JP5042811B2 - フリーアクセスフロア用架台 - Google Patents

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Description

本発明は、フリーアクセスフロアに使用され、上部に設備等を設置可能であり、床部からの振動の増幅を抑えて、上部に設置された設備に増幅された振動を伝達することがない高い剛性を有するフリーアクセスフロア用架台に関するものである。
従来、フリーアクセスフロアを構成するフロアパネルは、支持体の上に配置され、フロアパネル下には空間が形成される。この床下は、配線等を配置したり空気を流したりするために用いられ、作業性等を考慮して、フロアパネルは軽量なものが使用される。
しかし、フリーアクセスフロアに設備等の重量物を設置する場合は、フロアパネルおよび支持体にはある程度の強度が要求される。特に、半導体基盤などの製造設備は振動に弱く、フロアパネル及び支持体の剛性が不足すると、床面の振動を支持体等が増幅してしまい、大きな振動を設備に伝達する。
このため、半導体基盤製造設備等の振動を嫌う重量物である設備をフリーアクセスフロアに設置する場合には、予め設備の設置位置にコンクリートを打設して設備設置部を設けたり、または、強固な鉄骨構造により補強を行う必要がある。しかし、クリーンルーム内でのコンクリートの打設や溶接作業は困難であり、レイアウト変更などによる設備の移設や増設が困難である。
このような強度を考慮したフロアパネルとしては、連続した凹凸形状背面に設けたフリーアクセスフロア用パネルがある(特許文献1)。
また、壁面近傍にボーダーパネル支持客および支持ビームを設けて、壁面近傍の設置強度を高めたフリーアクセスフロアがある(特許文献2)。
特開平11−6276号公報 特開平5−118120号公報
しかし、特許文献1に記載のフリーアクセスフロア用パネルでは、パネル自体の強度向上に限界があり、また、パネルを支える支持体についても強度向上を図る必要があるが、支持体の強度の向上については考慮されていないため、パネル上への重量物の設置には限界があるという問題がある。
また、特許文献2に記載のフリーアクセスフロアは、壁面近傍での支持体の強度を向上させたものであるが、部屋の中央部での支持体の強度向上方法については、支持体下部の固定板と床部との接着面積を向上する旨のみが記載されており、上部からの重量物を支持し、高い剛性を有するための具体的な支持体構造については記載が無く、特許文献1と同様にパネル上への重量物の設置には限界があるという問題がある。
このため、特許文献1及び特許文献2のいずれに記載のパネル及び支持体でも、設備を設置するための強度を十分に確保することが困難であるとともに、床面からの振動を増幅することがないような高い剛性を確保することは困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、床からの振動を増幅することなく、上部に重量のある設備を設置することが可能であり、設置及び施工が容易なフリーアクセスフロア用架台を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、下プレートと、前記下プレート上に設けられた下フレームと、前記下フレームに設けられた支柱と、前記支柱を介して、前記下フレームと接合された上フレームと、前記上フレーム上に接合された上プレートと、を具備し、前記下フレームは、前記支柱との接合部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚く、前記支柱と前記下フレームとの接合部は、前記下フレームを挟み込むように固定具で固定され、前記第支柱と前記上フレームとの接合部は、前記上フレームを挟み込むように固定具で固定されることを特徴とするフリーアクセスフロア用架台である。
前記下フレームの前記支柱との前記接合部には、補強板が設けられることで、前記接合部の厚さが厚くてもよく、また、前記固定具は、ボルト及びナットであってもよい。
前記下フレームと前記上フレームと前記支柱とで囲まれた部分の略対角線に、補強部材が設けられてもよく、前記下フレーム及び/または前記上フレームには、リブが設けられてもよい。また、前記下プレートの四隅には切欠きがあってもよい。
本発明によれば、フリーアクセスフロア用架台が、下フレームと支柱との接合部及び、上フレームと支柱との接合部が、ナットで挟み込むように接合されることで、下フレーム、上フレーム及び支柱が強固に接合されるため、床からの振動に対する架台の剛性が向上する。また、上フレームと下フレームと支柱により形成される矩形部の略対角線上に補強部材が設けられるため、横方向の振動に対して高い剛性を有する架台を得ることができる。更に下フレーム及び上フレームにはリブが設けられることで、フレームは高い強度を有するため、変形が抑制され、床からの振動を増幅することがない。また、下プレートの四隅が切り欠かれているため、既設の支持体と緩衝することがなく、設備の移設や増設等が容易なフリーアクセスフロア用架台を得ることができる。
本発明によれば、床部からの振動の増幅を抑えて、上部に設置された設備に増幅された振動を伝達することがない高い剛性(特に水平方向の振動に対して高い剛性)を有するため、上部に重量があり、かつ、振動を嫌う設備等を設置可能であり、設置及び施工が容易なフリーアクセスフロア用架台を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる架台1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる架台1を示す分解斜視図であり、図2は、架台1の組立斜視図、図3は架台1の正面図である。
架台1は、主に下プレート3、下フレーム9、支柱23、上フレーム27、上プレート35、及びターンバックル43等により構成される。下プレート3は、架台1を床上に設置する際に、床と接着される部位である。
下プレート3は例えば鋼製の板状部材であり、架台1の4隅に該当する部分に切り欠き部7が設けられる。切り欠き部7は、架台1を設置する際に、フリーアクセス用フロアパネル設置用の支持体との干渉を防ぐためのものである。すなわち、架台1は、既設の支持体の脚部と干渉することなく設置することができる。
下プレート3には、複数の接続材5が略垂直方向に設けられる。接続材5と下プレート3との接合は、例えば溶接により行われる。接続材5は、鋼製の柱状部材であり、上部には図示を省略したボルト穴が設けられる。接続材5は上方からの力を均等に受けることができるように、下プレート3の各辺近傍にそれぞれ2本ずつ、合計8本設けられる。
なお、接続材5の本数及び設置位置は、後述する下フレーム9との接合を確実に行うことができれば良く、上述した、架台1の形態には限られない。しかし、高い剛性を確実に得るためには、架台1を上方から見たとときに、接続材5の配置が架台1の中心を基準として対称位置であると、荷重バランスに優れるため望ましい。
接続材5の上方には下フレーム9が設けられる。下フレーム9は、中央に穴を有する鋼製の矩形形状の部材である。下フレーム9には、架台1の使用状況に応じて複数のリブ11が設けられる。リブ11は、下フレーム9に溶接で接合されてもよく、または、鋳造により下フレーム9とリブ11を一体で成形しても良い。リブ11は、下フレーム9のたわみ、ねじれまたは変形等を防止するためのものであり、架台1に要求される剛性を得るために設けられる。リブ11は、他の構成部材との接続部を除き、下フレーム9の縦及び横方向のそれぞれに向けて配置される。なお、下フレーム9の4隅は、既設の支持体等と干渉することを防ぐため、斜めにカットされる。
下フレーム9には、穴15a、及び穴17aが設けられる。穴17aは、接続材5との接続部である。また、穴15aは、後述する支柱23との接合部である。すなわち、穴17aは、下プレート3上に下フレーム9を設置した際に、接続材5の設置位置に設けられる。
下フレーム9の穴15a、17a設置部には、補強板13が設けられる。補強板13は、鋼製の板状部材であり、穴15a、17aに対応した位置に、穴15b、17bが設けられる。補強板13の穴17b、下フレーム9の穴17aを貫通して設けられるボルト19は、接続材5と接合される。すなわち、下プレート3と下フレーム9と補強板13とが接合され固定される。
なお、補強板13と下フレーム9とは、予め溶接等により接合しても良く、また、下フレーム9の穴15a、17a近傍の板厚を補強板13に対応する分だけ厚く成形することができれば、補強板13は不要である。
下フレーム9及び補強板13上には支柱23が設けられる。支柱23は、鋼製部材であり、両端にボルト部25a、25bが設けられる。支柱23の下方のボルト部25aは、補強板13の穴15b及び下フレーム9の穴15aを貫通し、ナット21a、21bで固定される。すなわち、ナット21a、21bが、下フレーム9及び補強板13を上下方向両側より挟みこむように設けられ、支柱23が下フレーム9及び補強板13に固定される。
支柱23が一対のナット21a、21bにより下フレーム9及び補強板13を挟み込むように固定されるため、支柱23と下フレーム9との接合部のすべりやずれが生じることが無く、高い剛性を得ることができる。なお、支柱23は、下フレーム9の4辺近傍に各2箇所の計8本設けられるが、支柱23の設置本数及び設置位置については、架台1の使用状況に応じて適宜設定することができる。
支柱23の上方には、上フレーム27が設けられる。上フレーム27は、中央に穴を有する矩形形状の部材である。上フレーム27には、架台1の使用状況に応じてリブ29が設けられる。リブ29は、上フレーム27に溶接で接合されてもよく、または、鋳造により上フレーム27とリブ29とを一体で成形しても良い。リブ29は、上フレーム27のたわみ、ねじれまたは変形等を防止するためのものであり、架台1に要求される剛性を得るために設けられる。リブ29は、上フレーム27の縦及び横方向それぞれに設けられ、必要に応じて斜め方向にも設けられる。
上フレーム27には、穴31及びボルト穴33が設けられる。穴31は支柱23のボルト部25bとの接合部である。支柱23のボルト部25bが穴31を貫通し、ナット21c、21dにより固定される。すなわち、ナット21c、21dが、上フレーム27を上下方向から挟みこむように設けられ、上フレーム27が支柱23に固定される。このため、支柱23と上フレーム27との接合部におけるすべりやずれが生じることが無い。
なお、上フレーム27の4隅は、斜めにカットされる。フロアパネルを支える既設の支持体等との干渉を防ぐためである。すなわち、架台1は、既設の支持体等が設置された部位においても、支持体等と干渉することなく設置することができる。
上フレーム27上には、上プレート35が設けられる。上プレート35は鋼製の板状部材であり、上部に設備等が設置される部位である。上プレート35には接続材39が設けられる。接続材39は、中央に穴が設けられた中空の柱状部材であり、上フレーム27と上プレート35を接続する部材である。接続材39は、溶接等により予め上プレート35に接合しておいても良く、又は、別部材であっても良い。
接続材39の設置位置は、上フレーム27のボルト穴33に対応する位置である。また、上プレート35の接続材39の設置位置には、穴41が設けられる。ボルト37は、穴41及び接続材39の中空部を貫通し、上フレーム27のボルト穴33に固定される。なお、図示は省略するが、上プレート35の穴41は、ボルト37の頭部が収まるよう段付形状となっており、ボルト37で上プレート35と上フレーム27とを固定した際に、ボルト37が上プレート35の面上に突出することはない。
上フレーム27と下フレーム9とは、更にターンバックル43により接合される。ターンバックル43は、上フレーム27、下フレーム9及び支柱23とで形成される矩形部のほぼ対角線上に斜めに設けられ、ボルト45によって、上フレーム27及び下フレーム9に接合される。
ターンバックル43は、架台1の水平方向の振動を抑えるために有効であり、架台1の剛性を高めるものである。なお、ターンバックル43に代えて、その他の補強部材を上フレーム27と下フレーム9との間に斜め方向に設けることもできる。また、ターンバックル43がなくても十分に必要な剛性が確保されるのであれば、必ずしもターンバックル43は必要ではない。
図4は、フロアパネル47が複数配置されたフロアの、設備設置部位49に該当する位置に架台1を設置した状態を示す平面図である。架台1の上面は、フロアパネル47と同じサイズである。すなわち、上プレート35はフロアパネル47と同じサイズである。
フリーアクセスフロア上に設備設置部位49が決定されると、設備設置部位49に該当するフロアパネル47が取り外され、代わりに架台1が設置される。架台1は、上部に設置される設備の大きさによって、1台のみで使用しても良く、または、図4に示すように縦横2台としてもよい。設備の大きさ及び設備設置部位49に応じて、架台1の設置台数を決定すれば良く、架台1設置部位のフロアパネル47と入れ替えればよい。なお、架台1の設置は、例えば下プレート3と床部とを接着剤等で接着すればよい。
フロアパネル47のそれぞれの角の合流部には、通常、支持体が設置されており、フロアパネル47は支持体上に配置される。架台1は下プレート3の4隅に切り欠きがあるため、既設の支持体の脚部と干渉することが無い。また、下フレーム9、上フレーム27の4隅も、斜めにカットされて切り欠き部が設けられているため、支持体と干渉することがない。このため、支持体を設置した状態で、架台1を設置することができる。
図5は、従来のフリーアクセスフロアと架台1の振動レベルを比較した図である。縦軸は振動レベルを表し、高いほど大きな振動レベルである。また横軸は周波数である。
従来のフリーアクセスフロアの振動レベルとは、通常のフロアパネルを支持体上に配置した状態での振動レベルである。床に所定の振動を与えると、床の振動に応じて、支持体及びフロアパネルが振動する。この際、支持体及びフロアパネルの剛性が低いと、振動が増幅されて伝達される。すなわち、床からの振動を増幅してフロアパネル上の設備等へ伝達する。
図5から明らかなように、従来のフリーアクセスフロアの振動レベルは、測定した全ての周波数範囲で架台1の振動レベルを超えており、特に20Hz以下では、その差が顕著である。すなわち、通常のフリーアクセスフロアでは、振動が増幅されている。
一方、架台1は、高い剛性を有するため、振動の増幅が抑えられる。図5に示すように、架台1の振動レベルは、従来のフリーアクセスフロアに比べて明らかに抑えられており、特に、半導体製造設備等に対して悪影響を与える周波数帯は、50Hz以下の領域では、従来のフリーアクセスフロアの振動レベルに対して、架台1の振動レベルは著しく低く、このため、床からの振動の増幅抑制効果が高いことが分かる。
このように、本実施の形態にかかる架台1によれば、高い剛性(特に水平方向の剛性)を有するため、床からの振動を増幅することがなく、このため、上部に重量があり、振動に弱い設備等を設置しても、床からの振動を増幅して伝達することが無い。
特に、支柱23と下フレーム9及び補強板13との接合部がナット21a、21bで上下方向から挟み込むように固定され、また、同様に、支柱23と上フレーム27との接合部がナット21c、21dで上下方向から挟み込むように固定されるため、支柱23と、下フレーム9及び上フレーム27とのずれやすべりが無く、高い剛性を得ることができる。
さらに、下フレーム9と支柱23及び接合剤5との接合部には補強板13が設けられるため、下フレーム9の接合部の強度が向上し、架台1の剛性を向上することができる。また、下フレーム9及び上フレーム27にはそれぞれリブ11及びリブ29が設けられるため、下フレーム9及び上フレーム27が変形等することがない。
また、上フレーム27と下フレーム9と支柱23とで形成される矩形部の略対角線上にはターンバックル43が設けられるため、架台1は水平方向の振動に対して高い剛性を得ることができる。
また、下プレート3の4隅が切り欠かれているため、既設の支持体等の脚部と干渉することが無く、設備の移設や増設時に、既設のフロアパネル47に代えて架台1を設置することが可能である。特に、架台1は各部材の組立及び解体が容易であるため、クリーンルーム内での溶接作業等を行うことなく、また、特殊なクレーン等の設備を必要としなくても、現場で容易に設置作業を行なうことができる。
また、上方からの荷重を支柱23が受けるため、支柱23の本数等を適宜変更することで、所望の強度を有する架台を得ることができ、重量のある設備を設置可能な架台を提供することができる。
次に、第2の実施の形態にかかる架台50について説明する。図6から図8は、架台50を示す図で、図6は架台50の分解斜視図、図7は架台50の組立斜視図、図8は架台50の正面図である。なお、架台50において、図1〜図3に示す架台1と同一の機能を果たす構成要素には、図1〜図3と同一番号を付す。架台50は、主に下プレート3、下フレーム9、棒ボルト26、丸パイプ24、上フレーム27、上プレート35、及びターンバックル43等により構成される。
下プレート3は、架台50を床上に設置する際に、床と接着される部位である。下プレート3は鋼製の板状部材であり、架台50の4隅に該当する部分に切り欠き部7が設けられる。切り欠き部7は、架台50を設置する際に、フリーアクセス用フロアパネル設置用の支持体との干渉を防ぐためのものである。すなわち、架台50は、既設の支持体の脚部と干渉することなく設置することができる。
下プレート3には、複数のナット6が設けられる。ナット6と下プレート3との接合は、例えば溶接により行われる。ナット6は後述する棒ボルト8が接合される部位であり、上方からの力を均等に受けることができるように、下プレート3の各辺にそれぞれ2個ずつ、合計8個設けられる。
なお、ナット6の個数及び設置位置は、後述する下フレーム9との接合を確実に行うことができれば良く、上述した、架台50の形態には限られない。しかし、高い剛性を確実に得るためには、架台50を上方から見たとときに、ナット6の配置が架台50の中心を基準として対称位置であると、荷重バランスに優れるため望ましい。
下プレート3には、複数のボルト穴4が設けられる。ボルト穴4は下プレート3の中心を基準として、同心円上に一定間隔で4箇所設けられる。ボルト穴4には、図示を省略したボルトが設けられる。
図9は、ボルト穴4近傍の下プレート3の拡大断面図である。下プレート3と床53とは、接着剤57により接着される。また、ボルト穴4下の下プレート3と床53との間には当て板としてプレート55が設けられる。下プレート3に設けられたボルト穴4には、ボルト51が設けられる。
ボルト51を回転すると、ボルト51の先端がプレート55に突き当たり、下プレート3と床53(プレート55)との隙間が変化する。下プレート3に設けられたそれぞれのボルト穴4について、それぞれのボルト51の高さ調整することで、下プレート3の水平度の調整を行なうことができる。すなわち、水平調整機構であるボルト穴4及びボルト51等によって架台50の水平レベルを調整することができる。
ナット6には、接続材としての棒ボルト8が設けられる。棒ボルト8はナット6と螺合して固定される。
棒ボルト8の上方には下フレーム9が設けられる。下フレーム9は、中央に穴を有する鋼製の矩形形状の部材であり、下フレーム9には、複数のリブ11が設けられる。リブ11は、下フレーム9に溶接で接合されてもよく、または、鋳造により下フレーム9とリブ11とを一体で成形しても良い。リブ11は、下フレーム9のたわみ、ねじれまたは変形等を防止するためのものであり、架台50に要求される剛性を得るために設けられる。リブ11は、他の構成部材との接続部を除き、下フレーム9の縦及び横方向のそれぞれに向けて配置される。なお、下フレーム9の4隅は、既設の支持体等と干渉することを防ぐため、斜めにカットされる。
下フレーム9には、穴15a、及び穴17aが設けられる。穴17aは、棒ボルト8との接続部である。また、穴15aは、後述する棒ボルト26との接合部である。すなわち、穴17aは、下プレート3上に下フレーム9を設置した際に、棒ボルト8の設置位置に設けられる。
下フレーム9の穴15a、17a設置部には、補強板13が設けられる。補強板13は、鋼製の板状部材であり、穴15a、17aに対応した位置に、穴15b、17bが設けられる。棒ボルト8は、補強板13の穴17b、下フレーム9の穴17aを貫通し、ナット18a、18bで固定される。すなわち、下フレーム9と補強板13とを上下方向よりナット18a、18bで挟み込むように、棒ボルト8と下フレーム9及び補強板13とが接合され固定される。
ナット18a、18bは、容易に棒ボルト8に対して締め付けることも緩めることもできる。下フレーム9は、ナット18a、18bの位置に応じて棒ボルト8と固定されるため、ナット18a、18bの位置を調整し、棒ボルト8と下フレーム9との固定位置を変更すれば、下フレーム9の高さを容易に調整することができる。すなわち、架台50の高さを調整することができる。
なお、補強板13と下フレーム9とは、予め溶接等により接合しても良く、また、下フレーム9の穴15a、17a近傍の板厚を補強板13に対応する分だけ厚く成形することができれば、補強板13は不要である。
下フレーム9及び補強板13上には、支柱としての棒ボルト26および丸パイプ24が設けられる。棒ボルト26は鋼製の丸パイプ24内に挿入される。棒ボルト26の下方のボルト部は、補強板13の穴15b及び下フレーム9の穴15aを貫通し、ナット21a、21bで固定される。すなわち、ナット21a、21bが、下フレーム9及び補強板13を上下方向両側より挟みこむように設けられ、棒ボルト26が下フレーム9及び補強板13に固定される。
棒ボルト26が一対のナット21a、21bにより下フレーム9及び補強板13を挟み込むように固定されるため、棒ボルト26と下フレーム9との接合部のすべりやずれが生じることが無く、高い剛性を得ることができる。なお、棒ボルト26は、下フレーム9の4辺近傍に各2箇所の計8本設けられるが、棒ボルト26の設置本数及び設置位置については、架台50の使用状況に応じて適宜設定することができる。
棒ボルト26の上方には、上フレーム27が設けられる。上フレーム27は、中央に穴を有する鋼製の矩形形状の部材である。上フレーム27にはリブ29が設けられる。リブ29は、上フレーム27に溶接で接合されてもよく、または、鋳造により上フレーム27にリブ29を一体で設けても良い。リブ29は、上フレーム27のたわみ、ねじれまたは変形等を防止するためのものであり、架台50に要求される剛性を得るために設けられる。リブ29は、上フレーム27の縦及び横方向それぞれに設けられ、必要に応じて斜め方向にも設けられる。
上フレーム27には、穴31及びボルト穴33が設けられる。また、上フレーム27の側面には連結穴28が設けられる。穴31は棒ボルト26の上方のボルト部との接合部である。棒ボルト26が穴31を貫通し、ナット21c、21dにより上フレーム27へ固定される。すなわち、ナット21c、21dが、上フレーム27を上下方向から挟みこむように設けられ、棒ボルト26が上フレーム27に固定される。このため、棒ボルト26と上フレーム27との接合部におけるすべりやずれが生じることが無い。
また、上フレーム27と下フレーム9とを接合する棒ボルト26は、丸パイプ24内に挿入されるため、上方からの荷重に対して、丸パイプ24が荷重を受け持つことができる。このため、丸パイプ24及び棒ボルト26を支柱とする架台50は、高い耐荷重性能を有し、重量のある設備を上部に設置することが可能である。
連結穴28は、ボルト等で隣接する架台50同士を連結することができる。前述の通り、架台50は、上部に設置する設備の大きさや位置に応じて、複数台の架台50を設置する場合があるが、この場合に、隣接する架台50同士を連結することで、より高い剛性を得ることができる。
なお、上フレーム27の4隅は斜めにカットされる。フロアパネルを支える既設の支持体等との干渉を防ぐためである。すなわち、架台50は、既設の支持体等が設置された部位においても、支持体等と干渉することなく設置することができる。
上フレーム27上には、上プレート35が設けられる。上プレート35は鋼製の板状部材であり、上部に設備等が設置される部位である。上プレート35には接続材39が設けられる。接続材39は、中央に穴が設けられた中空の柱状部材であり、上フレーム27と上プレート35を接続する部材である。接続材39は、溶接等により予め上プレート35に接合しておいても良く、又は、別部材であっても良い。
上プレート35には、角パイプ36が設けられる。角パイプ36は上プレート35のたわみや変形を防止するためのものである。角パイプ36は、上プレート35に予め溶接等によって接合される。角パイプ36は、既設の支持体等と干渉しないように、上プレート35の4隅は避けて配置される。なお、角パイプ36の上述の効果を効率よく得るためには、角パイプ36を上プレート35の対角線上に設けることが望ましい。また、角パイプ36に代えて、上プレート35にリブを設けることもできる。この場合、上プレート35にリブを溶接により設けても良く、または、鋳造により、上プレート35とリブを一体で成形しても良い。
接続材39の設置位置は、角パイプ36の設置部位を除き、上フレーム27のボルト穴33に対応する位置である。また、上プレート35への接続材39の設置位置には、穴41が設けられる。ボルト37は、穴41及び接続材39の中空部を貫通し、上フレーム27のボルト穴33に固定される。なお、図示は省略するが、上プレート35の穴41は、ボルト37の頭部が収まるよう段付形状となっており、ボルト37で上プレート35と上フレーム27とを固定した際に、ボルト37が上プレート35の面上に突出することはない。
上フレーム27と下フレーム9とは、更にターンバックル43により接合される。ターンバックル43は、上フレーム27、下フレーム9及び棒ボルト26(丸パイプ24)とで形成される矩形部のほぼ対角線上に斜めに設けられ、ボルト45によって、上フレーム27及び下フレーム9に接合される。
ターンバックル43は、架台50の水平方向の振動の増幅を抑えるためのものであり、架台50の剛性を高める。なお、ターンバックル43に代えて、その他の補強部材を上フレーム27と下フレーム9との間に斜め方向に設けることもできる。
第2の実施の形態にかかる架台50によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、下プレート3、下フレーム9、棒ボルト26、上フレーム27及び上プレート35の各構成部材がボルト及びナットで接続されるため、組立および解体が容易なフリーアクセスフロア用架台を得ることができる。また、下プレート3に設けられたボルト穴4にボルト51をねじ込むことで、架台50の水平レベル調整を行うことができる。また、棒ボルト8とナット18a、18bによって棒ボルト8と下フレーム9との固定位置が定まるため、容易に架台50の高さ調整を行うことができる。
また、下フレーム9と上フレーム27とを接続する支柱として、棒ボルト26及び丸パイプ24を使用するため、上方からの荷重を丸パイプ24で受けることができ、大きな耐荷重性能を有する架台50を得ることができる。また、上プレート35には、角パイプ36が対角線上に設けられるため、上プレート35の変形等が抑制される。このため、極めて大きな荷重に耐えることができる架台を得ることができる。
また、上フレーム27の側面には連結穴28が設けられ、隣接する架台50同士をボルト等で固定することができるため、固定された複数台の架台50全体として、より高い剛性を得ることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
架台1の分解斜視図。 架台1の組み立て斜視図。 架台1の正面図。 架台1を設置した状態を示す図。 架台1と従来のフリーアクセスフロアとの振動レベルの比較。 架台50の分解斜視図。 架台50の組み立て斜視図。 架台50の正面図。 ボルト穴4近傍の下プレート3断面拡大図。
符号の説明
1、50………架台
3………下プレート
4………ボルト穴
5………接続材
6………ナット
7………切り欠き部
8………棒ボルト
9………下フレーム
11………リブ
13………補強板
15………穴
17………穴
18………ナット
19………ボルト
21………ナット
23………支柱
24………丸パイプ
25………ボルト部
26………棒ボルト
27………上フレーム
28………連結穴
29………リブ
31………穴
33………ボルト穴
35………上プレート
36………角パイプ
37………ボルト
39………接続材
41………穴
43………ターンバックル
45………ボルト
47………フロアパネル
49………設備設置部位
51………ボルト
53………床
55………プレート
57………接着剤

Claims (6)

  1. 下プレートと、
    前記下プレート上に設けられた下フレームと、
    前記下フレームに設けられた支柱と、
    前記支柱を介して、前記下フレームと接合された上フレームと、
    前記上フレーム上に接合された上プレートと、
    を具備し、
    前記下フレームは、前記支柱との接合部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚く、
    前記支柱と前記下フレームとの接合部は、前記下フレームを挟み込むように固定具で固定され、
    前記第支柱と前記上フレームとの接合部は、前記上フレームを挟み込むように固定具で固定されることを特徴とするフリーアクセスフロア用架台。
  2. 前記下フレームの前記支柱との前記接合部には、補強板が設けられることで、前記接合部の厚さが厚いことを特徴とする請求項1記載のフリーアクセスフロア用架台。
  3. 前記固定具は、ボルト及びナットであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフリーアクセスフロア用架台。
  4. 前記下フレームと前記上フレームと前記支柱とで囲まれた部分の略対角線に、補強部材が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載のフリーアクセスフロア用架台。
  5. 前記下フレーム及び/または前記上フレームには、リブが設けられることを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載のフリーアクセスフロア用架台。
  6. 前記下プレートの四隅には切欠きがあることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のフリーアクセスフロア用架台。
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