JP5476889B2 - ネットワークシステム - Google Patents

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Description

この発明は、複数のノード間で音響信号の伝送を行うためのネットワークシステムに関する。
近年、複数のデバイスの間で音響信号をリアルタイム伝送できるようにしたネットワークシステムとして、例えば特許文献1及び特許文献2に記載のものが提案されている。
この特許文献1乃至3に記載のネットワークシステムにおいては、システムを構成する各機器により形成されるリング状の伝送路にフレームを定期的に循環させ、各機器がそのフレームに対して必要な情報を読み書きすることにより、システムを構成する任意の機器から任意の機器へ、音響信号だけでなくイーサネット(登録商標)フレーム等の制御信号も、安定して伝送することができる。各機器をループ型に接続した上で適当なモードで動作させることにより、ネットワークのうちどこか一カ所で通信障害を生じても、障害発生前と実質同様に音響信号や制御信号の伝送を続けることができ、この点でも安定した情報伝送が可能である。
また、これらとは別に、特許文献3に記載のようなネットワークシステムも提案されている。
この特許文献4に記載のネットワークシステムは、複数の部分ネットワークを、接続ネットワークを介して接続して、ある部分ネットワークに属する機器から他の部分ネットワークに属する機器への信号のルーティングを可能としたものである。そしてこのルーティングにより、ある部分ネットワークに属する機器が、他の部分ネットワークに属する機器の機能を利用可能であり、1つの部分ネットワークに接続可能な機器の数がネットワークの規格から決まる音響信号の最大伝送ch数により制約される場合でも、各機器が、最大伝送ch数の制約を超えた数の機器の機能を利用することができる。
特開2009−94589号公報 特開2008−99264号公報 特開2007−259347号公報 特開2007−258966号公報
ところで、上述した特許文献1乃至3に記載のネットワークシステムにおいては、各機器で信号伝送用のフレームに対してデータの読み書きを行いつつ、所定の周期内にフレームに伝送路を1周させることが必要であった。
従って、システムに組み込むことのできる機器の数や、伝送路の物理的な長さ(主に機器間を接続するケーブルの長さに依存する)に制約があるという問題があった。
さらに、伝送路が長くなったり、接続機器の数が増えたりすると、その分だけ不具合の発生確率が高まるが、このような場合でも通信の信頼性を維持したいという要求もあった。
特許文献4には、ネットワークに接続可能な機器の数を実質的に増加させるための技術が記載されているが、これは、特許文献1に記載のような、リング状の伝送路にフレームを定期的に循環させるタイプのネットワークシステムに適用したとしても、伝送路の長さの制約や、通信の信頼性向上といった目的に資するものではなかった。
この発明は、上記のような背景でなされたものであり、広範囲に配置された多数の機器の間で、音響信号を信頼性よく伝送できるネットワークシステムを実現することを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明のネットワークシステムは、それぞれカスケード接続又はループ接続された複数のノード全てを通過するリング状の伝送路を形成し、その伝送路を循環するフレームに対して各ノードが音響信号及び制御信号の書き込み及び/又は読み出しを行うことによりシステムを構成するノード間で音響信号及び制御信号の伝送を行う第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムとを、上記第1のネットワークシステムと上記第2のネットワークシステムとの双方に属する1つの接続ノードにより接続したネットワークシステムを、以下のように構成したものである。
すなわち、上記第1のネットワークシステムを構成するノードのうち上記接続ノード以外の1つのノードがマスタノードとして機能して、定期的にフレームを生成して上記第1のネットワークシステムにおける上記リング状の伝送路に送出し、上記接続ノードが、上記マスタノードが生成したフレームを受信する周期と同じ周期で定期的にフレームを生成して上記第2のネットワークシステムにおける上記リング状の伝送路に送出し、いずれかのノードが、そのネットワークシステムを構成するノードに、上記第1のネットワークシステムを循環させるフレームと、上記第2のネットワークシステムを循環させるフレームとで共通して用いる信号伝送チャンネルを割り当て、そのネットワークシステムを構成する各ノードは、受信したフレームのうち、そのノードに割り当てられた信号伝送チャンネルと対応する領域に、他のノードに送信すべき音響信号を書き込み、上記接続ノードが、上記各ノードへの信号伝送チャンネルの割り当て結果に基づき、上記第1のネットワークシステムを循環するフレームのうち、上記第1のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、その音響信号を、上記第2のネットワークシステムに循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むと共に、上記第2のネットワークシステムを循環するフレームのうち、上記第2のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、その音響信号を、上記第1のネットワークシステムを循環するフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むようにしたものである。
あるいは、上記接続ノードがマスタノードとして機能して、定期的にフレームを生成して上記第1のネットワークシステムにおける上記リング状の伝送路に送出すると共に、そのフレームの送出周期と同じ周期で定期的にフレームを生成して上記第2のネットワークシステムにおける上記リング状の伝送路に送出し、いずれかのノードが、そのネットワークシステムを構成するノードに、上記第1のネットワークシステムを循環させるフレームと、上記第2のネットワークシステムを循環させるフレームとで共通して用いる信号伝送チャンネルを割り当て、そのネットワークシステムを構成する各ノードは、受信したフレームのうち、そのノードに割り当てられた信号伝送チャンネルと対応する領域に、他のノードに送信すべき音響信号を書き込み、上記接続ノードは、上記各ノードへの信号伝送チャンネルの割り当て結果に基づき、上記第1のネットワークシステムを循環するフレームのうち、上記第1のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、その音響信号を、上記第2のネットワークシステムに循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むと共に、上記第2のネットワークシステムを循環するフレームのうち、上記第2のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、その音響信号を、上記第1のネットワークシステムを循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むようにしたものである。
また、上記の各ネットワークシステムにおいて、そのネットワークシステムを構成する各ノードが、上記フレームから読み出した音響信号について、上記第1のネットワークシステム及び上記第2のネットワークシステムのうちそのノードが属するシステムのノードが書き込んだ音響信号を、そのノードが属さないシステムのノードが書き込んだ音響信号よりも、上記接続ノードが音響信号を上記属さないシステムのフレームから読み出して上記属するシステムのフレームに書き込むのに要する時間だけ遅延させて後の処理に用いるようにするとよい。
以上のようなこの発明のネットワークシステムによれば、広範囲に配置された多数の機器の間で、音響信号を信頼性よく伝送できるネットワークシステムを実現することができる。
この発明のネットワークシステムの実施形態であるオーディオネットワークシステムの概略構成を示す図である。 図1に示したオーディオネットワークシステムにおける部分ネットワークの概略構成を示す図である。 図2に示した部分ネットワークの伝送路で伝送されるTLフレームの構成例を示す図である。 図3に示したTLフレームのうち波形データ領域の構成をより詳細に示す図である。 TLフレームの伝送タイミングを示す図である。
部分ネットワーク上での音響信号の伝送時における、TLフレームの伝送状況について説明するための図である。 図1に示したオーディオネットワークシステムを構成する各ノードとなる音響信号処理装置のハードウェア構成を示す図である。 図7に示したネットワークI/FカードにおけるTLフレームの伝送に関する機能をより詳細に示す図である。 各部分ネットワークにおいてノードをカスケード接続した場合に図1に示したオーディオネットワークシステムにおいて各ノード間に形成されるTLフレームの伝送路を示す図である。 同じくループ接続した場合の伝送路を示す図である。
オーディオネットワークシステム及びTLフレームの伝送路を形成する際の、ユーザによる作業及びそれに応じた各機器の動作手順を示す図である。 その続きを示す図である。 既にオーディオネットワークシステムが形成されている状態から、それまでと別のノードをマスタノードとしてシステムを再形成する場合の、図11及び図12と対応する手順を示す図である。 オーディオネットワークシステムを構成する各機器が行うTLフレームに対する波形データの読み書きの内容を模式的に示す図である。 オーディオネットワークシステムを構成する各機器の動作により実現される機能を示す機能ブロック図である。
オーディオネットワークシステムを構成する各ノードにおけるTLフレームの先頭の到達タイミングを示す図である。 接続ノードではないマスタノードにおけるワードクロック生成部の構成を示す図である。 マスタノードでも接続ノードでもないスレーブノードにおけるワードクロック生成部の構成を示す図である。 マスタノードではない接続ノードにおけるワードクロック生成部の構成を示す図である。 マスタノードと接続ノードを兼ねるノードにおけるワードクロック生成部の構成を示す図である。 ミキサエンジンE1においてTLフレームからの波形データの読み出し時に行うタイミング調整の例を示す図である。 コンソールC1においてTLフレームからの波形データの読み出し時に行うタイミング調整の例を示す図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
1. この発明の実施形態のオーディオネットワークシステムの概要
1.1 全体構成
まず図1に、この発明のネットワークシステムの実施形態であるオーディオネットワークシステムの概略構成を示す。
この図に示すように、オーディオネットワークシステムSは、第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2とを、接続ノードである第3入出力装置IO3により接続した構成となっている。
そして、第1部分ネットワークS1は、コンソールC1、第4入出力装置IO4及び第3入出力装置IO3を、実線で示す通信ケーブルCBによりカスケード状に接続するか、又は破線で示すケーブルも含めてループ状に接続したものである。
第2部分ネットワークS2は、第3入出力装置IO3、第2入出力装置IO2、第1入出力装置IO1及びミキサエンジンE1を、同様にカスケード状又はループ状に接続したものである。
第3入出力装置IO3は、第1部分ネットワークS1に接続するためのネットワークI/F(インタフェース)と、第2部分ネットワークS2に接続するためのネットワークI/Fとを別々に持っている。そして、各部分ネットワークにおいて、その部分ネットワークに属するノードとして、その部分ネットワークに属する他のノードとの間でデータの送受信を行うと共に、一方の部分ネットワークに入力したデータを他方の部分ネットワークに伝達することもできる。そしてこのことにより、2つの部分ネットワークを接続する接続ノードとして機能することができる。
また、第1〜第4入出力装置IO1〜IO4は、オーディオネットワークシステムSに対して外部から音響信号を入力する入力手段及び/又は外部へ音響信号を出力する出力手段を有する装置である。アナログ入出力を行う場合には、A/D変換器及びD/A変換器を備え、オーディオネットワークシステムSで扱うデジタル音響信号と、端子から入出力するアナログ音響信号との間の変換を行う。装置毎に入出力ch(チャンネル)数やその他の機能が異なっていても構わない。
コンソールC1は、オーディオネットワークシステムSを構成する各機器に対する操作を受け付けるための機器であり、多数の操作子や表示器を備えた操作パネルを有する。
ミキサエンジンE1は、各入出力装置から入力され、オーディオネットワークシステムS内を伝送される複数chの音響信号に対し、ミキシング、イコライジング、エフェクト付与等の種々の信号処理を施す機器である。また、その信号処理の結果は、オーディオネットワークシステムSを介して各入出力装置に伝送し該入出力装置から外部へ出力させることができる。
なお、オーディオネットワークシステムSにおいては、第4入出力装置IO4を、システム全体におけるフレームの伝送タイミングを決定するワードクロック供給源でありかつ信号伝送chの割り当てを含むシステム全体の管理動作を行うマスタノードとしているが、この点については後に詳述する。
1.2 部分ネットワークの構成
次に、図2に、部分ネットワークの概略構成を示す。
図2(a),(b)に示すように、この部分ネットワーク1は、それぞれ単方向の通信を行う受信手段である受信インタフェース(I/F)と送信手段である送信I/Fの組を2組備えたノードを、通信ケーブルCBで順次接続することにより構成したものである。これらの各ノードが、図1におけるコンソールC1、入出力装置IO1〜IO4及びミキサエンジンE1に当たる。ここではA〜Cの3つのノードにより構成した例を示しているが、ノードの数は2以上の任意でよい。
ノードAにおいては、受信I/F_AR1と送信I/F_AT1が一組のI/Fで、受信I/F_AR2と送信I/F_AT2がもう一組のI/Fである。ノードB及びCについても、符号の先頭の文字「A」を「B」あるいは「C」に置き換えたI/Fが、同様な関係に当たる。
そして、ノード間の接続は、1組の受信I/F及び送信I/Fを、別のノードの1組の送信I/F及び受信I/Fとそれぞれ通信ケーブルCBで接続することにより行っている。例えば、ノードAとノードBとの間では、受信I/F_AR2と送信I/F_BT1とを接続すると共に、送信I/F_AT2と受信I/F_BR1とを接続している。また、ノードBとノードCとの間では、ノードBのもう1組のI/Fと、ノードCの1組のI/Fとを接続している。
ここで、(a)に示すように、各ノードを、端部を有する1本のラインのように接続した状態を、「カスケード接続」と呼ぶことにする。そしてこの場合、各ノード間を結ぶケーブルCBにより、破線で示すように1つのリング状のデータ伝送路を形成することがでる。そして各ノードは、この伝送路にフレームを一定周期で循環させるように伝送し、そのフレームに対して必要な情報を読み書きすることにより、伝送路上の任意のノードとの間でデータの送受信を行うことができる。
そして、部分ネットワーク1内において、1つのノードがマスタノード(このような部分ネットワーク単位のマスタは、システム全体におけるマスタノードとは区別して、「部分マスタ」と呼ぶことにする)となり、音響信号を伝送するためのフレームを生成し、定期的に伝送路を循環させたり、ネットワークの管理を行ったりする。この部分マスタが生成するフレームを、「TLフレーム」と呼ぶことにする。
また、(a)に示したカスケード接続に加え、両端のノードで使用していないI/F同士も通信ケーブルCBで接続すると、(b)に示すように、リング状のデータ伝送路を2つ形成することができる。そして、各ノードは、これらの経路でそれぞれフレームを伝送し、その各フレームに対して必要な情報を読み書きすることにより、経路上の任意のノードとの間でデータの送受信を行うことができる。このようなノード間の接続状態を、「ループ接続」と呼ぶことにする。
このループ接続の状態で、一方の伝送路を循環させるTLフレームのみで伝送可能な情報量の通信を行っている場合、1カ所で断線が発生したとしても、その断線箇所の両側でTLフレームの伝送を折り返すことにより、断線箇所の両側をカスケード接続の両端と見て、速やかに(a)に示したようなカスケード接続のシステムに組み換え、0〜2フレーム程度の損失でTLフレームの伝送を継続することができる(特開2007−259347号公報参照)。
なお、図2ではケーブルを2本示しているが、1組の受信I/Fと送信I/Fとを近接してあるいは一体として設ければ、2本を束ねて1本にしたケーブルにより、1組のI/F同士の接続を行うことも可能である。
また、図1における第3入出力装置IO3のように、2つ以上の部分ネットワークに接続する装置は、接続する部分ネットワーク1つにつき、その部分ネットワークで用いる2組の送受信I/Fを有する。従って、第3入出力装置IO3は、4組の送受信I/Fを有する。
また、各ノードには、必要なI/Fを設ければ、外部機器を接続し、その外部機器から受信したデータをTLフレームに書き込んで他のノードに送信したり、TLフレームから読み出したデータをその外部機器に送信したりすることもできる。
このような外部機器としては、例えば外付けのコンソールが考えられる。そして、コンソールがユーザから受け付けた操作に応じたコマンドを接続先のノードに送信し、そのノードがこれをTLフレームに書き込んで他のノードに送信したり、他のノードがTLフレームに書き込んで送信してきた応答やレベルデータ等を接続先のノードが読み出してコンソールに送信し、コンソールにおける操作子状態の表示やレベル表示に使用するといった動作を行わせることが考えられる。
1.3 TLフレームの構成
次に、図3に、上述した部分ネットワークの伝送路で伝送されるTLフレームの構成例を示す。図4に、そのうち波形データ領域の構成をより詳細に示す。なお、これらの図に示した各領域の幅は必ずしもデータ量と対応しない。
図3に示すように、このTLフレーム100は、サイズが1282バイトであり、先頭から順に、プリアンブル101,管理データ102,波形データ(オーディオデータ)領域103,制御データ領域104,FCS(Frame Check Sequence)105の各領域からなる。各領域のサイズは、その領域に記載するデータ量に関わらずそれぞれ一定である。また、ここで示すFCS105以外の各領域のサイズは一例であり、適宜変更してよい。
そして、プリアンブル101は、計8バイトのデータであり、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3で規定されるプリアンブルとSFD(Start Frame Delimiter)とを記載する。
管理データ102は、8バイトのデータであり、部分ネットワーク1内の各ノードがTLフレームに含まれるデータの管理に利用するデータとして、部分ネットワーク内のどの伝送路を循環させるフレームかを示すリングID、フレーム通し番号であるフレームID、波形データ103中の波形データのch数、ワードクロックの同期に用いる遅延時間等を記載する。
また、波形データ領域103としては1024バイトを確保しており、音響信号のデータである1サンプル32ビットの波形データを256ch分記載できる。すなわち、本システムでは、1つのTLフレーム100を循環させることにより、256ch分の音響信号を伝送することができる。なお、256ch中の伝送に使われていないch(空きch)の領域については、そこに何が記載されているか気にしなくて良い。なお、波形データのビット数に応じて各chの領域のサイズを変更するようにしてもよい。その場合、16ビットの波形データは512ch分伝送可能であり、24ビットであれば340ch分伝送可能になる。
また、図4に示すように、波形データ領域103においては、予めオーディオネットワークシステム1を構成する各ノードにchを割り当てておき、各ノードは、自身に割り当てられたchの位置に、出力波形データの書き込みを行う。
ここで、この割り当ては、部分ネットワーク毎に行うのではなく、オーディオネットワークシステムSの全体について共通に行う。すなわち、第1部分ネットワークS1を循環するTLフレームと、第2部分ネットワークS2を循環するTLフレームとで、割り当ての内容は共通である。また、音響信号の書き込みを行わず、読み出しのみを行うノードについては、1つもchを割り当てないこともある。
そして、この割り当ては、システム全体の管理動作を行うマスタノードが、各ノードからの要求に基づいて行う。
一方、制御データ領域104としては238バイトを確保し、ここには、イーサネットフレーム領域106、ITLフレーム領域107、および管理データ領域108を設けている。
このうちイーサネットフレーム領域106には、IP(Internet Protocol)に基づくノード間通信用のパケットであるIPパケットをさらにフレーム化したIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3形式のフレーム(イーサネットフレーム)を記載する。
また、記載すべきイーサネットフレームが用意したサイズ(ここでは178バイト)に収まらない場合には、フレームの送信側で必要な数のブロックに分割し、TLフレーム1つにつき、そのブロック1つを記載する。そして、フレームの受信側で複数のTLフレーム100からデータを取り出して結合し、分割前のフレームを復元することにより、通常のイーサネット(登録商標)での伝送と同様にイーサネットフレームをノード間で伝送することができる。
また、ITLフレーム領域107には、隣接ノード間でのコマンド及びコマンドに対する応答の伝送に使用するフレームであるITLフレームのデータを記載する。このITLフレームは、詳細な説明は省略するが、システム内でフレーム伝送路を形成する際の情報伝達や、システム形成後の情報伝達に使用する。
管理データ領域108は、部分ネットワーク内の各ノードがTLフレーム100に含まれるデータの管理に利用するデータを記載する領域である。ここに記載するデータとしては、例えば、レベル表示に使用するレベルデータ、TLフレーム100が伝送中に切断されたことを示す切断検出フラグ、TLフレーム100の伝送にエラーが生じたことを示すエラーフラグ等が挙げられる。
また、FCS105は、IEEE802.3で規定される、フレームのエラーを検出するためのフィールドである。
1.4 TLフレームの伝送方式
次に、図5に、図3に示したTLフレーム100の伝送タイミングを示す。
この図に示すように、部分ネットワーク1においては、TLフレーム100を、96kHz(キロヘルツ)のサンプリング周期1周期である10.4μsec(マイクロ秒)毎に1つ、ノード間を循環させ、各ノードはTLフレームの所望のchへの音響信号の書き込みないし所望のchからの音響信号の読み出しを行うようになっている。従って、各サンプリング周期に、256の信号伝送chについて、それぞれ1サンプル分の波形データを、各ノード間で伝送できる。
1Gbps(ギガビット・パー・セカンド)のイーサネット(登録商標)方式のデータ転送を採用すれば、TLフレーム100の時間長は、1ナノ秒×8ビット×1282バイト=10.26μsecであり、1サンプリング周期内に伝送が完了する。
次に、図6に、部分ネットワーク上での音響信号の伝送時における、図3に示したTLフレームの伝送状況を示す。
ここでは、ノードAからノードDまでの4つのノードをカスケード接続した部分ネットワークを考える。そして、このシステム内の各ノードにTLフレーム100を循環させる場合、いずれか1つのノードを部分マスタと定め、そのノードのみが新たなサンプリング周期のTLフレーム(通し番号の異なるTLフレーム)の生成を行い、サンプリング周期毎に生成されたTLフレームを次のノードへ送信する。部分マスタ以外のノードはスレーブノードであり、それぞれ前のノードからTLフレームを受信し、次のノードへ送信する転送処理を行う。
そして、部分マスタBが最初に図で右向きに、ワードクロックのタイミングに合わせて、ノードCに向かってTLフレームを送信すると、そのTLフレームは、破線で示すように、ノードB→C→D→C→B→A→Bの順で伝送され、ノードBに戻ってくる。この伝送の際、各ノードは、TLフレームを受信してから送信するまでに、他のノードから受信すべき波形データや制御データをTLフレームから読み取り、また他のノードに送信すべき波形データや制御データをTLフレームに書き込む。
そして、部分マスタは、TLフレームが伝送路を1周して戻ってくると、そのTLフレームの管理データを書き換えて後のサンプル周期のTLフレームを生成し、適当なサンプル周期での送信に供する。またこのとき、部分マスタも他のノードと同様にTLフレームに対してデータの読み書きを行う。
以上を繰り返すことにより、1サンプリング周期につき1つのTLフレームに、(a)から(e)に時系列的に示すように、各ノードを循環させることができる。これらの図において、黒塗りの矢印はTLフレームの先頭を、黒丸はTLフレームの末端を示す。線の矢印は、TLフレームの切れ目を分かり易くするために記載したものである。
なお、各スレーブノードは、TLフレームの全てを受信してからデータの読み書きや次のノードへの送信を行う必要はなく、先頭から必要なバイト数だけ受信したら、データの読み書きや次のノードへの送信の処理を開始してしまってよい。そしてその後、TLフレームの末端まで、受信するのとほぼ同じ速さでデータの読み書きや送信を行って行けばよい。ただし、部分マスタについては、TLフレームが正常に伝送路を1周したことを確認するため、TLフレームの全てを受信してから、その内容に基づいて新たなTLフレームの生成を行うことが好ましい。
また、カスケード接続の場合、両端のノード以外のノードは、1周のうちに2度TLフレームを通過させることになるが、このうちITLフレーム領域107以外のデータの読み書きを行うのは1度のみである。どちらでその読み書きを行うかは、最初にTLフレームを通過させる時、図で右向きにTLフレームを通過させる時等、任意に定めればよい。読み書きを行わない場合には、単に送信元アドレスを書き換えてTLフレームの残りの部分はスルーさせればよい。ITLフレームについては、両方向の隣接ノードに伝達できることが好ましい。
また、各ノードにおいて、TLフレームのデータを書き換えるためや、受信側のネットワーククロック(送信元のノードの動作クロックに対応)と送信側のネットワーククロック(当該ノードの動作クロックに対応)の周波数やタイミングの差を吸収するために、TLフレームの受信時にバッファリングを行う必要があるので、TLフレームの受信開始から送信開始まで幾分かのタイムラグが生じる。
そして、ネットワークで伝送される音響信号の伝送遅延(サンプリング周期単位)を最小にしたい場合は、上記のタイムラグの量を考慮して、マスタノードがあるワードクロックのタイミングで送信開始したTLフレームを、2つ先のワードクロックより所定時間α(マスタノード内での新TLフレームの準備に係る時間に対応する)だけ前のタイミングに、マスタノードが受信完了できるようにすればよい。
本システムにおいては、以上のような方式のデータ伝送を行うことにより、1サンプリング周期内にTLフレームを1周させることのできる程度のノード数であれば、ネットワーク内で常にTLフレームのサイズに応じた一定の伝送帯域幅を確保することができる。そして、この帯域幅は、特定のノード間でのデータ伝送量の多寡には影響されない。
なお、ループ接続を行い、部分ネットワーク内に伝送路を2本形成する場合には、図1からわかるように、部分マスタBが生成して図で右向きに送信したTLフレームを、ノードB→C→D→A→Bの順で伝送する伝送路と、部分マスタBが生成して図で左向きに送信したTLフレームを、ノードB→A→D→C→Bの順で伝送する伝送路とができることになる。そしてこの場合、TLフレームが伝送路を1周する間に全てのノードを1回ずつ通過することになるため、各ノードは、その通過の際にデータの読み書きを行う。
1.5 システムを構成する各装置のハードウェア構成及び基本動作
次に、以上説明してきたようなTLフレームの伝送を行うためのハードウェア及びその動作について説明する。
まず、図7に、上述のオーディオネットワークシステムSを構成する各ノードとなる音響信号処理装置のハードウェア構成を示す。
図7に示すように、この音響信号処理装置10は、CPU201,フラッシュメモリ202,RAM203,外部機器I/F(インタフェース)204,表示器205,操作子206を備え、これらがシステムバス207により接続されている。また、外部機器I/F204とシステムバス207とに接続するカードI/O(入出力部)210も備えている。
そして、CPU201は、この音響信号処理装置10の動作を統括制御する制御手段であり、フラッシュメモリ202に記憶された所要の制御プログラムを実行することにより、表示器205における表示を制御したり、操作子206の操作を検出してその操作に従ってパラメータの値の設定/変更や各部の動作を制御したり、コマンドをカードI/O210を介して他の音響信号処理装置に送信したり、カードI/O210を介して他の音響信号処理装置から受信したコマンドに従った処理を行ったりする。
フラッシュメモリ202は、CPU201が実行する制御プログラムを始め、電源を切っても残しておくべきデータを記憶する書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
RAM203は、一時的に記憶すべきデータを記憶したり、CPU201のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
外部機器I/F204は、種々の外部機器を接続し入出力を行うためのインタフェースであり、例えば外部のディスプレイ、マウス、文字入力用のキーボード、操作パネル、PC(パーソナルコンピュータ)等を接続するためのインタフェースが用意される。
外部機器I/F204は、カードI/O210のオーディオバス217にも接続しており、オーディオバス217を流れる波形データを外部装置に送信したり、外部装置から受信した波形データをオーディオバス217に入力したりすることができる。
表示器205は、CPU201による制御に従って種々の情報を表示する表示手段であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や発光ダイオード(LED)によって構成することができる。
操作子206は、音響信号処理装置10に対する操作を受け付けるためのものであり、種々のキー、ボタン、ダイヤル、スライダ等によって構成することができる。
これらの表示器205及び操作子206は、コンソールC1においては、多数のchについて信号処理パラメータやパッチの設定を受け付けるための大型のディスプレイや多数のボタン、スイッチ、電動フェーダ等を設け、入出力装置IO1〜IO4においては電源及びモード設定のための簡単なランプやボタンを設ける等、装置の機能に応じて大きく構成が異なるものである。
また、カードI/O210は、オーディオバス217と制御バス218を備え、これらのバスに種々のカードモジュールを装着することにより、音響信号処理装置10に対する音響信号及び制御信号の入出力及びその処理を行うことができるようにするためのインタフェースである。ここに装着される各カードモジュールは、オーディオバス217を介して相互に波形データを送受信すると共に、制御バス218を介してCPU201との間で制御信号を送受信し、CPU201の制御を受ける。
オーディオバス217は、任意のカードから任意のカードへ、複数チャンネルの波形データをサンプリング周期に基づくタイミングで各1サンプルずつ時分割伝送する音響信号伝送用ローカルバスである。接続された複数カードの何れか1つがマスタとなり、当該カードが生成し供給するワードクロックに基づいてオーディオバス217の時分割伝送の基準タイミングを制御する。その他の各カードはスレーブとなり、その基準タイミングに基づいて各カードのワードクロックを生成する。
すなわち、各カードで生成されるワードクロックは、マスタとなるカードのワードクロックに同期した共通のクロックとなり、ノード内の複数のカードは、共通のサンプリング周波数で波形データの処理を行う。さらに、各カードは、自身のワードクロックに基づいて処理した波形データ及び処理すべき波形データを、上記の基準タイミングに基づく時分割タイミングで、オーディオバス217を介して他のカードに送信し、また他のカードから受信する。
なお、外部機器からデジタルの音響信号を入力するデジタル入力機能を有するカードをマスタとした場合、そのカードは入力音響信号に付随するワードクロックに同期して動作するので、入力音響信号の供給源である外部機器が実質的なワードクロックマスタとなる。
図7には、カードI/O210にDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)カード211,212,アナログ入力カード213,アナログ出力カード214,ネットワークI/Fカード215を装着した例を示している。
カードI/O210に装着される各種カードは、そのカードの機能に応じた波形データの処理を、それぞれ、ワードクロック(波形データのサンプリング周期)に基づくタイミングで実行する。
このうち、DSPカード211,212は、オーディオバス217から取得した波形データに対し、ワードクロックに基づくタイミングで、ミキシング、イコライジング、エフェクト付与を始めとする種々の処理を行う信号処理手段である。処理後のデータも、オーディオバス217に出力する。また、複数chの波形データの入力を受け付けて処理し、複数chの波形データを出力することができる。
アナログ入力カード213は、A/D(アナログ/デジタル)変換回路を備え、マイク等の音声入力装置から入力するアナログ音響信号を、デジタルの波形データに変換してオーディオバス217に供給する機能を有する。複数chの信号を並列して処理することも可能である。
アナログ出力カード214は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路を備え、オーディオバス217から取得したデジタルの波形データをアナログの音響信号に変換して、スピーカ等の音声出力装置に出力する機能を有する。
ネットワークI/Fカード215は、送信I/Fと受信I/Fを2組備え、図2乃至図6を用いて説明した部分ネットワークにおけるTLフレーム100の伝送と、TLフレーム100に対する波形データや制御データ等の読み書きとを行う機能を有する。
また、カードI/O210には、ネットワークI/Fカードを複数枚装着することが可能であり、図1に示した第3入出力装置IO3のような接続ノードにおいては、ネットワークI/Fカードを複数枚装着して、各ネットワークI/Fカード毎に別々の部分ネットワークに接続する。
なお、ここで述べた各種カードのうち、ネットワークI/Fカード215以外のカードは、任意に選択して装着することができる。例えば、図1に示した入出力装置IO1〜IO4においては、信号入出力のみ行えばよいのであれば、DSPカード211,212は不要であるし、ミキサエンジンE1においては、システムの外部に対する信号入出力を行わないのであれば、アナログ入力カード213やアナログ出力カード214は不要である。さらに、コンソールC1においては、パラメータに対する操作のみ行うのであれば、ネットワークI/Fカード215以外のカードを設ける必要はない。
また逆に、ここで挙げたもの以外でも、その他カード216として、デジタル入出力、音源、レコーダ、エフェクタ等の、種々のカードモジュールを装着可能とすることが考えられる。
なお、上述のように、カードI/O210に装着されたカードは、共通のワードクロックに従って音響信号の処理を行うが、音響信号処理装置10がオーディオネットワークシステムSのマスタノードである場合は、装着されたカードのうちの何れか1枚がネットワークI/Fカード215を含む他のカードへワードクロックを供給し、ネットワークI/Fカード215は、音響信号処理装置10が属する部分ネットワークの部分マスタとしてサンプリング周期毎にTLフレームを送信する。音響信号処理装置10がスレーブノードである場合は、ネットワークI/Fカード215がTLフレームの受信タイミングに基づいてワードクロックを生成(再生)し、カードI/O210に装着された他のカードへワードクロックを供給する。
次に、図8に、ネットワークI/Fカード215におけるTLフレーム100の伝送に関する機能をより詳細に示す。
図8に示すように、ネットワークI/Fカード215は、第1,第2受信I/F11,14及び第1,第2送信I/F12,13を備え、また、TLフレーム100の伝送方向を切り換えるためのセレクタ21〜24と、TLフレーム100に対するデータの読み書きを行う第1及び第2データ入出力部31,32と、オーディオバス217及び制御バス218に対してデータを入出力するためのインタフェースであり、音響信号処理装置10のうちネットワークI/Fカード215以外の部分とのインタフェースとなる上位層I/F33とを有する。
このうち、第1,第2受信I/F11,14及び第1,第2送信I/F12,13は、図2に示した2組の受信I/F及び送信I/Fと対応する通信手段であり、それぞれ通信ケーブルと接続するための所定のコネクタ(メス側)を備えている。通信ケーブルの接続に際しては、第1受信I/F11と第1送信I/F12とを1組とし、第2送信I/F13と第2受信I/F14とを1組とする。これらのI/Fは、上述した1サンプリング周期内のTLフレームの伝送に十分な能力を有していれば、どのような通信方式でデータ通信行うI/Fであってもよいが、ここでは1Gbpsのイーサネット方式のデータ転送を行うI/Fを採用している。
一方、第1及び第2データ入出力部31,32はそれぞれ、図示しない動作クロック発生部の発生する動作クロックに基づいて動作し、対応する受信I/Fが受信したTLフレーム100から波形データや制御データ等の所望のデータを読み出す読出手段及び、受信したTLフレーム100に対して波形データや制御データ等の所望のデータの書き込みを行う書込手段として機能する。
また、図2(a)等からわかるように、あるノードが受信したTLフレーム100のそのノードからの送信先は、そのTLフレーム100の送信元と別の装置になる場合(図2(a)のノードB)と、送信元と同じ装置になる場合(同ノードA,C)とがある。そして、前者の場合、TLフレーム100の送信は、TLフレーム100を受信した受信I/Fと別の組の送信I/Fから行い、後者の場合、同じ組の送信I/Fから行う。
セレクタ21〜24は、このような送信先の切り替えを行うために設けたものである。
このうち、セレクタ23,24が、第1受信I/F11が受信し第1データ入出力部31を通過したTLフレームを、第2送信I/F13から送信するか、第1送信I/F12から送信するかを選択するためのセレクタである。
これらのセレクタ23,24は連動しており、セレクタ23が第2送信I/F13側を選択している場合は、第1受信I/F11が受信したTLフレームを第2送信I/F13から送信する一方、セレクタ24は第2受信I/F14側を選択し、第2受信I/F14が受信したTLフレームを第2データ入出力部32に入力する。
逆に、セレクタ23が折り返しライン26側を選択している場合は、セレクタ24も折り返しライン26側を選択し、第1受信I/F11が受信したTLフレームを、折り返しライン26及び第2データ入出力部32を通過させて、第1送信I/F12から送信する。
このとき、セレクタ22が第1送信I/F12側を選択していることが前提となる。しかし、セレクタ21,22も、セレクタ23,24と同様に連動しており、第1受信I/F11で受信したTLフレームに第1データ入出力部31を通過させる場合、セレクタ21は第1受信I/F11側を選択し、これに連動してセレクタ22は第1送信I/F12側を選択している。従って、セレクタ23,24の切り換えにより、第1受信I/F11が受信し、第1受信I/F11が受信したTLフレームを折り返すか否かを選択することができる。
同様に、セレクタ21,22に折り返しライン25側を選択させるか否かにより、第2受信I/F14が受信し第2データ入出力部32を通過したTLフレームを折り返すか否かを選択することができる。
なお、TLフレームを折り返す場合、ネットワークI/Fカード215においてTLフレームが第1及び第2データ入出力部31,32を両方通過することになるが、TLフレームに対するデータの読み書きは、そのうち任意の一方、例えば最初に通過する方において行えばよい。
また、セレクタ21が折り返しライン25を選択している状態で第1受信I/F11が受信したフレーム及び、セレクタ24が折り返しライン26を選択している状態で第2受信I/F14が受信したフレーム(上述したITLフレームの受信が想定される)については、不図示の処理部に供給して、その内容の解析及びその内容に応じた処理を行う。
音響信号処理装置10においては、ネットワークI/Fカード215のハードウェアが上述した動作を行うことにより、図2乃至図6を用いて説明したようなTLフレームの伝送に係る機能を実現することができる。より具体的なハードウェア構成については、後述するワードクロックの生成に関する部分を除き、例えば特開2009−94589号公報に記載のものを採用することができる。
2.接続ノードにおける部分ネットワークの接続について
2.1 オーディオネットワークシステムにおける伝送路の形成手順
この実施形態の特徴的な点は、第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2とを接続する接続ノード(図1の例では第3入出力装置IO3)の動作及び、この接続に関連したマスタノード(図1の例では第4入出力装置IO4)の動作である。そこで、以下これらの点について説明する。
まず図9及び図10に、図1に示したオーディオネットワークシステムSにおいて各ノード間に形成されるTLフレームの伝送路を示す。図9に示すのは、各部分ネットワークにおいてノードをカスケード接続した場合の例、図10に示すのは、同じくループ接続した場合の例である。
図9に示すように、カスケード接続の場合、各部分ネットワークにおいて、両端のノードで折り返す1つのループ状の伝送路が形成される。第1部分ネットワークS1においては伝送路SL1、第2部分ネットワークS2においては伝送路SL2である。
一方、図10に示すようにループ接続の場合、各部分ネットワークにおいて、全てのノードを1度ずつ通る伝送路が2つずつ形成される。第1部分ネットワークS1においては伝送路SL11及びSL12、第2部分ネットワークS2においては伝送路SL21及びSL22である。
そして、いずれの場合も、両部分ネットワークS1,S2において形成される全ての伝送路が、接続ノード(IO3)を通ることになる。
また、カスケード接続の場合もループ接続の場合も、伝送路は、まずマスタノード(図の例ではIO4)を含む部分ネットワークについて、マスタノードを部分マスタとして形成し、その後、接続ノード(図の例ではIO3)を部分マスタとして、他方の部分ネットワークについて形成する。
接続ノードがマスタノードである場合にも、この点は基本的に同様である。すなわちこの場合、接続ノードは双方の部分ネットワークについて部分マスタとなる。またこの場合、2枚のネットワークI/Fカードはいずれも、いずれか一方のネットワークI/Fカードが生成するか、又は外部装置から供給されるワードクロックに基づいて動作し、接続される部分ネットワーク内の各ノードにそのワードクロックのタイミングを伝達する。
次に、図11及び図12に、オーディオネットワークシステムS及び上述したTLフレームの伝送路を形成する際の、ユーザによる作業及びそれに応じた各機器の動作手順を示す。これらの図に示すのは、各機器が物理的に接続されていない状態から伝送路を形成する場合の手順である。
図1に示したオーディオネットワークシステムSを形成する場合、ユーザはまず、第1部分ネットワークS1を形成させる2以上の機器を、カスケード状又はループ状に接続する(S11)。このとき、機器の中の少なくとも1つは、接続ノードになる機器である必要がある。また、ここでいう「接続」には、既に電源が入っている機器を通信ケーブルで繋ぐことと、既に通信ケーブルで繋がれている機器の電源を入れることと、どちらもなされていない機器を通信ケーブルで繋いだ上で電源を入れることとのいずれも含む。
そして、この接続がなされると、接続された機器は、自動的に互いの機器の存在及びその接続のトポロジー(カスケードかループか、及び各機器の接続順)を確認した上で、そのトポロジーに応じて、接続された機器の間を循環する、図9又は図10に示したTLフレームの伝送路を形成し、その伝送路に沿ったTLフレームの伝送を開始する(S21)。
ただし、この段階ではまだTLフレームに対する波形データの読み書きは行わず、TLフレーム100のうちITLフレーム領域107や制御データ領域104を用いて、機器間で制御データの伝送を行うモード(TTLモード)で動作する。また、TLフレームを生成するノードとなる仮の部分マスタは、機器間でネゴシエーションして適当なアルゴリズムで定める。
この際の伝送路の形成手順については、例えば特開2009−94589号公報に記載のものを採用することができる。
また、ユーザは、ステップS11の後、第1部分ネットワークS1における部分マスタを指定する(S12)。この部分マスタは、オーディオネットワークシステムS全体のマスタノードとなるノードである。また、この指定は、ステップS21の完了後に行うことが好ましいが、これは必須ではない。
そして、ステップS12の指定がなされると、TTLモードで動作中の各機器は、ステップS12で指定されたノードを部分マスタとして、接続された各機器の間を循環するTLフレームの伝送路を再構築し、今度はTLフレームに対する波形データの読み書きが可能なモード(RTLモード)でTLフレームの伝送を開始する(S31)。
その後、各機器は、自身が要求する信号伝送ch数をマスタノード(ここでは自身が属する部分ネットワークの部分マスタと一致する)に通知する(S32)。ここで通知するch数は、機器がTLフレーム100に対して何chの波形データを書き込むかを示すものである。この値は、ユーザが予め定めておいた値としたり、自身の備える入力端子(外部から入力する波形データを書き込む場合)や出力ch(内部で処理した波形データを書き込む場合)の数に応じて自動的に決定したりすることができる。なお、要求ch数がゼロである場合もあり、この場合にはchの割り当てを受ける必要がないので、要求ch数の通知も不要である。
なお、ステップS32の通知は、TLフレーム100の制御データ領域104に記載するマスタノード宛てのイーサネットフレームにより行ったり、ITLフレーム領域107に記載するITLフレームを、隣接ノードに順次中継させながらマスタノードまで届けることにより行ったりすることができる。以降に述べる、マスタノードと各機器の間の通信についても同様である。
一方、マスタノードは、ステップS32の通知を受けると、その通知に応じて通知元の機器にTLフレーム100における信号伝送chを割り当てる(S33)。どの機器にどのchを割り当てても問題ないため、先着順で先頭から割り当てる等、任意のアルゴリズムを採用可能である。ただし、信号伝送chの数には限りがあるため、割り当てのできない場合があり、この場合にはその旨を、コンソールC1に表示させる、所定のランプを点灯させる、等の何らかの手段でユーザに通知することが好ましい。ただし、割り当てができなくても、割り当てられなかった機器においてTLフレーム100への波形データの書き込みができないというだけで、TLフレーム100からの波形データの読み出しはできるし、その他の機器の動作に影響はない。
また、マスタノードは、ステップS33で行った割り当ての内容を、各機器に通知する(S34)。各機器は、信号伝送chの割り当て内容を参照してどの信号伝送chに波形データを書き込むかを決定するため、この割り当て内容の通知は、新たな割り当てを行う度に、すなわち割り当ての内容を変更する度に行うことが好ましい。
そして、各機器は、ステップS34での通知を受けると、信号伝送chの割り当て及びパッチの設定内容に従って、TLフレームへの波形データの書き込み及び読み出しを開始する(S35)。以上で、第1部分ネットワークにおいて、ノードとなる各機器の間で音響信号及び制御信号の送受信が可能な状態となる。
ここで、パッチとは、TLフレームへの書き込み時においては、どの入力端子あるいはどの出力chから供給される波形データを、自身に割り当てられている信号伝送chのうち何番目の信号伝送chの領域に書き込むか、という対応関係を規定するデータである。TLフレームからの読み出し時においては、どの機器に割り当てられている信号伝送chのうち何番目の信号伝送chから波形データを読み出して、自身のどの入力chあるいは出力端子に供給するか、という対応関係を規定するデータである。
これらのパッチの内容については、ユーザが所定のインタフェースを用いて任意に設定することができるし、初期状態においても機器毎に何らかのデフォルトの値を用意しておく。
なお、各機器における波形データの送信と受信の設定は、以下のようにして行うことができる。
まず、コンソールC1は、各機器(ミキサエンジンを含む)から、その機器が備える波形データの入力ポート及び出力ポート及び、ミキサエンジンが備える入力チャンネル及び出力チャンネルの情報を取得する。そして、コンソールC1の表示器に、各機器の入力ポートからミキサエンジンの入力チャンネルへの入力パッチ設定画面、ないし、ミキサエンジンの出力チャンネルから各機器の出力ポートへの出力パッチ設定画面を表示し、ユーザによるパッチ設定を受け付ける。
そして、コンソールが、波形データの供給元(1の入力ポートないし出力チャンネル)から供給先(1の入力チャンネルないし出力ポート)へのパッチ(接続)の設定を受け付けたとき、コンソールは該供給元を備えている機器に対し、該供給元からの波形データを送信すべき旨の送信設定を行い、該供給先を備えている機器に対し、該供給元からの波形データを受信し該供給先に供給すべき旨の受信設定を行う。
送信設定が行われた機器は、その機器に割り当てられた信号伝送chのうちの未使用のchを1つ、上記送信設定された供給元からの波形データの送信に使用するchとして確保し、その供給元からの波形データがTLフレームの上記確保されたchの領域に書き込まれるよう当該機器内のパッチを設定(書込設定)する。そして、その確保されたchにその供給元からの波形データが書き込まれていることを示す送信情報を、第1部分ネットワークS1および第2部分ネットワークS2の全機器に通知する。
受信設定が行われた機器は、他の機器から順次通知される送信情報に基づき、受信設定された供給元の信号がTLフレームの何れかの伝送chの領域に書き込まれていないか判定し、書き込まれている場合は、TLフレームのその伝送chの領域から波形データを読み出して、読み出された波形データが、受信設定された供給先に供給されるよう当該機器内のパッチを設定(読出設定)する。
このように、各機器における送信ないし受信の設定は、コンソールにおけるユーザのパッチ設定操作に基づいて行うことができる。なお、パッチ設定操作は、外部機器I/F204に接続されたPCで行われるようにしてもよい。その場合、ここで述べたコンソールの動作は、PCとそのPCが接続された機器とが共同して行う。また、設定された送信設定および受信設定は、各機器の不揮発メモリに記憶されるようにしておき、機器の電源投入時に、保持されている送信設定および受信設定に基づき、電源切断前の接続を自動的に復活させるようにしてもよい。
次に、手順は図12に示す部分に進み、ユーザは、第2部分ネットワークS2を形成させる機器を、接続ノードとカスケード状又はループ状に接続する(S13)。この際には、接続ノードの、ステップS11での接続には用いていないネットワークI/Fカードに対して接続を行う。
そして、この接続がなされると、接続ノードは、自身の接続設定が完全ブリッジか一部ブリッジかを確認する(S51)。
完全ブリッジとは、第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2とで、信号伝送chの割り当てを共通化し、全ての信号伝送chの波形データを共通に用いることができるようにする接続モードであり、本明細書で詳細に説明するのは、この接続モードである。他方、一部ブリッジは、部分ネットワークをまたいで伝送する必要のある音響信号及び制御信号のみを他の部分ネットワークに伝送する接続モードであり、本明細書では詳細な説明は行わない。
接続ノードは、設定に応じてこのいずれの接続モードでも動作可能であり、一部ブリッジの場合には、以降の設定を待つため第2部分ネットワークにおいてTTLモードでTLフレームを循環させる。完全ブリッジの場合には、ステップS52以下の処理に進む。
そして、ステップS13で接続された機器は、自動的に互いの機器の存在及びその接続のトポロジーを確認した上で、接続ノードを第2部分ネットワークの部分マスタに設定し(S52)、トポロジーに応じて、第2部分ネットワークを形成する機器の間を循環する、図9又は図10に示したTLフレームの伝送路を形成し、RTLモードでその伝送路に沿ったTLフレームの伝送を開始する(S53)。
なお、詳しい説明は省略するが、ステップS13において、第2部分ネットワークを形成させる機器が、既にRTLモードのTLフレーム伝送を行っている状態で、カスケードの端部と接続ノードとを結線する等により接続ノードに接続されることも考えられる。この場合には、既に形成されている第1部分ネットワークと、新たに接続された機器により形成されているシステムとのいずれか一方を各システムの優先度に基づいて選択し(優先度が低い方を選択)、その選択したシステムを一旦解体した上で、オーディオネットワークシステムに組み込むことになる。
この場合、新たに接続された機器により形成されているシステムを解体するのであれば、それらの機器のネットワークI/Fカードを全てリセットし、それらの機器における信号伝送chの割り当てを一旦全て解除した上で、図12の処理を行えばよい。逆に、既に形成されている第1部分ネットワークを解体するのであれば、新たに接続された機器により形成されているシステムのマスタノードを、オーディオネットワークシステムSのマスタノードとし、そのノードを含む部分ネットワークを第1部分ネットワークとすると共に、それまで第1部分ネットワークを形成していた機器のネットワークI/Fカード(接続ノードについては第1部分ネットワークに接続されていたネットワークI/Fカードのみ)をリセットし、リセットした機器に対する信号伝送chの割り当てを一旦全て解除した上で、そのリセットした機器がステップS13で接続ノードに接続されたものとして図12の処理を行えばよい。
いずれにせよ、ステップS53の後、第2部分ネットワークS2を形成する各機器は、自身が要求する信号伝送ch数を、マスタノード(第1部分ネットワークの部分マスタ)に、接続ノードを介して通知する(S54)。接続ノードは、第2部分ネットワークS2を循環するTLフレームからこの通知に係るイーサネットフレームあるいはITLフレームを読み出すと、第1部分ネットワークS1を循環するTLフレーム100に、その内容をマスタノードに伝達するためのイーサネットフレームあるいはITLフレームを書き込むことにより、通知の伝達を仲介する。
一方、マスタノードは、ステップS54の通知を受けると、ステップS33の場合と同様に、その通知に応じて通知元の機器にTLフレーム100における信号伝送chを割り当て(S55)、その割り当ての内容を、第1及び第2部分ネットワークを構成する全ての機器に通知する(S56)。第2部分ネットワークを構成する機器への通知は、接続ノードを介してなされることになる。
そして、第2部分ネットワークを構成する各機器は、ステップS56での通知を受けると、信号伝送chの割り当て及びパッチの設定内容に従って、TLフレームへの波形データの書き込み及び読み出しを開始する(S57)。以上で、第2部分ネットワークにおいて、ノードとなる各機器の間で音響信号及び制御信号の送受信が可能な状態となる。
以上の後、接続ノードが第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2との間での波形データのブリッジ(伝送仲介)動作を開始し(S58)、このブリッジを行うことにより、第1部分ネットワークS1のノードがTLフレームに書き込んだ波形データを第2部分ネットワークS2のノードが読み出したり、逆に第2部分ネットワークS2のノードがTLフレームに書き込んだ波形データを第1部分ネットワークS1のノードが読み出したりすることができるようになる。すなわち、第1部分ネットワークのノードと第2部分ネットワークのノードとの間で、相互で波形データの受け渡しが可能となる。
このブリッジの内容については、後に詳述する。
次に、図13に、既にオーディオネットワークシステムSが形成されている状態から、それまでと別のノードをマスタノードとしてシステムを再形成する場合の、図11及び図12と対応する手順を示す。
この場合、ユーザは、任意の操作部(例えばコンソールC1)により、新たなワードクロックソースとして、所望の機器の所望のカード(及び入力ポート)を指定する(S61)。
そして、ステップS61の指定があると、オーディオネットワークシステムSを構成する機器は、イーサネットフレーム又はITLフレームにより、指定操作を受け付けた機器から新たにワードクロックソースに指定された機器まで、その機器がマスタノードに指定されたことを示すコマンドを伝達し、そのコマンドを受け取った機器が、自身をマスタノードに設定する(S71)。
その後、マスタノードとなった機器は、両側の各機器に順次リセットコマンドを伝播させると共に、自身もリセットし、自身を含む部分ネットワークを形成する全機器をリセットする(S72)。さらに、リセットコマンドを受信した接続ノードは、他方の部分ネットワークの各機器にも順次リセットコマンドを伝播させ、その部分ネットワークを構成する全機器をリセットする(S73)。
従って、ステップS72及びS73において、オーディオネットワークシステムSを形成していた全ての機器がリセットされることになる。そして、リセット状態では各機器は図8に示したセレクタ21〜24の全てに折り返しライン25,26側を選択させるため、このリセットに伴い、部分ネットワーク内のループ状の伝送路は消失する。また、TLフレームの伝送が行われなくなるため、各機器への信号伝送chの割り当ても解除する(S74)。
ただし、マスタノードとなった機器には、リセット後も、システムの形成時に自機がマスタノードとなるべきことは把握させておく。
そして、全機器のリセット完了後、図11のステップS31乃至S35と同様な手順により、マスタノードとカスケード接続又はループ接続されている機器が、マスタノードを部分マスタとして第1部分ネットワークS1を形成し、マスタノードが該部分ネットワークを形成する各機器への信号伝送chを割り当て、該部分ネットワークを形成する機器は、その割り当て及びパッチに応じたTLフレームに対する波形データの書き込み及び読み出しを開始する(S75)。
そしてその後、図12のステップS52乃至S58と同様な手順により、接続ノードのうち第1部分ネットワークS1を形成していないネットワークI/Fカードとカスケード接続又はループ接続されている機器が、接続ノードを部分マスタとして第2部分ネットワークS2を形成し、マスタノードが該部分ネットワークを形成する各機器への信号伝送chを割り当て、該部分ネットワークを形成する機器は、その割り当て及びパッチに応じたTLフレームに対する波形データの書き込み及び読み出しを開始する(S76)。一部ブリッジの場合にはこれとは異なる動作になるが、その説明は省略する。
以上の後、接続ノードが第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2との間での波形データのブリッジを開始し(S77)、図12のステップS58の場合と同様、第1部分ネットワークS1のノードと第2部分ネットワークS2のノードとの間で、相互で波形データの受け渡しが可能となる。
以上の手順により、ワードクロックソースを変更してオーディオネットワークシステムSを再構築することができる。
なお、再構築前に第2部分ネットワークS2に属していたノードをステップS61でワードクロックソースに指定することも可能である。この場合、再構築前に第2部分ネットワークであった部分が再構築後には第1部分ネットワークとなり、再構築前に第1部分ネットワークであった部分が再構築後には第2部分ネットワークとなる。
2.2 接続ノードにおける波形データのブリッジ
次に、接続ノードが行う、波形データのブリッジのための動作について説明する。
図14に、オーディオネットワークシステムSを構成する各機器が行うTLフレームに対する波形データの読み書きの内容を模式的に示す。
この図においては、第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2において、各機器がそれぞれ波形データ領域のどの部分からデータを読み出し、どの部分にデータを書き込むかを、3種類の矢印により示している。
第1部分ネットワークS1及び第2部分ネットワークS2の各6本の帯はそれぞれ、第1部分ネットワークS1及び第2部分ネットワークS2を循環する各TLフレーム100の波形データ領域103のうち、図1に示した6つの機器に割り当てられた波形伝送chと対応する領域を示す。なお、図4を用いて説明したように、6つの機器に対する波形伝送chの割り当て内容は、第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2とで共通である。
そして、機器を示すボックスから波形データ領域に延びる矢印は、その機器がその領域に波形データを書き込むことを示し、波形データ領域から機器を示すボックスに延びる矢印は、その機器がその領域から波形データを読み出すことを示す。第3入出力装置IO3については、第1及び第2部分ネットワーク双方の波形データ領域との間に矢印を記載しているが、これは双方の波形データ領域に対して波形データの読み書きを行うことを示す。ただし、上述の通り、部分ネットワーク毎に読み書きに使用するネットワークI/Fカードは異なる。
また、矢印の種類につき、先端が白ヌキの矢印は、ミキシングエンジンE1による信号処理に供する波形データの読み書きを示す。先端が黒塗りの矢印は、外部に出力する波形データの読み書きを示す。これらの2種については、図に示した読み書きは一例であり、各機器になされているパッチの設定によっては、波形データの読み出し及び書き込みの一方又は両方が行われない場合もある。
また、先端が線になっている矢印は、接続ノードによるブリッジ動作のための波形データの読み書きを示す。この読み書きは、第1及び第2部分ネットワークが動作を続ける限り、各機器におけるパッチの設定内容に関係なく、常に実行される。
なお、波形データをTLフレームのある信号伝送chの領域に書き込んだ場合、その領域に書き込まれていた前のサンプル周期の波形データに上書きすることになるため、複数の機器が1つの波形伝送chに波形データを書き込むことはできない。しかし、波形データの読み出しを行っても、TLフレームに書き込まれている波形データに何の影響も与えないため、複数の機器が1つの波形伝送chから波形データを読み出すことはできる。
以上をもとに、図15も参照して、波形データがオーディオネットワークシステムSに入力してから出力されるまでの、システム内における処理の流れを、機器毎の動作と共に説明する。
図15は、オーディオネットワークシステムSを構成する各機器の動作により実現される機能を示す機能ブロック図である。
図14及び図15に示す例では、波形データは、第1乃至第4入出力装置IO1〜IO4及びコンソールC1の全てからオーディオネットワークシステムSに入力する。
また、図15に示すように、第1乃至第4入出力装置IO1〜IO4及びコンソールC1において、パッチ302により、自機の入力部301が備える任意の数の端子(又はポート)に対し、それぞれ自機に割り当てられているTLフレームの信号伝送chのいずれかを対応付けておく。そして、第1乃至第4入出力装置IO1〜IO4及びコンソールC1はそれぞれ、入力部301の各端子から入力する波形データ(アナログ音響信号をAD変換して得る場合も、デジタル入力の場合もある)を、TLフレームの、その端子と対応付けられている信号伝送chの領域に書き込む。
このとき、実際に書き込む先は、自機が属している部分ネットワークのTLフレームである。また、第3入出力装置IO3は、2つの部分ネットワークに属するため、その双方において書き込みを行う。そしてこの段階では、各波形データは、その波形データの書き込みを行った機器が属する部分ネットワークにのみ入力されたことになる。
そこで、第3入出力装置IO3は、上記の書き込みに加え、図14に示すように、ブリッジ動作として、第1部分ネットワークS1に入力された波形データを第2部分ネットワークS2に伝送し、第2部分ネットワークS2に入力された波形データを第1部分ネットワークS1に伝送する処理を行う。
具体的には、第1部分ネットワークS1を循環するTLフレームのうち、第1部分ネットワークS1に属する機器に割り当てられている波形データ領域から波形データを読み出し、第2部分ネットワークS2を循環するTLフレームの波形データ領域の、対応する位置に書き込む。また、これとは別に、第2部分ネットワークS2を循環するTLフレームのうち、第2部分ネットワークS2に属する機器に割り当てられている波形データ領域から波形データを読み出し、第1部分ネットワークS1を循環するTLフレームの波形データ領域の、対応する位置に書き込む。
このとき、対応関係は信号伝送ch単位で管理する。また、この読み出しと書き込みに際し、ある信号伝送chに実際に波形データが書き込まれているか否かや、書き込まれている波形データがその後どこで読み出されるかを意識する必要はない。どの信号伝送chの波形データを読み出し、また書き込むかは、各機器への信号伝送chの割り当て内容と、各機器がどの部分ネットワークに属するかの情報のみに基づいて判断して差し支えない。
そして、このような読み出し及び書き込みを行うことにより、各機器の各端子からオーディオネットワークシステムSに入力した波形データが、第1及び第2部分ネットワーク双方において、TLフレームの共通の信号伝送chと対応する波形データ領域に書き込まれた状態とすることができる。
従って、各機器は、利用しようとする波形データがどの部分ネットワークにおいて最初にTLフレームに書き込まれるかを気にすることなく、オーディオネットワークシステムSに入力する波形データを利用することができる。ただし、どのタイミングで入力した波形データが書き込まれているか、については差が出るが、この点については後述する。
一方、ミキサエンジンE1においては、TLフレームのどの信号伝送chから読み出した波形データを、入力ch部312が備える複数の入力chのうち何番目に入力するかを、図15に示す入力パッチ311により設定しておく。
ミキサエンジンE1は、TLフレームを介さずに外部から直接波形データの入力を受け付ける入力部316も備えており、入力パッチ311は、この入力部316から入力した波形データを入力chに入力する旨の設定も可能である。
そして、ミキサエンジンE1は、入力パッチ311の設定に従い、TLフレームの指定された信号伝送chの位置から読み出した波形データや、入力部316から入力した波形データを、入力パッチ311により対応付けられている入力chに入力する。ここで、上記の通り、第1部分ネットワークS1に入力した波形データも、第3入出力装置IO3のブリッジ動作により第2部分ネットワークS2のTLフレームに書き込まれているので、ミキサエンジンE1は、どの機器からオーディオネットワークシステムSに入力した波形データであっても、自機を通過するTLフレームから読み出すことができる。
各入力chにおいては、入力する波形データに対しレベル調整、周波数特性調整、音像定位位置調整等の信号処理を行った後、混合バス313に入力する。混合バス313は、複数系統設けられており、各入力chから各系統のバスへの出力レベルを、ユーザは任意に設定することができる。
各系統のバスにおいては、各入力chから入力した波形データを混合し、その結果を、バスの系統に対応して設けられる、出力ch部314の出力chに入力する。出力chにおいては、混合バス313から出力される波形データに対し、それぞれレベル調整、周波数特性調整等の信号処理が施される。
また、出力パッチ315により、各出力chで処理した信号を、自機に割り当てられているTLフレームの信号伝送chのうち何番目に書き込むかを設定しておく。ミキサエンジンE1は、TLフレームを介さずに外部へ直接波形データを出力する出力部317も備えており、出力パッチ315は、いずれかの出力chで処理した信号をこの出力部317へ出力する旨の設定も可能である。
そして、ミキサエンジンE1は、出力パッチ315の設定に従い、各出力chで処理した後の波形データを、第2部分ネットワークS2のTLフレームの、その出力chと対応付けられている信号伝送chの領域に書き込むか、出力部317から出力する。ここで書き込んだ内容も、上述のように接続ノードにより他の部分ネットワークのTLフレームに書き写されることになる。
そして、ミキサエンジンE1が書き込んだ波形データは、第3入出力装置IO3のブリッジ動作により、第1部分ネットワークS1を循環するTLフレームにも書き込まれる。従って、第1乃至第4入出力装置IO1〜IO4及びコンソールC1は、各機器が第1及び第2部分ネットワークのいずれに属しているかに関わらず、自機を通過するTLフレームから、ミキサエンジンE1による処理後の波形データを読み出して外部に出力することができる。
また、図15に示すように、第1乃至第4入出力装置IO1〜IO4及びコンソールC1においては、パッチ303により、外部に出力すべき波形データを読み出す信号伝送chと、その信号伝送chから読み出した波形データの出力に使用する出力部304の端子(又はポート)とを対応付けておく。そして、この対応関係に従ってTLフレームの各信号伝送から読み出した波形データを出力部304から出力することにより、ミキサエンジンE1による処理後の所望の出力chの波形データを、所望の出力端子から外部に出力することができる(DA変換してアナログ音響信号として出力する場合も、デジタル出力の場合もある)。
以上のように、オーディオネットワークシステムSにおいては、第3入出力装置IO3が行うブリッジ動作により、TLフレームの伝送路が第1部分ネットワークS1と第2部分ネットワークS2に別れていても、あたかも伝送路が接続ノードで接続されているように、部分ネットワークをまたいだ信号伝送を、容易に行うことができる。
そして、各部分ネットワークをループ接続している場合には、部分ネットワーク毎に1カ所の断線が生じても、断線が生じた部分ネットワークを、カスケード接続の部分ネットワークとして信号伝送を継続させることができる。従って、オーディオネットワークシステムS全体を1つのループに接続する場合に比べ、断線に対する耐性を高めることができる。
また、伝送路の長さの制限は、TLフレームを循環させる部分ネットワーク毎に適用されるため、オーディオネットワークシステムS全体に1つのTLフレームを循環させる場合にくらべ、接続ケーブルを長くして、広範囲に各機器を設置することができる。
なお、ここまでの説明では、部分ネットワークをループ接続により構成した場合の、2つの伝送路を循環するTLフレームの使い分け及び、この使い分けとブリッジ動作との関係について、詳細な説明をしなかったので、この点についてここで補足しておく。
まず、部分ネットワーク内の2つの伝送路においてそれぞれTLフレームを循環させる場合、その一方を用いてTLフレーム1つ分の信号伝送chの波形データを伝送する場合と、双方を別々の信号伝送chを備えたTLフレームと見て波形データの伝送に用いる場合とがある。
このうち、上述した実施形態では、前者の方式を採用しており、管理データについては両方の伝送路を循環させるTLフレームに書き込むが、イーサネットフレーム及び波形データは一方の伝送路を循環させるTLフレームのみに書き込みを行う。
この方式場合、部分ネットワークの1カ所で断線した場合でも、直ちにカスケード接続の動作に切り換え、それまでと同じch数の波形データ伝送を継続できるというメリットがある。
また、オーディオネットワークシステムS内には、信号伝送chはTLフレーム1つ分しか用意されないため、接続形態がカスケードかループかを問わず、伝送chが特定できれば、一つの部分ネットワークのTLフレームのある伝送chの領域から読み出した波形データを、他の部分ネットワークのTLフレームの同じ伝送chの領域に書き込むことは、可能である。従って、各部分ネットワークで接続形態が同じである場合はもちろん、一方の部分ネットワークがカスケード接続であり、他方の部分ネットワークがループ接続であっても、ブリッジ動作に全く問題ない。
3.ワードクロックのタイミング調整について
ところで、既に述べた通り、オーディオネットワークシステムSにおいては、マスタノードがワードクロック供給源を有し、そのワードクロック供給源が生成するワードクロックによって、少なくとも第1部分ネットワークS1におけるTLフレームの送信タイミングを規定している。
また、第1部分ネットワークS1におけるスレーブノードは、接続ノードも含め、TLフレームの受信タイミングを基準とし、例えば特開2008−99264号公報に記載のような手法を用いて、マスタノードにおいてTLフレームの送信からTLフレームが戻ってくるまでの時間の情報と、各ノードにおける1回又は2回のTLフレームの受信タイミングとに基づいて位相を調整することにより、各ノードにおいて、マスタノードと同じ周期でかつ位相が揃ったワードクロックを得られるようにしている。
また、接続ノードは、第2部分ネットワークS2においては部分マスタとして機能するが、この部分マスタとしてTLフレームを送信するタイミングを規定するワードクロックとしては、第1部分ネットワークS1においてスレーブノードとして生成した、上述の「マスタノードと同じ周期でかつ位相が揃ったワードクロック」を用いる。
そして、第2部分ネットワークS2におけるスレーブノードが、TLフレームの受信タイミングを基準として、上述の第1部分ネットワークの場合と同様に、各ノードにおいて、部分マスタと同じ周期でかつ位相が揃ったワードクロックを得られるようにしている。
従って、オーディオネットワークシステムSにおいては、全てのノードが、マスタノードと同じ周期でかつ位相が揃ったワードクロックを得ることができる。そして、このワードクロックに基づいて信号処理や信号入出力のタイミングを規定することにより、TLフレームの循環を部分ネットワーク毎に行う場合でも、システム全体としてタイミングの合った処理を行うことができる。
ここで、図16に、オーディオネットワークシステムSを構成する各ノードにおけるTLフレームの先頭の到達タイミングを示す。(a)は、各部分ネットワークをカスケード接続により構成した場合の例、(b)は、各部分ネットワークをループ接続により構成した場合の例である。
この図に破線及び一点鎖線の矢印で示すのがTLフレームの到達タイミングであるが、図16(a)から分かるように、カスケード接続の場合、1サンプリング周期に1つのTLフレームが、カスケードの両端のノードを除いては、時間差を置いて2回通過する。また、両端のノードについても、時間差(ほぼ)ゼロで2回通過すると考えることができる。このうち、スレーブノードが1回目にTLフレームを受信する時刻を第1受信時刻Traとし、2回目にTLフレームを受信する時刻を第2受信時刻Trbとする。両端のノードについては、Tra=Trbと考えることができる。
また、前方遅延Dfw1,Dfw2は、各部分ネットワークにおいて、部分マスタがTLフレームを送信時刻Tsにフォワード側(ある周期のTLフレームを最初に送信する側:図で右側とする)に送信してから、1度目にTLフレームが部分マスタに戻ってくるまでの時間である。後方遅延Dbw1,Dbw2は、1度目にTLフレームが部分マスタに戻ってきた後、バックワード側に送信してから2度目にTLフレームが部分マスタに戻ってくるまでの時間である。従って、Dfw1+Dbw1が、TLフレームに第1部分ネットワークの伝送路を1周させるのに要する時間である総遅延Drt1である。同様に、Drt2=Dfw2+Dbw2である。なお、部分マスタが部分ネットワークの端部にある場合には、DfwnとDbwn(n=1,2)のうち一方(ノードが接続されていない側の遅延)がゼロになる場合もある。
一方、図16(b)からわかるように、ループ接続の場合、1サンプリング周期に2つのTLフレームが逆向きに1回ずつ、計2回スレーブノードを通過する。どちら向きのTLフレームが先に通過するかは、該当ノードと部分マスタとの位置関係に応じて異なる。しかしこの場合も、1サンプリング期間中に2回TLフレームを受信することはカスケード接続の場合と同様であるので、スレーブノードが1回目にTLフレームを受信する時刻を第1受信時刻Traとし、2回目にTLフレームを受信する時刻を第2受信時刻Trbとする。
また、部分マスタがTLフレームを送信してからそのTLフレームが部分マスタに戻るまでの時間は、フォワード側に送信した場合も、バックワード側に送信した場合も、同じ距離の通信ケーブルと同じ数のノードとを経由して戻ってくるのであるから、同じ時間のはずである。従って、カスケード接続の場合と同様に変数を定義すれば、Drt1=Dfw1=Dbw1,Drt2=Df2=Db2となる。なお、リングIDは、1つの部分ネットワーク内に形成される2本の伝送路にそれぞれ付したIDである。
オーディオネットワークシステムSにおいては、各部分ネットワークにおいてカスケード接続とループ接続でそれぞれ以上のようなTLフレームの伝送が行われることを前提として、全ノードで目標遅延Dtに応じた制御を行うことにより、信号処理に使用するワードクロックのタイミングを、目標時刻Ttに合わせるようにしている。
このようなワードクロックのタイミング調整は、ネットワークI/Fカード215が備えるワードクロック生成部が行う。
図17乃至図20に、ノードの機能に応じたワードクロック生成部の構成を示す。図17は接続ノードではないマスタノード、図18はマスタノードでも接続ノードでもないスレーブノード、図19はマスタノードではない接続ノード、図20はマスタノードと接続ノードを兼ねるノードにおける構成である。
接続ノードではないマスタノードにおいては、図17に示すPLL(Phase Locked Loop)発振器302が、波形データのサンプリング周波数(サンプリング周期の逆数)と同じ周波数の伝送用ワードクロック(WC)を生成し、送信時刻Tsを示す信号として、データ入出力部301に供給する。このデータ入出力部301は、図8に示した第1,第2データ入出力部31,32を集合的に示したものである。
また、波形処理部320はオーディオバス217に接続された他のカードにおける信号処理部を示しており、その波形処理部320に供給されている信号処理用ワードクロックは、ネットワークI/Fカード215を含むそれら複数のカードに共通のワードクロックである。この波形処理部320は、図8の上位層I/F33に接続された上位層の一部に相当する。
ここで、図面中のDt遅延部303は、伝送用ワードクロックと信号処理用ワードクロックとの間に、図16に示した目標遅延Dtに対応するタイミング差があることを示す。この目標遅延Dtは、RTLモードの部分ネットワークを形成する際に図11及び図12の処理で予め設定され、マスタノードからオーディオネットワークシステムの全ノードに伝達される定数である。またこの伝達は、ITLフレームにより行うことができる。
また、マスタノードと接続ノードが異なる場合には、接続ノードが生成する信号処理用ワードクロックの位相をマスタクロックが生成する伝送用ワードクロックの位相と合わせるため、目標遅延Dtは、ワードクロックの1周期に等しい値とする。マスタノードと接続ノードが同じ機器である場合には、この点を意識せず、Dtの値を、Drtより大きな値であれば任意に定めて良い。
なお、PLL発振器302による伝送用ワードクロックの生成は、ネットワークI/Fカード215がクロックマスタの場合には独自のタイミングに従い、他のカードがクロックマスタの場合はオーディオバス217を介して供給される他のカードからのワードクロックに同期するように、行うことができる。しかし、どちらの場合も、伝送用ワードクロックと信号処理用ワードクロックとの間には遅延量Dtに対応するタイミング差があるようにする。また、遅延量Dtがワードクロックの1周期に等しい場合には、遅延を行っても行わなくてもワードクロックの位相に変化はないため、遅延処理を省略してもよい。
また、遅延時間計測部304は、データ入出力部301におけるTLフレームの送受信タイミングに基づいて前方遅延Dfw1と後方遅延Dbw1を計測する。またこの遅延時間の情報は、信号処理用ワードクロックのタイミングの基準とするための基準情報として各サンプリング周期のTLフレームの管理データ領域102に記載して、部分ネットワーク内の他のノードに通知される。
次に、図18に示すように、スレーブノードにおいては、データ入出力部301で検出した、TLフレームの受信時に発生するタイミング信号を、PLL発振器314に入力して周期を安定させ、信号処理用ワードクロックを生成する。そしてこのとき、Dx遅延部313により、受信タイミング信号をTLフレームに記載された遅延時間の情報に応じた量だけ遅延することにより、タイミング信号のPLL発振器314への供給タイミングが図16に示した目標時刻Ttとなるようになっている。
このときの遅延量Dxは、Dx演算部312において、1つのサンプリング周期のTLフレームが伝送路を循環する間の2回の受信時刻TraとTrbを計測し、これらの値と共に、TLフレームから読み出した前方遅延Dfwnと後方遅延Dbwnと部分ネットワークの動作状態(カスケード接続かループ接続か)、およびマスタノードから予め通知されている目標遅延Dtを用いて、例えば以下の式により求めることができる(いずれもn = 1, 2)。なお、TraとTrbは、カスケード接続の場合は1つのTLフレームの2回の受信時刻、ループ接続の場合は異なる伝送路を伝送される2つのTLフレームの各1回ずつの受信時刻である。
・カスケード接続の場合(部分マスタよりフォワード側のノード)
Dx = Dt - (Dfwn + (Trb - Tra))/2 ・・・Trbからの遅延
・カスケード接続の場合(部分マスタよりバックワード側のノード)
Dx = Dt - Dfwn - (Dbwn + (Trb - Tra))/2 ・・・Trbからの遅延
・ループ接続の場合
Dx = Dt - (Dfwn + (Trb - Tra))/2 ・・・Trbからの遅延
次に、マスタノードではない接続ノードにおいては、図19に示すように、まず第1部分ネットワークS1に接続している第1ネットワークI/Fカード215aにおいて、図18に示したスレーブノードの場合と同様に、PLL発振器314により、TLフレームの受信時に発生するタイミング信号に基づいて信号処理用ワードクロックを生成する。
そして、この信号処理用ワードクロックを、送信時刻Tsを示す信号として、自身が部分マスタとなっている第2部分ネットワークS2に接続する第2ネットワークI/Fカード215bのデータ入出力部301に供給する。これは、図17に示したマスタノードにおいて、ネットワークI/Fカード以外のカードがクロックマスタの場合に相当する。
ここで、遅延量Dtがワードクロックの1周期に等しい値である場合、PLL発振器314が生成する信号処理用ワードクロックは、マスタノードが生成する伝送用ワードクロックと同じ位相である。従って、接続ノードは、第1部分ネットワークにおいてマスタノードがTLフレームを送信するのと同じタイミングで、第2部分ネットワークS2において、TLフレームを送信することができる。
次に、マスタノードと接続ノードを兼ねるノードにおいては、いずれか1つのネットワークI/Fカード(図では第1ネットワークI/Fカード215a)において、図17に示したマスタノードの場合と同様、PLL発振器302が伝送用ワードクロックを生成し、送信時刻Tsを示す信号として、そのネットワークI/Fカードのデータ入出力部301に供給する。
そして同時に、他のネットワークI/Fカード(図では第2ネットワークI/Fカード215b)のデータ入出力部301にも、その伝送用ワードクロックを、送信時刻Tsを示す信号として供給する。これも、図17に示したマスタノードにおいて、TLフレームを送信するネットワークI/Fカード以外のカードがクロックマスタの場合に相当する。
接続ノードがマスタノードとなる場合には、このように、特にタイミング調整を行わなくても、第1部分ネットワークS1においてTLフレームを送信するのと同じタイミングで、第2部分ネットワークS2においてもTLフレームを送信することができる。
4.波形データサンプルのタイミング調整について
オーディオネットワークシステムSにおいては、上述した接続ノードによるブリッジ動作に要する時間のため、部分ネットワークをまたいだ波形データの伝送にはある程度の時間を要する。
例えば、第4入出力装置IO4からある時点でオーディオネットワークシステムSに入力した波形データ(W4とする)は、第1部分ネットワークS1のTLフレームに書き込まれてから、第2部分ネットワークS2のTLフレームに書き込まれるまでに、ある程度時間がかかる。その波形データがTLフレームに書き込まれて第4入出力装置IO4から第3入出力装置IO3に伝送され、そこで一旦読み出された上で第2部分ネットワークS2のTLフレームに書き込まれるまでの時間である。
一方、例えば同じ時点に第1入出力装置IO1からオーディオネットワークシステムSに入力した波形データ(W1とする)は、このようなタイムラグなしに、第2部分ネットワークS2のTLフレームに書き込まれる。
従って、第1及び第4入出力装置において音響信号の入力から波形データのTLフレームへの書き込みまでの時間に差がないとしても、W1とW4が第2部分ネットワークS2を循環するTLフレームに書き込まれるタイミングは、上記の「ある程度の時間」分だけずれることになる。従って、W4は、W1が書き込まれるTLフレームよりもいくつか後のサンプリング周期(Xサンプリング周期とする)に循環するTLフレームに書き込まれることになる。
すなわち、あるサンプリング周期においてW1の書き込まれているTLフレームを見た場合、W4と対応する信号伝送chには、それよりもXサンプリング周期前のタイミングで第4入出力装置IO4から入力した波形データが書き込まれていることになる。
他の装置間でも同様なことが言えるため、結局のところ、ある時点である部分ネットワークを循環するTLフレームの波形データ領域に書き込まれている波形データを見た場合、その部分ネットワークに属さない機器の波形データ(接続ノードにより書き込まれた波形データ)は、その部分ネットワークに属する機器の波形データよりも、Xサンプリング周期前のものであることになる。
そして、このようなタイミングずれを放置すると、信号処理時に、位相ズレによるうなりの発生等により、音響信号の品質劣化の原因となることが考えられる。オーディオネットワークシステムSは、第1部分ネットワークS1及び第2部分ネットワークS2からなるが、全体で1つのシステムとして動作させるため、このようなタイミングずれを放置することは好ましくない。従って、各機器、特に信号処理を行う機器がTLフレームから波形データを読み出す場合には、このようなタイミングずれを補正するようにしている。
具体的には、あるTLフレームから読み出した、自身と同じ部分ネットワークに属する機器の波形データ(その機器に割り当てられている信号伝送chから読み出した波形データ)を、同じTLフレームから読み出した、自身と異なる部分ネットワークに属する機器の波形データよりも、タイミングずれの分だけ、例えばXサンプリング周期だけ遅延させて、後の信号処理に供するようにすればよい。
なお、オーディオネットワークシステムSにおいては、特に対策を取らなければ、部分ネットワーク毎に、特開2008−99264号公報に記載のような、読み出し機器よりもTLフレームの伝送路で下流の機器(その機器が波形データを書き込んだTLフレームが読み出し機器に到達するまでに部分マスタを通る場合)由来であるか上流の機器(その機器が波形データを書き込んだTLフレームが読み出し機器に到達するまでに部分マスタを通らない場合)由来であるかによる波形データの周期ズレは発生する。そこで、上記の波形データ遅延量の調整を行う場合に、この上流/下流も考慮して遅延量を決定し、このズレも同時に補正することが好ましい。
このとき、接続ノードがブリッジ動作のためにTLフレームから波形データを読み出す時点で、そのTLフレームには、波形データを書き込んだ機器と接続ノードとの上流/下流の位置関係に応じて異なるサンプリング周期の波形データが書き込まれていることに注意が必要である。しかし、接続ノードがTLフレームから読み出した波形データをブリッジするために上位層I/F33に供給する際に遅延量の補正を行えば、ブリッジ先のTLフレームに対する書き込みを行う段階では、ブリッジ元の部分ネットワークにおいて生じていた周期ズレを補正することができる。
以上を考慮すると、各機器においてTLフレームから読み出した波形データについて、その波形データがどのような経路で読み出し機器まで転送されてきたかに応じて、以下の4通りの場合分けに従って、出力するまでの遅延量を決定すればよい。
なお、以下の数字は一例であり、部分マスタにおいて受信したTLフレームから新たなTLフレームを生成する際に生じる遅延を2サンプリング周期、接続ノードにおけるブリッジ動作の際に生じる遅延を6サンプリング周期(ブリッジ元の部分ネットワークにおいて生じた周期ズレの補正に4サンプリング周期+オーディオバス218によるネットワークI/Fカード215間の転送に2サンプリング周期)とした場合の例である。
接続ノードにおけるブリッジ時の周期ズレ補正のための遅延量は以下の通りである。
(i)読み出すネットワークI/Fカードと同じ部分ネットワークの上流の機器から波形データを受信する場合
→4サンプリング周期
(ii)読み出すネットワークI/Fカードと同じ部分ネットワークの下流の機器から波形データを受信する場合
→2サンプリング周期(転送時に(i)に比べて2サンプリング周期遅れている)
各機器においてTLフレームから読み出した波形データの周期ズレの補正のための遅延量は以下の通りである。
(1)同じ部分ネットワークの上流の機器から波形データを受信する場合
→10サンプリング周期
(2)同じ部分ネットワークの下流の機器から波形データを受信する場合
→8サンプリング周期(転送時に(1)に比べて2サンプリング周期遅れている)
(3)別の部分ネットワークの機器から波形データを受信し、読み出し機器が属する部分ネットワークにおいて接続ノードが読み出し機器より上流にある場合
→4サンプリング周期(転送時に(1)に比べて6サンプリング周期遅れている)
(4)別の部分ネットワークの機器から波形データを受信し、読み出し機器が属する部分ネットワークにおいて接続ノードが読み出し機器より下流にある場合
→2サンプリング周期(転送時に(1)に比べて6+2=8サンプリング周期遅れている)
接続ノードがブリッジ動作以外でTLフレームに書き込んだ波形データ(接続ノードの入力ポートや出力chから供給された波形データ)を読み出す場合については、接続ノードは、両部分ネットワークにおけるTLフレームに、ブリッジ動作を介さずに波形データを書き込めるため、どちらの部分ネットワークのノードから見ても「同じ部分ネットワークに属する機器」と扱うことができる。
また、接続ノードがTLフレームから読み出した波形データをブリッジ動作以外で使用する場合(接続ノードの出力ポートや入力chに供給する場合)にも、上記(1)〜(4)と同様な遅延を行う。このとき、1つの波形データにつき、ブリッジ用と出力用で異なる遅延量の波形データを上位層I/F33に供給する場合もある。
図21及び図22にそれぞれ、このような遅延を考慮した、ミキサエンジンE1及びコンソールC1においてTLフレームからの波形データの読み出し時に行うタイミング調整の例を示す。
これらの図に示すのは、遅延量の設定を、上記(1)〜(4)の例に従い、図10に示すループ接続で各部分ネットワークを時計回りに循環するTLフレームから波形データを読み出すとして行った例である。
また、これらの図において、TLフレーム100の波形データ領域の、各機器に割り当てられた信号伝送chと対応する領域を、該機器の符号で示しているが、このうち、注目した機器と異なる部分ネットワークに属する機器と対応する領域に、このことを示すハッチングを付した。
一方、ミキサエンジンE1及びコンソールC1は、TLフレームに書き込まれている波形データのうち、自身が信号処理に使用する信号伝送chの波形データを読み出して上位層I/F33に供給する。そこで、その信号伝送ch毎にFIFOメモリ(FIFO1in〜kin、kは機器毎に異なってよい)を設け、TLフレームから読み出した波形データをそこに書き込む。図21及び図22において、各FIFO中の「SD」は、1サンプル分の波形データを示し、カッコ内の3つの値は、先頭から順に、TLフレームにデータを書き込んだノード、そのノードが何番目のデータとして書き込みを行ったか、および何周期目のデータか、を示す値である。また、上側に記載したデータの方がFIFOメモリに後で書き込まれたデータである。
これらの図に示すように、同じTLフレームから読み出したデータでも、FIFOに書き込まれるデータには、書き込み機器から読み出し機器までの伝送経路に応じて、第S周期、第S−2周期、第S−6周期、第S−8周期と種々に異なる時点のデータがある。
そして、RTLモードのTLフレーム伝送を開始する際及びその後オーディオネットワークシステムに機器が追加又は削除された際にマスタノードから通知される、ノードの接続順を示すトポロジーテーブルを参照すれば、各書き込み機器からの伝送経路が上記(1)〜(4)のいずれに該当するかを把握できる。
そこで、ミキサエンジンE1及びコンソールC1は、FIFOメモリに書き込んだデータを上位層I/F33に供給する際に、伝送経路に応じて上記(1)〜(4)に従って定めた遅延量だけ遅延させる。そして、このことにより、由来ノードによらず周期の揃った波形データを、読み出し機器のワードクロックのタイミングで、上位層I/F33に供給することができる。
5.変形例
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成、データの構成、採用する通信規格、サンプリング周期、具体的な処理内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、上述の実施形態では、マスタノードとスレーブノードとで機能が異なるように説明を行なったが、どの装置がマスタノードになるかは、実際にオーディオネットワークシステム又は部分ネットワークを形成する際に指定されるまでは、装置自身には認識できない。そこで、各装置は、マスタとスレーブの両方として機能できるように構成しておき、マスタノードになっているか否かに応じて適切な機能を有効にするようにするとよい。もちろん、スレーブとしてのみ機能できる、マスタノードに指定できない装置があってもよい。
また、上述した実施形態においては、マスタノードが信号伝送chの割り当て(伝送帯域の管理)を行うようになっていたが、必ずしもマスタノードがこれを行わなくてもよい。伝送帯域の管理権限をマスタノードから独立させ、マスタノードではない機器にその管理権限を持たせて、その権限を持つ機器が伝送帯域の管理を行うようにしたり、複数の機器間で伝送帯域の管理権限を回して、複数の機器が交代で信号伝送chの割り当てを行うようにしてもよい。
接続ノードについては、複数のネットワークI/Fカードを要するため、他のノードとハードウェア上の要求が異なる。しかし、電源ON中にカードの抜き差しが可能な規格であれば、システム内の適当な機器に後からネットワークI/Fカードを追加して接続ノードとして機能させられるようにすることも、考えられる。
また、オーディオネットワークシステムに接続するためのI/Fや信号処理のためのDSPなどを、カード状に形成して音響信号処理装置10の本体から着脱可能とすることも、必須ではない。
また、部分ネットワークをカスケード接続により構成する場合に、接続ノードがカスケードの端に位置する必要はない。
また、上述の実施形態では、2つの部分ネットワークを接続する例について説明したが、3つ以上の部分ネットワークを同様に接続してオーディオネットワークシステムを構成してもよい。
以上説明してきた変形及び実施形態の説明において述べた変形は、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて適用可能である。また逆に、ネットワークシステム及び音響信号処理装置が実施形態の説明において述べた特徴を全て有している必要もない。
以上の説明から明らかなように、この発明のネットワークシステムによれば、広範囲に配置された多数の機器の間で、音響信号を信頼性よく伝送できるネットワークシステムを実現することができる。
従って、この発明を適用することにより、ネットワークシステムの利便性を向上させることができる。
C1…コンソール、E1…ミキサエンジン、IO1〜IO4…第1〜第4入出力装置、S…オーディオネットワークシステム、S1…第1部分ネットワーク、S2…第2部分ネットワーク、10…音響信号処理装置、11,14…第1、第2受信I/F、12,13…第1,第2送信I/F、21〜24…セレクタ、25,26…折り返しライン、31,32…第1,第2データ入出力部、100…TLフレーム

Claims (3)

  1. それぞれカスケード接続又はループ接続された複数のノード全てを通過するリング状の伝送路を形成し、該伝送路を循環するフレームに対して各ノードが音響信号及び制御信号の書き込み及び/又は読み出しを行うことによりシステムを構成するノード間で音響信号及び制御信号の伝送を行う第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムとを、前記第1のネットワークシステムと前記第2のネットワークシステムとの双方に属する1つの接続ノードにより接続したネットワークシステムであって、
    前記第1のネットワークシステムを構成するノードのうち前記接続ノード以外の1つのノードがマスタノードとして機能して、定期的にフレームを生成して前記第1のネットワークシステムにおける前記リング状の伝送路に送出し、
    前記接続ノードが、前記マスタノードが生成したフレームを受信する周期と同じ周期で定期的にフレームを生成して前記第2のネットワークシステムにおける前記リング状の伝送路に送出し、
    いずれかのノードが、当該ネットワークシステムを構成するノードに、前記第1のネットワークシステムを循環させるフレームと、前記第2のネットワークシステムを循環させるフレームとで共通して用いる信号伝送チャンネルを割り当て、
    当該ネットワークシステムを構成する各ノードは、受信したフレームのうち、該ノードに割り当てられた信号伝送チャンネルと対応する領域に、他のノードに送信すべき音響信号を書き込み、
    前記接続ノードは、前記各ノードへの信号伝送チャンネルの割り当て結果に基づき、前記第1のネットワークシステムを循環するフレームのうち、前記第1のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、該音響信号を、前記第2のネットワークシステムに循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むと共に、前記第2のネットワークシステムを循環するフレームのうち、前記第2のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、該音響信号を、前記第1のネットワークシステムを循環するフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むことを特徴とするネットワークシステム。
  2. それぞれカスケード接続又はループ接続された複数のノード全てを通過するリング状の伝送路を形成し、該伝送路を循環するフレームに対して各ノードが音響信号及び制御信号の書き込み及び/又は読み出しを行うことによりシステムを構成するノード間で音響信号及び制御信号の伝送を行う第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムとを、前記第1のネットワークシステムと前記第2のネットワークシステムとの双方に属する1つの接続ノードにより接続したネットワークシステムであって、
    前記接続ノードがマスタノードとして機能して、定期的にフレームを生成して前記第1のネットワークシステムにおける前記リング状の伝送路に送出すると共に、そのフレームの送出周期と同じ周期で定期的にフレームを生成して前記第2のネットワークシステムにおける前記リング状の伝送路に送出し、
    いずれかのノードが、当該ネットワークシステムを構成するノードに、前記第1のネットワークシステムを循環させるフレームと、前記第2のネットワークシステムを循環させるフレームとで共通して用いる信号伝送チャンネルを割り当て、
    当該ネットワークシステムを構成する各ノードは、受信したフレームのうち、該ノードに割り当てられた信号伝送チャンネルと対応する領域に、他のノードに送信すべき音響信号を書き込み、
    前記接続ノードは、前記各ノードへの信号伝送チャンネルの割り当て結果に基づき、前記第1のネットワークシステムを循環するフレームのうち、前記第1のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、該音響信号を、前記第2のネットワークシステムに循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むと共に、前記第2のネットワークシステムを循環するフレームのうち、前記第2のネットワークシステムを構成するノードに割り当てられている信号伝送チャンネルと対応する領域から音響信号を読み出して、該音響信号を、前記第1のネットワークシステムを循環させるフレームの、同じ信号伝送チャンネルと対応する領域に書き込むことを特徴とするネットワークシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のネットワークシステムであって、
    当該ネットワークシステムを構成する各ノードは、前記フレームから読み出した音響信号について、前記第1のネットワークシステム及び前記第2のネットワークシステムのうち該ノードが属するシステムのノードが書き込んだ音響信号を、ノードが属さないシステムのノードが書き込んだ音響信号よりも、前記接続ノードが音響信号を前記属さないシステムのフレームから読み出して前記属するシステムのフレームに書き込むのに要する時間だけ遅延させて後の処理に用いることを特徴とするネットワークシステム。
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