JP5051068B2 - 組立式クランクシャフト及びその製造方法 - Google Patents

組立式クランクシャフト及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、エンジンのクランクシャフトに係り、詳しくは、複数の分割ピースを一体に組み立ててなる組立式クランクシャフト及びその製造方法に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1には、複数の構成部品(ジャーナル軸を含む部品、クランクピンを含む部品)を接合部にて一体的に連結させた組立式クランクシャフトが記載されている。この組立式クランクシャフトは、隣り合う構成部品を接合部にてボルトにより締結することで剛性を高めている。
また、下記の特許文献2には、隣り合うクランクウェブのうち一方のクランクウェブのクランクピンが他方のクランクウェブの貫通孔に圧入されて一体的に連結された組立式クランクシャフトが記載されている。同じく、下記の特許文献3には、隣り合うクランクウェブのうち一方のクランクウェブのピン部やジャーナル部が他方のクランクウェブの貫通孔に圧入されて一体的に連結された組立式クランクシャフトが記載されている。
特開2005−351452号公報 特開平11−62599号公報 実案2570281号公報
ところが、特許文献1に記載の組立式クランクシャフトでは、ボルトによる締結長が比較的短いものとなっていた。このため、エンジン運転時にピストン及びコンロッドを介して作用するエンジンの爆発力に対して、接合部の強度が不十分となるおそれがあった。この結果、場合によっては、接合部で構成部品に抜けが生じる懸念があった。
また、特許文献2及び3に記載の組立式クランクシャフトでは、貫通孔に圧入されるのがクランクピン、ピン部及びジャーナル部の先端部分だけとなっていた。このため、隣り合うクランクウェブの締結長が十分でなく、エンジンの爆発力に対して締結部の強度が不足し、締結部に抜けが生じる懸念があった。あるいは、抜けが生じないまでも、締結部の剛性が不足し、変形により締結部に隙間ができて締結部から異音が発生するおそれがあった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン運転時の爆発力に対する締結部の強度と剛性を高め、締結部の抜けや締結部での異音発生を防止することを可能とした組立式クランクシャフト及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトであって、各分割ピースは、厚板状のカウンタウェイト部と、カウンタウェイト部の幅方向一端側から突出した小径軸部と、カウンタウェイト部の幅方向他端側から突出した大径軸部と、大径軸部からカウンタウェイト部にかけて大径軸部の軸線を中心に設けられた穴部と、小径軸部の根本周囲に設けられた溝部とを含むことと、締結部は、隣り合う分割ピースのうち一方の分割ピースに設けられた大径軸部及び穴部と、他方の分割ピースに設けられた小径軸部及び溝部とを含むこととを備え、穴部に小径軸部を圧入すると共に大径軸部の先端を溝部に圧入して締結することにより、隣り合う分割ピースが互いに組み付けられ、小径軸部が大径軸部により覆われ、隣り合う分割ピースの間で小径軸部を覆った大径軸部によりジャーナル部又はピン部が構成されたこと、小径軸部と穴部が締結された状態で、大径軸部の先端が小径軸部の根本周囲に設けられた溝部に圧入されるため、小径軸部が小径軸部の先端と小径軸部の基端の両方にて反力を受け持つことにより、前記大径軸部と前記小径軸部の変形を抑えることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、隣り合う分割ピースのうち一方の分割ピースに設けられた大径軸部の穴部に、他方の分割ピースに設けられた小径軸部の全体が圧入されるので、小径軸部と穴部による締結部の長さが最大限に確保される。小径軸部と穴部が締結された状態で、大径軸部の先端が小径軸部の根本周囲に設けられた溝部に圧入されるので、小径軸部がその先端と基端の両方にてエンジンの爆発力による反力を受け持つこととなる。また、エンジンの爆発力や慣性力が締結部にかかっても、小径軸部と大径軸部との間に隙間ができ難くなり、締結部の変形が抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、溝部の内壁が、溝部の底へ向けてテーパに形成されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1記載の発明の作用に加え、溝部の内壁がテーパに形成されることから、冷鍛精度レベルでも大径軸部の先端がテーパに倣って溝部に確実に圧入され、大径軸部の先端と溝部との密着性が増す。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、小径軸部の外周が小径軸部の先端へ向けてテーパに形成され、穴部の内壁が小径軸部に整合するようにテーパに形成されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、小径軸部の外周が小径軸部の先端へ向けてテーパに形成されるので、小径軸部の根本が先端よりも大径化して応力の発生が低減される。また、穴部の内壁が小径軸部に整合するようにテーパに形成されるので、穴部の底側が穴部の口側よりも小径化し、穴部の底側周囲の肉厚が増して応力の発生が低減される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、大径軸部の外周、小径軸部の外周及び溝部の内壁がそれぞれ焼き入れされたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、大径軸部の外周、小径軸部の外周及び溝部の内壁のそれぞれが焼き入れにより硬度が増大する。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、複数の分割ピースを互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、厚板状のカウンタウェイト部と、カウンタウェイト部の幅方向一端側から突出した小径軸部と、カウンタウェイト部の幅方向他端側から突出した大径軸部と、大径軸部からカウンタウェイト部にかけて大径軸部の軸線を中心に設けられた穴部と、小径軸部の根本周囲に設けられた溝部とを含む複数の分割ピースを作製し、隣り合う分割ピースのうち一方の分割ピースに設けられた穴部に、他方の分割ピースに設けられた小径軸部を圧入し、小径軸部を大径軸部で覆うと共に、大径軸部の先端を溝部に圧入して締結することにより隣り合う分割ピースを互いに組み付け、小径軸部が小径軸部の先端と小径軸部の基端の両方にて反力を受け持つことにより、前記大径軸部と前記小径軸部の変形を抑え、隣り合う分割ピースの間で小径軸部を覆った大径軸部によりジャーナル部又はピン部を構成することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、隣り合う分割ピースの一方に設けられた穴部に、他方の分割ピースに設けられた小径軸部の全体が圧入されるので、小径軸部と穴部による締結部の長さが最大限に確保される。小径軸部と穴部が締結された状態で、大径軸部の先端が小径軸部の根本周囲に設けられた溝部に圧入されるので、小径軸部がその先端と基端の両方にてエンジンの爆発力による反力を支持することとなる。また、エンジンの爆発力や慣性力が締結部にかかっても、小径軸部と大径軸部との間に隙間ができ難くなり、小径軸部と大径軸部の変形が抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、分割ピースの作製時に、溝部の外径側内壁を溝部の底へ向けてテーパに形成することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項5に記載の発明の作用に加え、溝部の内壁がテーパに形成されることから、冷鍛精度レベルでも大径軸部の先端がテーパに倣って溝部に確実に圧入され、大径軸部の先端と溝部との密着性が増す。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、分割ピースの作製時に、小径軸部の外周を小径軸部の先端へ向けてテーパに形成すると共に、穴部の内壁を小径軸部に整合するようにテーパに形成することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項5又は6に記載の発明の作用に加え、小径軸部の外周が小径軸部の先端へ向けてテーパに形成されるので、小径軸部の根本が先端よりも大径化して応力の発生が低減される。また、穴部の内壁が小径軸部に整合するようにテーパに形成されるので、穴部の底側が穴部の口側よりも小径化し、穴部の底側周囲の肉厚が増して応力の発生が低減される。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7の何れか一つに記載の発明において、分割ピースの作製時に、大径軸部の外周、小径軸部の外周及び溝部の内壁をそれぞれ焼き入れすることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項5乃至7の何れか一つに記載の発明の作用に加え、大径軸部の外周、小径軸部の外周及び溝部の内壁のそれぞれが焼き入れにより硬度が増大する。
請求項1に記載の発明によれば、エンジン運転時の爆発力に対する締結部の強度と剛性を高めることができ、締結部の抜けや締結部での異音発生を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、エンジン運転時の爆発力に対する締結部の強度と剛性を高めることができ、締結部の抜けや締結部での異音発生を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項5乃至7の何れか一つに記載の発明の効果に対して締結部の強度と剛性を更に高めることができ、締結部の耐久性を向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、本発明を4気筒エンジン用の組立式クランクシャフトに具体化して説明する。
図1に、本実施形態の組立式クランクシャフト1を側面図により示す。この組立式クランクシャフト1は、10個の分割ピース2A,2B,2C,2D,2E,2F,2G,2H,2I,2Jを締結部3にて互いに組み付けて一体に組み立てることにより構成される。各分割ピース2A〜2Jとして、例えば、適量のカーボンを含有した「S45C」や「S35C」等の鍛造成形品を使用することができる。
図1において、左側から第2分割ピース2B、第4分割ピース2D、第6分割ピース2F及び第8分割ピース2Hは互いに同一形状をなしている。これら分割ピース2B,2D,2F,2Hは、厚板状のカウンタウェイト部4と、そのカウンタウェイト部4の幅方向一端側(図面左側)から突出した小径軸部5と、そのカウンタウェイト部4の幅方向他端側(図面右側)から突出した大径軸部6と、その大径軸部6からカウンタウェイト部4にかけて大径軸部6の軸線を中心に設けられた穴部7と、小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8とを備える。これら分割ピース2B,2D,2F,2Hにおいて、小径軸部5は、カウンタウェイト部4のほぼ中央に配置され、大径軸部6及び穴部7は、カウンタウェイト部4の片端寄りに配置される。
図1において、左側から第3分割ピース2C、第5分割ピース2E、第7分割ピース2G及び第9分割ピース2Iは、互いに同一形状をなしている。これら分割ピース2C,2E,2G,2Iは、厚板状のカウンタウェイト部4と、そのカウンタウェイト部4の幅方向一端側(図面左側)から突出する小径軸部5と、そのカウンタウェイト部4の幅方向他端側(図面右側)から突出する大径軸部6と、その大径軸部6からカウンタウェイト部4にかけて大径軸部6の軸線を中心に設けられた穴部7と、小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8とを備える。これら分割ピース2C,2E,2G,2Iにおいて、小径軸部5は、カウンタウェイト部4の片端寄りに配置され、大径軸部6及び穴部7は、カウンタウェイト部4のほぼ中央に配置される。
図1において、左端の第1分割ピース2Aと右端の第10分割ピース2Jは、他の分割ピース2B〜2Iと異なる形状をなしている。第1分割ピース2Aは略筒形をなし、その内部に穴部7を含む。第10分割ピース2Jは、小径軸部5と、その小径軸部5の一端に形成されたフランジ部9と、そのフランジ部9にて小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8とを備える。
この実施形態において、各分割ピース2A〜2Jの締結部3は、それぞれ隣り合う分割ピース2A〜2Jのうち一方の分割ピース2B〜2Iに設けられた大径軸部6及び穴部7と、隣り合う分割ピース2A〜2Jのうち他方の分割ピース2B〜2Jに設けられた小径軸部5及び溝部8とを含む。そして、各締結部3にて、それぞれ穴部7に小径軸部5を圧入すると共に大径軸部6の先端を溝部8に圧入して締結することにより、隣り合う分割ピース2A〜2Jが互いに組み付けられる。
図2,3に、一例として、第2分割ピース2B、第3分割ピース2C及び第4分割ピース2Dの組み付け工程を側面図により示す。図4に、図3に示す第2〜第4の分割ピース2B〜Dの組み付け状態を断面図により示す。第2及び第3の分割ピース2B,2Cの組み付けは、第2分割ピース2Bの大径軸部6に設けた穴部7に、第3分割ピース2Cの小径軸部5を圧入すると共に、第2分割ピース2Bの大径軸部6の先端を第3分割ピース2Cの溝部8に圧入して締結することにより行われる。この圧入により、大径軸部6の穴部7に圧入された小径軸部5が大径軸部6により覆われることとなる。このように第2分割ピース2Bの大径軸部6が第3分割ピース2Cの小径軸部5を覆った状態で、大径軸部6の先端が小径軸部5の根本周囲の溝部8に圧入されて接続される。このように隣り合う分割ピース2B,2Cの間で小径軸部5を覆った大径軸部6によりピン部10が構成される。同様に、第3分割ピース2Cの大径軸部6の穴部7に、第4分割ピース2Dの小径軸部5を圧入すると共に、第3分割ピース2Cの大径軸部6の先端を第4分割ピース2Dの溝部8に圧入して締結することにより、両分割ピース2C,2Dの組み付けが行われる。この圧入により、大径軸部6の穴部7に圧入された小径軸部5が大径軸部6により覆われることとなり、その状態で第3分割ピース2Cの大径軸部6の先端が第4分割ピース2Dの小径軸部55の根本周囲に設けられた溝部8に圧入されて接続される。このように隣り合う分割ピース2C,2Dの間で小径軸部5を覆った大径軸部6によりジャーナル部11が構成される。第5分割ピース2E〜第9分割ピース2Iの組み付けについても上記と同様である。
この他、第2分割ピース2Bの小径軸部5を第1分割ピース2Aの穴部7に圧入することにより、両分割ピース2A,2Bの組み付けが行われる。このように第2分割ピース2Bの小径軸部5を覆った第1分割ピース2Aの外周によりジャーナル部11が構成される。また、第10分割ピース2Jの小径軸部5を第9分割ピース2Iの穴部7に圧入することにより、両分割ピース2I,2Jの組み付けが行われる。このように隣り合う分割ピース2I,2Jの間で小径軸部5を覆った大径軸部6によりジャーナル部11が構成される。
図5に、締結状態の締結部3を断面図により示す。図6に、分解状態の締結部3を断面図により示す。図5に示すように、締結状態において、大径軸部6が小径軸部5を覆った状態で、大径軸部6の先端が小径軸部5の根本周囲の溝部8に圧入されている。穴部7に圧入された小径軸部5の先端と穴部7の底壁との間には、若干の隙間G1が設けられる。大径軸部6の先端と溝部7の底壁との間にも若干の隙間G2が設けられる。ここで、大径軸部6の外周、小径軸部5の外周及び溝部8の内壁は、それぞれ焼き入れ12,13が施されている。上記した面取り及び焼き入れ12,13は、各分割ピース2A〜2Jの作製時に行われる。
上記した組立式クランクシャフト1を製造するには、厚板状のカウンタウェイト部4と、そのカウンタウェイト部4の幅方向一端側から突出する大径軸部6と、そのカウンタウェイト部4の幅方向他端側から突出する小径軸部5と、大径軸部6からカウンタウェイト部4にかけて大径軸部6の軸線を中心に設けられた穴部7と、小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8とを含む各分割ピース2B〜2Iをそれぞれ作製すると共に、両端の分割ピース2A,2Jをそれぞれ作製しておく。ここで、各分割ピース2A〜2Jの作製時に、溝部8の内壁を湾曲状に面取りすると共に、大径軸部6の外周、小径軸部5の外周及び溝部8の内壁にそれぞれ焼き入れ11を施す。
次に、隣り合う分割ピース2B〜2Iのうち一方の分割ピース2B〜2Iに設けられた大径軸部6の穴部7に、他方の分割ピース2B〜2Iに設けられた小径軸部5を圧入し、小径軸部5を大径軸部6で覆うと共に、大径軸部6の先端を小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8に圧入して締結することにより隣り合う分割ピース2B〜2Iを互いに組み付ける。また、第1分割ピース2Aを第2分割ピース2Bに組み付けると共に、第10分割ピース2Jを第9分割ピース2Iに組み付ける。第2分割ピース2Bへの第1分割ピース2Aの組み付けは、第1分割ピース2Aの穴部7に、第2分割ピース2Bの小径軸部5を圧入して締結することにより行われる。一方、第9分割ピース2Iへの第10分割ピース2Jの組み付けは、第9分割ピース2Iの大径軸部6に設けられた穴部7に、第10分割ピース2Jの小径軸部5を圧入すると共に、大径軸部6を小径軸部5の根本周囲に設けられた溝部8に圧入して締結することにより行われる。ここで、隣り合う分割ピース2A〜2Jの間で、小径軸部5を覆った大径軸部6によりピン部10又はジャーナル部11を構成する。このようにして組立式クランクシャフト1が完成する。
以上説明したこの実施形態の組立式クランクシャフト1の構成によれば、隣り合う分割ピース2A〜2Jのうち一方に設けられた大径軸部6の穴部7に、他方の分割ピース2A〜2Jに設けられた小径軸部5の全体が圧入されるので、小径軸部5と穴部7による締結部3の長さが最大限に確保される。このため、締結部3として最大限の締結力を得ることができる。また、図7に締結部3の作用説明図に示すように、小径軸部3と穴部7が締結された状態で、大径軸部6の先端が小径軸部5の根本周囲の溝部8に圧入されるので、小径軸部5がその先端と基端の両方にてエンジンの爆発力による反力を受け持つこととなる。更に、エンジンの爆発力や慣性力が締結部3にかかっても、小径軸部5と大径軸部6との間に隙間ができ難くなり、締結部3の変形が抑えられる。このため、小径軸部5に抜け力が働き難い構成となり、エンジンの爆発力がピン部10やジャーナル部11に作用しても、その爆発力に対する締結部3の強度と剛性を高めることができ、締結部3の抜けを防止することができると共に、締結部3での異音発生を防止することができる。つまり、組立式クランクシャフト1がエンジンに使用され、エンジン運転時にピストンの運動力が組立式クランクシャフト1の各ピン部10及び各ジャーナル部11に作用して、各締結部3の締結が抜ける方向に力が加わっても、各締結部3の強固な締結状態を安定かつ静かな状態で保つことができる。
この実施形態では、大径軸部6の先端が溝部8の面取りされた内壁に当接するので、大径軸部6の先端と溝部8の内壁との当接部分における応力集中が面取りにより分散される。このため、大径軸部6の先端と溝部8の内壁の強度をそれぞれ高めることができ、締結部3の耐久性を向上させることができる。
また、この実施形態では、大径軸部6の外周、小径軸部5の外周及び溝部8の内壁のそれぞれが焼き入れ12,13により硬度が増大する。この意味でも、締結部3の強度と剛性を強度を高めることができ、締結部3の耐久性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
図8に、この実施形態の組立式クランクシャフト1における締結状態の締結部3を断面図により示す。図9に、分解状態の締結部3を断面図により示す。この実施形態では、溝部8の形状と、大径軸部6の焼き入れ12の範囲の点で、第1実施形態と構成が異なる。すなわち、この実施形態では、溝部8の外径側内壁8aが、溝部8の底壁8bへ向けてテーパに形成される。この外径側内壁8aには、溝部8の底壁8bへ向けて徐々に縮径するように所定の角度θ1が付与されている。また、この実施形態では、大径軸部6の先端部分のみ外周に焼き入れ12が施されていない。つまり、溝部8に圧入される大径軸部6の先端部分のみ外周に焼き入れ12が施されていない。上記した溝部8のテーパは、各分割ピース2A〜2Jの作製時に形成される。その他の構成は、第1実施形態のそれと同じである。
従って、この実施形態では、溝部8の外径側内壁8aがテーパに形成されることから、冷鍛精度レベルでも大径軸部6の先端が、外径側内壁8aのテーパに倣って溝部8に確実に圧入され、大径軸部6の先端部と溝部8との密着性が増す。これは、大径軸部6の先端部に焼き入れ12が施されておらず、これによりその先端部が強度強化されていないことから、その先端部が塑性変形して溝部8のテーパな外径内壁8aとの密着性を確保できるからである。この意味で、締結部3の強度と剛性を更に高めることができ、締結部3の耐久性を向上させることができる。この実施形態の組立式クランクシャフト1のその他の作用効果は、第1実施形態のそれと同じである。
[第3実施形態]
次に、本発明の組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図10に、この実施形態の組立式クランクシャフト1における締結状態の締結部3を断面図により示す。図11に、分解状態の締結部3を断面図により示す。この実施形態では、小径軸部5と穴部7の形状の点で、第2実施形態と構成が異なる。すなわち、この実施形態では、小径軸部5の外周が小径軸部5の先端へ向けて徐々に縮径するようにテーパに形成され、穴部7の内壁が小径軸部5に整合するようにテーパに形成される。小径軸部5の外周には、その先端へ向けて徐々に縮径するように所定の角度θ2が付与されている。穴部7の内壁にも、その底壁へ向けて徐々に縮径するように所定の角度θ3が付与されている。これら溝部8、小径軸部5及び穴部7のテーパは、各分割ピース2A〜2Jの作製時に形成される。その他の構成は、第2実施形態のそれと同じである。
従って、この実施形態では、小径軸部5の外周がその先端へ向けてテーパに形成されるので、小径軸部5の根本が先端よりも大径化して応力の発生が低減される。また、穴部7の内壁が小径軸部5に整合するようにテーパに形成されるので、穴部7の底側が穴部7の口側よりも小径化し、穴部7の底側周囲の肉厚が増して応力の発生が低減される。この意味で、締結部3の強度と剛性を更に高めることができ、締結部3の耐久性を向上させることができる。この実施形態の組立式クランクシャフト1のその他の作用効果は、第2実施形態のそれと同じである。締結部3の剛性を高められるのは、小径軸部5と大径軸部6の歪みを低減できるからである。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して以下のように実施することができる。
(1)前記各実施形態では、単に小径軸部5を大径軸部6の穴部7に圧入するように締結部3を構成したが、小径軸部の外周に、その軸線方向に延び交互に山部と谷部が並ぶセレーションを形成して、その小径軸部を穴部に圧入することにより塑性締結するように構成することもできる。
(2)前記各実施形態では、本発明を4気筒用エンジンのための組立式クランクシャフト1に具体化したが、本発明を4気筒以外の気筒数のエンジンのための組立式クランクシャフトに具体化することもできる。
(3)前記第2実施形態では、溝部8の外径側内壁8aのみをテーパに形成したが、溝部の内径側内壁のみをテーパに形成したり、溝部の外径側内壁と内径側内壁の両方をテーパに形成したりすることもできる。
第1実施形態に係り、組立式クランクシャフトを示す側面図。 第1実施形態に係り、一部の分割ピースの組み付け工程を示す側面図。 第1実施形態に係り、一部の分割ピースの組み付け工程を示す側面図。 第1実施形態に係り、一部の分割ピースの組み付け状態を示す断面図。 第1実施形態に係り、締結状態の締結部を示す断面図。 第1実施形態に係り、分解状態の締結部を示す断面図。 第1実施形態に係り、締結部の作用説明図。 第2実施形態に係り、締結状態の締結部を示す断面図。 第2実施形態に係り、分解状態の締結部を示す断面図。 第3実施形態に係り、締結状態の締結部を示す断面図。 第3実施形態に係り、分解状態の締結部を示す断面図。
符号の説明
1 組立式クランクシャフト
2A 第1分割ピース
2B 第2分割ピース
2C 第3分割ピース
2D 第4分割ピース
2E 第5分割ピース
2F 第6分割ピース
2G 第7分割ピース
2H 第8分割ピース
2I 第9分割ピース
2J 第10分割ピース
3 締結部
4 カウンタウェイト部
5 小径軸部
6 大径軸部
7 穴部
8 溝部
10 ピン部
11 ジャーナル部
12 焼き入れ
13 焼き入れ

Claims (8)

  1. 複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトであって、
    前記各分割ピースは、厚板状のカウンタウェイト部と、前記カウンタウェイト部の幅方向一端側から突出した小径軸部と、前記カウンタウェイト部の幅方向他端側から突出した大径軸部と、前記大径軸部から前記カウンタウェイト部にかけて前記大径軸部の軸線を中心に設けられた穴部と、前記小径軸部の根本周囲に設けられた溝部とを含むことと、
    前記締結部は、隣り合う分割ピースのうち一方の分割ピースに設けられた前記大径軸部及び前記穴部と、他方の分割ピースに設けられた前記小径軸部及び前記溝部とを含むこととを備え、前記穴部に前記小径軸部を圧入すると共に前記大径軸部の先端を前記溝部に圧入して締結することにより、前記隣り合う分割ピースが互いに組み付けられ、前記小径軸部が前記大径軸部により覆われ、前記隣り合う分割ピースの間で前記小径軸部を覆った前記大径軸部によりジャーナル部又はピン部が構成されたこと
    前記小径軸部と前記穴部が締結された状態で、前記大径軸部の先端が前記小径軸部の根本周囲に設けられた前記溝部に圧入されるため、前記小径軸部が前記小径軸部の先端と前記小径軸部の基端の両方にて反力を受け持つことにより、前記大径軸部と前記小径軸部の変形を抑えること、
    を特徴とする組立式クランクシャフト。
  2. 前記溝部の内壁が、前記溝部の底へ向けてテーパに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の組立式クランクシャフト。
  3. 前記小径軸部の外周が前記小径軸部の先端へ向けてテーパに形成され、前記穴部の内壁が前記小径軸部に整合するようにテーパに形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の組立式クランクシャフト。
  4. 前記大径軸部の外周、前記小径軸部の外周及び前記溝部の内壁がそれぞれ焼き入れされたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の組立式クランクシャフト。
  5. 複数の分割ピースを互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、
    厚板状のカウンタウェイト部と、前記カウンタウェイト部の幅方向一端側から突出した小径軸部と、前記カウンタウェイト部の幅方向他端側から突出した大径軸部と、前記大径軸部から前記カウンタウェイト部にかけて前記大径軸部の軸線を中心に設けられた穴部と、前記小径軸部の根本周囲に設けられた溝部とを含む複数の分割ピースを作製し、
    隣り合う分割ピースのうち一方の分割ピースに設けられた前記穴部に、他方の分割ピースに設けられた前記小径軸部を圧入し、前記小径軸部を前記大径軸部で覆うと共に、前記大径軸部の先端を前記溝部に圧入して締結することにより前記隣り合う分割ピースを互いに組み付け、前記小径軸部が前記小径軸部の先端と前記小径軸部の基端の両方にて反力を受け持つことにより、前記大径軸部と前記小径軸部の変形を抑え、
    前記隣り合う分割ピースの間で前記小径軸部を覆った前記大径軸部によりジャーナル部又はピン部を構成する
    ことを特徴とする組立式クランクシャフトの製造方法。
  6. 前記分割ピースの作製時に、前記溝部の内壁を前記溝部の底へ向けてテーパに形成することを特徴とする請求項5に記載の組立式クランクシャフトの製造方法。
  7. 前記分割ピースの作製時に、前記小径軸部の外周を前記小径軸部の先端へ向けてテーパに形成すると共に、前記穴部の内壁を前記小径軸部に整合するようにテーパに形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の組立式クランクシャフトの製造方法。
  8. 前記分割ピースの作製時に、前記大径軸部の外周、前記小径軸部の外周及び前記溝部の内壁をそれぞれ焼き入れすることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載の組立式クランクシャフトの製造方法。
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