JP5044438B2 - 減速機構付きモータ - Google Patents
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Description
従来のワイパモータとして、モータ部と、モータ部の回転を減速し出力軸に出力する減速機構部と、モータ部に連結され減速機構部を収容する有底状のギヤケースと、ギヤケースに設けられ出力軸を回転自在に支承する軸受部と、出力軸を軸受部の端面で回転自在に保持するプッシュナットと、を備えたものがある。
また、テーパセレーション部の硬度が高い場合には、プッシュナットの内側周縁部が摩耗するために、プッシュナットの保持力が低下する危惧がある。
(1)モータ部と、
該モータ部の回転を減速し、出力軸に出力する減速機構部と、
前記モータ部に連結され、前記減速機構部を収容する有底状のギヤケースと、
該ギヤケースに設けられ前記出力軸を回転自在に支承する軸受部と、
前記出力軸を前記軸受部の端面で回転自在に保持するプッシュナットと、
を備えた減速機構付きモータであって、
前記出力軸は、その先端側に加工された硬化部と、
該硬化部と前記軸受部端面との間で前記プッシュナットを保持する保持部と、
前記軸受部に回転自在に支承される支承部と、を備えており、
前記プッシュナットは内径が前記硬化部の外径よりも大きく、前記保持部の外径よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする減速機構付きモータ。
(2)前記硬化部は、前記保持部の外径よりも小さく形成された逃げ部と、該逃げ部の先端側に形成されたテーパセレーションである前記(1)の減速機構付きモータ。
(3)前記硬化部は、熱処理されている前記(1)(2)の減速機構付きモータ。
前記(2)によれば、保持部の先端に形成され、保持部の外径よりも小さい外径を有する逃げ部を設けることでプッシュナット内側周縁部の摩耗を防止することができる。
なお、本実施の形態においては、モータ本体12としてブラシ付き直流モータが用いられているが、これに限らず、ブラシレス直流モータ等のような他の形式のモータを用いるようにしてもよい。
ギヤボックス14はボックス本体としてのギヤケース16と、ギヤケース16を閉塞する蓋体としてのギヤカバー17とを備えており、これらを組み合わせることによりギヤボックス14が構成されている。
図2および図4に示されているように、ギヤケース16はアルミニウム合金によりバスタブ状に形成されており、その一側部においてモータヨーク12aに固定されている。
モータ本体12が作動すると、ウォーム15aは回転軸12bと共に、回転するようになっている。
また、ギヤケース16には出力軸18に固定されたウォームホイル15bが回転自在に収容されており、このウォームホイル15bとウォーム15aとが噛み合わされてギヤケース16の内部にはウォームギヤ機構つまり減速機構15が構成されている。
これにより、モータ本体12が作動して回転軸12bが回転すると、その回転は減速機構15により所定の回転数にまで減速されて出力軸18から出力される。
図1に示されているように、ギヤカバー17には複数のフィンを備えたアルミニウム合金製のヒートシンク21が設けられており、ギヤカバー17の外面部分の略半分はヒートシンク21により占められている。
制御基板22は、ギヤカバー17がギヤケース16に固定されることにより、ギヤボックス14に収容されるとともに、固定されるようになっている。
制御基板22は図示しない給電線によりモータ本体12に接続されるとともに、図示しない給電線によりギヤカバー17に設けられたコネクタ23(図1参照)を介して図示しないワイパスイッチや図示しないバッテリ(電源)に接続されている。制御基板22はワイパスイッチからの指令信号に応じてモータ本体12に直流電流を供給して作動制御を行うようになっている。
また、テーパセレーション部32と逃げ部33のテーパセレーション部32付近とには、熱処理が施されることによって硬度が高められた硬化部(図4の散点領域参照)36が形成されている。硬化部36は、テーパセレーション部32を硬度が高いワイパアームやリンクに確実に食い込ませるために、テーパセレーション部32に形成される。
逃げ部33は外径が、テーパセレーション部32の最大外径と等しく、保持部34の外径よりも小さく形成されている。保持部34は外径が、ジャーナル部35の外径に対して小さいか、もしくは等しく形成されており、逃げ部33よりも大きく形成されている。逃げ部33は保持部34を一定深さ切削加工することにより、形成することができる。
本実施形態の硬化部36は、予め出力軸18の先端側に逃げ部33を形成し、逃げ部33の先端にテーパセレーション部32を成形した後に、逃げ部33およびテーパセレーション部32を熱処理し硬化させている。
出力軸18は雄ねじ部31、テーパセレーション部32、逃げ部33および保持部34が、軸受部40の先端開口から突き出しており、保持部34にはワッシャ42を介してプッシュナット43が圧入されている。
ワッシャ42は耐摩耗性を有する材料が使用されて円形リング形状に形成されている。ワッシャ42は内径を出力軸18のジャーナル部35よりも大径に形成されている。
プッシュナット43は弾性を有する金属が使用されて円錐台リング形状に形成されており、円錐台リング形状の大径側端部には鍔部44が形成されている。プッシュナット43の内側周縁部は保持部34外周面に係合する(食い込む)係合面45を形成している。プッシュナット43は内径を、硬化部36すなわちテーパセレーション部32および逃げ部33の外径よりも大きく、保持部34の外径よりも小さく形成されている。
図4(a)に示されているように、出力軸18の保持部34にOリング(円環状シールゴム)46およびワッシャ42が嵌合された後に、プッシュナット43が鍔部44側を先方にした状態で、保持部34に相対的に圧入される。
この際に、プッシュナット43は内径を硬化部36すなわちテーパセレーション部32および逃げ部33の外径よりも大きく形成されているので、プッシュナット43内側周縁部の係合面45が硬化部36外周部に接触するのを防止することができる。したがって、硬化部36およびプッシュナット43の係合面45を損傷させてしまうのを防止することができるので、プッシュナットの保持力が低下するのを未然に防止することができる。
その結果、出力軸18はプッシュナット43とウォームホイル15bとで軸受部40を挟み込んだ状態になるため、軸方向の移動を規制された状態になる。
ナットが雄ねじ部31に奥までねじ込まれると、ワイパアームまたはリンクの嵌合面にテーパセレーション部32が食い込むために、ワイパアームまたはリンクは出力軸18に確実に固定される。
この際に、出力軸18に軸方向の力が作用したとしても、出力軸18は軸方向の移動を規制されているので、減速機構15の作動は適正に維持することができる。
万一、出力軸18に軸受部40内に引き込む強い力が作用した場合には、プッシュナット43が圧縮する方向に撓むことにより、強い力を吸収するために、減速機構15等の故障は未然に防止することができる。
12 モータ本体
12a モータヨーク
12b 回転軸
13 減速機
14 ギヤボックス
15 減速機構
15a ウォーム
15b ウォームホイル
16 ギヤケース
17 ギヤカバー
18 出力軸
21 ヒートシンク
22 制御基板
23 コネクタ
24 固定部
25 クリップ(締結部材)
31 雄ねじ部
32 テーパセレーション部
33 逃げ部
34 保持部
35 ジャーナル部(支承部)
36 硬化部
40 軸受部
41 軸受メタル
42 ワッシャ
43 プッシュナット
44 鍔部
45 係合面
46 Oリング
Claims (3)
- モータ部と、
該モータ部の回転を減速し、出力軸に出力する減速機構部と、
前記モータ部に連結され、前記減速機構部を収容する有底状のギヤケースと、
該ギヤケースに設けられ前記出力軸を回転自在に支承する軸受部と、
リング形状に形成され前記出力軸を前記軸受部の端面で回転自在に保持するプッシュナットと、
を備えた減速機構付きモータであって、
前記出力軸は、その先端側に加工された硬化部と、
該硬化部と前記軸受部端面との間で前記プッシュナットを保持する保持部と、
前記軸受部に回転自在に支承される支承部と、を備えており、
前記硬化部は、前記保持部の外径よりも小さく形成された逃げ部と、該逃げ部の先端側に形成されたテーパセレーション部と、を備え、
前記プッシュナットは内径が前記逃げ部および前記テーパセレーション部の外径よりも大きく、前記保持部の外径よりも小さく設定され、前記プッシュナットの内周縁部は前記保持部の外周面に係合している、
ことを特徴とする減速機構付きモータ。 - 前記保持部の外径は前記支承部よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1記載の減速機構付きモータ。
- 前記硬化部は、前記出力軸に前記逃げ部を形成し、前記逃げ部の先端側に前記テーパセレーション部を成形した後に、前記逃げ部およびテーパセレーション部を熱処理して硬化されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の減速機構付きモータ。
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