JP5048982B2 - 燃料用添加剤及び該添加剤を含む燃料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料用添加剤及び該添加剤を含む燃料組成物に関し、とりわけ燃料用酸化防止剤及び該酸化防止剤を含む低硫黄燃料組成物に関する。
軽油、ガソリン、灯油、重油等の石油製品はディーゼルエンジンやガソリンエンジン用燃料及び暖房用燃料等として使用されている。これらの石油製品は酸化すると変色、沈澱性の重合物(スラッジ)の生成、粘度上昇等が認められ、また、酸化によって生じた過酸化物(ペルオキシド)は燃料系統の部材(ゴム等)を劣化させることが知られている。そのため、酸化安定性は石油製品の品質安定性を評価する上で重要な指標の一つとなっており、高い酸化安定性を有するのが望ましい。
また、排気ガス浄化触媒の被毒防止から硫黄分が殆どない、いわゆるサルファーフリーの燃料油が2005年1月から市場に投入されている。また、燃費規制や二酸化炭素排出量低減、排ガス中の有毒物低減を背景に、ガソリン及び軽油の硫黄分は10質量ppmよりもさらに低下することが要求されている。
硫黄分を除去するためには高温高圧にした燃料油に水素を吹き込んで固体触媒に接触させ、水素化分解反応によって硫黄分を硫化水素として除去する水素化脱硫処理が一般に行われる。しかしながら、硫黄分を高度に除去する過程において高温で熱負荷を受けることにより、燃料中に不安定な物質が生成されやすく、酸化安定性が悪化する場合がある。また、燃料中に元来含まれているアミンやフェノールといった酸化防止剤も除去される。更には、有機硫黄化合物等の硫黄分自体が燃料の酸化抑制効果を有するという側面もあり、硫黄分の低減自体が直接的に燃料の酸化安定性を低下させる要因にもなっている。
そこで、硫黄分を低減しながらも酸化安定性に優れた燃料油を得ようとする試みがこれまでに幾つもなされている。
まず、燃料油の酸化安定性を向上させるために、酸化防止用添加剤を添加することが考えられる。古くから燃料油の酸化防止剤としては、アミン系及びフェノール系の種々の酸化防止剤が知られている。実際に硫黄含有量を10〜30質量ppmとした低硫黄軽油に酸化防止剤を添加した例が、特開2004−225000号公報(特許文献1)に記載されており、ここではアミン系酸化防止剤としてN,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等が、フェノール系酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられている。
また、“ジェイ・バルディ(J.Vardi)及びビー・ジェイ・クラウス(B.J.Krausu)著、「自動車用低硫黄ディーゼル燃料中のペルオキシドの生成(Peroxide Formation in Low Sulfur Automotive Diesel Fuels)」、SAE(Society of Automotive Engineering) Technical Paper Series 920826、1992年”(非特許文献1)には、水素化脱硫処理により二環以上の芳香族化合物の一環が水素化されることで、軽油の酸化安定性が著しく悪化すること(例えばナフタレンを水素添加すると酸化し易いテトラリンになる。)、ナフタレン等の二環芳香族化合物が多い軽油組成物は酸化安定性が高いこと、更には、テトラリンが多く酸化安定性が低い軽油組成物に対しては市販の酸化防止剤を添加すれば酸化安定性が充分に向上することが具体的に報告されている(非特許文献1参照)。
そのほか、酸化防止剤を添加せずに酸化安定性に優れた低硫黄軽油組成物を提供することを目的とした発明が特開2006−137919号公報(特許文献2)や特開2006−137922号公報(特許文献3)に記載されており、そこでは、ナフテンベンゼン類、フルオレン類、ナフタレン類が一定の比率で特定量含有すべきことが開示されている。
特開2004−225000号公報 特開2006−137919号公報 特開2006−137922号公報 ジェイ・バルディ(J.Vardi)及びビー・ジェイ・クラウス(B.J.Krausu)著、「自動車用低硫黄ディーゼル燃料中のペルオキシドの生成(Peroxide Formation in Low Sulfur Automotive Diesel Fuels)」、SAE(Society of Automotive Engineering) Technical Paper Series 920826、1992年
従来提案されている酸化抑制手段は何れも芳香族化合物を添加又は規定することを主眼としたものが多いが、芳香族化合物は一般に着火性が悪いものが多く、燃焼性が悪化することから粒子状物質の生成が増加する可能性がある。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等の常温において固体である添加剤を用いると、ディーゼルエンジンの燃料供給ラインに設置されている異物除去用フィルタを目詰まりさせる可能性があるため好ましくない。
本発明は、このような状況下で酸化防止剤として用いることのできる従来とは異なる新規な燃料用添加剤、更には該添加剤を含む燃料組成物を提供することを目的としたものである。
本発明者は、鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有する飽和脂環式炭化水素が、優れた燃料の酸化防止能を有することを見出し、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
シクロアルカン環同士の直接結合に関与しない炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子が1個又は2個以上のアルキル基で随意に置換されたビシクロヘキシルを含有する燃料用酸化防止剤である。
非置換ビシクロヘキシルを含有する(1)に記載の燃料用酸化防止剤である。
シクロアルカン環同士の直接結合に関与しない炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子が1個又は2個以上のアルキル基で随意に置換されたビシクロヘキシルが5000容量ppm以上含有するように(1)又は(2)に記載の酸化防止剤が添加された燃料組成物である。
) 鎖状パラフィンを15容量%以上含有する前記()に記載の燃料組成物である。
) ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を115℃とし、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給して試料を酸化した後の全酸価と酸化前の全酸価の差が0.6mgKOH/g以下である前記()又は()に記載の燃料組成物である。
) ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を115℃とし、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給して試料を酸化した後の過酸化物価と酸化前の過酸化物価の差が600質量ppm以下である前記()〜()の何れか一項に記載の燃料組成物である。
) フェノール系の酸化防止剤が添加されていない前記()〜()の何れか一項に記載の燃料組成物である。但し、「フェノール系の酸化防止剤が添加されていない」とは燃料組成物中に該酸化防止剤を人為的に添加することを排除すること意味し、燃料組成物中に不可避的に元来含有されているフェノール系酸化防止剤は許容されることを意味する。
) 硫黄分が10質量ppm以下である前記()〜()の何れか一項に記載の燃料組成物である。
本発明によれば、酸化安定性に優れた従来とは異なる燃料用添加剤、及び該添加剤を含有する低硫黄燃料組成物を提供することができる。
本発明の添加剤
本発明の燃料用添加剤は、一実施形態において、同一の又は異なるシクロアルカン環同士が3級炭素−3級炭素の単結合で直接結合した部分を少なくとも一つ有する飽和脂環式炭化水素を含有する燃料用添加剤である。該飽和脂環式炭化水素を燃料に添加することによって燃料の酸化安定性が顕著に向上する。
ここでいう「シクロアルカン環」には一般式Cn2nで表される飽和炭化水素環(例:シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環)のほか、該飽和炭化水素環を形成する炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子がアルキル基(例えばメチル基、エチル基又はプロピル基)で置換されたもの、更にはビシクロ[2.1.0]ペンタン環やビシクロ[3.2.1]オクタン環のような橋かけシクロアルカン環も含む。
一方、芳香環同士の場合(例:ビフェニル)、芳香環とシクロアルカン環が単結合で直接結合している場合(例:シクロヘキシルベンゼン)、シクロアルカン環同士が縮合して結合している場合(例:デカヒドロナフタレン)には酸化安定性の向上効果はほとんど見られないことが分かった。
理論によって本発明が限定されることを意図しないが、以下に本発明に係る添加剤の酸化防止機構を説明する。燃料油の酸化は水素原子の引き抜きによるアルキルラジカルの発生に端を発することが知られており、アルキルラジカルの発生のしやすさは3級炭素>2級炭素>1級炭素であることも公知である。通常、発生したアルキルラジカルは酸素を結合して過酸化物を生成し、連鎖的に酸化反応が進行する。しかし、シクロアルカン環同士が3級炭素−3級炭素の単結合で結ばれている箇所を有する飽和脂環式炭化水素の場合、3級炭素が隣り合い、さらにその近傍に鎖状炭化水素に含まれる2級炭素が存在しないため、隣り合う3級炭素が共鳴する形で安定なラジカルを生成する。このため、燃料油中の他の炭化水素から発生したアルキルラジカル、或いはそれが酸素と結合したアルキルペルオキシラジカルの捕捉剤として機能していると考えられる。
従って、上記の特徴的な構造を有している限り本発明が目的とする酸化安定性及び燃焼性の改善が可能となるため、上記飽和脂環式炭化水素の分子中に含まれるその他の部分構造については特に制限はないと考えられるが、より典型的な実施形態について説明する。
上記飽和脂環式炭化水素においてシクロアルカン環同士の直接結合の数には制限はない。例えば2環が直接結合してもよく、3環以上が直列状、分枝状若しくは環状に並んで直接結合してもよい。しかしながら、本発明の典型的な実施形態においては、該直接結合の数は1又は2であり、より典型的には1である。
上記飽和脂環式炭化水素において、直接結合したシクロアルカン環同士は同一でも異なってもよいが、本発明の典型的な実施形態においては、同一のシクロアルカン環同士が結合している。従って、上記飽和脂環式炭化水素は、典型的にはビシクロアルキル又はテルシクロアルキルであり、より典型的にはビシクロアルキルである。
上記飽和脂環式炭化水素を構成することのできる各シクロアルカン環には特に制限はないが、各シクロアルカン環は典型的には13員環以下であり、より典型的には10員環以下、更により典型的には8環以下であり、例示的には5員環、6員環、7員環又は8員環である。
上記飽和脂環式炭化水素は常温で液体であるのがフィルタの目詰まり防止等の取扱い上有利であり、融点は10℃以下、好ましくは5℃以下を有し、沸点は150〜360℃、好ましくは200〜300℃を有するのが好ましい。そして、このように常温で液体とすることのできる本発明の燃料用添加剤を使用すれば、酸化防止剤が固体である場合のように予め何らかの溶剤に溶解させておく手間が必要なくなる。
上記飽和脂環式炭化水素の更により具体的な例としては、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル又はビシクロオクチルが挙げられ、容易に入手可能であることからビシクロヘキシルが好ましい。また、これらの化合物中、上記直接結合に関与しない炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子はアルキル基(例えばメチル基、エチル基又はプロピル基)で随意に置換されてもよい。
本発明に係る飽和脂環式炭化水素は有機合成化学に携わっている当業者であれば公知の有機合成方法を使用することにより製造可能であると考えられるが、例えばビシクロヘキシルは、ビフェニルやビシクロヘキセニルを通常の方法で接触還元するか、あるいはヨウ化シクロヘキシルのウルツ反応によって得ることができる。また、ACROS ORGANICS社等から商業的に入手することもできる。
燃料組成物
本発明に係る燃料用添加剤を軽油、ガソリン、灯油、重油等の燃料組成物に添加することにより、燃料組成物の酸化安定性は向上するが、良好な酸化安定性を得るためには上記飽和脂環式炭化水素を燃料組成物中に5000容量ppm以上含有するのが好ましく、より好ましくは7000容量ppm以上、更により好ましくは1容量%以上含有していることが有利である。但し、多く含有しても、酸価安定性の効果に顕著な差がなくなるので費用対効果を考慮すれば5容量%以下、好ましくは2.5容量%以下である。
上記飽和脂環式炭化水素の含有量は、ガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラフ−質量分析法等の通常知られている分析方法により測定することができる。
上記飽和脂環式炭化水素はその分子中に、シクロアルカン環同士が3級炭素−3級炭素の単結合で直接結合した部分を有するが、シクロアルカン環同士の炭素−炭素の単結合に関与している3級炭素原子は、13C−NMR(NNE法)においてδ40〜50ppmの間、より好ましくは42〜46ppmの間に特徴的なピークを明確に発現する。このピークは、3級炭素が4級炭素と隣接するか、3級炭素が3つ連続して隣接するか、或いはシクロアルカン環同士の炭素−炭素の単結合に関与している3級炭素に対応するものであり、縮合シクロアルカン環、例えばデカヒドロナフタレンのような化合物中に見られるように2つの3級炭素が同じシクロアルカン環の一部である場合には発現しない。このピークは、通常の市販燃料組成物中には殆ど見られないものである。したがって、前記測定により上記飽和脂環式炭化水素の有無を確認することができる。
また、本発明の燃料組成物(特に軽油)をディーゼル燃料として用いる際には、鎖状パラフィンを15容量%以上含有するのが有利である。鎖状パラフィンは、燃料の燃焼性指標の一つであるセタン価を維持するために必要な成分だからである。鎖状パラフィンは燃料組成物中に好ましくは20容量%以上、より好ましくは25容量%以上含有することが望ましい。15容量%未満では、燃焼させる際の良好な着火性を維持することが困難となる可能性がある。
また、本発明の燃料組成物は一実施形態において、充分に酸化した後の全酸価と酸化前の全酸価の差が0.6mgKOH/g以下である。酸化前後の全酸価の差は、車両部品の腐食性低減から好ましくは0.4mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.2mgKOH/g以下、特には0.1mgKOH/g以下である。また、燃料組成物の全酸価は、酸化処理する前の全酸価が0.05mgKOH/g以下、より好ましくは0.03mgKOH/g以下、更に好ましくは0.01mgKOH/g以下であり、充分に酸化した後の全酸価が0.5mgKOH/g以下、より好ましくは0.3mgKOH/g以下、更に好ましくは0.05mgKOH/g以下であることが望ましい。
また、本発明の燃料組成物は一実施形態において、充分に酸化した後の過酸化物価と酸化前の過酸化物価の差が700質量ppm以下である。この差は600質量ppm以下であるのが好ましく、500質量ppm以下であるのがより好ましく、400質量ppm以下であるのが更により好ましく、350質量ppm以下であるのが最も好ましい。
ここでいう「充分に酸化した」とは、ISO12205の酸化安定性試験において、試験温度を95℃から115℃に変更し、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給する酸化試験を実施したことを指す。酸化試験終了後は、高温での保持時間による酸化が進行することを防止するために氷にて急冷する。
さらに、本発明の燃料組成物における芳香族化合物(特に二環以上の芳香族化合物)は5容量%以下、好ましくは3容量%以下、特には2容量%以下、更に好ましくは1容量%以下であることが好ましい。芳香族化合物の含有量が多くなることにより燃焼性が悪化し、排ガス中のNOx、粒子状物質の生成が増加する可能性があるため環境負荷低減の観点から好ましくない。
特に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤に代表される常温において固体である添加剤を添加しないのが好ましい。これは、前述したように、BHT等の常温において固体である添加剤を用いると、ディーゼルエンジンの燃料供給ラインに設置されている異物除去用フィルタを目詰まりさせる可能性があるためである。
本発明の燃料組成物は、硫黄分はディーゼルエンジンの燃費或いは排ガス浄化の観点から10質量ppm以下であることが好ましい。硫黄分は5質量ppm以下であることがより好ましく、1質量ppm以下であることが特に好ましい。硫黄分の除去は水素化脱硫、アルカリ洗浄、溶剤脱硫、ガス化脱硫等の公知の脱硫方法を使用すればよい。
従って、本発明の一実施形態では、硫黄分が10質量ppm以下となるまで充分に脱硫した燃料組成物に対して本発明に係る添加剤を添加する。
また、本発明中の燃料用添加剤又は燃料組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、通常の液体炭化水素のほかに炭素数5以上の脂肪酸エステル、高級アルコールを含有することもできる。また、所望により流動性向上剤、潤滑性向上剤を含有しても良い。その種類、添加量に関して特に制限は無いが、効果及び経済性のバランスなどの面から通常1〜3000質量ppmの範囲であることが好ましい。
なお、本発明に用いる物性測定方法及び評価方法は、次に示した方法で測定されるものである。
1)密度:JIS K2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法により、15℃で測定した。
2)蒸留性状:JIS K2254「蒸留試験方法」に規定された方法。
3)動粘度:JIS K2283「動粘度試験方法」に規定された方法により、30℃で測定した。
4)硫黄分:JIS K2541−6「硫黄分試験方法(紫外蛍光法)」に規定された方法。
5)窒素分:JIS K2609「窒素分試験方法(化学発光法)」に規定された方法。
6)セタン指数:JIS K2280「セタン指数算出方法」に規定された方法により算出した。
7)過酸化物価:JPI−5S−46−96「灯油の過酸化物価試験方法」に規定された方法。
8)芳香族分:JPI−5S−49−97「石油製品―炭化水素タイプ試験方法―高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法
9)全酸価:JIS K2501「石油製品及び潤滑油―中和価試験方法」に規定された方法。
10)酸化試験:ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を95℃から115℃に変更し、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給した後、試料を氷で冷却して室温に戻す方法。
11)13C−NMR:溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を使用し、標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を使用して測定を行った。
測定装置:日本電子製GSX270型核磁気共鳴装置。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1、2、3)
市販軽油1(MOSSGAS製GTL軽油)に常温で液体のビシクロヘキシル(試薬:ACROS ORGANICS社製)を5000質量ppm(実施例1)、10000質量ppm(実施例2)、1000質量ppm(実施例3)、添加した軽油をそれぞれ調製した。これらの軽油について前記酸化試験方法にて酸化試験を実施し、試験前後での全酸価、過酸化物価を測定した。市販軽油1の性状を表1に、各実施例の試験結果を表2に示す。
また、実施例1の13C−NMRスペクトルを図1に示したが、酸化試験の前後でビシクロヘキシルの3級炭化水素に基づく約δ44ppmのピークが変化していないことからも、酸化前後でビシクロヘキシルは安定に存在していることがわかる。
(実施例4)
市販軽油2(市販通常品)を使用した以外は実施例2と同様の条件で試験を行った。
(比較例1)
ビシクロヘキシルをデカヒドロナフタレン(試薬:東京化成工業製)にした以外は実施例2と同様の条件で試験を行った。
(比較例2)
ビシクロヘキシルをシクロヘキシルベンゼン(試薬:ACROS ORGANICS製)にした以外は実施例2と同様の条件で試験を行った。
(比較例3)
実施例2のビシクロヘキシルをビフェニル(試薬:ACROS ORGANICS製)にした以外は実施例2と同様の条件で試験を行った。
(比較例4)
実施例1のビシクロヘキシルをジベンゾチオフェン(試薬:ACROS ORGANICS製)にし、硫黄分換算で1000質量ppmとなるように添加して軽油を調整した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。
(比較例5、6)
市販軽油1に何も添加せず(比較例5)、また、市販軽油2に何も添加せず(比較例6)に、実施例1と同様の条件で試験を行った。各比較例の結果を表2に示す。酸化試験前の比較例5の13C−NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0005048982
Figure 0005048982
(A)ビシクロヘキシル、(B)市販軽油(比較例5)(酸化試験前)、(C)実施例1(酸化試験前)、(D)実施例1(酸化試験後)の13C−NMRスペクトル(CDCl3,270MHz)

Claims (8)

  1. シクロアルカン環同士の直接結合に関与しない炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子が1個又は2個以上のアルキル基で随意に置換されたビシクロヘキシルを含有する燃料用酸化防止剤
  2. 非置換ビシクロヘキシルを含有する請求項1に記載の燃料用酸化防止剤
  3. シクロアルカン環同士の直接結合に関与しない炭素原子上にある1個又は2個以上の水素原子が1個又は2個以上のアルキル基で随意に置換されたビシクロヘキシルが5000容量ppm以上含有するように、請求項1又は2に記載の酸化防止剤が添加された燃料組成物。
  4. 鎖状パラフィンを15容量%以上含有する請求項に記載の燃料組成物。
  5. ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を115℃とし、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給して試料を酸化した後の全酸価と酸化前の全酸価の差が0.6mgKOH/g以下である前記請求項又はに記載の燃料組成物。
  6. ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を115℃とし、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給して試料を酸化した後の過酸化物価と酸化前の過酸化物価の差が600質量ppm以下である請求項の何れか一項に記載の燃料組成物。
  7. フェノール系の酸化防止剤が添加されていない請求項の何れか一項に記載の燃料組成物。
  8. 硫黄分が10質量ppm以下である請求項の何れか一項に記載の燃料組成物。
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