JP5045728B2 - 通信ノード - Google Patents
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Description
すなわち、音響信号の伝送に用いることのできる回線数はネットワーク帯域の上限までに限られる一方、物理的に伝送可能な回線数は、ネットワークの構成によって変化し、論理的に計算される上限帯域幅が得られるとは限らなかった。例えば、送信元のノードから末端のノードまでのノード数によってデータが届くまでの時間が変わり、かつ、全ノードにデータが届くまで次の通信をしないため、ネットワークを構成するノード数が多いとデータの転送に時間がかかり、帯域をロスする等である。
一方、リアルタイムのオーディオネットワークシステムではないが、RPR(Resilient Packet Ring)方式に見られるように、ネットワーク内にリング状の伝送経路を形成してその伝送経路にフレームを循環させ、そのフレームに必要なデータを記載してデータ転送を行うデータ転送方式も知られている。このようなリング状の伝送経路を用いる伝送方式を、「リング伝送方式」と呼ぶことにする。
さらに、上記受信インタフェースが上記1サンプリング周期毎にネットワークを巡回する上記伝送フレームを受信した受信タイミングに基づいて音響信号のワードクロックを生成する手段を設け、上記ループ状のデータ伝送経路に含まれる他の通信ノードと上記音響信号のワードクロックを同期化するようにするとよい。
1. この発明の実施形態のオーディオネットワークシステムの概要
1.1 全体構成
まず、図1に、この発明のネットワークの実施形態であるオーディオネットワークシステムの概略を示す。
図1(a)に示すように、このオーディオネットワークシステム1は、それぞれ単方向の通信を行う受信手段である受信インタフェース(I/F)と送信手段である送信I/Fの組を2組備えたノードA〜Cを、通信ケーブルCBで順次接続することにより構成したものである。ここでは3つのノードにより構成した例を示しているが、ノードの数は任意でよい。
なお、図1に示す各ノードは、アナログ入力,アナログ出力,デジタル入力,デジタル出力,ミキシング,エフェクト付与,録音再生,リモート制御,あるいはこれらの組み合わせ等の各種機能を有する音響信号処理装置である。ノード毎に機能が違っていても当然構わない。
そして、オーディオネットワークシステム1内において、1つのノードがマスタノードとなり、音響信号を伝送するためのフレームを生成し、定期的に伝送経路を循環させたり、ネットワークの管理を行ったりする。このマスタノードが生成するフレームを、その他のフレームと区別して「音声伝送フレーム」と呼ぶことにする。
また、各ノードには、必要なI/Fを設ければ、(b)に示すように、外部機器Nを接続し、外部機器Nから受信したデータを音声伝送フレームに書き込んで他のノードに送信したり、音声伝送フレームから読み出したデータを外部機器Nに送信したりすることもできる。
次に、図2に、上述した伝送経路で伝送されるイーサネット(登録商標)形式の音声伝送フレームの構成例を示す。
図2に示すように、この音声伝送フレーム100は、サイズが1282バイトであり、先頭から順に、ヘッダ101,管理データ102,波形データ(オーディオデータ)103,制御データ104,FCS(Frame Check Sequence)105の各領域からなる。各領域のサイズは、その領域に記載するデータ量に関わらずそれぞれ一定である。また、ここで示すヘッダ101とFCS105以外の各領域のサイズは一例であり、適宜変更してよい。
なお、このオーディオネットワークシステム1においては、送信I/Fから送出されるフレームは、1本の接続ケーブルCBで接続された受信I/Fにしか届かないから、アドレスの記載はあまり意味がない。そこで、宛先アドレスとしては、例えばブロードキャストを示すアドレスを記載し、送信元アドレスとしては、送信元ノードのMAC(Media Access Control)アドレスを記載する。
各ノードは、送信I/Fと受信I/Fを2つずつ備えているが、それぞれ別個のMACアドレスを持つのではなく、ノードとして1つのMACアドレスを持つ。また、宛先アドレスとして、ブロードキャストアドレスを記載する代わりに、送信先ノードのMACアドレスを記載するようにしてもよい。さらに、MACアドレスに代えて、各ノードのIDを記載するようにしてもよい。
なお、レベルデータやネットワーク構成情報にそれぞれ専用の領域(例えば10バイト)が設けられているのは、それらのデータを定常的に伝達するためである。
FCS105は、IEEE802.3で規定される、フレームのエラーを検出するためのフィールドである。
次に、図3に、図2に示した音声伝送フレーム100の伝送タイミングを示す。
この図に示すように、オーディオネットワークシステム1においては、音声伝送フレーム100を、96kHz(キロヘルツ)のサンプリング周期1周期である10.4μsec(マイクロ秒)毎に1つ、ノード間で循環させ、各ノードは音声伝送フレームの所望のchへの音響信号の書き込みないし所望のchからの音響信号の読み出しを行うようになっている。従って、各サンプリング周期に、256の伝送chについて、それぞれ1サンプル分の波形データを、各ノード間で伝送できる。
なお、1282バイトの場合、フレーム間の時間間隔を無視すれば、計算上は1sec/10.26μsec=97.47kHzのサンプリング周期まで対応可能であり、96kHzのサンプリング周期であれば、10.4μsec/8ビット/1ナノ秒=1300バイトのフレームサイズまで伝送可能である。しかし、フレーム間には所定時間以上の空きが必要であり、また、フレームの伝送タイミングが前後に揺れる可能性があるので、音声伝送フレームのサイズ(時間長)はそれらを考慮した上で決定される。
ここでは、ノードAからノードDまでの4つのノードをカスケード接続したオーディオネットワークシステムを考える。そして、このシステム内の各ノードに図2に示した音声伝送フレーム100を循環させる場合、いずれか1つのノードをマスタノードに定め、そのノードのみが新たなサンプリング周期の音声伝送フレーム(通し番号の異なる音声伝送フレーム)の生成を行い、サンプリング周期毎に生成された音声伝送フレームを次のノードへ送信する。マスタノード以外のノードはスレーブノードであり、それぞれ前のノードから音声伝送フレームを受信し、次のノードへ送信する転送処理を行う。
そして、マスタノードは、音声伝送フレームが伝送経路を1周して戻ってくると、その音声伝送フレームの管理データ102を書き換えて後のサンプル周期の音声伝送フレームを生成し、適当なサンプル周期での送信に供する。またこのとき、マスタノードも他のノードと同様に音声伝送フレームに対してデータの読み書きを行う。音声伝送フレームの生成については後に詳述する。
なお、各スレーブノードは、音声伝送フレームの全てを受信してからデータの読み書きや次のノードへの送信を行う必要はなく、先頭から必要なバイト数だけ受信したら、データの読み書きや次のノードへの送信の処理を開始してしまってよい。そしてその後、音声伝送フレームの末端まで、受信するのとほぼ同じ速さでデータの読み書きや送信を行って行けばよい。ただし、マスタノードについては、後述する通り、音声伝送フレームの全てを受信してから、その内容に基づいて新たな音声伝送フレームの生成を行うことが好ましい。
そして、ネットワークで伝送される音響信号の伝送遅延(サンプリング周期単位)を最小にしたい場合は、上記のタイムラグの量を考慮して、マスタノードがあるワードクロックのタイミングで送信開始した音声伝送フレームを、次の次のワードクロックより所定時間α(マスタノード内での新音声伝送フレームの準備に係る時間に対応する)だけ前のタイミングに、マスタノードが受信完了できるようにすればよい。
しかし、2サンプリング周期先に送信する音声伝送フレームを生成することは必須ではなく、kを2以上の自然数として、S番目の音声伝送フレームに基づいて、kサンプリング周期先に送信するS+k番目の音声伝送フレームを生成するようにすることも可能である。この場合のkを、「周期更新量k」と呼ぶことにする。
ただし、本システムでは各ノードで受信する音響信号のタイミングを相互に合わせているので、kを大きくしてマスタノードにおける音声伝送フレームの受信完了タイミング遅れを許容できるようにする(許容量はワードクロック単位で定められる)と、その分だけ、伝送される音響信号にワードクロック単位で伝送遅延が生じる。
次に、以上説明してきたような音声伝送フレームの伝送を行うためのハードウェア及びその動作について説明する。
まず、図5に、上述のオーディオネットワークシステム1を構成する各ノードとなる音響信号処理装置のハードウェア構成を示す。
図5に示すように、この音響信号処理装置2は、CPU201,フラッシュメモリ202,RAM203,外部機器I/F(インタフェース)204,表示器205,操作子206を備え、これらがシステムバス207により接続されている。また、外部機器I/F204とシステムバス207とに接続するカードI/O(入出力部)210も備えている。
RAM203は、一時的に記憶すべきデータを記憶したり、CPU201のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
外部機器I/F204は、カードI/O210のオーディオバス217にも接続しており、オーディオバス217を流れる波形データを外部装置に送信したり、外部装置から受信した波形データをオーディオバス217に入力したりすることができる。
操作子206は、音響信号処理装置2に対する操作を受け付けるためのものであり、種々のキー、ボタン、ダイヤル、スライダ等によって構成することができる。
すなわち、各カードで生成されるワードクロックは、マスタとなるカードのワードクロックに同期した共通のクロックとなり、ノード内の複数のカードは、共通のサンプリング周波数で波形データの処理を行う。さらに、各カードは、自身のワードクロックに基づいて処理した波形データ及び処理すべき波形データを、上記の基準タイミングに基づく時分割タイミングで、オーディオバス217を介して他のカードに送信し、また他のカードから受信する。
カードI/O210に装着される各種カードは、そのカードの機能に応じた波形データの処理を、それぞれ、ワードクロック(波形データのサンプリング周期)に基づくタイミングで実行する。
このうち、DSPカード211,212は、オーディオバス217から取得した波形データに対し、ワードクロックに基づくタイミングで、ミキシング、イコライジング、エフェクト付与を始めとする種々の処理を行う信号処理手段である。処理後のデータも、オーディオバス217に出力する。また、複数chの波形データの入力を受け付けて処理し、複数chの波形データを出力することができる。
アナログ出力カード214は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路を備え、オーディオバス217から取得したデジタルの波形データをアナログの音響信号に変換して、スピーカ等の音声出力装置に出力する機能を有する。
また、ここで挙げたもの以外でも、その他カード216として、デジタル入出力、音源、レコーダ、エフェクタ等の、種々のカードモジュールを装着可能とすることが考えられる。
図6に示すように、ネットワークI/Fカード215は、第1,第2のデータ入出力部10,20、第1,第2の受信I/F31,33、第1,第2の送信I/F34,32、セレクタ35〜38、オーディオバスI/O39,制御バスI/O40,制御回路41及びワードクロック生成部42を備える。
受信I/Fは、通信ケーブルCBを伝播する電気信号や光信号からキャリアであるネットワーククロックを抽出し、抽出されたクロックに基づいて該電気信号や光信号からバイト単位(ないしワード単位)のデジタルデータのデータ列を復調して出力する。送信I/Fは、ネットワーククロックと送信すべきバイト単位(ないしワード単位)のデジタルデータ列を入力し、該ネットワーククロックをキャリアとして伝送用の電気信号や光信号に変調して通信ケーブルCBに出力する。
制御バスI/O40は、制御バス218に対して制御用パケット、レベルデータ、ネットワーク構成情報等のデータを入出力するためのインタフェースである。
制御回路41は、CPU,ROM,RAM等を備え、ネットワークI/Fカード215の動作に関する全般的な制御及び、後述するような、音声伝送フレーム以外の存在確認や接続可否確認等のフレームに関する制御を行う。また、制御回路41も、制御バスI/O40及び制御バス28を介してCPU201との間でデータを送受信することができる。
マスタノードにおいては、ワードクロック生成部42は、ネットワークI/Fカード215独自のタイミング、ないし、オーディオバス217を介して供給される他のカードからのワードクロックに同期したタイミングでワードクロックを生成し、そのクロックを音声伝送フレームの送信タイミングの基準としても用いるが、スレーブノードにおいては、ワードクロック生成部42は音声伝送フレームの受信タイミングを基準としてワードクロックを生成する。
第1のデータ入出力部10は、データ抽出部11,波形入力用FIFO12,波形出力用FIFO13,制御入力用FIFO14,制御出力用FIFO15,フレームバッファ16を備える。また、第1の受信I/F31がキャリアとして抽出したネットワーククロックNC1の供給を受けて、それに同期して第1の受信I/F31からのデータの受け取りを行う。ここで、各FIFOは、それぞれ、先に書き込まれたデータが先に読み出されるファーストイン・ファーストアウトのレジスタである。
そしてこのうち、データ抽出部11は、取り込んだデータのうち、読み出すべき伝送chの波形データを波形入力用FIFO12に書き込み、読み出すべき制御データを制御入力用FIFO14に書き込み、それ以外のデータは破棄する機能を有する。そして、波形入力用FIFO12に書き込まれた各伝送chの波形データはオーディオバスI/O39により、ワードクロックに同期して1サンプルずつ読み出され、オーディオバス217を介して他のカードに伝送される。また、制御入力用FIFO14に書き込まれた制御データは、制御バスI/O40を介してCPU201により順次読み出され、音響信号処理装置2の制御に使用される。
また、制御データについては、データ抽出部11での判断は行わず、取り込んだデータが制御データであれば制御入力用FIFO14に書き込み、制御入力用FIFO14から読み出したCPU201が制御データに含まれる送信先アドレス等を解析して参照すべき制御データであるか否かを判断する。先述したように、制御データの伝送では、送信側でパケットを複数に分割して制御データとして送信する場合があるが、そのようなデータに柔軟に対応するためにはCPU201に判断を任せるのが好適である。或いは、データ抽出部11にその分割されたパケットの処理機能を持たせるとともに、制御回路41に、自機のアドレスをデータ抽出部11に対して指示させ、データ抽出部11において、制御データに含まれる送信先アドレスの一致に基づいて参照すべき制御データであるか否かを判断するようにしてもよい。
そして、自機がスレーブノードである場合、フレームバッファ16に音声伝送フレームのデータが所定量(第1の所定量)蓄積されると、蓄積の進行に合わせて、波形出力用FIFO13及び制御出力用FIFO15のデータを、フレームバッファ16の適当なアドレスに書き込んで音声伝送フレームの内容を書き換える。
さらに別の種類のデータを伝送したい場合は、「IPパケット」の領域の一部をそのデータ用の領域としてもよい。なお、第1の所定量の蓄積を検出してそれを書き込みのトリガとする代わりに、音声伝送フレームの取り込みを開始してから所定時間の経過を検出して、それをトリガとして書き込みを開始するようにしてもよい。
このとき、第1のデータ入出力部10の動作クロックが、そのままネットワーククロックNC2として、第2の送信I/F32に供給され、第2の送信I/Fは、音声伝送フレームのデータをネットワーククロックNC2をキャリアとして順次変調して通信ケーブルCBに出力する。なお、第2の所定量の蓄積を検出してそれを送信のトリガとする代わりに、音声伝送フレームを取り込み開始してから所定時間の経過を検出して、それをトリガとして送信を開始するようにしてもよい。
また、この場合、第1のデータ入出力部10は送信制御手段として機能する。
以上が音声伝送フレーム送信に関するデータ入出力部の機能である。
セレクタ35〜38は、このような送信先の切り替えを行うために設けたものである。
そして、セレクタ35とセレクタ36は連動して動作し、セレクタ35がフレームバッファ16の出力を第2の送信I/F32に流す状態では、セレクタ36は第2の受信I/F33で受信したデータをフレームバッファ26に書き込み、第2のI/F側のノードと通信が可能な状態となる。
また、ここではセレクタ35,36について説明したが、セレクタ37,38も、連動して動作することにより同様な機能を有する。そして、第2の受信I/F33から受信した音声伝送フレームに関し、折り返しを行うか否かを切り換えることができる。
2.1 システム起動時の動作
次に、図5に示した音響信号処理装置2において制御回路41のCPUが実行する、ネットワークの構築や構成変更に関連する処理について説明する。
図7は、個々の音響信号処理装置2が起動時にオーディオネットワークシステムを形成するために全体として実行する処理の手順を、フローチャートとして示したものである。
このフローチャートにおいて、ステップS11〜S14に示す動作は、他の機器の存在確認を行う「検出モード」の動作、ステップS15,S16に示す動作は、存在確認済み装置のオーディオネットワークシステムへの組み入れを行う「構築モード」の動作である。そして、システムへの組み入れ後、音声伝送フレームを循環させる動作が「音声伝送モード」の動作である。そして、これらのモードは、装置毎に定められるものである。
図8には、AからFまでの6台の音響信号処理装置がカスケード接続された状態で、装置Bと装置Cの情報が伝達される手順を代表して示している。
音響信号処理装置2においては、電源が投入されると、ネットワークI/Fカード215の制御回路41が、コネクタに設けた物理的なスイッチや測定される端子間のインピーダンス等で検出される各受信I/F及び送信I/Fへの通信ケーブルの接続有無や、受信I/Fへ入力する電気信号の有無や抽出されるネットワーククロックの有無等により、自機に他の装置が接続されているか否か判断する(ただし、この段階では、接続相手の装置が既にオーディオネットワークシステムを構成しているか否か及びその装置がオーディオネットワークシステムを構成し得るか否かについて判断する必要はない)。そして、他の装置が接続されていると判断した場合、その装置に対し、送信I/Fから存在確認フレームを送信する。
図8に示す例では、例えば装置Bが装置Cに存在確認フレームを送信し、これに応じて装置Cが送信してくる存在確認応答フレームを受信すると、装置Bは装置Cの存在を確認したと判断する。
いずれにせよ、隣接する装置の存在が確認できた装置は、反対側のI/Fに接続されている装置があれば、その装置に対し、新たに存在が確認できた装置を示すイーサネット形式の存在伝達フレームを送信する。図8に示す例では、装置Bは装置Aに対して装置Cの存在を示す存在伝達フレームを送信し、装置Cは装置Dに対して装置Bの存在を示す存在伝達フレームを送信する。なお、この場合、存在伝達フレームの送信を行う装置が、送信先の装置の存在を確認できていること、すなわち、その送信を行う装置のトポロジーテーブル(後述する)にその送信先の装置の存在が記載されていることが前提である。
なお、以上のように装置の情報を伝達する場合、存在伝達フレームには、装置の位置関係(接続状態)を示す情報も含めておく。例えば、装置Cが装置Dに対して装置Bの情報を伝達する場合には、「装置Bは装置Dから見るとD→C→Bと辿った位置にある」、装置Dが装置Eに対して装置Bの情報を伝達する場合には、「装置Bは装置Eから見るとE→D→C→Bと辿った位置にある」、等である。
この図に示すように、ここでは、トポロジーテーブルには、存在を確認し又は情報を伝達された装置のIDを、接続順に並べて記載すると共に、各装置について、マスタ優先度、遅延時間、システム組み入れの情報を記載している。
このうちマスタ優先度は、オーディオネットワークシステムのマスタノードを決定する際に、各装置がどれだけ優先されるかを示す情報であり、最もマスタ優先度の高い装置がマスタノードとなる。マスタ優先度は、ユーザ又はメーカーが予め装置毎に設定しておくものである。
また、隣接装置が2つある場合、伝送遅延の量は両者について一致するとは限らない。そこで、例えば、後述のようにカスケード接続の先頭側と末尾側を区別し、遅延時間として、末尾側の隣接装置との間で音声伝送フレームの伝送を行う際に発生する伝送遅延量を記載するとよい。又は、上流側と末尾側それぞれの隣接装置との間で生じる遅延時間を別々に記載してもよい。
ここまで説明してきたように、各音響信号処理装置A〜Fは、電源を投入されると、隣接する装置の存在を確認すると共に、その装置の情報を反対側の装置に順次伝達する。従って、各装置A〜Fの情報は、始めは存在確認により、その後伝達により、破線で示すように、カスケード接続された全ての装置に配布される。そして、各装置が、新たな装置の情報を受け取る度に、その装置の情報をトポロジーテーブルの適切な位置に追加していくことにより、図11に時系列的に示すように各装置においてトポロジーテーブルが構築される。
また、トポロジーテーブルにおいてカスケードの先頭と末尾を区別する場合、例えば、第1の送受信I/F31,34に接続されている装置の側を先頭側、反対側を末尾側というように、接続するI/Fを基準に向きを定めればよい。
しかし、接続順に矛盾がなければ、オーディオネットワークシステムの形成に特に支障はないため、システムの形成後に、マスタノードが各装置に指示して、どちらの端が先頭かを統一させるようにすればよい。ここでは、システムのマスタノードが、各サンプリング周期に新規の音声伝送フレームを送出する側(図29における前方側)を末尾側と定義し、各スレーブノードに対し、それと同じ側を末尾側(前方側)、反対側を先頭側(後方側)とするよう指示する。
また、自機が他の装置と接続されていないことがわかった場合には、システムを構築しても意味がないため、ここで一旦処理を終了し、他の装置と接続された時点で、その装置の属するシステムに組み入れてもらうか、新たに図7に示す処理を開始するようにする。
そして、マスタノードBは、遅延時間情報から、接続可能の応答を返してきた装置をシステムに加えた場合に、現在予定しているシステムの周期更新量kに応じた所定の上限時間内でシステム内の全ノードに音声伝送フレームを循環させられることを確認する。
以上により、マスタノードBが、隣接する装置A,Cをノードとしてオーディオネットワークシステムに組み入れ、図12(b)に示す状態とすることができる。なお、両側の隣接装置の組み入れを、同期して行う必要はない。
ここでは、装置Cが、(隣の未組み入れの装置の存在に応じて自動的に、ないし、マスタノードBからの指示に応じて)マスタノードの代理として接続可否確認フレームの装置D(対象装置)への送信および接続可否応答フレームの受信を行い、その応答内容をマスタノードBに転送する。このとき、装置Cに、装置Dとの間で遅延時間確認用フレームを往復させてその伝達遅延時間の計測を行わせ、その計測結果も共に転送させる。なお、装置Cに代理をさせる代わりに、マスタノードBが、装置Cを経由して接続可否確認フレームを装置Dに送り、装置Dからの接続可否応答フレームを装置Cを経由して受け取るようにしてもよい。
そして、この確認ができると、マスタノードBは全ての装置を送信先として、対象装置である装置Dのオーディオネットワークシステムへの参加を許可する旨を示す参加許可フレームを送信する。
以上により、マスタノードBが、装置Dをノードとしてオーディオネットワークシステムに組み入れ、図12(c)に示す状態とすることができる。
いずれにしろ、マスタノードは、装置の組み入れの処理を終了すると、図7に示すように、オーディオネットワークシステム内の各ノードに、音声伝送フレームを循環させる音声伝送モードの開始を指示する(S17)と共に、音声伝送フレームの生成と送信を開始する(S18)。
そして、任意の時点でノードの追加や伝送経路の切断があった場合でも音声伝送フレームの伝送を継続できることが、この実施形態の特徴の1つであり、以下、この点について説明する。
図13に、この実施形態のオーディオネットワークシステムにおいて両端のノードが所定の周期で定期的に実行する、新規ノード追加に関する処理のフローチャートを示す。
上述のように形成されたオーディオネットワークを構成しているノードのうち、両端のノード、すなわち音声伝送フレームの折り返しを行っているノードは、そのノードがマスタノードである場合はマスタノードとして、マスタノードでない場合はその代理として、定期的に図13のフローチャートに示す処理を行う。この処理は、ネットワークI/Fカード215内の制御回路41が行うものである。
そして、装置が接続されていれば、折り返し側に、存在確認フレームを送信する(S22)。存在確認フレームの構成は、図9に示したものと同様でよいが、「確認済み接続状態」として、トポロジーテーブルの情報を記載するとよい。また、送信先がオーディオネットワークシステムに組み入れ可能な装置であれば、起動時の処理の場合と同様、存在確認応答フレームを返してくる。また、新たな装置が存在していた場合、その装置は「検出モード」であると想定されるが、受信した存在確認フレームの情報に基づいて自身のトポロジーテーブルを更新する。
そして、存在確認応答フレームを返してきた装置は、既に他のシステムに組み入れられていなければ、通常は、このシステムに参加可能な状態であると考えられ、接続可否確認に対し、可能を示す接続可否応答フレームを返してくる。そして、この応答があると(S27)、新たな装置を自身が属するオーディオネットワークシステムに組み入れるための動作を行う。
そして、音声伝送フレーム中の参加許可フレームを受信した制御回路41は(S30)、その参加許可フレームを新たな装置(対象装置)に送信し、音声伝送モードの開始を指示する(S31)。また、トポロジーテーブルに対象装置のシステム組み入れ情報として当該システムのシステムIDを登録すると共に、対象装置が組み入れられたことを示す情報を音声伝送フレームのIPパケット領域に記載して、システム内の各ノードに伝達する(S32)。この情報を受け取った各ノードは、その内容に従って自身のトポロジーテーブルを更新する。
指示元の(図13の処理を実行する)装置では、その時点で送受信中の音声伝送フレームが途中で切れてしまうことを防止するため、音声伝送フレームを送受信中でない、あるフレームの送信完了から次のフレームの受信開始までのタイミングで、新たな装置と接続される側のセレクタを送受信I/Fの側に切り替え、音声伝送フレームの折り返しを解除して(S33)、処理を終了する。
以上のステップS28乃至S33の処理において、制御回路41は変更指示手段及び伝送路形成手段として機能する。
ステップS23で所定時間内に応答がない場合は、接続された装置は音声伝送フレームの伝送に関する機能を持たず、オーディオネットワークシステムに組み入れることのできない装置であると判断して、そのまま処理を終了する。
ステップS30で、所定時間内に参加許可フレームを受信しなかった場合は、接続が許可されなかったと判断してそのまま処理を終了する。
なお、ステップS27又はS30で「NO」と判断された場合であっても、形成済みのシステムや装置の状況が変化する可能性があるため、図13の処理は定期的に実行される。その場合、存在確認は完了しているので、ステップS21〜S25の処理を省略してステップS26から実行するようにしてもよい。
なお、ここでは、マスタノードが新たなノードの組み入れ可否を集中的に判断する場合の処理例を示したが、端のノードに各ノード間の遅延時間情報を持たせ、新たなノードの組み入れ可否を判断する権限を持たせてもよい。この場合、新たなノードの組み入れを行った後で、事後的にマスタノードにその旨を通知すればよい。
すなわち、自機の状態に従い、オーディオネットワークシステムに組み入れ済みでなければ起動時の処理を、組み入れ済みであれば新規ノード追加に関する処理を行う。そして、どちらの場合にも、隣接装置から存在確認フレームや接続可否確認フレームを受信する可能性があり、これらのフレームを受信した場合には、応答を返す。
以上をまとめると、折り返し側に他の装置の接続を検出した装置は、表3に示す動作を行うようにするとよい。
次に、オーディオネットワークシステムにおいてノード間の接続の切断が発生した場合の動作について説明する。
オーディオネットワークシステムにおいて、各ノードは、隣接ノードとの間の接続が切断されたことを検出した場合、切断を検出した側のセレクタの選択を折り返し伝送路側に切り替え、音声伝送フレームの伝送の折り返しを開始する。すなわち、隣接ノードとの間の接続が切断された状態でその隣接ノードに対して音声伝送フレームを送信しても、その音声伝送フレームは単に失われるだけであるので、切断された接続より先のノードはシステムから除外し、残りのノードだけで新たな伝送経路を形成して音声伝送フレームの循環を継続する。
この図には、ノード間の結線が切断された場合の例を示している。また、結線の切断には、通信ケーブル自体が物理的に切断された場合の他、通信ケーブルがノードから抜き取られた場合や何れか一方のノードにおいて故障によりオーディオネットワークへの送信ないし受信ができなくなった場合も含む。
なお、切断により途中で途切れた音声伝送フレームは、その後、オーディオネットワークシステムの切断されていないノードを循環していくが、それを追いかけるように切断伝達フレームが伝達されていくので、途切れた音声伝送フレームを受信した各ノードは、その直後に切断伝達フレームを受信することにより、切断伝達フレームの示す箇所で切断が発生したのであって、そのノードの受信側のケーブルで切断が発生したのではないと判断することができる。
しかし、マスタノードがないノードEとノードFの側では、新たな音声伝送フレームの生成は行われない。そして、ノードEとノードFは、一定期間新たな音声伝送フレームを受信しない場合、オーディオネットワークシステムから切り離されたと判断し、両側のセレクタを折り返し伝送路側に切り換えて、音声伝送モードの動作を停止する。
なお、切断発生時点で音声伝送フレームの先頭がノードE又はノードFに位置していた場合、何も対応しないと、ノードEとノードFの間を音声伝送フレームが循環し続けることも考えられる。そこで、このような事態を防止するため、音声伝送フレームの受信時にフレーム通し番号を確認し、2度同じ通し番号の音声伝送フレームを受信した場合には、その音声伝送フレームを折り返さずに破棄するようにするとよい。
この図には、ノードが停止した場合の例を示している。結線に変化がなくでも、急に電源が切断される等してノードが停止することも考えられる。そして、この場合にも、停止したノードの両側のノードは、隣接ノードからのネットワーククロックが検出できなくなるため、このことをトリガに、図15(a)に示すように伝送経路の切断を検出することができる。停止したノードの隣のノード(D,F)では、ノードの停止は、結線の切断と区別できないが、対処処理も同じなので特に問題はない。
しかし、ネットワークI/Fカード215が正常に動作していれば、データの読み書きが正常か否かに関わらず、ネットワーククロックは送信されてくるため、この場合にはネットワーククロックを検出の判断基準とすることはできない。
図16に、図14に示した例の場合のトポロジーテーブルの変更手順を、図11と同様な形式で示す。
この図に示すように、結線の切断を検出したノードは、まず切断箇所の先に接続されていた装置の情報を、トポロジーテーブルから削除する。そして、切断が起こり、その先のノードと通信できなくなった旨を示す切断伝達フレーム(図では、「E不存在」及び「D不存在」)を、通信が維持されている側のノードに伝達(ブロードキャスト)する。
以上により、結線の切断やノードの停止が起こった場合でも、各ノードにおけるトポロジーテーブルの内容を、速やかに現状に合ったものとすることができる。
3.1 音声伝送フレームの生成
次に、マスタノードにおける音声伝送フレームの生成について説明する。
既に述べたように、この実施形態のオーディオネットワークシステムにおいて、新たな(通し番号の異なる)音声伝送フレームを生成するのは、マスタノードのみである。そして、マスタノードは、自身が送信し、伝送経路を1周して戻ってきた音声伝送フレームのデータを一部加工して、新たな音声伝送フレームの生成を行う。
この加工の内容は、ヘッダや管理データ(通し番号を含む)を更新すると共に、マスタノードが送信する波形データや制御データ等を書き込むものであり、他のノードが書き込んだ波形データや制御データは、そのまま新たな音声伝送フレームに残るようにする。
またこのため、マスタノードにおいては、図17に示すように、音声伝送フレームの生成を行うデータ入出力部においては、フレームバッファ16を、複数のバッファで構成し、その各バッファに対し「送信バッファ(兼保存バッファ)」又は「受信バッファ」の機能を割り当てることができるようにしている。そして、フレームバッファ16内には、周期更新量kより1だけ多い(k+1)個のバッファが必要である。
マスタノードは、図3及び図4を用いて説明したように、サンプリング周期毎に1つの音声伝送フレームを送信する。また、送信した音声伝送フレームの先頭は、周期更新量kが「2」の場合、約1サンプリング周期でシステムを循環する。そして、多くの場合、図18に示すように、S番目の音声伝送フレームの全体の受信が完了する前に、S+1番目の音声伝送フレームの送信を開始しなければならない。また、S+2番目の音声伝送フレームの送信を開始するより所定時間αだけ前のタイミングまでに、S番目の音声伝送フレームの全体を受信する。
(所定の上限時間)=(サンプリング周期)×(周期更新量k)−(所定時間α)
の式で算出される。
逆に見れば、周期更新量の値がkとされたとき、S番目の音声伝送フレームは、(サンプリング周期)×k−αの時間内にマスタノードが受信完了していることになる。そこで、この実施形態のマスタノードでは、S番目の音声伝送フレームに基づいて、S+k番目の音声伝送フレームを生成するようにした。図18は周期更新量が「2」の場合のタイミング例であり、また、符号Xで示すのは、その生成の処理に要する時間αである。
そして、次のワードクロックの開始タイミングで、準備されている次のバッファを送信バッファに変更するとともに、そこに格納されているS+1番目の音声伝送フレームの送信を開始し、その後、S番目の音声伝送フレームの受信が完了した時点で、受信した音声伝送フレームのエラーチェックを行い、異常がなければその音声伝送フレームを格納した受信バッファを次の送信バッファとして指定するとともに、現在の送信バッファの次のバッファを次の受信バッファとして指定する。そして、次の送信バッファに格納されているS番目の音声伝送フレームを加工してS+2番目の音声伝送フレームを生成する。
なお、1番目と2番目の音声伝送フレームについては、基になる音声伝送フレームがないため、所定の雛形に基づいて生成するようにするとよい。
また、各バッファの動作速度を倍にして、送信しながら受信できるように設計すれば、マスタノードに音声伝送フレームが戻ってくるタイミングで、その時点の「送信バッファ」を同時に「受信バッファ」として使うことができるので、バッファの数を 上述した実施例より1つ少ないk個とすることができる。
既に述べた通り、音声伝送フレームの生成は、基にする音声伝送フレームに、ヘッダや管理データ及びマスタノードが送信するデータを書き込んで行い、それ以外のデータは、元のまま残しておく。また、音声伝送フレームには、伝送経路を1周する間に、各スレーブノードが送信するデータが書き込まれ、その状態でマスタノードに戻ってくる。
従って、例えば波形データについて考えると、各ノードが受け取る波形データは、音声伝送フレームに異常が発生したとしても、その時点の値をホールドしたものになるだけである。従って、この波形データを音声出力に用いたとしても、大きな異音は発生しない。なお、ホールドされた波形データの直流成分が後段の電力増幅器などで問題になる場合は、波形データの値をホールドする代わりに、音声伝送フレーム毎に徐々にゼロに近づけるように減衰すればよい。
これらのステップS44及びS47の処理において、制御回路41と第1のデータ入出力部10とが音声伝送フレーム生成手段として機能する。
その後、次のワードクロックタイミングまで待機し(S50)、生成した音声伝送フレームの第2の送信I/F32へ(セレクタ35が第2の送信I/F32を選択している場合)の出力を開始して(S51)、一連の処理を終了する。なお、音声伝送フレームのマスタノードからの送信は、第2の送信I/F32がここに示したものとは別の処理で行う。
ステップS51の処理において、第1のデータ入出力部10が送信制御手段として機能する。
また、S番目の音声伝送フレームを基にしてS+2番目の音声伝送フレームを生成するようにしているため、基にする音声伝送フレームが末尾まで正常に受信できたか否か確認してから、新たな音声伝送フレームの生成を開始することができる。
すなわち、図18のタイミング図に相当する動作では、S番目の音声伝送フレームを正常に受信完了すると、マスタノードは、その音声伝送フレームに基づいてS+k番目の音声伝送フレームを生成し、S+k番目のワードクロックのタイミングで送信開始する。図19に相当する動作では、S番目の音声伝送フレームが正常に受信できなかったとき、マスタノードは、S+k−1番目の音声伝送フレームの送信完了を待って、その音声伝送フレームに含まれている「最後に正常受信された音声伝送フレームのデータ」に基づいてS+k番目の音声伝送フレームを生成し、S+k番目のワードクロックのタイミングで送信開始する。
なお、音声伝送フレームを正常に受信できなかった場合の対応としては、予め修復用の雛形を用意しておき、マスタノードがある音声伝送フレームを正常に受信できなかった場合に、その音声伝送フレームに基づいて生成する予定だった音声伝送フレームを、上記の雛形に基づいて生成するようにすることも考えられる。
このような手法を採用すれば、ある時点の送信バッファを、その次の送信バッファとする必要がないため、マスタノードにおける複数バッファの管理が単純になる。
この図において図22と同じ番号のステップの処理の内容は、図22の場合と同じであるので、相違点についてのみ説明する。
まず、図25に示す処理においては、S番目の音声伝送フレームが正常に受信できたか否かに関わらず、受信バッファを次の送信バッファに、また、送信バッファを次の受信バッファに指定する(S43)と共に、次の送信バッファ中の音声伝送フレームのヘッダ及び管理データを更新して、S+2番目の音声伝送フレームを生成する(S44)。そして正常に受信できていた場合は(SA)、S+2番目の音声伝送フレームに、エラーフラグERの値として、エラーがなかったことを示す「0」を記載する(SB)。
なお、エラーフラグERは、スレーブノード側で、受信した音声伝送フレームが、以前の音声伝送フレームに基づいて作成されたものか、雛形に基づいて作成されたものかを把握できるようにするためのデータであり、先頭に近い管理データ102の一部として記載することが好ましい。また、上述のように、雛形の内容自体から音声伝送フレームの由来が把握できるのであれば、記載しなくてもよい。
図4及び図6等を用いて説明したように、オーディオネットワークシステム中で音声伝送モードで動作中の各ノードにおいては、音声伝送フレームから自機が使用するデータを読み出し、他の装置に送信すべきデータを音声伝送フレームに書き込む。
しかしながら、この実施形態のオーディオネットワークシステムにおいて、各ノードは、マスタノードが送出した音声伝送フレームが伝送経路を1周する間に順次データを書き込んで更新していく。従って、同じ通し番号の音声伝送フレームでも、伝送経路のどの位置でデータを読み出すかに応じて、内容が異なることになる。具体的には、例えばS番目の音声伝送フレームには、自機に到達する前に伝送経路の上流で既にデータが更新されている場合に、第S周期のデータが記載されているとすると、自機より下流でデータが更新される場合には、第S−2周期のデータが記載されている(図20参照)。
なお、マスタノードがS番目の音声伝送フレームを受信する際には、全て第S周期の波形データが書き込まれているはずであるから(図20参照)、マスタノードについてはこのような対応は必要ない。
既に説明したように、音声伝送フレームのうち、波形データを記録する領域には、256ch分の波形データを記載可能であり、各ノードがどのchに波形データを書き込むかは、マスタノードによって割り当てられる。図26では、各ノードが波形データを書き込む領域を、そのノードの符号で示している。
そこで、ノードEは、FIFOメモリに書き込んだデータをオーディオバスI/F39に供給する際に、上流のノード由来のデータを、下流のノード由来のデータよりも2サンプル周期だけ多く遅延させる。そして、このことにより、由来ノードによらず周期の揃った波形データを、ノードEのワードクロックのタイミングで、オーディオバスI/F39に供給することができる。
すなわち、この保存を行うことにより、受信した音声伝送フレームに含まれる音響信号を、その音声伝送フレームを末尾まで正常に受信できたことを確認してから、当該ノードで信号処理等を行っている他のカードに供給することができる。また、例えば音声伝送フレームが途中で切れてしまっている等、音声伝送フレームを末尾まで正常に受信できなかった場合には、その音声伝送フレームから読み出してFIFOメモリに書き込んだ波形データを破棄し、その異常なデータを他のカードに供給しないようにするといった対応も可能である。
また、存在情報については、既に述べたとおり、隣接ノードがデータを読み書きする能力があることを示す情報である。
この図に示すとおり、自身が出力する波形データについては、ch毎にタイミングがずれることはないため、S番目の音声伝送フレームには第S周期の波形データを書き込めばよい。音声伝送フレームへの書き込みタイミングを調整するため、書き込み先の音声伝送フレームを受信する前に、その音声伝送フレームを全てFIFOメモリに蓄積しておくとよいが、なるべく最新の波形データを書き込めるようにするため、遅延は1サンプル周期のみとするのが好ましい。
また、図27では、書き込み側にもch毎にFIFOメモリ(FIFO1out〜jout)を設けた例を示しているが、ch毎に遅延量を変える必要はないので、全chについて共通のFIFOを用いてもよい。
図28に示す処理を採用する場合、スレーブノードにおいて、データ抽出部11のハードウェア及び制御回路41のCPUは、音声伝送フレームの受信を検出すると、その内容を波形入力用FIFO12に書き込むための処理としてその処理を開始する。なお、このフローチャートでは、制御データを制御入力用FIFO14に書き込むための処理については、図示を省略している。
そして、図28の処理においては、まず、データ抽出部11が、受信した音声伝送フレームのデータを所定バイト数取得する(S61)。そして、取得したデータが自ノードが読み出すべきchの波形データであれば(S62)、取得したデータを適当なFIFOメモリに書き込む(S63)。そして、音声伝送フレームの末尾まで処理が完了するまで、これらの処理を繰り返す(S64)。なお、ステップS62でNOであれば、FIFOメモリへの書き込みは行わずにステップS64に進む。
そして、エラーがあった場合には(S66)、今回受信した音声伝送フレームに記載されていた波形データは正常な波形データではないと考えられるため、制御回路41にその旨を通知する。制御回路41は、これに応じて、波形入力用FIFO12の全FIFOメモリにつき、ステップS63で書き込んだ現周期のサンプルに、1つ前の周期のサンプルに所定の減衰率を乗じて減衰させたデータを上書きし(S68)、図28の処理を終了する。
また、ステップS67でエラーフラグERが「0」であれば、ステップS63で書き込んだ波形データは全て正常なものであると考えられるため、そのまま処理を終了する。
そして、以上の処理を行うことにより、音声伝送フレームを正常に受信できなかったり、音声伝送フレームに雛形のデータが残っていたりした場合でも、これらに起因するノイズの発生を防止することができる。なお、ステップS68及びS69で1つ前の周期のサンプルを減衰させるのは、1つ前の周期のサンプルをそのまま上書きしてフラットな波形を発生させると、その波形を再生した場合に生じる直流電流がスピーカやアンプ等にダメージを与える可能性があり、これを防止するためである。
既に述べた通り、オーディオネットワークシステム1においては、マスタノードがワードクロックを生成し、そのワードクロックによって音声伝送フレームの送信タイミングを規定している。また、スレーブノードは、音声伝送フレームの受信タイミングを基準としてワードクロックを生成することにより、マスタノードと同じ周期のワードクロックを得られるようにしている。
そこで、オーディオネットワークシステム1においては、各ノードにおいてワードクロックの位相を揃え、また、システムの構成が変化してもクロックがゆらがないよう、ワードクロックのタイミングを調整する機能を設けている。
また、この図において、Dはノード間の音声伝送フレームの伝送に要する時間を示し、例えばDabはノードAとノードBの間の時間、Dbcが同じくノードBとノードCの間の時間を示す。そして、この伝送時間は、どちら向きに伝送を行う場合でも同じである。
このようなワードクロックのタイミング調整は、ネットワークI/Fカード215のワードクロック生成部42が行う。
まず、図30に示すように、マスタノードにおいては、PLL(Phase Locked Loop)発振器302により、オーディオバス217の基準タイミングに基づいて、波形データのサンプリング周波数と同じ周波数の音声伝送フレーム転送用ワードクロック(WC)を生成し、送信時刻Tsを示す信号として、送受信I/F301の中の各サンプリング周期の音声伝送フレームを最初に送信する送信I/Fに供給する。この送受信I/F301は、図6に示した第1,第2の送信・受信I/F31〜34を集合的に示したものである。
ここで、図面中のDt遅延部303(タイミング調整手段)は、音声伝送フレーム転送用WCと信号処理用WCとの間に、数1に示す遅延量Dtに対応するタイミング差があることを示す。この遅延量Dtは、システムを音声伝送モードに切り替えるのに先立って予め設定され、マスターノードからシステムの全ノードに伝達されたものである。この伝達は、例えば、遅延量Dtの設定を示すパラメータ設定フレームを送信(ブロードキャスト)すること、または、音声伝送フレームのIPパケット領域に記載することにより行うことができる。
遅延時間計測部304は、送受信I/F301における音声伝送フレームの送受信タイミングに基づいて前方遅延Dfwと後方遅延Dbwを計測する第1の計測手段である。またこの遅延時間の情報は、各サンプリング周期の音声伝送フレームのネットワーク構成データ領域に記載して、システム内の他のノードに通知される。
図32は、音声伝送フレームの1度目の受信イベントをトリガに実行する処理であり、この場合、第1受信時刻Tr1に現在時刻を設定し(S71)、受信した音声伝送フレームからDfw及びDbwを読み取って(S72)、処理を終了する。
図33は、音声伝送フレームの2度目の受信イベントをトリガに実行する処理であり、この処理がトリガされるのと同じタイミングで、タイミング信号がDx遅延部313に供給される。この処理では、まず、第2受信時刻Tr2に現在時刻を設定し(S81)、受信した音声伝送フレームからDfw及びDbwを読み取る(S82)。そして、その値がステップS72で読み取った値と一致していれば(S83)、数3の上段の式を用いて遅延量Dxを算出してDx遅延部313に設定して(S84)処理を終了する。また、ステップS83で一致していなければ、エラー処理を行って(S85)処理を終了する。
これらの処理は、制御回路41に行わせてもよい。
このようにして、マスタノードとスレーブノードの何れにおいても、目標時刻Ttとほぼ同じタイミングで信号処理用WCが発生する。また、上述したように、スレーブノードでは、ネットワークI/Fカード215がオーディオバス217のマスタであるので、カードI/Oの他のカードは、それぞれ、この信号処理用ワードクロックに同期したワードクロックを発生している。
また、ここでは音声伝送フレームの先頭を基準にして送受信タイミングを計測するようにしたが、他の位置を基準としてもよい。ただし、先頭を基準にする方が、位置が明確であるし、処理も単純化できるため、好ましい。
また、Dx遅延部313に、音声伝送フレームの1度目の受信イベントのタイミング、すなわち時刻Tr1で発生するタイミング信号を供給するようにした場合は、ステップS84で数3の下段の式を用いて遅延量Dxを算出するようにすればよい。
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成、データの構成、具体的な処理内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、1サンプリング周期に1つの音声伝送フレームを循環させることは必須ではなく、1サンプリング周期に複数の音声伝送フレームを循環させたり、複数サンプリング周期につき1つの音声伝送フレームを循環させ、そこに複数サンプリング周期分の波形データを記載することも考えられる。
それ以外にも、上述の実施形態では、周期更新量kを可変値としていたが、固定値であってもよい。その場合、その周期更新量kに対応する上限時間も固定値となり、システムに追加できるノードの数はその上限時間により制限される。
音声伝送フレームを含む各種フレームはIEEE802.3の形式に限らず、他の任意の形式であってよい。
上述の実施形態では、オーディオネットワークシステム1に組み入れる前の音響信号処理装置2において、セレクタ35〜38が折り返しライン側を選択するようになっていたが、まだ音声伝送フレームの伝送経路に組み入れられていない装置に対してその設定を行うことは必須ではない。その設定は、その装置が音声伝送フレームの伝送経路に組み入れられる時点までの任意の時点で行えばよい。
上述の実施形態では、オーディオネットワークの各ノードのマスタ優先度に応じて、1つのノードを自動的に選択してマスタノードとして設定するようになっていたが、ユーザが指定した1のノードをマスタノードとして設定するようにしてもよい。
従って、この発明を適用することにより、ネットワークシステムの利便性を向上させることができる。
Claims (3)
- 受信インタフェースと送信インタフェースの組を2組備え、
前記受信インタフェースにて周期的に受信する、音響信号を格納するデータ領域を有し、音響信号を伝送可能な伝送フレームに対して自ノードに関する音響信号の入出力処理を行うデータ入出力手段と、
それぞれ前記各受信インタフェースと対応するセレクタであって、前記入出力処理された伝送フレームの送信に使用するインタフェースとして、該伝送フレームを受信した受信インタフェースと組をなす送信インタフェース及び該伝送フレームを受信した受信インタフェースとは異なる他方の受信インタフェースと組をなす送信インタフェースのうち一方を選択するセレクタと、
複数の通信ノードを直列に接続したネットワークにおいて該ネットワーク内にループ状のデータ伝送経路が形成されるように前記セレクタを制御する手段と、
前記伝送フレームの受信途中であっても、前記受信インタフェースにて前記伝送フレームの受信開始から所定の遅延後に、前記受信された伝送フレームを前記セレクタにて選択された送信インタフェースより送信開始するよう制御する手段とを備え、
前記ループ状のデータ伝送経路に1の伝送フレームを前記音響信号の1のサンプリング周期毎に巡回させるネットワークを形成可能な通信ノード。 - 前記データ入出力手段は、前記受信した伝送フレームに対して自ノードに関する1サンプルの音響信号を入出力することを特徴とする請求項1に記載の通信ノード。
- 前記受信インタフェースが前記1サンプリング周期毎にネットワークを巡回する前記伝送フレームを受信した受信タイミングに基づいて音響信号のワードクロックを生成する手段を有し、
前記ループ状のデータ伝送経路に含まれる他の通信ノードと前記音響信号のワードクロックを同期化することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信ノード。
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