JP5052106B2 - ペリクルの収納方法 - Google Patents

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Description

本発明は、LSIや液晶パネルを製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクや、レチクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルの収納方法に関し、特に液晶用大型ペリクルの収納方法に関するものであって、特に面積1000cm以上の大型ペリクルの収納方法に関する。
本発明はペリクルを収納する方法に関する技術であるが、先ず、収納すべきペリクルについて説明する。
従来、半導体回路パターン等の製造に於いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスクやレチクルへの異物の付着を防止することが行われている。
ペリクルはフォトマスク或いはレチクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体(以下、ペリクル枠体という)の上縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース或いはセルロース誘導体などの透明な高分子膜(以下、ペリクル膜という)を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着剤を塗着すると共に、この粘着剤上に所定の接着力で保護フィルムを粘着させたものである。
前記粘着剤は、ペリクルをフォトマスク或いはレチクルに固着するために設けられ、また、保護フィルムは、該粘着剤がその用に供するまで該粘着剤の接着力を維持するために、該粘着剤の接着面を保護する。
このようなペリクルを製造者から使用者に運搬するにあたっては、ペリクル膜等に異物が付着するのを防ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、該ペリクルをトレイと蓋とからなる収納容器に収納し、更に防塵袋等に収納して運搬するのが一般的である(例えば特許文献1を参照。)。
従来、前述の構造を有する収納容器への収納は、一般的には特許文献1にも記載された図を用いて説明すると、図1(特許文献1の図7)及び図2(特許文献1の図8)のようになる。即ち、図1及び図2に於いて、ペリクル膜52は展張(ピンと張った)状態で枠体51の一方の上縁面に接着され、枠体51の他の面(下縁面)には適当な厚さの粘着剤53が設けられ、さらに粘着剤53の下面には保護フィルム54が貼り付けられてペリクルを構成している。このペリクルは、トレイ55の平坦な面である設置面55aの上に保護フィルム54が接するように置かれる。
トレイ55の設置面55a上に載置されたペリクルは、トレイ55に設けられた突起状のポスト55bによって、左右の動きが拘束され、そして蓋56を上方からかぶせ、クリップ57によって蓋56とトレイ55との四隅を固定することによって収納されていた。この結果、前記ペリクルは、蓋56の斜面56aと、ポスト55bと、設置面55aとに囲まれて拘束されて収納されることとなる。またクリップ57のかわりに、粘着テープを用いて全周を密閉することも一般的に行なわれている。
また、蓋とトレイでペリクル枠体を挟み込む方法によってペリクルを収納する方法もある(例えば、特許文献2の図3を参照。)。
以上説明した収納容器は、樹脂材料を用いて、射出成形や真空成形にて製造するのが一般である。しかし5インチ、6インチの半導体用ペリクルの収納容器は、射出成形で成形することも多いが、面積が1000cm以上ともなる大型ペリクル用の収納容器は、真空成形する場合が多い。真空成形の方が薄肉で大型一体成形品が容易にできるからである。
ところで、ペリクルを収納する収納容器に要求される特性には、ペリクルに塵埃を付着させないための密封性と、ペリクル膜に非接触な状態で確実に保持・固定しうる保持性とが要求されることはもちろん、当然に、経時的に形状が変化しないことが要求される。
仮に、トレイや蓋の反り、ねじれやたわみが生じると、反り、ねじれやたわみによる容器の変形が、粘着剤にそのまま転写し、また、トレイの反りによって粘着剤の一部に局所的に重量がかかり、粘着剤が変形するといった問題が生じてしまうこととなるからである。
このことは即ち、ペリクルをマスクなどに貼り付け時に貼付不良が発生する頻度が高くなることを意味し、具体的には、ペリクルを粘着剤によってマスクやレチクルの面に貼り付けて使用するときにエアーパスと呼ばれるペリクル内外をつなぐ隙間ができ、その箇所からペリクル内に異物が侵入し、ペリクルの機能を果たさなくなる問題が生じることを意味している。
このような反り、ねじれやたわみは、5インチや6インチの半導体用ペリクル収納容器では問題にならない場合もあるが、面積1000cm以上の大型ペリクル用の収納容器になると、収納容器自体も大型化されるため少しの反り、ねじれやたわみであってもペリクル全体に及ぼす影響は大きくなる。
しかも、小型の収納容器であれば変形が問題となることはほとんどないが、面積1000cm以上にもなる大型ペリクル用の収納容器の場合には、両端を持って運ぶ際のたわみやねじれ、縦置きで保管した際の自重による変形、温度による反りなどの変形が生じる場合もあり、その変形が粘着剤に転写されて貼り付け不良に繋がることもある。更に、大型ペリクルでは重量が大きいために小型ペリクルでは問題にならないような小さな貼付不良でも経時的に貼付不良部が広がるといった問題がある。
また、収納容器の反り、ねじれ、たわみによって、例えば、蓋の撓みがペリクル枠体に接触する場合、接触によって生じる蓋などの摩耗粉がペリクル膜に付着し、ペリクルの機能を果たさなくなることがある。さらに収納容器の反り、ねじれ、撓みは、蓋とトレイの嵌合性を損ない、蓋とトレイの隙間から異物が混入し、ペリクルに付着するといった小型大型を問わずペリクル全般における問題点も当然に生じる可能性がある。
このように、ペリクル収納容器の反り、ねじれ、撓みの問題は、従来からある塵の混入、発塵の問題に加え、反り等がペリクルの粘着剤へ転写されることによる貼り付け不良の問題のような大型ペリクルに特有の重大な問題も引き起こしているのである。
このような問題に対して、ペリクルをトレイ表面に直置きして収納するのではなく、ペリクルを構成するペリクル枠体に細工を施して、ペリクルをトレイから浮かせた状態で収納容器中に保持してトレイや蓋の反りが粘着剤に転写することを防止しようとする検討がある。
具体的には、ペリクルの枠体に枠体の外側に凸となるように鍔を付して、鍔の部分を蓋とトレイで挟み込むようにして収納容器に保持する方法(例えば、特許文献3の図2を参照。)、3本の腕をコの字型に繋げたペリクルの枠体を把持するためのペリクル把持装置2の、2本の対向する腕(2a、2c)に、枠固定板21或いは枠固定ピンが配されており、その枠固定板21等をペリクル1の枠体に設けられた溝に挿し込んでペリクルを把持し、ペリクル把持装置ごと収納容器に収納する方法(例えば特許文献4の図1〜図4を参照。)、ペリクルを把持するために固定式のフレーム保持ピンを設けたものもある(例えば特許文献6の図1(フレーム保持ピン3)を参照。)。さらには、フレーム保持ピン自体が可動するものもある(例えば、特許文献5の図1(固定ピン12、可動ピン13)を参照。)。
特開2000−173887号公報(図7及び図8) 特開平8−62828号公報(図3) 特開平10−48812号公報(図2) 特開2005−326634号公報(図1〜図4) 特開平9−204039号公報(図1) 特開2006−267179号公報(図1)
しかしながら、ペリクルの枠体に鍔を設ける特許文献3に記載の方法では、ペリクルが大型化した場合にペリクル自体の重量が増加するので、自重の増加によるペリクル枠の歪が生じる可能性があるとともに、ペリクルの枠体の幅が実質的に広がるため、ペリクル全体におけるペリクル膜の有効面積が十分でないといった問題がある。
また、ペリクル枠体に溝を設けて、把持装置を用いて収納する特許文献4に記載の方法は、ペリクル膜の有効面積の確保は改善できるものの、把持装置が3本の腕からの組み立て品であることから、部品一つ一つを洗浄して組み立てる作業、及び、組み立てた把持装置に塵の付着がないことを検査する作業、及び、検査で見つけた塵をエアブローや粘着棒などで除去する作業、に非常な時間と労務コストがかかる。又、一度組み立ててしまうと把持装置の塵を除去する為の再洗浄が困難となり、洗い漏れが生ずる可能性が高くなる。加えて、ペリクルが大型化になればなるほど、把持装置自体も大型化され、把持装置ごと収納容器に収納する方法では、重量増加による取り扱いの不便さも生じることとなる。更に、製品の一つ一つの付属品としては把持装置自体にかかる製作コストが大きくなり過ぎ採算性の面からも採用困難となる。
なお、可動式の枠固定ピンとした特許文献5に記載の方法においても、把持装置式と同様の問題、例えば、部品一つ一つの洗浄組立作業、塵の付着がないことを検査する作業及び検査で見つけた塵をエアブローや粘着棒などで除去する作業が必要なこと、並びに、再洗浄が困難であること、の問題がある。さらに、ピンの保持具で支える場合、自重方向にペリクル枠体がたわみやすいという問題、及び、大型ペリクルは垂直置きにされて保管されるときがあるが、このとき下方に位置するピンに大きな応力がかかり、それに耐えうる強度が必要になるという問題がある。
本発明は、ペリクルの保持・固定手段を工夫することによって、上記の諸問題が生じず、最少の時間とコストで塵の付着の無い状態でペリクルを収納することが実現出来るペリクルの収納方法を提供することを主な目的とする。又、ペリクル収納後の収納容器全体の重量増加を極力抑制しながら、輸送時のゆれによる振動に対しても、振動を抑制し得るペリクルの収納方法の提供を目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ペリクル収納容器を構成するトレイに固定された固定式ペリクル保持部品と、該固定式ペリクル保持部品に着脱可能な可動式ペリクル保持部品とを用いてペリクルを収納容器に保持・収納する方法の発明を創作するに至った。
具体的には、本発明に係るペリクルの収納方法は、ペリクル枠体にペリクル膜が展張されてなるペリクルを、少なくともトレイと蓋とからなるペリクル収納容器に収納する方法であって、前記ペリクルが、前記トレイに少なくとも2箇所以上で固定された固定式ペリクル保持部品に着脱可能な可動式ペリクル保持部品を介して保持・固定されて収納され、前記可動式ペリクル保持部品は、前記ペリクル枠体の枠辺に沿って移動させることによって、前記固定式ペリクル保持部品に固定されることを特徴とする。
本発明に係るペリクルの収納方法では、前記ペリクル枠体は溝を有し、前記可動式ペリクル保持部品は、前記溝に挿し込み可能な突起部を有し、前記溝に前記突起部が挿し込まれ、かつ、前記可動式ペリクル保持部品が前記固定式ペリクル保持部品に嵌合によって固定されることで、前記ペリクルが保持・固定されることが好ましい。可動式ペリクル保持部品と固定式ペリクル保持部品とをいずれも簡易な構造とすることができ、しかも、ペリクルの保持・固定作業が容易となる。
本発明に係るペリクルの収納方法では、トレイにペリクルを載置する位置の厳密性が要求されず、作業性に優れる。
本発明に係るペリクルの収納方法では、前記ペリクルが、前記トレイのトレイ面から離隔した状態で保持・固定されることが好ましい。ペリクルを保持・固定した時にペリクルをトレイ面から浮いた状態、いわゆる宙釣りの状態で収納することが容易であり、これによって、収納容器の反り、ねじれ、たわみの粘着剤への転写を防止することが可能となる。
本発明に係るペリクルの収納方法では、前記ペリクル枠体の外側面と前記可動式ペリクル保持部品の突起部を備えた根元面とが接し合い、これによって生ずる摩擦抵抗が前記ペリクルを保持・固定する力となることが好ましい。摩擦抵抗を確保しやすいので脱離、振動を起こすことなく安全に搬送することができる。
本発明によれば、最少の時間とコストで塵の付着の無い状態でペリクルを収納することが実現出来るペリクルの収納方法を提供することが出来る。しかも、可動式ペリクル保持部品及び固定式ペリクル保持部品は小型化が容易であるのでペリクル収納時の重量増加を抑制することができ、また、輸送時のゆれによる振動をこれらの部品で容易に抑制しながらペリクルの保持・固定が達成できるので、ペリクルを製造時の特性を維持した状態で収納、移送することが達成できる。
以下に、本発明のペリクルの収納方法を詳細に説明する。図4は、本実施形態で使用する収納容器にペリクルを収納した状態を説明するための概略図であり、(a)は平面透視図、(b)はa−a線断面図である。図4で示すように、本発明では、ペリクル枠体2にペリクル膜3が展張されたペリクル1を、ペリクル収納容器6を構成するトレイ5に保持・固定する方法を採用し、ペリクル1のトレイ5への保持・固定は、上記したように固定式ペリクル保持部品B(以下、固定式保持部品Bと称する)と可動式ペリクル保持部品A(以下、可動式保持部品Aと称する)とでなされる。
そこで、先ず、固定式保持部品Bについて説明する。固定式保持部品Bは、ペリクル収納容器6を構成するトレイ5と蓋4のうち、トレイ5部分に固定されていることを特徴とする。
固定式保持部品Bがトレイ5に固定される位置は、後述する可動式保持部品Aを介して保持・固定されるペリクル1が輸送時におけるゆれに対しても安定して保持・固定される限りにおいて特に限定されるものではないが、図4に示すように矩形のペリクル枠体2を有するペリクル1であれば、対向する一組の枠辺の、各々の枠辺の少なくとも任意の1個所以上が把持されるように配置されていればよく、より確実に保持・固定するには少なくとも2箇所以上が把持されるように配置されていることが好ましい。なお、長辺と短辺の組合せからなる矩形のペリクルであれば、好ましくは長辺のペリクル枠体が把持されるように配置されればよい。図4では、対向する長辺の枠辺をそれぞれ2箇所で把持している。
より具体的な固定位置としては、ペリクル枠体自体の強度が比較的強度が高く、歪みにくいペリクル枠体のコーナー近傍に配置することで十分であるが、ペリクルが大型化すると、ペリクル枠体の枠辺の中央部付近が、輸送時のゆれにより振動する為、コーナー近傍以外にペリクル枠体の枠辺の中央部付近の対応する位置に配置することが好ましい(不図示)。
その場合の固定式保持部品Bの配置位置の目安としては、ペリクル枠体を等分するような位置であることが好ましい。即ち、コーナー以外に一箇所配置するのであれば、枠辺を2等分した中央部付近、二箇所配置するのであれば枠辺を3等分にした付近のように配置することが好ましい。
次に、本発明で使用する固定式保持部品Bの形状について説明する。図5は、固定式保持部品Bと可動式保持部品Aとを用いて、ペリクルを保持・固定する動作を説明するための部分拡大平面図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の状態を説明する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み途中の状態を説明する図、(c)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の状態を説明する図、である。図6は、図5のb−b矢視図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み途中の状態を説明する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の状態を説明する図、(c)はスライドロック構造を説明する図、である。固定式保持部品Bは、後述する可動式保持部品Aを嵌め込み方式によって着脱可能となるような構造を備えていればよく、可動式保持部品Aの嵌め込む方向は、トレイに対して、平行であっても直角な方向であっても構わないが、大型ペリクルに対応する為には、ペリクルを持ち上げながら可動式保持部品Aを固定式保持部品Bに嵌め込まなくでもすむように、図6に示すように、可動式保持部品Aをトレイ5の面5aに対して平行にスライドさせて嵌め込むタイプが好ましい。
可動式保持部品Aを固定式保持部品Bに嵌め込むときに、可動式保持部品Aをトレイ5の面5aに対して平行にスライドさせて嵌め込むタイプは、例えば、トレイ5にペリクル1を収納し、固定するときに、当初より厳密な位置に載置する必要がない。すなわち、可動式保持部品Aをスライドさせて固定式保持部品Bに嵌め込むと同時に、ペリクル1が最終的に保持・固定される位置に移動し、調整されるからである。また、可動式保持部品Aをスライドさせる動作に合わせてペリクル1をトレイ5から浮かす動作を進めることが容易である。この2つの動作は、可動式保持部品Aと固定式保持部材Bとの形状によって容易に規制することが可能である。
さらに、着脱を容易にするために、固定式保持部品Bには、図6に示すように鉤状のスライドロック構造をもたせることが好ましい。例えば、固定式保持部品Bが、底板20と天板22とそれらをほぼ平行状態で支持する支持板若しくは支持棒21を構成要素として含み、天板22の一端に鉤7が設けられている。底板20と天板22との間に可動式保持部品Aがスライドして入り込み(図6(a))、底板20と天板22と支持板(若しくは支持棒)21とによって可動式保持部品Aが嵌合されたときに、鉤7が可動式保持部品Aをロックして、入ったときとは反対方向の移動を規制する(図6(b))。そして、天板22の鉤7が設けられた側の他端を押すことで、ロックが解除され、可動式保持部品Aの取り外しが可能となる(図6(c))。
なお、上記スライドロック構造を設けない場合には、テープ止めによって着脱させても構わない。
また、固定式保持部品Bには、ペリクルの製作寸法公差および固定式保持部品Bの取り付け間隔寸法公差を吸収するため、且つ、輸送時のゆれによる振動を吸収して保持・固定を確実にするために、振動吸収構造を備えることが好ましい。寸法公差の吸収をペリクル枠体2の変形なしで行うことができる。図7は、固定式保持部品Bが振動吸収構造を備えた形態例を示す概略図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図5のb−b矢視図と同様の方向から見た正面図である。図7に示すように、固定式保持部品Bが備える振動吸収構造は、具体的には、板バネ8をあげることができる。板バネ8は、突起部10が設けられている面の対向する面に設けられることが好ましい。固定式保持部品Bには、図7に示すように、単純な構造の振動吸収構造を設けることができるので、洗浄漏れや、擦れによる発塵の問題を解消することができる。
固定式保持部品Bの材質は、超高分子ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトン、MCナイロン等のエンジニアリング樹脂やポリプロピレンを用いることができる。中でも、射出成型性が良好で大量生産可能なポリプロピレンが好ましい。
固定式保持部品Bの大きさは、ペリクルの保持・固定を確実にするためにはペリクル枠体全体を覆うような形状も考えられるが、そのような形状を採用すると、洗浄と検査に時間がかかる上、部品自体の自重が重くなることとなり、収納容器自体の重量増加の原因となる。その為、本発明では、ペリクルの大きさと、後述する可動式保持部品Aが有する突起形状の大きさ、及びその突起形状が支えるペリクル枠体の位置、そして、上記可動式保持部品Aを保持・固定する為の固定式保持部品Bの全体的なバランスを検討した結果、固定式保持部品Bの一つのペリクル枠体に平行する方向の長さは、下限が2.5cm以上、好ましくは4.0cm以上であり、一方、上限は20.0cm以下、好ましくは10.0cm以下である。
固定式保持部品Bをトレイに固定する方法については、ネジ、接着剤のような一般的な固定方法があげられる。
固定をネジによって行う場合、例えば図4に示すように、固定式保持部品Bを配置するトレイ面5aの反対側の面5bに固定式保持部品B共通取り付けベース9(以下、共通取り付けベースという)を配置し、固定式保持部品Bを、トレイ5を挟んで共通取り付けベース9にネジ止めすることが好ましい。
この共通取り付けベース9に用いる材料は、輸送時の温度変化による熱膨張によって生じるペリクル枠体2の寸法変化に追随できるように、ペリクル枠体2の部材と同一の材料にすることが好ましいが、同一でない場合でもペリクル枠体2の熱膨張係数の±5%以内の部材であれば構わない。
具体的には、ペリクル枠体2がアルミニウム、炭素鋼又はセラミック等の材料から製造されるので、共通取り付けベース9も上記材料と同じ材料から選ばれることが好ましい。
なお、共通取り付けベース9は、トレイ5を挟んで固定式保持部材Bの対向する位置に配置すれば十分であるが、共通取り付けベース9を、例えばトレイ5を挟んで載置するペリクル枠体2に対向する部分全体に枠状に配置すれば(図4)、取り付けベースの機能に加え、収納容器6のねじれ等の抑制の為の補強材としての機能を付加することも可能である。
また、トレイ5自体の材料をペリクル枠体2の部材と同一材料若しくはペリクル枠体2の熱膨張係数の±5%以内の部材とすることにより、共通取り付けベース9を使用せずに、固定式保持部品Bをトレイ5に直接ネジ止めすることも可能である。
次に、可動式保持部品Aについて説明する。可動式保持部品Aは、ペリクル1を保持するための突起部を有し、且つ、固定式保持部品Bに嵌め込まれて固定される構造を有することを特徴とする。可動式保持部品Aの突起部10は、具体的には、図5に示した爪形状の突起部、又は、図8に示した偏芯回転鍔形状の突起部があげられるが、ここでは図5に示した爪形状の突起部を例として説明する。可動式保持部品Aは、ペリクル枠体2の枠辺に沿って移動させることによって、固定式保持部品Bに固定されることが好ましい。トレイにペリクルを載置する位置の厳密性が要求されず、作業性に優れる。さらに可動式保持部品Aは、突起部10を溝12に挿し込んだ状態で、突起部10を溝12に沿って移動させることによって、固定式保持部品Bに固定されることがより好ましい。突起部10と溝12がガイドとなって可動式保持部品Aを固定式保持部品Bに固定する作業が格段に向上する。なお、図8は、可動式保持部品Aの突起部の形状が偏芯回転鍔形状である形態を説明するための概略図であり、(a)はペリクル枠体を保持・固定する前の状態、(b)はペリクル枠体を保持・固定した後の状態、を示した。
先ず、図5に示すように可動式保持部品Aは、固定式保持部品Bに嵌め込むことが可能な可動式保持部品Aの直方体部分11と、直方体部分11に取り付けられ或いは一体に成形された、後述するペリクル枠体2の溝12に挿し込む為の爪形状の突起部10を有することを特徴とする。
爪形状の突起部10の形状は、配置される可動式保持部品A及び固定式保持部品B(以下、可動式保持部品Aと固定式保持部品Bとの組を1セットとして表すとき、保持部品と称する)の組数とペリクルの大きさによって様々であるが、通常、爪の長さLは、ペリクル枠体2の枠辺の長手方向における固定式保持部品Bの長さの半分程度であることが好ましく、具体的な長さで表すと1cm以上、好ましくは2cm以上であり、上限は10cm以下、好ましくは5cm以下である。
又、爪形状の突起部10がペリクル枠体2の溝12に挿し込まれる方向の長さ(爪の幅)W1については、ペリクル枠体2の幅W2とペリクルを保持する為の強度と輸送時のゆれによる振動の幅とを考慮すると、図5に示すように、突起部10(爪)の幅W1は、ペリクル枠体2の幅W2に対して10%以上、好ましくは15%以上であって、上限は40%以下、好ましくは35%以下である。
図9は、図5のa−a矢視図であって、図5(c)に相当する、ペリクルを保持・固定したときの状態を説明するための概略図である。図9に示すように、本発明の可動式保持部品Aと固定式保持部品Bによってペリクルを保持する方法においては、主に、ペリクル枠体2の外側面14と可動式保持部品Aのペリクル枠体2の外側面14に接触する面(突起部を備えた根元面15)との摩擦抵抗が、保持・固定の重要な要素である。ここで図9において、ペリクル枠体2の外側面と可動式保持部品Aのペリクル枠体2の外側面14に接触する面(突起部10を備えた根元面15)とが接する面を接触摩擦保持面13と称して表示した。
本発明では、ペリクル枠体2の外側面14と可動式ペリクル保持部品Aの突起部10を備えた根元面15とが接し合い、これによって生ずる摩擦抵抗がペリクルを保持・固定する力となることが好ましい。保持部品1セット当りの摩擦抵抗は、ペリクル枠体2の対向する枠辺のコーナー近傍の各1箇所を可動式保持部品Aと固定式保持部品Bとで保持・固定した状態で、ペリクル枠体2の保持・固定辺と平行方向にバネ秤で引張り、ペリクル枠体2が動き始めた力の1/2であることから測定することができる。全摩擦抵抗は、測定した1セット当りの摩擦抵抗に保持・固定点数を掛け合わせて求めることが出来る。この全摩擦抵抗が小さいと、保持・固定が不十分となり、ペリクルの脱離、振動の原因となる。そこで、摩擦抵抗を具体的な数字で示すと、ペリクルを確実に保持・固定するには、少なくとも全摩擦抵抗は0.4kgfあると、脱離、振動を起こすことなく安全に搬送することができることが判明した(図9)。即ち、保持・固定点数がペリクル枠体2のコーナー近傍の4点で、ペリクル枠体2と可動式保持部品Aの摩擦係数が0.4の時に、押し力 0.25kgf以上で脱離、振動を起こすことなく安全に搬送することができる。
なお、上記摩擦抵抗を必要とする可動式保持部品Aは、主に、ペリクル枠体2のコーナー近傍のようなペリクル枠体2のうち相対的に強度の高い位置に配置された可動式保持部品Aである。ここで、図10は、図5のa−a矢視図であって、(a)は可動式保持部品Aの突起部をペリクル枠体2の溝12に挿し込むときの状態を説明する図、(b)は挿し込みが完了し、さらにペリクル枠体2をトレイ5から離隔した状態を説明する図、である。なお、図10において、固定式保持部品Bは記載を省略した。
ペリクルの製作寸法公差および固定式保持部品Bの取り付け間隔寸法公差の吸収、並びに、輸送時のゆれによる振動の吸収は、図7に示すように固定式保持部品Bに板バネ8などの振動吸収構造を設けて達成することもできるが、可動式保持部品Aの構造によって振動吸収させることも可能である。寸法公差の吸収をペリクル枠体2の変形なしで行うことができる。図11は可動式保持部品Aが振動吸収構造を備えた形態例を示す概略図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図5のb−b矢視図と同様の方向から見た正面図である。具体的には、図11のように、可動式保持部品Aが固定式保持部品Bに嵌め込まれる個所にバネ状の、例えばS文字形状状の振動吸収構造18を設けるものである。振動吸収構造18は、突起部10が設けられている面の対向する面に設けられることが好ましい。可動式保持部品Aには、図11に示すように、単純な構造の振動吸収構造18を設けることができるので、洗浄漏れや、擦れによる発塵の問題を解消することができる。また、このような振動吸収構造18は、振動によって生じる力を当該個所に集中させる為、耐久性の観点で振動吸収構造を設けていない他の個所より一般に劣る。そのため、振動吸収構造18は、部品の変換が簡便な可動式保持部品Aに設けることが、固定式保持部品Bに設けるより効果的である。なお、上記振動吸収構造(図7の板ばね8、図11のS文字形状の振動吸収構造18)は、摩擦抵抗の調整にも利用することができる。具体的には、ペリクル枠体2の外側面14と可動式保持部品Aの突起部10を備えた根元面15との摩擦抵抗は、ペリクル枠体2の外側面14を可動式保持部品Aの根元面15が押す力を大小させることで調整が可能である(符号は図9を参照。)。この押し力は、可動式保持部品A、若しくは、固定式保持部品Bに設ける振動吸収構造のバネ力を大小させることによって、具体的に振動吸収構造材の厚さを大小させるなどによって、容易に調整が可能である。
また、振動吸収を可動式保持部品A全体で行うことも可能である。具体的には、可動式保持部品Aの部材を、ポリウレタン等の弾性変形の可能なゴム系樹脂にする形態がある。
なお、振動吸収効果を部材自体に持たせない場合の可動式保持部品Aの部材としては、超高分子ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、MCナイロン等のエンジニアリング樹脂やポリプロピレン等の汎用樹脂を挙げることができるが、中でも、射出成型性が良好で大量生産可能なポリプロピレン、または、ペリクル枠体2との接触磨耗発塵が起こり難い超高分子ポリエチレンが好ましい。
その他にも、カーボン等の導電性材料を練り込んだ帯電防止仕様樹脂も塵付着防止の面から効果的である。なお、ペリクルが大型化した場合には、ペリクル枠体2の一つの枠辺の中間部分にも可動式保持部品Aを配置してもかまわない。この場合には、可動式保持部品Aには、上記摩擦抵抗の効果はコーナー近傍に配置する場合ほど要求されない。ペリクルの重量を支えるのみの機能を有すれば充分である。
なお、可動式保持部品Aの突起部10が、図8に示すように、偏芯回転鍔形状を有する場合、ペリクル枠体2がトレイ5に置かれた状態(図8(a))において、可動式保持部品Aを、軸17を中心に回転させると、軸17は中心軸に設けず、偏芯した状態で設けられているため、鍔(突起部)10が軸17の回転とともにペリクル枠体2の溝12に近づき、次いで、挿し込まれ、次いで、ペリクル枠体2がトレイ5から浮いた状態で保持・固定される(図8(b))。このとき、ペリクル枠体2の外側面14と可動式保持部品Aの突起部10が設けられた根元面15とが接し合い、ペリクル枠体2の外側面14が根元面10に押し付けられることによって生ずる摩擦抵抗が、ペリクル1を保持・固定する力となる。なお、偏芯回転鍔形状を有する可動式保持部品Aの場合、偏芯度合によって摩擦抵抗を調整できる。
図8〜図10で示したように、トレイ5のトレイ面5aからの突起部10の高さを、ペリクル1の底面からの溝12の高さよりも大きく設定して、ペリクル1が、トレイ面5aから離隔した状態で保持・固定されることが好ましい。収納容器の反り、ねじれ、たわみの粘着剤への転写を防止することが可能となる。さらに、ペリクル1をトレイ5から浮かした状態で保持・固定する場合、突起部10の形状を爪形状とし、溝12に挿し込む形態とすると、次の利点が得られる。すなわち、幅の非常に少ないピンタイプの保持具を用いると、ペリクル枠体2を点で支えることとなるため、たわみやすいが、爪形状とすると、幅があるため線で支えることができ、自重方向のペリクル枠体2のたわみを抑制することができる。また、爪形状の突起部10とすると、保持具自体の強度が高く、収納容器の水平置き時のみならず、大型ペリクルの保管で頻繁に行われる垂直置き時も、保持具にかかる力に耐える強度としやすい。
ペリクル1をトレイ5から浮かせた状態で離隔することが可能な保持部材の他形態について図12を参照して説明する。図12は、ペリクルをトレイから浮かせた状態で離隔することが可能な保持部材の他形態を説明する概略図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の図5のa−a矢視に相当する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の図5のb−b矢視に相当する図、(c)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の図5のa−a矢視に相当する図、(d)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の図5のb−b矢視に相当する図、である。図9と図10に示した可動式保持部品Aは、トレイ5の上に載置したときに爪形状の突起部10のトレイ面5aからの高さが、ペリクル1の底面からの溝12の高さよりも大きいため、ペリクル枠体2の溝12に爪形状の突起部10を挿し込んで可動式保持部品Aを固定式保持部材Bに嵌め込んだときにペリクル枠体2が浮いた状態でトレイ5から離隔され、保持・固定される。一方、図12に示した可動式保持部品Aは、トレイ5の上に載置したときに爪形状の突起部10のトレイ面5aからの高さが、ペリクル1の底面からの溝12の高さとほぼ同じであるため、ペリクル枠体2の溝12に爪形状の突起部10を挿し込んだときに可動式保持部品Aがペリクル1の重量を支持しない状態でトレイ5に載置されることとなる(図12(a))。図12(b)に示すように固定式保持部品Bは、可動式保持部品Aをスライドさせながらはめ込むときに、可動式保持部品Aを持ち上げるためのスロープ19を有する。これによって、可動式保持部品Aをスライドさせて固定式保持部品Bに嵌合すると、ペリクル枠体2が浮いた状態でトレイ5から離隔され、保持・固定される(図12(c))。可動式保持部品Aは、固定式保持部品Bのスライドロック構造の鉤7によってロックされる(図12(d))。図9、図10及び図12からわかるように、可動式保持部品Aを固定式保持部品Bに嵌合したときにおいて、爪形状の突起部10のトレイ面5aからの高さが、ペリクル1の底面からの溝12の高さよりも大きくなるように構成すれば、ペリクル枠体2が浮いた状態でトレイ5から離隔され、保持・固定される。
次に、可動式保持部品Aの突起部10を挿し込む溝12を有するペリクル1について説明する。ペリクル1は上記したようにペリクル枠体2と展張されたペリクル膜3から構成される。本発明では、ペリクル枠体2の外側面14に溝12を有していることを特徴とする。
溝12は、固定式保持部品Bがどのような位置に配置されても対応できるようにペリクル枠体2の全周に施されても構わないが、ペリクル枠体2の歪予防の点から、及び、ペリクル1の横ズレ防止の点からは、固定式保持部品Bが配置された位置に対応する個所に施されることが好ましい。
そこで、図5(コーナー部分に保持部品を配置)を例にあげて説明する。図10及び図9も同時に参照する。図5、図10及び図9から明らかなように、可動式保持部品Aがペリクル枠体2に挿し込む突起部10を有し、かつ、ペリクル枠体2が突起部10を挿し込んだ状態で可動式保持部品Aを固定式保持部品Bにスライドして固定するまでの長さの溝12を有することが示されている。
ペリクル枠体2の左コーナー近傍において溝12の配置を図5と対称配置にすれば、各コーナーの溝終端部12aを可動式保持部品Aの先端部で両側から当て止め規制することになりペリクル1の横ズレが防止できる。例えば、図4に示される形態である。
図5は固定式保持部品Bがペリクル枠体2のコーナー近傍に配置された場合を示したが、固定式保持部品Bがペリクル枠体2の中間部分に配置された場合であっても、ペリクル枠体2に配置される溝12は、可動式保持部品Aの突起形状部分を挿し込む位置とスライドする距離に配置されることに変わりはない(不図示)。
なお、可動式保持部品Aの突起部(爪部分)10が挿し込まれる方向の溝12の長さは、少なくとも爪の幅Lより大きいことが必要である。
以上、本発明の収納方法に用いるペリクル枠体2の溝12、可動式保持部品A、固定式保持部品Bについて説明した。
次に、上記部品等を用いてペリクルを収納する手順について先ほどの図5を参照しながら説明する。
先ず、ペリクルを、ペリクル収納容器を構成するトレイ5上に載置する(図5(a))。そして、ペリクル枠体2に施された溝12に、可動式保持部品Aの突起部10を挿し込み(図5(b))、その状態を維持しながら、溝12に沿って、可動式保持部品Aをスライドさせて固定式保持部品Bに嵌め込む(図5(c))。
このような作業を全ての固定式保持部品Bに対して実施すると、ペリクルはトレイ5に保持・固定されることとなり、図4に示したように、トレイ5に蓋4をすれば、ペリクル収納容器6への保持・固定が完了することとなる。
以上、本発明の収納方法について説明した。
本発明によれば、最少の時間とコストで塵の付着の無い状態でペリクルを収納することが実現出来るペリクルの収納方法を提供することが出来る。しかも、可動式ペリクル保持部品及び固定式ペリクル保持部品は小型化が容易であるのでペリクル収納時の重量増加を抑制することができ、また、輸送時のゆれによる振動をこれらの部品で容易に抑制しながらペリクルの保持・固定が達成できるので、ペリクルを製造時の特性を維持した状態で収納、移送することが達成できる。
さらに、本発明では、可動式保持部品Aの突起部10の高さを調整することで、ペリクル1を保持・固定した時にペリクル1をトレイ面5aから浮いた状態、いわゆる宙釣りの状態で収納することも可能となり(図9、10)、収納容器の反り、ねじれ、たわみの粘着剤への転写を防止することが可能となる。
なお、本発明の通常の実施形態としては、ペリクル枠体2の対向し合う2つの枠辺の少なくともコーナー近傍の各2箇所、合計で少なくとも4箇所に固定式保持部品Bと可動式保持部品Aのセットを適用するが、ペリクル収納容器6のトレイ面5aの平坦性が許容限度内にあり、かつ、ペリクル1をトレイ面5aから浮いた状態で収納しない場合においては必ずしもそうする必要はない。即ち、ペリクル枠体2の対向し合う2つの枠辺の内の1辺について少なくとも2箇所に固定式保持部品Bと可動式保持部品Aのセットを適用し、もう1辺については少なくとも2箇所にトレイ5上にネジ止めしたポスト状の固定ストッパーを適用すれば良い(不図示)。
以下に、本発明を具体的実施例により説明する。外形1366mm×1146mm、幅12mm、高さ5.6mmで外側面の長辺コーナー近傍の4箇所に長さ50mm、幅1.5mm、深さ2.25mmの溝を設け、さらに、長辺中央部の2箇所に長さ100mm、幅1.5mm、深さ2.25mmの溝を設けたアルミニウム製のペリクル枠体を準備した。このペリクル枠体を長辺コーナー近傍の4箇所(コーナーから23〜50mmの範囲)及び辺中央部2箇所で固定式保持部品Bと可動式保持部品Aにより保持・固定した。固定式保持部品Bは材質をポリプロピレンとし、ペリクル枠体の長辺の枠辺に平行する方向の長さを51mmとした。固定式保持部品Bはアルミニウム製トレイのトレイ面に直接ネジ止めした。可動式保持部品Aは材質をポリプロピレンとし、ペリクル枠体の溝部分に挿し込む爪形状の突起部の幅(Lに相当)を27mm、長さ(W1に相当)を1.5mmとした。コーナー近傍4箇所においてはペリクル枠体の外側面の溝上側面を可動式保持部品Aの爪形状の突起部で支えることによってペリクル重量を支えると共に、ペリクル枠体外側面を可動式保持部品Aの爪形状の突起部の根元面で押さえて固定した。例えば、図9を参照すると、ペリクル枠体2の外側面14の溝12の上側面は符号16で示したペリクル重量支持面となる。この押え力0.25kgfによる摩擦力は0.1kgf、計4箇所での全摩擦力は0.4kgfであった。長辺中央2箇所においては押え力をかけずに爪形状の突起部でペリクル重量を支えるのみとした。この状態でペリクル粘着材下面をトレイ面から約4mm浮かせてペリクルを保持・固定した。
この状態での保持・固定状態を、輸送時の振動を想定した重力加速度5Gの水平落下試験で確認したところ、ペリクルの脱離は無く、保持・固定部の発塵も見られなかった。また、粘着材の変形も無かった。
一方、保持・固定の準備の為の洗浄、検査、塵取りの時間は1ケース当り約10分で終了した。比較例として、前述の把持装置式を評価したところ、洗浄、組立、検査、塵取りに要する時間は1ケース当り約90分で終了した。したがって、9分の1の時間短縮が達成された。
また、製作にかかるコストは、射出成型によれば、比較例と比べると、1ケースあたり、約30分の1に大幅に下げることが可能であった。
本発明の活用例として、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレチクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルを収納して保管、搬送するためのペリクル収納容器に適用でき、特に液晶用大型ペリクルの収納容器に好適である。
従来のペリクル収納ケースを示す一部切欠平面図である。 図1のペリクル収納ケースの要部の構成を示す断面説明図である。 従来のペリクル収納ケースの要部の構成を示す断面説明図である。 本実施形態で使用する収納容器にペリクルを収納した状態を説明するための概略図であり、(a)は平面透視図、(b)はa−a線断面図である。 固定式保持部品Bと可動式保持部品Aとを用いて、ペリクルを保持・固定する動作を説明するための部分拡大平面図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の状態を説明する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み途中の状態を説明する図、(c)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の状態を説明する図、である。 図5のb−b矢視図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み途中の状態を説明する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の状態を説明する図、(c)はスライドロック構造を説明する図、である。 固定式保持部品Bが振動吸収構造を備えた形態例を示す概略図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図5のb−b矢視図と同様の方向から見た正面図である。 可動式保持部品Aの突起部の形状が偏芯回転鍔形状である形態を説明するための概略図であり、(a)はペリクル枠体を保持・固定する前の状態、(b)はペリクル枠体を保持・固定した後の状態、を示す。 図5のa−a矢視図であって、図5(c)に相当するペリクルを保持・固定したときの状態を説明するための概略図である。 図5のa−a矢視図であって、(a)は可動式保持部品Aの突起部をペリクル枠体2の溝12に挿し込むときの状態を説明する図、(b)挿し込みが完了し、さらにペリクル枠体2をトレイ5から離隔した状態を説明する図である。 可動式保持部品Aが振動吸収構造を備えた形態例を示す概略図であり、(a)は部分拡大平面図、(b)は図5のb−b矢視図と同様の方向から見た正面図である。 ペリクルをトレイから浮かせた状態で離隔することが可能な保持部材の他形態を説明する概略図であり、(a)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の図5のa−a矢視に相当する図、(b)は可動式保持部品Aの嵌め込み前の図5のb−b矢視に相当する図、(c)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の図5のa−a矢視に相当する図、(d)は可動式保持部品Aの嵌め込み後の図5のb−b矢視に相当する図、である。
A 可動式ペリクル保持部品
B 固定式ペリクル保持部品
1 ペリクル
2 ペリクル枠体
3 ペリクル膜
4 蓋
5 トレイ
5a トレイ面
5b トレイ面の反対側の面
6 ペリクル収納容器
7 鉤
8 板バネ
9 固定式ペリクル保持部品B共通取り付けベース
10 突起部
11 可動式保持部品Aの直方体部分
12 溝
12a 溝終端部
13 接触摩擦保持面
14 ペリクル枠体の外側面
15 突起部を備えた根元面
16 ペリクル重量支持面
17 軸
18 振動吸収構造
19 スロープ
20 底板
21 支持板若しくは支持棒
22 天板

Claims (4)

  1. ペリクル枠体にペリクル膜が展張されてなるペリクルを、少なくともトレイと蓋とからなるペリクル収納容器に収納する方法であって、
    前記ペリクルが、前記トレイに少なくとも2箇所以上で固定された固定式ペリクル保持部品に着脱可能な可動式ペリクル保持部品を介して保持・固定されて収納され、前記可動式ペリクル保持部品は、前記ペリクル枠体の枠辺に沿って移動させることによって、前記固定式ペリクル保持部品に固定されることを特徴とするペリクルの収納方法。
  2. 前記ペリクル枠体は溝を有し、
    前記可動式ペリクル保持部品は、前記溝に挿し込み可能な突起部を有し、
    前記溝に前記突起部が挿し込まれ、かつ、前記可動式ペリクル保持部品が前記固定式ペリクル保持部品に嵌合によって固定されることで、前記ペリクルが保持・固定されることを特徴とする請求項1に記載のペリクルの収納方法。
  3. 前記ペリクルが、前記トレイのトレイ面から離隔した状態で保持・固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクルの収納方法。
  4. 前記ペリクル枠体の外側面と前記可動式ペリクル保持部品の突起部を備えた根元面とが接し合い、これによって生ずる摩擦抵抗が前記ペリクルを保持・固定する力となることを特徴とする請求項2に記載のペリクルの収納方法。
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