JP2009167257A - 軽油組成物 - Google Patents

軽油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2009167257A
JP2009167257A JP2008004920A JP2008004920A JP2009167257A JP 2009167257 A JP2009167257 A JP 2009167257A JP 2008004920 A JP2008004920 A JP 2008004920A JP 2008004920 A JP2008004920 A JP 2008004920A JP 2009167257 A JP2009167257 A JP 2009167257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrocarbon compound
less
oil composition
volume
light oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008004920A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Tanaka
英治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP2008004920A priority Critical patent/JP2009167257A/ja
Publication of JP2009167257A publication Critical patent/JP2009167257A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】軽油の酸化安定性に顕著に影響を及ぼす物質を突き止め、その物質の含有量を特定範囲に制御した低硫黄軽油組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】硫黄分が5質量ppm以下で、全芳香族化合物の含有量が15質量%以下で、ガスクロマトグラフィー分析におけるZ数が−8の炭化水素化合物の割合が15.0体積%以下で、且つZ数が−10の炭化水素化合物の割合が0.3体積%以上で、次式で示されるAが10以下である軽油組成物である。
A=3×(Z数が−8の炭化水素化合物の割合,体積%)−39×(Z数が−10の炭化水素化合物の割合,体積%)
【選択図】なし

Description

本発明は、軽油組成物に関し、特には硫黄含有量が極めて低く、酸化安定性に優れた軽油組成物に関する。
ディーゼルエンジン用燃料等として使用される軽油は、酸化すると変色、沈澱性の重合物(スラッジ)の生成、粘度上昇等が認められ、また、酸化によって生じた過酸化物(ペルオキシド)は燃料系統の部材(ゴムや金属等)を劣化させることが知られている。そのため、酸化安定性は軽油の品質安定性を評価する上で重要な指標の一つとなっており、高い酸化安定性を有する軽油が望まれる。近年では、ディーゼルエンジンは排気ガス規制強化により、コモンレールによる燃料噴射の高圧化が一段と進むことで軽油への熱負荷が増大し、従来以上に軽油の酸化安定性を高めることが求められている。
また、排気ガス浄化触媒の被毒防止から硫黄分が殆どない、いわゆるサルファーフリーの燃料油が2005年1月から市場に投入されている。また、燃費規制や二酸化炭素排出量低減、排ガス中の有毒物質低減を背景に、軽油の硫黄分を10質量ppmよりもさらに低減することが要求されている。硫黄分を除去するためには、高温高圧にした軽油に水素を吹き込んで固体触媒に接触させ、水素化分解反応によって硫黄分を硫化水素として除去する水素化脱硫処理が一般に行われる。しかしながら、硫黄分を高度に除去する過程において高温で熱負荷を受けることにより、軽油中に不安定な物質が生成し易く、酸化安定性が悪化する場合が多い。
そこで、軽油の硫黄分を除去する反応において温度を下げて、酸素に対して不安定な炭化水素構造をもつ物質の生成を抑えることが考えられるが、反応温度の低下により水素化脱硫の触媒活性が低下してくると硫黄分除去が困難になり、また一般に原料油に用いられる接触分解軽油や熱分解軽油等に多く含まれるインドール類のような含窒素化合物が水素化脱硫後も製品に残留し易くなり、やはり酸化安定性を悪化させる。
そこで、軽油の酸化安定性を向上させるために、古くからアミン系及びフェノール系の種々の酸化防止剤等を軽油に添加することが行われている。硫黄分を10質量ppm以下に低減した軽油に酸化防止剤を添加した例としては、特開2004−225000号公報(特許文献1)が挙げられ、該公報には、アミン系酸化防止剤としてN,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等の使用が、フェノール系酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の使用が可能であることが記載されている。
しかしながら、特にディーゼルエンジンの高圧噴射化に伴う軽油への熱負荷増大により、軽油に対する酸化安定性の要求レベルが上がり、これに伴い酸化安定性評価の試験温度も高くなっている。所望の効果を得るために必要な酸化防止剤の量は、酸化安定性の悪い軽油組成物ほど多くなり、製造コストを引き上げることとなる。更に、酸化防止剤の量が多くなるにつれて、温度低下により酸化防止剤が析出し易くなる。逆に、添加剤の添加量が少ないと酸化時に添加剤の酸化防止効果が消耗された後は、軽油の酸化安定性が顕著に悪化してエンジン清浄性や金属材料を腐食させる等の悪影響を及ぼす。
そのため、酸化防止用添加剤を添加しないで軽油の酸化安定性を維持することが提案されている(特許文献2)。具体的には、酸化安定性の悪い物質としてフルオレン類とナフテンベンゼン類に着目し、これらの含有量と酸化安定性が良好な物質であるナフタレン類含有量とのバランスをとって特定の範囲とし、酸化安定性を確保している。
特開2004−225000号公報 特開2006−137922号公報
しかしながら、本発明者らの研究によれば、特許文献2に記載の発明の通りにフルオレン類、ナフテンベンゼン類及びナフタレン類の含有量を特定範囲にした場合でも、充分な酸化安定性を示さない場合があることが判明し、上記成分以外にも顕著に酸化安定性に影響を与える成分の存在が予想された。
そこで、本発明は、軽油の酸化安定性に顕著に影響を及ぼすその他の物質を突き止め、その物質の含有量を特定範囲に制御した低硫黄軽油組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、炭化水素は、化学構造により抗酸化性の強いグループと弱いグループに分けられ、これらの含有量によって軽油組成物の酸化安定性が顕著に影響されることを見出した。更に、本発明者らは、抗酸化性の弱いグループにおいて、炭素数が多い成分の含有量を特定範囲内に制限することにより、酸化安定性の悪化をより効果的に抑制できることを見出した。
即ち、本発明は一側面において、
硫黄分が5質量ppm以下で、全芳香族化合物の含有量が15質量%以下で、
ガスクロマトグラフィー分析におけるZ数が−8の炭化水素化合物の割合が15.0体積%以下で、且つZ数が−10の炭化水素化合物の割合が0.3体積%以上で、
次式で示されるAが10以下である軽油組成物である。
A=3×(Z数が−8の炭化水素化合物の割合,体積%)−39×(Z数が−10の炭化水素化合物の割合,体積%)
ここで、Z数とは、炭化水素化合物の構造式において水素の個数を炭素の個数nを2倍にした数値に加算する数値であり、その構造式はCn2n+Zで表される。なお、本発明において、Z数は、通常用いられる−12以降を+2から繰り返してあてはめるのではなく、+2、0、−2、−4、−6、−8、−10、−12、−14、−16、−18、−20、・・・の様に、炭素数が増加するに従い2個ずつ減少する整数値をあてはめたものである。
また、本発明は別の一側面において、ガスクロマトグラフィー分析におけるZ数が−8で且つ炭素数が20以上である炭化水素化合物の割合が4.0体積%以下の軽油組成物である。
本発明の軽油組成物によれば、従来検討されていなかった軽油中の酸化安定性阻害物質が制御されているため、軽油の酸化安定性を向上させることができる。より具体的な効果としては、貯蔵時やディーゼルエンジンで高圧噴射されることで受ける熱負荷による酸化重合物を低減する効果を奏し、さらにこの結果、これらの改善に用いていた酸化防止剤を減量、更には排除することができるので、製造コストを低減できることにもつながる。
<硫黄分>
本発明による軽油組成物は、硫黄分が5質量ppm以下である。硫黄分が5質量ppm以下であるので、燃焼によって生ずる亜硫酸ガス等に基づく悪臭や環境負荷が低減される。なお、硫黄分は、環境負荷低減の観点から好ましくは2質量ppm以下、さらに好ましくは1質量ppm以下である。
<Z数が−8の炭化水素化合物>
Z数が−8の炭化水素化合物は、抗酸化性が弱いため、そのガスクロマトグラフィー分析における割合は15.0体積%以下、好ましくは10.0体積%以下、さらに好ましくは8.0体積%以下、特には6.0体積%以下である。Z数が−8の炭化水素化合物の割合が15.0体積%を超えると、軽油組成物の酸化安定性が低下する。Z数が−8の炭化水素化合物の具体例としては、テトラヒドロナフタレン、トリメチルテトラヒドロナフタレン、デヒドロアロマデンドレン、9,10−デヒドロイソロンギホレン、テトラキス(1−メチルエチリデン)シクロブタン、トリメチル−(1−メチルエチル)−1,3,6,10−シクロテトラデカテトラエンが挙げられる。
<Z数が−10の炭化水素化合物>
Z数が−10の炭化水素化合物は、抗酸化性が強いため、そのガスクロマトグラフィー分析における割合は0.3体積%以上、好ましくは0.5体積%以上、さらに好ましくは0.7体積%以上、特には0.9%体積以上である。Z数が−10の炭化水素化合物の割合が0.3体積%以上であれば、軽油組成物の酸化安定性を向上させることができる。Z数が−10の炭化水素化合物の具体例としては、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフェナントレン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1−メチルアントラセン、8,9−ジヒドロ−9−ビニルシクロイソロンギホレンが挙げられる。
<A>
本発明者らは、種々の実験結果に基づいて、軽油組成物のZ数と酸化処理後の軽油組成物の過酸化物価との関係は、概ね次式で算出されるAによって表すことができ、これにより軽油組成物の酸化安定性をより定量的に評価できることを見出した。
A=3×(Z数が−8の炭化水素化合物の割合,体積%)−39×(Z数が−10の炭化水素化合物の割合,体積%)
硫黄分を5質量ppm以下まで脱硫した、抗酸化性が強い本発明の軽油組成物は、算出値Aが10以下、好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下、特には0以下である。Aが10以下の軽油組成物は、酸化安定性に優れる。
<全芳香族化合物>
芳香族化合物は、他成分に比べて抗酸化性が強いが、軽油組成物の硫黄分を5質量ppm以下にするために、高圧下で水素化脱硫すると、芳香族化合物のベンゼン環が水素化され易くなる。また、芳香族化合物の含有量が多すぎると、ディーゼルエンジンで燃焼したときに煤の排出量が増加することから、本発明の軽油組成物は、全芳香族化合物の含有量が15質量%以下、好ましくは13質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下、特には11質量%以下である。また、芳香族化合物の含有量が少なすぎると軽油組成物の抗酸化性が低下するため、本発明の軽油組成物は、全芳香族化合物の含有量が好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特には5質量%以上である。
<Z数が−8で且つ炭素数が20以上の炭化水素化合物>
Z数が−8で且つ炭素数が20以上の炭化水素化合物は、特に抗酸化性が弱いため、そのガスクロマトグラフィー分析における割合は、好ましくは4.0体積%以下、さらに好ましくは2.0体積%以下、より一層好ましくは1.0体積%以下、特には含まないことである。Z数が−8で且つ炭素数が20以上の炭化水素化合物の割合が4.0体積%以下であれば、軽油組成物の酸化安定性を大幅に向上させることができる。Z数が−8で且つ炭素数が20以上の炭化水素化合物の具体例としては、3,7,11−トリメチル−14−(1−メチルエチル)−1,3,6,10−シクロテトラデカテトラエン、イソカウレンが挙げられる。
前記各成分については、後述するガスクロマトグラフィーによりその割合を測定することができる。
本発明に係る軽油組成物に対しては、当業者に知られた任意の酸化防止剤を必要に応じて添加してもよい。酸化防止剤を添加する場合の添加量は、当業者であれば目的とする酸化安定性に応じて適宜調整することができるが、例えば、算出値Aが10を超える場合は、酸化安定性を維持する為に酸化防止剤を添加することも有効であり、例えばその添加量は1〜10質量ppmであり、10質量ppm以上としてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系の化合物の中で特に制限なく使用できるが、例えば2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤や、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤、及びこれらの混合物が挙げられる。フェノール系及びアミン系の化合物以外にも酸化防止効果を有する物質が考えられるが、区別を明確にするために、本発明においてはフェノール系及びアミン系の化合物のみを酸化防止剤として取り扱い、酸化防止効果を有するその他の化合物を添加する場合は軽油基材として取り扱う。
また、その他、低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタン価向上剤等の公知の燃料添加剤を添加しても良い。低温流動性向上剤としてはエチレン共重合体などを用いることが出来るが、特には酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエステルが好ましく用いられる。耐摩耗性向上剤としては、例えば長鎖脂肪酸(炭素数12〜24)又はその脂肪酸エステルが好ましく用いられ、10〜500質量ppm、好ましくは50〜100質量ppmの添加量で十分に耐摩耗性が向上する。
本発明の軽油組成物は、原料油として、例えば、常圧蒸留装置、接触分解装置、熱分解装置等から得られる軽油留分、すなわち沸点が140〜400℃の範囲で留出する留分を用いて、水素化脱硫することにより得られるが、抗酸化性の強いZ数−10に属する多環芳香族を多くするためには、後留分の沸点を高めて水素化脱硫することが好ましい。また、抗酸化性の弱いZ数−8に属する炭化水素化合物の含有量を少なくするためには、Z数−8に多く属する沸点が250℃未満の留分を蒸留分離し、低温流動性を維持するために必要に応じて抗酸化性の強い灯油留分や炭素数14以下のノルマルパラフィンを添加することが好ましい。また、抗酸化性の弱いZ数−8に属する化合物の生成を抑えるために、水素分圧を低くしたり、水素/オイル比を低くしたりすることも有効である。なお、水素分圧を低くしたり、水素/オイル比を低くしたりすることにより硫黄分が除去し難くなるため、水素化脱硫にあたっては硫黄分を選択的に除去する触媒を用いることが好ましい。また、硫黄分の少ない基材を原料油に混合することや、硫黄分の少ない基材を、軽油の水素化脱硫後に混合することも有効である。後者の基材としては、接触改質装置から留出する炭素数11以上の成分が挙げられる。
上記水素化脱硫は、水素化脱硫触媒として、Co、Mo及びNiの1種以上を含有し、又所望によりPを担持したものを用い、反応温度270〜380℃、好ましくは295〜360℃、反応圧力2.5〜8.5MPa、好ましくは2.7〜7.0MPa、LHSV0.9〜6.0h-1、好ましくは0.9〜5.4h-1、水素/オイル比130〜300(±5程度の変動は許容される)Nm3/kLの条件の範囲で適宜選択して、上述した本発明の軽油組成物が得られるようにする。特には、LHSV、水素分圧、水素/オイル比は小さい方が良いが、あまり小さいと硫黄分の除去が困難になるため、許容上限を超えない様にする。また反応温度は触媒の活性を高めるために、高めにすることが好ましい。
なお、上記方法で得られた軽油組成物には、低温流動性を改善するために酸化安定性が良好な灯油組成物や、縮合多環芳香族を多く含有する接触改質装置からの留出油である炭素数11以上の成分を適宜の割合で混合することができる。
以下に、本発明の軽油組成物について具体的に実施例により説明する。なお、本発明は、以下の実施例に従って実施できるが、該実施例に限定されるものではない。
本発明に用いる物性測定方法及び評価方法は、次に示した方法で測定されるものである。
1)密度:JIS K2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法
2)蒸留性状:JIS K2254「蒸留試験方法」に規定された方法
3)硫黄分:JIS K2541−6「硫黄分試験方法(紫外蛍光法)」に規定された方法
4)全芳香族化合物:JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法
5)色相:石油製品−色試験方法のセーボルト色試験方法(JIS K2580−5)及びASTM色試験方法(JIS K2580−6)に規定された方法
6)過酸化物価:JPI−5S−46−96「灯油の過酸化物価試験方法」に規定された方法。
7)Z数:下記の分析により求めた炭化水素化合物を、水素の個数を炭素の個数nの2倍にした数値に加算する数値として算出する。Z数は+2、0、−2、−4、−6、−8、−10、−12、−14、−16、−18、−20の様に、通常用いられる−12以降を+2から繰り返してあてはめるのではなく、炭素数が増加するに従い2個ずつ減少する整数値をあてはめる。
炭化水素化合物は、2つの極性が異なるガスクロカラムを、モジュレータを介して直列に接続したガスクロマトグラフィーを用いて測定した。質量分析計、FID検出器とも同定したピーク全体の体積を100%にして、各ピークの体積%を算出した。詳細条件は次の通りである。
・GCシステム: 一次カラムへの通油後にモジュレータにより物質移動制御を行い、続けて二次カラムを通油させて極性の違い等により分離を行う。本分析装置システム構成としては、Agilent Technologies社製HP-6890N型FID検出器付きGC、日本電子社製AccuTOF JMS-T100GC飛行時間型質量分析計からなる。
・1次カラム: 無極性または微極性カラム(例えば、Supelco社製PTE-5, 長さ30m, 内径0.25mm, フィルム厚0.25μm)
・モジュレータ中空カラム: 長さ2m, 内径0.1mm
・2次カラム: 高極性カラム(例えば、Supelco社製SpelcoWAX10, 長さ2m, 内径0.25mm, フィルム厚0.25μm)
・昇温条件: 50℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で280℃まで昇温し、280℃で27分間保持
・注入口温度: 280℃
・注入量: 1.0μl
・スプリット比: 100:1
・キャリアガス: He, 1.0ml/分
・モジュレータ温度: 下記のコールド温度、ホット温度を繰り返す。
ホットジェットガス温度: 150℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で320℃まで昇温し、320℃で33分間保持
コールドジェットガス温度: 約−140℃
・モジュレータ頻度: 6秒間で0.3秒間ホット温度、その後5.7秒間コールド温度
・インターフェイス中空カラム: 長さ0.5m, 内径0.25mm
・FIDガス条件:水素(45mL/分)、空気(450mL/分)、メークアップ ヘリウム(25mL/分、一定)
<軽油組成物の調製>
・供試軽油1:常圧蒸留装置から留出した沸点範囲140〜400℃の留分を、Co、Mo、Pを担持した市販触媒を用い、反応温度350℃、反応圧力7.2MPa、水素/オイル比300±5Nm3/kL、LHSV1.0h-1、水素純度94%の条件下で水素化精製して得た。
・供試軽油2:供試軽油1を下記表1の通り、初留点から10%、10〜30%、30〜50%、50〜70%、70〜90%、釜残油に分画蒸留した。還流比は、抜き出し2に対して還流5の条件で行った。初留点から10%の留分を除いた他留分を、それぞれの収率に比例して混合し、供試軽油2を得た。
・供試軽油3:表1の初留点から10%、10〜30%の留分を除いた他留分をそれぞれの収率に比例して混合し、さらに炭素数10、11、12及び13のノルマルパラフィン(関東化学(株)製純度99%品)を等量比で混合したものを前記混合物70容量部に対して30容量部混合して、供試軽油3を得た。
Figure 2009167257
上記で調製した各供試軽油1〜3の性状を表2に示した。これらを用いて、各試料を150ml採取し、酸素で7kgf/cm2に加圧後、100℃で16時間加熱処理した。また、その加熱前後の色相変化と過酸化物価変化を測定した。その結果を表2に併せて示した。
Figure 2009167257
表2から、比較例1に比べて硫黄分が低い比較例2は、Z数が−8の炭化水素化合物の割合が大きく、Aも大きいことから、酸化処理後の過酸化物価が大きく、酸化安定性が悪いことが分かる。一方、実施例1や実施例2は、Z数が−8の炭化水素化合物の割合が小さく、Aも小さいことから、酸化処理後の過酸化物価が小さく、酸化安定性に優れることが分かる。

Claims (2)

  1. 硫黄分が5質量ppm以下で、全芳香族化合物の含有量が15質量%以下で、
    ガスクロマトグラフィー分析におけるZ数が−8の炭化水素化合物の割合が15.0体積%以下で、且つZ数が−10の炭化水素化合物の割合が0.3体積%以上で、
    次式で示されるAが10以下である軽油組成物。
    A=3×(Z数が−8の炭化水素化合物の割合,体積%)−39×(Z数が−10の炭化水素化合物の割合,体積%)
  2. ガスクロマトグラフィー分析におけるZ数が−8で且つ炭素数が20以上である炭化水素化合物の割合が4.0体積%以下である請求項1記載の軽油組成物。
JP2008004920A 2008-01-11 2008-01-11 軽油組成物 Pending JP2009167257A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008004920A JP2009167257A (ja) 2008-01-11 2008-01-11 軽油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008004920A JP2009167257A (ja) 2008-01-11 2008-01-11 軽油組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009167257A true JP2009167257A (ja) 2009-07-30

Family

ID=40968828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008004920A Pending JP2009167257A (ja) 2008-01-11 2008-01-11 軽油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009167257A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007023A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物
JP2012197355A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
JP2012197353A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
JP2012197354A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
WO2012161018A1 (ja) * 2011-05-26 2012-11-29 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 軽油組成物およびその製造方法
US9862897B2 (en) 2013-02-21 2018-01-09 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Method for producing monocyclic aromatic hydrocarbon
US10087376B2 (en) 2010-01-20 2018-10-02 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Method for producing monocyclic aromatic hydrocarbons

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10087376B2 (en) 2010-01-20 2018-10-02 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Method for producing monocyclic aromatic hydrocarbons
JP2012007023A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物
JP2012197355A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
JP2012197353A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
JP2012197354A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 軽油組成物及びその製造方法
WO2012161018A1 (ja) * 2011-05-26 2012-11-29 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 軽油組成物およびその製造方法
CN103562358A (zh) * 2011-05-26 2014-02-05 吉坤日矿日石能源株式会社 瓦斯油组合物及其制备方法
CN103562358B (zh) * 2011-05-26 2015-07-08 吉坤日矿日石能源株式会社 瓦斯油组合物及其制备方法
US9200217B2 (en) 2011-05-26 2015-12-01 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Gas oil composition and method for producing same
US9862897B2 (en) 2013-02-21 2018-01-09 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Method for producing monocyclic aromatic hydrocarbon

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5054487B2 (ja) 軽油組成物
JP4482470B2 (ja) 軽油組成物の製造方法
JP2009167257A (ja) 軽油組成物
JP5520101B2 (ja) 軽油組成物
JP2008214369A (ja) ディーゼルエンジン用燃料組成物
JP4482469B2 (ja) 軽油組成物の製造方法
JP5730006B2 (ja) 軽油組成物
JP5348821B2 (ja) 灯油組成物
JP2006348186A (ja) 灯油
JP2006137920A (ja) 軽油組成物
JP6609749B2 (ja) 軽油組成物の製造方法
JP5684184B2 (ja) 軽油組成物
JP5684181B2 (ja) 軽油組成物
JP5352057B2 (ja) 燃料油基材の製造方法
JP2006137919A (ja) 軽油組成物
JP5068976B2 (ja) 燃料用添加剤及び該添加剤を含む燃料組成物
JP5684183B2 (ja) 軽油組成物
JP5684182B2 (ja) 軽油組成物
JP5436041B2 (ja) 軽油組成物
JP5684180B2 (ja) 軽油組成物
JP6059573B2 (ja) 脱硫した減圧軽油基材の製造方法及びその基材を配合した軽油組成物
JP5684179B2 (ja) 軽油組成物
JP5436079B2 (ja) 軽油組成物
JP5436078B2 (ja) 軽油組成物
JP5519993B2 (ja) 石油燃焼機器用燃料組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130318

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130326

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20130524