JP2000173887A - ペリクル収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明に係るペリクル収納ケースは、運搬中に
ペリクル収納ケースが高温度にさらされた場合にも、ペ
リクル収納ケースのトレイやフタが反って、フタとトレ
イとの隙間からペリクル収納ケース内に異物が侵入して
ペリクル膜等に付着することを防止することができる収
納ケースを目的としている。 【解決手段】中央部に台状のペリクル搭載面２を有し、
かつこのペリクル搭載面２の周りに複数の突起状のポス
ト３を有するペリクル収納ケースのトレイ１に於いて、
前記ペリクル搭載面２にペリクル搭載面２の板厚の５０
％以上の高さを有するリブ４を設けて構成したペリクル
収納ケースの構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＬＳＩ等を製造す
る際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクや
レティクルに異物が付着することを防止するために用い
られるペリクルの収納構造及びその収納方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、半導体回路パターン等の製造に於
いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、
フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止するこ
とが行われている（例えば特公昭５４−２８７１８号公
報）。ペリクルはフォトマスク或いはレティクルの形状
に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面
に、厚さ１０μｍ以下のニトロセルロース或いはセルロ
ース誘導体などの透明な高分子膜（以下、ペリクル膜と
いう）を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着材
を塗着すると共に、この粘着材上に所定の接着力で保護
フィルムを粘着させたものである。

【０００３】前記粘着材は、ペリクルをフォトマスク或
いはレティクルに固着するためのものであり、また、保
護フィルムは該粘着材がその用に供するまで該粘着材の
接着力を維持するために、該粘着材の接着面を保護する
ものである。このペリクルを製造者から使用者に運搬す
るに当たっては、ペリクル膜等に異物が付着するのを防
ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、該ペリ
クルをトレイとフタとからなるケースに収納し、更に防
塵袋等に収納して運搬するのが一般的である。

【０００４】従来、前述の構造を有するペリクルのケー
スの収納は、図７及び図８に示すように行われていた。
即ち、図に於いて、ペリクル膜５２は展張（ピンと張っ
た）状態で枠体５１の一方の上縁面に接着され、枠体５
１の他の面（下縁面）には適当な厚さの粘着材５３が設
けられ、さらに粘着材５３の下面には保護フィルム５４
が貼り付けられてペリクルを構成している。このペリク
ルは、トレイ５５の平坦な面である設置面５５ａの上に
保護フィルム５４が接するように置かれる。

【０００５】トレイ５５の設置面５５ａ上に載置された
ペリクルは、トレイ５５に設けられた突起状のポスト５
５ｂによって、左右の動きが拘束され、そしてフタ５６
を上方からかぶせ、クリップ５７によってフタ５６とト
レイ５５との４隅を固定することによってケースに収納
されていた。この結果、前記ペリクルはフタ５６の斜面
５６ａと、ポスト５５ｂと、設置面５５ａとに囲まれて
拘束され、ケースに収納された状態となっていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】然るに、前述のペリク
ル収納ケースには、ペリクルに異物が付着するのを防ぐ
ためにいろいろな手段が提案されている。例えば特開平
８−１１０６３１号公報のように静電気によってケース
に異物が付着するのを防ぐためにケース材料に帯電防止
樹脂を用いる方法や、特開平７−６６２７５号公報のよ
うにケース内面に粘着剤を塗布し空気中に浮遊する異物
の捕捉確率を高めペリクルへの異物付着を無くす方法
や、ペリクル運送中の振動、衝撃対策として登録実用新
案公報第３０２３６１２号のようにペリクル枠の上端面
外周縁部をテーパー状にして、テーパー面にケースフタ
の内周部を当接して押圧しペリクルを固定して、ケース
フタとペリクル枠の擦れを防ぐことが提案されている。

【０００７】また、ペリクル収納ケースには特開平８−
６２８２８号公報のようにペリクルの粘着材の変形を防
ぐためにペリクル装着台にリブを設け成型時の装着台の
変形を抑える方法が提案されている。

【０００８】しかしながら、上記のものを含め現在一般
的に使用されているケースは経時的に形状が変化しない
ことを想定しているが、実際には運送中に４０℃以上の
高温下に放置されることがあり、そのため運送中にケー
スが反り、下記に述べるようにペリクルに大きな欠陥を
生じさせることがある。

【０００９】ペリクル収納ケースは、縦方向の振動を防
ぐためにフタでペリクルを軽く押さえるか或いはわずか
な隙間を持つ構造になっている。先に述べたように収納
ケースは、使用者へ運搬する過程で４０℃以上の高温に
さらされることがあり、また収納ケースは樹脂の射出成
型品や真空成型品が用いられるために、運搬中に反りが
発生することがある。ケースの反りは、フタとトレイの
かん合性を損ない、フタとトレイの隙間から異物が混入
し、ペリクルに付着する可能性がある。

【００１０】また、特開平８−６２８２８号公報のよう
にペリクル装着台にリブを設け成型時のペリクル装着台
の変形が小さくしても、輸送中の熱によってペリクル装
着台で反りが発生するとその変形が粘着材に転写して、
マスク或いはレチクルに貼り付け時に良好な貼付状態が
得られないことや、ケースフタがペリクルを強く押しつ
け、フタの摩耗粉がペリクル膜に付着しペリクルの機能
を果たさなくなることがある。

【００１１】本発明に係るペリクル収納ケースは、前述
の従来の多くの問題点に鑑み開発された全く新しい技術
であって、特にトレイまたはフタの一方あるいは両方の
ペリクル搭載面にリブを設けて構成し、このリブの働き
によってペリクル搭載面を強化して運搬中にペリクル収
納ケースが反ることを防ぎ、ペリクルがその機能を損な
うことがないように、極めて安全に運搬することが出来
る全く新しい技術を提供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係るペリクル収
納ケースは、前述の問題点を根本的に改善するものであ
って、その第１発明の要旨は、枠体と、該枠体の上縁面
に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した
粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下縁面に粘
着された保護フィルムからなるペリクルを、トレイとフ
タとよりなるケースに収納するペリクル収納ケースに於
いて、トレイまたはフタの一方あるいは両方のペリクル
搭載面にリブを設けて構成したことを特徴とするペリク
ル収納ケースである。

【００１３】前述の第１発明に係るペリクル収納ケース
は、トレイまたはフタの一方あるいは両方のペリクル搭
載面にリブを設けて構成したので、このペリクル搭載面
に大きな強度を付与することが出来、これによってペリ
クルを運搬する途中で高温等の影響によって収納ケース
に反り現象が生じて、フタとトレイの隙間から異物が収
納ケース内に侵入したりして、ペリクルに付着すること
を防止出来る。

【００１４】前述の第１発明に係るペリクル収納ケース
に設けられるリブには、後述の図面で詳述するように、
ペリクル搭載面に設けられる断面形状が凸状或いは凹状
の帯形に連続したもの、或いは矩形状のもの、または円
形状のもの等があり、ペリクル収納ケースの強度を向上
させることを目的としたものである。

【００１５】本発明に係るペリクル収納ケースの第２発
明の要旨は、前記ペリクル収納ケースに於いて、そのペ
リクル搭載面が矩形である場合には長辺方向のリブの長
さがペリクル搭載面の長辺方向の長さの５０％以上或い
は短辺方向のリブの長さがペリクル搭載面の短辺の５０
％以上、ペリクル搭載面が円形の場合はリブの長さがそ
の面の直径の長さの５０％以上でかつ夫々のリブの高さ
がペリクル搭載面の板厚の５０％以上であることを特徴
とする第１発明記載のペリクル収納ケースである。

【００１６】前述の第２発明に於いては、ペリクル収納
ケースのペリクル搭載面が矩形或いは円形であっても、
リブの長さをその面の長辺、短辺或いは直径の長さ５０
％以上にし、かつリブの高さをペリクル搭載面の板厚５
０％以上にしたので、ペリクル搭載面の強度を著しく高
めることが出来、そのために運送中に４０℃以上の高温
下に放置されても、ペリクル収納ケースに反りが発生す
ることがなく、フタとトレイとの嵌合性を阻害すること
がない。

【００１７】本発明に係るペリクル収納ケースの第３発
明の要旨は、前記ペリクル収納ケースのペリクル搭載面
の面積が３００ｃｍ² 以上であることを特徴とした第２
発明記載のペリクル収納ケースである。

【００１８】前述の第３発明に於いては、ペリクル収納
ケースの前述のリブが設けられるペリクル搭載面の面積
が３００ｃｍ² 以上であるような比較的標準以上のケー
スに於いて特に有効である。ペリクル搭載面の面積が３
００ｃｍ² 以下の標準以下のケースに於いては、リブを
設けなくとも、或いは長さの小さいリブを設けても、ケ
ースの強度を有効に保ことが可能である。

【００１９】

【発明の実施の形態】図により本発明のペリクル収納ケ
ースの一実施例を具体的に説明すると、図１は本発明に
係る第１実施例のペリクル収納ケースを示す説明図、図
２は本発明に係る第２実施例のペリクル収納ケースを示
す説明図、図３は本発明に係る第３実施例のペリクル収
納ケースを示す説明図である。

【００２０】図４は本発明に係る第４実施例のペリクル
収納ケースを示す説明図、図５は本発明に係る第５実施
例のペリクル収納ケースを示す説明図、図６は本発明に
係る第６実施例のペリクル収納ケースを示す説明図であ
る。

【００２１】図１に於いて、１はトレイであって、トレ
イ１の中央部にはペリクル（図示せず）を搭載すること
が出来る台状のペリクル搭載面２が設けられている。こ
のペリクル搭載面２の周りには、ペリクル搭載面２に載
置されたペリクルの左右前後の動きを拘束するための突
起状の複数のポスト３が起立突設されている。

【００２２】前記ペリクル搭載面２の面積は約３００ｃ
ｍ² の面積を有しており、そのほぼ中央部に矩形状の上
方に持ち上がったリブ４が設けられている。この矩形状
のリブ４の寸法はペリクル搭載面２の長辺方向の長さの
５０％以上或いは短辺方向の長さの５０％以上の長さを
有し、かつペリクル搭載面２の板厚の５０％以上の高さ
を持って形成されている。

【００２３】図２に於いて、トレイ１のペリクル搭載面
２には円形状の上方に持ち上がったリブ５が設けられて
いる。このリブ５の寸法は、そのリブ５の直径の長さが
ペリクル搭載面２の直径の長さの５０％以上になるよう
に構成されている。また、そのリブ５の高さもペリクル
搭載面２の板厚の５０％以上の高さを持って形成されて
いる。

【００２４】図３に於いて、トレイ１のペリクル搭載面
２には平行な２本の帯状の横リブ６ａと、これ等の中間
に設けられた１本の縦リブ６ｂとによって上方に持ち上
がったリブ６が形成されている。

【００２５】図４に於いて、トレイ１のペリクル搭載面
２には４本の帯状のリブ７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄが放射
状に持ち上がって設けられてリブ７が形成されている。
このリブ７の高さもペリクル搭載面２の板厚の５０％以
上の高さを持っている。

【００２６】図５に於いて、トレイ１のペリクル搭載面
には前述のリブ４，５，６，７等と異なり、下方向に凹
んで形成された矩形状凹形リブ８が設けられている。こ
の凹形リブ８の深さはペリクル搭載面２の板厚の５０％
以上の深さを持って形成されている。また、その凹形リ
ブ８の長辺及び短辺の夫々の長さは、ペリクル搭載面２
の長辺方向の長さの５０％以上或いは短辺方向の長さの
５０％以上を有している。

【００２７】図６に於いては、ペリクル搭載面２にＸ形
帯状のリブ９が上方に持ち上がって形成されている。こ
のリブ９の高さもペリクル搭載面２の板厚の５０％以上
を有している。また、ペリクル搭載面２の短辺の長さが
２９６ｍｍであるのに対して、リブ９の短辺の長さは２
００ｍｍであり、ペリクル搭載面２の長辺の長さが４２
９ｍｍであるのに対して、リブ９の長辺の長さは３００
ｍｍに形成されている。前記リブ９を有するトレイ１に
はフタ１０が嵌着されている。

【００２８】一般にトレイ１とフタ１０とは外周全周に
凹部が設けられているので、強度が維持されケース全体
の剛性を向上させているが、ペリクル搭載面２が平坦で
あり、かつこのペリクル搭載面２の面積が３００ｃｍ²
以上になると、この箇所の強度が弱くなり、ケース全体
の剛性が十分でなくなる。そのために運搬中の高温下で
はケースが変形し、ケース全体に反りが生ずる心配があ
る。

【００２９】しかし、前述のように、ペリクル搭載面２
に凸状或いは凹状のかつ矩形、円形、帯形等のリブ４，
５，６，７，８，９等を設けた場合には、ケース全体の
剛性を飛躍的に向上させることが出来、これによって運
搬中の高温下でもケースに反りが生ずることを防止する
ことが出来る。

【００３０】また、リブはトレイ１に設ければトレイ１
の剛性でフタ１０にリブが無くともフタの反りが抑えら
れ、また同様にフタ１０にリブがあればトレイ１にリブ
が無くとも反りが防げる。このことからトレイ１または
フタ１０の一方あるいは両方にリブを設ければ良い。

【００３１】また、リブの大きさに関しては、ケースの
ペリクル搭載面２が矩形の時はペリクル搭載面２の長辺
方向のリブの長さがペリクル搭載面２の長辺の５０％以
上あるいはペリクル搭載面２の短辺方向のリブの長さが
ペリクル搭載面２の短辺の５０％以上、また、ペリクル
搭載面２が円形の時は、リブの長さがペリクル搭載面２
の直径の５０％以上で且つリブの高さがペリクル搭載面
２の板厚の５０％以上であることが好ましい。また、複
数のリブを有する場合には、リブの長さとは各リブの長
さの合計のことである。

【００３２】また、図３或いは図４のように複数のリブ
を有する場合には、リブの長さは各リブの長さの合計の
ことである。リブの高さとは例えば図３或いは図４に示
すようにリブの最も高い箇所からペリクル搭載面の内面
までの距離である。

【００３３】ペリクル搭載面２が矩形の場合、反りは長
辺方向と短辺方向と同時に発生し、ケースはねじれた形
状になる。そのため長辺あるいは短辺方向の一方の反り
を抑える構造にすれば他方の反りも無くなる。このこと
からリブは長辺方向あるいは短辺方向の一方あるいは両
方の反りを抑える構造であれば良い。長辺方向あるいは
短辺方向の反りを抑えるには、対応するペリクル搭載面
２の辺方向のリブの長さが５０％以上が好ましく、ま
た、ペリクル搭載面２が円形の場合は直径の５０％以上
が好ましい。

【００３４】また、リブを設けることでケースの剛性は
向上するが、ケースの反りを防ぐためには、リブの高さ
は最も高いところでペリクル搭載面２の板厚の５０％で
あることが好ましい。先に述べたようにペリクル搭載面
２が矩形の場合は、ペリクル搭載面２の長辺あるいは短
辺方向の一方の反りを抑えれば良い。

【００３５】ペリクル搭載面２にリブを設けることによ
り反りを抑える効果が現れるが、リブの長さによって
は、リブが無い部分に幾分反りが発生しケース全体がや
や反ることがある。しかしながら対応するペリクル搭載
面２の辺方向のリブの長さを５０％以上にすればリブの
効果が大きく現れ、リブのある部分の反りは、もちろん
のことリブの無い部分の反りも抑える効果が大きくな
り、ケース全体の反りを抑えることが出来る。

【００３６】しかし、リブの高さが低いとリブの無い部
分が反り、更にその影響を受けリブがある箇所も反るこ
とがある。このことから先に述べたようにリブの長さが
ケースの反りを抑えるのに対応するペリクル搭載面２の
辺の長さの５０％以上が好ましく、更にリブの高さはペ
リクル搭載面２の板厚の５０％以上が好ましい。

【００３７】また、半導体用ペリクルより大きい液晶一
括露光大型ペリクル（以下大型ペリクルと略す）の収納
ケースのようにケースのペリクル搭載面の面積が３００
ｃｍ ² 以上である場合は以下の理由により特にリブの効
果が大きくなる。リブが無いものではペリクル搭載面が
大きいほど熱による反りが大きくなる。そのため上記サ
イズのケースでは５インチや６インチの半導体用ペリク
ルよりもペリクルがケースに強く押しつけられフタの摩
耗粉が出やすくなる。

【００３８】また、半導体用ペリクルには枠体材質にア
ルミニウム合金を使用しているが大型ペリクルでは膜の
張力が大きくなるために枠体に鉄系合金を用いることか
ら大型ペリクルの重量が大きくなる。そのため、収納ケ
ースが反ると反りが粘着剤に転写しやすく、貼付不良が
発生する頻度が高くなる。マスクやレチクルの下面に貼
り付けて使用するときは、大型ペリクルでは重量が大き
いために半導体用ペリクルでは問題にならないような小
さな貼付不良でも経時的に貼付不良部が広がり、エアー
パスと呼ばれるペリクル内外をつなぐ隙間ができ、その
箇所からペリクル内に異物が侵入し、ペリクルの機能を
果たさなくなる事がある。

【００３９】また、ケース材質は特に指定は無いがアク
リル樹脂やポリエチレンフタレート樹脂、アクリルニト
リル・ブタジエン・スチレン樹脂等を用いれば良い。更
に上記樹脂以外に、ポリエチレンテレフタレート以外の
ポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等の
オレフィン系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・
スチレン樹脂、等のポリスチレン系樹脂等を用いること
もできる。また上記樹脂を射出成型や真空成型を行うこ
とにより本発明のケースは得られる。

【００４０】

【実験例】具体的実験例として、図６に示すようなトレ
イ１に高さ３ｍｍのリブ９を設けたペリクル収納ケース
と、これに対して比較例として前述の従来例の図７及び
図８に示すトレイ５５とフタ５６にリブが全く無いペリ
クル収納ケースとに夫々ペリクルを収納した。

【００４１】次に、４５℃の環境下で１２時間放置し
た。実施例の図６に示すペリクル収納ケースも比較例の
図７及び図８に示すペリクル収納ケースとも板厚３ｍｍ
のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂を真空
成型によって製作した。１２時間放置後、ペリクルの粘
着材部の変形、及びペリクルとペリクル収納ケースのフ
タの接触部を目視観察した。

【００４２】実施例の図６に示すペリクル収納ケースで
は粘着材部の変形は無く、またペリクルのペリクル収納
ケースのフタの接触部にも擦れた痕は見られないのに対
し、比較例の図７及び図８に示すペリクル収納ケースで
は、粘着材部にペリクル収納ケースの反り形状が転写し
ており、また、ペリクルのケースとフタと接触部には、
強く押しつけられた痕が観察された。

【００４３】

【発明の効果】本発明に係るペリクルの収納ケースは前
述の構成と作用とを有するので、次のような多大な効果
を有している。

【００４４】本発明では、ペリクル収納ケースにリブを
設けることにより運送中のケースの熱変形を防ぐことが
可能となる。このことは、輸送中にペリクルとペリクル
収納ケースが擦れることによって発生する小さな塵がペ
リクルに付着することを防ぐことができる。また、粘着
材の変形を防ぐことができペリクルのマスクあるいはレ
ティクルへの貼付不良の発生を防ぐことができる。これ
らのことから、製造者から使用者に輸送中にペリクルの
機能を損なうことが無く、使用者は常に安定した品質の
ペリクルを使用することができ、本発明は品質の安定化
に大きく貢献する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図２】本発明に係る第２実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図３】本発明に係る第３実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図４】本発明に係る第４実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図５】本発明に係る第５実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図６】本発明に係る第６実施例のペリクル収納ケース
を示す説明図である。

【図７】従来のペリクル収納ケースを示す一部切欠平面
図である。

【図８】図７のペリクル収納ケースの要部の構成を示す
断面説明図である。

【符号の説明】

１ ペリクル収納ケースのトレイ ２ ペリクル搭載面 ３ ポスト ４，５，６，６ａ，６ｂ リブ ７，７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ リブ ８，９ リブ １０ ペリクル収納ケースのフタ ５１ 枠体 ５２ ペリクル膜 ５３ 粘着材 ５４ 保護フィルム ５５ トレイ ５５ａ 設置面 ５５ｂ ポスト ５６ フタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリ
   クル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着
   材を保護するために枠体の下縁面に粘着された保護フィ
   ルムからなるペリクルを、トレイとフタとよりなるケー
   スに収納するペリクル収納ケースに於いて、トレイまた
   はフタの一方あるいは両方のペリクル搭載面にリブを設
   けて構成したことを特徴とするペリクル収納ケース。
2. 【請求項２】前記ペリクル収納ケースに於いて、そのペ
   リクル搭載面が矩形である場合には長辺方向のリブの長
   さがペリクル搭載面の長辺の長さの５０％以上或いは短
   辺方向のリブの長さがペリクル搭載面の短辺の５０％以
   上、ペリクル搭載面が円形の場合はリブの長さがその面
   の直径の長さの５０％以上でかつ夫々のリブの高さがペ
   リクル搭載面の板厚の５０％以上であることを特徴とす
   る請求項１記載のペリクル収納ケース。
3. 【請求項３】前記ペリクル収納ケースのペリクル搭載面
   の面積が３００ｃｍ² 以上であることを特徴とした請求
   項２記載のペリクル収納ケース。