精度を向上することにより、EGR制御との干渉をさらに防止し、EGR制御の制御精度を向上することができる。したがって、エミッションのばらつきを低減することも可能となる。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関及びその過給圧制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下「エンジン」という)1は、シリンダ7の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、シリンダ7には図示しない燃料噴射弁が設けられている。これら燃料噴射弁は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)40により電気的に接続されており、燃料噴射弁の開弁時間及び閉弁時間は、ECU40により制御される。
エンジン1には、吸気が流通する吸気管2と、排気が流通する排気管4と、排気管4内の排気の一部を吸気管2に還流する排気還流通路6と、吸気管2に吸気を圧送するターボチャージャ8とが設けられている。
吸気管2は、吸気マニホールドの複数の分岐部を介してエンジン1の各シリンダ7の吸気ポートに接続されている。排気管4は、排気マニホールドの複数の分岐部を介してエンジン1の各シリンダ7の排気ポートに接続されている。排気還流通路6は、排気管4から分岐し吸気管2に至る。
ターボチャージャ8は、排気管4に設けられたタービンホイール81と、吸気管2に設けられたコンプレッサホイール82と、これらタービンホイール81とコンプレッサホイール82とを連結するタービンシャフト83と、を備える。タービンホイール81は、エンジン1から排出された排気が吹き付けられることで回転駆動する。コンプレッサホイール82は、タービンホイール81により回転駆動され、エンジン1の吸気を加圧し吸気管2内へ圧送する。
この他、ターボチャージャ8は、タービンホイール81に吹き付けられる排気の流量を変化させる排気流量可変機構として、可変ベーン84や、ウェストゲートバルブ85を備える。可変ベーン84は、その開閉動作によりタービンホイール81に流入する排気の入口面積を変更し、これにより、タービンホイール81に吹き付けられる排気の流量を変えるとともに、タービンホイール81の回転速度を変えることができる。この可変ベーン84は、図示しないアクチュエータを介してECU40に接続されており、その開度(以下、「ベーン開度」という)VOはECU40により制御される。
ウェストゲートバルブ85は、排気管4のうちタービンホイール81の上流側と下流側とをバイパスするバイパス通路86に設けられ、このバイパス通路86を開閉する。すなわち、このウェストゲートバルブ85を開閉し、排気の一部を、タービンホイール81を介さずに排出することにより、タービンホイール81に吹き付けられる排気の流量を変えることができる。このウェストゲートバルブ85は、図示しないアクチュエータを介してECU40に接続されており、その開度(以下、「ウェストゲートバルブ開度」という)WOはECU40により制御される。
吸気管2のうち、ターボチャージャ8の下流側には、ターボチャージャ8により加圧された空気を冷却するインタークーラ5と、エンジン1の吸入空気量を制御するスロットル弁9とが設けられている。このスロットル弁9は、図示しないアクチュエータを介してECU40に接続されており、その開度はECU40により制御される。
排気管4のうち、ターボチャージャ8の下流側には、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ15が設けられている。
排気還流通路6は、排気管4と吸気管2の吸気マニホールドとを接続し、エンジン1から排出された排気の一部を還流する。排気還流通路6には、還流する排気の流量を制御するEGR弁13が設けられている。EGR弁13は、図示しないアクチュエータを介してECU40に接続されており、その弁開度はECU40により制御される。
ECU40には、吸気管2のうちコンプレッサホイール82の下流側の吸気圧すなわち過給圧P2を検出する過給圧センサ21、排気管4のうちタービンホイール81の上流側の排気圧(以下、「上流側排気圧」という)P3を検出する上流側排気圧センサ22、排気管4のうちタービンホイール81の下流側の排気圧(以下、「下流側排気圧」という)P4を検出する下流側排気圧センサ23、排気管4のうちタービンホイール81の上流側の排気温度(以下、「上流側排気温度」という)T3を検出する上流側排気温度センサ24、エンジン1のクランク軸の回転角度を検出するクランク角度位置センサ25、及びエンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量APを検出するアクセルペダルセンサ26が接続されており、これらセンサの検出信号は、ECU40に供給される。また、エンジン1の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角度位置センサ25の出力に基づいて、ECU40により算出される。
ECU40は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU40は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、ターボチャージャ8の可変ベーン84及びウェストゲートバルブ85、スロットル弁9、EGR弁13、並びにエンジン1の燃料噴射弁を駆動する各アクチュエータに制御信号を出力する出力回路とを備える。
次に、可変ベーン84のベーン開度VOを制御する過給圧制御について、図2から図5を参照して説明する。
図2は、過給圧制御を実行するためのモジュールの構成を示すブロック図である。このモジュールの機能は、ECU40で実行される処理により実現される。
図2に示すモジュールは、目標上流側排気圧算出部41とベーン開度制御部42との2つのフィードバックコントローラを含んで構成され、2つの制御出力(実過給圧P2及び実上流側排気圧P3)に基づいて、所謂カスケード制御によりベーン開度VOを制御する。
目標上流側排気圧算出部41は、過給圧制御器43と、目標値リミッタ44と、目標値フィルタ45と、を含んで構成される。
過給圧制御器43は、実過給圧P2が後述の目標過給圧P2CMDに一致するように、上流側排気圧の目標値(以下、「目標上流側排気圧」という)P3CMDを算出する。具体的には、実過給圧P2と目標過給圧P2CMDとの偏差Eを下記式(1)で定義し、この偏差E(k)が0に収束するように、後述のスライディングモード制御に基づいて制御入力U(コントローラの出力)を算出し、算出した制御入力Uを目標上流側排気圧P3CMDに変換する。
Figure 0005053221
ここで、記号(k)は、離散化した時間を示す記号であり、所定の制御周期毎に検出又は算出されたデータであることを示す。すなわち、記号(k)が今回の制御タイミングにおいて検出又は算出されたデータであるとした場合、記号(k−1)は前回の制御タイミングにおいて検出又は算出されたデータであることを示す。なお、以下の説明においては、記号(k)を適宜、省略する。
次に、下記式(2)〜(5)に示すスライディングモード制御のアルゴリズムについて説明する。スライディングモード制御とは、制御量の収束速度を指定できる所謂応答指令型制御を発展させたものであり、制御量の目標値に対する追従速度と、外乱が印加された場合の制御量の収束速度を個別に指定できる制御である。
Figure 0005053221
上記式(2)に示すように、制御入力U(k)は、上記式(3)に示す到達則入力URCH(k)と、上記式(4)に示す適応則入力UADP(k)との和により算出される。
到達則入力URCH(k)は、偏差E(k)を後述の切換直線上に載せるための入力であり、上記式(5)に示す切換関数σ(k)に所定の到達則制御ゲインKRCHを乗算することで算出される。
適応則入力UADP(k)は、モデル化誤差や外乱の影響を抑制し、偏差E(k)を後述の切換直線に載せるための入力であり、切換関数σ(k)の積分値に所定の適応則制御ゲインKADPを乗算することで算出される。
切換関数σ(k)は、上記式(5)に示すように、今回制御時の偏差E(k)と、前回制御時の偏差E(k−1)に所定の切換関数設定パラメータVPOLEを乗算したものとの和により算出される。
ここで、切換関数設定パラメータVPOLEと、偏差E(k)の収束速度との関係について説明する。
上記式(5)に示すように、横軸を前回制御時の偏差E(k−1)とし、縦軸を今回制御時の偏差E(k)と定義した位相平面内では、切換関数σ(k)=0を満たす偏差E(k)及びE(k−1)の組み合わせは、傾きが−VPOLEの直線となる。特にこの直線は、切換直線と呼ばれる。また、この切換直線上では、−VPOLEを1より小さく0より大きい値に設定することにより、E(k−1)>E(k)となるので、偏差E(k)は0に収束することとなる。スライディングモード制御は、この切換直線上における偏差E(k)の振る舞いに着目した制御となっている。
すなわち、今回制御時の偏差E(k)と前回制御時の偏差E(k−1)との組み合わせが、この切換直線上に載るように制御を行うことで、外乱やモデル化誤差に対してロバストな制御を実現し、制御量をその目標値に対し過剰なオーバシュートすることなく収束させることができる。
目標過給圧P2CMDは、目標過給圧設定部49により、エンジン1の運転状態に応じて適宜設定される。具体的には、目標過給圧P2CMDは、踏み込み量APに対応する要求トルクに応じて基本燃料量TI(具体的には、燃料噴射弁の開弁時間)を算出し、この基本燃料量TI及びエンジン回転数NEに応じて設定される。また、この目標過給圧P2CMDは、基本燃料量TIが増加するほど、またエンジン回転数NEが高くなるほど大きくなるように設定される。したがって、アクセルペダルが踏み込まれる加速時においては、目標過給圧P2CMDはステップ上に増加する。
目標値リミッタ44は、目標上流側排気圧P3CMDに対し、所定のリミット値P3LMTを上限値とするリミット処理を施す。すなわち、算出された目標上流側排気圧P3CMDが所定のリミット値P3LMTより大きい場合には、このリミット値P3LMTを目標上流側排気圧とする。
目標値フィルタ45は、リミット処理が施された目標上流側排気圧P3CMDに対し、以下に示すフィルタ処理を施す。具体的には、下記式(6)に示す一次遅れフィルタアルゴリズムにより、目標上流側排気圧P3CMDのフィルタ値P3CMDFを算出する。なお、下記式(6)において、Rは目標値フィルタ係数であり、−1から0の間において設定される。また以下では、特に混同のおそれが無い限り、目標上流側排気圧P3CMDのフィルタ値P3CMDFを、単に目標上流側排気圧という。
Figure 0005053221
ベーン開度制御部42は、排気圧制御器46と、ベーン開度決定部47と、を含んで構成され、実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDに一致するように、ベーン開度VOを制御する。
排気圧制御器46は、上流側排気圧と下流側排気圧との比(P3/P4)を前後排気圧力比PRとして、上述の実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDFに一致するように、前後排気圧力比PRの目標値(以下、「目標前後排気圧力比」という)PRCMDを算出する。具体的には、実上流側排気圧P3と目標上流側排気圧P3CMDFとの偏差E(k)を下記式(7)で定義し、この偏差E(k)が0に収束するように、上記式(2)〜(5)に示すスライディングモード制御に基づいて制御入力Uを算出し、算出した制御入力Uを目標前後排気圧力比PRCMDに変換する。
Figure 0005053221
ベーン開度決定部47は、所定のタービンモデルに基づいて、算出された目標前後排気圧力比PRCMDに対応するベーン開度VOを決定する。
図3は、各ベーン開度での流量特性を示す図であり、ベーン開度決定部により参照されるタービンモデルの具体例を示す図である。この図3において、横軸は前後排気圧力比PRを示し、縦軸は修正流量Gを示す。流量特性とは、ベーン開度を一定に保った状態での前後排気圧力比PRと修正流量Gとの関係を示すものである。図3には、ベーン開度VOを1/6,2/6,3/6,4/6,5/6,6/6にした場合における流量特性のみを示す。
修正流量Gは、タービンホイールを駆動する排気の質量流量、すなわちタービンホイールを通過した排気の質量流量(以下、「タービン通過流量」という)MTを、上流側排気温度T3及び上流側排気圧P3のもとで修正した流量を示す。この修正流量Gは、所定の定義式に基づいて、タービン通過流量MT、上流側排気温度T3、及び上流側排気圧P3に応じて算出される。
図3に示すように、ベーン開度を一定に保った状態では、前後排気圧力比PRが大きくなるに従い、修正流量Gも大きくなる。また、どのベーン開度においても、前後排気圧力比が所定の値よりも大きくなると、修正流量Gは略一定となる。
また、図3に示すように、各ベーン開度における流量特性曲線の間隔は、ベーン開度が大きくなるに従い(可変ベーンが開き側になるに従い)、狭くなる。これは、可変ベーンの開き側での作動に対する過給圧及び上流側排気圧の変化は、絞り側での作動に対する過給圧及び上流側排気圧の変化よりも小さいことを示している。すなわち、ベーン開度は、過給圧や上流側排気圧に対し非線形な特性を有する。
図2に戻って、ベーン開度決定部47では、以上のような前後排気圧力比、修正流量、及びベーン開度が関連付けられたタービンモデルに基づいて、目標前後排気圧力比PRCMD及び修正流量Gに応じたベーン開度VOを決定する。また、ベーン開度決定部47により決定されたベーン開度VOは、図示しない変換器により、この開度に対応するデューティ比Dutyの制御信号に変換された後、可変ベーン84を駆動するアクチュエータに供給される。
次に、図4及び図5を参照して、目標上流側排気圧P3CMD及び目標過給圧P2CMDをステップ状に変化させた場合における実過給圧P2、実上流側排気圧P3、及びデューティ比Dutyの応答について説明する。
図4は、目標上流側排気圧P3CMDをステップ状に変化させた場合の制御例を示すタイムチャートである。
図5は、目標過給圧P2CMDをステップ状に変化させた場合の制御例を示すタイムチャートである。
なお、これら図4及び図5に示す制御例は、EGR弁を全閉、エンジン回転数を2000[rpm]、燃料噴射量を20[mg/cyl]一定にした状態での制御例を示す。
図4に示す制御例では、時刻t1において、目標上流側排気圧P3CMDを1.2[bar]から1.6[bar]までステップ状に変化させた場合を示す。このように目標上流側排気圧P3CMDを急激に変化させた場合であっても、そのフィルタ値P3CMDFは、一次遅れの応答を示し、時刻t1から時刻t3にかけて緩やかに変化する。
ベーン開度を表すデューティ比Dutyは、実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDに一致するように、時刻t1の直後の時刻t2から制御が開始され、時刻t4において約80%に収束する。
このデューティ比Dutyの変化に伴い、実過給圧P2が変化しはじめ、時刻t4において約1.3[bar]に収束する。一方、実上流側排気圧P3は、目標上流側排気圧P3CMDに対して過剰にオーバシュートすること無く、時刻t5において約1.6[bar]に収束する。
図5に示す制御例では、時刻t11において、目標過給圧P2CMDを1.1[bar]から1.25[bar]までステップ状に変化させた場合を示す。
このような目標過給圧P2CMDの変化に応じて、実過給圧P2が目標過給圧P2CMDに一致するように、目標上流側排気圧P3CMD及びそのフィルタ値P3CMDFが算出される。これら目標上流側排気圧P3CMD及びそのフィルタ値P3CMDFは、時刻t11の直後の時刻t12から変化し始め、時刻t13において約1.5[bar]に収束する。
デューティ比Dutyは、実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDFに一致するように、時刻t12から制御が開始され、時刻t14において約76%に収束する。
このデューティ比Dutyの変化に伴い、実過給圧P2が変化しはじめ、時刻t14において実過給圧P2が約1.2[bar]に収束する。一方、実上流側排気圧P3は、目標上流側排気圧P3CMDに対して過剰にオーバシュートすること無く、時刻t15において約1.5[bar]に収束する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、実過給圧P2と実上流側排気圧P3との2つの制御出力に基づく2重のフィードバック制御、すなわちカスケード制御によりベーン開度VOを制御する。上述のように、過給圧制御系では、ベーン開度VOの変更に対する実過給圧P2の応答遅れが大きく、外乱に対する耐性が低い。このような過給圧制御系において、実過給圧P2に加えて、より即応性に優れた実上流側排気圧P3に基づくカスケード制御によりベーン開度VOを制御することにより、外乱に対する応答性が良好な過給圧制御を行うことができる。
また、前後排気圧力比PRと、ベーン開度VOとを関連付けるタービンモデルに基づいて、実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDと一致するようにベーン開度VOを制御する。このようなタービンモデルに基づいてベーン開度VOを制御することにより、ベーン開度特性の非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
また、実上流側排気圧P3として、上流側排気圧センサ22の検出値を用いることにより、外乱などに対してより即応性に優れた過給圧制御を行うことができる。また、制御精度も向上することができる。
また、ベーン開度ごとにおける前後排気圧力比PRと修正流量Gとの関係が規定されたタービンモデルを用いて、目標前後排気圧力比PRCMD及び修正流量Gに応じたベーン開度VOを決定する。これにより、ベーン開度と過給圧や上流側排気圧との非線形性が補償された過給圧制御を行うことができる。
本実施形態では、ECU40が制御手段を構成し、可変ベーン84及びウェストゲートバルブ85が排気流量可変機構を構成し、上流側排気圧センサ22が上流側排気圧力検出手段を構成し、下流側排気圧センサ23が下流側排気圧力検出手段を構成する。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。
以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略化又は簡略化する。
上述の第1実施形態では、可変ベーン84の開度VOを変更することにより、タービンホイール81に吹き付けられる排気の流量を変化させた。これに対して本実施形態では、ウェストゲートバルブ85の開度WOを変更し、バイパス通路86を流通する排気の流量を変更することにより、タービンホイール81に吹き付けられる排気の流量を変化させる。
図7は、過給圧制御を実行するためのモジュールの構成を示すブロック図である。このモジュールの機能は、ECU40Aで実行される処理により実現される。
ウェストゲートバルブ開度制御部42Aは、排気圧制御器46と、ウェストゲートバルブ開度決定部47Aと、を含んで構成され、実上流側排気圧P3が目標上流側排気圧P3CMDに一致するように、ウェストゲートバルブ開度WOを制御する。
ウェストゲートバルブ開度決定部47Aは、所定のタービンモデルに基づいて、排気圧制御器46により算出された目標前後排気圧力比PRCMDに対応するウェストゲートバルブ開度WOを決定する。ここで、ウェストゲートバルブ開度決定部47Aにより参照されるタービンモデルは、上述の図3に示すタービンモデルと同様に、ウェストゲートバルブ開度WOごとにおける前後排気圧力比PRと修正流量Gとの関係が規定されたものが用いられる。
また、ウェストゲートバルブ開度決定部47Aにより決定されたウェストゲートバルブ開度WOは、図示しない変換器により、この開度に対応するデューティ比Dutyの制御信号に変換された後、ウェストゲートバルブ85を駆動するアクチュエータに供給される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態を、図面を参照して説明する。
以下の第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態及び第2実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略化又は簡略化する。
図8は、本実施形態に係る内燃機関及び過給圧制御装置の構成を示す図である。
図8に示すように、本実施形態は、吸気管2のうちコンプレッサホイール82の上流側の吸気圧(以下、「上流側吸気圧」という)P1を検出する上流側吸気圧センサ27Bと、吸気管2のうちコンプレッサホイール82の上流側の吸気温度(以下、「上流側吸気温度」という)T1を検出する上流側吸気温度センサ28Bとをさらに備える点と、ECU40Bの構成が、第1、第2実施形態と異なる。
図9は、ECU40Bにより実現されるモジュールの構成のうち、目標上流側排気圧算出部41Bの構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態では、過給圧制御器43Bの構成が第1、第2実施形態と異なる。
上述の第1、第2実施形態の過給圧制御器43では、圧力を基準パラメータとして、実過給圧P2が目標過給圧P2CMDに一致するように、上流側排気圧P3のフィードバック制御が行われる。これに対して本実施形態の過給圧制御器43Bでは、仕事率を基準パラメータとして、上流側排気圧P3のフィードバック制御を行う点が、第1、第2実施形態と異なる。
図10は、コンプレッサホイールの仕事率WCと、過給圧P2と上流側吸気圧P1の比(P2/P1)と、コンプレッサホイールを通過した吸気の質量流量(以下、「コンプレッサ通過流量」という)MCとの関係を示す図である。
図10に示すように、圧力比P2/P1が大きくなるに従い、またコンプレッサ通過流量MCが大きくなるに従い、コンプレッサ仕事率WCは大きくなる。
図11は、タービンホイールの仕事率WTと、下流側排気圧P4と上流側排気圧P3の比(P4/P3)と、タービン通過流量MTとの関係を示す図である。
図11に示すように、圧力比P4/P3が大きくなるに従い、またタービン通過流量MTが大きくなるに従い、タービン仕事率WTは大きくなる。
以上のようなコンプレッサ仕事率WCと、圧力比P2/P1と、コンプレッサ通過流量MCとの関係は、下記式(8)に示す一般式により表される。なお、下記式(8)において、ηはコンプレッサホイールの断熱効率を示し、Cは定圧比熱を示し、κは比熱比を示す。
Figure 0005053221
また、タービン仕事率WTと、圧力比P4/P3と、タービン通過流量MTとの関係は、下記式(9)に示す一般式により表される。なお、下記式(9)において、ηはタービンホイールの断熱効率を示す。
Figure 0005053221
図9に戻って、過給圧制御器43Bの詳細な構成について説明する。
過給圧制御器43Bは、目標コンプレッサ仕事率算出部431Bと、実コンプレッサ仕事率算出部432Bと、仕事率制御器433Bと、目標排気圧設定部434Bと、を含んで構成される。
目標コンプレッサ仕事率算出部431Bは、上述の一般式(8)に基づいて、目標過給圧P2CMDに応じた目標コンプレッサ仕事率WCCMDを算出する。より具体的には、下記式(10)に示すように、目標過給圧P2CMD、上流側吸気圧P1、コンプレッサ通過流量MC、及び上流側吸気温度T1に基づいて、目標コンプレッサ仕事率WCCMDを算出する。
Figure 0005053221
実コンプレッサ仕事率算出部432Bは、目標コンプレッサ仕事率算出部431Bと同様に上記式(8)に基づいて、実過給圧P2に応じた実コンプレッサ仕事率WCESTを算出する。より具体的には、下記式(11)に示すように、実過給圧P2、上流側吸気圧P1、コンプレッサ通過流量MC、及び上流側吸気温度T1に基づいて、実コンプレッサ仕事率WCESTを算出する。
Figure 0005053221
仕事率制御器433Bは、実コンプレッサ仕事率WCESTが目標コンプレッサ仕事率WCCMDに一致するように、タービンホイール仕事率の目標値(以下、「目標タービン仕事率」という)WTCMDを算出する。より具体的には、実コンプレッサ仕事率WCESTと目標コンプレッサ仕事率WCCMDとの偏差が「0」となるように、例えばPID(比例積分微分)制御により目標タービン仕事率WTCMDを算出する。
目標排気圧設定部434Bは、上述の一般式(9)に基づいて、目標タービン仕事率WTCMDに応じた目標上流側排気圧P3CMDを算出する。より具体的には、下記式(12)により、目標タービン仕事率WTCMD、下流側排気圧P4、タービン通過流量MT、上流側排気温度T3に基づいて、目標上流側排気圧P3CMDを算出する。
Figure 0005053221
以上詳述したように、本実施形態によれば、実コンプレッサ仕事率WCESTが目標コンプレッサ仕事率WCCMDに一致するように目標タービン仕事率WTCMDを算出し、さらに算出した目標タービン仕事率WTCMDに基づいて目標上流側排気圧P3CMDを算出する。
ここで、図10中の破線で示す小流量動作領域と大流量動作領域におけるコンプレッサ仕事率WCの変化率に着目する。圧力比P2/P1の変化に対するコンプレッサ仕事率WCの変化は、図10に示すように小流量動作領域よりも大流量動作領域の方が大きい。また、図11に示すように、圧力比P4/P3の変化に対するタービン仕事率WTの変化は、小流量動作領域よりも大流量動作領域の方が大きい。すなわち、ターボチャージャの各ホイールの仕事率WC,WTと、各ホイールの前後圧力比P2/P1,P4/P3との間には、非線形な相関関係がある。
一方、ターボチャージャでは、タービンホイールの仕事をコンプレッサホイールの運動に変換することで、過給圧を適切な圧力に調整する。したがって、圧力を基準パラメータとして上流側排気圧P3のフィードバック制御を行うと、このような各ホイールの仕事率と前後圧力比との非線形特性は、フィードバックゲインを各ホイールの動作領域ごとに持ち替えることで実現される。しかしながら、このような持ち替えを行うためのマップを適切に設定するには、開発の段階において多くの適合工数が必要となるため、開発にかかるコストや時間が増加してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、上流側排気圧P3のフィードバック制御を行う際、実コンプレッサ仕事率WCESTが目標コンプレッサ仕事率WCCMDに一致するようにすることで、すなわち各ホイールの動作に直接関わる仕事率を基準パラメータとしたフィードバック制御を行うことで、各ホイールの動作領域ごとにフィードバックゲインを持ち替える必要が無くなる。したがって、適合工数を増やすことなくターボチャージャの動作の非線形性を補償した制御を行うことができる。
また、実コンプレッサ仕事率WCEST及び目標コンプレッサ仕事率WCCMDを、それぞれ、実過給圧P2及び目標過給圧P2CMDから同じ式(8)に基づいて算出する。したがって、実コンプレッサ仕事率WCESTを目標コンプレッサ仕事率WCCMDに一致させることで、実過給圧P2を目標過給圧P2CMDに一致させることができる。これにより、過給圧の制御精度を向上することができる。また、このように過給圧の制御精度を向上することにより、EGR制御との干渉をさらに防止し、EGR制御の制御精度を向上することができる。したがって、エミッションのばらつきを低減することも可能となる。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
また、上述した実施形態では、前後排気圧力比とベーン開度とが関連付けられた図3に示すようなタービンモデルに基づいて、ベーン開度VOを決定したが、これに限らない。例えば、上流側排気圧力とベーン開度とが関連付けられたタービンモデルに基づいて、ベーン開度VOを決定してもよい。
また、上述した実施形態では、上流側排気圧センサ22及び下流側排気圧センサ23の検出値を実上流側排気圧P3及び実下流側排気圧P4として用いたが、これに限らない。例えば、実上流側排気圧P3及び実下流側排気圧P4として、排気系モデルやニューラルネットに基づいて推定したものを用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関及びその過給圧制御装置の構成を示す図である。 前記実施形態に係る過給圧制御を実行するためのモジュールの構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係るタービンマップの具体的な例を示す図である。 前記実施形態に係る目標上流側排気圧をステップ状に変化させた場合の制御例を示すタイムチャートである。 前記実施形態に係る目標過給圧をステップ状に変化させた場合の制御例を示すタイムチャートである。 内燃機関の燃焼室に供給される気体の成分を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る過給圧制御を実行するためのモジュールの構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る内燃機関及び過給圧制御装置の構成を示す図である。 前記実施形態に係るECUにより実現されるモジュールの構成のうち、目標上流側排気圧算出部の構成を示すブロック図である。 コンプレッサ仕事率と圧力比とコンプレッサ通過流量との関係を示す図である。 タービン仕事率と圧力比とタービン通過流量との関係を示す図である。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)
22…上流側排気圧センサ(上流側排気圧力検出手段)
23…下流側排気圧センサ(下流側排気圧力検出手段)
40,40A,40B…電子制御ユニット(制御手段)
8…ターボチャージャ
81…タービンホイール
82…コンプレッサホイール
84…可変ベーン
85…ウェストゲートバルブ

Claims (7)

  1. 内燃機関に吸入される空気を加圧するコンプレッサホイールと、当該コンプレッサホイールと連結され、前記内燃機関から排出された排気ガスが吹き付けられることで回転駆動するタービンホイールと、を有するターボチャージャと、
    前記タービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変化させる排気流量可変機構と、を備える内燃機関の過給圧制御装置であって、
    前記排気流量可変機構は、開閉動作によりタービンホイールに流入する排気の入口面積を変更する可変ベーンを含み、
    前記タービンホイールの上流側の排気圧をタービン上流側排気圧とし、
    前記タービンホイールの上流側の排気圧と下流側の排気圧との比をタービン前後排気圧力比とし、
    実過給圧に基づいて算出された実コンプレッサ仕事率が目標過給圧に基づいて算出された目標コンプレッサ仕事率に一致するように目標タービン仕事率を算出し、当該算出した目標タービン仕事率と下流側排気圧とに基づいて、目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比を算出し、さらに、タービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と前記可変ベーンの開度とを関連付けるタービンモデルに基づいて、実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比が前記目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比と一致するように前記可変ベーンの開度を制御する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の過給圧制御装置。
  2. 前記タービンホイールの上流側の排気圧を検出する上流側排気圧検出手段と、
    前記タービンホイールの下流側の排気圧を検出する下流側排気圧検出手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記実タービン上流側排気圧又は前記実タービン前後排気圧力比として、前記上流側排気圧検出手段及び前記下流側排気圧検出手段の検出値を用いることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
  3. 前記タービンモデルは、前記可変ベーンの開度ごとにおけるタービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と修正流量との関係が規定されたものであり、
    前記制御手段は、前記タービンモデルを用いて目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比及び修正流量に応じた前記可変ベーンの開度を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
  4. 内燃機関に吸入される空気を加圧するコンプレッサホイールと、当該コンプレッサホイールと連結され、前記内燃機関から排出された排気ガスが吹き付けられることで回転駆動するタービンホイールと、を有するターボチャージャと、
    前記タービンホイールに吹き付けられる排気の流量を変化させる排気流量可変機構と、を備える内燃機関の過給圧制御装置であって、
    前記排気流量可変機構は、前記タービンホイールの上流側と下流側とをバイパスするバイパス通路を開閉するウェストゲートバルブを含み、
    前記タービンホイールの上流側の排気圧をタービン上流側排気圧とし、
    前記タービンホイールの上流側の排気圧と下流側の排気圧との比をタービン前後排気圧力比とし、
    実過給圧に基づいて算出された実コンプレッサ仕事率が目標過給圧に基づいて算出された目標コンプレッサ仕事率に一致するように目標タービン仕事率を算出し、当該算出した目標タービン仕事率と下流側排気圧とに基づいて、目標タービン上流側排気圧又は目標タービン前後排気圧力比を算出し、さらに、タービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と前記ウェストゲートバルブの開度とを関連付けるタービンモデルに基づいて、実タービン上流側排気圧又は実タービン前後排気圧力比が前記目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比と一致するように前記ウェストゲートバルブの開度を制御する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の過給圧制御装置。
  5. 前記タービンホイールの上流側の排気圧を検出する上流側排気圧検出手段と、
    前記タービンホイールの下流側の排気圧を検出する下流側排気圧検出手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記実タービン上流側排気圧又は前記実タービン前後排気圧力比として、前記上流側排気圧検出手段及び前記下流側排気圧検出手段の検出値を用いることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
  6. 前記タービンモデルは、前記ウェストゲートバルブの開度ごとにおけるタービン上流側排気圧又はタービン前後排気圧力比と修正流量との関係が規定されたものであり、
    前記制御手段は、前記タービンモデルを用いて目標タービン上流側排気圧又は前記目標タービン前後排気圧力比及び修正流量に応じた前記ウェストゲートバルブの開度を決定することを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
  7. 前記実コンプレッサ仕事率及び前記目標コンプレッサ仕事率は、それぞれ、実過給圧及び目標過給圧から同じ式に基づいて算出されることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の内燃機関の過給圧制御装置。
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