JP5048897B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内外装等に適用可能な化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の内外装等に適用可能な化粧シートにおいて、その表面に様々な意匠性を付与する方法が提案されている。このうち、コンクリート打放し調の意匠性を有する化粧シートが、例えば、特開平8−291615号公報、登録実用新案第3026319号公報等において提案されている。これら公報に記載された化粧シートは、打放し調の意匠性を表出するために、いずれもコンクリート色にある可撓性モルタル、あるいは骨材着色による仕上塗材を化粧部に用いたものである。
【0003】
しかしながら、可撓性モルタルや、骨材着色を含有する仕上塗材は、比重が大きく、意匠性を付与するためにある程度の厚みも必要となるため、これらの材料を用いた化粧シートは、必然的にその重量が大きくなってしまう。化粧シートの重量が大きくなると、建築物に対し化粧シートを施工する際の取扱いが不便となり、作業に手間がかかりやすくなる。また、重量が大きくなる分、脱落の危険性も高まる。このような脱落を防止するため、化粧シートが支持可能な特別な方法が要求される場合もある。また、化粧シートが施工できる対象面は、シートによる荷重に十分に耐え得る基材に限定されてしまう。
さらに、可撓性モルタルや、骨材着色を含有する仕上塗材を用いた化粧シートでは、コンクリート打放し調の意匠性を表出するために、異なる色の複数の材料が必要となったり、製造過程において多くの工程が必要となる等、シートの製造が繁雑になるという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、可撓性モルタルや、骨材着色を含有する仕上塗材のような比重の大きな材料を用いることなく、容易に製造することができ、比較的軽量で、コンクリート打放し調の意匠性を表出することができる化粧シートを得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、化粧層を特定の塗料組成物によって形成させることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は下記の特徴を有するものである。
1.基材層及び化粧層を有するコンクリート打放し調の化粧シートであって、該化粧層が、半透明水系分散媒に単色または複数色の着色粒子が分散した塗料組成物により形成されたものであり、
半透明水系分散媒が、粒子径1μm以下の白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」4.8隠ぺい率において0.05〜0.90となる被膜を形成するものであり、
着色粒子は、結合材、顔料、溶媒を主成分とする着色塗料が粒子状に分散されたものであり、
着色粒子における顔料として白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、
かつ半透明水系分散媒と着色粒子が同色でない形態であることを特徴とする化粧シート。
2.基材層、下地層、及び化粧層を有するコンクリート打放し調の化粧シートであって、該化粧層が、半透明水系分散媒に単色または複数色の着色粒子が分散した塗料組成物により形成されたものであり、
半透明水系分散媒が、粒子径1μm以下の白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」4.8隠ぺい率において0.05〜0.90となる被膜を形成するものであり、
着色粒子は、結合材、顔料、溶媒を主成分とする着色塗料が粒子状に分散されたものであり、
着色粒子における顔料として白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、
かつ半透明水系分散媒と着色粒子が同色でない形態であることを特徴とする化粧シート。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0008】
本発明における化粧層は、半透明水系分散媒に単色または複数色の着色粒子が分散した塗料組成物により形成されるものである。
【0009】
着色粒子としては、結合材、顔料、溶媒を主成分とする着色塗料が粒子状に分散されたものが好適である。着色粒子には、さらに必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、造膜助剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の一般に塗料に使用する添加剤を適宜配合することもできる。
【0010】
着色粒子に使用する結合材としては、顔料および溶媒と混合して着色粒子を形成できるものであれば溶剤系、水系に特に限定されるものではなく、通常塗料に使用する公知の水溶性樹脂、合成樹脂エマルション、溶剤可溶型樹脂、溶剤分散型樹脂等が使用できる。樹脂の種類としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等があげられる。このような結合材は、架橋剤や硬化触媒によって反応可能な官能基を含有するものであってもよい。
【0011】
着色粒子における溶媒としては、水または溶剤のいずれであってもよく、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブソルベント、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ等のエーテルアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;石油ベンゼン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、ミネラルスピリット、ターペン、ケロシン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ジクロルエタン、トリクレン、パークレン等の塩素化炭化水素類等が使用可能である。
【0012】
水系分散媒としては、前述の着色塗料を粒子状に分散可能なものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも乾燥後に着色粒子を被覆して、被膜を形成可能なものでなければならない。このような点から水系分散媒は、合成樹脂エマルション及び/又は水溶性樹脂を含有することが望ましい。
【0013】
合成樹脂エマルションとしては、例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、アクリル系樹脂エマルション、エポキシ系樹脂エマルション、ウレタン系樹脂エマルション、アクリルシリコン系樹脂エマルション、シリコーン系樹脂エマルション、フッ素系樹脂エマルション等があげられる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアルキレンオキサイド、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸もしくはその誘導体、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、アルブメン等、あるいはこれらを酸化、メチル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、硫酸化、リン酸化、カチオン化等によって化学変性したもの等があげられる。
【0014】
水系分散媒には、さらに分散粒子の凝集を防止するために、分散安定剤を適宜配合することができる。また、増粘剤、レベリング剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、造膜助剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を配合することもできる。
【0015】
本発明における水系分散媒は半透明であることが必要であり、これにより連続的かつ微妙な色相変化を表出することができる。具体的に、水系分散媒は、JIS K 5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」4.8隠ぺい率において0.05〜0.90、好ましくは0.10〜0.60となる被膜を形成するものであることが望ましい。このため、水系分散媒中には顔料が配合されるが、その配合量は、水系分散媒によって形成される被膜が上記隠ぺい率の範囲となるように適宜決定される。顔料としては、特にその粒子径が1μm以下のものが好適であり、このような顔料を使用すれば、より深みのある色相を表出することが可能となる。
水系分散媒の隠ぺい率が0.05より小さい場合には、分散媒色相と着色粒子色相との複合効果が得られず、着色粒子の斑点模様のみが形成されてしまい、0.90より大きい場合には、着色粒子の色相が不明瞭となり、分散媒色相による単一色の被膜が形成されてしまう。いずれの場合も連続的かつ微妙な色相変化を表出することができない。
【0016】
水系分散媒及び着色粒子に使用する顔料は、特に限定されず、白色顔料、黒色顔料、赤・橙色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫顔料等を使用することができる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、カオリン等を使用することができる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック等を使用することができる。この他、例えば、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド等の赤・橙色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー等の黄色顔料;クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン等の緑色顔料;群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー等の青色顔料;キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料等があげられる。また、一般的に塗料に配合する体質顔料、着色骨材等を使用することもできる。
【0017】
化粧層を形成する塗料組成物では、コンクリート基材の色調を考慮すると、白色顔料及び黒色顔料を含むことが望ましい。これらの顔料を配合する際には、例えば、水系分散媒に白色顔料及び/または黒色顔料、着色粒子に白色顔料及び/または黒色顔料が含まれ、かつ、水系分散媒と着色粒子が同色でない形態が可能である。このような形態や顔料の配合量は、所望の色相に応じ、適宜選択、調整すればよい。
【0018】
前述の着色塗料を水系分散媒に分散する際は、例えば、攪拌槽内で水系分散媒をインペラー等の混合分散装置にて攪拌しながら、予め製造しておいた着色塗料を徐々に加える方法にて行うことができる。この際に、攪拌槽の大きさやインペラーの形状および大きさ、周速を適宜調整して、着色粒子の粒子径が0.01〜10.0mmとなるようにすることが好適である。粒子径が0.01mmより小さい場合には、形成される被膜の連続かつ微妙に変化する打放し感があまり表現されず、逆に着色粒子径が10.0mmより大きいと、粒の模様が明瞭になりすぎる傾向となる。また、水性分散媒と着色塗料の混合比は、(水系分散媒/着色塗料)の重量比が1/0.5〜1/2であることが望ましい。
【0019】
着色粒子中の結合材が、架橋剤や硬化触媒によって反応可能な官能基を含有するものである場合は、水系分散媒にエナメル組成物を分散させる際、もしくは分散させた後に、架橋剤ないしは硬化触媒を配合することができる。このような架橋剤としては、各官能基に対して反応可能な公知の架橋剤や硬化触媒を配合すれば良い。例えば、水酸基の場合には各種イソシアネート類やこの多量体のポリイソシアネート化合物、各種金属塩類、もしくはその乳化物等、カルボキシル基の場合はエポキシ化合物、金属塩等、グリシジル基の場合にはアミン類等があげられる。また、アルコキシシリル基の場合には、自己架橋するため、錫系、アミン系、リン酸系等の硬化触媒を配合することができる。
【0020】
以上のような化粧層用の塗料組成物は、一般に多彩模様塗料と呼ばれる塗料とは異なるものである。即ち、一般に用いられる多彩模様塗料は、2色以上の液状またはゲル状の粒が潰れて模様を形成し、各色粒間の色相の違いによって明瞭なコントラストを表出するものであるのに対し、本発明に用いる塗料組成物は、このような各色粒の色相が単色でも複数色でもよく、また複数色であっても色相の違いがあまり明瞭ではなく、色相が連続的かつ微妙に変化する意匠性を表出できるため、コンクリート基材の打ち放し感を容易に表出することができるものである。これは、本発明に用いる塗料組成物の水系分散媒が、半透明であることに起因しており、各着色粒子と該水系分散媒との複合化によってはじめて達せられるものである。
【0021】
本発明では、上述のような塗料組成物によって形成される化粧層を、基材層に直接塗装することもできるし、あるいは基材層に下地層を介して塗装することもできる。この際の塗付量は、通常0.2〜0.8kg/m2程度である。塗装においては、1回塗装を行うことにより目的の層を形成できるが、同一塗料を複数回塗装しても何ら差し支えない。また、化粧層の塗装は、スプレー塗装、ローラー塗装等公知の方法により実施することができる。乾燥は常温で行うことができるが、加熱することも可能である。
【0022】
基材層は、本発明化粧シートにおいて支持体となるものである。
基材層に使用することができる材料は、硬質のものでもよいし、軟質のものでもよい。このうち、軟質の材料を使用すれば、建築物に化粧シートを施工する際、様々な表面形状の面に適用することが可能となる。
基材層の厚みは、特に限定されるものではないが、厚みが大きくなればシートの重量も大きくなるため、厚みはできるだけ小さくしておくことが望ましい。
【0023】
具体的に、基材層に使用することができる材料としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、紙、合成紙、セラミックペーパー、不織布、織布、金属板、合成樹脂板、石膏ボード、珪酸カルシウム板、セメント系板、硬質フォーム板、ガラスクロス、メッシュ等、あるいは、JIS A6909「建築用仕上塗材」に規定されている薄付け仕上塗材や厚付け仕上塗材等を乾燥硬化させたもの、JIS A6916「建築用下地調整塗材」に規定されているセメント系下地調整塗材や合成樹脂エマルション系下地調整塗材等を乾燥硬化させたもの等が挙げられる。
基材層は、これら材料の1種からなる単層でもよいし、2種以上を組み合わせた複層であってもよい。例えば、基材層に、ガラスクロス、メッシュ等を埋め込むことも可能である。
【0024】
基材層の表面には凹凸模様を形成させてもよい。このような凹凸模様によって、立体的な意匠性を表出することが可能となる。
基材層の色相は、特に限定されないが、その表面の色相が化粧層と同系色であることが、意匠性の点において好適である。
【0025】
本発明では、基材層に化粧層を塗付した際の吸込みを防止する目的や、基材層と化粧層との密着性を向上させる目的、あるいは化粧シートの防水性を高める目的等のために、基材層と化粧層の中間に下地層を設けることができる。
下地層を形成するための材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等を主成分とするシーラーや、これらの樹脂と各種粉体を混合したサーフェーサーやフィラー等を使用することができる。
下地層を形成する際の塗付量は、通常0.1〜2kg/m2程度である。塗装器としては、スプレー、フローコーター、ロールコーター等公知のものを使用することができる。乾燥は常温で行うことができるが、加熱することも可能である。
下地層の色相は、特に限定されないが、化粧層と同系色にしておくことが意匠性の点において好適である。
【0026】
本発明では、化粧層の上にさらに透明保護層を設けることもできる。特に耐候性が要求される建築物外装に施工する際には、保護の目的で透明保護層を設けておくことが望ましい。このような透明保護層は、例えば、クリヤー塗料を塗装することにより形成することができる。
クリヤー塗料は、特に限定されず公知のものが使用できる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、フッ素系樹脂等があげられ、水系または溶剤系のいずれであってもよい。また、クリヤー塗料は非汚染タイプの方が好ましい。さらに、艶消しタイプでも艶有りタイプでもいずれであっても良い。本発明の効果を阻害しない限り、着色することも可能である。
クリヤー塗料による塗装は、公知の塗装方法によればよく、例えばスプレー塗装、ローラー塗装等の各種の塗装方法により実施することができる。クリヤー塗料の塗付量は、適用する部位等に応じて適宜設定すればよいが、通常0.1〜0.4kg/m2程度である。
【0027】
本発明の化粧シートは、建築物内外装用等に適用できるものであり、内外壁面、柱、天井面、床面等に接着層や粘着層を介して貼着することができる。釘、鋲、その他の各種固定具を使用することもできる。接着層や粘着層としては、特に限定されず、公知の接着剤、粘着剤を使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0029】
(化粧層用塗料組成物の製造)
まず、表1に示した原料を使用して、表2に示した各配合例により着色粒子を形成するための着色塗料を製造した(配合例1〜4)。但し、着色塗料における架橋剤および硬化触媒は、この時点では混合せず、水系分散媒中で着色粒子を形成させる際に配合した。
次に、表1に示した原料を使用して、表3に示した各配合例により水系分散媒を製造した(配合例5〜10)。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
続いて、表4に記載した組み合わせにて、着色塗料を水系分散媒に分散し、化粧層用の塗料組成物を得た。分散手順は、攪拌槽中に水系分散媒を仕込んだ後、インペラーにて攪拌しながら、着色塗料を混合することで行った。この際、先に着色塗料に混合していなかった架橋剤、硬化触媒を同時に混合した。
【0034】
【表4】
【0035】
(実施例1)
30×30cmのアルミニウム板に、エポキシ系樹脂プライマー(エスケー化研(株)社製「SK#1000プライマー」)を塗付量0.15kg/m2でスプレー塗装し、室温にて24時間乾燥後、化粧層用塗料組成物1を塗付量0.3kg/m2でスプレー塗装し、室温にて乾燥・養生した。
化粧層用塗料組成物1は、白色顔料を含む粒子径3〜5mmの白色エナメル粒子が、黒色顔料を含む水系分散媒に分散した状態の塗料組成物であり、この水系分散媒により形成される被膜の隠ぺい率は0.50であった。
化粧層用塗料組成物1を塗装することにより、グレー系の色調が連続的かつ微妙に変化する打ち放し調の外観の化粧シートを得ることができた。
【0036】
(実施例2)
化粧層用塗料組成物1に代えて化粧層用塗料組成物2を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
化粧層用塗料組成物2は、白色顔料及び黒色顔料を含む粒子径1〜3mmのグレー色エナメル粒子が、黒色顔料を含む水系分散媒に分散した状態の塗料組成物であり、この水系分散媒により形成される被膜の隠ぺい率は0.16であった。
化粧層用塗料組成物2を塗装することにより、グレー系の色調が連続的かつ微妙に変化する打ち放し調の外観の化粧シートを得ることができた。
【0037】
(実施例3)
化粧層用塗料組成物1に代えて化粧層用塗料組成物3を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
化粧層用塗料組成物3は、黒色顔料を含む粒子径0.5〜2mmの黒エナメル粒子が、白色顔料を含む水系分散媒に分散した状態の塗料組成物であり、この水系分散媒により形成される被膜の隠ぺい率は0.22であった。
化粧層用塗料組成物3を塗装することにより、グレー系の色調が連続的かつ微妙に変化する打ち放し調の外観の化粧シートを得ることができた。
【0038】
(実施例4)
化粧層用塗料組成物1に代えて化粧層用塗料組成物4を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
化粧層用塗料組成物4は、黒色顔料を含む粒子径2〜4mmの黒エナメル粒子が、白色顔料を含む水系分散媒に分散した状態の塗料組成物であり、この水系分散媒により形成される被膜の隠ぺい率は0.28であった。
化粧層用塗料組成物4を塗装することにより、グレー系の色調が連続的かつ微妙に変化する打ち放し調の外観の化粧シートを得ることができた。
【0039】
(比較例1)
化粧層用塗料組成物1に代えて化粧層用塗料組成物5を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
化粧層用塗料組成物5は、水系分散媒に顔料を含まない塗料組成物であり、得られた化粧シートの外観は、各着色粒子間の色相の違いが明瞭となり、連続的かつ微妙に変化する色相を表出することができなかった。
【0040】
(比較例2)
化粧層用塗料組成物1に代えて化粧層用塗料組成物6を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
化粧層用塗料組成物6は、水系分散媒の隠ぺい率が高いものであり、得られた化粧シートは単一色の外観に仕上がってしまい、連続的かつ微妙に変化する色相を表出することができなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、容易に製造することができ、比較的軽量で、コンクリート打放し調の意匠性を表出することができる化粧シートが得られる。
Claims (2)
- 基材層及び化粧層を有するコンクリート打放し調の化粧シートであって、該化粧層が、半透明水系分散媒に単色または複数色の着色粒子が分散した塗料組成物により形成されたものであり、
半透明水系分散媒が、粒子径1μm以下の白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」4.8隠ぺい率において0.05〜0.90となる被膜を形成するものであり、
着色粒子は、結合材、顔料、溶媒を主成分とする着色塗料が粒子状に分散されたものであり、
着色粒子における顔料として白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、
かつ半透明水系分散媒と着色粒子が同色でない形態であることを特徴とする化粧シート。 - 基材層、下地層、及び化粧層を有するコンクリート打放し調の化粧シートであって、該化粧層が、半透明水系分散媒に単色または複数色の着色粒子が分散した塗料組成物により形成されたものであり、
半透明水系分散媒が、粒子径1μm以下の白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」4.8隠ぺい率において0.05〜0.90となる被膜を形成するものであり、
着色粒子は、結合材、顔料、溶媒を主成分とする着色塗料が粒子状に分散されたものであり、
着色粒子における顔料として白色顔料及び/または黒色顔料を含有し、
かつ半透明水系分散媒と着色粒子が同色でない形態であることを特徴とする化粧シート。
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