JP2007156384A - 3次元モールドの製造方法、微細加工物の製造方法、微細パターン成形品の製造方法、3次元モールド、微細加工物、微細パターン成形品及び光学部品。 - Google Patents

3次元モールドの製造方法、微細加工物の製造方法、微細パターン成形品の製造方法、3次元モールド、微細加工物、微細パターン成形品及び光学部品。 Download PDF

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Abstract

【課題】深さと線幅が高精度に形成できる3次元モールド、微細加工物及び微細パターン成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】3次元モールド基体10上にポリシロキサン系材料で構成されるレジスト層を有する被加工体の該レジスト層20に、電子線を照射する照射工程が、後方散乱を発生させず且つ1kV乃至3kVの加速電圧と、400μC/cm2以下の前記ドーズ量を照射条件とする工程を含むことを特徴とし、10nm以内の加工深さ制御と200nm以下の線幅形成を可能にする。
【選択図】図4

Description

本発明は、高精度に形成することのできる電子ビーム照射描画技術による3次元モールドの製造方法、該3次元モールドを用いる微細加工物の製造方法、3次元モールド又は微細加工物を用いる微細パターン成形品の製造方法、これら製造方法によって得られる3次元モールド、微細加工物、及び微細パターン成形品、並びに光学素子に関する。
半導体の微細化に伴い、従来の半導体リソグラフィー技術に替わるリソグラフィー技術が模索されている。その一つとして、電子ビーム照射によってモールドを作製し、これを用いたナノインプリントリソグラフィーがある(例えば、非特許文献1参照。)。これは、ナノメートルオーダーのデザインルールが作製可能な技術である(例えば、特許文献1参照。)。このプロセスの概略は、ナノメートルサイズのパターンが描かれているモールド(型)を基体上のレジストに押し付けて型を転写し、これによって微細パターンを形成するものである。このプロセスでは、レジスト材料として熱可塑性樹脂を用いる。
電子ビーム照射によって作製されたモールドの微細パターンの形成は、まず、ガラス転移温度以上の温度にレジスト昇温してから、モールドをレジストに押し付ける。このままの状態でレジストを降温して固める。ついで、モールドを剥離する。これにより、基体上にパターンを形成することができる。
ナノインプリントリソグラフィーにおいて、最も重要なものは、モールド(型)である。なぜなら、モールドの精度が、製品の精度を決定するからである。作製されたモールドに対しては耐熱性、耐久性などが要求され、モールドの作製方法においては、基体とレジスト層との密着性、レジストの電子線感度、ドライエッチング性、電子線の露光量に応じて加工深さを制御できるアナログ性などが要求されている。
これらの課題を解決するため、例えば、アルコキシシラン基含有ビニル系重合体と硬化触媒とを含有するポジ型レジスト(例えば、特許文献2参照。)、芳香族ポリアミドと酸発生剤とを含むレジスト(例えば、特許文献3参照。)等、レジストの開発がなされている。また、レジストのドライエッチング性に着目し、レジスト層を二層構造とする方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。アナログ性については、加速電圧を低加速電圧範囲で変化させて、電子ビームを照射する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。ナノインプリントリソグラフィーを適用する技術は数多く開示されているが、例えば、微小針状電極を備えた電界放出陰極を作製する方法(例えば、特許文献6参照。)等が開示されている。
従来の電子線照射による微細加工法は、特許文献2、特許文献3に記載されるように、50kV以上、多くは100kV以上の高加速電圧で行なわれ、それに伴い必然的に高い照射量(ドーズ量とも言う)、例えば500μC/cm2以上の照射量が必要となり、105μC/cm2程の照射量を用いる場合すらあり、その結果一回の描画に長時間要することになるなど、生産性が極めて低く、また、装置の面からも高加速電圧を用いたものは、高価格になり、消費電力も大きいといったエネルギー効率の悪いものとなっている。
高い加速電圧を用いる理由は、電子ビーム径を絞りやすく、かつ電子とレジストとの相互作用が少なくなるために、細いビーム径のままレジストを突き抜けて基板内に注入するので、細いビームを所望のパターンに応じて照射を繰り返し行なって、半導体のような二次元モールドのような深さがほぼ一定のパターンを加工するのに有効であることにあるが、反面、該相互作用が少なくなって感度が低下し、それを補うのに高いドーズ量が必要となって、その結果描画に長時間かかるという問題がある。
このように、従来、電子ビーム照射による微細加工法は、二次元モールドパターン作製が主流であり、高さ、深さそれに線幅が変化した三次元パターン作製に適用する例は少なかった。
三次元パターンを作製する場合においても、従来、高加速電圧領域で電圧を固定し照射量を増減させる、いわゆる高加速ドーズ変調方式が一般的に用いられているが、通常、電子ビームレジストが照射量の変化に対して敏感に高さや深ささらに線幅が変わってしまい、制御性が低く、高くても線幅制御と深さ制御が共に50nm程度であり、所望の三次元微細パターンを作製することは困難であった。
さらに、このような高加速電圧によると、通常、入射した電子はレジスト層を通って基板内に注入した後、入射方向に跳ね返って、広い範囲に散乱(後方散乱という)してエネルギーがレジスト内に蓄積され、特に、照射を2箇所行なうとした場合、その相互の照射範囲が狭いと、散乱電子同士が重なり合って(蓄積エネルギーを近接効果という)、その結果、このエネルギーが微細加工パターンの深さ方向及び/又は巾方向の加工精度を乱す要因となっている。
特に、該後方散乱電子の影響によって照射量も変化を受けるため、三次元の微細パターン再現を一層困難なものとしている。
このような後方散乱電子による近接効果を制御し、加工パターン寸法への影響を抑制する方法が種々提案されている。
例えば、高い加速電圧の電子ビーム照射微細加工の場合に、感度が悪いために、別途30kV程度の低い加速電圧の電子ビーム照射を行なって、予め感度を上げておいてから、100kV程度の加速電圧で重ねて照射を行なう方法(例えば、特許文献7参照。)があるが、これらの方法による補正効果は不十分であり、満足できる加工パターン寸法が得られるに至っていない。
そこで、本発明者は、レジスト層の加工深さを制御するために、加速電圧を低領域範囲で固定し、500〜10,000μC/cm2程度の高い範囲でドーズ量(照射量)を変化させる方法を提案し、また、加速電圧を変化させる、特に試料台側の電圧を変えて見かけの加速電圧を変化させることによって、加速電圧と形成される加工深さとがほぼ比例関係となることを明らかにし、優れたアナログ性を呈するレジスト及び基体の加工・作製方法を提案した(例えば、特許文献8参照。)。
しかしながら、この提案では、低い加速電圧と高い照射量によって、加工深さ精度を従来より向上させることはできたものの、未だ不十分であり、さらに、微細線の線幅制御については電子ビーム径の調整によって行なわれ、満足できる線幅制御は得られていない。
線幅制御を電子ビーム径の調整に依らない場合にも、照射量が高ければ微細線の制御は難しいものと考えられる。
さらに、微細パターンの密度あるいは隣接するパターンの間隔によっては、パターンが全部くっついてしまったり、全部抜けてしまったりする場合が多く、微細線の特に線幅を所望の形状に描くことが困難な状況である。
なお、特許文献5では、電子ビームが基板に達成しない低加速電圧範囲で電圧を変化させて、光学特性の優れた薄膜型微小光学素子を作製することが提案されているが、照射量及び加工精度に関する記述は一切なく、低加速電圧の電子ビーム照射する点において特許文献9と同様であるものの、照射量の調整を行なわずに加工精度の高い素子を作製することは期待できないものと考えられる。
このような技術開発の動向のもと、より微細なモールドの加工技術が要求されており、従来のフォトリソグラフィ法あるいは機械加工によっては不可能な、加工深さ10nmの制御が可能な、しかも200nmより狭い線幅が作製できる高精彩のモールド製造技術の開発が熱望されている。
特開2002−192500号公報 特開2002−196494号公報 特開平7−219228号公報 特開昭60−263145号公報 特開昭62−109049号公報 特開平6−196086号公報 特開2005−19426号公報 国際公開第2004/027843 A1号パンフレット S. Y. Chou, P. R. Krauss, and P. J. Renstrom: "Imprint of sub−25 nm vias and trenches in polymers", Appl. Phys. Lett. 67 pp.3114− 3116 (1995) 3114
本発明の第一の課題は、電子線照射時間が短縮された製造効率の高い効率的な3次元モールドの製造方法を提供することである。
また、本発明の第二の課題は、モールドの加工深さを略連続的でアナログ的に、しかも正確に制御可能な3次元モールドの製造方法を提供することである。
また、本発明の第三の課題は、モールドの微細線幅の制御可能な3次元モールドの製造方法を提供することであり、特に加工深さが浅い場合の微細線幅の制御可能な3次元モールドの製造方法を提供することである。
さらに、本発明の第四の課題は、前記3次元モールドを用いる微細加工物の製造方法、3次元モールド又は微細加工物を用いる微細パターン成形品の製造方法を提供することである。
さらにまた、本発明の第五の課題は、これらの製造方法によって得られる3次元モールド、微細加工物、及び微細パターン成形品、並びに光学素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、低領域の加速電圧を用いることによって、一回の描画を短時間で行なえるような高い生産性と消費エネルギーの低減化・効率化及び装置の小型化を図ることとした上で、10nm程度の微小な加工深さ制御が可能な電子線照射微細加工法について検討した。
加速電圧が低くなる程、入射電子との相互作用によってレジストの感度が高くなって現像しやすくなり、言わば軟らかい状態になるため、低加速電圧を用いると生産性向上等の利点が期待できるものの、反面、加工精度の制御が難しくなる問題が発生する。
本発明者は、この問題が10nm程度の加工深さ制御を一層難しくすることを認識し、検討を重ねた結果、ドーズ量の大きさに着目した。
その結果、特許文献8に記載される大きさのドーズ量ではなく、より低領域のドーズ量を使用することが10nm程度の加工深さ制御を行なうのに有効であり、さらに、加速電圧又はドーズ量の一方を固定し他方を変化させると、加速電圧又はドーズ量の増加に伴い加工深さがほぼ比例して深くすることができることを確認した。
また、低加速電圧で加工した場合には加工深さが浅くなるが、このときレジスト層表面における前方散乱の影響によって加工線幅が広がり、明瞭な加工形状になり難いことが明らかとなった。しかし、3次元モールドを形成する場合には、必ず加工深さの浅い部分での加工を必要とする。ここで、200nmを超える線幅のレジスト層の加工は、電子線照射以外の方法で行うことも可能であるが、現在のところ200nm以下の微細線幅の加工は電子線照射でのみ可能である。したがって、1〜3kVの加速電圧で形成される加工深さの浅い部分で且つ200nm以下の微細線幅を制御することは、電子照射によるレジスト層の加工方法において極めて重要な課題である。
そこで本発明者は、低加速電圧を用いた場合において、線幅が200nm程度以下に加工できる電子線照射微細加工法についても検討を重ねた。
しかしながら、本発明者の実験結果によると、凹凸パターンを形成して試ても、ほとんどの場合、所期の計画値(照射する幅)より大きくずれた広い線幅になることが検証され、低加速電圧の場合のパターン制御、特に線幅の制御が極めて難かしいことを認識した。
このような、パターン制御を困難にし、線幅が大きくずれるばかりでなく、崩れたりくっついたりあるいは抜けたりした凹凸パターン状態をつくる要因が、上記の「高感度状態」に加えて、レジスト層に電子ビーム照射を行なうと、低加速電圧の場合、高加速電圧の場合のような後方散乱電子の発生はないものの、レジスト層の電子ビーム入射点を基点にして電子が散乱(前方散乱電子という)して拡がり、この前方散乱電子のエネルギーが加工精度に直接影響する入射点を基点とした表面近傍領域に蓄積されることにあるものと推察される。
本発明においては、このような凹凸パターンの乱れ状態を「前方散乱電子が引き起こす凹凸部(凹凸パターンとも言う)間近接効果」と総称することにする。
しかしながら、本発明者の検証結果によると、高加速電圧を用いた場合には、基板に注入後発生する後方散乱電子と、後方散乱電子よりも少ないものの、前方散乱電子との双方が発生し、しかも後方散乱電子の拡がり範囲はレジスト層全体に及ぶのに対して、低加速電圧を用いた場合には、発生するのはほとんどが前方散乱電子だけであるため、加工精度を左右する因子が少なく、その上、その散乱の拡がりと蓄積がレジスト層の入射点を基点とした表面近傍の狭い限られた領域であるため、後方散乱電子よりもその拡がりを予測しやすく、従って、線幅等の制御をするための解決策の検討がしやすいものと認識した。
本発明者は、このような認識のもとに鋭意実験を重ねた結果、前方散乱電子による上記近接効果の補正にドーズ量の調整が有効であり、低領域の加速電圧と、低領域範囲内で調整したドーズ量を用いて電子線照射を行なうと、200nm以下の線幅が実現でき、パターン乱れのない加工精度の高い3次元モールドを製造することができることを確認した。
本発明者は、このようにして実験と実証を繰り返し行なった結果、加工深さを10nm程度に制御でき、しかも200nm以下の線幅の形成可能とするような電子線照射微細加工法を見出し、次のような発明を創出するに至った。
<1> 基体上にポリシロキサン系材料で構成されるレジスト層を有する被加工体の該レジスト層に電子線を照射する照射工程と、電子線を照射した後のレジスト層を現像してレジスト層に凹凸部を形成する現像工程と、を有し、
電子線の加速電圧及びドーズ量の一方を固定し他方を変化させて連続的に複数回照射した後現像する一連の工程によって、複数回照射における各加速電圧又は各ドーズ量の大きさに比例した加工深さを形成して、加工深さの異なる複数の凹凸部が設けられた3次元モールドの製造方法であって、
前記照射工程が、後方散乱を発生させず且つ1kV乃至3kVの前記加速電圧と、400μC/cm2以下の前記ドーズ量を照射条件とする工程を含むことを特徴する10nm以内の深さ制御と200nm以下の線幅形成が可能な3次元モールドの製造方法。
<2> 前記照射工程において、電子線の加速電圧を50V以下の特定値の刻みで変化させて、基体からの深さ階調を8nm以下の特定値の刻みで、レジスト層に凹凸部を形成することを特徴とする前記<1>に記載の3次元モールドの製造方法。
<3> 前記被加工体のレジスト層を、SOGと有機溶剤とを含む塗布液を基体上に塗布した後、350℃以上の温度でベークして形成することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の3次元モールドの製造方法。
<4> 前記現像工程において、現像液で現像することを特徴とする前記<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
<5> 前記現像工程において、前記現像液による現像時間が、60〜300秒であることを特徴とする前記<4>に記載の3次元モールドの製造方法。
<6> 前記基体と前記レジスト層との間に接着層が設けられた被加工体を用いることを特徴とする前記<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
<7> 前記レジスト層の厚さが、20nm〜10μmであることを特徴とする前記<1>乃至<6>のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
<8> 前記<1>乃至<7>のいずれか1項に記載の方法によって製造されてなる3次元モールド。
<9> 凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドであって、基体からのレジスト層の高さ階調が8nm以下の加工部を有することを特徴とする3次元モールド。
<10> 凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドであって、基体からのレジスト層の線幅が200nm以下の加工部を有することを特徴とする3次元モールド。
<11> 前記<1>乃至<7>のいずれか1項に記載の、基体上に凹凸部を有するレジスト層を設けてなる3次元モールドの製造方法によって製造された3次元モールドのレジスト層に、イオンビームを照射し、前記基体に凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする凹凸部を有する基体からなる微細加工物の製造方法。
<12> 深さ階調が8nm以下の加工部を有する微細加工物。
<13> 線幅が200nm以下の加工部を有する微細加工物。
<14> ダイヤモンド、シリコン、ガラス、サファイア又は耐熱性プラスチックからなることを特徴とする前記<12>又は<13>に記載の微細加工物。
<15> 前記<1>乃至<7>のいずれか1項に記載の方法によって製造された3次元モールドを成形用の型として用い、該3次元モールドに樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該3次元モールドと該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
<16> 前記<11>に記載の方法によって製造された微細加工物を成形用の型として用い、該微細加工物に樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該微細加工物と該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
<17> 前記<8>又は<9>に記載の3次元モールドを成形用の型として用い、該3次元モールドに樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該3次元モールドと該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
<18> 前記<12>又は<13>に記載の微細加工物を成形用の型として用い、該微細加工物に樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該微細加工物と該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
<19> 前記<15>乃至<18>のいずれか1項に記載の方法によって製造された微細パターン成形品。
<20> 高さ階調が8nm以下の加工部を有する微細パターン成形品。
<21> 線幅が200nm以下の加工部を有する微細パターン成形品。
<22> 前記<8>乃至<10>のいずれか1項に記載の3次元モールドを有する光学素子。
<23> 請求項19乃至請求項21のいずれか1に記載の微細パターン成形品を有する光学素子。
本発明によれば、高精度に形成することのできる3次元モールドの製造方法、該3次元モールドを用いる微細加工物の製造方法、3次元モールド又は微細加工物を用いる微細パターン成形品の製造方法、これら製造方法によって得られる3次元モールド、微細加工物、及び微細パターン成形品、並びに光学素子を提供することができる。
1. 3次元モールドの製造方法
本発明の「基体上にポリシロキサン系材料で構成されるレジスト層を有する被加工体の該レジスト層に電子線を照射する照射工程と、電子線を照射した後のレジスト層を現像してレジスト層に凹凸部を形成する現像工程と、を有し、電子線の加速電圧及びドーズ量の一方を固定し他方を変化させて連続的に複数回照射した後現像する一連の工程によって、複数回照射における各加速電圧又は各ドーズ量の大きさに比例した加工深さを形成して、加工深さの異なる複数の凹凸部が設けられた3次元モールドの製造方法であって、前記照射工程が、後方散乱を発生させず且つ1kV乃至3kVの前記加速電圧と、400μC/cm2以下のドーズ量を照射条件とする工程を含むことを特徴する10nm以内の深さ制御と200nm以下の線幅形成が可能な3次元モールドの製造方法」について説明する。
なお、本発明において特定された上記照射条件は、深さを10nm以内に制御しかつ200nm以下の線幅を形成する条件であるが、1つの3次元モールドの複数の凹凸部の中には、当然のことながら、必要に応じて必ずしも深さが10nm以内に制御されず線幅が200nm以下でない部分を形成する場合がある。
そのような場合には、連続的に複数回行なわれる一連の照射工程の中で、本発明において特定された照射条件に加えて、該条件を逸脱した加速電圧あるいはドーズ量を用いて照射し、深さが10nm以内に制御されず線幅が200nmより広い凹凸部を形成することができる。
「後方散乱を発生させない加速電圧」とは、照射された電子ビームが基板内に注入せずにレジスト内で前方散乱だけを実質上発生させる加速電圧で、レジストの厚さも因子となるが、通常、従来のドーズ変調方式で採用されなかった低い加速電圧を意味するものである。従って、本発明においては、以後、「後方散乱が発生しないような加速電圧」を「低い加速電圧」とも言う。
先に説明したように、低い加速電圧を用いた電子ビーム照射の場合に、3次元モールドの加工精度を向上させるには、表面近傍領域に蓄積される前方散乱エネルギーの制御如何に依ることを課題として認識し、本発明においては、前方散乱電子エネルギーが予測しやすい表面近傍領域に蓄積されるために、主として、電子ビームのドーズ量(照射量)のみを調整することによって前方散乱電子エネルギーを制御し、該課題の解決が図られたものである。
低い加速電圧による電子ビーム照射を行なうと、レジストの感度が高くなって、所期の照射パターンサイズ以上の広い範囲でレジスト層が変化して必然的に現像されやすい部分が形成されて、前方散乱電子のエネルギーが蓄積されやすい状態になるために、ドーズ量として、従来技術におけるような、例えば、500μC/cm2以上のような高いドーズ量を用いると、必然的にこの状態を増長させることになるため、本発明における「前方散乱電子が引き起こす凹凸部間近接効果の発生」を制御するための、調整されたドーズ量として、低いドーズ量を選択する。
本発明においては、ドーズ量を調整して、レジスト層内で前方散乱電子が引き起こす凹凸パターン間近接効果の発生を制御することを要件としているが、以後、「調整し選定されたドーズ量」を「低いドーズ量」とも言う。
更に、低い加速電圧による電子ビーム照射を行なうと、加工深さが浅くなるが、上述の通り、前方散乱電子のエネルギーが蓄積されやすい状態になるために、加工線幅が広がる傾向にある。一方で、加工線幅として200nm以下の微細線幅を加工できる方法が熱望されている。
ここで、具体事例として、図1に、レジストとしてAccuglass SOG512B(ラサ工業社製)を用い、1kV、2kV、3kVの加速電圧で、500μC/cm2のドーズ量の電子線を照射して、設計値200nmのラインパターンを形成したときのレジスト層の電子顕微鏡写真を掲載する。そのときの加工深さと加工線幅を下記表1に示す。
図1の写真及び表1に示すように、加速電圧が低くなるほど、つまり加工深さが浅くなるほど、現像後の線幅が広がってしまう様子が分かる。この結果は、レジスト層表面では、前方散乱電子のエネルギーが蓄積されやすくなるとの推測に一致し、蓄積されたエネルギーによって現像後の線幅が広がるものと考えられる。
そこで、所望する200nm以下の加工線幅を得るには、前方散乱電子のエネルギーが蓄積されないように、或いは蓄積されてもレジスト層が現像によって必要以上の線幅に広がらないようにする必要がある。
発明者の鋭意研究によって、1〜3kVの加速電圧によって形成される加工深さの浅い条件下で、200nm以下の加工線幅を得るには、400μC/cm2以下のドーズ量としなければならないことを見出した。400μC/cm2以下のドーズ量であれば、レジスト層表面近傍での加工深さであっても、200nm以下の加工線幅を形成することができる。
低加速電圧を用いて電子線照射加工によって形成される線幅(実際値)は、前方散乱電子の影響により、多くの場合、実際に照射した幅(設計値)より大きくずれた広い幅になってしまうことは、先述したとおりである。
微細加工する場合には、複数の線を線と線の間にスペースを設けて行なうのが実用上一般的であるが、設計値とのずれが大きすぎる線が形成されると、線はスペース部分まで拡がるばかりでなく、場合によっては隣接する線と重なってしまうことになる。
従って、本発明の加速電圧1〜3kVでドーズ量が400μC/cm2以下の照射条件は、単一線パターンの形成を可能とするのみならず、上記のような複数線の不具合なパターン状態の形成を回避し、200nm以下の線幅加工を可能とし、設定されたものである。
本発明者の検証結果によると、設計値に対する実際値の倍率(線幅拡大率)1〜2.5程度が実用的であり、2.5倍を越えると上記の不具合なパターン状態を発生しやすい傾向になることを確認した。
具体例として、後述の実施例における試料2−2のレジストとしてAccuglass SOG512B(ラサ工業社製)を用い、80〜400μC/cm2の各ドーズ量において、加速電圧を3kVに固定して照射した場合の、図2は加工線幅の設計値と現像後の線幅(実際値)との関係を、また図3は、設計値と該設計値に対する実際値との比(線幅拡大率)との関係を示す。
図2に示されるように、ドーズ量が400μC/cm2以下の場合には、全ての設計値に対して、200nm以下の線幅が形成されていることを示し、500μC/cm2の場合には、設計値を90nmにすると、200nm以下の線幅が形成されないことを示している。
図3に示されるように、ドーズ量が400μC/cm2以下の場合には、線幅拡大率が全て2.5以下で複数線の形成ができ実用的であるが、500μC/cm2の場合には線幅拡大率が実用限界値の2.5を越える場合があることを示している。
従って、3kVの加速電圧を用いる場合には、線幅が200nm以下の線パターンが単一線でも複数線でも形成可能するには、400μC/cm2以下でありさえすれば良いが、特に200μC/cm2以上であることがより好ましい。
以上、加速電圧を3kVに固定した場合について説明したが、加速電圧が1〜3kVの場合、3kVの場合が線幅が最も狭く、加速電圧が低い程前方散乱電子の拡がりが高くなって、形成される線幅が広くなる傾向になる。
従って、3kV未満、例えば1kVとか2kVの加速電圧を用い、400μC/cm2以下の場合200nm以下の線幅形成ができたが、500μC/cm2の場合には200nm以下の線幅形成ができない場合があり、さらに線幅拡大率がさらに広がることが確認された。
本発明における、上記の加工精度をあげるためのドーズ量を調整し決める作業(つまり、所望の加工線幅を得るためのドーズ量を決定する作業)は、特に限定されないが、以下に一例を挙げる。
(1) 電子ビーム照射条件(電子ビーム電流、加速電圧)から、モンテカルロ・シミュレーションによって、二次電子の拡がり(前方散乱電子)程度を解析し、解像度を予測し、線幅、深さ方向への現像液に対して溶けやすくなる領域を想定する。
(2) (1)で確認された条件によって、レジストに実際に電子ビーム照射をする。
(3) (2)の照射後、現像液を用いて現像し、現像度合いを観て、形成されるパターンの程度を測定し確認する。
(4) (3)で形成されたパターンが所期のものであれば、そのドーズ量を用い、そうでない場合には、(1)〜(3)の必要な事項から繰り返し行ない、適当なドーズ量を割り出す。
このようにして、設計値と実際値のデータを予め蓄積しておいて、本発明においてはこのデータを使って、所望の深さと線幅を持つ3次元モールドを作製することができる。
本発明は、後方散乱電子の発生のない低加速電圧を用いるという条件下で、かつ前方散乱電子のエネルギーの蓄積による加工線幅の広がりを、低いドーズ量を用いて抑制することを特徴とするものである。
加速電圧とドーズ量を上記範囲内とするのであれば、本発明における電子ビーム照射条件として、所期の凹凸パターンに応じて、加速電圧を本発明の範囲内の特定値に固定し、ドーズ量を本発明の範囲内で変化させて行なうことも、加速電圧を本発明の範囲内で変化させ、ドーズ量を本発明の範囲内の特定値に固定して行なうこともでき、特に3次元モールド特有の高低差のある深さの微小な加工を可能とするものである。
本発明のこのような微細加工法によると、深さ制御を10nm程度以下で、微細線幅を200nm以下に制御された3次元モールドの作製が可能となり、本発明者の実験によると、6nm程度の深さ制御された3次元モールド及び30nmの微細線幅に制御された3次元モールドも得られている。
なお、「深さ制御」とは、レジスト表面からパターンの底までの絶対値を意味するものではなく、加速電圧さらにはドーズ量の調整によって、レジスト層に形成された凹凸の高さの差分、つまりレジスト層に形成された凹凸の高さ階調を意味するものである。
本発明の3次元モールドの製造方法は、このような精密な深さ制御が可能であり、且つレジスト表面層付近においても微細な線幅の加工を行うことできるため、これまでの方法では得られなかった3次元モールドの形状を得ることができる。また、レジスト層の表面まで有効に3次元モールド形成のために利用できるため、レジスト層を無駄なく使うことができる。よって、レジスト層を不要に厚く形成する必要が無くなり、レジストの使用量を削減することができる。
本発明の凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドの製造方法は、基体上にレジスト層を有する被加工体の該レジスト層に電子線を照射する工程と、電子線を照射した後のレジスト層を現像してレジスト層に凹凸部を形成する工程を有するものである。
3次元モールドの作製工程を図4の(1)〜(3)に示す。図4では、レジスト層形成工程、照射工程、及び現像工程を有する。なお、図4(2)において、右側のパターンでは電子ビームが基板まで到達しているため、後方散乱が発生していると考えられる。
1−1.基体上にレジスト層を有する被加工体の作製
基体上にレジスト層を有する被加工体としては、電子線照射工程を行う以前に、別途独立に作製しておいたレジスト層を用いる、あるいはレジスト層形成工程、電子線照射工程、現像工程を順次行う一連の工程の中の一つのレジスト層形成工程において作製されるレジスト層を用いるものが包含される。
一連の工程の中の一つのレジスト層形成工程について、以下に説明する。
まず、基体10の上にレジストを塗布する。レジストはネガ型、ポジ型のいずれでもよいが、酸素エッチング耐性が高く、かつ高解像度になり、加工深さ方向の制御(アナログ性)が良好である観点から、本発明では、ポリシロキサン系材料を用いる。
ポリシロキサン系材料としては、従来一般的に知られているものが適用可能であり、例えば、シリケート(Silicate)、水素化シロキサン(Hydrogen Siloxane)、Ladder Hydrogen Silsesquioxane、水素化シルセスキオキサン(Hydrogen Silsesqioxane:HSQ)、水素化アルキルシルセスキオキサン(Hydrogen Alkylsilsesquioxane:HOSP)などのような無機系のものと、Accuglass 512Bとして知られているメチルシロキサン(Methyl Siloxane)、Ladder Methyl Silsesquioxaneなどのような有機基を有するものがある。
また、ポリシロキサン系材料を用いる場合、レジストを剥離せずに、凹凸が形成されたレジスト層(SOG)をそのまま微細パターン成形品の成形用の型として用いることができる。したがって、レジストの剥離操作が不要となり、作製の操作が簡略となる。
レジストの塗布方法は、いずれの方法であっても良く、浸漬法、スピンコート法、蒸着法、スプレー法等を適用することができるが、塗布膜の厚さの制御のしやすさから、スピンコート法が好ましい。塗布液の溶媒は、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ブタノール等の有機溶媒を適用することができ、より好ましくは、イソプロピルアルコール、アセトン、エタノール、ブタノールを用いる場合である。
次に、塗布したレジストをベークして一定量の溶媒を除去する。ベーク温度は、レジストや溶媒の種類によって好適範囲は異なるが、3次元モールドを高精度に作製するには、ベーク温度が極めて重要な因子である。ベーク温度としては、350℃以上であることが好ましく、より好ましくは、350〜550℃であり、更に好ましくは、400〜450℃である。ベーク時間は、10〜300分が好ましく、30〜120分が好ましい。
形成されたレジスト層20の膜厚は、電子ビームの加速電圧の大きさに依り後方散乱が発生させない厚さであり、特に限定されず、20nm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは100nm〜1.2μmであり、さらに好ましくは200nm〜600nmである。10μmを超える膜厚では、均一なレジスト膜厚を得ることが難しく、20nmより薄い場合には、均一にスピンコートをすることが難しい。また、薄い膜厚の場合には、照射時に、後方散乱が発生しないように加速電圧を調整することが困難である。
1−2.照射工程
ベーク後、電子ビームを照射する。
本発明における電子ビームの加速電圧としては、後方散乱電子を発生させないことを前提とした1〜3kVに特定され、極めて低い範囲を適用する。
本発明における電子ビームのドーズ量としては、400μC/cm2以下に特定される。ドーズ量が400μC/cm2を超える場合には、「前方散乱電子が引き起こす凹凸部(凹凸パターンとも言う)間近接効果の発生が起こしやすく、前方散乱電子のエネルギーが蓄積されやすくなり、線幅制御が困難になる。特に、照射点に近いレジスト表面においてこの傾向が大きくなり、加工線幅が広がり、またパターンのエッジ部分が丸くなりやすい。
本発明におけるドーズ量の調整・選定は、深さ制御ばかりでなく線幅制御に重要である。
深さ制御には300μC/cm2以下であることが好ましく、80〜200μC/cm2であり、更に好ましくは100〜200μC/cm2である。100〜200μC/cm2の場合には、線幅制御が良好であることに加えて、加工深さと加速電圧との関係が線形的になり加速電圧を変動させたときの加工深さの制御が良好となる。
レジストの材料を変更する場合には、ドーズ量を適宜変更することが好ましい。
なお、本発明においては、ドーズ量が400μC/cm2以下と低いため、露光時間が短縮できる。一方、ドーズ量が400μC/cm2を超える場合、露光に時間がかかりすぎてしまうため、一回の露光で数週間程要する場合がある。また、加速電圧やドーズ量に対する加工深さの関係が1次関数を外れ、線形性が悪くなる場合がある。
電子ビーム径は、10nm以下であることが好ましく、3nm以下がより好ましい。ビーム径の下限は、ビーム径を絞ることができれば、特に制限はない
加工深さは、ドーズ量を固定して加速電圧を変化させることで変化させることができるが、ドーズ量によっても変化するため、目的の残存深さにするには、ドーズ量との兼ね合いで加速電圧を調整することが好ましい。
同様に、レジスト層が現像後に残存する部分の幅は、ドーズ量を調整することで調節することができるが、加速電圧によっても変化するため、目的の残存の幅にするには、加速電圧との兼ね合いでドーズ量を調整することが好ましい。
加速電圧を固定してドーズ量を変化させて高い精度の3次元モールドを得るためには、加速電圧を1〜3kVに固定して、ドーズ量が20〜400μC/cm2であることが好ましく、特に20〜300μC/cm2であることがより好ましい。
このように加速電圧を固定してドーズ量を変化させて電子線照射を行なう場合、ドーズ量を15〜40μC/cm2内の特定値、例えば、20μC/cm2で刻んでドーズ量を増やしていくと、微細に制御された高い加工深さ精度の階段構造の3次元モールドを製造することができる。
一方、本発明において、ドーズ量を固定して加速電圧を変化させて高い精度の3次元モールドを得るためには、加速電圧を1〜5kVに固定して、ドーズ量が20〜400μC/cm2であることが好ましく、特に20〜300μC/cm2であることがより好ましい。
このように加速電圧を固定してドーズ量を変化させて電子線照射を行なう場合、ドーズ量を15〜40μC/cm2内の特定値、例えば、20μC/cm2で刻んで、ドーズ量を増やして照射すると、微細に制御された高い加工深さ精度の階段構造の3次元モールドを製造することができる。
例えば、加速電圧を30V以下の特定値の刻みで変化させると、基体からの高さ階調を6nm以下の特定値の刻みで、レジスト層に凹凸部を形成することができる。
線幅は、電子ビーム径に比例するために、電子ビーム径を調整することによっても、100nm以下、さらには80nm以下、調整によっては10nm程度に、微細に形成することができる。電子ビーム径は、3nm程度まで集束可能であり、ナノオーダーの線幅でレジスト層を加工することができる。
しかしながら、電子ビーム径を細くするにはビーム電流を下げる必要が出てきて時間がかかり、結局生産効率の低下に繋がることになる。また、所望の電子ビーム径に調節するのは難しく煩雑な操作を要する。そこで、可能な限り電子ビーム径を最小値となるように固定した上でドーズ量等を調節することで、目的の加工線幅を得ることが好ましい。
1−3.現像工程
電子線を照射後、レジスト層を現像する。ポジ型レジストの場合、露光部が現像によって取り除かれ、ネガ型レジストの場合は、非露光部が現像によって取り除かれる。SOGの場合、ドーズ量によってポジ型・ネガ型のいずれをも呈する。
本発明において、調整し選定したドーズ量が400μC/cm2以下の場合には、この条件でSOGを用いると、ポジ型レジストとして機能するが、条件によっては、ネガ型レジストとして機能させることもできる。
現像は、現像液によって行ってもよいし、熱脱離処理で行ってもよい。
現像液は、フッ酸緩衝液などを用いることができ、現像時間は、30〜300秒が好ましく、60〜120秒がより好ましい。
現像液による現像の場合、浸漬法、スピンコーター上での噴霧法、スプレー法などの現像方法を適用することができる。現像液で現像を行った後は、純水でリンスを行う。
熱脱離処理による現像も適用することができる。電子ビームを照射したレジスト層を加熱するとレジスト層表面に穴が形成され、その穴の面積が拡大することによって、レジスト層が現像される。
2.3次元モールド
本発明における3次元モールドの「3次元」とは、モールド内の複数の加工部に高低(深さ)又は幅に違いのある凹凸部を意味するものである。
本発明における3次元モールドは、レジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドであって、基体からのレジスト層の高さ階調が8.0nm以下の加工部を有することを特徴とする。さらに好ましくは、基体からのレジスト層の高さ階調が6.0nm以下の加工部を有する。このような3次元モールドは、上記製造方法によって得ることができる。
基体には、ダイヤモンド、炭化ケイ素、シリコン、ガラス、サファイア又樹脂等を用いることができる。
ダイヤモンドは、超高硬度であるために、繰り返しインプリントを行う際に長寿命や圧力による変形がないことが期待されている。また、ダイヤモンドは低熱膨張係数を有するため、加熱工程を有するインプリントの場合、基体を含むモールドの寸法変化が小さく精密なパターン転写が期待できる。さらに耐薬品耐性が大きいため、モールドが汚れた場合でも洗浄が行え、その洗浄工程でのモールドの損傷が少ないといった様々なメリットが期待できる。
ダイヤモンドを基体として用いる場合、天然ダイヤモンド、高温高圧合成によるバルクダイヤモンド又は気相合成によるダイヤモンド膜のいずれであっても同様の微細加工が可能である。気相合成によるダイヤモンド膜である場合には、(111)又は(100)面に配向しているダイヤモンド結晶が、均一なエッチングが可能である点で好ましい。また、前記ダイヤモンドは、不純物元素がドーピングされた半導体ダイヤモンドであってもよい。半導体ダイヤモンドの場合、電子デバイスへの適用も可能となる。ダイヤモンドの高耐摩耗性を利用して、工具及びマイクロマシーン用へも適用が可能である。
サファイアは、ダイヤモンドには及ばないが高強度の材料である。また、紫外光を透過するので、光硬化工程を有するナノインプリントには最適の材料である。
基体としてシリコンを用いる場合、アモルファスシリコン、単結晶シリコンのいずれであってもよい。単結晶シリコンの場合、結晶面については特に制限がないが、(110)面を有することが好ましい。シリコン酸化層や窒化層についても同様である。このような結晶面を有すると、後述する微細加工物の製造方法において、イオンビームによるエッチングが良好である。
ガラスは、耐熱性や、紫外線の透過率等の性能から、石英ガラスであることが好ましい。サファイアと同様、紫外光を透過する場合、光硬化工程を有するナノインプリントには最適の材料となる。
基体としての樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルイミド、キャストナイロン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチックなど、耐熱性プラスチックを用いることができる。
また、前記基体と前記レジスト層との間には、接着層を設けても良い。接着層は、PMMA、シランカップリング剤、金属薄膜で形成されることが好ましい。
接着層を設ける場合、接着層の厚みは、0.1〜1nmであることが好ましく、2〜10nmであることが好ましい。
凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる本発明の3次元モールドは、光学素子等に用いることができ、例えば、フレネルゾーンプレート、回折格子、バイナリ−光学素子、ホログラム光学素子、反射防止膜、CDやDVDなどのメディア等を挙げることができる。
また、3次元モールドを微細パターン成形品の成形用の型として用いることもできる。
3. 微細加工物の製造方法
本発明の微細加工物の製造方法は、上記3次元モールドの製造方法によって得られた、基体上に凹凸部を有するレジスト層を設けてなる3次元モールドに、イオンビームを照射し、前記基体に凹凸部を形成する工程(図4の(4))を有することを特徴とする。
SOGは主成分がシリコンの酸化物で構成されているため、酸素イオンビームを使ったドライエッチングに対して加工速度が低いという特徴がある。一方、基体に用いるダイヤモンドやプラスチックなどの材料の主成分は、炭素や炭化水素分であり、酸素イオンビームエッチングに対して加工速度が高いといった特徴がある。この特徴を生かして、SOGを酸素イオンビームに対するマスクとして用いる場合、SOGがイオンビームエッチングでなくなるまで加工すると、基体に三次元のパターンが掘り込める。
イオンビームとしては、酸素イオンビーム、アルゴンイオンビーム、CF4、CHF3、SF6、Cl2などを用いることができる。
酸素イオンビームでの照射は、加速電圧50〜3000Vが好ましく、100〜1500Vが好ましい。マイクロ波パワーは、50〜500Wが好ましく、100〜200Wがより好ましい。酸素ガス流量は1〜10sccmが好ましく、2〜5sccmがより好ましい。イオン電流密度は、0.5mA/cm2以上が好ましく、1mA/cm2以上がより好ましい。
基体が石英の場合は、アルゴンイオンビームを用いることが好ましい。
加速電圧やドーズ量を変更することで、基体の加工深さを変えることができる。また、加速電圧を30V以下の間で変化させると、高さ階調が6nm以下の加工部を有する微細加工物をえることができる。
4.微細加工物
本発明の微細加工物は、上記方法によって、高さ階調が8nm以下の加工部を有する。さらに好適には、高さ階調が6nm以下の加工部を有する。
微細加工物の材質は、上記3次元モールドの基体で説明したものであり、ダイヤモンド、炭化ケイ素、シリコン、ガラス、サファイア又樹脂等を用いることができる。
この微細加工物は、次に説明する微細パターン成形品の成形用の型として用いることができる。
5.微細パターン成形品の製造方法
本発明の微細パターン成形品の製造方法は、上記3次元モールド又は上記微細加工物を成形用の型として用いる。微細加工物に樹脂を押し付ける際、樹脂のガラス転移温度よりも高い温度に設定して樹脂を軟らかくした上で、樹脂に型を押し付けた後、樹脂を硬化し、その後、型と樹脂とを剥離する。
微細パターン成形品の作製工程を図5に示す。
ガラス40と型の間に樹脂30を挟みこみ(図5(1))、圧力を一定に保ったまま(図5(2))、樹脂30を硬化する(図5(3))。その後、型を引き離すと、ガラス40上に樹脂30の微細パターン成形品が形成される(図5(4))。図5では、型として、基体上に凹凸部を有するレジスト層を設けてなる3次元モールドを用いているが、上述の通り、基体に凹凸を形成してなる微細加工物を用いてもよい。
本発明の微細パターン成形品の製造方法においては、型と樹脂との剥離が良好であることが望ましい。型が樹脂などの有機物で形成されている場合、型の剥離がし難くなる。したがって、SOG等の無機レジストを用いて形成された3次元モールドか、無機物の基体を用いて製造された微細加工物を、型として用いることが好ましい。
また、型が剥離しやすいよう、型の表面に剥離剤を付与しておくことも好ましい。剥離剤としては、シランカップリング剤を挙げることができ、剥離しやすいよう金属薄膜を設けることも好ましい。しかし、剥離剤も繰り返しインプリントすると剥がれるため、できれば剥離処理なしで行えることが好ましい。なお、基体にサファイアを用いた微細加工物を型として用いると、剥離性が良好である。
微細パターン成形品を製造するための樹脂は、熱硬化樹脂、光硬化樹脂など、いずれであってもよい。
熱硬化樹脂としては、PMMA等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド等を挙げることができ、PMMA等のアクリル系樹脂が好ましい。
光硬化樹脂としては、紫外線等で硬化する樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、及びこれらの混合物を挙げることができる。
なお、光硬化性樹脂を用いる場合、基体かモールドが紫外線等の光を透過するものでなければならない。一方、熱硬化樹脂を用いると加熱工程が必要となり、またモールドも熱によって劣化しやすいため、耐熱性のある樹脂を適用することが好ましい。
基体としてプラスチックを用いた3次元モールドや微細加工物の場合、型が軟らかいため、曲面へのインプリントも可能である。また、プラスチックは安価であるので、使い捨てのバイオチップなどへの利用も好適である。
6.微細パターン成形品
本発明の微細パターン成形品は、高さ階調が8nm以下の加工部を有する。好適には、高さ階調が6nm以下の加工部を有する。
得られた微細パターン成形品や3次元モールドは、その形状と材質から、光学素子に用いることができる。例えば、フレネルゾーンプレート、回折格子、バイナリ−光学素子、ホログラム光学素子、反射防止膜、CDやDVDなどのメディア等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<レジスト層の形成>
シリコン基板上に、メチルシロキサンポリマーと有機溶媒(主成分としてメチルイソブチルケトンを含む)とを含有するAccuglass SOG512B(ラサ工業社製)を300rpmで3秒間、3000rpmで10秒間スピンコートし、450℃60分間ベークした試料1を作製した。試料1の膜厚を測定したところ、約500nmであった。
<電子線の照射>
上記で得られた試料1に電子線を照射した。電子線照射には、走査型電子顕微鏡ERA−8800FE(エリオニクス社製)をパソコン上の描画パターンを露光できるように改造したものを用いた。
加速電圧を2kVに固定し、ドーズ量を20〜400μC/cm2のいずれかに固定し、加工線幅の設計値を変化させて、試料1に電子線を照射した。なお、照射時のビーム電流は1.6pAとして、ビーム径を20nmに固定した。
<現像>
照射後の試料1を、フッ酸緩衝液(HF:NH4F=1:1混合液)中に90秒間浸漬した後、純水でリンスした。
<結果>
現像後の加工線幅を走査型電子顕微鏡ERA−8800FE(エリオニクス社製)を用いて測定した。
加速電圧を2kVに固定し、ドーズ量を200μC/cm2とし、加工線幅の設計値を90nmとしたときに得られた現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で写真で観察したところ、加工線幅が140nmであった。
加速電圧を2kVに固定し、ドーズ量を300μC/cm2とし、加工線幅の設計値を90nmとしたときに得られた現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で写真で観察したところ、加工線幅が180nmであった。
加速電圧を2kVに固定し、ドーズ量を400μC/cm2とし、加工線幅の設計値を90nmとしたときに得られた現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で写真で観察したところ、加工線幅が195nmであった。
加速電圧を2kVに固定し、ドーズ量を500μC/cm2とし、加工線幅の設計値を90nmとしたときに得られた現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で写真で観察したところ、加工線幅は225nmであり、200nm以下の線幅を得ることは出来なかった。
[実施例2]
実施例1と同様にして試料1を用いて、加速電圧を1kVに固定し、ドーズ量を80μC/cm2とし、加工線幅の設計値を90nmとしたときに得られた現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で写真で観察したところ、加工線幅が110nmであった。
[実施例3]
実施例3以降では、本発明と比較例との比較を行うべく、本発明に該当しない3次元モールドの製造方法についても実施例中に記載する。
<レジスト層の形成>
シリコン基板上に、メチルシロキサンポリマーと有機溶媒(主成分としてメチルイソブチルケトンを含む)とを含有するAccuglass SOG512B(ラサ工業社製)を300rpmで3秒間、3000rpmで10秒間スピンコートし、300℃60分間ベークした試料2−1と、同回転でスピンコートし425℃60分間ベークした試料2−2を作製した。試料2−1と試料2−2の膜厚を測定したところ、それぞれ約500nmであった。
<電子線の照射>
上記で得られた試料に電子線を照射した。電子線照射には、走査型電子顕微鏡ERA−8800FE(エリオニクス社製)をパソコン上の描画パターンを露光できるように改造したものを用いた。
加速電圧を1〜30kVのいずれかに固定し、ドーズ量を20〜400μC/cm2で変化させて、試料2−1及び2−2に電子線を照射した。
また、ドーズ量を20〜500μC/cm2のいずれかに固定し、加速電圧を1〜5kVで変化させて、試料2−2と2−1に電子線を照射した。
いずれの試料の照射も、加速電圧が1〜10kVの場合は、ビーム電流を1.6pAとして、ビーム径を20nmに固定し、加速電圧が30kVの場合は、ビーム電流を3.2pAとして、ビーム径を3nmに固定した。
<現像>
試料2−1及び2−2は、フッ酸緩衝液(HF:NH4F=1:1混合液)中に90秒間浸漬した後、純水でリンスした。
<結果>
形成された凹凸の加工深さを、段差測定器(Tencor Alpha−Step500;KLA−Tencor Co.製)を用いて測定した。
図6及び図7には、425℃でベークしたSOG層を有する試料2−2について、加速電圧を固定した場合に得られた加工深さとドーズ量との関係を示した。
図6は、ドーズ量が多くなるほど加工深さが深くなる相関関係(以下、「線形性」と称する場合あり。)を示しており、本発明のモールドの加工深さを略連続的でアナログ的に、しかも正確に制御可能とする目的は達成されている。
しかしながら、加速電圧が5kVの場合には、ドーズ量が50μC/cm2程度を境にして急激に傾きが大きくなっている。
これは、試料2−2のようなレジストの膜厚が500nmの場合に、4kV程度以上の加速電圧をかけると、照射電子がレジストを貫通し、その結果後方散乱電子が発生し、この後方散乱電子のレジスト内での拡がりの影響によって、レジストの感度が上がり掘れやしくなって、深さが急に深くなって、傾きが大きくなっているものと考えられる。
従って、この図6に示される実施例では、後方散乱電子の発生のない加速電圧が1kV〜3kVの場合の方が、後方散乱電子の影響があると思われる5kVの場合よりも、はるかに高い精度のモールドを得ることができる。
さらに、加速電圧を5kVに固定し、ドーズ量を20〜300μC/cm2まで20μC/cm2毎に増やした。このときに得られた3次元階段構造のパターンを図8に示す。
図8に示すように、特に、60μC/cm2以降300μC/cm2までは、ドーズ量を増やす毎に、深さが深くなっていくことがわかる。このように、ドーズ量を変化させることによって、ドーズ量に対応した加工深さを有する三次元階段構造のパターンが作製できることが明らかとなった。つまり、本発明の方法では、加速電圧を1〜3kVとして表面層近傍で加工する場合において線幅制御性に極めて優れているが、加速電圧を5kVとして、加工深さを深くした場合であっても、精密な深さ制御を行うことができることを示している。
なお図8では、特に、60μC/cm2〜300μC/cm2の範囲において深さ制御性が良好であったが、レジスト材料を変更したり、ベーク温度を変更したりした場合には、20μC/cm2、あるいは40μC/cm2でも加工できる場合がある。
図9には、300℃でベークしたSOG層を有する試料2−1について、加速電圧を固定した場合に得られた加工深さとドーズ量との関係を示した。図9に示すように、ベーク温度が425℃の場合と同様、ドーズ量が多くなるほど加工深さが深くなることが分かった。
しかし、ドーズ量に対しての加工深さの相関関係(線形性)は、ベーク温度425℃の場合の試料2−2の方が良好であり、高精度な3次元の形成には、ベーク温度を300℃よりも425℃で行うことが好適であることが判明した。
図10及び図11には、425℃でベークしたSOG層を有する試料2−2について、ドーズ量を固定した場合に得られた加工深さと加速電圧との関係を示した。図10に示すように、加速電圧が高くなるほど加工深さが深くなることが分かった。
しかしながら、加速電圧が高くなると線形性が悪くなる傾向が観察されるが、これは、図6についての先の説明と同様に、後方散乱電子の発生がその一因ではないかと考えられる。
また、図10では、60μC/cm2〜500μC/cm2のドーズ量では、加速電圧が高くなるほど加工深さが深くなっているが、500μC/cm2のドーズ量の場合に形成されたパターンを観察すると、パターンの線幅が予定の線幅よりも大きい場合があった。これは「前方散乱電子が引き起こす凹凸部間近接効果」が発生したものと思われる。特にレジスト層表面は光源に近いため、パターンのエッジ部分が丸くなる傾向にあった。しかし、400μC/cm2以下のドーズ量の場合には、パターンのエッジ部分が丸くなり難かった。したがって線幅の線幅についても精密に制御する場合には、ドーズ量を400μC/cm2以下とすることが好ましいことが分かった。
更に、図10において、80μC/cm2〜200μC/cm2のドーズ量では、加速電圧と加工深さとの関係における線形性が良好であり、加速電圧による加工深さの制御に優れることが分かった。
図11では、80μC/cm2〜500μC/cm2のドーズ量では、加速電圧が高くなるほど加工深さが深くなっているが、500μC/cm2のドーズ量の場合に形成されたパターンを観察すると、パターンの線幅が予定の線幅より大きい場合があった。これは、「前方散乱電子が引き起こす凹凸部間近接効果」が発生したものと思われる。特にレジスト層表面は光源に近いため、パターンエッジ部分が丸くなる傾向があった。しかしながら、ドーズ量が低くなるに従って、この傾向は少なくなることが観察された。
[実施例4]
実施例3と同様の方法で試料2−1(SOG層で300℃ベークしたもの)を準備し、これに、ドーズ量を400μC/cm2固定し、加速電圧を30Vの刻みで変化させて電子線の照射を行った後、実施例1と同様の方法で現像を行った。得られた試料のパターンを実施例1と同様の方法で測定した。
図12は、その結果の一部について加速電圧と加工深さとの相関関係を示したグラフであり、縦軸は加速電圧が2000Vの場合形成される加工深さ130nmを基点とした、
加工深さの差分を6nm毎に刻んで表し、横軸は、2000Vを基点として30V毎に刻んだ加速電圧を表したものである。
[参考例1]
<熱脱離処理による現像>
実施例1と同様の方法で試料2−1を準備し、加速電圧10kV,ドーズ量400μC/cm2で、電子線を照射した。その後、真空炉中で、昇温条件60℃/分で1000℃まで温度を上げて現像を行った。その後、室温まで冷却した後、得られた試料のパターンを実施例1と同様の方法で測定したところ、30nmの深さで加工された。
しかしながら、加工深さが浅いため、より深いパターンを得るには、現像液による現像が望ましい。
[実施例5]
<微細加工物の製造>
石英基板上にメチルシロキサンポリマーと有機溶媒とを含有するAccuglass SOG512B(ラサ工業社製)を300rpmで3秒間、3000rpmで10秒間スピンコートし、300℃60分間ベークした。更にもう1層、SOG512B(ラサ工業社製)を300rpmで3秒間、3000rpmで10秒間スピンコートし、300℃で60分間ベークして、試料3を作製した。試料3の膜厚は、1200nmであった。
得られた試料3に電子線を照射した。電子線照射には、走査型電子顕微鏡ESA−2000(エリオニクス社製)をパソコン上の描画パターンを露光できるように改造したものを用いた。ドーズ量を400μC/cm2に固定し、加速圧を1〜10kVの間で1kVの刻みで変化させて電子線の照射を行った後、実施例1と同様の方法で現像を行った。
これにより石英基板上に凹凸を有するSOG層を備える3次元モールドが得られた。形成された凹凸の加工深さを、段差測定器(Tencor Alpha−Step500;KLA−Tencor Co.製)を用いて測定した。その結果を図13に示す。
図13に示された三次元モールドについて、該三次元モールドのSOG層をマスクとして基板である石英上に酸素イオンビームでエッチングを行った。イオンビームエッチング条件は、加速電圧300V、マイクロ波パワー100W、酸素ガス流量3sccmであり、イオンビーム電流密度0.48mA/cm2、加工時間90分で、SOGのマスク(レジスト層)がなくなるまでエッチングを行った。図14に作製した石英モールドのパターンを示す。
エッチング後の石英基板について、段差測定器(Tencor Alpha−Step500;KLA−Tencor Co.製)を用いて形状を測定したところ、SOG層の3次元階段構造に対応した石英の微細加工物(石英モールド)が得られていることが分かった。
[実施例6]
<微細パターン成形品の製造>
実施例5で得られた石英モールドを成形用の型として用いて、微細パターン成形品を製造した。光硬化樹脂はPAK−01(東洋合成工業社製)を用い、インプリント圧力は、0.5MPa、紫外線照射量は1J/cm2とした。
図15に、得られた樹脂の微細パターン成形品のパターンを示す。図14の石英モールドのパターンに対応して忠実にパターンが転写されていることが分かる。
[実施例7]
試料2−2を用いて以下の実験を行なった。
<電子線の照射>
上記で得られた試料6−1に電子線を照射した。電子線照射には、走査型電子顕微鏡ERA−8800FE(エリオニクス社製)をパソコン上の描画パターンを露光できるように改造したものを用いた。
加速電圧を2kVに固定し、ビーム電流を1.6pAとし、ドーズ量を400μC/cm2で電子線を照射した。
<現像>
電子線を照射後、試料6−1を、フッ酸緩衝液(HF:NH4F=1:1混合液)中に90秒間浸漬した後、純水でリンスした。
<結果>
線幅の設計値が45nmにして形成されたレジストパターンの電子顕微鏡写真を図16に示す。
該パターンは、深さが140nm、線幅が140nmで加工されており、加工形状も良好である。このように、本発明の方法によると、精密かつ微細な深さと線幅を有する3次元モールドの形成が可能であることが分かる。
レジストとしてAccuglass SOG512Bを用い、1kV、2kV、3kVの加速電圧で、500μC/cm2のドーズ量の電子線を照射して、設計値200nmのラインパターンを形成したときのレジスト層の電子顕微鏡写真。 加速電圧を3kVに固定し、80〜400μC/cm2の各ドーズ量でレジスト層を照射した場合の、加工線幅の設計値と現像後の線幅(実際値)との関係を示すグラフ。 図2における、加工線幅の設計値と該設計値に対する実際値の比(線幅拡大率)との関係を示すグラフ。 3次元モールド及び微細加工物の作製工程を示す概略図。 微細パターン成形品の作製工程を示す概略図。 実施例3で、加速電圧を固定した場合に得られた加工深さとドーズ量との関係を示すグラフである。 実施例3で、加速電圧を固定した場合に得られた加工深さとドーズ量との関係を示すグラフである。 実施例3で、425℃でベークしたSOG層に対し、加速電圧を5kVに固定し、ドーズ量を変化させた場合の3次元階段構造のパターンを示す図である。 実施例3で、300℃でベークしたSOG層に対し、加速電圧を固定して照射した場合に得られた加工深さとドーズ量との関係を示すグラフである。 実施例3で、425℃でベークしたSOG層に対して、ドーズ量を固定して照射した場合に得られた加工深さと加速電圧との関係を示すグラフである。 実施例3で、425℃でベークしたSOG層に対して、ドーズ量を固定して照射した場合に得られた加工深さと加速電圧との関係を示すグラフである。 実施例4で、加速電圧を30Vの刻みで変化させて電子線の照射を行った場合の加速電圧と加工深さとの関係を示すグラフである。 実施例5で得られた石英基板上のSOG層のパターンを示す図である。 実施例5で得られた石英モールドのパターンを示す図である。 実施例6で得られた樹脂の微細パターン成形品のパターンを示す図である。 実施例7で得られた3次元モールドの凹凸パターン上部から観察した電子写真である。
符号の説明
10 基体
20 レジスト層
30 樹脂
40 ガラス

Claims (23)

  1. 基体上にポリシロキサン系材料で構成されるレジスト層を有する被加工体の該レジスト層に電子線を照射する照射工程と、電子線を照射した後のレジスト層を現像してレジスト層に凹凸部を形成する現像工程と、を有し、
    電子線の加速電圧及びドーズ量の一方を固定し他方を変化させて連続的に複数回照射した後現像する一連の工程によって、複数回照射における各加速電圧又は各ドーズ量の大きさに比例した加工深さを形成して、加工深さの異なる複数の凹凸部が設けられた3次元モールドの製造方法であって、
    前記照射工程が、後方散乱を発生させず且つ1kV乃至3kVの前記加速電圧と、400μC/cm2以下の前記ドーズ量を照射条件とする工程を含むことを特徴する10nm以内の深さ制御と200nm以下の線幅形成が可能な3次元モールドの製造方法。
  2. 前記照射工程において、電子線の加速電圧を50V以下の特定値の刻みで変化させて、基体からの深さ階調を8nm以下の特定値の刻みで、レジスト層に凹凸部を形成することを特徴とする請求項1に記載の3次元モールドの製造方法。
  3. 前記被加工体のレジスト層を、SOGと有機溶剤とを含む塗布液を基体上に塗布した後、350℃以上の温度でベークして形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の3次元モールドの製造方法。
  4. 前記現像工程において、現像液で現像することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
  5. 前記現像工程において、前記現像液による現像時間が、60〜300秒であることを特徴とする請求項4に記載の3次元モールドの製造方法。
  6. 前記基体と前記レジスト層との間に接着層が設けられた被加工体を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
  7. 前記レジスト層の厚さが、20nm〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の3次元モールドの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法によって製造されてなる3次元モールド。
  9. 凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドであって、基体からのレジスト層の高さ階調が8nm以下の加工部を有することを特徴とする3次元モールド。
  10. 凹凸部を有するレジスト層を基体上に設けてなる3次元モールドであって、基体からのレジスト層の線幅が200nm以下の加工部を有することを特徴とする3次元モールド。
  11. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の、基体上に凹凸部を有するレジスト層を設けてなる3次元モールドの製造方法によって製造された3次元モールドのレジスト層に、イオンビームを照射し、前記基体に凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする凹凸部を有する基体からなる微細加工物の製造方法。
  12. 深さ階調が8nm以下の加工部を有する微細加工物。
  13. 線幅が200nm以下の加工部を有する微細加工物。
  14. ダイヤモンド、シリコン、ガラス、サファイア又は耐熱性プラスチックからなることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の微細加工物。
  15. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法によって製造された3次元モールドを成形用の型として用い、該3次元モールドに樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該3次元モールドと該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
  16. 請求項11に記載の方法によって製造された微細加工物を成形用の型として用い、該微細加工物に樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該微細加工物と該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
  17. 請求項8又は請求項9に記載の3次元モールドを成形用の型として用い、該3次元モールドに樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該3次元モールドと該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
  18. 請求項12又は請求項13に記載の微細加工物を成形用の型として用い、該微細加工物に樹脂を押し付けて型を転写する工程と、押し付けた該微細加工物と該樹脂とを剥離する工程と、を有することを特徴とする微細パターン成形品の製造方法。
  19. 請求項15乃至請求項18のいずれか1項に記載の方法によって製造された微細パターン成形品。
  20. 高さ階調が8nm以下の加工部を有する微細パターン成形品。
  21. 線幅が200nm以下の加工部を有する微細パターン成形品。
  22. 請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の3次元モールドを有する光学素子。
  23. 請求項19乃至請求項21のいずれか1項に記載の微細パターン成形品を有する光学素子。
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