JP5048312B2 - 洗浄液組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、精密機械部品、電気・電子部品、光学部品などの精密部品に付着したワックス、ピッチ、保護膜、接着剤などを洗浄するために用いられる洗浄液組成物に関する。
精密機械部品、電気・電子部品、光学部品などの精密部品の製造においては、加工途中の部品の保護や固定のためにワックス、ピッチ、保護膜、接着剤などが用いられている。そのため、製造工程においては、精密部品表面に付着したワックス、ピッチ、保護膜、接着剤などを除去するために、その洗浄工程が必要となる。従来、このような洗浄には、フロン系溶剤、あるいはトリクロロエタン等の塩素系溶剤が洗浄剤として使用されている。しかし、これらの塩素含有化合物はオゾン層を破壊する物質として、1995年末にその製造が禁止され、更に塩素系溶剤は毒性が強く、水質汚染を防止するため、その法規制も厳しい。
また、界面活性剤や無機アルカリを添加した水系洗浄剤、リン酸塩類等の水溶液系洗浄剤の利用も検討されるが、洗浄力が乏しく、かつ排水処理設備に大きなスペースを必要とし経済性の面から好ましくない。炭化水素系洗浄剤も検討されているが、洗浄特性が十分でない、また、引火性などの点から取り扱いが難しい。さらに、エーテルなどの極性化合物も検討されているが、精密部品自体に与える影響が大きかったり、化合物自体が高価であるなどの課題を抱えている。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)はフロン系溶剤、塩素系溶剤と同等の有機物、および無機物に対する溶解力を持つとされ、単独または他の有機溶剤を混合するなどして、金属部品、光学部品等の洗浄に用いられており、ワックス・ピッチ、接着剤用洗浄液組成物として、芳香族化合物とNMPを含有する組成物が提案されている(特許文献1〜4)。
しかし、NMPは、刺激臭が強く作業環境上取り扱いにくい。また、2002年に日本産業衛生学会から、NMPの人体への安全性に関して、生殖毒性、催奇形性を有する、などの理由で、作業環境許容濃度1ppmという極めて低い濃度が提案され、NMPの作業環境の制約が厳しくなり、取り扱い難いものとなった(非特許文献1)。アメリカおよびカナダでは、NMPはPRTR(化学物質排出移動量届出制度)の対象物質に指定されている。また、NMPは吸湿性が高いので、使用状況によっては水分による洗浄シミの発生や洗浄効率が低下することがある。
特開2000−303100号公報 特開2001−164291号公報 特開2001−226700号公報 特開2001−164294号公報 産業衛生学雑誌、第44巻第4号、165−174頁、(2002)
本発明は、前記問題を解決するもので、ワックス、ピッチ、保護膜、接着剤などが付着した精密部品を洗浄するための洗浄液組成物であって、低臭気で、作業環境許容濃度による取り扱い上の制約が無く、かつ、十分な洗浄性を有し、吸湿性が低く、酸化安定性が高く、加えて、精密部品を構成する洗浄対象材料自体に悪影響を与えない洗浄液組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、芳香族化合物とN置換の炭化水素基(ヒドロカルビル基)の炭素数が2〜8であるN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンとを特定の割合で含有する混合液が、低臭気で、作業環境許容濃度による取り扱い上の制約が無く、かつ、十分な洗浄性を有し、吸湿性が低く、酸化安定性が高く、加えて、精密部品を構成する材料自体を劣化させない洗浄液組成物であることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の洗浄液組成物は、沸点が140〜350℃の芳香族化合物を25〜95重量%、N置換の炭化水素基の炭素数が2〜8であるN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンを75〜5重量%含有する洗浄液組成物である。前記N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンはN−エチル−2−ピロリドンであることが好ましい。
本発明の洗浄液によれば、特定の芳香族化合物とN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンとをそれぞれ特定の割合で含有させたことから、低臭気で、取り扱い上の規制も少なく、かつ、ワックス、ピッチ、保護膜、接着剤が付着した精密部品の洗浄において、十分な洗浄性を有し、炭化水素系溶剤でリンスを行った場合でも良好なリンス効果が得られ、吸湿性が低く、酸化安定性が高く、加えて、精密部品を構成する材料自体に対して悪影響のない洗浄が可能となる。したがって、本発明の洗浄液組成物は、精密機械部品、電気・電子部品、光学部品などの精密部品の洗浄に好適に用いることができる。
本発明の洗浄液組成物は、特定の芳香族化合物とN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンを特定の割合で含有する液体組成物である。
本発明で用いる芳香族化合物は、沸点が140〜350℃、好ましくは150〜310℃である。沸点が140℃未満の芳香族化合物は一般に引火点が常温以下であるため、作業中に引火性が増大するため好ましくない。一方、沸点が350℃以上の芳香族化合物は、沸点が高くなるほど、乾燥性が悪くなり、粘度が高くなるため洗浄効率が低下するばかりでなく、洗浄液と汚れ(ワックス、ピッチ、保護膜、接着剤等)とを蒸留により分離して洗浄液を蒸留再生して再使用する際に、汚れとの蒸留分離が困難となる場合があるため好ましくない。
これら芳香族化合物としては、単環芳香族化合物、多環芳香族化合物、及びそれらのヒドロカルビル置換化合物などを含む。具体的には、例えば、iso−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、1−エチル−2−メチルベンゼン、1−エチル−3−メチルベンゼン、1−エチル−4−メチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、インダン、iso−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1−メチル−3−n−プロピルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチル−5−エチルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1−メチル−2−n−プロピルベンゼン、1,4−ジメチル−2−エチルベンゼン、1,3−ジメチル−2−エチルベンゼン、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、1,2−ジメチル−3−エチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、メチルインダン、エチルインダン、テトラリン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、ジフェニル、メチルジフェニル、ジメチルイソプロピルナフタレン、アントラセンなどを挙げることができる。これらを単独で用いても、必要に応じて2種以上を混合して用いても差し支えない。
また、この芳香族化合物を含有する石油留分などを用いることもできる。この場合、芳香族化合物は、石油留分中に50重量%以上含まれるものが好ましく、より好ましくは80重量%以上、特には95重量%以上含まれるものが好ましい。したがって、ジャパンエナジー製の炭化水素系洗浄剤EMクリーン(EM1000、EM2000、EM2000E、EM3000、EM4000、EM5000、EM7000)等、市販の芳香族系洗浄剤や溶剤などを用いることができる。
本発明の洗浄液組成物に用いるもう一つの成分であるN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンは、N置換の炭化水素基(ヒドロカルビル基)の炭素数が2〜8のものである。N−置換の炭化水素基は、炭素数が2〜8でありさえすれば、直鎖、分岐鎖、環状、及びそれらの組み合わせのいずれであっても良い。N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンのうち炭化水素基の炭素数が1であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、刺激臭が強く、吸湿性の点から好ましくない。炭化水素基炭素数が9以上のN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンは、沸点が高く乾燥性が低いため好ましくない。炭素数が2〜8であるN置換の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、及びアルキル基とフェニル基が組み合わさったベンジル基などのアルキル基とシクロアルキル基、又はフェニル基と組み合わさった炭素数が2〜8の炭化水素基が挙げられる。N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンとして具体的には、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン(NCP)、N−フェニル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン(NOP)などが挙げられる。これらの化合物は1種類のみで用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。なかでも、N−エチル−2−ピロリドンを特に好ましく用いることができる。
本発明の洗浄液組成物は、上記芳香族炭化水素とN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンがそれぞれ25〜95重量%と75〜5重量%の割合で含有されるように混合して調製される。芳香族炭化水素の含有量は、好ましくは50〜80重量%である。すなわち、N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンの含有量は、好ましくは50〜20重量%である。芳香族炭化水素の含有量が95重量%を超えると(すなわち、N−ヒドロカルビル2−ピロリドンの含有量が5重量%未満であると)、保護膜、接着剤の除去が難しくなるため好ましくない。一方、芳香族炭化水素の含有量が25重量%未満であると(すなわち、N−ヒドロカルビル2−ピロリドンの含有量が75重量%超であると)、芳香族炭化水素が得意とするワックスなどの除去が難しくなるとともに、N−ヒドロカルビル2−ピロリドンの含有量の増量によって洗浄性が格段に良くなることはなく、むしろ、N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンの増加に伴い吸湿性も増すので好ましくない。吸湿性が増すと、洗浄効率が低下するなどの不具合が生ずる。さらに、洗浄対象の精密部品を構成する材料自体に錆、洗傷、洗浄シミなどが発生する可能性が高くなるため好ましくない。
本発明の洗浄液組成物には、本発明の目的を損なわない範囲、望ましくは20重量%以下で、他の炭化水素類、エステル類、アルコール類、ケトン類等の配合成分や、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤等の慣用の添加剤を含めることができる。
界面活性剤としては非イオン性界面活性剤が好ましく、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、シリコン系、フッ素系等いずれのものも使用できる。
また、紫外線吸収剤及び酸化防止剤としては、本発明の洗浄液組成物に溶解するものであれば公知のものが使用でき、洗浄液の長期保存等における安定性の向上に役立つ。紫外線吸収剤としては例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
さらに、酸化防止剤としては例えばフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられ、フェノール系酸化防止剤を100〜1000ppm添加することが特に好ましい。
本発明の洗浄液組成物の使用方法は、特に制限はなく、精密機械部品、電気・電子部品、光学部品などの精密部品と接触、洗浄させる方法であれば、公知のどのような方法でも使用できる。例えば、洗浄液組成物を含浸したスポンジ等による拭き取り洗浄、洗浄液組成物中にひたす浸漬洗浄、スプレー等による噴射洗浄などが挙げられ、これらを適宜組み合わせて洗浄してもよい。例えば、洗浄対象物を洗浄液組成物中にひたし、そこにスプレーで洗浄液を噴射しながらブラシ等で汚れを拭き取りことも効果的である。特に、浸漬による洗浄においては、洗浄効果を高めるために、同時に攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等を組み合わせることが多い。超音波の場合、この照射条件は、例えば発振周波数20〜100kHz、発振出力0.1〜200W/Lが好ましい。洗浄液組成物に不溶性の汚れを分離して気泡と共に上昇させ、不溶性の汚れをも除去することができる。洗浄液のスプレーによる洗浄において、その圧力は、例えば0.5〜10kg/cmGが好ましい。
いずれの場合も洗浄時間は、好ましくは15秒間〜2時間、特に好ましくは30秒間〜20分間である。上記範囲未満では洗浄が不十分で、付着した汚れを十分に除去し得ず、一方、上記範囲を超えても洗浄効果は格別向上しない。洗浄温度は、好ましくは20〜120℃である。上記洗浄において、より高温で処理することにより洗浄効果を著しく上昇させることができる。上記範囲未満では、洗浄が不十分となり易い。
本発明の洗浄液組成物は、精密部品に付着したワックス、ピッチ、保護膜、接着剤などを洗浄するために好適に用いることができる。このような精密部品としては、精密機械部品、電気・電子部品、光学部品などが挙げられる。洗浄対象物としてより具体的には、精密機械部品として、工作機械、ロボット、時計、VTR、ハードディスクレコーダーなどに用いられる精密ベアリングなどの部品が挙げられる。電気・電子部品としては、プリント配線基板、セラミック配線基板などの配線基板、リードフレームなどの半導体パッケージ部品、リレー、コネクターなどの接点部材、液晶、プラズマディスプレイなどの表示部品、ハードディスク記憶媒体、磁気ヘッドなどの磁気記憶部品、水晶振動子などの圧電部品、モータ、ソレノイドなどの電動機部品、センサー部品などが挙げられる。光学部品としては、めがね、カメラ用などのレンズ、その筐体などが挙げられる。
洗浄対象のなどの汚染物を具体的に例示すると、ピッチとしては、ストレートアスファルト系ピッチ、ブローンアスファルト系ピッチ、ウッド系ピッチ等の研磨用あるいは張付用ピッチが挙げられる。また、ワックスは金属、ガラス等の仮止め接着剤として使用されている天然樹脂、天然ワックス、石油系ワックス等が挙げられる。保護膜としては、フェノール樹脂、アクリル、ポリエステル、アスファルトピッチ等を構成成分として持つもの、接着剤としてはUV硬化型接着剤、シアノアクリレート系瞬間接着剤などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例として、炭素数10の芳香族化合物を主成分として含有する芳香族系洗浄剤(EM2000E(登録商標):芳香族含有量=99重量%、沸点範囲=180〜186℃、ジャパンエナジー製)と、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)(試薬:純度=97重量%、和光純薬工業製)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン(NCP)(試薬:純度=100重量%、和光純薬工業製)、又はN−オクチル−2−ピロリドン(NOP)(試薬:純度=97重量%、和光純薬工業製)を表1に示す組成で配合して洗浄液(実施例1〜3)を調製した。
また、比較例として、EM2000Eと、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(試薬:純度=99重量%以上、東京化成工業製)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(試薬:純度=99重量%以上、東京化成工業製)、又はNEPを表1に示す組成で配合して洗浄液(比較例1〜4)を調製した。さらに、比較例として、EM2000E、NEP、NCP及びNOPがそれぞれ100%の芳香族系洗浄剤乃至試薬(比較例5〜8)を用意した。
このようにして調製した実施例及び比較例の洗浄液等について、洗浄性(ワックス洗浄性、ピッチ洗浄性、保護膜洗浄性及び接着剤洗浄性)、吸湿性(吸湿速度及び相分離)、酸化安定性、臭気(刺激臭の有無)、洗浄対象材料への悪影響について、後述の評価試験を行った。その結果を表1に示す。また、各洗浄液組成物の成分について、日本産業衛生学会で勧告する物質に該当するものか確認し、その結果も表1に併せて示した。
Figure 0005048312
(ワックス洗浄性の評価)
ワックス(リセスワックスRW−99(九重電気製))50mgをスライドガラス(76×26×1mm)上に置き、80℃に加熱し、1分放置して溶融させ、その後室温まで放冷したものを洗浄対象物として用いた。この洗浄対象物を洗浄液が充填された洗浄槽に浸漬して液温25℃で超音波照射下に3分間洗浄を行った(超音波発生器:本田電子製W−110、発振周波数28kHz、発振出力29.6W/L)。洗浄槽から取りだしたスライドガラスを、新しい洗浄液が充填されたリンス槽に浸漬して、液温25℃で超音波照射下、1分間リンスを行った。その後、スライドガラスをリンス槽から取り出し、10分間立てて静置後、乾燥機で90℃の温風を0.5時間当てて、スライドガラスに残っているリンス用洗浄液を蒸散除去し乾燥した。肉眼によりワックスの痕跡が全く認められないものを○、明らかに痕跡のあるものを×と評価した。
(ピッチ洗浄性の評価)
研磨用ピッチ(ココノエ研磨用ピッチK級(九重電気製))50mgをスライドガラス(76×26×1mm)上に置き、80℃に加熱し、1分放置して溶融させ、その後室温まで放冷したものを洗浄対象物として用いた。この洗浄対象物を洗浄液が充填された洗浄槽に浸漬して液温25℃で超音波照射下に3分間洗浄を行った。洗浄槽から取りだしたスライドガラスを、新しい洗浄液が充填されたリンス槽に浸漬して、液温25℃で超音波照射下、1分間リンスを行った。その後、10分間立てて静置後、乾燥機で90℃の温風を0.5時間当てて、スライドガラスに残っているリンス用洗浄液を蒸散除去し乾燥した。肉眼によりピッチの痕跡が全く認められないものを○、明らかに痕跡のあるものを×と評価した。
(保護膜洗浄性の評価)
保護膜(ココノエスーパーコート#4(九重電気製))50mgをスライドガラス上に塗布し、12時間室温で放置して乾燥させたものを洗浄対象物として用いた。この洗浄対象物を洗浄液が充填された洗浄槽に浸漬して液温25℃で超音波照射下に3分間洗浄を行った。洗浄槽から取りだしたスライドガラスを、新しい洗浄液が充填された洗浄槽に浸漬して、液温25℃で超音波照射下、1分間リンスを行った。その後、10分間立てて静置後、乾燥機で90℃の温風を0.5時間当てて、スライドガラスに残っているリンス用洗浄液を蒸散除去し乾燥した。肉眼により保護膜の痕跡が全く認められないものを○、明らかに痕跡のあるものを×と評価した。
(接着剤洗浄性評価)
スライドガラス(76×26×1mm)にシアノアクリレート系接着剤ロックタイト417(日本ロックタイト製)を1滴滴下し、その上からカバーガラス(22×22×0.15mm)を被せ張り合わせた。室温で12時間以上放置してから洗浄対象物の試験片として試験に使用した。洗浄液を120mLのサンプル瓶に入れ、その中に上記試験片を完全に洗浄液に浸漬させた。50℃にて超音波洗浄器(本田電子製W−113型、発振周波数=28kHz、発振出力=29.6W/L)で60分間超音波を照射した後、乾燥を行った。カバーガラスがスライドガラスから分離し、カバーガラスとスライドガラス表面から接着剤が完全に除去されていたものを○、ガラス同士が剥離しなかったもの、少なくともいずれかのガラス表面に接着剤の痕跡のあるものを×と評価した。
(吸湿性評価)
直径4cmの円筒状容器に、洗浄液1mLを入れ、蓋をせずに25℃湿度70%の雰囲気に20分間静置した後、水分をカールフィッシャー法により測定し、吸湿速度を求めた。
また、一方で同様に円筒状容器に準備した洗浄液に対し、静置1時間後の状態を、黒画用紙の上で液を傾ける等して、白濁、相分離等を観察、確認した。吸湿した水分で白濁、または水滴発生等の相分離が認められたものは×、認められなかったものは○と評価した。
(酸化安定性評価)
JIS K2287ガソリン−酸化安定度試験方法(誘導期間法)に準じ、700kPaの酸素加圧下、温度100℃にて、酸素圧の低下を観測した。酸素圧の降下速度が55.2kPa/hに到達するまでの時間を誘導期間とし、その時間を測定した。この値が短いほど、酸素が洗浄液に与える影響が大きいことを示しており、誘導期間が960分以上であるものを○、960分未満であるものを×評価とした。
(刺激臭評価)
実施例及び比較例の洗浄液組成物について、それぞれ25mLを蓋付きのサンプル瓶(容量50mL)に取り、パネラーは蓋を外して刺激臭の有無を評価した。10人のパネラーによる官能試験を行い、全員が刺激臭を認めなかったものを○、一人でも刺激臭を認めたものを×とした。
(洗浄対象材料への悪影響)
表面を鏡面磨きした銅版(50×10×2mm)を、洗浄液が充填された洗浄槽に浸漬して液温25℃で30分間、超音波照射を行った。その後、10分間立てて静置後、乾燥機で90℃の温風を0.5時間当てて、銅版に残っている洗浄液を蒸散除去し乾燥した。肉眼により表面に、錆、洗傷、洗浄シミなどによる変色やくもりが全く認められないものを○、変色やくもりのあるものを×と評価した。
(作業環境許容濃度)
毎日繰り返しある物質に暴露したときほとんどの労働者に悪影響がみられないと思われる大気中の濃度を作業環境許容濃度(あるいは暴露限界閾値)といい、低濃度で悪影響を及ぼす特定の物質とその作業環境許容濃度を日本産業衛生学会で勧告している。各洗浄液組成物に含まれる成分中に日本産業衛生学会で勧告している物質があれば、その物質とその作業環境許容濃度を表1に示した。
表1に示す評価結果から、実施例1〜3の洗浄液組成物は、低臭気で、取り扱い上の規制も少なく、かつ、ワックス、ピッチ、保護膜、接着剤が付着した精密部品の洗浄において、十分な洗浄性を有し、吸湿性が低く、酸化安定性が高く、加えて、精密部品を構成する材料自体に対して悪影響のない洗浄剤組成物である。

Claims (2)

  1. 沸点が140〜350℃の芳香族化合物を50〜80重量%、及びN置換の炭化水素基の炭素数が2〜8であるN−ヒドロカルビル−2−ピロリドンを50〜20重量%含有することを特徴とする洗浄液組成物。
  2. N−ヒドロカルビル−2−ピロリドンがN−エチル−2−ピロリドンである請求項1に記載の洗浄液組成物。
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