JP5046369B2 - マイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノインプリント業界などの微細転写事業に利用可能なマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法に関する。
材料に三次元微細構造を作製する技術として、フォトリソグラフィーを用いて露光・現像、エッチング、パターン転写を行う方法が知られている。
該方法のうち、マイクロオーダーの微細構造を作製する方法について図8に基づいて以下に説明をする。
平滑な面を有する基板10上(例えば、Si基板、ガラス基板など)を洗浄した後(ステップpa1)にフォトレジスト11をスピンコート法等で所望の膜厚に均一に塗布する(ステップpa2)。その後、プリベーク(予備焼成)を行い(ステップpa3)、マイクロオーダーでマスクパターン12aの設計がなされた所望のガラスマスク12を用い、露光装置で紫外線光13を照射して露光を行う(ステップpa4)。次いで、ポストベーク(本焼成)を行った後、フォトレジスト専用の現像液にて現像を行って基板10上にパターン14を形成し(ステップpa5)、リンス、乾燥させる。その後、フォトレジストでマスキングされた基板表面をDeep RIE(Deep Reactive ion Etching)法等を用い、所望の深さまでドライエッチング加工して、凹部15を形成する(ステップpa6)。その後、パターン14を形成しているレジストをリムーブして一連の工程でマイクロオーダーのパターンの形成は終了する(ステップpa7)。この工程でマイクロオーダーの微細構造体を有するスタンパーを作製するための元型10aの完成である。この元型10aをマスターとして、Ni電鋳を行う前に、シード層Ni膜16をスパッタ法、蒸着法、無電界鍍金法等にて成膜する(ステップpa8)。その後、所望の厚さにNi電鋳を行って反転層17を設ける(ステップpa9)。その後、元型10aと反転層17の剥離を行い(ステップpa10)、機械加工(ステップpa11)、洗浄(ステップpa12)を施して、マイクロオーダーの微細構造18aを有するスタンパー18が完成する。
また、ナノオーダーの三次元微細構造を作製する技術として、LIGAプロセスが提案されている(非特許文献1参照)。LIGAとは、ドイツ語のLithographie(リソグラフィ)、Galvanoformung(電鋳)、Abformung(射出成形)の略称である。
この方法では、図9に示すように、上記と同様に基板10を洗浄し(ステップpb1)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)からなるレジスト21のスピンオン(ステップpb2)、プリベーク(ステップpb3)を行った後、巨大な加速器から発生する波長1nm以下のシンクロトン放射光(X線22)を用いた露光で、ナノオーダーのマスクパターン24を有するマスク23を通してレジスト21上にナノオーダーのパターンを直接描画(露光)し、露光が終了した後、専用の現像液にて現像、リンス、乾燥を行ってパターン25を形成する(ステップpb4、5)。その後、フォトレジストでマスキングされた基板表面をDeep RIE(Deep Reactive ion Etching)法等を用い、所望の深さまでドライエッチング加工して微細凹部26を形成する(ステップpb6)。その後、レジストをリムーブして一連の工程でナノオーダーのパターンの形成は終了する(ステップpb7)。この工程でナノオーダーの微細構造体を有するスタンパーを作製するための元型10bの完成である。この元型10bをマスターとして、Ni電鋳を行う前に、シード層Ni膜27をスパッタ法、蒸着法、無電界鍍金法等にて成膜する(ステップpb8)。その後、所望の厚さにNi電鋳を行って反転層28を形成する(ステップpb9)。その後、元型10bと反転層28の剥離を行い(ステップpb10)、機械加工(ステップpb11)、洗浄(ステップpb12)を施して、マイクロオーダーの微細構造29aを有するスタンパー29が完成する。
E.W.Becker et al.,MicroelectronicEngineering 4(1986),pp.35−36
ところで、最近では、マイクロオーダーとナノオーダーの混在した3次元構造を有するスタンパーの作製が要望されている。この要望に応えるため、例えば、従来のマイクロオーダーの微細構造製造方法によって、マイクロオーダーのパターンが形成された基板を形成し(ステップpa1〜pa7)、次いで、マイクロオーダーのパターンが形成された基板上の全面または必要な箇所に電子線露光用フォトレジストをスピンコート法などで所望の膜厚に均一に塗布する。その後、プリベークし、電子線露光機にて所望のナノオーダーパターンを直接描画する。その後は、上記と同様にして、現像、ドライエッチング、レジストリムーブ、シード層形成、反転層形成、取り出し等(ステップpb5〜12)を経て、同一面状にマイクロオーダーとナノオーダーの微細構造が混在しているスタンパーが得られる。
しかし、この方法は、フォトリソグラフィー工程が2工程必要であり、工程が煩雑になり効率も悪い。さらには、ナノパターン形成のために、高価かつ時間のかかる電子線露光を必要とすることから工程時間とコストの両面でも問題がある。また、電子線露光機を用いてマイクロオーダーのパターンとナノオーダーのパターンとを同時に形成することは事実上困難である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、微細転写用のマイクロオーダーとナノオーダーの微細構造が混在したスタンパーを短時間かつ低コストで製造することができるマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法のうち、請求項1記載の発明は、スタンパーにマイクロオーダーの微細凹凸を形成するためのマイクロオーダー用のパターンと前記スタンパーにナノオーダーの微細凹凸を形成するためのナノオーダー用のパターンとがドライエッチング加工においてマイクロローディング効果とテーパーエッチングとが生じるようにマスクパターンとして混在して設けられたマスクを用いたフォトリソグラフィー工程と、該フォトリソグラフィー工程によりパターン形成がなされた基板に前記マイクロローディング効果と前記テーパーエッチングを活用してマイクロ・ナノ微細凹凸を形成するドライエッチング加工工程と、該ドライエッチングによってマイクロ・ナノ微細凹凸が形成された基板表面上に反転層を設ける工程と、該基板から前記反転層を取り出してスタンパーを得る工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記フォトリソグラフィー工程における露光源に紫外線光を用いることを特徴とする。
請求項記載のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記マスクの前記マイクロオーダー用のパターンが数十μmのオーダーのパターンであり、前記ナノオーダー用のパターンが数μmのオーダーのパターンであることを特徴とする。
すなわち、本発明のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法によれば、マイクロオーダー用のパターンとナノオーダー用のパターンとがマスクパターンとして混在して設けられたマスクを用いたフォトリソグラフィー工程により、基板表面にマイクロオーダー用のパターンとナノオーダー用のパターンとを混在して形成することができる。この基板に対するドライエッチング加工工程により、基板にマイクロオーダーおよびナノオーダーの微細凹凸を形成することができる。この基板表面上に反転層を設ける工程により該反転層に上記マイクロオーダーおよびナノオーダーの微細凹凸が反転される。この反転層を基板から取り出す工程により、表面にマイクロオーダーおよびナノオーダーの微細構造が混在して形成されたスタンパーが得られる。
なお、フォトリソグラフィー工程における露光源として紫外線光を用いることにより、X線露光における高コスト化、プロセス時間の長時間化が回避され、低コスト、短時間での露光処理が可能になる。紫外線光は、概ね10〜400nmの波長を有する光線として説明することができる。
また、前記マスクにおけるマスクパターン形成においては、ドライエッチングに際し、マイクロローディング効果が得られるようにマイクロオーダーのマスクパターンとナノオーダーのマスクパターンとの配置関係を設定する。
マイクロローディング効果とは、マスク開口部面積(被エッチング面積)の全体に対する割合、マスク開口部の部分的なパターン密度、およびマスク開口部パターン幅の絶対値により、エッチング速度、エッチング形状がマイクロレベルで変化する現象である。マイクロローディング効果が生じる主な原因としては、エッチングに寄与するラジカル消費量の増減や、レジストから放出される炭素、酸素、窒素により形成される側壁保護膜の増減が考えられている。例えば、半導体プロセスの中で、SiやAlエッチング時にドライエッチング加工を行っているが、スルーホール径が異なるパターンの穴加工を一度に施すときにマイクロローディング効果が生ずる。ここでは、スルーホール径が小さくなるにしたがって、エッチング深さが浅くなるという現象となって現れる。一般に、半導体プロセスでは、この現象をプロセス的に避けた方法や、排除する方法が多く提案されている。
また、ドライエッチングは、プラズマを利用してエッチングを行うものであり、適宜のガスを励起させ、プラズマを発生させてラジカル、イオンを生成する。これらのラジカル、イオンと、パターン形成をした基板とを反応させてエッチングを行う。該エッチングに際しては、テーパーエッチングの作用を活用する。
テーパーエッチングとは、ドライエッチング加工において、加工時間や加工深さを増加した場合に、エッチング部分の側壁にプラズマが集中し、過度のエッチングが生じ、設計したマスクサイズに対して加工幅が小さく(細くなる)現象である。これはドライエッチング用ガス種に起因するプラズマ(ラジカル、イオン)が物理的、化学的に被エッチング部と反応することで生じ、そのエッチング量は用いたガス量(生じるプラズマ量)や出力パワーなどのエッチング条件に影響されると考えられている。このため、数十μmのパターンと数μmのパターンによって露光、現像した基板においてマイクロオーダーとナノオーダーの微細凹凸が混在した形状が一度に得られる。
効果的なテーパーエッチング作用を得るため、例えば、ドライエッチング用ガス種として、ラジカル作用の強いSFなどのフッ素系ガスに、イオンとしてのエッチング作用の強いOなどを適量(例えば10体積%以下)含有させる。また、基板側に付加するバイアスを小さくするとテーパーエッチング作用が小さくなる。例えば、プラズマ発生電圧に対し、バイアス電圧を10%以下にする。
また、本発明のスタンパーによれば、マイクロオーダーの微細凹凸とナノオーダーの微細凹凸ともに、凸部が表面側ほど幅狭となっており、側面がテーパ状の傾斜を有しているため、該スタンパーを用いた転写を行う場合に、ナノオーダーの微細構造部分の凹部底部側に転写材料を確実に侵入させて正確に転写することが可能になる。また、転写後、転写物をスタンパーから取り去る際にも、上記微細凹凸の側面がテーパ傾斜を有していることから、スタンパーの抜き取りを容易に行うことができ、離型性に優れている。また、スタンパーの底部側凸部では、側面の傾斜が直立に近くて拡幅変化率が小さくなっているため、転写物で必要とされる凸部形状が表面近傍の広い範囲で確保される。
以上説明したように、本発明のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法によれば、スタンパーにマイクロオーダーの微細凹凸を形成するためのマイクロオーダー用のパターンと前記スタンパーにナノオーダーの微細凹凸を形成するためのナノオーダー用のパターンとがドライエッチング加工においてマイクロローディング効果とテーパーエッチングとが生じるようにマスクパターンとして混在して設けられたマスクを用いたフォトリソグラフィー工程と、該フォトリソグラフィー工程によりパターン形成がなされた基板に前記マイクロローディング効果と前記テーパーエッチングを活用してマイクロ・ナノ微細凹凸を形成するドライエッチング加工工程と、該ドライエッチングによってマイクロ・ナノ微細凹凸が形成された基板表面上に反転層を設ける工程と、該基板から前記反転層を取り出してスタンパーを得る工程とを有するので、表面にマイクロ・ナノ微細凹凸形状が形成されたスタンパーが一括で作製でき、従来の工程を大幅に削減できることから、製作時間の大幅な短縮につながる。よって、製造コストの大幅な削減できる。ゆえに、製作時間の短縮とコスト低減に効果がある。
特に紫外線光をフォトリソグラフィー工程の光源として用いて、ドライエッチングに際し、マイクロローディングの作用とテーパーエッチングの作用とを活用することで、さらに低コスト、短時間の処理工程でマイクロ・ナノ微細構造体が混在したスタンパーを効率的に製造することができる。
また、本発明で得られるマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーによれば、マイクロオーダーの微細凹凸とナノオーダーの微細凹凸とが混在して形成されており、前記両微細凹凸は、凸部が表面側ほど幅狭となるようにテーパ形状の側面を有し、かつ凸部の底部側面近傍では、表面側に向かう拡副変化率が表面側よりも小さくなっているので、微細凹凸の転写を行う際に、ナノオーダーの微細な形状も正確な転写が可能になるとともに、離型が容易であり、微細凹凸が正確に転写された転写物を効率よく得ることができる。また、スタンパーの底部側凸部では、側面の傾斜が直立に近くて拡幅変化率が小さくなっているため、転写物で必要とされる凸部形状が表面近傍の広い範囲で確保される。
以下に、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
平滑な面を有する基板10上(例えば、Si基板、ガラス基板など)を洗浄した後(ステップs1)にフォトレジスト11をスピンコート法等で所望の膜厚に均一に塗布する(ステップs)。本発明におけるフォトレジスト材料の種別は特定のものに限定をされるものではなく、例えば既知のものを用いることができる。また、レジストの膜厚も特に限定をされるものではなく、レジストの塗布方法もスピンコートに限定されず、その他の既知の方法などを採用することもできる。その後、プリベーク(予備焼成)を行い(ステップs3)、マイクロオーダー用のマスクパターン1aとナノオーダー用のマスクパターン1bの設計がなされた所望のガラスマスク1を用い、露光装置2で紫外線光2aを照射して露光を行う(ステップs4)。マスクパターン1aは、数十μmオーダー(例えば40〜60μm)の大きさでパターンが形成され、マスクパターン1bは、数μmオーダー(例えば1〜20μm、好ましくは1〜10μm未満)の大きさでパターンが形成されている。これらのパターンの大きさは、後述するドライエッチングにおいてテーパーエッチング作用によって所望の大きさのマイクロオーダーの微細凹凸とナノオーダーの微細凹凸が得られることを想定して設定しておく。また、これらのパターンでは、ドライエッチングにおいてマイクロローディング効果が得られるように配置、形状の設計を行う。スタンパーの最終形状が制約されている場合には、許容される範囲内でマイクロローディング効果が得られるように形状等の設計を行う。
なお、露光装置2は、所望の波長の紫外線光を出力でき、上記マイクロオーダー用のマスクパターン1aとナノオーダー用のマスクパターン1bの形状に従って、基板10上のフォトレジスト11を露光してパターン形成できるものである。
露光に次いで、ポストベーク(本焼成)を行った後、フォトレジスト専用の現像液にて現像を行って基板10上にレジスト材によるマイクロオーダー用のパターン3aとナノオーダー用のパターン3bを形成し(ステップs5)、リンス、乾燥させる。その後、フォトレジストでマスキングされた基板表面をドライエッチング装置4を用いて、Deep RIE(Deep Reactive ion Etching)法等により、所望の深さまでドライエッチング加工して、マイクロオーダーの微細構造側面4aとナノオーダーの微細構造側面4bとを形成する(ステップs6)。
ドライエッチング装置では、適宜のチャンバ(図示しない)内に、レジストによってパターン形成をした基板10を収容し減圧下、所定のエッチングガスを封入する。該エッチングガスとしては、特定のものに限定されるものではないが、SFなどのフッ素系ガスにO等を好適には10体積%以下混合したものが望ましい。
該チャンバ内で高周波電圧などを印加することでガスをプラズマ化させる。また、基板側にはバイアス電圧を印加する。このバイアス電圧は、プラズマ生成用の電圧に対し、10%以下の電圧とするのが望ましい。プラズマには、イオンやラジカルなどが混在している。これらのプラズマがレジストや基板と反応することでエッチングがなされる。本発明では、上記のように反応性イオンエッチングによるDeep RIE法等が望ましい。該エッチングでは、通常は、反応生成物を排気しつつ、エッチングガスを供給する。
上記ドライエッチングにおいて、前記マイクロオーダー用のマスクパターン1aとナノオーダー用のマスクパターン1bの設計に基づいてマイクロローディング効果が得られる。
該マイクロローディング効果の例を説明すると、前記したメカニズムにより、図2に示すように、エッチングを行うライン幅(凹凸の間隔)によってエッチングされる深さが異なっており、ライン幅が小さいほど理論値との乖離が大きくなる。すなわち、この例では、図3(1)に示す5〜20μmのライン幅では、加工深さは小さくて数μm〜15μmの乖離が見られ、図3(2)に示す25〜35μmのライン幅では、数μmの乖離が見られる。一方、図3(3)に示す40〜50μmのライン幅では、理論値にほぼ合致する加工深さが得られている。すなわち、同じエッチング条件で加工しているのに関わらず、加工幅が狭くなるに従い加工深さが浅くなっていくのが理解できる。
これらの現象を利用して、マイクロオーダーとナノオーダーのエッチングパターンが得られるように、露光用のマスクで、マイクロオーダー用のパターンとナノオーダー用のパターンとの配置設計を行うことで、所望の加工幅、加工深さで微細なエッチング加工を行うことができる。通常は、40μm以上(さらに好適には60μm以下)のライン幅と20μm以下(さらに好適には1μm以上)のライン幅を混在させてマイクロローディング効果を得る。該マスクは、ナノオーダー(1μm未満)のパターンを有するマスクに比べて比較的安価に製造することができる。
また、上記ドライエッチングでは、テーパーエッチングの作用が活用されている。このエッチングでは、図4に示すように、プラズマと、基板10またはレジスト材によるマイクロオーダー用のパターン3aとナノオーダー用のパターン3bとが反応する。この際に、主としてラジカルの物理的な反応によるエッチングによって深さ方向に対するエッチング(異方性エッチング)が進行し、主としてイオンの化学的な反応によるエッチングによって、深さ方向だけではなく、横方向にもエッチング進行して(等方性エッチング)、テーパーエッチングがなされる。例えば10μmの深さで加工した場合、加工幅は5μm程度減少する。
テーパーエッチングは、前記したようにガス種の選定や、エッチング時のバイアス電圧の設定などに容易に実現させることができる。
テーパーエッチングにより得られた凹凸形状の例を図5の図面代用写真に示す。マスクサイズに比べて加工幅が小さい凸部形状が得られていることが分かる。
その後、基板10からレジストをリムーブして一連の工程でマイクロオーダーのパターンの形成は終了する(ステップs7)。この工程でマイクロオーダーとナノオーダーとが混在した微細構造体を有するスタンパーを作製するための元型10cが完成する。この元型10cをマスターとして、Ni電鋳を行う前に、シード層Ni膜5をスパッタ法、蒸着法、無電界鍍金法等にて成膜する(ステップs8)。その後、所望の厚さにNi電鋳を行って反転層6を設ける(ステップs9)。その後、元型10cと反転層6の剥離を行い(ステップs10)、機械加工(ステップs11)、洗浄(ステップs12)を施して、マイクロオーダーの微細構造7aとナノオーダーの微細構造7bとが混在したスタンパー7が完成する。
次に、上記で得られたスタンパー7の詳細な構造を図6に基づいて説明する。
マイクロオーダーの微細構造7aでは、マイクロオーダー微細凸部8aは、表面側ほど幅狭になっており、そのマイクロオーダー微細側面9aはテーパ形状になっている。また、マイクロオーダー微細凸部8aの底部側マイクロオーダー微細側面90aは直立に近く、表面に向かう幅の拡幅変化率は表面側マイクロオーダー微細側面91aよりも小さくなっている。
また、ナノオーダーの微細構造7bでも、ナノオーダー微細凸部8bは、表面側ほど幅狭になっており、そのナノオーダー微細側面9bはテーパ形状になっている。また、ナノオーダー微細凸部8bの底部側ナノオーダー微細側面90bは、直立に近く、表面に向かう幅の拡幅変化率は表面側ナノオーダー微細側面91bよりも小さくなっている。
上記スタンパー7を用いて転写を行う場合、転写材料が、マイクロオーダー微細凸部8a、ナノオーダー微細8b間の凹部の底部側まで十分に流入する必要があるが、マイクロオーダー微細側面9aおよびナノオーダー微細側面9b(特にナノオーダー微細側面9b)がテーパー形状となっていることにより転写材料が円滑に流入し、また、底部付近で拡幅変化率が小さくなっていることで底部の角部にも隈無く転写材料が流入する。転写が終了した後、転写物を取り去る際にも、マイクロオーダー微細凸部8a、ナノオーダー微細凸部8bの側面が抜き去り方向に幅狭となるようにテーパ面になっているので、抜き取りが容易かつ円滑になされ、転写した微細構造の破損なども回避することができる。
なお、上記におけるスタンパーの構造は、一例であり、前記露光用のマスクに設けるマスクパターンの設計によってスタンパーの微細構造を種々変更することができる。
図7は、これらスタンパーの元型の形状例を示すものであり、図7(a)に示す元型100は、前記したスタンパー7における元型と類似した構造を有している。この元型では、マイクロオーダーの微細凹凸100aに比較して、ナノオーダーの微細凹凸100bが上記実施形態よりも、より密に配されており、マイクロローディング効果により深さの浅い微細凹凸100bが形成されている。
図7(b)に示す元型101は、マイクロオーダーの微細凹凸101a間に、ナノオーダーの微細凹凸101bを縦横に並列して形成したものであり、密に形成した微細凹凸101bによりマイクロローディング効果が活用されている。
図7(c)に示す元型102では、マイクロオーダーの微細凹凸102a間に、該微細凹凸102aと交差する方向にナノオーダーの微細凹凸102bを並列して形成したものであり、同じく密に形成した微細凹凸102bによりマイクロローディング効果が活用されている。
なお、上記したスタンパーの変更例においても、微細凹凸の凸部が表面側ほど幅狭となるようにテーパ形状の側面を有し、凸部の底部側面近傍では、表面側に向かう拡副変化率が表面側よりも小さくなっている。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明をしたが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜の変更がなされたものであってもよい。
本発明は、ナノインプリント業界において、例えば、光学機器、医療検査機器などの分野に用いることができる。
本発明の一実施形態における工程を示すフローチャートである。 同じく、ドライエッチング時のマイクロローディング効果を示すグラフである。 同じく、ドライエッチング時のマイクロローディング効果によるエッチング形状を示す図である。 同じく、ドライエッチング時のテーパーエッチング作用を示す図である。 同じく、テーパーエッチング作用によるエッチング形状を示す図面代用写真である。 同じく、スタンパーの形状を示す拡大図である。 同じく、スタンパー作製時のマイクロ・ナノ微細構造体の変更例を示す図である。 従来のマイクロオーダー微細構造体を有するスタンパーの製造工程を示すフローチャートである。 従来のナノオーダー微細構造体を有するスタンパーの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 マスク
1a マイクロオーダー用のマスクパターン
1b ナノオーダー用のマスクパターン
2 露光装置
2a 紫外線光
3a マイクロオーダー用のパターン
3b ナノオーダー用のパターン
4a マイクロオーダーの微細構造側面
4b ナノオーダーの微細構造側面
5 シード層Ni膜
6 反転層
7 スタンパー
7a マイクロオーダーの微細構造
7b ナノオーダーの微細構造
8a マイクロオーダー微細凸部
8b ナノオーダー微細凸部
9a マイクロオーダー微細側面
9b ナノオーダー微細側面
10 基板
11 フォトレジスト
11c 元型

Claims (3)

  1. スタンパーにマイクロオーダーの微細凹凸を形成するためのマイクロオーダー用のパターンと前記スタンパーにナノオーダーの微細凹凸を形成するためのナノオーダー用のパターンとがドライエッチング加工においてマイクロローディング効果とテーパーエッチングとが生じるようにマスクパターンとして混在して設けられたマスクを用いたフォトリソグラフィー工程と、該フォトリソグラフィー工程によりパターン形成がなされた基板に前記マイクロローディング効果と前記テーパーエッチングを活用してマイクロ・ナノ微細凹凸を形成するドライエッチング加工工程と、該ドライエッチングによってマイクロ・ナノ微細凹凸が形成された基板表面上に反転層を設ける工程と、該基板から前記反転層を取り出してスタンパーを得る工程とを有することを特徴とするマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法。
  2. 前記フォトリソグラフィー工程における露光源に紫外線光を用いることを特徴とする請求項1記載のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法。
  3. 前記マスクの前記マイクロオーダー用のパターンが数十μmのオーダーのパターンであり、前記ナノオーダー用のパターンが数μmのオーダーのパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ・ナノ微細構造体を有するスタンパーの製造方法。
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