JP5043547B2 - 押出成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、押出成形装置に関する。さらに詳しくは、粉末原料を、所定の断面形状を有する成形体に形成するために使用される押出成形装置に関する。
従来から、粉末原料に対し、加水、加熱等の前処理をして流動性を付与し、流動性が付与された材料(以下、成形材料という)を、シリンダ内を通して圧送し、シリンダの一端に設けられたダイスのダイス穴から押し出すことによって成形することが行われている。かかる成形作業には、押出成形機が使用されており、種々の成形機が開発されている。
押出成形機の一例として、スクリュー型押出成形機がある。かかるスクリュー型押出成形機では、成形材料をバレル内のスクリュー部に供給し、スクリューを回転させることによって、成形材料を加圧圧縮しながらスクリューの軸方向に圧縮する。すると、バレルにおけるスクリュー軸方向の端部に配置されたダイス穴から、成形材料を成形して排出することができるのである。
ところで、押出成形機では、成形材料が加圧圧縮されていることから、成形材料がダイス穴内で固まってダイス穴の詰まりが発生することがある。このダイス穴の詰まり対策として押し出し力を強くすることが行われており、押し出す力を強くする部材として、スクリュー先端に押し出し羽根を設けることが行われている(例えば、特許文献1)。
これらの押出し羽根を設けることによって成形材料をダイスから押し出す力が強くなるが、押し出す力が強くなるとダイスと押出し羽根との間の圧力が高くなり、成形材料が強く圧縮され、逆に成形材料の詰まりが発生しやすくなる可能性がある。
また、ダイス穴の詰まりを防ぐ上では、ダイス穴に供給されるまでの成形材料の流動状況を改善する対策も考えられる。
かかる成形材料の流動状況を制御する技術として、特許文献2には、ダイス内面に円錐体を設け、その円錐体基部の半径と成形材料が流れるシリンダの内径との関係を調整することによって、シリンダからダイス穴に向かう成形材料の流動を制御する技術が開示されている。
しかし、この技術は、あくまでもダイス穴から押出される成形体の反りや曲がりを防ぐための技術であり、ダイス穴の詰まりに対して有効であるかについては不明である。
特開2000−6139号 特開2000−313008号
本発明は上記事情に鑑み、ダイス穴における成形材料の詰まりを抑えることができる押出成形装置を提供することを目的とする。
第1発明の押出成形装置は、成形材料が通る搬送通路と、該搬送通路から成形材料が供給されるダイスと、該ダイスに向かって成形材料を搬送する搬送手段とを備え、前記ダイスに設けられた複数のダイス穴から成形材料を押し出して成形する装置であって、前記ダイスと前記搬送手段との間に、成形材料の流動方向と平行な軸回りに回転する回転部材を備えており、該回転部材は、前記ダイスに向かう成形材料を剪断し得る形状に形成されており、前記ダイス内面には、該内面から前記搬送通路内に成形材料の流動方向に突出した凸状部が形成されており、該凸状部は、その頂面が成形材料の流動方向と直交する平面に形成されており、その頂面から前記ダイス穴に向かって傾斜した傾斜面を有しており、前記頂面が前記回転部材の近傍に位置し、かつ、該頂面からダイス内面までの距離が前記回転部材による剪断効果が前記ダイスのダイス穴まで維持され得る長さに形成されていることを特徴とする。
第2発明の押出成形装置は、第1発明において、前記凸状部を囲む位置における前記搬送手段の内面が、前記ダイス穴に向かうに従って前記凸状部の傾斜面に接近するように傾斜した傾斜内面となっており、該搬送通路の傾斜内面は、成形材料の流動方向に対する傾きが、前記凸状部の傾斜面と同じ傾きとなるように形成されていることを特徴とする。
第3発明の押出成形装置は、第1または第2発明において、前記搬送通路は断面円形の通路であり、前記凸状部は、その中心軸が、前記搬送手段の中心軸と同軸となるように形成された截頭円錐であり、該凸状部の中心軸上に中心を有する円周上に前記ダイス穴が形成されていることを特徴とする。
第4発明の押出成形装置は、第1、第2または第3発明において、前記凸状部の高さを、該凸状部の中心軸から前記ダイス穴の中心までの距離によって除した値が、0.04〜0.4以下であることを特徴とする。
第5発明の押出成形装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記凸状部の頂面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離を、前記ダイス内面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離で除した値が、1.1〜1.6であることを特徴とする。
第6発明の押出成形装置は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記ダイス内面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離を、前記ダイス穴の内径で除した値が、1〜2.6であることを特徴とする。
第1発明によれば、成形材料の移動方向と交差する方向から成形材料を剪断するように回転部材が回転するので、搬送されている成形材料の固化を抑制することができる。しかも、凸状部は、回転部材による成形材料の剪断効果がダイス穴の位置まで維持される程度の高さに形成されているので、成形材料がダイス穴に詰まることを防ぐことができる。しかも、凸状部の頂面が尖っている場合に比べて、回転部材による剪断後、この剪断効果をより確実にダイス穴まで維持させることができる。
第2発明によれば、傾斜面から傾斜内面に向かう方向において、ダイス穴を挟んでほぼ対称な流れを発生させることができるから、ダイス穴に成形材料をスムースに流入させることができる。そして、成形材料の流れが悪い領域が局所的に形成されることを防ぐことができるから、搬送通路内において成形材料が固化することを防ぐことができる。
第3発明によれば、全てのダイス穴に対してほぼ同じ流動状態の成形材料を供給できるので、全てのダイス穴からほぼ同じ状態で成形材料を排出することができる。また、搬送通路内に成形材料の流れを停滞させる領域がないので、搬送通路内において成形材料が固化することを防ぐことができる。
第4発明によれば、成形材料が凸状部の頂面からダイス穴まで移動するときにおいて、剪断効果を打ち消すことなく押し出すことができる。よって、成形材料の固化が発生することを防ぐことができ、ダイス穴の詰まりを防ぐことができる。
第5発明によれば、成形材料が凸状部の頂面からダイス穴まで移動するときにおいて、剪断効果を打ち消すことなく押し出すことができる。よって、成形材料の固化が発生することを防ぐことができ、ダイス穴の詰まりを防ぐことができる。
第6発明によれば、成形材料がダイス穴に流入するときにおいて、急激に成形材料が加圧圧縮されることを防ぐことができるから、ダイス穴内において成形材料の固化が発生することを防ぐことができ、ダイス穴の詰まりを防ぐことができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の押出成形装置は、粉末原料に対して、加水・加熱等の前処理を行って流動性を付与し、流動性が付与された材料(以下、成形材料という)を搬送手段により加圧搬送してダイスから押出して成形体を製造する装置であって、ダイス内面に凸状部を設けたこと、および、この凸状部における頂面近傍に回転部材を設けたことに特徴を有している。
まず、本発明の押出成形装置の概略を説明する。
なお、以下の例では、スクリュー方式の搬送手段を採用した押出成形装置を代表として説明するが、成形材料の搬送方式(押出し機構)は、回転部材を採用できるものであれば、とくに限定されない。
図1は本実施形態の押出成形装置1の概略説明図である。図2の(A)は押出成形装置1のダイス3近傍の概略拡大断面図であり、(B)はダイス3の要部拡大断面図である。図1および図2において、符号2はスクリューケース等の搬送部を示している。この搬送部2は、内部に断面円形の中空な筒状の空間を有しており、その軸方向の一端(図1(A)では左端)に、ダイス3が設けられている。
図1(B)に示すように、このダイス3には、前記搬送部2内の中空な筒状の空間が連通するように、その右端から凹んだ断面円形の空間が設けられている。このダイス3の左端には、凹んだ空間と外部とを連通する複数のダイス穴3hが、搬送部2の中空空間の中心軸とに中心を有する円上に並んで形成されている。そして、ダイス3の内面であって、前記ダイス穴3hの内側の部分には、前記凹んだ空間に向かって突出した凸状部3pが形成されている。
なお、搬送部2内の中空空間とダイス3の凹んだ空間とが、特許請求の範囲にいう搬送通路に相当する。以下では、両空間を合わせて搬送通路2hで示す。
図1および図2に示すように、前記搬送通路2hには、成形材料をダイス3に向けて搬送する搬送手段4のストレートスクリュー4aが設けられている。このストレートスクリュー4aは、その中心軸が搬送通路2h内の空間の中心軸と一致するように配設されており、その基端は減速機4cを介してモータ等の駆動源4bに連結されている。
図1に示すように、ストレートスクリュー4aの先端には、回転部材10が設けられている。この回転部材10は、ストレートスクリュー4aの先端と、ダイス内面3aに形成されている凸状部3pの頂面3fとの間、つまり、搬送手段4と凸状部3pの頂面3fとの間に配置されている(図2(A))。
図1および図3に示すように、前記回転部材10は、回転軸11と、複数の腕状部12とを備えており、その中心軸がストレートスクリュー4aの中心軸と同軸となるように、その基端がストレートスクリュー4aの先端に固定されている。言い換えれば、回転軸11は、その中心軸が搬送通路2hの中心軸と同軸となるようにストレートスクリュー4aの先端に固定されているのである。
この回転軸11の先端には、複数の腕状部12が設けられている。各腕状部12は、ほぼ断面円形に形成された棒状の部材であり、その中心軸が回転軸11の中心軸と直交するように、その基端が回転軸11の外周面に連結されている。
また、図1に示すように、搬送部2には、成形材料を搬送通路2h内に供給するホッパー2aが設けられている。このホッパー2aは、その内部の空間が搬送通路2hに連通されている。
以上のごとき構成であるから、ホッパー2aを通して、流動性を有する成形材料を搬送通路2h内に供給し、搬送手段4の駆動源4bを作動させれば、ストレートスクリュー4aが回転し、成形材料は加圧されながらダイス3に向かって搬送される。
すると、成形材料は、ダイス穴3hと同一断面に成形されてダイス3の表面(図1(A)では左側の面)から排出されるから、所定の断面形状を有する成形体を形成することができる。
しかも、ストレートスクリュー4aが回転すれば、回転部材10が回転してその各腕状部12は成形材料をその移動方向と交差する方向から剪断するように回転するから、回転部材10の位置からダイス3のダイス穴3hに到達するまでの間における成形材料の固化の進行を抑制することができる。
なお、上述した例では、ホッパー2aを通して成形材料を搬送通路2h内に供給する場合を説明したが、搬送通路2h内に成形材料を供給する方法は特に限定されない。
さらになお、ダイス3の表面から所定の長さだけ排出された成形材料を切断手段によってダイス3の表面と平行な方向に沿って切断すれば、所定の長さ、所定の断面形状を有する粒状体を製造することも可能である。また、成形材料の粘性が低い場合には、所定の長さだけダイス3の表面から排出されたときに、成形材料は自重によって切断される場合がある。かかる場合には、切断手段を設けなくても、粒状体を成形することは可能である。
つぎに、本実施形態の押出成形装置1の特徴であるダイス3と回転部材10を詳細に説明する。
まず、ダイス3を詳細に説明する。
図1(B)および図2に示すように、ダイス3の内面には、この内面から搬送通路2h内に成形材料の流動方向に突出した凸状部3pが形成されている。この凸状部3pは、その頂面3fからダイス内面3aまでの距離、つまり、凸状部3pの高さH1が回転部材10による剪断効果がダイス3のダイス穴3hまで維持され得る長さに形成されている。
すると、成形材料は、回転部材10による成形材料の剪断効果が維持された状態でダイス穴3hに流入するので、成形材料がダイス穴3hに詰まることを防ぐことができる。
しかも、図2に示すように、ダイス3の凸状部3pはその頂面3fが、成形材料の流動方向と直交する平面、言い換えれば搬送通路2hの軸方向と直交する平面に形成されている。つまり、凸状部3pは截頭円錐状となるように形成されているのである。
この場合、搬送通路2hの軸方向において、頂面3fが尖っている場合に比べて、凸状部3pの頂面3fの位置における搬送通路2hの断面積が小さくなる。そして、搬送通路2hの断面積とダイス内面3aの位置における搬送通路2hの断面積との差も小さくなる。
すると、凸状部3pが尖っている場合に比べて、回転部材10による剪断後、この剪断効果をより確実にダイス穴3hまで維持させることができる。
また、凸状部3pは、その側面がダイス穴3hに向かって傾斜した傾斜面3sとなっており、凸状部3pの傾斜面3sを囲む位置における搬送通路2hの内面もダイス穴3hに向かって傾斜した傾斜内面2sとなっている。つまり、凸状部3pの傾斜面3sと搬送通路2hの傾斜内面2sとは、ダイス穴3hに向かうに従って互いに接近するように形成されている。
しかも、凸状部3pの傾斜面3sと搬送通路2hの傾斜内面2sは、搬送通路2hの軸方向に対する傾きが、同じ傾きとなるように形成されている。
すると、両面の間において、ダイス穴3hの中心軸を挟んでほぼ対称な成形材料の流れを発生させることができるから、ダイス穴3hの中心軸を搬送通路2hの半径方向に沿って横切る流れの発生を抑制することができ、ダイス穴3hに成形材料をスムースに流入させることができる。しかも、成形材料の流れが悪い領域、例えば、流動速度の遅い領域等が局所的に形成されることを防ぐことができるから、搬送通路2h内において成形材料が固化することを防ぐことができる。
なお、図1および図2に示すように、搬送通路2hの断面形状および凸状部3pの断面形状が円形であり、かつ、搬送通路2h、凸状部3pおよびダイス穴3hが並んでいる円周が全て同じ軸上(搬送通路2hの中心軸上)に中心を有するように形成されていれば、全てのダイス穴3hに対してほぼ同じ流動状態の成形材料を供給できる。すると、全てのダイス穴3hからほぼ同じ状態で成形材料を排出することができる。また、凸状部3pの頂面3fの位置からダイス内面3aの間の搬送通路2h内では成形材料の流れを停滞させる領域が形成されないので、搬送通路2h内において成形材料が固化することを防ぐことができ、固化した成形材料が存在することに起因するダイス穴3hの詰まりが発生することを防ぐことができる。
とくに、凸状部3pと搬送通路2h、およびダイス穴3hを、以下のような関係となるように形成すれば、アルミナやチタニア、シリカ等のセラミックス、その他の無機材料のように固まりやすい材料を主材とする成形材料の固化防止に有効に機能させることができる。
まず、前記凸状部3pの高さH1を、この凸状部の中心軸からダイス穴3hの中心までの距離R1によって除した値H1/R1が、0.04以上0.4以下であることが好ましい。
このH1/R1の値が、0.4よりも大きいと、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において回転部材10による剪断効果が打ち消されるから、ダイス穴3h内で成形材料の固化が発生する可能性が高くなる。一方、H1/R1の値が、0.04よりも小さいと、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において成形材料を加圧する効果が低くなり押出し力が弱くなりすぎる可能性がある。
よって、H1/R1の値は、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において剪断効果を打ち消すことなく押し出すことができる範囲である、0.04以上0.4以下であることが好ましく、さらに0.08以上0.36以下がより好ましく、0.26〜0.27程度がとくに好ましい。
凸状部3pの頂面3fの位置における傾斜面3sから搬送通路2hの傾斜内面2sまでの距離R2を、ダイス内面3aの位置における凸状部3pの傾斜面3sから搬送通路2hの傾斜内面2sまでの距離R3で除した値R2/R3が、1.1以上1.6以下であることが好ましい。
R2/R3の値が、1.6よりも大きいと、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において回転部材10による成形材料の剪断効果が打ち消されるから、ダイス穴3h内で成形材料の固化が発生する可能性が高くなる。一方、R2/R3の値が、1.1よりも小さいと、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において成形材料を加圧する効果が低くなり押出し力が弱くなりすぎる可能性がある。
よって、R2/R3の値は、凸状部3pの頂面3fの位置とダイス内面3aの位置との間において剪断効果を打ち消すことなく押し出すことができる範囲である、1.1以上1.6以下であることが好ましく、さらに1.12以上1.5以下がより好ましく、1.38程度がとくに好ましい。
ダイス内面3aの位置における凸状部3pの傾斜面3sから搬送通路2hの傾斜内面2sまでの距離R3を、ダイス穴3hの内径Dで除した値R3/Dが、1以上2.6以下であることが好ましい。
このR3/Dの値が大きすぎると、成形材料がダイス穴3hに流入するときにおいて、急激に成形材料が加圧圧縮されてしまい、ダイス穴3h近傍やダイス穴3h内で成形材料が固化してダイス穴3hに詰まってしまう可能性がある。一方、R3/Dの値が1よりも小さくなると搬送通路2hからダイス穴3hに流入するときに成形材料の移動速度が低下して成形材料の固化が生じやすくなる。
よって、R3/Dの値は、1以上2.6以下であることが好ましく、さらに2.0以上2.5以下がより好ましく、2.3程度がとくに好ましい。
つぎに、回転部材10について、図3に基づいて詳細に説明する。
まず、回転部材10は、ストレートスクリュー4aとともに回転し成形材料を剪断するのであるが、このときに成形材料から加わる抵抗によってその形状が変化せず、その形状を維持できる程度の強度を有する材料、例えば、ステンレス等によって形成されている。
なお、成形材料中に腐食性を有する物質が含まれている場合には、成形材料と接触したときに変質したり腐食したりしない性質を有する材料で形成することがより好ましい。
上述したように、回転部材10は、回転軸11と、複数の腕状部12とを備えており、この回転軸11は、その中心軸がストレートスクリュー4aの中心軸と同軸となるように、その基端がストレートスクリュー4aの先端に固定されている。
この回転軸11の各腕状部12は、ほぼ断面円形に形成された棒状の部材であり、その中心軸が回転軸11の中心軸と直交するように、その基端が回転軸11の外周面に連結されている。また、複数の腕状部12は、回転軸11を中心として回転対称となる位置に配設されている。
そして、複数の腕状部12は、回転軸11の基端をストレートスクリュー4aの先端に固定すると、ストレートスクリュー4aの先端から離間するように回転軸11の先端に連結されている。つまり、回転部材10の複数の腕状部12は、回転部材10をストレートスクリュー4aの先端に取り付けると、ダイス内面3aに形成されている凸状部3pの頂面3fとストレートスクリュー4aの先端との間であって両者から離間した位置に配設されるように設けられているのである。
以上のごとき構成であるので、ストレートスクリュー4aが回転すると、ストレートスクリュー4aとともに回転部材10も回転する。このとき、回転部材10の回転軸11がストレートスクリュー4aの中心軸と同軸であるので、回転部材10の腕状部12は、回転軸11の中心軸まわり、つまり、搬送通路2hの中心軸まわりに回転する。
ここで、搬送通路2h内では、加圧搬送されてきた成形材料は、搬送通路2h内の中心軸と平行に流動する。つまり、成形材料は、回転部材10の回転軸11の中心軸と平行な方向に流動するのであるが、回転部材10の各腕状部12は、凸状部3pの頂面3fとストレートスクリュー4aの先端との間であって両者から離間した位置に配設されているので、回転部材10が回転すると、回転部材10の各腕状部12は成形材料をその移動方向と交差する方向から剪断するように回転する。すると、回転部材10の位置からダイス3のダイス穴3hに到達するまでの間に、成形材料の固化が進行することを抑制することができるから、成形材料がダイス穴3hに詰まることを防ぐことができる。
また、腕状部12は、成形材料の流動方向と直交する方向に移動している。言い換えれば、腕状部12は、ダイス3の内面とほぼ平行に移動している。そして、腕状部12の断面はほぼ円形であり、回転部材10の中心軸および回転方向に対して傾いた状態で回転する面の面積が小さい。このため、成形材料の流動方向では、腕状部12から成形材料に対してほとんど力が加わらないので、成形材料を押し出す力が必要以上に高くなることも防ぐことができ、成形材料を加圧する力の上昇による詰まりの発生も防ぐことができる。
とくに、アルミナやチタニア、シリカ等のセラミックス、その他の無機材料のように固まりやすい材料を主材とする成形材料の場合には、回転部材10は成形材料の固化の防止に有効に機能する。
なお、腕状部12は、回転部材10が回転したときに成形材料をその移動方向と交差する方向から剪断することができるように形成されていればよい。また、腕状部12の断面は円形断面に限られず、腕状部12の中心軸は必ずしも回転軸11の中心軸と直交していなくてもよい。そして、腕状部12は、回転部材10の中心軸および回転方向に対して傾いた状態で回転する面の面積が小さくなるように設けられていれば、成形材料を押し出す力が必要以上に高くなることも防ぐことができる。
さらになお、図3では腕状部12を4本設けている場合を示しているが、腕状部12の数は3本以下でもよいし、5本以上設けてもよい。
さらになお、腕状部12の長さは特に限定されないが、その最大長L(図3(B)参照)を、ダイス3の凸状部3pにおける頂面3fの位置における搬送通路2hの半径R4(図2(B)参照)の8/10程度とするのが好ましい。かかる長さとしておけば、頂面3fの位置における搬送通路2hの断面の大部分を腕状部12が通過する。すると、頂面3fの位置とダイス内面3aとの間の搬送通路2hに流入する成形材料が局所的に固化することを有効に防止することができる。
さらになお、複数本の腕状部12は回転対称となる位置に設けなくてもよいが、回転対称となる位置に設けておけば、回転部材10が回転したときに、回転軸11に対してその中心軸と交差する方向に偏った力が加わることを抑えることができるという利点がある。
また、回転部材は、回転したときに、ダイス3に向かって移動する成形材料を剪断することができる形状に形成されていればよく、例えば図4に示すような形状としてもよい。
図4は他の回転部材15の概略説明図である。図4に示すように、他の回転部材15は、回転軸16の先端に、板状部材17を備えている。この板状部材17の先端部は、回転軸16の中心軸を含む面に対して両側部分が分離されており、一対の屈曲部17A,17Bが形成されている。
この一対の屈曲部17A,17Bは、その表面(図4では17a,17b)が曲面となるように、互いに逆方向に屈曲されている。そして、一対の屈曲部17A,17Bは、いずれもその先端の表面17a,17bが、板状部材17において屈曲されていない部分の表面と直交する程度にまで屈曲されている。言い換えれば、回転部材15をストレートスクリュー4aに取り付けたときに、一対の屈曲部17A,17Bにおける先端表面17a,17bはダイス内面3aとほぼ平行になる。
以上のごとき構造であるから、回転部材15が回転すれば、その板状部材17は成形材料をその移動方向と交差する方向から剪断するように回転するから、ダイス内面3aとストレートスクリュー4aの先端との間に位置する成形材料の固化を抑制することができ、成形材料がダイス穴3hに詰まることを防ぐことができる。
また、一対の屈曲部17A,17Bは、回転部材15の回転の中心軸および回転方向に対して傾いた状態で回転する面が回転中心軸近傍に位置しており、その面積も小さい。すると、回転部材15が回転したときに、成形材料を流動方向に加圧する力をほとんど発生させないか、また、成形材料を流動方向に加圧する力が発生しても、その力を非常に弱いものとすることができる。よって、成形材料を押し出す力が必要以上に高くなることも防ぐことができ、成形材料を加圧する力の上昇による詰まりの発生も防ぐことができる。
なお、回転部材15が回転したときに、その板状部材17が成形材料を押し出す力を小さくするには、回転部材15の回転の中心軸および回転方向に対して傾いた状態で回転する面が小さくなるように形成されていればよく、その一対の屈曲部17A,17Bにおいて屈曲している部分の曲率や、板状部材17および一対の屈曲部17A,17Bの形状はとくに制限されない。そして、板状部材17は、その先端部に一対の屈曲部17A,17Bを設けなくてもよい。
本発明の押出成形装置によって無機材料を成形した場合におけるダイスの詰まりの発生状況を、凸状部の高さを変化させてその影響を確認した。
実験は、ニーダー(宮崎鉄工(株)製、MP−30)にて混練した成形材料を、強度試験機(ミネビア社製、TCM−1000)(図5参照)にて、押出し速度1mm/minでダイスから押出して直径1.5mmの円柱状の成形体を成形し、押出し開始から10分後における詰まり穴数をカウントした。図5に示すように、この装置ではピストンによって成形材料を加圧する構成となっている。なお、上述した押出し速度とは、図5のピストンの下降速度である。
本実施例では、ダイスには、内径DDIが40mm、その中心から11.35mmの位置に等間隔で直径1.5mmのダイス穴が24個形成されたものを使用した。このダイス内面3aには凸状部を設けており、この凸状部は、その傾斜面とダイス内面との交線の内径が19.2mmであり、ダイスの中心軸CLに対する傾斜面の傾斜角度θは12.52度であり、ダイスの中心軸CLに対する傾斜内面の傾斜角度も12.52度である。そして、ダイス内面の位置における傾斜面から傾斜内面までの距離は3.5mmである。
そして、今回の実験では、凸状部の高さを、0,1.5,3,6,12mmと変化させて穴詰まりの状況を確認した。
また、本実施例では、図5に示すように、実験機に、図4の回転部材と同等の形状を有する回転部材を設けている。この回転部材は、その先端とダイスの凸状部の頂面との間の距離DLが1.5mmとなるように配設している。使用した回転部材は、その回転軸の直径が6mm、図4におけるLが30mm、Hが15mm、Wが5mmとなるように形成しており、回転部材の回転数は30r/minとした。
使用した成形材料の組成は、AlO3:67重量部、TiO:33重量部、バインダー15重量部、水20.8重量部であり、バインダーには水溶性高分子化合物を使用した。
なお、本実験では、実験時間を短縮するために、ダイスから押出された成形材料に対して、ドライヤーから、乾燥温度150℃、風速3.7m/secの風を当てて乾燥している。
図6に示すように、凸状部の高さが6mm、12mmでは、ダイス穴の詰まりが発生しているのに対し、1.5mm,3mmではダイス穴の詰まりは発生しなかった。一方、凸状部の高さを0mmとすると9箇所の穴詰まりが発生し、凸状部の高さが6mmの場合よりも詰まりが発生する穴の数が増加している。
以上のことから、凸状部を設けることはダイス穴の詰まり抑制に効果的であり、しかも、凸状部の高さを適切に設定することが必要であることが確認できた。
本発明の押出成形装置は、アルミナやチタニア、シリカ等のセラミックス、その他の無機材料などの固化しやすい材料の成形に適している。
本実施形態の押出成形装置1の概略説明図である。 (A)は押出成形装置1のダイス3近傍の概略拡大断面図であり、(B)はダイス3の要部拡大断面図である。 回転部材10の概略説明図である。 他の回転部材15の概略説明図である。 実施例の実験装置の概略説明図である。 実施例の実験結果を示した図である。
符号の説明
1 押出成形装置
2 搬送部
2h 搬送通路
2s 傾斜内面
3 ダイス
3a ダイス内面
3h ダイス穴
3p 凸状部
3f 頂面
3s 傾斜面
4 搬送手段
10 回転部材
15 回転部材

Claims (6)

  1. 成形材料が通る搬送通路と、該搬送通路から成形材料が供給されるダイスと、該ダイスに向かって成形材料を搬送する搬送手段とを備え、前記ダイスに設けられた複数のダイス穴から成形材料を押し出して成形する装置であって、
    前記ダイスと前記搬送手段との間に、成形材料の流動方向と平行な軸回りに回転する回転部材を備えており、
    該回転部材は、前記ダイスに向かう成形材料を剪断し得る形状に形成されており、
    前記ダイス内面には、該内面から前記搬送通路内に成形材料の流動方向に突出した凸状部が形成されており、
    該凸状部は、
    その頂面が成形材料の流動方向と直交する平面に形成されており、
    その頂面から前記ダイス穴に向かって傾斜した傾斜面を有しており、
    前記頂面が前記回転部材の近傍に位置し、かつ、該頂面からダイス内面までの距離が前記回転部材による剪断効果が前記ダイスのダイス穴まで維持され得る長さに形成されている
    ことを特徴とする押出成形装置。
  2. 前記凸状部を囲む位置における前記搬送手段の内面が、前記ダイス穴に向かうに従って前記凸状部の傾斜面に接近するように傾斜した傾斜内面となっており、
    該搬送通路の傾斜内面は、
    成形材料の流動方向に対する傾きが、前記凸状部の傾斜面と同じ傾きとなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の押出成形装置。
  3. 前記搬送通路は断面円形の通路であり、
    前記凸状部は、その中心軸が、前記搬送手段の中心軸と同軸となるように形成された截頭円錐であり、
    該凸状部の中心軸上に中心を有する円周上に前記ダイス穴が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の押出成形装置。
  4. 前記凸状部の高さを、該凸状部の中心軸から前記ダイス穴の中心までの距離によって除した値が、0.04〜0.4である
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の押出成形装置。
  5. 前記凸状部の頂面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離を、前記ダイス内面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離で除した値が、1.1〜1.6である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の押出成形装置。
  6. 前記ダイス内面の位置における前記凸状部の傾斜面から前記搬送通路の傾斜内面までの距離を、前記ダイス穴の内径で除した値が、1〜2.6である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の押出成形装置。
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